19-1. リーサル・ウェポン4 

監督 リチャード・ドナー
出演 メル・ギブソンダニー・グローヴァージョー・ペシレネ・ルッソクリス・ロック
1998年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 127分

解説
L.A.の暴走刑事コンビの活躍を描く人気シリーズの6年ぶりの第4弾。監督はシリーズ産みの親で 「マーヴェリック」 のリチャード・ドナー。脚本は人気テレビ・シリーズ 「NYPDブルー」を手掛け、本作が映画デビュー作となるチャニング・ギブソン。製作はドナーとシリーズ全作を手掛けたジョエル・シルヴァー。製作総指揮は「トゥルー・ロマンス」 のスティーブ・ペリーと 「アルマゲドン」 のジム・ヴァン・ウィク。撮影は 「追跡者」 のアンジェイ・バートコウィアク。音楽はシリーズ全作を担当している 「ロビン・フッド」 のマイケル・ケイメン、ロック界のスーパースターのエリック・クラプトン、 「ダブル・ビジョン」でグラミー賞に輝いたデイヴィッド・サンボーン。美術は「カラーパープル」 のJ・マイケル・リーヴァ。衣裳は 「痩せゆく男」 のハ・ニューエン。主演はシリーズの顏である 「陰謀のセオリー」 のメル・ギブソン、 「レインメーカー」 のダニー・クローヴァー。共演は前作から加わった 「身代金」 のレネ・ルッソ、 「カジノ」 のジョー・ペシら常連メンバーに加えて、 「身代金」 のクリス・ロック、初のハリウッド進出第1作となる 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」 シリーズのリー・リンチェイが敵役で登場。

ストーリー
ロス警察の名物刑事、マーチン・リッグス(メル・ギブソン)とロジャー・マータフ(ダニー・グローバー)が、火炎放射器を手に完全武装した凶悪犯と銃撃戦を展開しているさなか、リッグスは彼の恋人であるローナ(レネ・ルッソ)が妊娠していることを知らされる。今回もタンクローリーを吹っ飛ばすほどの暴れぶり。そんなふたりのお陰で保険会社から愛想を尽かされつつあるロス警察は、最後の策として彼らを警部に昇進させることにした。内勤につかせておくためだ。図に乗って大喜びするふたり。そんなある日、ヨットでお騒がせ会計士のレオ(ジョー・ペシ)と釣りに出かけていたふたりは中国からの密航船を発見し、スネークヘッドたちとの格闘の末、船を座礁させる。だが、避難用ボートの中に隱れていたホン(エディ・コー)とその一家に同情したマータフは、違法と知りながら自分の家にかくまうことに。ふたりは、若手刑事バターズ(クリス・ロック)と共に密航事件を捜査し始め、チャイナタウンの黒幕であるクー(リー・リンチェイ)の存在を暴き出す。クーは、大陸で強制労働についている4人の長老を人民解放軍との闇取引で手に入れるために、大量のニセ札をヤミ工場で印刷していた。クーたちはマータフ家を急襲、リッグス、マータフも駆けつけたがクーのカンフーによって叩きのめされ、ホン一家は連れ出され、全員縛り付けられた上で家に火を放たれる。間一髪のところで逃げ出したリッグスたちは4人組の引き渡しが行われる場所へ急行。ニセ札で取引をしようとしていたことを人民軍にしらせ、クーの顏を丸潰しに。怒りに燃えるクーとふたりは死闘の末、勝利を収めるのだった。




19-2. 七年目の浮気

監督 ビリー・ワイルダー
出演 マリリン・モンロートム・イーウェルイヴリン・キースソニー・タフツロバート・ストラウス
1955年・アメリカ (20世紀フォックス極東会社) 105分

解説
ブロードウェイで長期興行を続けたジョージ・アクセルロッドの3幕もの舞台劇 「7年越しのムズムズ」の映画化で、「麗しのサブリナ」 のビリー・ワイルダーが原作者アクセルロッドと共同脚色し、自ら監督したが、コートニー・バーとエリオット・ニュージェントの舞台演出に基づいている。製作は 「欲望という名の電車」 のチャールズ・K・フェルドマンとビリー・ワイルダー、音楽は 「足ながおじさん」 のアルフレッド・ニューマン、撮影監督は 「愛の泉」 でアカデミー賞を得たミルトン・クラスナー。主演は 「ショウほど素敵な商売はない」 のマリリン・モンローと 「アダム氏とマダム」 で映画紹介されたブロードウェイの名優トム・イーウェル。助演は 「スパイ(1952)」 のイヴリン・キース、 「銃弾都市」 のソニー・タフツ、 「トコリの橋」 のロバート・ストラウス、モデル出身で初出演の新星ロクサン、6才の子役で 「スタア誕生(1954)」 に出たブッチ・バーナードなど。

ストーリー
リチャード・シャーマン(トム・イーウェル)は出版社の編集者。中年に近い恐妻家の男だが、避暑に出かける妻ヘレン(イヴリン・キース)と息子のリッキー(ブッチ・バーナード)を飛行場で見送り、妻君の口うるさい忠告に閉口してひとりアパートに戻った。ところが彼の部屋の1階上には、部屋主の避暑旅行の留守期間だけ住みこんだテレビに出演している娘(マリリン・モンロー)がいた。その悩ましさを印象づけられたシャーマンは落ちつきをなくし、止むなく出版予定の精神病医ブルベイカー博士の原稿を読み始めた。やがてシャーマンは、自分が女たらしになる妄想の糸をたぐり出し、女秘書モリスから妻の女友達エレンまで、さまざまな女たちに誘惑される想像にふける。と、そこへ妻から長距離電話が。ヘレンは、旧友の作家トム・マッケンジーに会ったと言う。シャーマンの心はおだやかでなくなり、ふとしたきっかけで階上の娘を自室に招くが、現実の世界は妄想のようにはうまく運ばず、彼はことごとにヘマをする。翌朝、出社したシャーマンがブルベイカー博士の原稿を読むと、結婚7年目の男の浮気心を「7年越しのムズムズ」と説明している。自分もちょうど結婚7年目なのでいたく良心を責められるシャーマンだが、妄想は又もや始まる。たまりかねて妻に電話をかけると、マッケンジーとドライヴに出かけたという。アパートに戻ったシャーマンは、階上の娘をさそって映画を観に行く。自分の部屋はクーラーがないので暑くて眠れない、という娘を自分たちの寝室に寝かせ、シャーマンは居間で一夜を明かす。翌朝、又もやノイローゼ的妄想を始めたシャーマンに、娘は昨夜のお礼の接吻をする。そこへマッケンジーが突然訪ねてきた。シャーマンは、ヘレンが離婚する意志を伝えにやって来たと誤解し、トムを殴り倒してヘレンの元へ飛んでゆくのだった。




19-3. サニー 永遠の仲間たち (吹替)

監督 カン・ヒョンチョル
出演 ユ・ホジョンシム・ウンギョンカン・ソラコ・スヒホン・ジニ
2011年・韓国 (CJ Entertainment Japan) 124分

解説
40代となった高校時代の親友たちが25年ぶりに再会し、失ってしまった大切な何かを取り戻していく様をつづる、女性たちの友情のドラマ。様々な事情を抱え生きる現在と、華やかなりし高校時代の物語が、80年代のポップミュージックとともに描かれる。監督は前作「過速スキャンダル」が評判を呼んだカン・ヒョンチョル。

ストーリー
アラフォー主婦が数十年ぶりに同級生に再会。そこから自分たちが最も輝いていた80年代と女子グループ「サニー」の思い出が次々によみがえる。原色ファッションにポップ音楽、血気盛んな雰囲気など80年代の要素満載の快作コメディ!




19-4. Mr.&Mrs.スミス

監督 ダグ・リーマン
出演 ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリーアダム・ブロディケリー・ワシントンヴィンス・ヴォーン
2005年・アメリカ (東宝東和) 118分

解説
話題のカップル、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー共演による、全米大ヒットのアクション。甘美な結婚生活を送る夫婦が敵対する殺し屋へと転じる姿を軽快に描く。

ストーリー
南米コロンビアで、建築業者のジョン(ブラッド・ピット)とコンピューター・プログラマーのジェーン(アンジェリーナ・ジョリー)は運命的な出会いを果たす。アメリカに帰国後、友人たちの猛反対に耳を貸さず、2人はすぐ結婚してスミス夫妻となった。だがそれから5〜6年後、2人はすれ違いを感じて倦怠期に突入する。それもそのはず、ジョンの裏の顔は一匹狼の殺し屋で、ジェーンの裏の顔は暗殺エージェントのエース。お互い敵対する秘密組織の任務を引き受けるプロの暗殺者であることを、ずっと相手に内緒で生活を続けていたのだ。そしてある時、同じターゲットを狙っていた2人は、ついに砂漠のど真ん中でニアミスをする。まもなく彼らは、自分の結婚相手の正体を知ることになった。正体がバレたからには、誰であっても48時間以内に相手を始末しなければいけないのが、この世界の暗黙のルール。かくして2人は、壮大なスケールの夫婦ゲンカを繰り広げることに。ところがこの戦いにピリオドを打つため、それぞれが所属する両組織が組んで、スミス夫妻をまとめて始末する決断が下されてしまった。ここで逃げたら一生追われる身になると悟った夫妻は、2人で両組織を壊滅させてしまう。その過程で愛を再燃させた2人は、結婚セラピーで、カウンセラーに夫婦の絆は強まったと語るのだった。













19-5. 天井桟敷の人々  

監督 マルセル・カルネ
出演 ピエール・ブラッスールレオン・ラリブアルレッティマルセル・エランフェアビン・ロリス
1944年・フランス (東宝) 190分

解説
 名匠マルセル・カルネによるフランス映画の大作。19世紀半ばのパリの芝居小屋を舞台に、パントマイム役者バチストを囲む人々の波瀾万丈の人生を描く。とにかく素晴らしい名セリフの数々にご注目。

ストーリー
第1部「犯罪大通り」1800年代のパリ。タンプル大通り、通称犯罪大通りで裸を売りものにしている女芸人ガランス(アルレッティ)はパントマイム役者バティスト(ジャン・ルイ・パロー)と知り合いになった。パティストは彼女を恋するようになった。無頼漢ラスネール(マルセル・エラン)や俳優ルメートル(ピエール・ブラッスール)もガランスを恋していた。パティストの出ている芝居小屋「フュナンピュール」座の座長の娘ナタリー(マリア・カザレス)はバティストを恋していた。ガランスにいい寄るにしてはバティストの愛はあまりに純粋であった。ラスネールといざこざを起したガランスは「フュナンビュール」に出演するようになった。ガランスの美貌にモントレ−伯(ルイ・サルー)が熱をあげた。 第2部「白い男」5年後、バティストはナタリーと結婚、一子をもうけていた。ガランスは伯爵と結婚していた。人気俳優になったルメートルのはからいでバティストはガランスに劇場のバルコニーで会うことが出来た。一方、劇場で伯爵に侮辱されたラスネールは風呂屋に伯爵を襲って殺した。バティストはガランスと一夜を過ごした。翌朝、バティストの前に現れたナタリーと子供の姿を見たガランスは、別れる決心をした。カーニバルで雑踏する街を去るガランスを追ってバティストは彼女の名を呼び続けた。




19-6. プロフェッショナル

監督 リチャード・ブルックス
出演 バート・ランカスターリー・マービンロバート・ライアンジャック・パランスクラウディア・カルディナーレ
1966年・アメリカ (コロムビア) 117分

解説
フランク・オルークの小説を、 「ロード・ジム」 のリチャード・ブルックスが脚色、監督した西部劇アクション。撮影はコンラッド・ホール、音楽は 「ドクトル・ジバゴ」 のモーリス・ジャールが担当した。出演は 「愛の奇跡」 のバート・ランカスター、 「愚か者の船」 のリー・マーヴィン、 「バルジ大作戦」 のロバート・ライアン、 「スパルタカス」 のウディ・ストロード、 「名誉と栄光のためでなく」 のクラウディア・カルディナーレ、 「軽蔑」 のジャック・パランスなど。

ストーリー
1917年、メキシコ革命の時代。数百名の革命派くずれの無法者たちが、山賊となって国境付近で暴れまわっていた。その頃テキサス油田の持ち主グラントの妻マリア(クラウディア・カルディナーレ)が彼らに誘拐され、身代金10万ドルを要求されていた。グラントは妻をとりかえすため4人の男を雇った。彼らはそれぞれの特技をもつ戦争専門家だった。ファーダン(リー・マーヴィン)は、射撃の名手で4人のリーダー格。エーレンガード(ロバート・ライアン)は馬に関しての専門家、ジェイク(ウディ・ストロード)は追跡と狩りの名人で、ナイフと弓矢の術は抜群だ。そしてドルワース(バート・ランカスター)はダイナマイトの専門家といったぐあい。4人は出発した。岩山と砂漠が広がる長い旅だ。途中何度か革命軍に襲われ、各自の特技をいかしてきり抜けた。メキシコ鉄道を見下ろす丘の上で4人は周囲を偵察した。政府軍に守られた機関車が来た時、首領ラザ(ジャック・パランス)を先頭に数十人の革命軍が現れた。列車はおさえられ乗員は全員射殺された。敵の根城の近くまできたらしい。その夜4人は攻撃を始めた。ダイナマイトを仕かけ、マリア救出におもむいたところ、なんとラザとマリアは夫婦だった。むりやりマリアを連れ出し、敵の本拠を爆破した。4人のプロフェッショナルとマリア、一行5人の脱出が始まった。砂嵐の中を、ラザ一味が追ってくる。戦闘が続き、敵の生存者はラザだけとなった。そして、ラザも一行に加えたのだが、彼の話によると、マリアはもともとメキシコの女で、グラントが土地を奪った際に連れ去ったのだという。マリアとラザは昔から恋人同士だったとも。グラントのきたないやり方に4人は怒った。賞金などいらない。プロフェッショナルたちはマリアとラザをメキシコに帰してやるのだった。





19-7. ディファイアンス  

監督 エドワード・ズウィック
出演 ダニエル・クレイグリーヴ・シュレイバージェイミー・ベルアレクサ・ダヴァロスアラン・コーデュナー
2008年・アメリカ (東宝東和) 137分

解説
第2次大戦中に1200人のユダヤ人の命を救ったビエルスキ3兄弟の実話をダニエル・クレイグ主演で映画化。飢えや寒さに苦しみながら、ナチスへの抵抗を貫いた人々の壮絶な物語が描かれる。

ストーリー
1941年、第二次世界大戦下、ドイツ軍はベラルーシを占拠。ナチス親衛隊と地元警察はユダヤ人狩りを始める。8月。両親を殺されたユダヤ人兄弟、トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)、ズス(リーヴ・シュレイバー)、アザエル(ジェイミー・ベル)は子供の頃から遊んでいたリピクザンスカの森に逃げ込んでいた。そこへ、3人と同じように逃げ惑うユダヤ人が次々と合流する。トゥヴィアは食料と武器を入手するため、父の親友だったコシュチュクを訪ねると、そこにも数人のユダヤ人が身を隠していた。トゥヴィアは、コシュチュクに頼まれ、他のユダヤ人たちも森の中へと案内する。10月。数十人となったユダヤ人の共同体は森の中に家を建て、やがて彼らは“ビエルスキ・パルチザン(武装組織)”と名乗り、銃で武装し始める。だがドイツ軍への攻撃を行なっていたある日、銃撃戦で2人の犠牲者を出し、アザエルも行方不明に。森の中で、仲間の喪失や空腹、不安を抱え、同胞の間でもいざこざが起き始めていたとき、トゥヴィアは皆でこの森で暮らすことを提案。生き残ることが復讐だという彼の意見に仲間たちも賛同するのだった。そんな中、トゥヴィアがコスチュクの家に食料をもらいに行くと、2人のユダヤ人女性と共にアザエルがかくまわれており、コスチュクが納屋の先に吊るされ殺されていた。1942年。ソ連軍キャンプは敵の攻撃から逃れるため、撤退を始める。それを拒むズスだったが、ソ連軍は受け入れず、森を後にする。まもなくして森の中に爆弾が打ち込まれた。逃げ惑う人々。アザエルら数人が残り、銃を手に時間を稼ぐ。その間、トゥヴィアが仲間たちを誘導、森の奥へと進んでいった。ロープやベルトで全員をひとつ繋ぎにして、大きな沼をようやく渡りきると、そこにはドイツ軍が待ち受けていた。激しい銃撃戦が繰り広げられ、トゥヴィアたちは劣勢を強いられていく……。




19-8. 鷲と鷹

監督 ゴードン・ダグラス
出演 リー・ヴァン・クリーフウォーレン・オーツフォレスト・タッカーカーウィン・マシューズマリエット・ハートリー
1970年・アメリカ (ユナイト)

解説
兇悪な強盗団にただ1人たち向かった不敵な男。総指揮は 「復讐戦線」 のオーブリー・シェンク、製作は 「猛烈なる復讐」 のハル・クレイン、監督は 「セメントの女」 のゴードン・ダグラス。脚本はジョージ・シェンクとウィリアム・マークス、撮影はジェラルド・フィナーマンとデール・デバーマン、音楽はドミニク・フロンティア、美術はアレン・E・スミス、編集はチャールズ・ネルソンがそれぞれ担当。出演は 「地獄の戦場・コマンドス」 のリー・ヴァン・クリーフ、 「ワイルドバンチ」 のウォーレン・オーツ、 「西部の男」 のフォレスト・タッカー、 「宇宙からの脱出」 のマリエット・ハートレイ。他に、カーウィン・マシューズ、マリー・ゴメス、デイビス・チャンドラーなど。

ストーリー
1870年頃のアリゾナ。目もくらむ砂塵の中を、群盗の一団が現れた。隊長のレミー(ウォーレン・オーツ)は、部下のフェア(ジョン・デイヴィス・チャンドラー)に先に、ロンリー・デルの町に向かわせた。その町は、川の東岸の開拓地で、トラビス船長(リー・ヴァン・クリーフ)の作ったはしけが、町の人々の交通を助けていた。彼は自然を破壊する町の人々を嫌い、男まさりのノラ(マリー・ゴメス)と同棲していた。明け方近く、町についたフェアたち3人は、トラビスを縛りつけ、仲間と掠奪品の到着を待った。その頃には、レミーたちは近くの鉱山町バックスキンを襲い、皆殺しのあげく、馬車3台分の掠奪品をせしめていた。粗暴な隊長レミーとは対照的な、副首領のマルケットは、この戦いの最中に、静かに工学の本を手にとったりしていた。一方、とらわれの身となっていたトラビスは、友人のフィル(フォレスト・タッカー)に助けられ、逆にフェアを捕虜にして、町の人々をはしけで西岸に避難させた。やがて町に着いたレミーは、この有様をみて怒り狂ったが、はしけがないので、どうすることもできなかった。そこで、都合の良い取り引きをもち出したが、トラビスは、いっこうに応じなかった。だが、狩りに出ていた町の住人ローランドが、捕虜になってしまった。そして、相手の捕虜となっているフェアを、無情にも射殺させたレミーは、ローランドの命とはしけを交換しろと脅しに出た。ローランドの妻アンナ(マリエット・ハートレイ)は、夫を救ってくれたら、肉体を与えると、トラビスに約束した。彼はフィルを連れて川を渡り、不敵にも群盗団に潜入、無事ローランドを救出、約束通りアンナを抱くのだった。人質をとられ怒りにかられた群盗団は、知恵者のマルケットがいかだを組み、それでトラビス達を攻撃しようと試みたが失敗し、逆にレミーに射ち殺されてしまった。そして、ついにレミーはトラビスと、1対1の対決を迫った。1発目の銃弾は互いにはずれたが、トラビスの2発目の弾丸はみごとに、レミーを射抜いていた。




19-9. アジョシ

監督 イ・ジョンボム
出演 ウォンビンキム・セロンキム・ヒウォンソン・ヨンチャンキム・テフン
2010年・韓国 (東映) 119分

解説
韓国で2010年の興行成績No.1ヒットを記録した、ウォンビンの初単独主演作。心に傷を負った元特殊部隊員の男が、唯一心を許していた少女を救うために犯罪組織との戦いに挑む。少女役を務めるのは、 韓国で2010年の興行成績No.1ヒットを記録した、ウォンビンの初単独主演作。心に傷を負った元特殊部隊員の男が、唯一心を許していた少女を救うために犯罪組織との戦いに挑む。少女役を務めるのは、「冬の小鳥」の天才子役キム・セロン。鍛え上げられた肉体を駆使してウォンビンが見せる、息を飲むアクション・シーンは必見!

ストーリー
街の片隅の古ぼけたビルで質屋を営むテシク(ウォンビン)は家族も恋人も無く、質屋の客以外には、隣の部屋に住む少女ソミ(キム・セロン)が訪ねてくるだけだった。ソミを一人で育てているクラブダンサーの母親は自分の暮らしで手いっぱいで、ソミの世話も、小遣いもろくに与えない。ソミはテシクを“アジョシ(おじさん)”と呼び、慕っていた。ある日テシクは、通りの真ん中で鞄を盗んだと警察に突き出されていたソミと出くわす。母親の連絡先を教えろと言われたソミは、テシクをパパだと指差す。しかしテシクは、黙ってその場を立ち去る。その夜、テシクはソミから、それでもおじさんを嫌いにならないと言われ、言葉を失う。テシクが店に戻ると、見知らぬ男たちがいた。ソミの母親が犯罪組織から盗んで質に入れていた鞄に、麻薬が隠されていたのだ。麻薬を取り戻した男たちはソミと母親を拉致していく。テシクは全速力で車を追いかけるが、ソミの姿はあっという間に消え去る。組織の男たちは、テシクの身のこなしや銃に動じない様に驚く。組織を仕切るマンソク兄弟(キム・ヒウォン、キム・ソンオ)はソミと母親を人質にして、テシクに麻薬の運び屋を引き受けさせる。しかしその取引の現場を通報し、テシクと取引相手を警察に引き渡すという筋書きになっていた。さらにテシクが使った車のトランクに、内臓を抜かれたソミの母親の死体が入っていた。テシクは殺人と臓器売買の容疑で逮捕されるが、警察が調べても彼には前科や麻薬歴はなく、なぜか1998年から2006年までの記録が抹消されていた。テシクは取調官の隙をついて逃走する。そのころソミは同年代の子供たちと、見知らぬ家で軟禁されていた。捜査官は、テシクが暗殺を主な任務とする情報特殊部隊の元要員で、2006年の交通事故を最後に記録が途絶えていることを掴む。そのとき即死した同乗者は、テシクの妻だった。これ以上愛する者を失いたくないテシクはソミを救うため、一人で組織に乗り込んでいく。






19-10. アレクサンドリア

監督 アレハンドロ・アメナーバル
出演 レイチェル・ワイズマックス・ミンゲラオスカー・アイザックマイケル・ロンズデイルサミ・サミール
2009年・スペイン (ギャガ) 127分

解説
「海を飛ぶ夢」 のアレハンドロ・アメナーバル監督によるスペクタクル史劇。4世紀のアレクサンドリアに実在した知性と美貌を併せ持つ天文学者ヒュパティアがたどる数奇な運命を、壮大なスケールで映し出す。ヒロインのヒュパティアを演じるのは、 「ナイロビの蜂」 でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレイチェル・ワイズ。

ストーリー
ローマ帝国が崩壊寸前の4世紀末、エジプト・アレクサンドリア。人々は古代の神をあがめていたが、ユダヤ教とキリスト教が勢力を広げつつあった。天文学者ヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は美貌と知性に恵まれ、多くの弟子たちから慕われていた。そのひとり、オレステス(オスカー・アイザック)は彼女に愛を告白する。しかし、学問一筋のヒュパティアは拒絶する。ヒュパティアに仕える奴隷ダオス(マックス・ミンゲラ)も彼女に思いを寄せていたが、その身分ゆえ、それは秘する恋だった。キリスト教徒たちに古代の神々を侮辱された科学者たちは、彼らに報復する。ヒュパティアはローマの長官に訴えるべきだと反対するが、決定権を持つ父テオン(ミシェル・ロンズデール)は耳を貸さない。キリスト教徒がさらに多勢を集めて返り討ちに来たので、科学者たちは図書館に逃げ込む。争いの裁きを委ねられたローマ皇帝は、科学者たちの罪は問わない代わりに、図書館を放棄するよう命ずる。ダオスは奴隷として愛する人について行くか、改宗して自由を手に入れるか迷う。しかし取り乱したヒュパティアに叱責されたダオスは彼女に決別し、アンモニオス(アシュラフ・バルフム)に扇動され、神々の像を打ち壊す。キリスト教徒たちは図書館の書物を燃やす。この事件以来、アレクサンドリアではキリスト教とユダヤ教のみが認められることになり、多くの異教徒がキリスト教に改宗する。数年後、ローマ帝国は東西に分裂する。改宗したオレステスはアレクサンドリアの長官に、ヒュパティアの生徒シュネシオス(ルパート・エヴァンス)は主教に、ダオスは修道兵士となっていた。しかしヒュパティアは、地球と惑星の動きを解明しようと研究に励んでいた。キリスト教徒はユダヤ教を弾圧し始め、指導者のトップ・キュリロス主教(サミ・サミール)は、女子供まで皆殺しを命じる。アレクサンドリアの支配を目論むキュリロスはオレステスの失脚を狙い、彼の弱点がヒュパティアであることに気づく。




19-11. 悲しみよこんにちは

監督 オットー・プレミンジャー
出演 デボラ・カーデイヴィッド・ニーヴンジーン・セバーグミレーヌ・ドモンジョジェフリー・ホーン
1957年 (コロムビア) 94分

解説
フランスの女流作家、これを書いた当時は18歳だったフランソワーズ・サガンの原作を、 「旅情」 の原作者アーサー・ローレンツが脚色し、 「黄金の腕」 「軍法会議(1956)」 のオットー・プレミンジャーが監督した、戦後フランスの若い世代の心理を、17歳の少女を主人公として描いた作品。 「チャタレー夫人の恋人」 のジョルジュ・ペリナールのキャメラ、 「ノートルダムのせむし男」 のジョルジュ・オーリックの音楽という欧州側スタッフが起用され、原作の舞台である南仏リヴィエラ海岸とパリで撮影が行なわれた。プリントは黒白と色彩の両方を併用するという新手法が使われている。女主人公を演ずるのは、プレミンジャーに見出だされた新人ジーナ・セバーグ。他に 「めぐり逢い(1957)」 のデボラ・カー 「いとしの殿方」 のデヴィッド・ニヴェン 「女は一回勝負する」 のミレーヌ・ドモンジョ 「戦場にかける橋」 のジョフリー・ホーンなどが主演。 「陽はまた昇る」 のジュリエット・グレコ 「潮風のいたづら」 のウォルター・チアリ等が助演する。タイトル・デザインは 「八十日間世界一周」 のサウル・バス、在パリ菅井汲の絵が画中に使われている。製作はプレミンジャー自身。

ストーリー
あの夏からは総てが変わった。何もかもが永遠に−−1年前の夏、17歳の私は全く幸福だった。海を見下ろす南仏セント・トラペッツの丘の別荘に私たちはいた。母を15年前亡くした父レイモン(デイヴィッド・ニーヴン)と、父の愛人エルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と、私、セシール(ジーナ・セバーグ)の3人。父は41歳の事業家で、女にもて、親切で朗らかで、私を愛していた。半玄人でワンサ女優のエルザ、数多い父の女友達の1人。こういう友が、父に必要だということは、私はよく解っていた。海での最初の日、私は若い法科の学生フィリップ(ジョフリー・ホーン)と知りあった。私たちが海辺で最初の接吻をかわした日、母の友達だった、デザイナーのアンヌ・ラルサン(デボラ・カー)がやってきた。優雅な、洗練された、夫と離婚した中年の彼女。私たちの気楽な生活が、彼女の出現によって終わりそうなことを私は直感した。エルザが共に居ることを怒った彼女も、結局は私たちといっしょにくらすことになった。しかし、父とアンヌはだんだん親密になり、エルザと私は孤独になっていった。私にはまだフィリップがいたけれど、エルザがまず我慢出来なくなった。カジノに行った夜。消えてしまった父とアンヌを探して、2人の囁きを暗闇の自動車の中に私が聞いた夜。エルザは私たちの所へ帰って来なかった。翌朝、父はアンヌとの結婚を打明けて私に賛成を求めた。中年の、恋を得た女性の美しさ。それが私にはねたましかった。海辺のパラソルの下で、私はフィリップと激しい接吻に身をまかせた。それを、アンヌが見たのだ。激しい叱責、勉強のこと、フィリップと会ってはならぬこと、将来のこと等々。けれど、私はもう子供じゃないのだ。父をかえ、私までかえようとするアンヌ、大嫌いな女。私は彼女の詰問にあって、夜の部屋をとび出した。裸で眠っていたフィリップの部屋で、私は初めて彼の激しい愛撫におぼれた。私は復讐の片棒をエルザにかつがせた。フィリップと彼女の連れだった姿を見せつけて、父の嫉妬をかきたてようというのだ。計画はやがて実を結んだ。その日の昼すぎ、父は人に会うのだと外出した。やがて散歩に出たアンヌのあとを私はつけた。そして、木陰で聞いた父とエルザの忍び笑い。アンヌは家の方に向かって走った。彼女は涙を流していた。そんな彼女を、今までどうして私は想像しえたろう。待って、アンヌ、許して−−すがる私に、彼女は接吻して、自動車を猛烈なスピードでスタートさせ、走り去った。自動車が崖から落ちて、彼女が死んだことが知らされたのはその日の午後だった。この夏7回目の運転事故として。−−エルザは南米に行き、フィリップとは葬式以来会っていない。残った父と私。あの時から、どの日も私にとって暗い。夢の中でアンヌを呼び、また意味のない1日を迎えようとする朝、私はつぶやく、悲しみよ、こんにちはと。




19-12. Pina 3D ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

監督 ヴィム・ヴェンダース
出演 ピナ・バウシュ
2011年・フランス、イギリス、ドイツ (ギャガ) 104分

解説
コンテンポラリーダンスの世界に革命を起こした天才ダンサー、ピナ・バウシュ。彼女と親交のあったヴィム・ヴェンダース監督が、2009年に急逝した彼女との約束を果たすため、弟子のダンサーたちと共に作り上げたアート系初の3D映画。緻密に計算されたキャメラワークが圧倒的な躍動感を生み出し、観る者を陶酔へいざなう。

ストーリー
バレエと演劇の垣根を取り払い、境界線を自由に行き来し、そのどちらでもない全く新しいジャンルを生み出したピナ・バウシュ。伝統や常識と決別した彼女は、ダンスという身体の言葉で、強さと儚さ、歓びと悲しみ、愛されたいという願いと不安など、誰もが共鳴できる揺れる感情を表現した。だが、高松宮殿下記念世界文化賞、京都賞、ゲーテ賞などの栄えある賞を受賞、輝かしい道を歩み続けたピナが、2009年6月突然この世を去ってしまう。20年来の友人であるヴィム・ヴェンダース監督は、ピナと映画の企画を進めていたが撮影中止を決定。しかし、彼の背中を押したのは、世界中から届く映画化を願う声だった。ヴェンダースは空間の広がりを可能にする3Dがあれば、ピナとヴッパタール舞踊団の世界を再現できると確信。ヴッパタールのオペラハウスに観客を入れたライブ「カフェ・ミュラー」「春の祭典」「フルムーン」「コンタクトホーフ」を新たに撮影すると共に、ヴェンダースは革新的な試みを果たす。劇場を飛び出して、モノレールや工場などの現代建築、森や庭園などの自然の中でソロパフォーマンスを繰り広げるダンサーたちをカメラが追う。さらに在りし日のピナの貴重な映像や、ダンサーたちからピナへのメッセージを挿入、未知なるダンス・ドキュメンタリーを完成させた。




19-13. ウインドトーカーズ

監督 ジョン・ウー
出演 ニコラス・ケイジアダム・ビーチロジャー・ウィリークリスチャン・スレーターピーター・ストーメア
2001年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 134分

解説
フェイス/オフ」 ジョン・ウー監督&主演ニコラス・ケイジのコンビが放つ壮絶な戦争ドラマ。太平洋戦争の激戦地を舞台に、非情な極秘任務の陰で育まれた男たちの友情を描きだす。

ストーリー
1943年。ハワイ島キャンプ・タラワで、ナバホ族の暗号通信兵であるヤージー(アダム・ビーチ)とホワイトホース(ロジャー・ウィリー)は、自分たちの護衛に任命された白人軍曹のエンダーズ(ニコラス・ケイジ)とオックス(クリスチャン・スレーター)に出会う。しかしエンダーズはヤージーに冷たかった。1944年6月16日、彼ら第2偵察隊はサイパン島に上陸し、日本軍と激しい銃撃戦を展開する。戦闘を生き抜くたびに、エンダーズとヤージーの間にも連帯感が生まれていった。だが日本人村で日本軍の奇襲にあった時、危機が迫ったホワイトホースを助けようとして、オックスは戦死。そして日本軍の手におちかけたホワイトホースを、エンダーズは軍の命令に従い、悩みながらも手榴弾で殺してしまう。それを知ったヤージーはエンダーズを恨み、自暴自棄になって戦闘へとのめり込む。そんなある時、盲進するヤージーを追って敵陣に乗り込んだエンダーズたちは、絶体絶命の危機に立たされた。エンダーズはヤージーをかばい、無線機を敵から奪って軍に爆撃の要請を出すが、胸を撃たれてしまい、ヤージーの腕の中で息絶える。やがて自らの故郷であるモニュメント・バレーに帰ったヤージーは、そこでエンダーズを弔うのだった。




19-14. ブロードウェイと銃弾

監督 ウディ・アレン
出演 ジム・ブロードベントジョン・キューザックハーヴェイ・フィアスティンチャズ・パルミンテリメアリー=ルイーズ・パーカー
1994年・アメリカ (日本ヘラルド映画=ヘラルド・グループ)

解説
才人ウディ・アレンが“狂騒の20年代”のブロードウェイ演劇を舞台に描く、軽妙洒脱なバック・ステージ・コメディ。製作スタッフはアレン作品の常連が固め、製作は 「ザ・フロント」 以来のつきあいのロバート・グリーンハット、ほかにプロデューサーとしてヘレン・ロビンや 「泥棒野郎」 以来のジャック・ロリンズとチャールズ・H・ジョフィも名を連らねる。脚本はアレンとダグラス・マクグラスの共作。撮影は 「ハンナとその姉妹」 以来アレン作品の大半を手掛けるイタリアの名匠カルロ・ディ・パルマ。編集は 「マンハッタン(1979)」 以来の常連スーザン・E・モース。美術は 「スターダスト・メモリー」 の衣装から 「ラジオ・デイズ」 で美術に転じたサント・ロカスト。衣装はその助手を経て 「ブロードウェイのダニー・ローズ」 以来全作品を手掛けるジェフリー・カーランド。出演は 「ウディ・アレンの影と霧」 のジョン・キューザック、アカデミー助演女優賞を受賞した 「ハンナとその姉妹」 はじめ80年代のアレン作品の常連だった 「リトルマン・テイト」 のダイアン・ウィースト(本作で再度同賞受賞)、 「ブロンクス物語 愛に包まれた街」 のチャズ・パルミンテリ、 「ゲッタウェイ(1994)」 のジェニファー・ティリー。他に 「依頼人」 のメアリー・ルイーズ・パーカー、 「プレタポルテ」 のトレイシー・ウルマン、 「クライング・ゲーム」 のジム・ブロードベント、 「ジャック・ルビー」 のジョー・ヴィテレリ、 「ギルティ 罪深き罪」 のジャック・ウォーデン、 「ノース ちいさな旅人」 の監督ロブ・ライナーほか。キネマ旬報外国映画ベストテン第7位。

ストーリー
芸術肌の劇作家デイヴィッド(ジョン・キューザック)にプロデューサーのマルクス(ジャック・ウォーデン)が出資者を見つけた。ギャングの親分ニック(ジョー・ヴィテレリ)で、女優志願の愛人オリーヴ(ジェニファー・ティリー)にせがまれたのだ。ニックは怖いしオリーヴは超大根、と現実はキビシいが、デイヴィッドは開き直って最高の俳優を要求、主演に大女優ヘレン・シンクレア(ダイアン・ウィースト)、相手役に名優ワーナー・パーセル(ジム・ブロードベント)を獲得、稽古が始まる。この舞台が久々のカムバックになると踏んだヘレンは、自分の役にもっと色気が欲しくてデイヴィッドを籠絡する。オリーヴの警護役チーチ(チャズ・パルミンテリ)は彼女のキンキン声にも、デイヴィッドの観念的過ぎる芝居にもうんざり、ある日演出に口を挟む。チーチにみんな賛成するのでデイヴィッドは面白くないが、しかし彼の指摘は的確、そこで彼に書き直しを“手伝って”もらう。チーチの改訂は大評判、ヘレンはデイヴィッドを前途有望と見て愛人にする。オリーヴはワーナーと浮気、ワーナーは持病の過食症が始まり太りだす。ボストン初演は大好評だがチーチはオリーヴが俺の芝居を台無しにしたと怒る。デイヴィッドは恋人のエレン(メアリー・ルイーズ・パーカー)にヘレンとの情事を問い詰められる。チーチはオリーヴを波止場に連れだし射殺する。デイヴィッドは君に道徳はないのかとチーチを責めるが、彼は俺の芝居を傷つける奴は許さないと断言する。道徳について複雑な心境になったデイヴィッドはエレンに浮気を告白するが、彼女はフレンダー(ロブ・ライナー)と寝てるから構わないと言う。ブロードウェイ初日、オリーヴ殺しの真相を知ったニックはチーチに刺客を差し向け、上演中の舞台裏で撃たれた彼はデイヴィッドにラストシーンの新しい台詞を託して死ぬ。批評家たちはデイヴィッドを称賛するが、自分は芸術家でないと自覚した彼はエレンの所に戻り、一緒に故郷に帰ろうという。エレンは自分が愛したのは芸術家ではなく人間のあなたと答え、二人は再び結ばれる。




19-15. ダイ・ハード4.0

監督 レン・ワイズマン
出演 ブルース・ウィリスジャスティン・ロングティモシー・オリファントマギー・Qクリフ・カーティス
2007年・アメリカ (20世紀フォックス)

解説
ブルース・ウィリス主演の大人気アクション・シリーズが12年ぶりに復活。全米規模のテロに立ち向かう刑事の奮闘を、ド派手なカーチェイスや銃撃戦などを織り交ぜて豪快に描く。

ストーリー
独立記念日の前夜、ワシントンDCのFBI本部サイバー犯罪部に異変が起きる。交通、通信、原子力、水道などのあらゆるインフラを監視するシステムが何者かにハッキングされた。事態を重く見たサイバー犯罪部長ボウマン(クリフ・カーティス)は、FBIブラックリストに載っているハッカーたちの一斉操作を命じる。その頃、ニューヨーク市警統合テロ対策班の警部補ジョン・マクレーン(ブルース・ウィルス)は別れた妻との娘であるルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に会うためニュージャージー州の大学を訪れていた。そこに上司から連絡が入り、ニュージャージー州内に住むマット(ジャスティン・ロング)というハッカーの身柄を拘束し、ワシントンまで連れ帰るよう通達される。マットのアパートを訪れたマクレーンだったが、そこで謎の一味から襲撃を受ける。危うくも逃れたマクレーンは、マットと共にワシントンを目指す。マクレーンたちを襲った一味はガブリエル(ティモシー・オリファント)率いるテロ集団の衛兵部隊だったことを知る。マットはガブリエルのテロ計画の全容を知らないまま依頼されたプログラムの開発を請け負っていたのだった。すでにマット以外の計画に関わったハッカーたちはガブリエルの手下によって全員が殺されていた。夜が明け、ふたりを乗せた車がワシントンに到着すると街では大混乱が起きていた。騒ぎの中、マクレーンに連れられたボウマン部長と対面したマットは、ガブリエルがインターネットに流した映像を見て「"ファイアーセール"だ」と呟く。"ファイアーセール"は国のインフラに対する組織的サイバーテロを意味するハッカーのスラング。ガブリエルは全米のライフラインすべてを自分の管轄化に置き、国家そのものの乗っ取りに繰り出していた。マットの協力を得たマクレーンは、次々に襲い掛かる衛兵たちをかいくぐり、サイバーテロを食い止めようと奔走を始める。一方、マットを守るマクレーンの身元を調べ上げたガブリエルは、娘であるルーシーの存在に目をつける……。




19-16. エンド・オブ・ホワイトハウス (吹替)

監督 アントワン・フークア
出演 ジェラルド・バトラーモーガン・フリーマンラダ・ミッチェルアーロン・エッカートアシュレイ・ジャッド
2013年・アメリカ (アスミック・エース) 120分

解説
大統領を人質に、ホワイトハウスを占拠したテロリストにたったひとりで立ち向かう元SPの姿を描く、ジェラルド・バトラー主演のサスペンス・アクション。かつて大統領の妻を守れず、心に傷を負った男が世界の危機を救うベく活躍する。大統領に扮したアーロン・エッカートやモーガン・フリーマンなど実力派が多数出演している。

ストーリー
7月4日。それは、イギリスからの独立宣言が公布された、アメリカの独立記念日である。多くの人が独立を祝うこの翌日、ホワイトハウスの堅固なセキュリティが突破され、大統領を人質にアジア人テロリストが占拠するという事件が起こった。テロリストたちは、日本海域からの米国第七艦隊の撤収と核爆弾作動コードを要求。彼らはセキュリティを利用し、ホワイトハウスは特殊部隊の救出作戦をもはねつける難攻不落の要塞と化した。最悪の状況の中、一人の警備員が潜入に成功。彼は、かつて大統領専任のセキュリティ・サービスを務めていたが、大統領夫人を守りきれなかったために官邸周辺の警備員へと配置換えされたマイケル・バニング(ジェラルド・バトラー)。マイケルにこの未曽有の事態の解決への希望が託されたが、彼はまだテロリストたちの真の目的に気付いていなかった……。





19-17. ナイトミュージアム (吹替)

監督 ショーン・レヴィ
出演 ベン・スティラージェイク・チェリーカーラ・グギノディック・ヴァン・ダイクミッキー・ルーニー
2006年・アメリカ (20世紀フォックス) 108分

解説
夜になると展示物が動き出す不思議な博物館を舞台に、夜間警備員として働くことになった主人公の活躍を描くファンタジー、コメディ。 1993年発表の絵本「The Night at the Museum」(ミラン・トレンク著、ISBN 0812064003)を原作としている。ニューヨークに実在するアメリカ自然史博物館を舞台としているが、映画と実際とでは展示物が一部異なる。2009年には続編に当たる「ナイト ミュージアム2」が公開された。2014年には最終章にあたる「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」が公開された。

ストーリー
冴えない中年男のラリーは、何の仕事をしても長続きせず、現在は失業中だった。離婚した元妻と暮らしている息子のニックから、仕事を探すよう諭されたラリーは、職業斡旋所に行き、そこでニューヨークの自然史博物館での仕事を紹介される。 博物館に訪れたラリーが聞いた仕事とは、夜警(夜間の警備員)だった。ラリーは3人の老警備員たちから、博物館の来場者が少なくなったせいで長年夜警を務めていた自分たちは解雇され、新たに1人だけ雇うことになったのだという話を聞く。こうしてラリーは、博物館の新米夜警として働くことになる。 夜警として働き出したラリーは、いつの間にかティラノサウルスの骨格標本が台座から忽然と消えているのに気付く。訝しがるラリーが見回りをすると、なんと骨格標本はまるで生きているかのように博物館内を動き回っていた。それだけではなく、石像や動物の剥製、ミニチュア人形など他の展示物も同様に動き回り、言葉を話したりしていることに気付く。ラリーは電話で元警備員の老人たちに助けを求めるが、老人たちは展示物が動くのは当然のことであるかのように話し電話を切ってしまう。 そんな状況の中、ラリーは夜な夜な暴れだす博物館の展示物達を鎮めるため、孤軍奮闘することになる。 しかし常識はずれの展示物の乱痴気騒ぎを一人で対処できるはずもなく、朝には博物館は惨劇の舞台となり、毎日のように所長には叱られる。ついには退職を勧告されるが、息子のためにも続けることを決意。 その夜、展示物が動きだすことを息子に見せようと連れてきたラリーは、動くはずのマネキンたちが動かないことに気付く。その原因が「アクメンラーの石板」にあることを知るが、同時に前夜警員たちに若さと力を与えていること、彼らが板を盗んで罪をラリーになすりつけようとしていることも知る。息子ともども古代エジプトのブースに閉じ込められたラリーは発動した石板によって動きだしたルーズベルト大統領に助力を求めるが、「自分の力で切り抜けなければならない」と断られる。しかしそれによって気持ちを切り替え、アクメンラーなどの助けもあって展示物総出で石板奪還の指揮官となり、苦戦の末、タイムリミットである夜明け直前に石板の奪還に成功、太陽の光を浴びると灰になってしまう展示物たちも博物館に戻すことに成功した。 しかし、館内が惨憺たるありさまなのは変わらず、ラリーは正式に免職処分となる。だが、夜の騒動が思わぬ宣伝効果となって博物館には来場者が殺到し、思い直した館長は免職を取り消す。 その後、アクメンラーの石板を制御することによって暴れだすことが無くなった展示物たちは、夜な夜なダンスやサッカーなどに興じるようになる。その様子を、夜警員のラリーは楽しげに見つめるのだった。





19-18. 理想の恋人.com

監督 ゲイリー・デイヴィッド・ゴールドバーグ
出演 ダイアン・レインジョン・キューザックダーモット・マローニーエリザベス・パーキンスクリストファー・プラマー
2005年・アメリカ (ワーナー) 98分

解説
ダイアン・レインが恋に奮闘する独身女性に扮するラブ・コメディ。ヒロインがバツイチパパと、出会い系サイトで知り合ったピュアな男性との間で揺れ動く姿をコミカルに描く。

ストーリー
サラ・ノーラン(ダイアン・レイン)は8ヶ月前に離婚した30代の幼稚園の先生。家族たちはサラに次の恋人を作るようせき立てるが、心の傷が癒えないサラはおしゃれにも興味が沸かず、家に閉じこもる失意の日々をすごしている。家族のおせっかいな恋人候補紹介にうんざりし、恋に傷つくのが怖いと思う一方で、心の奥底では、新たな恋との出会いを望む気持ちもないではなかった。そんなときサラの姉妹がサラになりすましてインターネットの恋人募集サイトに登録。男やもめのサラの父・ビル(クリストファー・プラマー)も恋人募集サイトを活用して、たくさんの女性とデートを楽しんでいるのだ。次々に現れる珍妙な恋人候補たちと、悲惨なデートを繰り返すハメになるサラ。ありえない屈辱的な出会いに辟易するなかで、たったひとり「もしかすると…?」と思える不思議な魅力の持ち主・ジェイク(ジョン・キューザック)と出会う。彼の言葉や身のこなしはとても洗練されているとは言えないし、直球勝負が過ぎる彼のアプローチに、また恋で傷つくのが怖いサラは腰が引け気味。それでも彼のピュアな情熱と正直さに惹かれていくのは止められない。同時に職場では、サラの教え子のシングル・ファザー(寸前?)で、チャーミングなボブ(ダーモット・マローニー)がちょっと気になる存在に。迷うサラだが「気軽に恋を楽しむべき」という姉の現実的なアドヴァイスは受け入れられない。ふたりの男性の間で揺れ動くサラ。そうこうするうちに、あるハプニングからサラの迷いを“気のない証拠”と受け取ったジェイクは身を引く決意をする。果たしてサラの決断は?




19-19. ロンドン・ブルバード LAST BODYGUARD (吹替)

監督 ウィリアム・モナハン
出演 コリン・ファレルキーラ・ナイトレイデイヴィッド・シューリスアンナ・フリエルベン・チャップリン
2010年・イギリス (日活) 104分

解説
元ギャングと元女優、まったく違う世界で生きてきた男女が出会い、共に自由を手に入れようとする姿を描く犯罪ドラマ。 「ディパーテッド」 の脚本家ウィリアム・モナハンが、コリン・ファレル、キーラ・ナイトレイら、英国の人気スターを集め、初監督に挑戦。ブリティッシュ・ノワールとも言うべきスタイリッシュな映像を作り上げた。

ストーリー
重傷害罪で3年間服役していたミッチェル(コリン・ファレル)は、今日晴れて出所の身となった。彼はギャングの世界から足を洗おうと考えていたが、迎えに来た悪友ビリー(ベン・チャップリン)から、住まいとの交換に借金取りの仕事を手伝うことを頼まれる。その夜、ミッチェルの出所祝いのパーティーでは、妹ブライオニー(アナ・フリール)が酔って暴れていた。盗みと酒とドラッグが好きな彼女は、ミッチェルにとって愛すべきたったひとりの家族であり、心配の種でもある。そんな中、彼はパーティーで再会した女性記者ペニーからある仕事を紹介される。それは引退した女優シャーロット(キーラ・ナイトレイ)の屋敷の雑用係兼ボディガードだった。高級住宅街にある屋敷を訪ねると、シャーロットは外にいるパパラッチに怯えていた。彼女は夫と離婚し、屋敷には他にハウスマネージャーの元俳優ジョーダン(デイヴィッド・シューリス)がいるだけ。ミッチェルは彼女を護る仕事を引き受ける。そんな折、友人の老人ジョーが、少年2人組に暴行されて死亡。墓地の手配をビリーに頼んだミッチェルは、その代償に借金取りを再び手伝わされるが、屈強な黒人男4人に襲われ、逃げたビリーの分まで殴られる始末。だがその度胸のよさに、ビリーのボスでギャングの顔役ギャント(レイ・ウィンストン)が惚れ込み、楽な儲け仕事をエサにミッチェルを抱き込もうとする。だがミッチェルはそれを辞退、シャーロットの車の運転手として彼女の田舎の別荘に同行する。束の間の静かな時にシャーロットは次第にミッチェルに心を許し、自分のことを話し始める。実は彼女はイタリアでレイプされて心に傷を負い、そのせいで女優を辞めたのだった。二人はいつしか恋に落ちるが、そんな彼らを見張るかのようにパパラッチが現れる。一方、ミッチェルを何としてでも自分の配下に置きたいギャントは、その後も執拗につきまとう。ギャントはすでにビリーを通じてミッチェルの生活を探り、シャーロットやブライオニーまで監視、そしてジョー殺しの少年たちも保護下に置いていた。女優復帰を決めたシャーロットとロサンゼルスで落ち合う約束をしたミッチェルは、ジョーダンの協力を得てギャントへの反撃を開始する……。





19-20. 101 (吹替)

監督 スティーブン・ヘレク
出演 グレン・クローズジェフ・ダニエルズジョエリー・リチャードソンジョーン・プロウライトヒュー・ローリー
1996年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン) 110分

解説
ディズニー・アニメの名作 「101匹わんちゃん大行進」 (61)を、実写でリメイクしたファミリー・コメディ。 「エース・ベンチュラ」 などを手掛けた名動物トレーナーのゲイリー・ゲローが訓練を重ねた総勢200匹もの犬たちの名演と主演のグレン・クローズの怪演の対決が見もの。監督は 「陽のあたる教室」 のスティーヴン・ヘレク。脚本は 「ホーム・アローン」 シリーズのヒットメーカー、ジョン・ヒューズ。製作はヒューズとリカルド・メストレス、製作総指揮はエドワード・S・フェルドマン。撮影は 「ジャッジ・ドレッド」 のエイドリアン・ビドル、音楽のマイケル・ケイメンと編集のトゥルーディ・シップは 「陽のあたる教室」 に続いての参加。美術は 「ロブ・ロイ ロマンに生きた男」 のアシュトン・ゴートン、衣裳は 「フック」 のアンソニー・パウエルと、ローズマリー・バロウズ。動物たちの危険で難しいシーンにはSFXが使われ、 「ベイブ」 のジム・ヘンソンズ・クリーチャー・ショップと 「ツイスター」 のILMが担当。主演は 「ジキル&ハイド」 のグレン・クローズ、 「チャタレイ夫人の恋人」 のジョエリー・リチャードソン、 「グース」 のジェフ・ダニエルズほか。日本語吹替版も同時公開。

ストーリー
ロジャー(ジェフ・ダニエルズ)はロンドンに住む、売れないゲーム・デザイナー。アニタ(ジョエリー・リチャードソン)はまだ駆け出しのファッション・デザイナー。2人はある日、それぞれが飼っているダルメシアン犬を公園で散歩させている途中、ロジャーの連れているポンゴとアニタのパーディが恋に落ち、飼い主たちもまた恋に落ち、2人と2組のカップルに。アニタの乳母でメイドのナニー(ジョーン・プロウライト)も加わり、新婚生活が始まった。やがてパーディは15匹のかわいい小犬を産み、ロジャー家は幸福に包まれる。だが、アニタの上司でファッション業界に君臨する女王クルエラ・デ・ヴィル(グレン・クローズ)が彼らに目をつけた。毛皮マニアの彼女の夢は、ダルメシアンの小犬の毛皮で作ったコートを着ること。目的のためなら手段を選ばぬ彼女は手下のジャスパーとホーレスに命じて、15匹の小犬を誘拐。突然、小犬たちを盗まれたロジャーとアニタは途方に暮れるが、手掛かりはない。ポンゴは犬たちの情報ネットワークを使って、小犬たちの足取りを追う。老犬の〈大佐〉とその忠実な部下のキッパーからの情報で、雪深い北の村の空家となっている屋敷に、ポンゴとパーディの子供たちを含めて99匹ものダルメシアンの小犬が捕らわれていることが判明。残忍な毛皮職人スキナーにコートを作らせるつもりらしい。ポンゴとパーディは現場に急行、大佐とキッパーは農場の動物たちを総動員して救出作戦を開始。99匹のダルメシアン犬は大脱走は無事に成功。クルエラ一味も一網打尽にされ、犬たちの世界にも平和が戻った。




19-21. 幸せへのキセキ

監督 キャメロン・クロウ
出演 マット・デイモンスカーレット・ヨハンソントーマス・ヘイデン・チャーチパトリック・フュジットエル・ファニング
2012年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 124分

解説
なんの知識もなく、動物園の再建に挑み、最愛の人の死から立ち直った男の姿を描く、英国人コラムニストの身に起きた実話をベースにしたヒューマンドラマ。マット・デイモンが子供たちとともに悲しみから立ち直ろうとする父親に扮し、新境地を見せる。監督は 「バニラ・スカイ」 のキャメロン・クロウ。

ストーリー
イギリスのコラムニストであるベンジャミン・ミー(マット・デイモン)は、半年前に妻を亡くし、14歳の息子と7歳になる娘とともにその悲しみから立ち直れないでいた。悲しみからベンジャミンは仕事を辞め、息子は学校で問題を起こし退学処分になってしまう。ベンジャミンは心機一転、新天地での再スタートを望み、郊外に家を購入。その家は、閉鎖中の動物園付きだった。動物園を再建すべく取り組むベンジャミンだが、素人ゆえわからないことだらけでトラブルが続き、かさんでいく修理費や薬代に頭を抱える。しかし飼育員たちや動物園を心待ちにしている地域住民、思いもよらぬ亡き妻からのプレゼントに支えられ、妻とのある約束を果たそうとする――。




19-22. マスク・オブ・ゾロ

監督 マーティン・キャンベル
出演 アントニオ・バンデラスアンソニー・ホプキンスキャサリン・ゼタ=ジョーンズ
1998年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 137分

解説
ジョンストン・マッカリーの大衆小説の主人公ゾロを映画化したアクション作品。かつてダグラス・フェアバンクス・シニアやアラン・ドロンが演じた伝説のヒーローをアントニオ・バンデラスが演じる。監督は 「ゴールデンアイ」 のマーティン・キャンベル。脚本は 「アラジン」 を手がけたテッド・エリオットとテリー・ロッシオ。製作は 「マネートレイン」 のダグ・クレイボーンと 「激流」 のデイヴィッド・フォスター。製作総指揮はローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス、 「プライベート・ライアン」 のスティーヴン・スピルバーグ。撮影はキャンベルの長編映画全作品を手がけてきたフィル・メヒュー。音楽は 「タイタニック」 でアカデミー賞を受賞したジェームズ・ホーナー。美術のセシリア・モンティエルと衣裳のグラシエラ・マソンは 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」 「デスペラード」 を手がけた。出演は 「デスペラード」 「エビータ」 のアントニオ・バンデラス、 「羊たちの沈黙」 「アミスタッド」 のアンソニー・ホプキンズほか。

ストーリー
スペインからの独立を宣言したメキシコ。カリフォルニア知事のドン・ラファエル・モンテロ(スチュアート・ウィルソン)は、本国へ帰還する前に民衆のヒーローであるゾロを倒そうと待ち構えていた。ゾロの正体が町の有士、ドン・ディエゴ・デ・ラ・ベガ(アンソニー・ホプキンズ)であることをつきとめた彼は、デ・ラ・ベガを捕らえて投獄し、生まれたばかりのひとり娘を奪う。その争いにより、デ・ラ・ベガの妻は命を落とした。20年後、モンテロがカリフォルニアに戻ってきたことを知ったデ・ラ・ベガは彼を殺そうとするが、成人した娘のエレナ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)を見て思いとどまる。エレナはモンテロの実の娘として育てられていたのだ。ほどなく、デ・ラ・ベガはモンテロ配下のラブ大尉(マット・レッシャー)に兄を殺され、自暴自棄に陥っていたお尋ね者のアレハンドロ(アントニオ・バンデラス)に出会う。アレハンドロが、かつてゾロを手助けした少年の成長した姿だと知ったデ・ラ・ベガは、彼をゾロの後継者として育てようとする。厳しい修行の末、新生ゾロとなったアレハンドロは、貴族になりすましてモンテロの屋敷に乗り込む。美しいエレナとの情熱的なダンス。アレハンドロとエレナはいつしか愛し合うようになる。一方、モンテロは山奥で見つけた金鉱を基盤に、メキシコ政府からカリフォルニアを買い取ろうとしていた。ゾロの姿で地図を盗み、金鉱の場所をつきとめたアレハンドロ。人々が奴隷のように酷使される金鉱へ駆けつけ、宿敵であるラブ大尉と対決する。デ・ラ・ベガもまた、実の父親を知ったエレナの助力で、モンテロに立ち向かう。ラブ大尉とモンテロを倒し、復讐をとげた2人。だが、デ・ラ・ベガは激しい戦いで傷を負い、瀕死の状態だった。実の娘に見守られながら息をひきとるデ・ラ・ベガ。彼は最後にゾロの魂をアレハンドロに託す。やがて幸せな家庭を築いたエレナとアレハンドロは、幼い息子に祖父の偉大な功績を語り継ぐのだった。




19-23. 太陽の帝国

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 クリスチャン・ベイルジョン・マルコヴィッチミランダ・リチャードソンナイジェル・ヘイヴァース伊武雅刀
1987年・アメリカ (ワーナー映画)

解説
第2次大戦下の中国を舞台に、日本軍の収容所の中で過ごす11歳のイギリス少年の成長過程を描く作品。J・G・バラードの自伝的色彩の強い同名の小説を基に 「カラーパープル」 のスティーヴン・スピルバーグが監督・製作。共同製作にキャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル。脚本は 「未来世紀ブラジル」 のトム・ストッパード、撮影は 「ハリーとヘンダスン一家」 のアレン・ダヴュー、音楽は 「イーストウィックの魔女たち」 のジョン・ウィリアムス(2)が担当。出演はクリスチャン・ベール、ジョン・マルコヴィッチ、ミランダ・リチャードソンほか。

ストーリー
1941年、クリスマスを迎えた上海。英国租界の邸宅に両親と暮らすジム少年(クリスチャン・ベール)は、学校の勉強よりも空を飛ぶことに心を奪われていた。上海にも侵略しつつあった日本軍の「零戦」のパイロットになることが夢だった。両親とともに出かけた仮装パーティもジムには退屈で、お気に入りの零戦の模型飛行機を片手にパーティ会場から抜け出し、野原へと出た。そこには撃ち落とされた日本軍の戦闘機が無残な姿をさらしていた。ジムはコックピットに入り、いつしか自分が大空を飛ぶ姿を思い描く。迫ってくる戦争を前に、ジム一家も上海から脱出する準備を始めたが、時すでに遅く、日本軍が怒濤の如く市街に進攻してきた。砲弾、銃声の飛び交う中、両親と離ればなれになってしまったジムは1人で生きていかなければならないことを、身をもって悟る。飢えに苦しんでいるところを救ったのは、ベイシー(ジョン・マルコヴィッチ)とフランク(ジョー・パントリアーノ)の2人のアメリカ人であった。ある夜、2人を邸宅に連れてきたところを日本軍に襲われ、ジムら3人は捕虜収容所へと送られる。収容所では両親の友人であるヴィクター夫人(ミランダ・リチャードソン)と出会うが、彼女自身ももはや自分が生き残るためだけに必死だった。やがて、ジムら捕虜たちは蘇州の収容所へと移されていく。そこで知り台ったローリング医師(ナイジェル・へイヴァース)から、どんなことがあっても最後まで生き延びろと教えられるのであった。ジムは精神的にも肉体的にも大きく成長していき、捕虜のボス格となったベイシーの使い走りとして収容所内を忙しく立ち回る。日本軍側のナガタ軍曹(伊武雅刀)にも近づき、少しでも多くの食料を受けようとする。自分と同じように空を飛ぶことに憧れる日本人少年(片岡孝太郎)とも心を通わせるようになった。そんなある日、米空軍ムスタングが収容所を急襲し、戦争は終結へと向かう。ジムは脱走するベイシーに見捨てられ、他の人々とともに南島(ナンタオ)まで移動。その途中、ヴィクター夫人が息をひきとる。一瞬、東の上空に美しい閃光が走った。それは長崎に落とされた原爆の光だった。戦争は終わった。そしてジムは日本人少年と再会し言葉を初めて交わすのだが、ベイシーの仲間によって日本人少年は撃ち殺されてしまう。泣き叫び憤りをぶちまけるジム。彼は、いつしか大人への扉を開けていた。やがてジムは戦災孤児の集まる施設で両親と数年ぶりの再会をするが、彼は両親の顔も何も覚えていないほどであった。少年の日々とは確実に違う、新たな生活が始まろうとしていた。




19-24. ヒート

監督 マイケル・マン
出演 アル・パチーノロバート・デ・ニーロヴァル・キルマージョン・ヴォイトトム・サイズモア
1996年・アメリカ (日本ヘラルド映画)

解説
冷徹無比の犯罪組織のボスと鬼刑事の運命的な対決を描いた、骨太のサスペンス・アクション。ハリウッドを代表する2大スター、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの初共演、12分間に及ぶ大銃撃戦の迫力などが見どころ。監督・脚本は 「ラスト・オブ・モヒカン」 やTV 「マイアミ・バイス」 のマイケル・マン。彼のTV時代の代表作 「クライム・ストーリー」 で、共同クリエイターの名を冠した元シカゴの潜入捜査官チャック・アダムソンと、そのアダムソンが逮捕に血道を上げたといわれる実在の犯罪者ニール・マッコーリーをモデルに脚本を執筆した。製作はマンとアート・リンソン、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「タイ・カップ」 のアーノン・ミルチャンと、ピーター・ジャン・ブルッジ。LA市内にオール・ロケを敢行し、シャープな映像を見せた撮影は、監督とは3作目となる 「ネル」 のダンテ・スピノッティ、音楽は 「バットマン・フォーエヴァー」 のエリオット・ゴールデンサル、美術は 「ディスクロージャー」 のニール・スピサック、編集は、監督とは4作目のドヴ・ホウニグと 「カジノ」 のパスクァーレ・ブバ、 「ブラック・レイン」 のトム・ロルフ、ウィリアム・C・ゴールデンバーグの共同、衣裳はデボラル・スコットが担当。主演は 「カジノ」 のロバート・デ・ニーロと 「カリートの道」 のアル・パチーノ。共演は 「バットマン・フォーエヴァー」 のヴァル・キルマー、 「エタニティ 永遠の愛」 のジョン・ヴォイト、 「青いドレスの女」 のトム・サイズモア、 「バード」 のダイアン・ヴェノーラ、 「キャスパー」 のエイミー・ブレネマン、 「スモーク」 のアシュレイ・ジャッド、 「レオン」 のナタリー・ポートマンほか。

ストーリー
LA。大胆で緻密な手口で大きなヤマばかりを狙う冷徹なプロの犯罪者、ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)とその仲間たちは、ハイウェイで多額の有価証券を積んだ装甲輸送車を襲った。新顔のウェイングロー(ケヴィン・ゲイジ)が警備員の一人を射殺してしまい、ニールは仕方なく口封じのためにほかの警備員も手にかけて逃走する。急報を受けた市警強盗・殺人課の切れ者警部、ヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)が陣頭指揮に当たり、部下たちに的確な指示を与える。過去2度の離婚歴を持つ彼は、妻ジャスティン(ダイアン・ヴェノーラ)や連れ子ローレン(ナタリー・ポートマン)との現在の家庭もしっくりいっていない。ニールたちの盗んだ160万ドルもの債券は、悪徳金融業者ヴァン・ザントのものだった。ニールは長年の犯罪ブレーンであるネイト(ジョン・ヴォイト)から、債券は元の持ち主に買い戻させた方が徳だと説明され、その考えに従った。ニールたちはウェイングローを人けのない駐車場で始末しようとするが逃げられた。報酬を得て、それぞれの家庭に戻る犯罪者たち。金庫破りと爆破のプロ、クリス(ヴァル・キルマー)には愛妻シャリーン(アシュレイ・ジャッド)がいるが、夫の裏稼業を知る彼女には見えない不安と不満が鬱積している。生粋の犯罪者チェリト(トム・サイズモア)は幼い娘たちのよき父親。一人、帰るべき安らぎの場所を持たないニールだったが、ある夜、グラフィック・デザイナーのイーディ(エイミー・ブレネマン)と出会い、この無垢な娘との新しい世界が広がっていく。ニールはセザールという犯罪同業者から千二百万ドルの上がりが見込める銀行強盗の襲撃計画を買うことにするが、そのための資金にと考えたザントとの債券取引交渉が、相手の奸計によって失敗する。一方、執拗な追跡調査を進めるヴィンセントはチェリトとクリスの面の割り出しに成功し、二人の家や車に盗聴器が仕掛けられた。ニールたちは銀行襲撃の金を工面するため、貴金属貯蔵倉庫を襲うことにする。現場ではヴィンセントら捜査陣が網を張って待ち受けていたが、その気配を敏感に察知したニールは作業の中断を命じ、速やかに引き揚げる。自分たちが警察にマークされていると知ったニールは、仲間たちに手を引く相談をするが、この稼業でしか生きていけないと知るクリスらに煽られてしまう。そこでニールは逆にヴィンセントらをおびき出し、刑事たちの顔を一人一人確認した。互いに相手がひと筋縄ではいかない敵と認識したニールとヴィンセントは、ついにあるレストランで対峙した。同じ匂いを嗅ぎ取った2人の間に奇妙な共感が流れるが、互いに次に出会う時はどちらかが死ぬ時だと分かっていた。周到な下工作を経て、ニールたちは最後の大仕事、銀行襲撃を実行に移し、半ば成功するかに見えた。しかし、匿名の密告電話で駆けつけた警察隊とニールらの間で市民をも巻き込んだ一大銃撃戦が白昼の路上で展開された。チェリトがヴィンセントの銃弾に倒れ、ニールは重傷を負ったクリスを抱えて辛くも脱出に成功する。裏切ったのは犯行に加わらなかった運転手役のタウナーではと考えたニールは彼の家へ向かうが、タウナーは虫の息で、背後で糸を引いていたのはザントとその懐に飛び込んだウェイングローだとわかる。ニールは自ら手を下してタウナーを楽にしてやると、ザントの屋敷に侵入して彼を血祭りに上げた。その頃、警察に囮捜査を強要されたシャリーンの元に、クリスが罠とも知らずに現れるが、彼女はそっと手振りで逃げるように伝えた。ニールはイーディを連れて高飛びを決意し、ネイトに段取りを依頼する。しかし、途中でウェイングローが空港ホテルに潜伏していることを知った彼は、けじめをつけるためにホテルに向かい、彼を殺した。一方、娘ローレンの自殺未遂というショックに見舞われながらも、ニールの行動をキャッチしたヴィンセントも空港に向かう。空港の敷地内で対決する二人。死闘の末ニールが倒れ、ヴィンセントは死にゆく彼が差し出した手を握りしめた。





19-25. ロビン・フッド  

監督 リドリー・スコット
出演 ラッセル・クロウケイト・ブランシェットウィリアム・ハートマーク・ストロングマーク・アディ
2010年・アメリカ、イギリス (東宝東和) 140分

解説
グラディエーター」 のリドリー・スコット監督とラッセル・クロウが再びタッグを組んだ歴史スペクタクル大作。今なお語り継がれる伝説の義賊、ロビン・フッドの激しい闘いをダイナミックに活写する。スコット監督ならではの色彩豊かな背景をバックに、知られざるロビンの出生の秘密も明らかになるほか、彼の美しき愛もつむがれる。

ストーリー
12世紀末。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビン(ラッセル・クロウ)は、イングランドの騎士ロバート・ロクスリー(ダグラス・ホッジ)の暗殺現場に遭遇。ロバートの遺言を聞き入れ、彼の父でノッティンガムの領主であるウォルター(マックス・フォン・シドー)に剣を届ける役目を引き受ける。ノッティンガムでは、ロバートの妻マリアン(ケイト・ブランシェット)が10年にわたって夫の留守を守っていた。ウォルターはロビンに、ロバートの身代わりになってこの地に留まってほしいと提案。このままでは後継ぎのない領地は国に没収され、マリアンも住む場所を失ってしまうという。ロビンはウォルターの提案を受け入れ、次第にマリアンはロビンに対して心を開いていく。そんなある日、ウォルターから、彼が万人の平等な権利を求める自由憲章に署名した貴族のひとりであることを知らされたロビンは、ウォルターの代理として、貴族たちの会合に参加する。その席でロビンは「我々が求めているのは法に守られた自由だ」と自由憲章の理念を説き、ジョン王(オスカー・アイザック)は自由憲章の発行を約束。貴族たちはイングランドの旗の下でフランス軍と戦うことに同意する。だがその頃、ジョン王の重臣でありながらフランス王の手先としてイングランドを内部崩壊させようとしていたゴドフリー(マーク・ストロング)の一軍がノッティンガムに襲来。ウォルターは帰らぬ人となってしまう。ドーバー海峡ではフランス軍の大艦隊が攻撃を開始。イングランド連合軍が海岸線を埋め尽くす中、実践の指揮を執るロビンは、射手兵部隊を高台に配備。フランス軍めがけて矢の雨を降らせ、大きなダメージを与える。そこへ鎧兜を着けたマリアンが現れ、彼女の毅然とした表情に決意の固さを見てとったロビンは、「攻撃に加われ」と命令、マリアンは義父ウォルターを亡き者にしたゴドフリーめがけて馬で突進していく……。





19-26. ファミリー・ツリー

監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ジョージ・クルーニーシャイリーン・ウッドリーアマラ・ミラーボー・ブリッジスロバート・フォスター
2011年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 115分

解説
サイドウェイ」 でアカデミー賞脚色賞に輝いたアレクサンダー・ペイン監督が、ジョージ・クルーニーを主演に迎えて描く家族ドラマ。ハワイで何不自由のない暮らしをしていた一家の主が、予期せぬ転機を迎えて、自らのルーツをかえりみる姿をつづる。長女アレクサンドラを演じるのは期待の若手シャイリーン・ウッドリー。

ストーリー
ハワイ・オアフ島。弁護士のマット・キング(ジョージ・クルーニー)は、美しい妻と二人の娘たちを持ち、仕事に粉骨砕身してきて、一見順風満帆な人生を送ってきた。ある日、妻エリザベスがボート事故に遭い、意識不明の重体となる。10歳の次女スコッティ(アマラ・ミラー)はショックから情緒不安定になり、様々な問題を引き起こす。次女の反抗に、これまで家庭を顧みなかったマットはなすすべもなく手を焼いていた。さらに、マットはカウアイ島にある先祖代々受け継がれてきた広大な土地を売却するかどうかという問題を抱えていた。売却すれば自然は失われるものの一族に巨額の資金が入り、妻に楽をさせてあげられる。しかしエリザベスは一向に回復せず先行きが見えない。そんな中、全寮制の学校へ通う長女アレックス(シャイリーン・ウッドリー)の迎えに行ったマットがエリザベスの病状を伝えると、母に対して許せぬ思いのあるアレックスは動揺と相まって、エリザベスが浮気をしていたことを告げてしまう。動転したマットは、親友夫妻を詰問。すると、エリザベスは真剣に離婚を考えていたことを知る。マットは怒り震えながらも、エリザベスのために浮気相手のスピアーに事故のことや現状について直接伝えようと思い立つ。娘二人とアレックスの男友達とともに、スピアーのいるカウアイ島へ向かうマット。売却を前に、これで見納めになるかもしれないと、キプ・ランチへ彼女らを連れていく。そこは、雄大で神秘的な光景が広がる原野だった。厳かにあたたかく包み込むような美しい自然を目にし、親子はしばし見とれる。翌日、スピアーに妻の事故を伝えに行くマット。そして、カウアイ島の自然に触れ家族への愛やつながりを感じた彼は、土地の売却を巡る一族の会議を前に、とある決心をする……。




19-27. ランボー

監督 テッド・コッチェフ
出演 シルヴェスター・スタローンリチャード・クレンナブライアン・デネヒーデイヴィット・カルーソジャック・スターレット
1982年・アメリカ (東宝東和) 97分

解説
ベトナムでグリーン・ベレーとして活躍した男が警察の嫌がらせに怒りを爆発させ、数百人の警官と死闘をくり広げる。製作はシルヴェスター・スタローンとバズ・フェイシャンズ。エグゼクティブ・プロデューサーはマリオ・カサールとアンドリュー・ヴァイナ、デイヴィッド・マレルの小説 「たった一人の軍隊」 (早川書房)をスタローンとマイケル・コゾル、,ウィリアム・サックハイムが共同で脚色、監督は 「ノース・ダラス40」 のテッド・コッチェフ、撮影はアンドリュー・ラズロ、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。出演はシルヴェスター・スタローン、リチャード・クレナ、ブライアン・ドネイ、デイヴィッド・カルーソ、ジャック・スターレット、マイケル・タルボット、デイヴィッド・クロウリイほか。パナビジョンで撮影。

ストーリー
ランボー(シルヴェスター・スタローン)はベトナム時代の戦友を訪ねたが、戦争の後遺症で既に死んでおり、やむなく近くの街に立ち寄った。だがその街の警察署長ティーズル(ブライアン・ドネイ)は若い警官たちと共にランボーをからかい、虐待した。ところが、何をされても無抵抗だったランボーが突然反抗し始めたのは、髭を剃られようとした時だった。ランボーの忍耐は限界に達し、凄まじい殴り合いが始まった。あっという間に警官を叩きのめし、オートバイを奪って逃走した。追跡するパトカー。かつて朝鮮戦争の英雄であったティーズルにとってグリーン・ベレー上がりの若僧にコケにされるのはたまらない屈辱だった。追撃戦はハイウェイから山中へと移され、ランボーが断崖絶壁に立ったところをヘリコプターから狙撃する。ランボーはこぶし大の石で狙撃手を絶命させ武器を手に入れた。近代兵器と物量を投入して追跡をあきらめないティーズルたちを、夜の闇を利用して1人、また1人と倒していくランボー。このニュースは一夜にしてアメリカ全土に広がり、山麓は報道陣で膨れ上がった。一方警察も1000人を動員し、山狩りを開始した。そこに、トラウトマン(リチャード・クレナ)という男が現れ、ランボーの意外な過去を告げた。トラウトマンはグリーン・ベレー時代のランボーの上司で、彼はランボーにどんな状況になっても生き残る特殊な訓練をほどこしているので警官を何人集めても勝ち目はないという。その頃ランボーは古い廃坑を偶然見つけ、奥深く掘られているトンネルを通って包囲網を脱出。通りかかった軍用トラックを襲い、橋に設けられた検問所を強行突破し、ティーズルへの報復を果たすべく街へ乗り込んだ。ティーズルもランボーとの対決はさけられないものと警察署に陣どり戦いの準備にとりかかった。間もなくランボーは疾風のように街に戻り、ガソリン・スタンドや銃砲店を火の海にした。警察署に近づいたランボーは、その屋上にティーズルが隠れているのを知り、マシン・ガンの掃射で周囲の灯りという灯りをすべて消してしまい、真っ暗闇になった署内にとびこんだ。屋上と1階で激しい銃撃戦が展開されティーズルは凄まじい音と共に床にたたきつけられた。束の間の静寂が訪れ、どこからともなくトラウトマンが姿を現わし、ランボーに降伏するよう説く。ランボーは大粒の涙を流しながら、ベトナムから帰国して以来、いかに国や他人から冷たくあしらわれたかを告白し、トラウトマンの説得に応じるのだった。





19-28. ナショナル・トレジャー (吹替)

監督 ジョン・タートルトーブ
出演 ニコラス・ケイジハーヴェイ・カイテルジョン・ヴォイトダイアン・クルーガーショーン・ビーン
2004年・アメリカ (ブエナ ビスタ) 131分

解説
全米で大ヒットを記録したニコラス・ケイジ主演のアクション・アドベンチャー。太古の秘宝の謎を解き明かそうとする男女の命がけの冒険がノンストップで展開する。

ストーリー
太古の昔より、その《秘宝》は常に《至高の権力》と共に存在した。紀元前2000年、エジプトのファラオの墓に。紀元70年、エルサレムのソロモンの神殿に。14世紀、フランスのテンプル騎士団のアジトに。1492年、コロンブスを乗せたサンタマリア号に。そして1521年、アステカの太陽のピラミッドに…。だが、幾多の戦乱を逃れきたこの太古の《秘宝》は、1779年、独立戦争が激化するアメリカで忽然とその痕跡を絶った。 2005年、伝説の秘宝を求めて闇の力が動き始めたとき 、ひとりの男が立ち上がる。歴史学者にして冒険家のベン・ゲイツ(ニコラス・ケイジ)。何世代にもわたり秘宝の謎を追い続けてきたゲイツ家の末裔(まつえい)として、卓抜した推理と行動力、そして無尽の歴史的知識を武器に、彼はついに秘宝へと導く驚くべき手がかりを発見する。それは、アメリカの魂ともいえる一枚の文書、【アメリカ合衆国独立宣言書】に隠されていた。果たして秘宝の正体とは一体何なのか。そこに封印された、歴史を覆す驚愕の真実とは?







19-29. 西部に賭ける女

監督 ジョージ・キューカー
出演 ソフィア・ローレンアンソニー・クインマーガレット・オブライエンスティーヴ・フォレストアイリーン・ヘッカート
1960年・アメリカ (パラマウント)

解説
ソフィア・ローレン始めての西部劇。ルイス・ラムーアの原作を 「駅馬車(1939)」 で知られる故ダドリー・ニコルズ( 「胸に輝く星」 )とウォルター・バーンスタインが脚色した。監督は 「野性の息吹き」 のジョージ・キューカー、撮影は 「くたばれヤンキース」 のハロルド・リップステイン。出演はローレンのほか、 「ガンヒルの決斗」 のアンソニー・クイン、 「2人の瞳」 以来ひさびさのマーガレット・オブライエンのほか、スティーブ・フォレスト、アイリーン・ヘッカート、エドモンド・ロウ。製作カルロ・ポンティおよびマルチェロ・ジローシ。

ストーリー
1880年代のお話。シャイエンの町は西部の中心地だった。ヒーリ劇団という東部からきた旅まわりの一座が着いた。座長はトム・ヒーリ(アンソニー・クイン)で、欧州帰りの女優アンジェラ(ソフィア・ローレン)、若い女優デラ(マーガレット・オブライエン)、その母のローナや、“シェイクスピア俳優”と自称するマンフレッドが幹部である。劇場主のサムは一座を快く迎えた。アンジェラにひかれたからだ。一座は東部で失敗し、借金を背負っていた。出しものはオッフェンバッハのオペッレッタ「トロイのヘレン」だったが、サムの土地にあわぬという助言で、「マゼッパ」という古い芝居をすることにした。アンジェラが男装し、馬に乗る荒い芝居だ。大当たりだった。が、債権者が迫ってき、差押えしようとしたので、アンジェラは売り上げでポーカーをした。相手が悪かった。土地の暴れ者マドリー(スティーヴ・フォレスト)では勝目がなかった。一座は無一文で町を逃げ出した。キャンプをアパッチ族が襲ってきた。迫ってきたマドリーの力と助言で、一行は逃れることができ、ボナンザの町へ向かった。途中、マドリーを狙った殺し屋がトムを負傷させた。インディアンの交易場で、トムはデラに看病されたが、アンジェラとマドリーの仲だけが気になった。ボナンザに、デ・レオンというボスがいた。マドリーに5000ドル借金があったが、返そうとせず、子分を多勢警戒させていた。アンジェラは金をマドリーに届けず、ボナンザの町の中心にある酒場をその金で買った。そしてトム達一行の来る前にすっかり改築して、名前をグレイト・ヒーリーズ・テアトルとつけた。トムはアンジェラがマドリーと逃げたと思って町に入って来たが、アンジェラが自分の名前のついた劇場の前で待っているのを見てもう決して彼女と離れないで暮らそうと心に誓った。初日の夜、劇場は満員であった。アンジェラこそマドリーの情婦と思いこんでいるデ・レオンは、彼女のそばに2人の殺し屋を常につけていた。然かし、マドリーは巧みに彼等の裏をかいて劇場の控室に忍び入り、そして彼女を連れて行こうとするが、アンジェラとトムが愛し合っていると知り、返金を迫るのを笑ってやめた。デ・レオン一味が楽屋を取りまいた。が、アンジェラは身代りにマドリーを馬で舞台に出し、劇場の外へ走り去らせた。――興行は成功した。当分はこの町におちつけるらしい。




19-30. 狩人の夜

監督 チャールズ・ロートン
出演 ロバート・ミッチャムシェリー・ウィンタースリリアン・ギッシュイヴリン・ヴァーデンピーター・グレイヴス
1955年・アメリカ (ケイブルホーグ)

解説
ある狂信者に命をつけ狙われる幼い兄妹の恐怖を描くサスペンス映画。製作はポール・グレゴリー、監督はチャールズ・ロートン。デイヴィス・グラブの原作を基に、脚本はジェームズ・エイジー、撮影はスタンリー・コルデス、音楽はウォルター・シューマンが担当。出演はロバート・ミッチャム、リリアン・ギッシュほか。

ストーリー
銀行に押し入り、2人を殺害して1万ドルを奪ったベン(ピーター・グレイヴス)は、娘パール(サリー・ジェーン・ブルース)の人形の中に金を隠し、息子ジョン(ビリー・チャピン)に金のありかを口外するな、と言い残して警察に連行される。やがて彼は死刑になるが、刑務所でこれをかぎつけたハリー(ロバート・ミッチャム)は福音伝道師になりすまし、ベンの妻ウィラ(シェリー・ウインターズ)に接近する。そして2人は結婚するが、ある夜ハリーは子供たちに金のありかを問いつめているのをウィラに目撃され、彼女を殺す。子供たちはハリーへの恐怖から河ヘボートを出し逃亡の旅に出、いつしか身寄りのない子供たちを世話している未亡人ミス・クーバー(リリアン・ギッシュ)の厄介になる。そしてハリーも子供たちの居場所をつきとめるが、彼は子供たちを守る彼女に警察に通報され、連行されてゆく。その時、ジョンの心は、父とハリーが重なって見えるのだった。





19-31. ダイ・ハード3

監督 ジョン・マクティアナン
出演 ブルース・ウィリスジェレミー・アイアンズサミュエル・L・ジャクソングレアム・グリーンコリーン・キャンプ
1995年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 131分

解説
不死身の男ジョン・マクレーン刑事の活躍を描く、ノンストップ・アクション巨編のシリーズ第3作。第1作の超高層ビル、第2作の空港に続き、今度はニューヨーク全体を巨大なゲーム盤に見立てて、サスペンスとアクションが展開する。テレビドラマ 「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」 にも参加した新進脚本家ジョナサン・ヘンズリーのオリジナルシナリオを、第1作のジョン・マクティアナンが再登板して監督。製作はマクティアナンと 「幸福の条件」 のマイケル・タッドロス、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「トゥームストーン」 「薔薇の素顔」 のコンビ、アンドリュー・ヴァイナとバズ・フェイシャンズ、 「死の接吻(1991)」 のロバート・ローレンスに交代。撮影は 「ゲッタウェイ(1994)」 のピーター・メンジーズ、音楽は前2作に続きマイケル・ケイメン、美術は 「ダイ・ハード」 「スピード」 のジャクソン・デ・ゴヴィア、編集は 「スピード」 のジョン・ライトがそれぞれ担当。主演は三たびの登板となる 「パルプ・フィクション」 のブルース・ウィリス。 「運命の逆転」 でアカデミーを受賞したジェレミー・アイアンズが知的で冷酷な悪役を怪演し、 「パルプ・フィクション」 「死の接吻(1994)」 のサミュエル・L・ジャクソンがウィリスの相棒役を務めるほか、 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」 のグラハム・グリーン、 「ジャスティス」 のラリー・ブリッグマン、映画初出演となるシンガー・ソングライターのサム・フィリップスらが脇を固める。

ストーリー
ニューヨーク5番街のビルが、突如、爆破された。中央警察署のコッブ署長(ラリー・ブリッグマン)の元にサイモンと名乗る犯人から、妻ホリーと別れて乱れた生活が続く休職中のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)をハーレムの指定場所に寄越せ、と要求が入る。ハーレムでストリートギャングに囲まれたマクレーンは危ういところを家電修理店の店主ゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)に救われる。署に戻った2人は、犯人は大惨事を引き起こせる特殊な液体爆弾を盗んで使用していると知らされる。そこへサイモンから再び電話が入り、地下鉄の車両に爆薬を仕掛けたと告げた。クイズを出し続けるサイモンに振り回されながら、要求に従い急ぎ車を飛ばす2人。マクレーンは爆走する地下鉄に飛び乗り、必死で発見した爆弾を取り外し、線路に投げ捨てるが、車両は脱線してプラットフォームになだれ込んだ。パニックの現場に現れたFBI捜査官の話では、サイモンは凄腕の国際的テロリストで、爆弾のプロのタルゴとNYに潜伏していると言う。しかもサイモンは、かつて彼が葬ったハンス・グルーバーの兄で、復讐のためマクレーンの命を狙っているのではないかとも。サイモンは、今度はNY市内246校の小学校のどこかに強力な爆弾を仕掛けたと通告してきた。マクレーンたちはサイモンの送った新たな暗号を解き、学校を割り出すが、そこにはゼウスの甥が通っていた。学校には捜査陣が急行し、生徒たちの避難を進めた。一方、その頃、サイモンや女殺し屋カティヤ(サム・フィリップス)らテロ・グループは、地下鉄の爆破現場の解体工事にカモフラージュして、連邦準備銀行の地下深くを掘り進み、金塊強奪を企んでいた。サイモンの狙いは弟の復讐ではなかったのだ。敵の本当の目的に気づいたマクレーンは現場に向かって一味と交戦し、既に金塊を運び出したトラックを追跡する。マクレーンと追いついたゼウスは、金塊を積み込んだ貨物船に乗り込み、グループと死闘を繰り広げる。サイモンは2人を捕え、船に置き去りにして逃亡する。その頃、小学校の爆弾も無事に解除された。大爆破された船からからくも逃れたマクレーンは、爆破した金塊は偽物で、本物はカナダ国境付近に集められていることを突き止める。かくて捜査陣は現場を急襲、激しい銃撃戦の末にサイモン一味は倒された。




19-32. ザ・インタープリター

監督 シドニー・ポラック
出演 ニコール・キッドマンショーン・ペンキャサリン・キーナーイェスパー・クリステンセンイヴァン・アタル
2005年・イギリス (UIP) 118分

解説
アカデミー賞に輝く名優、ニコール・キッドマン&ショーン・ペンの共演で魅せるサスペンス。国家機密の陰謀を知ってしまった女性と、彼女を警護する捜査官の奔走をスリリングに描出。

ストーリー
ニューヨーク、国連本部。シルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は通訳ブースの中で、聞きなれぬ言語を訳していた。マトボで生まれ、同地のクー語を話す彼女は国連の理念に共鳴し、5年前から通訳として働いていた。その日、会議の終了後に忘れ物を取りに戻った彼女は、何者かが「先生は生きてここを出られない」とクー語で話しているのを聞く。その後、“先生”がズワーニ大統領を指し、彼が数日後に〈マトボ問題〉を否定する演説を行うことを知ったシルヴィアは、その会話の件を通報する。やがて不審なアフリカ人が彼女の周りでうごめき始めた。しかし、彼女は自分の身より何者かの安否を気遣っていた。元首の暗殺計画と聞いて乗り込んできたのは、トビン・ケラー(ショーン・ペン)や女性捜査官ウッズ(キャサリン・キーナー)を中心とするシークレット・サービス(SS)の面々。ケラーは妻を亡くしたばかりだったが、心配する上司(シドニー・ポラック)を制して現場に復帰した。シルヴィアの身辺を調査して面談したケラーは、彼女が嘘をついていると直感する。言葉による外交を信じるシルヴィアと、すべてを行動で判断する捜査官ケラーは、岸の反対側にいるようなものだった。ズワーニ暗殺の動機を持つのは、平和主義者ゾーラと、ブルックリンで亡命生活を送るクマン・クマン(ジョージ・ハリス)の二人。FBIやCIAにズワーニの警護主任ラッドも加えた合同捜査態勢が敷かれた。一方、調査が進むにつれてシルヴィアの過去があぶり出される。彼女の両親と妹はズワーニの仕掛けた地雷で殺された。そして、ゾーラが先導する反体制デモに参加していた。問い詰めるケラーに、シルヴィアはクー族の格言を話してきかせた。「自分が憎んでいる者が溺れているとき、あなたは助けてやれる?」。復讐は悲しみの安易な産物にすぎない。クー族の人々は、命を助ければ悲しみから解放されると考えているのだ。その日、アパートに帰ったシルヴィアは、兄サイモンからもらったアフリカの仮面が壁からなくなっていることに気づいた。その直後、仮面を被った男が窓の外に現れる。通報を受けてやってきたケラーは、自分の心の痛みに耐えきれなくなっていた。ダンサーだった妻はケラーを捨てて男とともに去り、彼が運転する車の事故で死んだ。「もし男が生きていれば溺死させたい」。ケラーは苦しい胸の内をシルヴィアに告白した。いつの間にか、二人の間には愛にも似た絆が芽生え始めていた。SSはシルヴィアの向かいの部屋で張り込みを続けた。仮面に付着していた毛髪から特定された犯人は既に殺されており、同居していたジャン・ガンバが容疑者として浮かび上がる。そんなおり、シルヴィアに兄の友人フィリップ(イヴァン・アタル)から電話がかかってくる。公園で再会したフィリップに、彼女は兄の安否を尋ねた。クマン・クマンの部下から共闘しようとの連絡を受け、罠とは知らずにサッカー場へゾーラを案内したのはフィリップだった。しかし彼は、サイモンは行方不明だと答える。ケラーは勝手に部屋を出たシルヴィアを責めた。彼女はかつてゾーラを愛していたことを、ケラーに打ち明ける。ともに愛する者を失って傷ついている男と女。二人の心は安らぎを求めていっそう近づいていく。翌朝、シルヴィアはクマン・クマンと会うためにブルックリンへ向かった。同じバスに乗った彼女はクマン・クマンからゾーラ殺害の真相を聞き出そうとする。濡れ衣だと言う彼から兄の行方を調べる約束を取り付けたシルヴィアがバスを降りた直後、ジャン・ガンバが座席に置いていった爆弾が爆発する。 尾行中の部下を失ったケラーは、再びシルヴィアを問い詰めるが……。




19-33. 捜査官X (吹替)

監督 ピーター・チャン
出演 ドニー・イェン金城武タン・ウェイジミー・ウォングクララ・ウェイ
2011年・香港、中国 (ブロードメディア・スタジオ(提供 カルチュア・パブリッシャーズ)) 115分

解説
金城武とドニー・イェンが共演を果たしたミステリー・アクション。博学にして頭脳明晰な天才捜査官が、中国の小さな村で起きた不可解な殺人事件の謎に迫る。金城は丸眼鏡に麦わら帽子のとぼけた風貌で登場し、主人公を怪演。イェンが見せる凄まじいカンフーと、ハイスピードカメラを駆使した華麗な映像にも見応えがある。

ストーリー
1917年の中国。雲南省の小さな村で不可解な事件が発生する。両替商に押し入った二人組の強盗が、その最中に謎の死を遂げたのだ。事件を担当する捜査官シュウ(金城武)は、犯人の1人が指名手配中の凶悪犯イェンだったことを知る。事件発生時、両替商にいたのは、経営者の老夫婦と製紙工場の職人ジンシー(ドニー・イェン)。ジンシーの必死の抵抗もあり、強盗犯たちは自滅したという。だが、武術の心得があるイェンと凶器を持つ相棒を、なぜ丸腰のジンシーが倒すことができたのか、シュウには疑問だった。イェンの両目が充血していたことから、殺しのプロのテクニックだと気づいたシュウは、ジンシーへの尋問を開始。現場でジンシーに乱闘の模様を再現させ、刀を振り回す男を自滅させた後、ジンシーがイェンを川に誘い込んでトドメを刺したと推理する。だが、謎は深まるばかり。妻アユー(タン・ウェイ)、幼い2人の子どもと慎ましく暮らすジンシーは、誰もが口を揃える好人物で、凄腕の殺し屋とは思えない。それでもシュウは執念深く捜査を継続。ついに、かつて故郷の荊州で殺人を犯して10年の刑に服した後、村に流れ着いた、というジンシーの告白を引き出す。さらに、彼の反射神経を試そうとしたシュウは、背後から鎌を振り下ろすが、避けなかったジンシーの右肩を抉ってしまう。またも行き詰る捜査。そこへ、荊州でジンシーの過去を探っていた同僚から重大な知らせが届く。それは、ジンシーが凶悪な暗殺集団“七十二地刹”のナンバー2ではないかというものだった。逮捕状を手に、村へ急ぐシュウ。その頃、村には“七十二地刹”の一味が押し寄せ、無法の限りを尽くしていた。果たしてジンシーと“七十二地刹”の間には、どんな因縁があるのか。家族の前で絶体絶命の危機に陥ったジンシーは、どのような行動に出るのか。極限状況の中、シュウは一か八かの提案をジンシーに持ちかける……。




19-34. 永遠の僕たち

監督 ガス・ヴァン・サント
出演 ヘンリー・ホッパーミア・ワシコウスカ加瀬亮シュイラー・フィスクジェーン・アダムス
2011年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 90分

解説
「ミルク」 のガス・ヴァン・サント監督による青春ラブストーリー。不治の病に冒された少女と死に取り憑かれた青年の恋をリリカルに描く。主演は怪優デニス・ホッパーの息子ヘンリー・ホッパーと、 「アリス・イン・ワンダーランド」 のミア・ワシコウスカ。主人公の友人であるゴースト役で加瀬亮が共演している。

ストーリー
イーノック(ヘンリー・ホッパー)は、自動車事故で両親を亡くして以来、生きることを諦めてしまった少年。見知らぬ人の葬儀に、遺族のふりをして参列することが彼の趣味だった。ある時、いつものように葬儀に参列していると、係員から問い詰められてしまう。窮地を救ってくれたのは、以前、別の葬儀で出会った少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)。この再会で2人は互いに心を開き始める。イーノックは、事故の際の臨死体験をきっかけに、ヒロシ(加瀬亮)という第二次世界大戦で戦死した特攻隊員の幽霊が見えるようになっていた。家では、叔母とうまくいかず、ヒロシと遊んで過ごす時間が多かった。ある日、彼は再会したアナベルを両親が眠る墓地に案内する。帰宅後、イーノックのことを姉のエリザベス(シュイラー・フィスク)に嬉しそうに話すアナベル。そんな彼女の明るい表情に、エリザベスは心を軽くする。実はアナベルは、ガンの闘病中だったのだ。しかも、定期健診によって、一時収まっていたガンが再発していることが明らかになる。自分の余命が3カ月であることをイーノックに打ち明けるアナベル。イーノックは、彼女にヒロシの存在と両親を失った事故の経験を告白する。やがて、自分の葬儀を自分でプロデュースしたいと告白したアナベルに、イーノックはその準備を手伝うと約束する。それからもデートを重ねて心を通わせる2人だったが、遂にある日、アナベルが倒れてしまう。そのショックで自棄を起こしたイーノックは、両親の墓を掘り返そうとしてヒロシに殴られ、失神。目覚めたのは病院のベッドの上。イーノックは、同じ病院に入院していたアナベルを見舞う。最期の時が近づいた彼女と言葉を交わしていると、ヒロシが彼女のお伴をしようと現れる。そして迎えたアナベルの葬儀。彼女自身がプロデュースしたセレモニーの最中、イーノックの心には、彼女との思い出が走馬灯のように巡るのだった。




19-35. ロング・グッドバイ

監督 ロバート・アルトマン
出演 エリオット・グールドニーナ・ヴァン・パラントスターリング・ヘイドンマーク・ライデルヘンリー・ギブソン
1973年・アメリカ (ユナイト映画)

解説
ロサンゼルスのネオンの中を事件を求めて、しかも一抹の感傷を抱いてさまよう私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とするレイモンド・チャンドラーの小説の映画化。製作指揮はエリオット・カストナー、製作はジェリー・ビック、監督は 「ギャンブラー」 のロバート・アルトマン、脚本は 「リオ・ロボ」 の女流ライター、リーブラケット、撮影はビルモス・ジグモンド、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、編集はルー・ロンバードが各々担当。出演はエリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、スターリング・ヘイドン、マーク・ライデル、ヘンリー・ギブソン、デイヴィッド・アーキンなど。

ストーリー
靴をはいたままベッドでうたた寝をしていた私立探偵マーロウ(エリオット・グールド)は、腹をすかせた猫に起こされてしまった。真夜中の3時、あいにくペットフードを切らせていたマーロウはオールナイトのスーパー・マーケットに買い物に出た。だが、せっかく買ってきたペットフードも口にあわないのか、猫は外に出て入ってしまった。猫と入れ代わりに友人のハリー(デイヴィッド・アーキン)が入ってきた。夫婦喧嘩の末、家を飛び出し、頭を冷やしにメキシコに行くという彼のためにマーロウは、メキシコ国境の町まで車で出かけた。。翌朝、帰ってきたマーロウを待っていたのはハリーの妻の殺人事件であった。ハリーを匿っていると疑われた彼は警察にしょっぴかれたが、ハリーがメキシコのある町で自殺したため、すぐ釈放された。翌日、マーロウの元に高名な作家ウエイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーンから、行方不明の夫を捜してほしいと依頼があった。早速ウエイド家を訪ねたマーロウは、夫人から「助けて下さい。ドクターV」というメモを見せられ調査に乗り出した。そして“ドクターV”が神経科のバリンジャー博士であることを突き止めた。作家として自信を失ったウエイドは、バリンジャーの病院で酒びたりの毎日を送っていたのだ。アパートに帰ったマーロウはいきなり大勢のやくざに取り囲まれた。彼らはハリーの持ち逃げした大金をマーロウが隠していると信じているのだ。彼が1味の車を尾行すると、車はウエイド家に入っていった。事件の複雑な展開に行き詰まりを感じたマーロウは、鍵であるハリーの自殺したメキシコの田舎町オタトクランを訪れたが、何も握めなかった。再度ウエイド家を訪れたとき、ウエイドは隣人を集めてパーティを開いていた。そして、診察科のことでバリンジャーとトラブルを起こしたウエイドは再び姿を消してしまった。35万ドルの行方を追っているやくざのマーティ(マーク・ライデル)はマーロウを捕らえ、拷問をしてもその行方を聞き出そうとしていた。そのとき、マーティに謎の電話がかかり、金のありかを告げた。マーティから解放されて道路に出たマーロウの前をウエイド夫人の乗った車が走り抜けた。追跡しようとしたとき車にはねられた彼は、病院にかつぎこまれたが、幸いけがはたいしたことなく、その足てウエイド家に行ってみるが、すでに引っ越した後だった。ウエイド夫人の暗躍にハリーの存在を感じたマーロウは、再度メキシコに飛び、検死官に5千ドルの賄賂を握らせた。やはり偽装自殺だった。彼はウエイド夫人んを自分の女にして、その莫大な作家の遺産を手中に収め、のうのうと暮らしていたのである。男の友情に裏切られたマーロウに、ハリーはいった。「お前はいつも何かを隠しているよ。ピストルを握ったマーロウは、「そうだ、俺は猫も失ってしまったよ。」と答えると引き金を引いた。並木道で、ジープに乗ったウエイド夫人とすれ違ったが無言のままだった。オモチャのハーモニカを吹いて、マーロウはおどけながら歩いていった。





19-36. ネゴシエーター

監督 トーマス・カーター
出演 エディ・マーフィキム・ミヨリアート・エバンスジェームズ・カーペンターマイケル・ラパポート
1997年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン) 117分

解説
籠城事件において人質の安全確保と救出を目指し、犯人と直接渡り合うネゴシエーター(交渉人)専門の刑事の活躍を描いたポリス・アクション。サンフランシスコ名物のケーブルカーを使った中盤のカー・チェイスが大迫力。監督はTV 「ヒルストリート・ブルース」 などで2度のエミー賞に輝き、映画は 「スウィング・キッズ」 に続いて2作目のトーマス・カーターで、脚本は 「デッドフォール」 のランディ・フェルドマンのオリジナル。製作はキャラヴァン・ピクチャーズの総帥で 「判決前夜/ビフォア・アンド・アフター」 のロジャー・バーンバウム。製作総指揮はマーク・リプスキーとライリー・キャサリン・エリス。撮影は 「敵、ある愛の物語」 のフレッド・マーフィ、音楽は元TOTOのスティーヴ・ポーカロ、美術はウィリアム・エリオット、編集はピーター・E・バーガー、衣裳はハ・グエンが担当。主演は、前作 「ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合」 から一転、シリアス演技に挑んだエディ・マーフィ。共演は 「誘惑のアフロディーテ」 のマイケル・ラパポート、 「ストレンジ・デイズ 1999年12月31日」 のマイケル・ウィンコット、 「ビギナーズ」 などイギリス映画で活躍し、これがハリウッド・デビュー作となるカーメン・イジョゴほか。

ストーリー
サンフランシスコ市警のスコット・ローパー(エディ・マーフィ)は、ネゴシエーターとして過去に幾度となく人質の救出に成功した敏腕刑事。ある日、同僚のサム警部補が、宝石強奪事件の重要参考人として浮上したコーダ(マイケル・ウィンコット)を洗おうとして殺された。外で待機していたスコットは、彼を救えなかったことを悔やむ。やがて、コーダは市内の大型宝石店に押し込み、人質をとって籠城した。刻限が来て人質は外に出されるが、狡猾なコーダは人質の一人に化けて逃走、飛び乗ったケーブルカーを暴走させる。新人の相棒マコール(マイケル・ラパポート)と車で追ったスコットは、市内中が大混乱に陥ったカー・チェイスの果てにコーダを追い詰めて逮捕した。スコットへの復讐心に燃えるコーダは従兄弟のコソ泥、ティールにスコットの恋人ロニー(カーメン・イジョゴ)を襲わせる。駆けつけたスコットの目の前で、逃げたティールは車に跳ねられて死亡した。脱獄したコーダは、スコットとのタヒチ旅行で浮き立つロニーをさらい、押収された盗品の1千万ドルの宝石と彼女を交換するとスコットに通達。スコットはマコールの応援を得て、指定の造船ドックに急ぐ。コーダの罠を振り切り、ロニーを救出したスコットは、壮絶な戦いの末に相手を倒した。




19-37. アルカトラズからの脱出  

監督 ドン・シーゲル
出演 クリント・イーストウッドパトリック・マクグーハンロバーツ・ブロッサムジャック・チボーフレッド・ウォード
1979年・アメリカ (パラマウント映画=CIC) 112分

解説
サンフランシスコ湾内にあるアルカトラズ島を舞台にそこの刑務所からの脱走を試みた3人の男の成功までのプロセスを実話に基づいて描く。製作総指揮はロバート・デイリー、監督は 「テレフォン」 のドン・シーゲル。J・キャンベル・ブルースの実録小説を基にリチャード・タッグルが脚色。撮影はブルース・サーティーズ、音楽はジェリー・フィールディング、編集はフェリス・ウェブスター、製作デザインはアレン・スミスが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、パトリック・マクグーハン、ロバーツ・ブロッサム、ジャック・チボー、フレッド・ウォード、ポール・ベンジャミン、ラリー・ハンキン、ブルース・M・フィッシャー、フランク・ロンチオなど。

ストーリー
1960年1月18日の深夜、l人の囚人フランク・モーリス(クリント・イーストウッド)が、アルカトラズ島刑務所へ護送されてきた。彼は、米国各州の刑務所で何度か脱走を企て、あげくに脱走不可能といわれるこの刑務所に送り込まれたのだ。問題囚ばかりが収容されているこの刑務所は、冷酷な所長ウォーデン(パトリック・マクグーハン)の下で厳重な警備体制がとられていた。この警備の裏をかいて脱出が成功しても、行手にはサンフランシスコ湾が横たわっている。潮の流れが早く、冷水のため、泳ぎきるのは不可能に近い。知能指数のきわめて高い新入りモーリスは、特に所長に目をつけられ、部屋に呼ばれて警告を受ける。その後、所長のデスクからツメ切りが一個消えているのに気づく者はいなかった。食堂でまずモーリスが言葉をかわしたのは、ネズミをペットにしているノトマス(フランク・ロンチオ)という年配の囚人。図書館の係員をしている黒人のイングリッシュ(ポール・ベンジャミン)や絵を描くのが趣味だというドク(ロバーツ・ブロッサム)とも親しくなった。しかし、敵にまわった囚人もいた。ウルフ(ブルース・M・フィッシャー)といい、彼とは殴り合いの乱闘騒動まで起こし、一番つらいD棟の独房に2人とも放り込まれてしまう。もとの独房に戻ってきたモーリスは、隣りに入ってきたチャーリー(ラリー・ハンキン)という話好きの男と知り合う。ある日、モーリスは、食堂で見知った顔と出会った。別の刑務所でいっしょだったアングリン兄弟(フレッド・ウォードとジャック・チボー)で、彼らも何度も脱走を試みたためアルカトラズに送られてきたのだ。それまで、秘かに脱走計画をたてていたモーリスは、2人の顔を見ていよいよ実行に移す決心を固めていた。3人にチャーリーが加わって脱走計画がスタートした。例のツメ切りや、食堂から盗んだスプーンを使い屋上へ出る穴を掘り、海へ逃げるというものだ。数ヵ月に及ぶ彼らの努力が着々と進められていった。D棟に監禁されていたウルフが戻ってきたため、再び狙われ始めたモーリスは、そのために決行を予定より1日早めることにした。遅れをとったチャーリーだけは失敗したが3人は屋上への抜け道を順調に進んでいった。翌朝、看守がモーリスの房で発見したのは替玉人形と壁の穴だけだった。脱走した3人の行方は誰にもわかることはない。溺死体も発見されはしなかった。それ以後、アルカトラズ島の刑務所は永久に閉鎖された。




19-38. スパルタカス

監督 スタンリー・キューブリック
出演 カーク・ダグラストニー・カーティスローレンス・オリヴィエジーン・シモンズチャールズ・ロートン
1960年・アメリカ (ユニヴァーサル) 184分

解説
ハワード・ファストの原作をダルトン・トランボが脚色し、 「突撃(1957)」 のスタンリー・キューブリックが監督したスペクタクル。撮影は 「黒い肖像」 のラッセル・メティ、音楽は 「悶え」 のアレックス・ノスが担当。出演は 「逢うときはいつも他人」 のカーク・ダグラス、 「ねずみの競争」 のトニー・カーティス、 「黄昏に帰れ」 のジーン・シモンズ、 「悪魔の弟子」 のローレンス・オリヴィエ、 「サイコ」 のジョン・ギャビン、ほかにチャールズ・ロートン、ピーター・ユスチノフ、ジョン・アイランドら。製作総指揮カーク・ダグラス。製作エドワード・ルイス。

ストーリー
紀元前1世紀、ローマ共和国が隆盛を誇っていた頃――奴隷のスパルタカス(カーク・ダグラス)はバタイアタス(ピーター・ユスチノフ)の剣闘士養成所に売られた。彼はそこで女奴隷バリニア(ジーン・シモンズ)を知った。ローマの名将クラサス(ローレンス・オリヴィエ)がバタイアスを訪ねた。バタイアスは余興にスパルタカスと親友の黒人奴隷ドラバとの真剣勝負を命じた。ドラバは試合に勝ったが、スパルタカスを殺さずクラサスに襲いかかったが殺された。クラサスはバリニアを買い本国に送れと命じた。スパルタカスは悲しんだ。彼は同僚クリクサスと共謀して反乱を起した。首領スパルタカスと奴隷の集団は、つぎつぎに貴族の所領を襲い奴隷を解放し、ベスビアスの山腹に大奴隷軍の本拠をかまえた。バリニアも愛するスパルタカスのもとに戻ってきた。ローマの政界ではクラサスとグラッカス(チャールズ・ロートン)が主動権を争っていた。グラッカスはクラサスの勢力を駆逐するため、彼の部下グラブラス(ジョン・ドール)のローマ警備隊を奴隷軍攻撃に派遣し、かわりに友人ジュリアス・シーザー(ジョン・ギャビン)を守備隊長に任命した。奴隷軍はグラブラスを撃滅し、グラブラスは単身逃げ戻った。クラサスは責任をとって引退した。奴隷軍は南海岸に迫った。グラッカスはクラサスに再起を頼み、クラサスは成功したら執政官になることを条件に引き受けた。スパルタカスは元クラサスの召使アントナイナス(トニー・カーティス)を参謀にした。彼の悲願は奴隷を解放することで、沿岸の海賊と奴隷送還の契約をした。これを知ったクラサスは海賊を買収し、奴隷軍の後方に味方を上陸させた。奴隷軍は海賊の裏切りと前後の敵に挟まれ、スパルタカスはローマへの進撃を命じた。カプア近郊の大平原で両軍は戦火を交えた。一時は優勢だった奴隷軍は逆転された。バリニアは再びクラサスの奴隷になった。スパルタカスはアントナイナスと決闘を命じられた。しかも勝ったものははりつけになるという。2人は涙をのんで戦い、アントナイナスは死に、スパルタカスは城門の外の十字架にかけられた。独裁者クラサスにも悩みはあった。バリニアは貞節を守り、クラサスの意に敢然として従わなかった。失脚したグラッカスはクラサスの弱点をつき、バタイアスに命じてバリニア母子を誘拐させた。彼は最後の職権を行使して、母子を解放し自由を与え、国外に逃してやり、自分は自殺した。バタイアスはバリニア母子と戦車に乗って城門を出た。スパルタカスは十字架の上でまだ生きていた。十字架の下に立ったバリニアは子供を高くさし上げ、自由になったことを知らせた。死の直前に、妻子の自由になったことを知ったスパルタカスは、昇る朝日に向かって走り去る戦車を、いつまでもいつまでもみつめていた。




19-39. Ray レイ

監督 テイラー・ハックフォード
出演 ジェイミー・フォックスケリー・ワシントンシャロン・ウォーレンレジーナ・キングアーンジャニュー・エリス
2004年・アメリカ (UIP) 152分

解説
'04年に他界した盲目のミュージシャン、レイ・チャールズ。幼少時のトラウマや薬物中毒を抱えつつ、常に音楽と共に生きた彼の“魂(ソウル)”を描き出す伝記映画。

ストーリー
1948年、17歳のレイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)は、故郷の南部ジョージア州からシアトルに出て、音楽の活動を始める。幼い時に視力を失っている彼は盲目の天才と呼ばれ、やがてバンドの一員としてツアーに参加するが、その頃に麻薬を覚える。54年にはゴスペル・シンガーのデラ・ビー(ケリー・ワシントン)と結婚し、ソロのレコードでヒットを飛ばす。やがて息子が生まれたが、レイはバック・ヴォーカルのメアリー・アン・フィッシャー(アーンジャニュー・エリス)と愛人関係にあった。さらに57年、レイは契約したヴォーカル・トリオ、レイレッツのメンバーであるマージー(レジーナ・キング)を新しい愛人にする。59年、一家はロスに移り、2人目の息子も誕生。レイはアトランティック・レコードからABCレコードに移籍し、60年に『我が心のジョージア』で初のグラミー賞を受賞。しかしレイは名声の裏で、ヘロイン浸りの生活を続けていた。やがてマージーが麻薬で死亡。65年、レイはボストンの空港で、麻薬の密輸で逮捕される。彼は自発的に更生クリニックに入り、麻薬から足を洗った。同時に、彼を長年苦しめていた、弟の溺死事故のトラウマも克服。そして79年、ジョージア州は、かつてコンサートの契約違反で永久追放を宣告したレイの名誉を回復し、『我が心のジョージア』を州歌にするのだった。




19-40. ミリオンダラー・ベイビー 

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドヒラリー・スワンクモーガン・フリーマンアンソニー・マッキージェイ・バルチェル
2004年・アメリカ (ムービーアイ、松竹) 133分

解説
アカデミー賞で作品賞など主要4部門を制したクリント・イーストウッド監督最新作。孤独な男と女子ボクサーの父娘のような絆を、痛切なドラマの中に描く感動作だ。

ストーリー
トレーラー育ちの不遇な人生から抜け出そうと、自分のボクシングの才能を頼りにロサンゼルスにやってきた31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)。彼女は、小さなボクシング・ジムを経営する名トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)に弟子入りを志願するが、女性ボクサーは取らないと主張するフランキーにすげなく追い返される。だがこれが最後のチャンスだと知るマギーは、ウェイトレスの仕事をかけもちしながら、残りの時間をすべて練習に費やしていた。そんな彼女の真剣さに打たれ、ついにトレーナーを引き受けるフランキー。彼の指導のもと、めきめきと腕を上げたマギーは、試合で連覇を重ね、瞬く間にチャンピオンの座を狙うまでに成長。同時に、実娘に何通手紙を出しても送り返されてしまうフランキーと、家族の愛に恵まれないマギーの間には、師弟関係を超えた深い絆が芽生えていく。そしていよいよ、百万ドルのファイトマネーを賭けたタイトル・マッチの日がやってきた。対戦相手は、汚い手を使うことで知られるドイツ人ボクサーの”青い熊“ビリー(ルシア・ライカー)。試合はマギーの優勢で進んだが、ビリーの不意の反則攻撃により倒され、マギーは全身麻痺になってしまう。寝たきりの生活になり、やがて死を願うようになった彼女。フランキーは悩みながらも、マギーの呼吸器を外して安楽死させてやる。それから彼は、長年の友人である雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)らを残し、自分のジムから姿を消してしまうのだった。




19-41. ザ・エージェント (吹替)

監督 キャメロン・クロウ
出演 トム・クルーズキューバ・グッディング・Jrレニー・ゼルウィガーケリー・プレストンジェイ・モーア
1996年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 138分

解説
理想主義のスポーツ・エージェントが挫折のどん底で愛する人に出会い、本当に大切なものに気づく姿を描く、ハートフルなサクセス&ラブ・ストーリー。製作・監督・脚本は 「シングルス」 のキャメロン・クロウ。製作はクロウ、 「愛と追憶の日々」 の監督ジェームズ・L・ブルックス、同作を手掛けたローレンス・マーク、リチャード・サカイの共同。撮影は 「キルトに綴る愛」 のヤヌス・カミンスキー。音楽は元 「ローリング・ストーン」 誌の編集者だった監督らしく、ダニー・ブラムソンの監修の下、ブルース・スプリングスティーン、ザ・フー、ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、エルヴィス・プレスリー、そして監督夫人のナンシー・ウィルソン(オリジナル・スコアも)らの多彩な楽曲が劇中に使用されている。美術は 「シングルス」 のスティーヴン・ラインウィーヴァー、編集は 「JFK」 のジョー・ハッシング、衣裳は 「パルプ・フィクション」 のベッツィ・ハイマン。主演は 「ミッション:インポッシブル」 のトム・クルーズと 「エンパイア レコード」 のレニー・ゼルウィガー。共演は 「アウトブレイク」 のキューバ・グッディングJr.、 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」 のケリー・プレストン、 「ジュマンジ」 のボニー・ハントほか。96年度(第54回)ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)受賞(トム・クルーズ)、96年度(第69回)アカデミー賞助演男優賞受賞(キューバ・グッディングJr.)。

ストーリー
ジェリー(トム・クルーズ)は全米一のスポーツ・エージェント会社SMIの有能なエージェント。彼は高価な年棒と引き換えに選手の家族やファンの気持ちを犠牲にしてきた自分と会社のやり方は正しいのかと悩み、初心に戻って理想に満ちた提案書を一晩で書き上げ、提出する。だが、あっさり彼はクビになり、あれだけいたクライアントも同僚ボブ(ジェイ・モーア)にごっそりさらわれ、残ったのは落ち目のアメリカン・フットボール選手ロッド(キューバ・グッディングJr.)のみ。しかもジェリーの「僕についてくる者は?」の呼びかけに応えたのは、5歳の息子を抱えて姉(ボニー・ハント)の家に厄介になっているシングル・マザーの会計係ドロシー(レニー・ゼルウィガー)だけだった。フィアンセのNLF広報担当エヴリー(ケリー・プレストン)に尻を叩かれたジェリーは、大学フットボールの花形選手フランク(ジェリー・オコネル)をクライアントに獲得せんとし、父親のマット(ボー・ブリッジス)は息子の将来をジェリーに託すと言ってくれた。だが、ロッドを広告業界に売り込もうと気をとられている間に、マットはボブと契約を結んでしまう。落ち込むジェリーに、エヴリーは「負け犬」と冷たく突き放して去る。孤独な彼を包んでくれたのはドロシーだった。離婚経験のある姉ローレルの忠告にも関わらず、ドロシーはジェリーに急速に引かれていき、息子のレイ(ジョナサン・リップニッキー)も彼になついてる。互いを必要としながらもどこか臆病な彼らはある夜、ディナーの帰り、ついにキスを交わし、一夜を共にした。一方、ロッドの契約交渉は決裂し、今シーズン限りで契約選手を辞めてフリー・エージェントになる決意を固めた。もしケガをすればそこで選手生命は終わりだ。「リスクが大きい」と言うジェリーに、ロッドは「俺を信じろ、俺がおまえを信じるように」と言う。ジェリーは収入を絶たれ、ドロシーを雇い続けることができなくなり、彼女は新しい仕事を求めてサンディエゴへ引っ越そうとする。決断を迫られた彼は、出発の直前、彼女に結婚を申し込んだ。二人の結婚生活が始まったが、ドロシーは互いの喜びも悩みも分かち合っているロッドと妻のマーシー(レジーナ・キング)を見るにつけ、自分とジェリーの繋がりが頼りなく思えた。一方、ジェリーに「ハートでプレイしろ」と言われて発奮したロッドは、生まれ変わったように目ざましい活躍を見せる。プレーオフ出場がかかった大事な試合中に猛烈なタックルを受けたロッドは、倒れたまま動かなくなってしまう。だが、意識を取り戻した彼は立ち上がり、観客の大声援を浴び、ヒーローになった。試合後、マーシーからの電話に「愛してる」を連発するロッドを見ているうち、ジェリーはドロシーのことを思い浮かべ、彼女の元へ急ぐ。ローレルを含む恒例の「離婚女性の会」が行われているところへ飛び込んだジェリーはドロシーに「僕らは完璧じゃなかった。君がいてこその僕なんだ」と言い、二人は固く抱き合った。ロッドの契約も決まり、ジェリーとドロシー、レイは本当の家族になれた。





19-42. 華麗なる激情

監督 キャロル・リード
出演 チャールトン・ヘストンレックス・ハリソンダイアン・シレントハリー・アンドリュースアルバート・ルーポ
1965年・アメリカ (20世紀フォックス)

解説
アーヴィング・ストーンのミケランジェロの伝記小説 「苦悩と恍惚」 を、 「聖衣」 のフィリップ・ダンが脚色、 「逃げる男」 のキャロル・リードが製作・監督した、ミケランジェロ伝記映画。撮影は 「クレオパトラ(1963)」 (アカデミー賞)のレオン・シャムロイ。音楽は、同じく 「クレオパトラ」 のアレックス・ノースが担当した。日本語版のプロローグ担当は滝口修造、ナレーターは杉山真太郎が当たっている。出演は 「偉大な生涯の物語」 のチャールトン・ヘストン、 「マイ・フェア・レディ」 のレックス・ハリソン(64年度アカデミー賞) 、 「トム・ジョーンズの華麗な冒険」 のダイアン・シレント(現在ショーン・コネリー夫人) 「北京の55日」 のハリー・アンドリュース、ほかにアルバート・ルーポ、アドルフォ・セリ、トーマス・ミリアンなど。

ストーリー
1508年。法皇(レックス・ハリソン)はローマに住むミケランジェロ(チャールトン・ヘストン)を自分が建てたシスチネ礼拝堂へ案内しその天井に使徒のフレスコ画を描けと命じた。ミケランジェロはどうしても気が進まず、ジョバンニ枢機卿とその妹コンテシナ(ダイアン・シレント)にも苦しみをうちあけた。そして彼は描きかけのまま、ローマから姿を消した。法皇お気に入りの建築家ブラマンテ(ハリー・アンドルース)が、若い画家ラファエルを紹介したが、法皇の気に入らず、直ちにミケランジェロの行方を探せと布告を出した。彼はカララの石切場に隠れ、大理石を切り出していたが、法皇軍が探しに来て山に逃れたある夜、突如構想がひらめく。旧約創生記を描くことである。やがてとらわれ、天井画制作に心魂を傾けはじめた。法皇が時々見にくるのにはくさるがある日、彼の視力が急に衰え足場から落ちた。コンテシナのお陰で徐々に恢復したが法皇自ら彼を見舞いに来て、仕事を他の画家にやらせようという。嫌がらせで気力をよみがえらせようという配慮だった。この頃、法皇庁に外患が頻発する。フランス軍が侵入し、ドイツ軍が迫り、さらにフェララとボロニアが同盟して反旗を翻す。ある日、ミケランジェロが仕事にかかろうとすると足場のとり払いが行なわれている。早速法皇に抗議を申し込むと、公開したいからだという。その権利は画家にあると口答えして、法皇の象牙のムチをうけた。彼はローマを去ろうとするが、コンテシナの励ましで、法皇に完成まで描かせてほしいと申し出、その承認を得た。やがて法皇は病床につき、スイスとイギリスの救援を得て、外敵は制圧した。彼の仕事も着々と進み、天井画は完成した。37歳の時の偉業が成り、やがて89歳までの仕事が始まるのであった。





19-43. レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード (吹替)

監督 ロバート・ロドリゲス
出演 アントニオ・バンデラスサルマ・ハエックジョニー・デップミッキー・ロークエヴァ・メンデス
2003年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ)

解説
メキシコの流しの歌手、エル・マリアッチを主人公にしたアクション・シリーズの第3弾。ギター・ケースに銃をひそめるアウトローの、ヒロイックな活躍に目がくぎづけに!

ストーリー
クーデターに揺れるメキシコ。情勢を鎮圧するためにやってきたCIA捜査官のサンズ(ジョニー・デップ)は、この任務を利用し、私腹を肥やそうと企む。腕利きの殺し屋を捜していた彼は、情報屋ベリーニ(チーチ・マリン)の紹介で、伝説の男エル・マリアッチ(アントニオ・バンデラス)に会う。サンズは、クーデターを裏で操っている麻薬王バリーリョ(ウィレム・デフォー)とマルケス将軍の間に動いている巨額の金を手に入れる目的で、マリアッチにマルケス将軍の暗殺を依頼。かつて、恋人だったカロリーナ(サルマ・ハエック)を将軍に殺されたマリアッチは、復讐のためにその仕事を引き受ける。さらにサンズは、バリーリョの動きを探るため、元FBI捜査官のラミレス(ルーベン・ブラデス)に調査を依頼。ラミレスはバリーリョの側近ビリー(ミッキー・ローク)に近づく。実はバリーリョに嫌気が差していたビリーは、ラミレスへの協力を約束する。そしてクーデター勃発目前の時。サンズはバリーリョらに捕えられ、目をくりぬかれてしまう。一方、マリアッチは祖国と復讐のために立ち上がり、将軍に狙われていた大統領を保護して、バリーリョたちを倒すのだった。




19-44. ブロウ (吹替)

監督 テッド・デミ
出演 ジョニー・デップペネロペ・クルスポール・ルーベンスフランカ・ポテンテレイチェル・グリフィス
2001年・アメリカ (ギャガ=ヒューマックス) 123分

解説
60年代のカリフォルニアを舞台に、一流の麻薬売人としてアメリカ裏社会のキングに君臨した男の実話を映画化。伝説的な企業家ユングのつかの間の成功と挫折をドラマチックに描きだす。

ストーリー
幼少時代、極貧を経験したジョージ・ユング(ジョニー・デップ)は、1960年代後半、カリフォルニアでドラッグの密売をはじめ、みるみる商才を発揮する。しかし72年、販売目的のマリファナ不法所持で逮捕。だが獄中で裏社会の大物パブロ・エスコバルに出会い、彼の信頼を得たことで、ジョージの名はますます轟くことになる。70年代後半、ジョージの提供するコカインはバブル期のアメリカにおいてパーティー・ライフの必需品と化した。またその頃、久々に愛を注げる女性マーサ(ペネロペ・クルス)に出会い、2人は結ばれ娘をもうける。しかしジョージの人生は、80年代に入ってから凋落していく。彼は熱烈に娘を愛するが、足を洗おうとしても裏社会から抜け出せず、何度も服役し、妻と娘の愛を失う。そして、いまも服役中のジョージ。ある日、初めて面会に来てくれた娘を抱きしめるのだが、それは幻だった。




19-45. 秘剣ウルミ バスコ・ダ・ガマに挑んだ男

監督 サントーシュ・シヴァン
出演 プリトヴィーラージプラブ・デーヴァジェネリア・デソウザ
2011年・インド () 120分

解説
16世紀のインド南部ケララ州を舞台に、インドでの利権を得ようと攻め入ってくるバスコ・ダ・ガマに対峙する戦士を描く。インドを発見した人物として知られるポルトガル人バスコ・ダ・ガマだが、インドにもともと住んでいた人々にとっては侵略者であった。ガマの2回目と3回目のインド行を背景に描く歴史活劇。ウルミとは、インドの伝統武術カラリパヤットで使用する、鞭のようにしなやかな剣。 主演のプリトヴィーラージは新進気鋭の男優。イスラム教徒の親友役プラブ・デーヴァは古典舞踊も修めたダンスの名手。撮影監督でもあるサントーシュ・シヴァンの華麗な映像が炸裂するマラヤーラム語作品。インドでは2011年3月から劇場公開。 テルグ語など吹き替え版もインド各地方で公開された。 撮影・製作も担当したサントーシュ・シヴァン監督は、過去の作品に2009年の第10回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映された「タハーン ロバと少年」などがある。

ストーリー





19-46. 沈黙の要塞 (吹替)

監督 スティーヴン・セガール
出演 スティーヴン・セガールマイケル・ケインジョアン・チェンジョン・C・マッギンレイIrvin Brink
1994年・アメリカ (ワーナー・ブラザース)

解説
厳寒のアラスカの大地を舞台に、巨大企業の陰謀に挑むタフガイの活躍を、環境保護テーマも盛り込んで描いたアクション大作。 「沈黙の戦艦」 のスティーヴン・セガールが初監督・製作・主演の三役をこなした。脚本はエド・ホロウィツとロビン・U・ルシン。製作はセガール、 「アウト・フォー・ジャスティス」 のジュリアス・R・ナッソー、 「JFK」 のA・キットマン・ホーの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは 「生きてこそ」 のロバート・ワッツと、ジェフリー・ロビノフ。撮影は 「死の標的」 のリック・ウェイト、音楽は 「フリー・ウィリー」 のバジル・ポールドゥリス、SFX(爆破コーディネーター)は 「沈黙の戦艦」 のトーマス・フィッシャーが担当。共演は 「ハンナとその姉妹」 のマイケル・ケイン、 「天と地」 のジョアン・チェン、 「ハートブルー」 のジョン・C・マッギンリーら。

ストーリー
アラスカ、イヌイット湾。現地に巨大な石油コンビナートを持つエイジス石油会社の採掘所が炎上していた。石油炎上事故消火の専門家フォレスト・タフト(スティーヴン・セガール)の働きにより被害は未然にくい止められたが、彼は事故の真相を調べるうちに不審を感じる。エイジス社は石油採掘権を巡り、アラスカの先住民族イヌイット族を迫害していた。そんな折り、フォレストの同僚パーマー(リチャード・ハミルトン)が何者かに惨殺された。私欲のためなら自然破壊もいとわない社長のジェニングス(マイケル・ケイン)の陰謀を知ってしまったためだ。ジェニングスの右腕マクグルーダー(ジョン・C・マッギンリー)率いる男たちは、次にフォレストの命を狙う。必死の攻防の果てに撃退した彼は、イヌイット族の娘マース(ジョアン・チェン)親子に助けられる。だが、追ってきた一味の手により彼女の父である族長が殺された。フォレストは彼女と共に巨体な要塞というべき採掘所エイジス1に潜入してこれを破壊、そしてジェニングスを倒した。フォレストは環境保護国際会議の席上で、企業の陰謀を暴き、環境保護の大切さを訴えた。




19-47. X-ファイル:真実を求めて (吹替)

監督 クリス・カーター
出演 デイヴィッド・ドゥカヴニージリアン・アンダーソンアマンダ・ピートビリー・コノリーアルヴィン“イグジビット”ジョイナー
2008年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 100分

解説
科学の常識を超えた未解決事件をテーマにした人気テレビシリーズの新たなる劇場版。猟奇的な連続失踪事件と超能力者の謎に迫るモルダー&スカリーの捜査官コンビの苦闘を描く。

ストーリー
かつてFBIの捜査官として未解決事件“X-ファイル”を担当していた医学博士スカリー(ジリアン・アンダーソン)。現在は病院勤務となった彼女のもとへ、FBIがやってくる。彼らの目的は、スカリーと共にX-ファイルを担当していたモルダー(ディビッド・ドゥカブニー)の居場所だった。少し前、FBIの女性捜査官が謎の失踪を遂げる事件が発生。その行方を捜していたFBIの前に、透視能力を持つというジョー神父(ビリー・コノリー)が協力を申し出てきた。“彼女のビジョンが見える”と主張するジョーは、凍った湖から切断された人間の腕を発見。それは失踪した捜査官のものではなかったが、FBIは彼の能力を測りかね、超常現象に詳しいモルダーの知識と経験を頼ってきたのだ。スカリー以外の誰にも居場所を明かさず隠遁生活を送るモルダーだったが、超常現象に対する情熱はまったく衰えていなかった。FBIとの過去の確執を水に流すとの条件で現場復帰を決意したモルダーは、捜査を指揮するホイットニー(アマンダ・ピート)と合流する。少年に性的虐待を加えて聖職を解かれた過去を持つジョーと対面したスカリーは、その超能力を“犯罪歴を帳消しにするための嘘”と決めつる。だが、ジョーに従って女性捜査官の拉致現場を訪れたモルダーは、彼が目から血を流す姿を目撃。その能力に対する信頼を深める。モルダーは、ジョーの透視能力で、幼い頃、宇宙人に誘拐された妹の手がかりを掴めるのではないかと期待していたのだ。その考えを見抜いたスカリーはモルダーと激しく対立。だが、彼女も脳の病気で余命幾ばくもない少年の治療法に迷い、疲れきっていた。感情のすれ違いから、二人の信頼関係に亀裂が生じていく。その後、凍った湖で発見された腕から動物用の鎮静剤が検出されたことをきっかけに、捜査は急展開を見せる…。




19-48. The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛

監督 リュック・ベッソン
出演 ミシェル・ヨーデイヴィッド・シューリス
2011年・フランス (角川映画) 133分

解説
ビルマ民主化運動のリーダーとして、1991年にアジア人女性初のノーベル平和賞に輝いたアウンサンスーチー。彼女の軍事政権との戦い、長きにわたる自宅軟禁生活、遠く離れたイギリスで暮らす夫との愛をつづる人間ドラマ。脚本にほれこんだミシェル・ヨーが監督のリュック・ベッソンと映画化、容姿やしゃべり方のなりきりぶりは必見。

ストーリー
ビルマ建国の父と民衆から敬愛されるアウンサン将軍の娘アウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)は、留学先のイギリスで知り合ったマイケル・アリスと結婚し、子どもを設け幸せな生活を送っていた。1988年、母を看病するために久しぶりに生まれ故郷のビルマに戻ると、ビルマでは軍部が独裁を敷いており、学生民主化運動を武力制圧する凄惨な光景が広がっていた。アウンサン将軍の娘の帰国を知った民主主義運動家たちは、スーチーに選挙への出馬を懇願する。不安を抱きつつも民衆を眼前にして、立候補を決意するスーチー。それは、家族と引き裂かれた辛い軍事独裁政権との闘いの始まりだった――。