31-1. シャンハイ・ヌーン (Shanghai Noon)

監督 トム・ダイ
出演 ジャッキー・チェンオーウェン・ウィルソンルーシー・リューブランドン・メリルロジャー・ユアン
2000年・アメリカ (東宝東和) 111分

解説
 今や名実ともに世界のアクション・スターとなったJ・チェンのハリウッド主演作第2弾。開拓時代のアメリカを舞台に、彼の切れ味鋭い華麗な技が炸裂する痛快西部劇だ。

ストーリー
1881年、清朝の中国は紫禁城。皇太子との意に添わない結婚から逃れるため王女ペペ姫(ルーシー・リュー)は英語教師アンドリュース(ジェイソン・コネリー)の手引きでアメリカに渡るが、実はそれは清朝の裏切り者ロー・ファン(マイケル・ユアン)による誘拐だった。ロー・ファンは清朝に身代金黄金10万枚を要求、ネバダ州カーソンシティを金と人質の交換場所に指定した。屈強の近衛兵3名が使者として選ばれ、姫の姿を最後に目撃した近衛兵チョン・ウェン(ジャッキー・チェン)もまた、通訳の叔父の口利きでカバン持ちとして一行に同行。7週間後、ネバダ州に到着した一行だが、運悪くロイ(オーウェン・ウィルソン)率いる列車強盗に出くわす。一味のキレた新入りに通訳の叔父を殺されたチョンは彼らに戦いを挑むが、ロイと共に外へ放り出された。仲間の裏切りで生き埋めにされたロイからカーソンシティの場所を聞き出し、ひとり山河を歩くチョンだが、途中でインディアンのスー族の子供の命を助けたことでフォーリング・リーヴス(ブランドン・メリル)という美しい花嫁と結婚させられてしまう羽目に。村を出たチョンはある町の酒場でロイと再会、大乱闘を起こしたあげく留置所に放りこまれるが、これを機にふたりは協力して姫の救出作戦に乗り出す。脱獄してお尋ね者になったふたりは悪徳保安官ネーサン(ザンダー・バークレイ)らに追われながらも、苦闘の末ようやくペペ姫と再会。ところがそこに最大の敵ロー・ファンと追っ手のネーサンが立ち塞がる。かくしてふたりは力を合わせてロー・ファンと保安官を倒し、姫を救うのだった。




31-2. 太陽にかける橋 ペーパー・タイガー (Paper Tiger)

監督 ケン・アナキン
出演 三船敏郎デイヴィッド・ニーヴン安藤一人高美似子ハーディ・クリューガー
1975年 (東宝東和) 99分

解説
政情不安な東南アジアのある国で起こった日本大使の息子誘拐事件をめぐるサスペンス映画。製作はイアン・ロイド、監督は 「モンテカルロ・ラリー」 のケン・アナキン、脚本・原作はジャック・デイヴィス、撮影はジョン・カブレラ、音楽はロイ・バッドが各々担当。出演は三船敏郎、デイヴィッド・ニーヴン、安藤一人、高美似子、ハーディ・クリューガー、イレーネ・ツなど。

ストーリー
>政情不安な東南アジアのクーラゴンの空港に、杖をついた片足の不自由な中年の男が降りたち、日本大使館に向かった。男は英国人で名をウォルター・ブラッドベリー(デイヴィッド・ニーヴン)といい、この国の日本大使であるカゴヤマ(三船敏郎)の長男弘一少年(安藤一人)の家庭教師をつとめることになっていた。数日後のある夜、パーティーが催された。主賓である外務大臣が到着した。ドイツから取材にきていたTVプロデューサーのミューラー(ハーディ・クリューガー)はこのパーティーで同席した自分と同じヨーロッパ人であるブラッドベリーと話しているうちに、この男の過去に興味を持ち始めていた。そのとき突然、パーティ会場に外務大臣暗殺を謀るテロリストの一味が乱入した。しかし、危機一髪、恐怖のあまり物かげに隠れたブラツドベリーの杖が偶然にも狙撃者の邪魔をして暗殺は未遂に終わった。この思いがけない事件によってブラッドベリは一躍名士になり、弘一はいつも彼が語ってきかせてくれる自身の戦場での活躍ぶりの影響もあって増々彼を英雄視するようになっていった。一方、外務大臣暗殺に失敗したゲリラのリーダー、ターラ(イレーネ・ツ)は、白昼堂々と弘一少年とブラットベリー誘拐に成功し、投獄されていた同志の釈放を政府に要求した。だが、ゲリラ側の要求に対し、政府は全面的に拒絶、深い絶望が大使と弘一の母をおそった。その大使のもとに、ミューラーが訪れた。ブラツドベリーの過去に興味をもって調べていた彼は、その虚飾に充ちた偽りを知ったのだ。その頃、尊敬の眼しで自分を見る弘一少年の視線に耐えきれなくなったブラッドベリーは幾度か真実を明かしてしまいたい衝動にかられていた。自分は勲功に輝く戦場の勇士ではなく、脚の傷は小児マヒによるものにすぎない。そんな彼は、いつしか果たさぬ夢を描き、絵空事の人生をつくりあげていたのだ。しかし、ペテン師とは知らずにブラッドベリーを純粋な気持で慕う弘一との触れあいの中で、ブラッドベリーは真実の尊さに眼覚めていった。一方、政府が要求を拒否したことを知ったターラは、弘一に「もし大統領が政治犯を釈放しなければぼくたちは殺される」という内容の手紙をかかせた。しかし弘一は賢かった。彼は手紙をターラたちには解読できない日本語で書いた。「パパ、早く助けに来て、場所はジャングルの中」。そんなことが書かれてあるとも知らないゲリラは弘一の手紙を大使のもとに送った。幼い知恵が企んだ手紙の内容の発覚をおそれたブラッドベリーは弘一を連れて監視の目を盗み、脱走を決行した。険しい山中を逃げる弘一とブラッドベリーを追うターラとその一味。しかし二人はゲリラに発見され、ブラッドベリーは銃弾に倒れる。さらにゲリラの銃口は引一に狙いを定めるが、そのとき、救援隊のヘリコプターの爆音が轟き渡り、ターラとその一味は一瞬のうちに射殺される。ふたたび大使一家に平和な日が戻った。真実を告げてこの家を去ろうと、傷も癒えたブラッドベリーは大使に面会した。頭をたれる“ペテン師の家庭教師”に大使の返事がかえってきた。“果たしえぬ夢は誰でも見るものです。あなたなしには弘一の将来はありません”。




31-3. エクスペンダブルズ3 ワールドミッション (吹替)

監督 パトリック・ヒューズ
出演 シルヴェスター・スタローンハリソン・フォードメル・ギブソンジェイソン・ステイサムジェット・リー
2014年・アメリカ (ポニーキャニオン、松竹) 126分

解説
自らを“消耗品”と名乗る最強傭兵軍団、エクスペンダブルズの活躍を、シルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーら人気アクション・スターの豪華共演で描くアクションシリーズの第3弾。前2作のメンバーに加え、ハリソン・フォード、そしてメル・ギブソンがかつての仲間である最強の敵役で登場する。

ストーリー
傭兵軍団“エクスペンダブルズ”を率いるバーニー(シルベスター・スタローン)は、CIAの作戦担当ドラマー(ハリソン・フォード)からあるミッションを言い渡される。それはかつて共にエクスペンダブルズを結成した仲間で、現在は悪の組織の大物ストーンバンクス(メル・ギブソン)を捕獲せよというものだった。ニューヨーク、モスクワ、ブカレスト、メキシコ、アフリカ……。世界各地でその攻防が繰り広げられる中、エクスペンダブルズの弱点を知り尽くしたストーンバンクスの力を見せつけられたバーニーは決して若くない仲間たちの身を案じるのだった。やがてバーニーは、チームの解散を決定、若いメンバーと新たにチームを組み、任務を遂行することなる。しかし、残されたエクスペンダブルズの元メンバーたちはただ黙って見てはいなかった……。




31-4. サイレント・ランニング (Silent Running)  

監督 ダグラス・トランブル
出演 ブルース・ダーンクリフ・ポッツロン・リフキンジェシー・ヴィントMark Persons
1972年・アメリカ (ケイブルホーグ) 89分

解説
未来、唯一残った植物を守るため植物学者が苦心するというエコロジカルSF。題名は潜水艦が敵の探知を避けるためエンジン、電気などの運行をやめ音をたてないようにすることを意味する軍事用語。製作はマイケル・グラスコフ。監督はSFXエキスパートのダグラス・トランブルで、彼の原案を大幅に変更してデリク・ウォッシュバーン、マイケル・チミノ、スティーヴン・ボチコーが脚本を執筆、それをまたトランブルが大きく手を入れて撮った。撮影はチャールズ・ウィーラー、音楽はピーター・シッケル、SFXはダグラス・トランブル、ジョン・ダイクストラ、リチャード・ユーリシッチ他が担当。主演はブルース・ダーン他。

ストーリー
今世紀末、地球上の植物は絶滅していた。わずかに3隻の宇宙船のドームで緑の草花や木々が育てられているだけだつた。ヴァレー・フォージ号もその1つで8年間乗り組んでいる植物学者フリーマン・ローウェル(ブルース・ダーン)を除いて、他の3人の乗組員ウルフ(クリフ・ポッツ)、バーカー(ロン・リフキン)、キーナン(ジェシー・ヴィント)は早く帰還したがっていた。ある日、地球からドームを爆破して帰還せよという命令が下り、3人は大喜びする。しかし、ローウェルは悲しみ、怒り、ドーム爆破の準備をしている3人を殺害し、ヴァレー・フォージを土星の方向に進める。彼は3体のドローンをプログラムし直し、植物育成の手助けをさせる。土星の輪で一体のドローンが吹きとばされた。ローウェルはそのドローンにルーウィ、残る2体にヒューイとデューイという名をつけた。やがてドームの植物が枯れ出す。暗黒空間に入り込んだためと分り、ライトを点灯した。その後、地球の宇宙船がヴァレー・フォージを見つけ救出にやってくることになった。もはや逃げられぬと悟ったローウェルは、デューイに後を託してドームを宇宙空間に発射し、事故に遭って動けなくなったヒューイと共に運命をともにすることにし、ヴァーレー・フォージを爆破した。ドームではデューイが草花にせっせと水を与えている。





31-5. ネイビーシールズ (Act of Valor)  (吹替)

監督 マウス・マッコイ
出演 ロゼリン・サンチェスジェイソン・コットルアレックス・ヴィードフネストール・セラノエミリオ・リヴェラ
2012年・アメリカ (ギャガ) 109分  (PG12)

解説
これまで数々の映画に登場してきたアメリカ海軍特殊部隊“NAVY SEALS”。現役のSEAL隊員が出演し、テロリストに立ち向かうさまをヘルメットに仕込まれたカメラによる緊迫感あふれる映像とともに描くアクション。SEAL隊員だけでなく、銃、ハイテク兵器、戦闘機、潜水艦などすべてが本物。本物ならではのリアリティに圧倒される。

ストーリー
医師に扮してコスタリカに潜入していたCIA女性エージェントが拉致される事件が発生する。黒幕は、麻薬取引や武器密輸で暗躍し財を成す、通称クリストという男と目される。アメリカ海軍特殊部隊NAVY SEALSに出動命令が下り、隊員たちは迅速かつ的確に敵の拠点地を突き止め急襲し、エージェントを取り戻すことに成功。そのときに現場から押収した携帯電話を分析すると、クリストがイスラム系テロリストを支援し、全世界規模のテロを計画していたことがわかる。NAVY SEALSの中でも選りすぐりの精鋭たちに新たな国家の最高機密に関わる極秘指令が下り、ひときわ優秀なローク大尉は妊娠した妻を置いて熾烈な戦いが待つ任地へ赴く。





31-6. ドクター・ドリトル2 (Dr.Dolittle 2)  (吹替)

監督 スティーヴ・カー
出演 エディ・マーフィクリスティン・ウィルソンレイヴン=シモーネカイラ・プラットリル・ゼーン
2001年・アメリカ (20世紀フォックス) 88分  (日本語吹き替え版)

解説
「ドクター・ドリトル2」 の日本語吹替版。エディ・マーフィが動物と会話ができる医師に扮した、大ヒット・コメディの続編。マーフィと動物たちとの珍妙なやりとりには爆笑必至!

ストーリー
動物と会話できる才能が世間に認められたドリトル先生は、いまや世界中を飛び回る人気者に。しかし娘のシャリーズは動物に振り回される生活にイライラ模様で、父娘の距離は遠くなりかけていた。そんな時、森のビーバーから届いたSOSのメッセージ。森林伐採が進んで野生動物の生息地が危機に瀕しているという。救済の道は、森に1頭しかいない絶滅危機種のメス熊エバの結婚相手を見つけること。エバが子供を生んで種族を残せば法律で森は守られるのだ。ドリトル先生は婿候補の熊アーチーを探し出すが、なんとアーチーはサーカスの檻育ち。野生を忘れたアーチーに、エバは見向きもしない……。





31-7. 猟奇的な彼女 (My Sassy Girl)

監督 クァク・ジェヨン
出演 チョン・ジヒョンチャ・テヒョンキム・インムンソン・オクスクヤン・グムソク
2001年・韓国 (アミューズピクチャーズ(日本テレビ=東芝=カルチュア・パブリッシャーズ=衛星放送=アミューズピクチャーズ 提供)) 122分

解説
韓国で大ヒットを飛ばし、“猟奇ブーム”を巻き起こした異色恋愛映画。凶暴なまでに勝ち気でキュートな女性に惚れてしまった、気弱な青年の奮闘をコミカルにつづる。

ストーリー
>大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)は、地下鉄の中でベロベロに酔っ払った彼女(チョン・ジヒョン)と出会う。周囲に彼女の彼氏だと間違われたキョヌは、彼女を介抱するハメに。そこから2人の付き合いは始まるが、彼女は凶暴な性格でキョヌを家来のように扱う。しかし翻弄されながら、キョヌは彼女に惹かれていた。一方、彼女はいつもあいまいな態度。そんな彼女が、両親の命令でお見合いをした夜、キョヌは急に現場に呼び出される。キョヌは複雑な思いを隠し、お見合いの相手(イム・ホ)に彼女と付き合う心得を教えた。キョヌの温かさに心動かされる彼女。2人は、お互いにあてた手紙をタイムカプセルに入れて丘の木の下に埋め、2年後に会おうという約束を交わして別れた。再会の日をじりじりしながら待つキョヌ。そして2年後、タイムカプセルを開けたキョヌは、彼女が恋人を亡くし、その面影をキョヌに見ていたことを知る。さらに1年後。彼女は、亡き恋人の母の勧めでお見合いをする。そこに現われたお見合いの相手は、なんとキョヌ。彼は、彼女の亡き恋人のいとこだったのだ。そして2人は、テーブルの下でしっかり手を握り合うのだった。





31-8. ウォーターワールド (Waterworld)  (吹替)

監督 ケヴィン・レイノルズ
出演 ケヴィン・コスナーデニス・ホッパージーン・トリプルホーンティナ・マジョリーノマイケル・ジェッター
1995年・アメリカ (UIP) 107/135分

解説
地球温暖化により全ての陸地が水没した未来の世界を舞台に、海賊たちと戦う一匹狼の戦士の活躍を描いたSFアクション。総製作費に史上最高の1億7千万ドルを費やした超大作。監督は 「モアイの謎」 のケヴィン・レイノルズ。製作は 「フィールド・オブ・ドリームス」 のチャールズ・ゴードン、 「リッチー・リッチ」 のジョン・デイヴィス、主演のケヴィン・コスナーの共同。脚本は 「エイリアン3」 のデヴィッド・トゥーヒーと、本作がデビューのピーター・レーダー。撮影は 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」 (アカデミー賞受賞)のディーン・セムラー、音楽は 「アウトブレイク」 のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術は 「バグジー」 (アカデミー賞受賞)のデニス・ガスナーがそれぞれ担当。400カット以上のデジタル合成など特殊視覚効果を指揮したのは 「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」 のマイケル・マカリスター。主演は 「ワイアット・アープ」 のケヴィン・コスナー。共演は 「氷の微笑」 のジーン・トリプルホーン、 「スピード」 のデニス・ホッパー、 「アンドレ 海から来た天使」 のティナ・マジョリーノほか。

ストーリー
>温暖化が進み、極冠の氷が融けて地表は全て水没した未来の地球。わずかに生き残った人々は、浮遊する都市=アトール(岩礁)と呼ばれる人工の島を作って何とか生きながらえていた。トライマレン(三胴船)を操って海洋を旅するマリナー(ケヴィン・コスナー)は、交易のためオアシスという名のアトールに入港した。だが、海中でも呼吸のできるエラを持つミュータントであることが知れると住民に捕らえられ、死刑を宣告された。その時、ディーコン(デニス・ホッパー)の率いる凶悪な海賊集団スモーカーがオアシスを襲撃した。激しい戦闘のさなか、マリナーは酒場の女ヘレン(ジーン・トリプルホーン)に助けられ、少女エノーラ(ティナ・マジョリーノ)と共に海に逃れた。ヘレンは伝説の陸地ドライランドの存在を信じており、その秘密はエノーラの背中の刺青にあるという。これまで一人で旅をしてきたマリナーにとり、2人の存在は煩わしいものだった。一方、ディーコンもエノーラを捜してマリナーの船を追っていた。一度は配下の飛行機が発見したがマリナーの反撃に遇い、続いて待ち伏せも計画するが、すんでのところで見破られ失敗した。旅を続けるうち、マリナーはヘレンに心を開くようになっていた。マリナーに潜水器に乗せられて海中深く水没した近代都市を見たヘレンは、希望が砕かれるのを感じた。2人が海上に戻ると船はディーコンに占拠されていた。危ういところをオアシスの発明家グレゴールに助けられたマリナーは単身、スモーカーの根拠地である巨大船ディーズに向かう。エノーラを救出した彼は、壮絶な戦いの果てにディーコンを倒した。エノーラの刺青の秘密を解いた彼らは、目的地に向かい、そこでついにこの世の楽園ドライランドを発見する。だが、海の男であるマリナーは安住を選ばず、再び旅立っていった。




31-9. ヒース・レジャーの恋のからさわぎ

監督 ジル・ジュンガー
出演 ヒース・レジャージュリア・スタイルズジョセフ・ゴードン=レビットラリサ・オレイニクデヴィッド・クラムホルツ
1999年・アメリカ (ブエナビスタ)

解説
「恋のからさわぎ」(原題:10 Things I Hate About You)は、1999年に公開されたアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画。監督はジル・ジュンガー。シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をベースにしている。アメリカでは「マトリックス」と同時期の公開だったが、「マトリックス」に次ぐ初登場2位を記録し、3800万ドルのヒットとなった。日本では劇場未公開作品であるが、2010年2月17日に「ヒース・レジャーの恋のからさわぎ」のタイトルでDVDが発売された。2012年にはジュンガー監督・脚本による続編「10 Things I Hate About Life」が製作されることが明らかになった。

ストーリー
転校生のキャメロンは一目惚れした学園のアイドル・ビアンカをデートに誘おうとするが、彼女の父親からはビアンカの姉・カトリーナを先に誰かとデートさせるという条件をつけられ、学校のはみ出し者パトリックを雇ってカトリーナをデートに誘わせようとする。原題「10 Things I Hate About You」はカトリーナが挙げたパトリックの嫌いな点を意味するが、「But mostly I hate the way I don't hate you.(でも一番嫌なのは、あなたを嫌いになれないこと)」と続いている。




31-10. イーオン・フラックス

監督 カリン・クサマ
出演 シャーリーズ・セロンマートン・コーカスジョニー・リー・ミラーソフィー・オコネドアメリア・ワーナー
2005年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ)

解説
シャーリーズ・セロンが体当たりのアクションで魅せるSFアクション。近未来を舞台に、独裁者暗殺に挑む美人エージェントの孤独な戦いをスタイリッシュに活写する。

ストーリー
2415年、汚染された外界と壁で隔てられた都市ブレーニャ。かつてワクチンで人類滅亡の危機を救った科学者であり救世主の子孫、トレヴァー8世(マートン・ソーカス)のもと、その弟オーレン(ジョニー・リー・ミラー)と科学者たちで成り立つ政府は、秩序の維持を理由に圧制を強いていた。反政府組織モニカンの女戦士イーオン・フラックス(シャーリーズ・セロン)は、結婚したばかりの妹ユーナ(アメリア・ワーナー)がモニカンの分子と誤って抹殺されたことから、政府に対する復讐を誓うようになった。そこへモニカンの司令塔ハンドラー(フランシス・マクドーマンド)から、君主トレヴァーの暗殺指令を下される。イーオンは改造人間シサンドラ(ソフィー・オコネドー)を援護につけ、トレヴァーを狙う。だがトレヴァーと接触した途端、イーオンの脳裏に覚えのない彼と過ごした記憶が浮かぶ。実はブレーニャに住む人間たちは皆、ワクチンの副作用で女性たちが不妊になってしまったことから開発されたクローン人間であり、イーオンは、かつてのトレヴァーの妻キャサリンの生まれ変わりだったのだ。トレヴァーは不妊の治療法を密かに研究していたのだが、オーレンはブレーニャの秩序を崩壊させる治療法の発見を恐れていた。そしてユーナは、実は自然妊娠したから殺害されたのだった。トレヴァーの研究成果は、権力を握ったオーレンに破壊されてしまったが、女たちに自然治癒が起こり、次々と妊娠が起こり始めていた。やがて戦闘の中、イーオンはオーレンを射殺。ブレーニャは再びトレヴァーが君主となり、新しく生まれ変わった体制となるのだった。




31-11. ラスト・ベガス (LAST VEGAS)  

監督 ジョン・タートルトーブ
出演 マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンケヴィン・クラインメアリー・スティーンバージェン
2013年・アメリカ (KADOKAWA) 105分

解説
マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインという、アカデミー賞に輝く名優4人が幼なじみ役で初共演し、友情を再確認していく姿を描くハートフルコメディ。友人の結婚式を控え、バカ騒ぎを繰り返す彼らの間にある秘密が明らかになるさまは涙を誘う。

ストーリー
ビリー(マイケル・ダグラス)とパディ(ロバート・デ・ニーロ)、アーチー(モーガン・フリーマン)、サム(ケヴィン・クライン)は、人生の後半を迎えた幼なじみの4人組。ある時、唯一独身を貫いてきたビリーが若い恋人と結婚することになり、結婚式が行われるラスベガスで久しぶりに顔を合わせる。どんなに年をとっても、悪ガキ時代からの絆や習性は変わらないまま。お楽しみはもちろん独身最後のバカ騒ぎ“バチェラー・パーティー”。カジノで大勝ちしたかと思えば、ビキニ・コンテストに審査員として参加。さらには、1本1800ドルのボトルまで開けてしまう。まさに人生最高のゴージャスな夜。しかしパディだけは浮かない顔で、ビリーとの間に生じた亀裂に拘っていた。実は2人の間には、58年前から続く決して埋めることのできない溝が横たわっていたのだ。やがて、波乱に富んだ一夜の大騒ぎが幕を開ける!




31-12. 天使のくれた時間 (The Family Man)  (吹替)

監督 ブレット・ラトナー
出演 ニコラス・ケイジティア・レオーニドン・チードルジェレミー・ピーヴンマッケンジー・ベガ
2000年・アメリカ (ギャガ=ヒューマックス) 98/125分

解説
ある日、突然別の人生を歩むハメになった男の運命を描いた、心温まるドラマ。エリート金融マンの不思議な体験をとおして、幸福とは何かというテーマを問いかける。

ストーリー
マンハッタンで大手金融会社の社長として活躍するやり手ビジネスマンのジャック(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスイブの夜、仕事の帰り道に立ち寄ったスーパーで、奇妙な黒人青年キャッシュ(ドン・チードル)から換金できない当たり宝クジ券を買い取るはめになる。「これから起こることは、あんたが招いたことだ」と謎の言葉を残す青年。その晩、ジャックはいつものように眠りにつくが、翌朝目覚めると、全く見知らぬニュージャージー郊外の家にいることに気づく。隣で眠っているのは、なんと13年前に彼が冷たく縁を切った恋人ケイト(ティア・レオーニ)だった。NYの自分のマンションからは門前払いをくらい、会社では部下が社長の座に。狐につままれた思いのジャックは、この世界にいる自分が、ボランティアで弁護士をしているケイトと、2人の子供と暮らす良き家庭人であることを知る。仕事は、ケイトの父の店のタイヤ・セールス。はじめはとまどっていたジャックだったが、やがてケイトへの愛が蘇り、平凡な生活によって人間らしい素直な感情が芽生えてくるのだった。しかも本来の世界で働いていた会社ともコンタクトが取れ、出世の道まで開けてくる。だがそんなジャックの前に、再びあのキャッシュが現われる時がやってきた。前の世界に戻ってしまったジャックだったが、その世界のケイトのもとを訪れ、やり直そうと告げるのだった。




31-13. ブンミおじさんの森 (UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES)  

監督 アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演 タナパット・サーイセイマージェンチラー・ポンパスサックダー・ケァウブアディーナッタカーン・アパイウォン
2010年・イギリス=タイ=フランス=ドイツ=スペイン (ムヴィオラ) 114分

解説
ティム・バートンが審査委員長を務めた第63回カンヌ国際映画祭で、タイ映画史上初のパルムドールに輝いた異色ファンタジー。死を目前にした主人公と“この世のものではない”者たちとの交流を、斬新なイマジネーションでつづる。映像作家としてアート界でも高く評価されているアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品。

ストーリー
タイ東北部のある村に、腎臓の病を患うブンミ(タナパット・サーイセイマー)、19年前に死んだブンミの妻の妹ジェン(ジェンチラー・ポンパス)とトン(サックダー・ケァウブアディー)がやってくる。ブンミは家で、使用人ジャーイの手伝いで腹膜透析をする。ブンミとジェン、トンが夕食を囲んでいると、ブンミの妻フエイ(ナッタカーン・アパイウォン)が現われる。さらに、数年前に行方不明になったブンミの息子ブンソンの声がする。ブンソンは森で撮影した写真に不思議な生物が写っているのを見つけ、それをつきとめるため森に入っていった。それは狼の精霊で、彼も猿の精霊となって妻をめとり、メコン川の北に移っていった。ブンミは妻と息子に、フエイの願いで養蜂場を作った農場や、フエイの葬式の写真を見せる。ブンミはジェンに、農場を継ぐよう頼む。農場暮らしの経験のないジェンは渋るが、ブンミは死んだ後も助けに来るから心配いらないと言う。翌日、ブンミはジェンを養蜂場に連れていく。ジェンは足を引きずっている。2人は小屋で休み、ブンミは腹膜透析をする。ブンミは自分の病気を、共産兵や農場の虫を殺したカルマだと言う。ジェンの父も共産兵を殺したが、人を狩りに行った森で動物を狩り、動物の言葉がわかるようになるまで森にいたが、幽霊にはならなかった。ブンミに最期のときが訪れる。ブンミはジェンに遺品を渡し、フエイ、ジェン、トンとともに森の洞窟に入る。ブンミは夢で見た未来の話をする。独裁者が支配する未来の都市では、過去の人々を消し去っていた。その話が終わると、ブンミは静かに目を閉じる。タイの風習にならって、トンは僧門に入る。ブンミの葬式の夜、寺で眠っていたトンは不思議な音を聞く。怖くなったトンは街のホテルにいるジェンとルンを訪ねる。トンは普段着に着替え、ジェンを食事に誘う。部屋を出ようとしたトンが振り返ると、ベッドの上に3人で横になり、テレビを見ている自分たちが見えた。




31-14. さらば冬のかもめ (The Last Detail)  

監督 ハル・アシュビー
出演 ジャック・ニコルソンオーティス・ヤングランディ・クエイドクリフトン・ジェームズキャロル・ケイン
1973年・アメリカ (コロムビア映画) 103分

解説
窃盗を犯した若い水兵と彼を刑務所まで護送する2人の下士官との奇妙な友情を描く。製作はジェラルド・エアーズ、監督は 「シャンプー」 のハル・アシュビー、原作はダリル・ポニクサンの 「最後の任務」 、脚本は 「チャイナタウン」 のロバート・タウン、撮影はマイケル・チャップマン、音楽はジョニー・マンデル、美術はマイケル・ホーラー、録音はトム・オーバートン、編集はロバート・C・ジョーンズがそれぞれ担当。出演はジャック・ニコルソン、オーティス・ヤング、ランディ・クエイド、クリフトン・ジェームズ、キャロル・ケイン、マイケル・モリアーティ、ルアナ・アンダース、キャスリーン・ミラーなど。

ストーリー
バダスキー(ジャック・ニコルソン)とマルホール(オーティス・ヤング)は、合衆国海軍の下士官。その2人が、メドウズ(ランディ・クエイド)という若い水兵を、ノーフォーク海軍基地から、ポーツマスの海軍刑務所まで護送していくように命令された。メドウズは、基地の慈善用募金箱から40ドル盗もうとした罪で、8年の刑を宣告されたのだった。3人はバスで基地を出発したが、どういう訳か、バダスキーとマルホールは、メドウズのことを気に入ってしまった。やがて3人はワシントンに着いた。バダスキーとマルホールは、メドウズに最後のひと時を楽しませてやろうと考え、バーへ立ち寄り、ホテルでは酒を飲んだ。そしてニューヨーク。バダスキーとマルホールは、まだ女と寝たことのないメドウズのために、女を探そうと街をさまよってるうちに、日蓮正宗の集会に出ている若い娘と知りあった。メドウズの身の上を知った娘は、トロントにいる友人の住所を教え、脱走するようにすすめた。だが、メドウズは無視した。ボストン。ついに3人は売春宿を見つけた。メドウズを中に送り込み、残った2人が勘定を払ってやった。3人はお別れピクニックに出かけようとしたが、昨夜の初体験がメドウズの気持を変えてしまっていた。彼はニューヨークの娘が教えてくれたトロントに行く決心をし、脱走を試みた。だが、海軍で『狩人』と呼ばれている2人から逃げることはできなかった。2人は力づくでメドウズを掴え、傷つき苦しむ彼を、ポーツマス海軍刑務所に引き渡した。しかし、2人は囚人虐待のかどで厳しく追求され、ノーフォークに帰るように命じられた。2人の『狩人』はメドウズに別れを告げ、こんな「任務」は2度と御免だと思うのだった。




31-15. ブロードチャーチ 〜殺意の町〜 (Broadchurch)

監督 マット・グレー
出演 デヴィッド・テナントオリヴィア・コールマンジョディ・ウィテカーアンドリュー・バカンシャーロット・ビューモント
2013年・イギリス 100分

解説
殺人事件を解決するまでの捜査過程を描いたクライム・サスペンスドラマ作品。イギリスのITVにて、2013年3月にシーズン1放送。 ITV史上最高の視聴率34.2%獲得。英国アカデミー賞テレビ部門でドラマシリーズ作品賞、主演女優賞(オリヴィア・コールマン)、助演男優賞(デヴィッド・ブラッドリー)の3冠受賞。

ストーリー
イギリスの海岸沿いの街・ブロードチャーチでダニーという少年の遺体が発見される事件が起きた。 地元警察の刑事であるエリーと、ブロードチャーチに来て間もないアレック・ハーディ刑事が捜査にあたった。 そこで彼らは、被害者の周囲の人間がそれぞれ秘密を抱えていたことを知る。





31-16. モネ・ゲーム (GAMBIT)  

監督 マイケル・ホフマン
出演 コリン・ファースキャメロン・ディアスアラン・リックマントム・コートネイスタンリー・トゥッチ
2012年・アメリカ (ギャガ) 90分

解説
コリン・ファースとキャメロン・ディアスが凸凹コンビのサギ師に扮するコメディ。名画を使ったサギを計画するも、美人で天然な相棒のせいで計画が危うくとん挫してしまいそうになる顛末がコミカルに描かれる。キャメロンが憎めない天然女をキュートに演じる。ジョエル&イーサンのコーエン兄弟が脚本を担当。

ストーリー
美術学芸員のハリー(コリン・ファース)は、大金持ちのシャバンダー(アラン・リックマン)を相手に、モネの名画『積みわら、夏の終わり』の贋作を使った非の打ちどころのない詐欺計画を立てる。しかしこの名画の持ち主を演じるPJ(キャメロン・ディアス)は、美人ながらも自由奔放なカウガールで、騒動を巻き起こす。さらにシャバンダーが別の鑑定士を用意するなど、次々とハリーの想定外のことが起き、計画は思わぬ方向へ転がる……。




31-17. ヒア アフター (HEREAFTER)  (吹替)

監督 クリント・イーストウッド
出演 マット・デイモンセシル・ドゥ・フランスフランキー・マクラレンジョージ・マクラレンジェイ・モーア
2010年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 96/129分

解説
名匠クリント・イーストウッド監督が、スティーブン・スピルバーグを製作総指揮に迎え、“死”を題材につづる感動の人間ドラマ。死後の世界と不思議な繋がりを持つ男女3人の運命が交錯する。 「インビクタス 負けざる者たち」 でアカデミー賞助演男優賞候補となったマット・デイモンが再び同監督作で重要な役どころに扮する。

ストーリー
パリで活躍するジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は、恋人と一緒に休暇で訪れていた東南アジアで、津波に遭遇。波に飲まれて生死の境を彷徨ったものの、何とか一命を取り留める。だが、帰国した後も、呼吸が停止した時に見た不思議なビジョンを忘れることができず、仕事が手につかなくなってしまう。しばらく休暇を取ることになったマリーは、自分が見たビジョンが何だったのかを突き止めようと、調査を開始する……。一方、サンフランシスコでは、かつて霊能者として活躍したものの、死者との対話に疲れきったジョージ(マット・デイモン)が、過去を隠して工場で働いていた。彼は、人生を変えようと通い始めた料理教室で知り合ったメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)に好意を寄せるが、自分の能力が原因で、彼女は彼の前から去ってゆく……。そして、ロンドン。母親と双子の兄と一緒に暮らすマーカス(ジョージ・マクラレン/フランキー・マクラレン)は、突然の交通事故で兄を亡くす。母と別れ、里親に預けられたマーカスは、もう一度兄と話したいと霊能者を訪ね歩くものの、本物の霊能力者には出会えない。だがある日、彼は、ジョージの古いウェブサイトに行き当たる……。調査の成果を本に書き上げ、ブックフェアに参加するマリー。すべてから逃げ出して大好きなディケンズの博物館を訪ねるジョージ。二人の行き先はマーカスが暮らすロンドン。3人の人生が交錯し、何かが起きようとしていた……。




31-18. パディントン (PADDINGTON)  (吹替)

監督 ポール・キング
出演 ニコール・キッドマンヒュー・ボネヴィルサリー・ホーキンスジュリー・ウォルターズジム・ブロードベント
2014年・イギリス (キノフィルムズ) 88/95分  (日本語吹き替え版)

解説
イギリスの作家マイケル・ボンドによる児童文学を初めて実写映画化したファンタジー。家を探してペルーからロンドンへやってきたクマのパディントンの冒険が繰り広げられる。 「007 スペクター」 のベン・ウィショーがパディントンの声を担当するほか、 「ハリー・ポッター」 シリーズのデヴィッド・ハイマンが製作を手掛ける。

ストーリー
南米ペルーのジャングルから、一頭のクマがイギリス・ロンドンへ家を探しにやってきた。丁寧な言葉遣いで話しかけてもクマであるため誰にも相手にされずにいたが、親切なブラウン家の屋根裏に泊めさせてもらえることに。一家は彼と出会った場所にちなみ、彼をパディントンと呼ぶことにする。初めての都会生活で思わぬトラブルが続く中、パディントンは自分の家を探す。





31-19. バルタザールどこへ行く (Au Hasard Balthazar)  

監督 ロベール・ブレッソン
出演 アンヌ・ヴィアゼムスキーフランソワ・ラファルジュナタリー・ジョワィヨーフィリップ・アスランヴァルテル・グレェン
1964年・スウェーデン、フランス (ATG) 96分

解説
バルタザールと名付けられた一匹のロバを主人公に、人間の本能と罪悪を追求した作品。監督・脚本・脚色・台詞は 「ジャンヌ・ダルク裁判」 のロベール・ブレッソン。撮影はギスラン・クロケ、美術はピエール・シャルボニエがそれぞれ担当。音楽はフランツ・シューベルト、ジャン・ヴィーネ。出演者は、ブレッソン作品の例にもれず、すべて素人で、 「中国女」 のアンヌ・ヴィアゼムスキーはこの作品でデビュー。他にフランソワ・ラファルジュ、フィリップ・アスラン、ナタリー・ジョワィヨー、ヴァルテル・グレェン。一九六六年ベネチア映画祭審査員特別賞受賞。

ストーリー
ピレネーのある農場の息子ジャック(W・グレェン)と教師の娘マリー(A・ヴィアゼムスキー)は、ある日一匹の生れたばかりのロバを拾って来て、バルタザールと名付けた。それから十年の歳月が流れ、いまや牧場をまかされている教師とマリーのもとへ、バルタザールがやって来た。久しぶりの再会に喜んだマリーは、その日からバルタザールに夢中になってしまった。これに嫉妬したパン屋の息子ジェラール(F・ラフアルジュ)を長とする不良グループは、ことあるごとに、バルタザールに残酷な仕打ちを加えるのだった。その頃、マリーの父親と牧場王との間に訴訟問題がもち上り、十年ぶりにジャックが戻って来た。しかし、マリーの心は、ジャックから離れていた。訴訟はこじれ、バルタザールはジェラールの家へ譲渡された。バルタザールの身を案じて訪れて来たマリーは、ジェラールに誘惑されてしまった。その現場をバルタザールはじっとみつめていた。その日から、マリーは彼等の仲間に入り、バルタザールから遠のいて行ってしまった。もめていた訴訟に、マリーの父親は、敗れたが、ジャックは問題の善処を約束、マリーに求婚した。心動かされたマリーは、すぐにジェラールたちに話をつけに行ったが、仲間四人に暴行されてしまった。その日から、マリーの姿は村から消え、父親は落胆のあまり、死んでしまった。一方バルタザールは、ジェラールの密輸の手仕いをさせられていた。しかし、ピレネー山中で税関員にみつかりバルタザールは逃げおくれ、数発の弾丸をうけてしまった。翌湖、ピレネーの山かげを朝日が染めるころ、心やさしい羊の群の中に身を横たえ、バルタザールは静かに息をひきとるのだった。




31-20. スコア (The Score)

監督 フランク・オズ
出演 ロバート・デ・ニーロエドワード・ノートンマーロン・ブランドアンジェラ・バセットゲイリー・ファーマー
2001年・アメリカ (日本ヘラルド) 99/125分

解説
豪華演技派スター共演によるスリリングな犯罪サスペンス。税関に眠る秘宝をねらう男たちの姿を、緊張感漂う静かな展開のなかにじっくりと描いていくクールな一作だ。

ストーリー
超一流の泥棒、ニック・ウェルズは危ない橋は渡らない、地元では仕事をしない、仲間はもたないという信条をもち、仕事を続けてきたが、足を洗い、恋人のダイアンとジャズ・クラブの経営を始めようと考えていた。そんな彼に、25年来の友人であるマックスは税関の金庫に保管された秘宝の笏を盗み出すという計画を持ちかけた。悩んだ末に、ニックはこれを最後の仕事と決意する。この計画に、税関の内部に障害者を装い、清掃員として潜入していた若い男、ジャック・テラーが加わる。それぞれの思いを胸に秘め、計画は動きだした……。




31-21. チェンジリング (Changeling) 

監督 クリント・イーストウッド
出演 アンジェリーナ・ジョリーガトリン・グリフィスジョン・マルコヴィッチコルム・フィオールデヴォン・コンティ
2008年・アメリカ (東宝東和) 142分  (PG-12)

解説
巨匠クリント・イーストウッドと人気女優アンジェリーナ・ジョリーが初めて組んだ話題作。1928年に米国で起こった実話に基づき、我が子を取り戻そうとする母親の闘いを描く。

ストーリー
1928年、ロザンゼルス。クリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)を抱えたシングルマザー。彼女は息子の成長だけを生きがいに、日々を送っていた。だがある日突然、ウォルターが自宅から姿を消す。警察に捜査を依頼するクリスティン。そして5ヵ月後。警察からウォルター発見の朗報が。だが、クリスティンの前に現れた少年はウォルターではなかった。すぐさま、少年が別人であることをジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)に訴えるクリスティン。だが、警察の功績を潰されたくない警部は“容貌が変わっただけだ“と取り合わない。繰り返し再捜査を願い出るが、逆に警部に依頼された医師が彼女のもとを訪れ、自分の息子がわからなくなったクリスティンに問題があると診断を下す。時間だけが過ぎていく中、彼女のもとにグスダヴ・ブリーグレブ(ジョン・マルコヴィッチ)と名乗る牧師から電話が入る。警察の腐敗を追及する彼は、新聞で事件を知り、クリスティンの危機を察知して連絡してきたのだった。ブリーグレブを味方に、息子を探すクリスティンの戦いが始まる。だが、それを知った警察は彼女を精神病院に入院させる。そこで知ったのは、彼女同様、警察に反抗して精神病院送りにされた女性が多数いるという事実だった。ブリーグレブの尽力でクリスティンは何とか退院できたものの、ウォルターの行方は依然として知れない。そこへ、郊外の農場で子供の死体が発見される事件が発生。被害者の一人がウォルターである可能性が出てくる。これにより、人違いを認めた警察だったが、ウォルターが農場で殺されたと早々に断定する。これを聞いたクリスティンは、あくまで警察と戦い、息子を取り戻すことを決意。やがて、逃亡犯ゴードン・ノースコット(ジェイソン・バトラー・ハーナー)が逮捕される。事件発生から7年、彼女が知る真実とは……。




31-22. ジャッジ 裁かれる判事 (THE JUDGE)  

監督 デイヴィッド・ドブキン
出演 ロバート・ダウニー・Jr.ロバート・デュヴァルヴェラ・ファーミガビリー・ボブ・ソーントンヴィンセント・ドノフリオ
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 142分

解説
ロバート・ダウニーJr.が弁護士に扮し、激しい法廷バトルが繰り広げられるサスペンス。裁判官の父親にかけられた殺人容疑を晴らそうとするうちに、父親の隠された秘密を知ってしまう弁護士の姿をスリリングに描く。主人公の父親を名優ロバート・デュバル、法廷で対立する検事をビリー・ボブ・ソーントンが演じる。

ストーリー
“金で動くやり手弁護士”として名を馳せるハンク・パーマー(ロバート・ダウニー・Jr.)。一流法科大学を首席で卒業しながらも、その並外れた才能が発揮されるのは、金持ちを強引に無罪にする時だけだった。そんな彼にとって弁護士史上最高難度の事件が舞い込む。人々から絶大な信頼を寄せられる判事、ジョセフ・パーマー(ロバート・デュヴァル)が、殺人事件の容疑者として逮捕されたのだ。しかも彼は、ハンクがこの世で最も苦手とする絶縁状態の父親。法廷で42年間も正義を貫いた父が殺人など犯すはずがない……。最初はそう確信していたものの、調べれば調べるほど、次々と疑わしい証拠が浮上する。殺された被害者と父との歪んだ関係、亡き母だけが知っていた父の秘密、防犯カメラがとらえた不可解な映像……。裁判は劣勢に傾いてゆくのに、犬猿の仲の2人は弁護の方針を巡って激しく対立する。果たして父は殺人犯なのか? 深い決意を秘めた父の最後の証言とは……?




31-23. サイドウェイ (Sideways)  (吹替)

監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ポール・ジアマッティトーマス・ヘイデン・チャーチヴァージニア・マドセンサンドラ・オーメリールイーズ・バーク
2004年・アメリカ (20世紀フォックス) 94/130分  (R-15)

解説
「アバウト・シュミット」 のアレクサンダー・ペイン監督による人間ドラマ。中年男2人がワイナリー巡りを通し、人生の悲哀や希望を感じとる姿を、ユーモアたっぷりに描出。

ストーリー
離婚のショックから立ち直れていない小説家志望の国語教師マイルス(ポール・ジアマッティ)が、結婚を1週間後に控えた悪友、落ち目の俳優ジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)と連れ立って、カリフォルニアのワイナリーへとワイン・ツアーに出かける。プレイボーイのジャックは早速ウェイトレスのマヤ(ヴァージニア・マドセン)に目をつけるが、彼女は同じくワイン通であるマイルスの知り合いだった。ジャックはマヤの友人であるステファニー(サンドラ・オー)をナンパ。一方のマイルスは、別れた妻ヴィクトリア(ジェシカ・ヘクト)が再婚していることを知って落ち込むばかりだったが、やはり離婚していたマヤとの仲を深めていき、やがて愛を交わす。だがジャックは、結婚の予定があることがステファニーにバレて、鼻をへし折られてしまう。マイルスもマヤに嫌われ、さらに自分の小説が出版されなくなったことを知り、ワイナリーで大暴れ。しかもジャックが人妻のウェイトレスをナンパして散々な目に合い、彼らの旅は終わった。そして結婚式当日。式はつつがなく行なわれたが、マイルスはヴィクトリアが妊娠していることを知らされ、また落ち込む。だが、しばららくしたある日。マイルスが仕事から帰宅すると、マヤからの留守番電話が入っていた。すぐさまマイルスは車を走らせ、マヤの家のドアをノックするのだった。





31-24. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (Catch Me If You Can)  

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 レオナルド・ディカプリオトム・ハンクスクリストファー・ウォーケンマーティン・シーンナタリー・バイ
2002年・アメリカ (UIP) 141分

解説
スティーブン・スピルバーグ監督×レオナルド・ディカプリオ×トム・ハンクスという夢のトリオで描く青春ドラマ。60年代に実在した天才詐欺師の半生を、コミカルかつドラマチックにつづる。

ストーリー
1963年、NY州ブロンクスヴィル。16歳のフランク・アバグネイル・ジュニア(レオ ナルド・ディカプリオ)は、両親の離婚のショックから家を飛び出し、生きるために小切手詐欺を思いつく。だが偽造小切手は怪しまれやすい。そこでパイロットの制服を手に入れた彼は、人々をあざむきつつ、提携する航空会社の飛行機で世界中をタダで飛び回る。やがてFBIが動き出す。ベテラン捜査官のカール・ハンラティ(トム・ハンクス)は躍起になって犯人を追うが、なかなか正体をつかめない。そんな中、フランクは偶然行った病院で新米看護婦ブレンダ(エイミー・アダムス)に一目惚れし、その瞬間、小児科医に変身。病院に就職してしまう。ブレンダの心も手に入れ、彼女の父親(マーティン・シーン)が検事だと知ると、今度は弁護士になりすまし、ブレンダの父が経営する法律事務所に就職。だがブレンダとの婚約パーティーの時、ついにカールらFBIが乗り込んできた。フランクはブレンダにすべてを話して逃げたが、彼女に裏切られ、ついに逮捕されてしまう。しかしフランクは、偽造小切手を見破る能力を高く評価され、FBIで働くようになるのだった。




31-25. エージェント・ハミルトン 祖国を愛した男 (Hamilton - I nationens intresse)  (吹替)

監督 キャスリーン・ウィンドフェルド
出演 ミカエル・バーシュブラントペルニラ・アウグストジェイソン・フレミングレイ・フィアロンペーター・アンデション
2012年・スウェーデン (アース・スターエンターテイメント) 99分

解説
北欧発のスパイアクション3部作の第1作。スウェーデン本国で2週連続BOXOFFICE1位を記録した。ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催の特集プログラム 「渋谷ミッドナイト・マッドネス2012」 で上映された。

ストーリー
特別諜報員のハミルトンは、スウェーデン製の武器をテロリストへ秘密裏に売っているロシア人マフィア組織の存在を暴き、そのアジトへ潜入することに成功する。だがその場を謎の武装集団が襲撃する。集団は武器を強奪し、居合わせた者を皆殺しにして去った。ただ1人、ハミルトンを除いて……。彼は謎の集団を追って世界中を駆け巡る。




31-26. 31年目の夫婦げんか (Hope Springs)  

監督 デイヴィッド・フランケル
出演 メリル・ストリープトミー・リー・ジョーンズスティーヴ・カレルミミ・ロジャースエリザベス・シュー
2012年・アメリカ (ギャガ) 100分  (PG12)

解説
トミー・リー・ジョーンズとメリル・ストリープという、ハリウッドを代表する名優2人が夫婦役に扮し、夫婦間のトラブルを笑いを込めてつづるハートフルムービー。結婚31年目を迎えた夫婦が直面する悩みや迷いといったリアルな問題を鮮やかに描いたのは 「プラダを着た悪魔」 のデイヴィッド・フランケル監督。

ストーリー
アーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)とケイ(メリル・ストリープ)は結婚31年目の夫婦。いつのまにか寝室は別、アーノルドの唯一の趣味はゴルフ番組、毎日の日課も夫婦の会話も365日ほぼ同じ。子供たちは独立し、二人にはもはやけんかの種さえ見つからない。そんな夫婦関係を見直したいと思い立ったケイは結婚生活のカウンセリング本を購入、夢中で読み終えると著者のバーナード・フェルド医師(スティーヴ・カレル)のホームページにアクセスする。朝食の席、アーノルドに“カップル集中カウンセリング”を受けたいと告げるケイ。1週間4000ドルという料金に目をむいたアーノルドだったが、ケイは定期預金を解約して既に申し込んだという。アーノルドは行かないと突っぱねるが、結局渋々飛行機に乗る。メーン州のグレート・ホープ・スプリングス、海辺の小さな町でカウンセリングが始まった。フェルドはここに来た理由をケイに尋ねると「結婚したいんです。もう一度。ただ同じ家に住んでいるだけで、触れ合いも絆もない」と訴える。「まず長年の夫婦生活でできた傷痕を取り除くところから始めましょう」と勿体ぶった口調で語るフェルド。そんなカウンセリングの終了後、アーノルドは不平不満をまくしたてるのだった。2日目。出逢い、プロポーズ、いつから寝室を別にしたか……聞かれるままに夫婦の歴史を語る二人。だが、「最後のセックスは」という質問にアーノルドは口を閉ざす。フェルドは二人に、今夜お互いに抱き合うことという“最初の課題”を与える。猿のしつけじゃあるまいし、と食ってかかるアーノルドについにケイの感情が爆発。いつも明るく穏やかで夫に従順なケイの涙に動揺したアーノルドは、その夜遅くホテルに帰って来たケイと“課題”を実行する。3日目。課題をクリアしたことを嬉しそうに報告する二人。ところが、フェルドは更にハードな課題を二人に与えるのだった……。




31-27. キャプテン・フィリップス (Captain Phillips)  (吹替) 

監督 ポール・グリーングラス
出演 トム・ハンクスバーカッド・アブディバーカッド・アブディラーマンファイサル・アメッドマハト・M・アリ
2013年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズエンタテインメント) 128/134分  (IMAX)

解説
「ボーン」 シリーズのポール・グリーングラス監督が、トム・ハンクスを主演に迎え、09年にソマリア海域で起きた人質事件を基に描く緊迫感あふれるサスペンス。乗組員の代わりに海賊の人質となったベテラン船長と海賊との駆け引き、人質奪還を狙う海軍特殊部隊NAVY SEAL、救出作戦実行チームのスナイパーを巻き込んだドラマが展開。

ストーリー
2009年3月28日。マークス海運に勤務するリチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は、マークス・アラバマ号の船長としてオマーンからケニアへ援助物資を運搬するため、妻アンドレア(キャサリン・キーナー)や2人の子どもたちとともに暮らす米国バーモント州の自宅を出発。到着したオマーンのサラーサ港では、ベテラン船長らしく手際よく出航準備を進めてゆく。乗組員は20名。マークス・アラバマ号は予定通りケニアのモンバサ港へ向けて出航するが、海賊の活動が激化する航路上で、2隻のモーターボートの追跡に気付いたフィリップスは警戒を指示。ドバイの英国海運オペレーションとの交信を傍受した海賊も、一度は引き返した。翌4月7日。再び追跡を始めた海賊がハシゴを使ってアラバマ号へ侵入。大混乱の中、乗組員の大半は訓練通り機関室へ身を隠す。海賊は4人。英語堪能なリーダー格のムセ(バルカド・アブディ )に、血気盛んなナジェ(ファイサル・アーメド )とエルミ(マハト・M・アリ)、そして、まだ少年の面影を残すビラル(バルカド・アブディラーマン)だった。連行されたフィリップスからの“金庫に保管した3万ドルの現金を提供する”という提案にムセは満足せず、ビラルとフィリップスを伴って他の乗組員を探し始める。ガラス片を床にばら撒く、電源を止めるなどの時間稼ぎによって、機関室に隠れた乗組員たちが命を辛うじて繋ぎ止めると、やがて事態が急転。隠れていた乗組員たちがムセの捕獲に成功したのだ。これにより、海賊たちは現金3万ドルを受け取ってアラバマ号の救命艇でソマリアへ向かうことを決断。しかし、救命艇の発進直前、フィリップスが人質に取られてしまう。船会社との交渉によって、身代金を手に入れようというのだ。その頃、事件を知った米軍も救出に動き始めていた。一瞬の隙を狙って進行する救出作戦。全世界が固唾を飲んで見守るその結末とは……?





31-28. アンブレイカブル (Unbreakable)  (吹替)

監督 M・ナイト・シャマラン
出演 ブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソンロビン・ライト・ペンスペンサー・トリート・クラークシャーリーン・ウッダード
2000年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル) 107分

解説
シックス・センス」 のM・ナイト・シャマラン監督&ブルース・ウィリスが再コンビを組んだ最新作。不死身の男をめぐる謎と陰謀がしだいに暴かれていく、衝撃のサスペンス。

ストーリー
悲惨な列車衝突事故が起こった。乗員・乗客132人のうち、たった一人生き残ったのは、スタジアムの警備員を生業とする妻子持ちの男、デイヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)。フィラデルフィア病院の緊急救命室で目覚めたデイヴィッドは、なぜ自分だけ助かったのか、その答えが分からぬまま不安な日々を送る。そんな彼に、不審なメッセージが届く。その送り主である漫画コレクター・ギャラリーのオーナー、イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)を訪ねると、彼はデイヴィッドが何者なのかを語り始めた。イライジャは骨形成不全症という難病であり、幾度もの入院経験の中で漫画の世界にのめり込み、そのストーリーから、この世は陰と陽のような対極の存在によって成り立っており、自分のような脆い肉体の対極には、必ず不滅の肉体の人間が存在するはずだとの確信に至ったという。そしてその弱き者を助けるために遣わされた救世主こそが、デイヴィッドだというのだ。デイヴィッドはイライジャを空想癖のある変人と決めつけるものの、思い当ることは多々あり、自分の存在に対する疑惑が膨らんでいった。息子のジョセフ(スペンサー・トリート・クラーク)は子供特有の第六感で父親の異変に気づき、ヒーローは死なないとの思いから父を銃で撃とうとまでする。そしてついにデイヴィッドは、ヒーローの使命に目覚め、暴漢に襲われているある家族を救出する。そのことで爽快な気持ちになったデイヴィッドはイライジャを訪ねるが、なんとイライジャは、不死身のヒーローを探すために次々とテロを起こし、多くの人間を死なせていたことが判明。デイヴィッドは衝撃を受けるのだった。




31-29. シシリーの黒い霧 (Salvatore Giuliano)  

監督 フランチェスコ・ロージ
出演 フランク・ウォルフサルヴォ・ランドーネMany natives
1961年・イタリア (東和)

解説
シシリー島に古くからある秘密結社マフィアの中心人物サルバトーレ・ジュリアーノの暗殺事件をセミ・ドキュメンタリータッチで描いた社会劇。脚本はスーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンツォ・プロヴェンツァーレ、それに 「挑戦」 の監督フランチェスコ・ロージが執筆、ロージが演出した。撮影は 「夜」 のジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽は 「十七歳よさようなら」 のピエロ・ピッチオーニが担当。出演者はサルヴォ・ランドーネとフランク・ウォルフのほかは現住民たちが参加している。六二年度ベルリン映画祭監督賞、銀リボン最優秀監督賞、同黒白撮影賞、音楽賞を受賞。

ストーリー
1950年7月5日。シシリー島(シチリア島)のある民家の中庭でサルバトーレ・ジュリアーノという三十歳の男の、射殺死体が発見された。話は五年前にさかのぼる。当時シシリー島には独立運動が渦まき、独立義勇軍がマフィアや地主勢力と結んで、ファシスト政府と戦っていた。義勇軍は匪賊サルバトーレ・ジュリアーノ一味を味方にし、独立達成の時は彼らを特赦することを約束していた。が、連合軍上陸と同時にイタリア解放委員会第一次政府は、義勇軍を弾圧した。そして五年後の今、中庭ではジュリアーノの検死がつづく。彼は誰に殺されたのか。再び話は1946年。政府軍はシシリー独立義勇軍を攻撃した。だがジュリアーノは最後まで戦った。そしてシシリーには自治が認められた。しかしジュリアーノ一味は匪賊とみなされ、特赦されなかった。そして現在、ジュリアーノの母は息子の死体にとりすがって泣く。「彼を誰が殺したか!」と。再び1949年。第一回シシリー自治政府の選挙は人民連合派の勝利に帰した。共産党はメーデーを祝う。その時、ジュリアーノ一味が集会を銃撃した。そして今。ジュリアーノの死をめぐる裁判では彼の片腕ピショッタ(フランク・ウォルフ)が出廷し、奇々怪々な当時の情勢が明るみに出る。誰が彼にメーデーを襲撃させたか。そして誰が、彼を殺したのか。話はもう一度1950年に。マフィアは憲兵隊と組んでジュリアーノ一味を追いつめた。そして憲兵隊はかくれ家を襲いジュリアーノを殺した。死体は中庭に引出された。そして現在。法廷で終身刑をいい渡されたピショッタは無実を叫ぶ。だが、ジュリアーノ殺しは一体、何のために、誰の手引きでなされたのか。十年後の1960年に、当時を知るマフィア一味の一人が群衆の中で殺された。そして未だに、ジュリアーノ殺しの真相は解っていない。




31-30. チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 (MORTDECAI)

監督 デヴィッド・コープ
出演 ジョニー・デップグウィネス・パルトロウユアン・マクレガーオリヴィア・マンポール・ベタニー
2015年・アメリカ (KADOKAWA) 107分  (日本語吹き替え版)

解説
ジョニー・デップが怪しいちょびヒゲの美術商チャーリー・モルデカイに扮し、何者かに盗まれたゴヤの名画を取り戻そうと奮闘する姿を描く、アクション・アドベンチャー。ヒゲアレルギーのチャーリーの妻をグウィネス・パルトロウ、MI5の刑事をユアン・マクレガーが演じる。原作はキリル・ボンフィリオリの同名ミステリー小説。

ストーリー
イギリス・オックスフォード。ゴヤの幻の名画が何者かに盗まれ、英国諜報機関MI5は、ちょびヒゲがトレードマークの怪しい美術商チャーリー・モルデカイ(ジョニー・デップ)にその捜索を依頼する。彼は不死身の用心棒ジョック(ポール・ベタニー)とともに名画を探すハメになるが、その名画には世界を揺るがす財宝の秘密が隠されていた。そんな中、富豪やマフィア、国際テロリストを巻き込み、イギリス、ロシア、アメリカへと世界中を駆けめぐる争奪戦が勃発。はたして、幻の名画の行方は……。





31-31. キッド(2000) (The Kid)  (吹替)

監督 ジョン・タートルトーブ
出演 ブルース・ウィリススペンサー・ブレスリンエミリー・モーティマーリリー・トムリンチィ・マクブライド
2000年・アメリカ (ブエナ ビスタ) 104分

解説
 B・ウィリス主演のハートウォーミング・ドラマ。仕事ひと筋に生きてきた男が、忘れていた大切な思いを取り戻していくさまが、ユーモアを散りばめつつ感動的に映し出される。

ストーリー
ラス・デューリッツ(ブルース・ウィリス)は有名人にイメージ・アップのためのアドバイスをほどこす優秀なイメージ・コンサルタントで、リッチな独身生活者。唯一の肉親である父親とは長年疎遠で、傲慢なまでに自信たっぷりの男だ。カメラマン兼アシスタントのエイミー(エミリー・モーティマー)は、そんなラスにことあるごとにお説教。間もなく40歳を迎えるある夜、ラスは自宅で小さな男の子を目撃する。その時は見失ってしまうが、翌日、もう一度その少年に出会ったラスは、少年が昔の自分=ラスティ(スペンサー・ブレスリン)であることを知る。話をするうちに、ラスは今の自分が子供の頃の夢をひとつも叶えていないことに、がく然とする。パイロットを夢見ていたこと。大人になったら犬を飼おうと思っていたこと。幸福な家族を作ること。そして、ラスティにもうすぐ訪れる8歳の誕生日が、自分の人生で最悪の日だったことを思い出す。その日、悪ガキの手から犬を助けようとして、逆に殴られたことをきっかけに、ラスはいじめられっ子になってしまったのだ。その思い出を塗り替えようと、誕生日、ラスティは悪ガキに勝負を挑む。ラスのクライアントの一人、ボクサーのケニーから教わったボクシングで、みごと悪ガキのボスをやっつけるラスティ。しかし誕生日の最悪な出来事は、まだ終わっていなかった。この日、幼いラスは、母親がガンで助からない事実を知ってしまったのだった。しかし大人になったラスは、妻を失うことを恐れるあまり、息子に冷たい態度を取りつづけてきた自分の父親を許すことができた。飛行場のカフェで誕生日を祝う二人の前に、犬を連れた老人が現れる。それは70歳のラスだった。老人のラスは、自分の操縦する飛行機で家族と共に旅行に出かけるところだという。その姿に励まされたラスとラスティは、それぞれの人生に戻るのだった。





31-32. 二十四時間の情事 (Hiroshima mon Amour)

監督 アラン・レネ
出演 エマニュエル・リヴァ岡田英次ステラ・ダサスピエール・バルボーベルナール・フレッソン
1959年・日本、フランス (大映)

解説
日本で公開中止になりかけた 「夜と霧」 の監督アラン・レネが、はじめて監督した、日仏合作のかたちの劇映画。日本ロケにやってきた、戦時中ドイツ人を恋人に持ったフランス女優と、広島の日本人技師との一日の恋が描かれる。原作・脚色はマルグリット・デュラス。撮影を仏側サッシャ・ヴィエルニー、日本側を高橋通夫が担当している。音楽はジョヴァンニ・フスコとジョルジュ・ドルリューの共同。主要出演者は仏側の新人エマニュエル・リヴァと、日本側の岡田英次のみである。製作ジャック・アンドレフェーと永田雅一。

ストーリー
薄闇。男女が抱きあう。彼女(エマニュエル・リヴァ)がつぶやく、《私、広島で何もかも見たわ》彼(岡田英次)が答える、《君は何も見ちゃいない》病院、被爆者の顔、苦しみの図、あの影、焼けた石。博物館のきのこ雲の模型。平和広場。記念アーチ。橋や川。《何も見ちゃいない》午前四時だ。彼はあの時、夏休みで広島にいなかった。彼女は映画出演でパリから広島へきた。その前はイヨンヌ県のヌベールにいた。二人は偶然知り合った。彼は建築技師だ。彼女は広島の映画で看護婦に扮していた。《あしたの今頃、フランスへ発つの》二人はホテルの彼女の室を出た。《ヌベールで気が狂ったことがあるの》彼女が歩きながらいう。−−病院の前で、彼女の映画のロケが行われる。彼は彼女を探す。女は木蔭で休んでいた。撮影隊はデモ行進を撮った。二人はデモを眺める。彼にさそわれ、女は男の家へ行く。妻は留守だ。《私だって夫と幸福よ》二人は抱きあう。彼女が戦争中に愛した男はドイツ人だった。《そして、彼は死んだの》その時、彼女は今日の女になり始めたのだろう。出発まで十六時間しかない。女は悲痛な顔で室を見廻す。もう夕暮だ。−−川べりの喫茶店に二人がいる。女の意識のなかで、彼と、ドイツ人の恋人がひとつになる。恋人が死んだあと、女は突然叫びだす。地下室に閉じこめられる。地下で彼女は二十の誕生日を迎えた。永遠が過ぎる。何も覚えてはいない。《私はあなたが好きで気が狂いそうなの》髪の毛は徐々にのびた。若い男達が彼女を丸坊主にしたのだ。彼女の死んだ恋はフランスの敵なのだ。《怖いわ》女はふるえだす、《あれだけの愛情を忘れてしまうのは》ロワール河の橋で彼とあい一緒に出発するはずだった。着いた時、まだ彼は息があった。庭の誰かに撃たれたのだ。女は死骸のそばに一昼夜とどまった。その夜、ヌベールは解放された。−−ある日、母が彼女を夜のうちパリへ発たせてくれた。翌々日パリに着くと、広島の名がすべての新聞に出ていた。その名は平和を意味していた。《あれから十四年も経ったのね》彼女は目覚めたようにいう。ヌベールの話は夫にも話さなかった。《頭に剃刀をあてられると、人間の愚かさをはっきり知らされるものね。私はあの時間を生きたかったの》夜は更けてい、二人は店を出た。彼は別れたくなかった。−−彼女はホテルへ帰ったが、涙を流している。洗面台に顔を沈める。《私は今夜あの異邦人と共にあなたを裏切ったの。……私はあなたを忘れて行く。私を見て》彼女はホテルを走るように出た。彼を求めて川の店の前まで行く。彼が暗闇から近づく。《広島に残らない?》《もちろん残るわ》彼女は広島の街々をさまよう。彼がついていく。雨が降りだした。《残ることはできない?》《よく判っているくせに。別れることより不可能よ》雨がやみ、彼女は明るい駅の待合室へ入っていく。彼はもう争おうとしない。彼女がすでに失われてしまったことを知っているのだ。《私が忘れていたヌベールよ、私は今夜おまえに会いたい》彼女は彼をみつめる。《この男の恋があの愚かしいヌベールの地下室の私にまでやってきたのだわ》地下のナイト・クラブでは、彼はすでに遠くにいるように見えた。−−彼女はホテルの室へ帰る。彼が入ってきた。二人は向きあったまま立ちつくす。広島はまだ眠っていた。女は急に目をおおってうめく。暗い悲嘆の声だ。彼は歩み寄り、女を烈しく抱く。彼女は叫んだ。《私はあなたのこと忘れるわ。もう忘れてしまったわ。私が忘れていくのを見て。私を見て》明け方の駅前広場ではもうネオンが消えた。





31-33. ワン チャンス (ONE CHANCE)  (吹替)

監督 デイヴィッド・フランケル
出演 ジェームズ・コーデンアレクサンドラ・ローチジュリー・ウォルターズコルム・ミーニーマッケンジー・クルック
2013年・イギリス (ギャガ) 96/104分

解説
イギリスの国民的オーディション番組に出演し、ケータイ電話ショップの販売員からオペラ歌手へと転身したポール・ポッツの半生を描くヒューマンドラマ。イギリスの片田舎でいじめられっ子として育ったポッツが、度重なる挫折を繰り返すも周囲の人々に支えられ、オペラ歌手になるという夢を持ち続け、それを叶えていく姿をつづる。

ストーリー
子どもの頃から太った体型の上に歯並びが悪くいじめられ、大人になってもなかなか自信を持てずにいたシャイなポール・ポッツ(ジェームズ・コーデン)は、オペラ歌手になるという夢を持ちながら携帯電話ショップで販売員をしていた。初めてできた理解者ジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)に勇気づけられ、何度も挫折しながら、夢に近づこうと努力するポール。とうとう憧れの声楽家パヴァロッティの前で歌うことができたが、オペラ歌手にはなれないとの厳しい言葉に落ち込んでしまう。それでも妻や友人に励まされ、震えあがり何度も逃げ出しそうになりながら、これが最後の挑戦と心に決めたオーディション番組に臨む。




31-34. タルサ (Tulsa)

監督 スチュアート・ハイスラー
出演 スーザン・ヘイワードロバート・プレストンペドロ・アルメンダリスロイド・ガウチル・ウィルス
1949年・アメリカ (松竹洋画部)

解説
駅馬車」 「ジャンヌ・ダーク」 のウォルター・ウェンジャーが製作にあたった1949年作品のテクニカラー映画。監督は 「ブルー・スカイ」 、 「僕の愛犬」 のスチュアート・ハイスラー。リチャード・ウォームサーのストーリーより 「赤い河」 のフランク・S・ニュージェントと 「姫君と海賊」 のカアティス・ケニヨンが共同で脚色し、撮影はウィントン・C・ホック、音楽監督はアーヴィング・フリードマンが担当。主演は 「森林警備隊」 のスーザン・ヘイワード、 「太平原」 のロバート・プレストン、 「真珠」 のペドロ・アルメンダリスで、 「若草の頃」 のチル・ウィルス、ロイド・ガウ、エド・ベグリーらが助演する。

ストーリー
1920年代、オクラホマのタルサは石油ブームで賑わっていた。チェロキイ・ランシング(スーザン・ヘイワアド)の父ネルスは優秀な牧場主であったが、飼牛が石油のために斃死し、草も害を受けるので業者に抗議に出かける途中、奇禍にあって死んだ。遺児のチェロキイは深く業者を恨み、自らも石油成金となって仇を討とうと、亡父の友から採掘権を得、親友の富豪ジム・レッドバアト(ペドロ・アルメンダリス)の助けで女だてらに採掘を開始したが仕事は一向はかどらなかったところへ、地質学者と称するブラッド・ブラドリイ(ロバート・プレストン)が現れ、その援助で採掘は大成功、チェロキイはオクラホマの石油女王となった。同業者のブルウス・タナア(ロイド・ガウ)はかねて彼女に目をつけ共同事業を申し込んでいたが、彼女も物欲からそれに応じ、ためにブラッドやジムさえも捨ててかえりみないようになった。権力にまかせて次々と悪辣な手を打ち続ける彼女のために事業をつぶされかけた。ジムは悲嘆のあまり放心状態におちいって、思わず石油の小川に火をつけた。事は意外に大きくなり立ちならぶ油井は次々に類焼して大火災となった。ジムとチェロキイはまさに焼死せんとした時、決死の勇を振って救援におもむいたのはブラッドであった。はじめて女心がよみがえったチェロキイは、今や何のこだわりなくブラッドの胸に飛び込んだ。




31-35. ビューティフル・マインド (A Beautiful Mind)  

監督 ロン・ハワード
出演 ラッセル・クロウエド・ハリスジェニファー・コネリークリストファー・プラマーポール・ベタニー
2001年・アメリカ (UIP) 136分

解説
第74回アカデミー賞で、作品賞はじめ4部門を制覇した感動ドラマ。第2次世界大戦下のアメリカを舞台に、緊迫した時代を生きた実在の天才数学者の苦悩の人生を描く。

ストーリー
プリンストン大学大学院の数学科から優秀な成績でウィーラー研究所に進んだナッシュ(ラッセル・クロウ)は、周りに変人扱いされながらも数学の研究に没頭。ある時、諜報員パーチャー(エド・ハリス)にソ連の暗号解読を依頼される。世界の危機を救うことに喜びを感じ、密かにスパイ活動を続けるナッシュ。そんな彼にとって講師の仕事はつまらないものだったが、聴講生のアリシア(ジェニファー・コネリー)と愛を交わすようになり、2人は結婚する。結婚後も極秘でスパイの任務は続いていたが、プレッシャーは大きくなり、命の危険を感じる出来事も重なる。やがてナッシュは幻覚に悩まされるようになった。大学に勤めながらの、静かで長い闘いの日々。そして彼は老人になり、思わぬノーベル賞の報せを受け取る。幻覚症状は治っていないものの、ナッシュは穏やかな心を手に入れており、受賞のあいさつで妻への感謝を述べるのだった。




31-36. コンテンダー (THE RUNNER)  (吹替)

監督 オースティン・スターク
出演 ニコラス・ケイジピーター・フォンダサラ・ポールソンコニー・ニールセンウェンデル・ピアース
2015年・アメリカ (ファインフィルムズ(配給協力:カルチャヴィル)) 83/90分

解説
「リービング・ラスベガス」 のニコラス・ケイジ主演のサスペンス。セックス・スキャンダルで失脚した政治家を待ち受ける更なる陰謀を描く。監督・脚本は、 「ウォッチャーズ」 のプロデューサーで、本作が初監督のオースティン・スターク。出演は、 「イージー・ライダー」 のピーター・フォンダ、 「ニンフォマニアック」 のコニー・ニールセン、 「それでも夜は明ける」 のサラ・ポールソン。

ストーリー
2010年に怒ったメキシコ湾原油流出事故で苦しむ市民のため、早期解決に努めていた政治家コリン・プライス(ニコラス・ケイジ)は、次の選挙を視野に入れて活動していた。しかし、そのなかで起きたセックス・スキャンダルによって、キャリアも妻(コニー・ニールセン)も失ってしまう。元市長の父親(ピーター・フォンダ)の力でもどうにもならず、極限まで追い込まれるが、再起をかけ上院議員選をめざして動き出す。しかしその先には、彼の周りで利益を得ようとする人々の更なる陰謀が待ち受けていた……。




31-37. シャロン砦 (THE LAST FRONTIER)  

監督 アンソニー・マン
出演 ヴィクター・マチュアロバート・プレストンアン・バンクロフトガイ・マディソン
1955年・アメリカ (パラマウント) 99分

解説
文明に憧れを持つ男の葛藤を描いた異色の西部劇。監督は「グレン・ミラー物語」など数々のヒット作を手がけた巨匠アンソニー・マン。野蛮だが憎めない男ジェドを「荒野の決闘」のヴィクター・マチュアが演じている。

ストーリー
山で狩猟をしながら、野生児のように暮らすジェドとマンゴとガス。ある日、3人は先住民に馬や銃を奪われてしまう。先住民の怒りの原因が軍にあることを知った3人は、シャロン砦を訪れて軍に弁償を求める。ところが文明に憧れを持つジェドは逆に説得され、軍を手伝うことに。そんな折り、大佐が名誉回復のため、無謀な先住民襲撃を決行しようとする。何とかして襲撃をやめさせようとするジェドだったが…。





31-38. サバイバー (SURVIVOR)  

監督 ジェイムズ・マクティーグ
出演 ミラ・ジョヴォヴィッチピアース・ブロスナンディラン・マクダーモットアンジェラ・バセットロバート・フォスター
2015年・アメリカ、イギリス (ショウゲート) 88/97分

解説
ミラ・ジョヴォヴィッチがテロリストにたったひとりで立ち向かう勇敢な外交官を演じるサスペンス・アクション。ロンドンでの爆破テロ事件で犯人を逃したあげく、犯人と疑われ追われる身となったヒロインの孤独な戦いを描く。伝説のテロリストを演じるのはピアース・ブロスナン。監督は 「Vフォー・ヴェンデッタ」 のジェイムズ・マクティーグ。

ストーリー
ロンドンの米国大使館に派遣されたエリート外交官ケイト(ミラ・ジョヴォヴィッチ)の任務は、アメリカへの不正入国を狙うテロリストたちを阻止すること。年の瀬も押し迫った12月29日。ケイトはある不審な入国者に気付くが、伝説のテロリスト“時計屋”(ピアース・ブロスナン)に狙われ、市街で爆破テロに巻き込まれてしまう。すんでのところで生き延びたケイトであったが、テロ実行犯の濡れ衣を着せられ、アメリカ国家やイギリス警察から追われることになる。下された命令は、見つけ次第射殺。そんな中、大晦日のNYタイムズスクエアでテロ計画が迫っていることを知ったケイトは急遽ニューヨークへ飛ぶ……。




31-39. ナインスゲート (The Ninth Gate)

監督 ロマン・ポランスキー
出演 ジョニー・デップフランク・ランジェラレナ・オリンエマニュエル・セニエバーバラ・ジェフォード
1999年・スペイン、フランス (ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ配給(パイオニアLDC=ギャガ・コミュニケーションズ提供)) 99/133分

解説
 謎の美女役で、監督夫人E・セイナーが登場。妖艶なムードを漂わせて主人公を翻弄し、ときには空中を浮遊するという超自然的な“宿命の女”を存在感たっぷりに演じる。

ストーリー
ニューヨーク。腕利きの稀覯書発掘人である本の探偵ディーン・コルソ(ジョニー・デップ)は、悪魔の研究家としても名高い収集家ボリス・バルカン(フランク・ランジェラ)の依頼を受け、1666年発表の伝説の悪魔祈祷書『影の王国への九つの扉』を探すことに。世界に3冊しか現存しないというこの本の1冊を入手したバルカンは、コルソに残る2冊を見つけて真贋を鑑定してほしいというのだ。法外な報酬もあって引き受けたコルソだが、その日から彼には謎の女(エマニュエル・セイナー)と共に怪しい影がつきまとう。スペインに飛んだコルソは、この本を売ったセニサ兄弟(ホセ・ルイス・ロペロ)という老書店主から、本の秘密の鍵を握るのが悪魔ルシファーの署名入りの挿絵の版画だと教えられた。秘密を手中に入れた者は悪魔に会えるというのだ。ポルトガルのシントラに住むファルガス、パリのケスラー男爵夫人が持つ残る2冊を調べたコルソは、版画がどれも少しずつ違うことに気づくが、ふたりは相次いで殺された。それは悪魔崇拝者であるリアナ・テルファー(レナ・オリン)と彼女の配下の仕業で、コルソも狙われるが、守護天使のように寄り添う謎の女が彼の窮地を救う。リアナは自らの屋敷で秘密の儀式の最中、突然現れたバルカンの手で殺された。とある古城で版画を並べて悪魔を召喚する儀式をはじめたバルカンも無残に焼死した。コルソは現れた謎の女と炎の中で交わる。女の顔は版画の最後に描かれた「第九の扉」を開く女と瓜二つだった。かくしてコルソは「第九の扉」の前に立つのだった。







31-40. 七月チーユエ安生アンシェン (七月與安生)

監督 曾國祥
出演 周冬雨馬思純李程彬
2016年・中国 105分

解説
プロデューサーを務めたピーター・チャン監督が、その「映画的な世界観」を評価したアニー・ベイビーの同名ネット小説を大胆に脚色。「恋人のディスクール」(OAFF2011グランプリ)以来、ますます磨きのかかったデレク・ツァン監督の繊細な演出が冴えわたる、珠玉の青春映画が誕生した。主演のチョウ・ドンユィとマー・スーチュンの熱演への評価も高く、第53屆金馬奨では史上初の主演女優賞W受賞をはたしている。主題歌をフェイ・ウォンとドウ・ウェイの娘=リア・ドウが歌ったことも話題となった。

ストーリー
中国・上海で穏やかな生活を営んでいた李と安生アンシェンのもとに、ある日突然、映画会社からの連絡が届く。ネット小説『七月と安生』を映画化したいのだが、作者の林七月チーユエを紹介してもらえないだろうか、と。七月、その懐かしい名前にざわめき立つ安生の心。七月と安生が初めて出会ったのは13歳の時。退屈な軍事訓練を抜け出した二人は、お互いの正反対の性格に惹かれ合い、やがて親友となっていく。永遠に続くかと思われた二人の友情は、七月の同級生・蘇家明の登場によってバランスが崩れ始め……




31-41. グラディエーター

監督 リドリー・スコット
出演 ラッセル・クロウホアキン・フェニックスコニー・ニールセンオリヴァー・リードリチャード・ハリス
2000年・アメリカ (UIP)

解説
  「インサイダー」の一般市民役から一転、戦士マキシマス役に挑んだ演技派R・クロウ。剣や格闘のハードな立ちまわりがキャストの熱演と相まって強烈な印象を残す。

ストーリー
西暦180年。ローマ帝国の治世。歴戦の勇士として名声を馳せる将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)は、遠征先のゲルマニアの地で、時の皇帝マルクス・アウレリウス(リチャード・ハリス)から次期皇帝の座を託したいと要請を受ける。だが、これを知った野心家の皇帝の息子コモドゥス(ホアキン・フェニックス)は、老父をひそかに殺して自ら後継者を宣言、マキシマスは処刑を命じられた。処刑者の手を逃れたマキシマスだが、故郷に帰り着くと愛する妻と息子は惨殺されていた。絶望と極度の疲労の末に倒れた彼は、気づけば奴隷商人に捕らわれの身に。剣闘士を養成する奴隷商人プロキシモ(オリヴァー・リード)に買われたマキシマスだが、持ち前の技量で一躍剣闘士として頭角を現す。いっぽう、皇帝となったコモドゥスは元老院の反対を無視し、首都ローマの巨大コロシアムで剣闘試合を開催。プロキシモに連れられ、図らずもローマへ帰還したマキシマスは、死闘の果てに勝利をおさめ、仇敵たる皇帝コモドゥスと対面を果たす。その夜、かつて恋仲だったコモドゥスの姉の王女ルッシラ(コニー・ニールセン)の訪問を受けるマキシマス。コモドゥスはルッシラの息子ルシアスを亡き者にしようとしており、彼女はそれを阻止するため、彼に協力を求めたのだ。姉の裏切りを察知したコモドゥスは策を弄した末、コロシアムでマキシマスと直接対決。かくしてマキシマスはコモドゥスを倒し、自らも果てるのであった。




31-42. ラビリンス 魔王の迷宮 (Labyrinth)  

監督 ジム・ヘンソン
出演 デイヴィッド・ボウイジェニファー・コネリー
1986年・アメリカ (コロムビア映画) 101分

解説
魔王に誘拐された弟を捜しに出た少女の冒険を描くファンタジー。製作はエリック・ラトリー。エグゼクティヴ・プロデューサーはジョージ・ルーカス。エグゼクティヴ.スーパーヴァイジング・プロデューサーはデイヴィッド・レイザー。監督は 「ダーククリスタル」 のジム・ヘンソン。脚本はテリー・ジョーンズ、撮影はアレックス・トムソン、音楽はトレヴァー・ジョーンズ、SFXスーパーヴァイザーはジョージ・ギブス、編集はジョン・グロヴァー、美術(セット)はロジッー・ゲイン、美術(SFX)はマイケル・ホワイト、美術(装飾)はピーター・ハウィット、衣裳はエリス・フライトとブライアン・フラウド、メイクアップはウォリー・シュネイダーマン、ヘアドレッサーはバーバラ・リッチー、パペティア・キャプテンはブライアン・ヘンソンが担当。出演は主題歌も歌っているデイヴィッド・ボウイ、ジェニファー・コネリーなど。

ストーリー
アメリカのある都市に住む空想好きな少女セイラ(ジェニファー・コネリー)は15歳、女優を夢見ていた。家族は両親とまだ赤ん坊の弟トビーと4人。ママは継母でしっくりいっていなかった。ある土曜日、両親は連れだって外出し、彼女はトビーの助話をいいつけられた。泣き喚くトビーに彼女は愛読書『ザ・ラビリンス<迷宮>』の一節を読んできかせる。「泣きやまないと、ゴブリン王に連れていかれるよ」。その時、人形と本で埋もれたトビーの部屋の片隅から突然、黒い何者かが動き始める。「ザ・ラビリンス」に登場する悪鬼ゴブリンたちだった。邪悪で恐ろしいクリーチャーの大群は、たちまち彼女の部屋を占拠した。やがてフクロウの姿をした怪鳥が窓ガラスを破って飛び込んできて、黒マント姿に変身した。彼こそ<迷宮>に魔王として君臨するジャレス(デイヴィッド・ボウイ)だった。ジャレスは、<夢の曲界>を映し出す水晶球と引き換えにトビーを自分のものにしたいと、彼女に迫った。そして、<迷宮>の果てにあるゴブリン・キャッスルに13時間以内でたどり着けば、トビーは解放すると言って、姿を消した。ただ、1秒でも遅れるとトビーはあの醜いゴブリンそのものになってしまう、とも。彼女が足をふみ入れた迷宮は、文字通り複雑に入り組んだ迷路だった。そしてそこには、迷宮の案内人ホルグや、炎の狼ファイアリーズ、迷宮の守護神ヒューモンガス、独眼の戦士サー・ディディモンス、岩を呼ぶモンスターのルドなど奇怪な生物たちがひしめいていて、彼女の行く手をさえぎった。しかし、ホルグ、サー・ディディモンス、ルドの協力で何とか宮殿の人口にたどりつき、ジャレスと対決した。複雑にねじれた階段が交錯する魔王の部屋。目に見えるものはすべて錯覚で、すぐそこにいるトビーにも手が届かない。その多次元空間を自由にとび回るジャレスは自分のそばにいてほしいと彼女に愛を訴えた。だが弟を救い出さなければならない彼女は「あなたに支配されはしない」と拒否するが、その瞬間、ジャレスと共に魔宮も崩れ落ちていく。そして、彼女とトビーは元の自分の部屋に戻っていた。その体験が夢なのか現実だったのか、彼女には判断がつかなかった。




31-43. スパイ・レジェンド (NOVEMBER MAN)  (吹替)

監督 ロジャー・ドナルドソン
出演 ピアース・ブロスナンルーク・ブレイシーオルガ・キュリレンコビル・スミトロビッチラザル・リストフスキー
2014年・アメリカ (KADOKAWA) 108分  (R15+)

解説
ピアース・ブロスナンが 「007 ダイ・アナザー・デイ」 以来13年ぶりにスパイ役に挑んだサスペンス・アクション。元CIAのスゴ腕エージェントが、次々に起きるスパイ殺害事件とその裏に潜むロシア大統領選を巡る陰謀に立ち向かう姿を描く。監督は 「13デイズ」 などアクション作に定評のあるロジャー・ドナルドソン。

ストーリー
かつて“ザ・ノヴェンバー・マン”というコードネームで活躍していた伝説のCIAエージェント、ピーター・デヴェロー(ピアース・ブロスナン)は、今はスイスで静かな引退生活を送っている。そんな中、昔の同僚たちが次々と殺されていることを知ったデヴェローは、彼らの救助に向かうが、同僚であり愛していた女性がデヴェローの目の前で殺害されてしまう。しかもその犯人は、かつて自分が所属していたCIAで自ら育て上げた仲間であった。その現役最強のスパイと緊迫の攻防を繰り広げながら事件の全貌を解明しようとするデヴェローは、事件の裏にロシア大統領選を巡る国際的陰謀が隠されていることを知る……。





31-44. 世界にひとつのプレイブック 

監督 デイヴィッド・O・ラッセル
出演 ブラッドリー・クーパージェニファー・ローレンスロバート・デ・ニーロクリス・タッカージャッキー・ウィーバー
2012年・アメリカ (ギャガ) 122分

解説
心に傷を抱えた男女が立ち直るため、ダンスコンテストに出場する姿をつづるハートフル・ムービー。シリアスなテーマに笑いを織り交ぜた作風が高い評価を得て、トロント国際映画祭で最高賞に当たる観客賞を受賞した。ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンスというハリウッドの注目株の共演が見ものだ。

ストーリー
妻の浮気が原因で心のバランスを崩し、すべてを失ったパット(ブラッドリー・クーパー)は、実家で両親と暮らしながら、社会復帰を目指してリハビリをしている。そんなとき、近所に住むティファニー(ジェニファー・ローレンス)と出会う。ティファニーは愛らしい姿からは想像もつかない過激な発言と突飛な行動を繰り出し、パットを翻弄する。実は彼女も、夫を事故で亡くし、心に傷を負っていた。立ち直るためにダンスコンテストへの出場を決意したティファニーは、パットを強引にパートナーに任命する。こうして、2人の人生の希望を取り戻す挑戦が始まった……。





31-45. シャークトパス (SHARKTOPUS)

監督 デクラン・オブライエン
出演 ケレム・バーシンサラ・マラクル・レインエリック・ロバーツリブ・バウンエクトル・ヒメネス
2010年・アメリカ 89分

解説
2010年にアメリカ合衆国のSyfyで放送されたテレビ映画。 この映画は1984年のイタリアの映画「死神ジョーズ・戦慄の血しぶき(英語版)」のリメイクである。シャークトパスはオオジロサメとタコの細胞を合成して生み出された新型の生物兵器。海中以外にも陸上でも活動が可能。タコの足に槍のようなツメを持ち、獲物の体を貫いたり、切り裂いて攻撃する。兵器目的のため秘密裏に開発していたのだが、試験運用中のトラブルのせいで制御装置が外れ脱走、本能のままに無境なく人間を捕食する。その他にタコの特性である岩場を好む習性と蛸墨を吐く能力を持つ。

ストーリー
アメリカ海軍はブルー・ウォーターなるチームにある生物の捕獲を依頼した。 その生物は、半分サメが半分タコという遺伝子工学で生まれたクリーチャーで、サンタモニカの海岸に出没して麻薬の密売人を襲った後、メキシコのプエルトバジャルタへと向かって去っていった。 その生物はニコルの父であり、そして自分の生みの親でもあるネイサンにも牙を剥いたが、最終的にはブルー・ウォーターの活躍で捕えられた。




31-46. ブルージャスミン (BLUE JASMINE)  

監督 ウディ・アレン
出演 ケイト・ブランシェットアレック・ボールドウィンルイス C.K.ボビー・カナヴェイルアンドリュー・ダイス・クレイ
2013年・アメリカ (ロングライド(提供 KADOKAWA=ロングライド)) 98分

解説
ミッドナイト・イン・パリ」 など、ロマンティック・コメディ作品が続いていた名匠ウディ・アレンが、ニューヨークで暮らすひとりの女性の転落人生を描くシリアスなドラマ。ケイト・ブランシェット演じるヒロイン、ジャスミンの運命が名曲 「ブルームーン」 のメロディに乗せてつづられる。

ストーリー
ニューヨークのセレブリティ界でもてはやされていたジャスミン(ケイト・ブランシェット)だが、実業家のハル(アレック・ボールドウィン)との結婚生活が破綻し、家庭も資産も失う。質素なアパートに住むシングルマザーの妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)のもとに身を寄せることにし、妹がいるサンフランシスコへ向かうことにする。過去にしがみつき抗うつ薬とウォッカを手放せないジャスミンは、どうにか再び華やかな世界へ舞い戻ろうと画策するが、慣れない仕事に神経をすり減らす。精神的にバランスを崩し八方塞がりの中、エリート外交官のドワイト(ピーター・サースガード)と出会い、彼のことを自分に以前のような幸せを再び与えてくれる存在であるかのように見るジャスミン。そのためさらにプライドと現実逃避から彼女は嘘を重ねていく……。





31-47. ビッグ・ガン (吹替)

監督 ドゥッチョ・テッサリ
出演 アラン・ドロンリチャード・コンテカルラ・グラヴィーナニコレッタ・マキャヴェッリマルク・ポレル
1973年・イタリア (東和) 分

解説
暗黒街から足を洗おうとした矢先、愛する妻子を殺された殺し屋の復讐を描く。監督は 「続荒野の1ドル銀貨」 のドゥッチョ・テッサリ、脚本はウーゴ・リベラトーレ、フランコ・ヴェルッチ、ロベルト・ガンドゥス、撮影はシルヴァーノ・イッポリティ、音楽はジャンニ・フェリオが各々担当。出演はアラン・ドロン、リチャード・コンテ、カルラ・グラヴィーナ、ニコレッタ・マキャヴェッリ、マルク・ポレル、ロジェ・アナン、リノ・トロイージ、アントン・ディフリング、ウンベルト・オルシーニ、グイド・アルベルティなど。

ストーリー
トニー・アルゼンタ(A・ドロン)は七回目の誕生日を迎えたひとり息子のカルロを抱きしめながら心を決めた。足を洗わなければ……。いまが潮時だ。トニーは組織の中でも一目置かれた重要な存在だった。狙った獲物は決して逃がさない腕ききのハンター。二大ボスのニック(R・コンテ)とクチッタ(L・トロイージ)は、トニーが彼らの同郷のシチリア島出身ということも手伝って、高く評価していた。組織でも将来は約束されているが、拳銃を手離せない日蔭げの生活を、カルロだけにはのぞかせたくなかった。パーティの翌日、トニーはニックにその由、申し入れたが彼は色よい返事をしなかった。トニーは組織をあまりに知りすぎているのだ。ヨーロッパ各地に拡がっている組織の幹部も同様だった。会合での結果は、トニーを亡き者にせよ、ということだった。それから数日後、トニーは茫然と窓の外の光景を見下ろしていた。地獄のように燃えさかる炎に、愛するカルロと妻のアンナが包まれている。組織の黒い手は、トニーを消すつもりが誤って彼の妻と子を殺してしまったのだ。彼は復讐を誓った。故郷から駆けつけた神父のドン・マリアノ(G・アルベルティ)や弟分のドメニコ(M・ポレル)のなぐさめにも救われなかった。第一の犠牲者はカーレ(R・アンナ)だった。手引きしたのは、以前トニーが助けたことがあるカーレの情婦サンドラ(C・グラビナ)。ミラノに戻ったトニーはドメニコが見つけてくれたアパートに身を隠す。次なる獲物は組織の大立物グルンワルド(A・ディフリング)だ。サンドラの情報によって、幹部たちがコペンハーゲンのグルンワルドの元に集まる事を知る。グルンワルドが、その所有する巨大なビルからいつものとうり現われ、迎えのベントレーに乗り込もうとした瞬間、待ち伏せていたトニーの拳銃が火を吹いた。目的を果たしたものの自らも負傷したトニーは、同郷のデンニーノの友情に救われた。その頃、ミラノでは、ドメニコがトニーのアパートの住所を白状させられたうえで、惨殺されるという事件がもちあがっていた。アパートに入り込んだクチッタの部下は、部屋に身を隠していたサンドラを徹底的に痛めつけ、トニーの帰りを待ち伏せている。電話のベルが鳴った。トニーがミラノに戻ってきたのだ。受話器から洩れる彼女のすすり泣きに全てを察したトニーは先手を打った、クチッタの邸に忍び込み、彼を射殺したのだ。殺し合いの毎日に、さすが疲れたトニーはむしょうに故郷が恋しくなり、サンドラを連れてシチリアへと車を飛ばした。追う側の疲れは、また追われる側の疲れでもあった。組織の面目にかけてもトニーを消さない訳にはいかないニックは、クチッタの葬式の日、部下イズネロ(U・オルシーニ)のすすめで、コペンハーゲンでトニーを救ったデンニーノを呼び寄せて取り引きをもちかけた。間もなくして、神父ドン・マリアノがトニーにニックとの和解をもちかけた。ニックは娘の結婚式にトニーを招待するという。それは可愛い娘の結婚式を血で汚したくないからだ、ともいった。ニックを全面的に信じたのではなかったが、トニーは母とサンドラを連れて、その式にのぞんだ。荘重な儀式はとどこおりなく終り、参列の人々が家路につこうとしたとき、一台の車が教会の前に止まった。運転席にはデンニーノがいる。晴やかな笑みをみせて歩み寄るトニー。だが、デンニーノの手には鈍く光る拳銃が握られていた。沈黙をさく銃声と共にトニーはくずれおちた。




31-48. ジャッジ・ドレッド (Judge Dredd)  (吹替)

監督 ダニー・キャノン
出演 シルベスター・スタローンアーマンド・アサンテダイアン・レインロブ・シュナイダーマックス・フォン・シドー
1995年・アメリカ (東宝東和) 96分

解説
未来社会の法の番人を務めるタフガイの苦悩と戦いを描いたSFアクション大作。ジョン・ワーグナー(作)とカルロス・エズキエラ(画)によるイギリスの同名人気コミックを基に、 「ターミネーター2」 のウィリアム・ウィッシャーと 「ダイ・ハード」 のスティーヴン・E・デ・スーザが脚色、監督には 「プレイデッド」 のダニー・キャノンが当たった。製作はチャールズ・M・リピンコットとボー・E・L・マークス。エグゼクティヴ・プロデューサーは 「ダイ・ハード3」 のアンドリュー・ヴァイナと 「ストリートファイター(1994)」 のエドワード・R・プレスマン。撮影は 「1492 コロンブス」 のエイドリアン・ビドル、音楽は 「フォレスト・ガンプ 一期一会」 のアラン・シルヴェストリ、プロダクション・デザインは 「バットマン(1989)」 のナイジェル・フェルプス、衣装に 「エイリアン」 のエマ・ポーテウス。特殊効果は 「エイリアン2、3」 のジョス・ウィリアムズ、視覚効果は 「シュワルツェネッガー プレデター」 「プレデター2」 のジョエル・ハイネック、特殊メイクは 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」 のニック・ダッドマンが担当。主演は 「スペシャリスト」 のシルヴェスター・スタローン。共演は 「ホッファ」 のアーマンド・アサンテ、 「チャーリー」 のダイアン・レイン、 「巨人と青年」 のマックス・フォン・シドー、 「沈黙の要塞」 のジョアン・チェン、 「デモリションマン」 のロブ・シュナイダー、 「マウス・オブ・マッドネス」 のユルゲン・プロホノフ、 「ナチュラル・ボーン・キラーズ」 のバルタザール・ゲティら。

ストーリー
2139年。世界は荒廃し、人々はメガシティと呼ばれる巨大都市で生活していたが、多発する犯罪に対処するため、究極の治安維持機構であるジャッジ・システムが施行されていた。ジャッジとは警察官、裁判官、陪審員、そして法の執行人までも兼ねた超エリートで、中でもジャッジ・ドレッド(シルヴェスター・スタローン)はその伝説的な存在だった。ジャッジ・システムを巡る秘密の計画を探っていたレポーターが殺され、ドレッドに嫌疑がかかった。同僚のハーシー(ダイアン・レイン)は懸命に彼を弁護したが有罪の判決が下される。彼を息子のように愛していたファーゴ長官(マックス・フォン・シドー)は自らの引退と引き換えに彼を終身刑に減刑し、「呪われた土地」と呼ばれる放射能汚染区域へ帰らぬ旅に出た。ドレッドはアスペン刑務所に送られたが、輸送機は荒野の無法者エンジェル一家に撃ち落とされ、ドレッドはかつて自分が逮捕した犯罪者ファージー(ロブ・シュナイダー)と共に捕らわれの身となる。そこへファーゴ長官が現れ、自らを犠牲にして彼らを救った。死を目前にした長官は、恐るべき秘密を打ち明ける。ドレッドは遺伝子工学を駆使して理想的なジャッジを作り上げる計画=ヤヌス・プロジェクトの産物だというのだ。そしてドレッドのかつての親友で、彼の手で刑務所に送ったジャッジ仲間のリコ(アーマンド・アサンテ)も同様にして生まれたのだった。だが、リコは失敗作で、計画は封印されていたが、グリフィン副長官(ユルゲン・プロホノフ)はイルザ博士(ジョアン・チェン)と組んでそれを復活させようとしていた。副長官はリコを使い、各地に暴動を起こさせて緊急にジャッジの補給が必要な状況を作りだそうとする。ドレッドはファージーと共にメガシティに戻ると、ハーシーと協力してプロジェクトのセンターを目指す。一方、街の支配を企むリコは使われる遺伝子を自分のものに変え、ロボットを使ってグリフィンを殺した。ドレッドはいわば兄弟であるリコと対峙し、死闘の果てに彼を倒す。彼は街の治安を取り戻すため、再び任務に赴いた。