32-1. 新荒野の七人 馬上の決闘 (Gun of Magnificent 7)

監督 ポール・ウェンドコス
出演 ジョージ・ケネディモンテ・マーカムジェームズ・ホイットモアレニ・サントーニバーニー・ケーシー
1968年・アメリカ (ユナイト) 98/105分

解説
「日本人の勲章」 のハーマン・ホフマンの脚本を、 「鉄海岸総攻撃」 のポール・ウェンドコスが監督したアクションもの。撮影はアントニオ・マカソリ、音楽はエルマー・バーンスタインが担当。出演は 「暴力脱獄」 のジョージ・ケネディ、 「墓石と決闘」 のモンテ・マーカム、レニ・サントーニ、バーニー・ケーシーなど。製作はヴィンセント・M・フェネリー。

ストーリー
19世紀末のメキシコはホセ・デ・クルス・ボルフィリオ・ディアス大統領により恐怖政治が行われていた。この悪政に立ち向かい革命を起こそうと闘っている農民もいたが、それは組織化できぬまま大きな力にはなりえなかった。その力を組織化し、1つの力に結集できる唯一の革命家キンテロは獄中の身だった。キンテロの部下の若き中尉マックスは、キンテロを救出すべく仲間を集めた。かみそりのような鋭い頭脳と勇気をもったクリス(ジョージ・ケネディ)ガンと爆発の名手で黒人の大男、ケーシー、ガンの達人ケノ(モンテ・マーカム)スレーター、レビー・モーガン、P・Jの6人のアメリカ人とそしてマックスの7人がそろった。一行はメキシコに向けて出発した。マックスは山賊のロベロの力をかりようと思ったが、クリスがロベロとけんかをしてしまい、ロベロの助力はあてに出来なくなった。がクリスは外の作業に従事している囚人20人を奪うことに成功、この20人を訓練し、キンテロ救出作戦に使うことにした。いよいよ行動を起こす時がきた。ディアスの軍から奪った馬車に乗り、7人の男と20人のメキシコ人は、攻撃を開始。白熱の太陽の下で壮絶な戦いがくりひろげられた。が、多勢に無勢、ディアス軍側は、次第に攻撃隊を追いつめた。ケノとケーシーは殺された。スレーターとP・Jとマックスは負傷した。残るはクリス、レビー・モーガン、そしてひとにぎりの部下たち。その時、ロベロの部下、ミゲルを先頭に50人の男たちがなだれ込んできた。思いもよらぬ援軍をうけ、戦局は一変した。クリスは勝った。だが、そこには大きな犠牲が払われていたのだ。




32-2. バレット (Bullet to the Head)  (吹替)

監督 ウォルター・ヒル
出演 シルヴェスター・スタローンサン・カンサラ・シャヒアドウェール・アキノエ=アグバエクリスチャン・スレイター
2012年・アメリカ (松竹(提供 カルチュア・パブリッシャーズ)) 91分  (R15+)

解説
シルヴェスター・スタローンが裏社会で生きる殺し屋に扮したクライム・アクション。相棒を殺された事で信念を捨て、若き刑事とコンビを組む事になった殺し屋の壮絶な戦いが描かれる。堅物の若き刑事を演じるのは、 「ニンジャ・アサシン」 のサン・カン。名匠ウォルター・ヒルが 「デッドロック」 以来10年ぶりにメガホンを握った力作だ。

ストーリー
海兵隊員から闇の世界に身を落とし、殺し屋を生業としてきたジミー・ボノモ(シルヴェスター・スタローン)。逮捕されること26回、有罪となること2回。力を頼りに生きてきた彼が唯一心を許していた相棒の復讐をするために、まだ若く頑なに己の正義を貫く刑事のテイラー(サン・カン)とタッグを組むことにする。殺し屋と刑事という異色な組み合わせの前に、警察やマフィアといった街のありとあらゆる組織が立ちはだかり、さらには怪物的な凶暴性を持つヒットマン、キーガン(ジェイソン・モモア)が待ち構えていた……。




32-3. PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜 (PAN)  (吹替)

監督 ジョー・ライト
出演 ヒュー・ジャックマンギャレット・ヘドランドルーニー・マーラアマンダ・セイフライドリーバイ・ミラー
2015年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 94/112分  (3D)

解説
ディズニーのアニメ作品としても知られる人気キャラクター、ピーター・パンの秘められた過去を描くファンタジー。新鋭リーヴァイ・ミラーが少年ピーターを演じ、ネバーランドでの冒険が描かれる。ヒュー・ジャックマンがピーターの宿敵・黒ひげに扮し、存在感を見せつける。監督は 「つぐない」 のジョー・ライト。

ストーリー
ロンドンの孤児院で暮らす少年ピーター(リーヴァイ・ミラー)は、ある日、地下室で古い手紙を見つける。「ピーター、愛しているわ。別の世界で必ず会えると約束する」と書かれたその手紙は、運命によって赤ん坊のピーターから引き離された若き母(アマンダ・サイフリッド)が残したものだった。母に会いたい想いを募らせたピーターは、ある夜、現れた空飛ぶ海賊船にさらわれ、ネバーランドへと旅立つ。そこは夢のようにカラフルな世界だったが、冷酷な海賊・黒ひげ(ヒュー・ジャックマン)が支配する世界だった。ピーターは自身も知らない出生の秘密のため、黒ひげから命を狙われる身となる。絶体絶命のピーターは、自由を求める陽気な若者フック(ギャレット・ヘドランド)や、この地の民たちのプリンセスで、黒ひげの脅威と戦うタイガー・リリー(ルーニー・マーラ)と出会う。タイガー・リリーは、ピーターが探す母の手がかりを知っていた。彼らは黒ひげ率いる海賊たちの追撃をかわし、共に困難を乗り越えていく。ピーターは母に会うことができるのか? そしてネバーランドの運命を握る、ピーターの出生の秘密とは?




32-4. 新婚道中記 (The Awful Truth)

監督 レオ・マッケリー
出演 アイリーン・ダンケーリー・グラントラルフ・ベラミーアレクサンダー・ダーシーセシル・カニンガム
1937年・アメリカ 92分

解説
「花嫁凱旋」 「たくましき男」 のアイリーン・ダンと 「天国漫歩」 「間奏楽」 のケーリー・グラントが主演する映画で、 「明日は来らず」 「ロイドの牛乳屋」 のレオ・マッケリーが監督・製作したものである。原作はアーサー・リッチマン作の喜劇で 「明日は来らず」 のビニヤ・デルマーが脚色した。撮影は 「失はれた地平線」 「花嫁凱旋」 のジョセフ・ウォーカーの担任。助演者は 「結婚気象台」 のラルフ・ベラミー、 「スイング」 のセシル・カニンガム、英仏映画界に活躍していたアレクサンダー・ダーシー、 「二つの顔(1935)」 のモリー・ラモント、エスター・デール、ロバート・アレン等である。

ストーリー
ジェリイ・ウォリナーは真面目な妻のルシイにフロリダへ行くと嘘を言って友人たちとポーカーを楽しみ、一晩家を家を空けて帰ってきた。すると妻のルシイも家にいなかった。間もなくルシイは若い美男子で声楽教師フランス人アルマンと一緒に帰宅した。思わず彼が妻の不謹慎を責めると、ルシイは平気な顔で、二人の乗った自動車が故障を起こしたので止むなく安宿に泊まったのだと言う。すっかり腹を立てた彼は、かえって自分の嘘まで曝されたので、とうとう二人は口論の果てが別居ということになってしまった。夫婦の大事にしている愛犬スミスが、どちらの所有に属するかで一問題あったが、ルシイは策略を用いて所有権を獲得した。その代わりにジェリイは時々スミスに会いに来てもいいという条件がつけられる。ところがその最初の訪問日の夜、彼はルシイが田舎の若い富豪ダニエルと交遊しているのを見た。かんしゃくを起こしたジェリイはナイトクラブの歌姫ディキシーと熱くなり、互いに夫婦の擬似恋愛競争が始まった。ダニエルは妻を離婚してルシイと結婚したいと申し出るけれど、彼女が心から愛しているのはジェリイだけである。そこでアルマンを呼んで二人の間には何もなかったことをジェリイに話してくれと頼んでいるところへジェリイが訪れたものだから、驚いたルシイはアルマンを寝室に押し込んだ。これをジェリイに見つかったからたまらない。憤然として彼はそこを飛び出した。彼はついにルシイと離婚し社交界の花形バーバラと婚約した。その披露会の夜ルシイがジェリイを訪ねているところへバーバラからかかってきた電話をルシイが取り次いだ。彼はルシイを妹だと言ってその場をごまかして老いたが、そのため彼女も披露会へつれて行かねばならなくなった。宴席でルシイは酔ったふりをして乱痴気を演じたので披露会は滅茶苦茶になりバーバラはジェリイとの婚約を解消した。ルシイはなおも酔態を装ってジェリイを車に乗せパシイ叔母さんの山荘へ連れて行く。途中で彼女は故意に自動車事故を起こし、それにことよせて巧みに彼の誤解をとき、二人は改めて楽しい生活を始めることになった。




32-5. SAFE セイフ (Safe)

監督 ボアズ・イェーキン
出演 ジェイソン・ステイサムキャサリン・チェンジェームズ・ホンクリス・サランドンジョセフ・シコラ
2012年・アメリカ (ブロードメディア・スタジオ=ポニーキャニオン) 87/94分  (R15+)

解説
重要な暗号を記憶し、マフィアから命を狙われる中国人少女を保護すべく、危険な戦いに身を投じる男の戦いを描く、ジェイソン・ステイサム主演のアクション。クエンティン・タランティーノ監督作のプロデューサーとして知られるローレンス・ベンダーとタッグを組み、息つくひまもない壮絶なアクションシーンが次から次へと展開する。

ストーリー
ニューヨーク。元市警の特命刑事だったルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)は、今はマイナーな総合格闘技のファイターにまで落ちぶれていた。ある日、八百長試合で誤って相手をKOしてしまった彼は、その試合で大損害を被ったロシアン・マフィアに妻を惨殺されてしまう。すべてを失いホームレスとなったルークは地下鉄のホームで飛び込み自殺をしようと立っていた時、一人のおびえた少女が、妻を殺したロシア人の一団に追われているのを目撃する。彼は追っ手を倒し、少女を救うが、今度はかつて彼を陥れたウルフ(ロバート・ジョン・バーク)率いる汚職警官グループやチャイニーズ・マフィアまでもが、少女を必死に追ってくる。その中国人少女メイ(キャサリン・チェン)は、一度覚えた数字を絶対に忘れない天才だった。チャイニーズ・マフィアのボス、ハン(ジェームズ・ホン)は、彼女の才能を利用し、不正に儲けた金や重要証拠などの入った秘密金庫の暗証番号を覚えさせるため、彼女を部下であるチャン・クワン(レジー・リー)の養子にしてアメリカに移住させたのだった。一方、チャイニーズ・マフィアの金庫強奪を企むロシアン・マフィアは、メイ自身が金庫の暗証番号の鍵だと知り、彼女を拉致しようとしていた。またウルフたちはチャイニーズ・マフィアとロシアン・マフィアを天秤にかけ、いい条件を出した側に就こうとしていた。そんな中、メイは携帯電話を探知され、チャイニーズ・マフィアに捕まってしまう。ルークはロシアン・マフィアのボスの息子を拉致し、その命と引き換えに彼らが狙っていた金庫の場所とその中身を聞き出す。チャイニーズ・マフィアが経営する違法カジノの地下にある金庫には、現金3000万ドルが眠っていた。ルークはウルフたちを味方に引き込み、違法カジノ摘発という名目でカジノを襲撃、金庫の中身を強奪すべく行動を開始する。激しい銃撃戦の末、現金の強奪に成功したルークはその金でメイを奪還するつもりだったが、メイを巡るこの争奪戦と抗争の背景には、ニューヨーク市長までをも巻き込んださらに巨大な陰謀が隠されていた。すべてを知ったルークはメイの安全を確保するため、命をかけて最後の死闘に臨むのだった……。





32-6. 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を (復仇/Vengeance)

監督 ジョニー・トー
出演 ジョニー・アリディシルヴィー・テステューアンソニー・ウォンラム・カートンラム・シュ
2009年・香港、フランス (ファントムフィルム(提供 ファントムフィルム=アスミック・エース エンタテインメント)) 108分  (R15+)

解説
「エグザイル 絆」 のジョニー・トー監督が放つハードボイルド・アクション。異国の地で暮らす最愛の娘が襲われ、その家族を何者かに殺された男が3人の殺し屋とともに復讐に挑む。

ストーリー
マカオの高級住宅地で、家族4人が何者かに襲われるという事件が発生。それを聞きつけ、フランスから初老の男・コステロ(ジョニー・アリディ)がやってくる。病院を訪れた彼の前には家族で唯一、死を免れながらも全身包帯を巻かれた重体の愛娘・アイリーン(シルヴィー・テステュー)の姿があった。コステロは、娘の家族を殺害した犯人は3人で、そのうちの一人の耳を彼女が銃で打ち抜いたことを知る。地元警察のウォン刑事(マギー・シュウ)から見せられた現場写真を盗み出したコステロは、そこに“Vengeance(復讐)”と書くのだった。そんな中、クワイ(アンソニー・ウォン)、チュウ(ラム・カートン)、フェイロク(ラム・シュ)の3人は、組織のボスであるファン(サイモン・ヤム)から殺しの依頼を受けていた。彼らはホテルの一室でターゲットを仕留めるが、偶然、廊下ですれ違ったコステロに、フェイロクが手にしていた銃を見られてしまう。やがて、ホテルで男女の死体が発見され、ウォン刑事はコステロにマジックミラー越しに並ぶ容疑者から真犯人を見つけるよう依頼する。その中にチュウの姿を見つけたコステロは「ここにはいない」と証言、釈放されたチュウを尾行する。そして彼と合流したクワイらに「仕事を頼みたい」と告げるのだった。アイリーンの自宅を訪れたコステロたちは、事件の様子と犯人たちの特徴、使用された銃の種類を見極め、その後、銃の調達や改造を請け負うトニー(フォン・ツイファン)から、香港の海鮮街で店を営む男の情報を聞きつける。香港に向かった4人は、耳を負傷した男たちを探し出し、夜の森林を舞台に激しい銃撃戦を展開、肩を負傷したコステロは、自らの秘密をクワイたちに明かす。彼は20年前まで殺し屋をしており、過去の銃撃戦により脳に銃弾が残っていた。そのため、定期的に記憶をなくしてしまう難病を患い、自分がいつまで生きることができるのか全くわからないという……。




32-7. ジョーズ’87 復讐篇 (Jaws: The Revenge)  (吹替)

監督 ジョセフ・サージェント
出演 ロレイン・ゲイリーマイケル・ケインランス・ゲストマリオ・ヴァン・ピーブルズカレン・ヤング
1986年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP) 90分

解説
人間を襲う恐しい人喰いザメが熱帯のバハマに出現するというサスペンスでシリーズ第4弾。製作・監督は 「マッカーサー」 のジョセフ・サージェント、脚本はマイケル・ド・ガズマン、撮影はジョン・マクファーソン、音楽はマイケル・スモール、プロダクション・デザイナーはジョン・L・ロイドが担当。出演はロレイン・ゲリーマイケル・ケインほか。

ストーリー
過去2度、巨大なホオジロザメに襲われたアミティの町。クリスマス・イヴの夜、サメの犠牲者となったブロディ警察署長の未亡人エレン(ロレイン・ゲリー)は、父の遺志を継いで保安官補となった次男ショーンと2人暮らしをしていた。長男のマイケル(ランス・ゲスト)は、家庭をもち、バハマの海で海洋研究の仕事についていた。夜の海洋パトロールに出たショーンが、突然巨大なサメに襲われ海の中に姿を消した。最愛の息子も失ったエレンの驚きは悲惨をきわめた。かけつけたマイケル、妻カーラ(カレン・ヤング)、それに孫のシーアを前に、エレンは深い悲しみに沈んだ。生気を失った母のためにも、マイケルは暖かいバハマの家に母を呼びよせた。彼女の気分をなごませたのは、海上セスナ機タクシーのパイロット、ホーギー(マイケル・ケイン)だった。サメに襲われる夢にうなされる日々が続くエレンに少しずつ希望の光が見えようとしていた。マイケルは、バハマの沖合で巻き貝の生態を研究しているジェイク(マリオ・ヴァン・ピーブルス)に協力していた。ジェイクは、この仕事が成功すれば大学の博士号が得られるのだ。その実験中、彼らに巨大なホオジロザメが襲いかかってきた。8メートルもある巨大なものだ。この事実にジェイクもマイクルも首をひねった。ホオジロザメは熱帯の海には生息しないというのが海洋学の鉄則だったからだ。初めての出会い以来ホーギーとエレンは好意を持ち始めていた。カーニバルの夜、2人はすべてを忘れて楽しんだ。数日後、あのホオジロザメが、海水浴を楽しんでいる人々を襲い始めた。その中にシーアがいた。危機一髪のところで助け出されるシーア。孫の姿を見てエレンは言った「サメを殺す」??1人ヨットで海に出たエレンをマイケルは、ジェイ汐と共に、ホーギーのセスナ機で追った。やがてエレンのヨットを発見した彼らは、着水し彼女を助けようとするが、逆にジェイクがサメにひきづりこまれ海の中に消えていった。ヨットの上の3人とサメの闘いが始まった。海の奥からヨットをめがけて攻撃してくるサメを、3人はみごとに仕とめるのだった。





32-8. 007は殺しの番号 (吹替)

監督 テレンス・ヤング
出演 ショーン・コネリージョセフ・ワイズマンウルスラ・アンドレスジャック・ロードバーナード・リー
1962年・イギリス (ユナイテッド・アーティスツ) 105分

解説
イギリスの小説家イアン・フレミングの“ジェームズ・ボンド・シリーズ”「ドクター・ノー」の原作をリチャード・メイバウム、ジョアンナ・ハーウッド、バーケリー・マーサーの三人が共同脚色し、「ブラック・タイツ」のテレンス・ヤングが監督したミステリー・ドラマ。撮影は「ならず者一家」テッド・ムーア、音楽はモンティ・ノーマン。出演者は「史上最大の作戦」のショーン・コネリー、TVのジャック・ロード、ウルスラ・アンドレス、ジョゼフ・ワイズマンなど。製作は「土曜の夜と日曜の朝」のハリー・サルツマン、アルバート・ブロッコリの二人。後に「007/ドクター・ノオ」に改題。

ストーリー
ある昼下り、英国秘密情報部支局長が何者かに射殺された。彼の任務は、ケープカナベラル基地から発射されるロケットの弾道を狂わす電波発信地を突きとめることだった。ロンドン本部は事件を重視、直ちに背後関係追及のため007ことジェームズ・ボンド機密員(ショーン・コネリー)を現地へ派遣した。任務は支局長の足取りを洗うことだ。支局長は最近魚に興味を抱き連日島っ子のクオレルと沖へ出ていたそうだ。が、支局長の魚釣りは見せかけで、実はボーキサイド開発中の中国人ノー博士(ジョゼフ・ワイズマン)所有のラブ島を探索していた事実が判明、事態は悪化した。二十四時間後に月ロケット発射の急報にクオレルを道案内に立てたボンドは、闇を縫ってラブ島上陸を敢行した。その後、二人はエキゾチックなアメリカ娘ハニー(ウルスラ・アンドレス)に出会った。万事休す、火を噴くマシン・ガンに舟はやられた。クオレルは殺され、ボンドとハニーは捕えられた。研究所に連れ込まれた二人は、ノー博士から事件の全貌を知らされるが死の宣告を受けたボンドには手も足も出なかった。絶体絶命のピンチ。が、ボンドは換気口から電波管制室にもぐり込み、やにわに管制区へ登り電子炉操作桿を回した。ボンドの一撃にノー博士はプール型原子炉の泡と消え去っていった。危険をつげる警報に逃げまどう手下たちを尻目に、ハニーの手を取ってボートに乗り込んだボンドは沖へ向った。危機一発、島は一瞬の大音響と共に一面の火の海と化した。




32-9. 007/ゴールドフィンガー (吹替)

監督 ガイ・ハミルトン
出演 ショーン・コネリーゲルト・フレーベオナー・ブラックマンシャーリー・イートンタニア・マレット
1964年・イギリス (UA) 110分

解説
イアン・フレミングの原作を 「007/危機一発 (ロシアより愛をこめて)」 のリチャード・メイバウムとポール・デーンが脚色、 「好敵手」 のガイ・ハミルトンが監督したアクション推理。撮影は 「007」 シリーズのテッド・ムーア、音楽はジョン・バリーが担当した。出演はショーン・コネリー、 「007/危機一発 (ロシアより愛をこめて)」 のバーナード・リー、 「怪人マブゼの挑戦」 のゲルト・フレーベ、TVのオナー・ブラックマン、 「ライノ!」 のシャーリー・イートン、プロレスラーのハロルド坂田ほか。製作は前作同様、ハリー・サルツマンとアルバート・ブロッコリ。

ストーリー
英国の金が密輸ルートで大量に国外に流出しているという情報を得て、ボンド(ショーン・コネリー)はその犯人と目される億万長者のゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)との対決を命令された。ゴールドフィンガーのやるインチキトバクを見破ったボンドは、ジル(シャーリー・イートン)などの犠牲のおかげで彼に近づきになったが、用心棒オッドジョブ(ハロルド・サカタ)に捕まった。気がついたとき、ボンドはゴールドフィンガーの自家用機にいた。彼はアメリカにある金に放射能爆弾を射ちこみ、使用不可能にしておいて自分の金を十倍の値で売りこもうという計画を実行に移しているのだ。ボンドは見張り役がブロンドのプシー(オナー・ブラックマン)であったのを幸い、荒っぽい強烈な手管で彼女を味方にひきいれた。実行の日、プシー指揮の飛行編隊が空から催眠薬を撒き、市全体を眠らせておいて金保管所の扉を焼き切り、ボンドは時限爆弾につながれて金庫におろされた。この時、守備隊が突然立ち上がった。プシーの密告で眠らされたふりをしていたのだ。激烈な戦闘が展開された。そのスキにゴールドフィンガーは米陸軍将校に化けてプシーの待機するヘリコプターで脱出した。オッドジョブを倒し時限爆弾を解除し、危機を救ったボンドはアメリカ大統領の招待を受け特別機で向かう。ところが搭乗員は全員が、密かに乗っていたゴールドフインガーのために縛られ、ボンドも彼の握るピストルの前に立たされた。一瞬、ボンドは弾丸を外し、窓ガラスを破った。激しい気圧の変化にゴールドフィンガーは機外に投げだされた。操縦していたのは帰れば殺されることになっていたプシー。二人はパラシュートで脱出した。空中で熱い接吻をしながら……。




32-10. 007は二度死ぬ (吹替)

監督 ルイス・ギルバート
出演 ショーン・コネリー丹波哲郎若林映子浜美枝ドナルド・プレゼンス
1966年・イギリス (ユナイト) 117分

解説
イアン・フレミングの小説をロアルド・ダールが脚色し、 「第7の暁」 のルイス・ギルバートが監督した007シリーズ第五作目。撮影は 「ドクトル・ジバゴ」 のフレデリック・A・ヤング、音楽は 「さらばベルリンの灯」 のジョン・バリーが担当した。出演は 「素晴らしき男」 のショーン・コネリー、 「寒い国から帰ったスパイ」 のバーナード・リー、 「ミクロの決死圏」 のドナルド・プレゼンスのほかに丹波哲郎、浜美枝、若林映子など。製作はハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリ。

ストーリー
運航中のアメリカとソ連の宇宙のカプセルが、頻々と軌道から姿を消すという怪事件が起った。米・ソは互に相手国の仕業と疑い国際的危機は高まるばかり。イギリス情報部は、妨害ロケットが日本から発射されているらしいと探知した。007号ジェームス・ボンド(S・コネリー)は十日後のアメリカのジェミニ打ち上げまでに、敵の正体と本拠地、その目的をさぐれと命をうけた。日本の秘密諜報機関長田中(丹波哲郎)と秘書アキ(若林映子)の協力を得て、神戸に碇泊中の貨物船が怪しいとわかり、ボンドは神戸に急行したが敵の罠にかかり捕えられた。ボンドを救ったのは、赤髪の美女ヘルガ(K・ドール)だったが、そのため彼女は死んだ。日本南端のアキ島に不気味な事件が続き、さらに例の貨物船が現われたと知ると田中はボンドを日本人漁師に変装させアキ島に急行した。地元民の疑惑をさけるためボンドはキッシー(浜美枝)と結婚した。危険を共にしいつか愛しあうようになっていたアキは、別れの夜ボンドの身代りとなって殺された。アキ島の火口湖の底に敵の秘密基地を発見したボンドは、単身基地に潜入し捕えられていた米ソの宇宙飛行士たちを助けたが、妨害ロケットの発射をくい止めることはできなかった。敵は強大な国際犯罪組織スペクターの一号ブロフェルド(D・プリーゼンス)だった。その時田中の指揮する特殊部隊がなだれこみスペクターとの激闘が展開された。ボンドはロケットのコントロール・ルームに飛び込み妨害ロケットの爆破装置を押した。今はこれまでと覚悟を決めたブロフェルドは秘密レバーを引いた。火山全部が吹っ飛ぶような大爆発が起った。すばやく海上へ脱出したボンドとキッシーは飛行機から投げ落されたゴム・ボートに乗り、はじめてゆっくりと抱き合った。




32-11. 007/サンダーボール作戦 (吹替)

監督 テレンス・ヤング
出演 ショーン・コネリークローディーヌ・オージェアドルフォ・チェリルチアナ・パルッツィリック・フォン・ナッター
1965年・イギリス (UA)

解説
「007」 シリーズ第四作目。イアン・フレミングの 「サンダーボール作戦」 を前三作と同じリチャード・メイバウムが作家ジョン・ホプキンスとジャック・ウィッテンガムの協力を得て脚色、 「007/危機一発 (ロシアより愛をこめて)」 のテレンス・ヤングが監督した。撮影は前作と同じテッド・ムーア、音楽はこれも前作と同じジョン・バリーが担当した。美術監督のケン・アダムが小道具の数々を紹介する。出演はショーン・コネリー、ミス・フランスのクローディーヌ・オージェ、TV 「スパイ」のルチアナ・パルッツィ、「モール・フランダースの愛の冒険」 のモリー・ピーターズ、 「007/危機一発 (ロシアより愛をこめて)」 のマルティーヌ・ベズウィック、 「リオの男」 のアドルフォ・チェリ、ほかにリック・フォン・ナッター、バーナード・リー、ロイス・マックスウェル、デズモンド・ルウェリンなど。製作はハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ、ケビン・マクローリーの三人。

ストーリー
ボンド(S・コネリー)は暇にまかせてある療養所に行き不思議な刺青をした男を見て興味を持ったのだが、その男がボンドの注目をひいたということで殺された。それはボンドの宿敵スペクターの首領の仕業だった。そのころ、原爆を積んだNATOの飛行機がスペクターの手に奪われ、米英の首脳のもとに一週間以内に一億ドル支払わなければアメリカに原爆を落すというとんでもない脅迫を受けたという。ボンドがこの事件解決を命じられた。行方不明の飛行機の調査の焦点が西印度諸島バハマ群島にしぼられた。一方スペクターの首領からこの作戦の指揮を命じられた一号エミリオ(A・セリ)は、バハマに完璧な準備を整え、表面は情婦ドミノ(C・オージェ)と共に豪華水中翼船まで浮べて遊ぶ富豪を装っていた。ボンドは貿易商を装いドミノに接近、秘密兵器課の科学の粋を集めてスペクターに対抗する準備を整えた。珊瑚礁の一つに原爆が隠されていることを探り出したボンドは人喰い鮫の出没する海底に潜って、飛行士の死体に群れる鮫の動きから原爆の所在を知った。奪回する方法が問題だ。ドミノはその飛行士が金につられた兄と知り、ボンドと運命を共にしようと決心した。彼はいつ原爆が船に積みこまれるかをボンドに報せる使命を持って船に帰った。発覚したのか?案外、原爆を水中翼船に積まず、海中で爆発させるかもしれない。ボンドは十人の潜水隊を組織して水中で待ち、これを未然に防いだ。スペクターの首領ラルゴは自身で爆弾を仕かけるために水中船に乗りこんだ。ボンドが姿を現わし、二人の死闘がつづいた。突然、ドミノが物陰から射ったモリでラルゴは息絶えた。彼女はボンドの予想通りラルゴに裏切りを見破られ船室に監禁されていた。彼女の体には拷問のあとが残っていた。原爆は無事回収され、ドミノはボンドに抱かれて幸わせそうだった。




32-12. 女王陛下の007 (吹替)

監督 ピーター・ハント
出演 ジョージ・レーゼンビーダイアナ・リグテリー・サヴァラスガブリエレ・フェルゼッティイルゼ・ステッパット
1969年・イギリス (ユナイト)

解説
新しいボンド・スター、ジョージ・レーゼンビーを迎えたシリーズ第六作。今回も細菌戦争を企むスペクターを相手に、“新ボンド”が決死の活躍をみせる。監督はボンド・シリーズの編集者であったピーター・ハント。イアン・フレミングの原作を脚色したのはウォルフ・マンコウィッツ、撮影はマイケル・リード、音楽はジョン・バリー、セットをピーター・ラモントが担当。製作はハリー・サルツマンとアルバート・R・ブロッコリ、製作構想はシド・ケイン。出演は新スター、ジョージ・レーゼンビー、ダイアナ・リグ、 「インディアン狩り」 のテリー・サヴァラス、 「さらば恋の日」 のガブリエレ・フェルゼッティ、イルゼ・ステッパット、おなじみのバーナード・リー、ルイス・マクスウュル、デズモンド・ルウェリンはレギュラー。その他、ボンドガールズには 「冒険者たち」 のアンジェラ・スコーラー、ジュリー・エーゲ、モナ・チョンなどが出演。

ストーリー
イギリス秘密情報部のM(B・リー)は、スペクターの首領ブロフェルド(T・サヴァラス)の捜索と、動静を探るよう007号ジェームズ・ボンド(G・レーゼンビイ)に命じた。常に危険な仕事を求める彼は、この命令をあまり喜ばなかった。こんな時、ボンドはトレーシー(D・リグ)に会った。無謀な生き方と、自棄的な影をもった彼女、自殺まで図った彼女に、ボンドはなぜか心を魅かれた。そして、彼女の父ドラコ(G・フェルゼッティ)から、娘を立ち直らせてくれと懇願された。ドラコは、マフィアよりも恐ろしい組織、ユニオン・コルスの首領であった。彼の援助で、ブロフェルドの本拠がスイスにあることをつきとめたボンドは、単身そこへ乗り込んだ。スイス・アルプスのピズ・グロリアで、ブロフェルドは会員制のスキー・クラブと研究所を営んでいた。そこで、見事に変貌しているブロフェルドに会ったボンドは、彼の正体を見破ってしまった。しかし、何の武器も持たないボンドは、ひとまずスキーで脱走した。彼の身辺に手榴弾が炸裂する。その危機を救ったのはトレーシーであった。ボンドの報告から、イギリス情報部は、恐るべきスペクターの陰謀を知った。それは、催眠療法を受けた娘たちを使って、細菌をばらまき、生物学的戦争を起こそうとするものだった。ボンドは再びピズ・グロリアへ潜入し、悪の要塞を火柱の中に葬ったが、ブロフェルドをまた取り逃がしてしまった。一仕事おえたボンドは、初めて愛した女、トレーシーと結婚した。しかし新婚の夜に、スペクターの魔手が迫って来た。そして、トレーシーは無残にも血に染って倒れた。最愛の女を殺されたボンドは、燃えたぎる憎悪の中で、ブロフェルドへの復讐を誓うのだった。




32-13. 007/ダイヤモンドは永遠に (吹替)

監督 ガイ・ハミルトン
出演 ショーン・コネリージル・セント・ジョンチャールズ・グレイラナ・ウッドブルース・キャボット
1971年・アメリカ (ユナイト)

解説
“ジェームズ・ボンド・シリーズ”の第7作。製作はハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ、監督は 「007/ゴールドフィンガー」 のガイ・ハミルトン、脚色はトム・マンキーウィッツ、撮影はテッド・ムーア、美術はビル・ケニー、音楽はジョン・バリー、編集はジョン・W・ホームズが各々担当。出演は再びボンド役にカムバックしたショーン・コネリー、ジル・セント・ジョン、ナタリーの妹ラナ・ウッド、チャールズ・グレイ、ブルース・キャボット、カントリー・ウエスタン歌手のジミー・ディーンなど。

ストーリー
200万ポンドにのぼるダイヤモンドが密輸され、しかもそれが闇市場にも出回っていない。もし何らかの意図で貯めこまれるとすれば、ダイヤモンド産業は一挙に危機にさらされてしまう、とダイヤモンド協会が恐れている。イギリス秘密情報部の上官Mは007号ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)にこう前置きし、現在計画されているダイヤ密輸の運び屋に変装し、アメリカ密輸シンジケートに潜入せよと命じた。ティファニー・ケイス(ジル・セント・ジョン)という女にロスにダイヤを運ぶよう頼まれたボンドは出迎えた敵をかわし、ティファニーに腕によりをかけてサービスをほどこし、彼女を味方に引き入れた。しかしダイヤは知らぬ間に失せていた。ナイトクラブ“ホワイトハウス”の支配人バート・サクスビー(ブルース・キャボット)の仕業だ。しかもダイヤが持ち込まれたのは“ホワイトハウス”の持ち主ウィラード・ホワイト(ジミー・ディーン)の工場だ。そこにはダイヤモンドを一面に散りばめたチョウチョウ型の人工衛星があった。ボンドはホワイトハウスの最上階のホワイトの事務所に忍び込んだが、厳重な警戒網にキャッチされて捕らえられてしまった。しかもこの密輸組織の黒幕は数々の事件で挑戦した宿敵スペクターのブロフェルド(チャールズ・グレイ)だったのだ。だが超人的な能力を発揮して危地を脱したボンドはブロフェルドに利用されていたウィラード・ホワイトに会い、見事な推理力でホワイトの断片的知識をつなぎ合わせ、スペクターの陰謀を読み取ってしまったのだ。レーザー光線の発明はダイヤによって行なわれたこと、ダイヤからダイヤへ屈折し反射する光線は最後に強力なレーザー光線を放射すること、そしてダイヤを一面に散りばめたチョウチョウ型の人工衛星が打ち上げられ、そこからレーザー光線が放射されたら、地球上のあらゆる場所が危機にさらされること。ボンドの予感は的中した。人工衛星は打ち上げられ、世界各地の軍事基地等が次々と破壊されていった。ボンドとホワイトは急ぎ、工場を調べ、衛星がコンピューターに収められたテープのある音波によって操作されていることを知った。更にブロフェルドがカリフォルニアのバージャ沖にある石油櫓から操作していることを知った。送油管を伝って櫓内の司令室に忍び込んだボンドは、ブロフェルドに捕らえられていたティファニーの協力を得て、コンピューターのテープを取り換え、危機一髪ワシントンDCの爆破を防ぐことに成功した。




32-14. 007 死ぬのは奴らだ (吹替)

監督 ガイ・ハミルトン
出演 ロジャー・ムーアヤフェット・コットージェーン・シーモアグロリア・ヘンドリージェフリー・ホールダー
1973年・イギリス・アメリカ (ユナイテッド・アーティスツ) 121分

解説
前作「ダイヤモンドは永遠に」で一度きりの復帰となったショーン・コネリーの後を継ぎ、新しいボンド役に指名されたのがロジャー・ムーアである。彼はこのオファーを受けるのは初めてではなく「ドクター・ノオ」を製作する際にも指名されたが、当時はテレビ番組で忙しく断っていた。それから10年後、ようやく46歳でボンド役を射止めた(彼は実はショーン・コネリーよりも3歳年上)。彼が演じるボンドはこれまでのハードな部分が削られ、軽くユーモラスなボンドとなった。劇中でよく発しているジョークの数々はその一例。

ストーリー
カリブ海の島国、サン・モニークを調査していたイギリス情報部員が相次いで3人殺害された。さっそくアメリカに飛んだボンドはフィリックス・ライターとともにサン・モニークの大統領、Dr.カナンガを捜査する。カナンガは自らハーレムの大物Mr.ビッグに変装し、レストランチェーン「フィレ・オブ・ソウル」を通じて麻薬を無料で配布し、アメリカに麻薬中毒患者を増加させようとしていた。Dr.カナンガにタロットカードで指示を与える謎の美女、ソリテールから情報を得るため、ボンドはカリブ海へ向かった。




32-15. 007/黄金銃を持つ男

監督 ガイ・ハミルトン
出演 ロジャー・ムーアクリストファー・リーブリット・エクランドモード・アダムスフランソワーズ・ティリー
1974年・イギリス (ユナイト)

解説
タイのプーケット島を舞台に、黄金銃を持つ男スカラマンガとボンドの対決を描いた 「007」 第9作目。製作はアルバート・R・ブロッコリとハリー・サルツマン、監督はガイ・ハミルトン、原作はイアン・フレミング、脚本はトム・マンキーウィッツとリチャード・メイバウム、撮影はテッド・ムーア、音楽はジョン・バリーが各々担当。出演はロジャー・ムーア、クリストファー・リー、ブリット・エクランド、モード・アダムス、フランソワーズ・ティリー、バーナード・リーなど。

ストーリー
ある日、ロンドンのM(B・リー)のオフィスに、ジェームズ・ボンド(R・ムーア)の命を奪うと書かれたメモと共に一個の黄金の弾丸が届けられた。送り主は、百万ドルで仕事を引き受ける“黄金銃を持つ男”、殺し屋の帝王と呼ばれ、タイのフーケット島にアジトを構え、KGBやマフィアを手下に従えるスカラマンガ(C・リー)という男だった。挑戦された以上座って殺されるのを待つよりもと、ボンドはスカラマンガを倒すために香港へ向かった。そのボンドの後を、スカラマンガの愛人アンドレア(M・アダムス)が尾行していた。香港でボンドは、メアリー・グッドナイト(B・エクランド)という魅力的な女情報部員と会った。彼女はボンドにアンドレアのいるホテルを教えた。その夜、部屋に忍び込んだボンドはシャワーを浴びているアンドレアを見出し、今晩スカラマンガが市内のあるナイトクラブに行くことを教えられた。ボンドはそこにスカラマンガを発見できなかったが、黄金の弾丸をぶち込まれた死体に出くわした。男はギブソンといい太陽エネルギーの研究家で世界のエネルギー危機を解決する“ソレックス・アジテイター”なる装置を開発した直後に行方不明になっていた。ボンドは、ギブソンの最後の雇主である大金持の中国人実業家ハイ・ファット(R・ルー)をタイに訪ねた。屋敷に忍び込んだボンドを待っていたのは二人の大男のレスラーと小人の召使いニックナック(H・ビレシェーズ)だった。大格闘の末、ボンドはノックアウトされたが、危機一髪で難をまぬがれた。やがてボンドは、スカラマンガが彼を殺す契約などしていないことをMから知らされる。ボンドに黄金の弾丸を送ったのはアンドレアだった。スカラマンガから逃げられなくなっていた彼女は、ボンドに彼を殺させようとしたのだ。その代償として“ソレックス・アジテイター”を渡すという。だが彼女もキック・ボクシング会場のバンコック・スタジアムで殺されてしまう。ボンドはセスナに乗って、スカラマンガの本拠地であるタイのプーケット島に乗り込み、一対一の死闘の末スカラマンガを倒した。ボンドとグッドナイトは“ソレックス”を持って魔の島の罠をくぐり抜け、無事脱出。魔の島をあとに香港へ向かって出航した。




32-16. バラバ (Barabbas)  

監督 リチャード・フライシャー
出演 アンソニー・クインシルヴァーナ・マンガーノアーサー・ケネディカティ・フラードハリー・アンドリュース
1962年・イタリア (コロムビア)

解説
スウェーデンの作家ペール・ラーゲルクヴィストの一九五一年度ノーベル文学賞受賞小説の映画化で、聖書に出てくる盗賊バラバの半生を描いたもの。脚色は英国の劇作家クリストファー・フライ、監督は 「ヴァイキング」 のリチャード・フライシャー、撮影は 「アイ・ラブ、ユー・ラブ」 のアルド・トンティ、音楽は 「鞄を持った女」 のマリオ・ナシンベーネ。出演は 「ナバロンの要塞」 のアンソニー・クイン、 「五人の札つき娘」 のシルヴァーナ・マンガーノ、 「奇蹟」 のヴィットリオ・ガスマン、 「シェーン」 のジャック・パランス、 「エルマー・ガントリー」 のアーサー・ケネディ、 「片目のジャック」 のカティ・フラード、特別出演として 「蒼い渚」 のアーネスト・ボーグナイン、それにマンガーノの弟ロイ・マンガーノがキリスト役で初出演。製作ディノ・デ・ラウレンティス。テクニカラー・テクニラマ70。

ストーリー
二千年前のエルサレム。ここには年に一度、ユダヤ民衆の指名によって罪びとを一人処刑するとき、重罪人を一人だけ釈放するならわしがあった。今年はキリストが礫刑に処せられることになり、ローマのユダヤ総督ピラト(アーサー・ケネディ)は民衆の声を聞き入れ、盗賊バラバ(アンソニー・クイン)に自由を与えた。釈放されたバラバが町の酒場で昔の仲間に歓迎されているところへ彼の女ラケル(シルヴァーナ・マンガーノ)が入ってきた。それからどれだけの時間を経たか??バラバは、まだ昼間なのに、あたりが闇に包まれていることに気づいた。キリストの死を悲しんでか太陽が光を失ったのだ。バラバは何かにひかれるようにゴルゴダの丘へ向かった。キリストの死後、信者になっていたラケルも捕えられて処刑された。この出来事にバラバは再び狂暴化、間もなく捕えられ、シシリーの硫黄鉱に流刑となった。ガスの渦巻く地獄のような地下での労役。多くの囚人が生命を失った。が、バラバとキリスト教徒サハク(ヴィットリオ・ガスマン)だけは生きのびた。不死身の二人の話を聞いた州総督夫妻は、二人を闘士養成所へ入れた。ところがサハクは闘技場で相手を殺すことを拒み反逆罪に問われ、隊長のトルヴァド(ジャック・パランス)に処刑された。怒ったバラバはトルヴァドと対決、彼を倒した。皇帝はバラバに自由を与えた。バラバはサハクをキリスト教徒の地下墓地に葬った。その直後、ローマの炎上が始まった。キリスト教徒の反乱だと信じたバラバは、このとき神の声を聞いたように思った。今こそ古きものを焼き払うのだ。彼は狂ったように火をつけて回った。そしてまた捕えられた。八百のキリスト教徒とともに十字架にかけられたバラバは「私の魂をおそばにお召し下さい」と静かに神に願うのだった。




32-17. 007/私を愛したスパイ (吹替)

監督 ルイス・ギルバート
出演 ロジャー・ムーアバーバラ・バッククルト・ユルゲンスリチャード・キールキャロライン・マンロー
1977年・イギリス (ユナイト)

解説
KGBの美女スパイと共に敵地へ乗り込んでいくJ・ボンドの姿を描く 「007」 シリーズ第10弾。製作はアルバート・R・ブロッコリ、監督は 「暁の7人」 のルイス・ギルバート、脚本はクリストファー・ウッドとリチャード・メイバウム(ノヴェライゼーション/クリストファー・ウッド著 「新わたしを愛したスパイ」 早川書房刊)、原作はイアン・フレミングの 「わたしを愛したスパイ」 (早川書房刊)、撮影はクロード・ルノワール、音楽はマーヴィン・ハムリッシュが各々担当。主題歌をカーリー・サイモンが唄っている。出演はロジャー・ムーア、バーバラ・バック、クルト・ユルゲンス、リチャード・キール、キャロライン・マンロー、バーナード・リー、デズモンド・ルウェリン、ウォルター・ゴテル、スー・ヴァナーなど。

ストーリー
波静かな地中海でイギリスの原潜が姿を消した−−。さて、こちらはアルプスの山小屋。娘(スー・ヴァナー)と休暇を楽しんでいたJ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、上司M(バーナード・リー)から緊急指令を受けた。そして同じ頃、モスクワのKGBでは、美人スパイのアニヤ(バーバラ・バック)が、上司ゴゴール(ウォルター・ゴテル)より、最近行方不明になったソビエトの原潜の探索を命じられる。何者かが戦略用に原潜航跡追跡システムを開発したらしい。早速ボンドは、このシステムのマイクロ・フィルムを追ってエジプトに飛んだ。一方、何者か−−つまり地中海のある島沖の海底に本拠地を持つカール(クルト・ユルゲンス)が、マイクロ・フィルムを持ち出した裏切者を殺すためジョーズ(リチャード・キール)をさし向ける。やがて、マイクロ・フィルムを手にしたジョーズを追って、ボンドとアニヤが別々に砂漠を走り、ある寺院でボンドはマイクロ・フィルムを手に入れたが、もはや役に立たないものであった。初めは敵対していたボンドとアニヤであったが、2人に共通の敵がいると分かった今、2人は手を結び、カールの情婦ナオミ(キャロライン・マンロー)の攻撃もかわして、カールの本拠地へ向かう。やがて、カールの前に海洋学者として姿を現わした2人だが、すでに2人の正体は露見していた。一方、独自の調査をしていたアメリカ海軍は、カールの持つ巨大タンカー“リパラス”に攻撃をかけ、船内に、2船の行方不明の原潜があるのを発見。ボンドもこの戦いに加わり、勝利をおさめるが、カールはアニヤを連れ、海底要塞に逃げていた。海軍は要塞に魚雷攻撃をかけ、カールを葬り、そして立ちふさがるジョーズをまかすボンド。今、崩れ始めた要塞の浸水の中を、一組のカップルとして脱出するボンドとアニヤの姿があった−−。




32-18. 007/ムーンレイカー (吹替)

監督 ルイス・ギルバート
出演 ロジャー・ムーアロイス・チャイルズミシェル・ロンダールリチャード・キールコリンヌ・クレリー
1979年・イギリス (ユナイト)

解説
ハイジャックされた有人宇宙連絡船“ムーンレイカー”をめぐって、ジェームズ・ボンドがベニス、リオ、アマゾンそして大宇宙へと飛び出し、地球人類抹殺を企む謎の組織に挑むシリーズ11作目。製作はアルバート・R・ブロッコリ、監督は 「暁の7人」 のルイス・ギルバート、イアン・フレミングの原作を基にクリストファー・ウッドが脚色。撮影はジャン・トゥルニエ、音楽はジョン・バリー、編集はジョン・グレン、製作デザインはケン・アダム、視覚効果はデレク・メディングス、スタント・アレンジャーはボブ・シモンズが各々担当。出演はロジャー・ムーア、ロイス・チャイルズ、ミシェル・ロンダール、リチャード・キール、コリンヌ・クレリー、バーナード・リー、ジェフリー・キーン、デズモンド・ルウェリン、ロイス・マックスウェル、エミリー・ボルトン、トシロー・スガなど。

ストーリー
アメリカからイギリスへ空輸中のスペース・シャトル“ムーンレイカー”が、アラスカ上空で突如何者かにハイジャックされた。捜査を委任された英国情報部は、007ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)を任務に当てた。早速、上司M(バーナード・リー)から事件の背後に浮かぶ謎の大物について聞かされ、彼は現地に飛んだ。その人物とは、独自の力で米国西部に宇宙センターを築き、NASA(米航空宇宙局)に協力して“ムーンレイカー”を開発、製造してきた謎の科学者ドラックス(ミシェル・ロンダール)だ。出迎えの女秘書コリンヌ(コリンヌ・クレリー)の操縦するヘリで降り立ったボンドの前に、不気味なカリスマ的ムードのドラックスが姿を現わした。センター内を案内されたボンドは、そこでNASAの協力員として研究に従事する女性科学者ホリー(ロイス・チャイルズ)と会った。その夜、ボンドは色仕掛けでコリンヌに迫り、ドラックスの書斎に侵入し、事件のカギとみられるマイクロ・フィルム撮影に成功した。しかし、手をかしたコリンヌは翌日猛犬のエジキにされた。フィルムに写っていたガラス店をたよりにベニスに飛んだボンドは、そこでドラックスの指命を受けた殺し屋たちに襲われ、猛烈なカー・チェイスを展開する。敵を倒すと、昼間目をつけておいたガラス店奥の秘密ラボに潜り、そこで貴重と思われる薬品のサンプルを手にした彼は、ドラックスの部下チャン(トシロー・スガ)の攻撃をかわし、同じくベニスに来ていたホリーの宿泊先へと押しかけた。ボンドは、そこで彼女がCIAのスパイであることを見破った。翌日、ロンドンから急行したMらの立ち合いのもとで、秘密ラボの現場検証が行なわれるが、それはドラックスらの陰謀により、跡形もなくなっていた。残る手がかりは、ガラス店にあったリオからの貨物便だ。現地に向かったボンドは、ドラックス産業系列の輸出入会社C&Wの慌しい動きを監視するが、その頃彼と同じ行動をホリーもとっていた。互いに牽制しながらも行動を共にしていた2人は、シュガーロー山をケーブルで下山している途中、チャンの亡き後に雇われたジョーズ(リチャード・キール)に襲われ、ホリーが敵に捕えられてしまう。リオの情報部出先に出頭したボンドは、Mから謎の毒ガスが、アマゾン上流で採れる黒蘭から抽出した特殊神経ガスであることを知らされた。秘境に向かったボンドを、またもやジョーズが襲った。危機を脱したボンドの前に、一人の美女が現われ、彼を巨大な古代遺跡群に案内した。その地下にあるとてつもなく広がる宇宙基地こそ、敵の牙城だった。彼らは動植物を除いて地球人類を抹殺し、選ばれた新人類による帝国を築こうとしていた。ボンドとホリーを閉じこめ毒ガスカプセルを積んだムーンレイカーがドラックスと新人類を乗せて飛び立った。そして辛くも脱出に成功したボンドとホリーも6号機を奪い、宇宙へ飛び立った。巨大な宇宙ステーションにドッキングした2人は、スキを見てステーションの位置をNASAに知らせた。しかし、それに気がついたドラックスはすかさず地球へ向けて毒ガス・カプセルを投下した。再び捕われの身になった2人は、ドラックスの新人類計画の盲点を衝いてドラックスとジョーズの引き離しに成功。その時、ボンドら救出のために駆けつけたコマンド部隊がドラックスの配下たちと戦闘を展開した。ボンドはドラックスを追いつめ、彼を宇宙の永遠の塵に変えてしまう。そして爆発寸前のステーションから無傷のムーンレイカーにホリーともども乗り移り、投下された毒ガスの追跡を開始した。そして、すべてを壊滅させ、人類絶滅の危機から救うのだった。




32-19. シェルブールの雨傘 (Les parapluies de Cherbourg)  

監督 ジャック・ドゥミー
出演 カトリーヌ・ドヌーヴニーノ・カステルヌオーボマルク・ミシェルアンヌ・ヴェルノンエレン・ファルナー
1964年・フランス (東和) 91分

解説
カトリーヌ・ドヌーヴ主演。 「新・七つの大罪」 (淫乱の罪)のジャック・ドゥミーがシナリオを執筆、自ら演出したミュージカル。戦争によって引き裂かれた男女の切ない運命をつづる。2009年1月31日(土)デジタルリマスター版にて再上映。

ストーリー
五七年十一月。ジェヌビエーブ(カトリーヌ・ドヌーヴ)はシェルブールの雨傘屋の娘で、近くのガレージに勤める恋人ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)を、深く愛していた。ある日ギイに召集令状が来て、二年間の義務兵役に発つことになった。その夜、二人は求めあった。五七年十二月。雨傘屋の不況で、エムリー夫人(アンヌ・ヴェルノン)は自分の宝石を売ることにした。高級宝石商カサール氏がそれを買いとったのは娘のジェヌビエーブの美しさに魅せられたからだった。五八年一月。ギイからの便りはなかった。そしてジェヌビエーブの体には愛の果実が宿った。彼女がギイを待つ心には、少しの曇りもなかった。そんなとき、カサールはエムリー夫人に、ジェヌビエーブとの結婚を申し込んだ。五八年三月。ジェヌビエーブの心の中に、カサールの姿が少しずつ刻みこまれていった。ギイからは何の音沙汰もないのだ。それにカサールはお腹の子までひきとろうというのだ。五八年六月。カサールとジェヌビエーブは結婚した。五九年三月。ギイが帰って来た。戦闘で負傷した足をひきずって。恋人の結婚を知り、深く悲しんだ。足が不自由な彼は、仕事のミスから失職した。街を歩いても思い出の傘屋もいまは閉じられたまま。孤独が身にしみた……。五九年四月。ギイの育ての母が死んだ。五九年三月。その母の娘マドレーヌとギイは結婚した。いくばくかの遺産で、彼等はガソリン・スタンドを買った。六二年十二月。雪のイヴ。ギイとマドレーヌは子供も出来て幸せだった。その日の暮れ方、ギイ一人が店にいるとき、ベンツが停った。運転している女性がかつての恋人であることをさとった。懐しかった。エムリー夫人は亡くなったという。彼女が車に乗せている女の子を「あなたに似てるわ……」それ以上の言葉は交さなかった。さりげない別れ……いまはギイもジェヌビエーブもそれぞれ幸福なのだ。




32-20. 007/ユア・アイズ・オンリー (吹替)

監督 ジョン・グレン
出演 ロジャー・ムーアキャロル・ブーケトポルリン・ホリー・ジョンソンジュリアン・グローヴァー
1981年・イギリス、アメリカ (ユナイト) 93/128分

解説
東西両陣営のパワー・バランスを突き崩す秘密兵器“ATAC”の行方を追って英国のスーパー・エージェント、ジェームズ・ボンドが活躍するアクション映画で、これはシリーズ第12作目に当たる。製作総指揮はマイケル・G・ウィルソン、製作はアルバート・R・ブロッコリ、監督は編集・アクション監督出身のジョン・グレン。イアン・フレミングの原作を基にリチャード・メイバウムとマイケル・ウィルソンが脚色。撮影はアラン・ヒューム、音楽はビル・コンティ、編集はジョン・グローヴァー、製作デザインはピーター・ラモント、衣装はエリザベス・ウォラー、特殊効果はデレク・メディングスが各々担当。出演はロジャー・ムーア、キャロル・ブーケ、トポル、リン・ホリー・ジョンソン、ジュリアン・グローヴァー、カサンドラ・ハリス、ジル・ベネット、マイケル・ゴザード、ジョン・ワイマン、ステファン・カリファなど。

ストーリー
ギリシャ・コルフ島沖イオニア海で、英国電子情報収集船が事故で沈没し、船に積まれていたATAC(超低周発信機)を引き上げる作業を、イギリス海軍情報部は、海軍退役将校で海洋考古学者であるティモシー・ハブロック卿に依頼した。ATACは、原子力潜水艦からのミサイル攻撃を目的地に誘導するトップ・シークレットで、東側に渡れば、軍事バランスが逆転するのは明らかだ。しかし、ハブロックの一人娘で、潜水のベテラン、メリナ(キャロル・ブーケ)が、両親に協力しようと訪れた時、水上機でやってきた何者かによってハブロック夫妻が銃撃された。惨殺された両親の復讐を決意するメリナ。やがて、この事件解決を命じられたジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)が、犯人とみられるパイロット、ゴンザレス(ステファン・カリファ)を調査するためマドリッドヘ飛んだ。しかし、ゴンザレスは、メリナの復讐の矢のもとに絶命し、ボンドは、殺し屋ロック(マイケル・ゴザード)にひきいられた一団に命を狙われる。ゴンザレスもこの一味の一人だったのだ。ロンドンに帰ったボンドは、ロックの身許を調べ、彼が北イタリアのスキー・リゾート、コルチナ・ダンペッツォにいることをつきとめる。現地に向かったボンドは、そこでギリシア人富豪クリスタトス(ジュリアン・グローヴァー)に近づく。彼は、美少女ビビ(リン・ホリー・ジョンソン)のパトロンで、次期冬期オリンピックのフィギュア種目で彼女に金メダルを取らせようと特訓させていた。コルチナヘは、メリナも来ていたが、彼女は、ロックの配下の殺し屋たちに命を狙われボンドに救われた。やがて、ボンドとメリナは、コルフ島に行き、そこでボンドは、クリスタトスのビジネス上のライバル、密輸業者のコロンボ(トポル)に会った。彼から、クリスタトスがATACをソ連に売ろうとしていることを聞いたボンドはメリナと共に海底を探作し、ATACを発見。しかし、浮上した二人をクリスタトス一味が襲いATACは奪われてしまった。二人はコロンボの応援を得て、クリスタトスのアジトのあるギリシャのメテオラ山ヘと向かった。敵の攻撃をくぐり、山頂に辿りついたボンドら一行はクリスタトスを倒すが、途中コロンボが傷つく。ATACを取り戻す寸前に、しかしやって来たソ連側との間で再び奪い合いがおこる。ボンドはやっと取り戻し、それを断崖から投げ落とした。それを見て、ソ連側はひきあげてゆくのだった。




32-21. ロシュフォールの恋人たち (Les Demoiselles De Rochefort)  

監督 ジャック・ドゥミー
出演 カトリーヌ・ドヌーヴフランソワーズ・ドルレアックジョージ・チャキリスジーン・ケリージャック・ペラン
1966年・フランス (東和=タイヘイフィルム) 127分

解説
シェルブールの雨傘」 のジャック・ドゥミーが脚本・監督したミュージカル。撮影はギスラン・クロケ、作詞は監督のジャック・ドゥミー、作曲は 「シェルブールの雨傘」 のミシェル・ルグランが担当した。主なミュージカル・ナンバーは 「デルフィーヌとソランジュ姉妹の歌」 「マクザンヌの愛の歌」 「イボンヌの愛の歌」 「キャラバン隊の歌」 など十四曲。美術はベルナール・エバン、振付はノーマン・メーン、衣裳デザインはジャクリーヌ・モローとマリー・クロード・フーケがそれぞれ担当した。出演は 「反撥」 のカトリーヌ・ドヌーヴ、 「スパイがいっぱい」 のフランソワーズ・ドルレアク、 「パリは燃えているか」 のジョージ・チャキリス、 「フランス式十戒」 のダニエル・ダリュー、 「巴里のアメリカ人」 のジーン・ケリー、 「家族日誌」 のジャック・ペラン。 「獲物の分け前」 のミシェル・ピッコリほか。イーストマンカラー、70ミリ・フランスコープ。

ストーリー
フランス西南部の海辺の街ロシュフォールは、年に一度の海の祭を二日後にひかえて、陽気に浮き立っていた。青く澄んだ空、緑の樹々、白い壁、こんな街では誰もが恋をし、生きる歓びにひたっていても不思議ではなかった。美しい双児の姉妹のソランジュ(F・ドルレアック)とデルフィーヌ(C・ドヌーブ)は希望に燃え、自分の道を歩んでいた。ソランジュは音楽家を、デルフィーヌはバレリーナを志していたが、彼女たちにはもう一つの夢があった。それはいつの日にか、素晴らしい恋人にめぐり逢うことだった。また姉妹の母親イボンヌ(D・ダリュー)はカフェーの女主人で、彼女の気さくな人柄は大勢の客をすぐ馴染ませてしまうのだった。常連の中には、祭の見本市でオートバイの曲乗りを見せるというエチアンヌ(G・チャキリス)とビルの二人組や、絵の好きな水兵のマクザンス(J・ペラン)がいた。お祭の日がやってきた。広場にはたくさんの舞台が組立てられ、趣向をこらしたショウが次々にくりひろげられた。ソランジュとデルフィーヌの姉妹も、エチアンヌ、ビルの二人組と一緒に舞台に立ち、オートバイの曲乗りのあとで、歌と踊りを披露した。エチアンヌとビルは、これからも一緒に仕事をして歩けばパリにも行かれると、姉妹を誘った。彼女らはパリへ行って大芸術家になろう。また恋人にめぐりあえるかもしれないと心を決めた。だが青い鳥はすぐ近くにいるもので、ソランジュは以前、通りで見かけた魅力的な青年アンディ(G・ケリー)に再会出来た。イボンヌも十年ごしの恋人で楽器店を経営するダーム氏(M・ピッコリ)と結ばれた。デルフィーヌは幸福そうなソランジュたちと別れ、エチアンヌやビルと一緒にパリへ向った。




f32-22. ネバーセイ・ネバーアゲイン (吹替)

監督 アーヴィン・カーシュナー
出演 ショーン・コネリークラウス・マリア・ブランダウアーマックス・フォン・シドーバーバラ・カレラキム・ベイシンガー
1983年・アメリカ (日本ヘラルド映画) 130分

解説
スペクターによって奪われた核ミサイルを、英国情報部員ジェームズ・ボンドが取りもどすまでを描くアクション映画。イアン・フレミング著 「サンダーボール」 (早川ポケットミ・ステリ)の映画化権を持つケヴィン・マクローリーが、その権利をジャック・シュワーツマンに売り、シュワーツマンが製作に当った。マクローリーはエグゼクティヴ・プロデューサーとクレジットされているが、名前だけで製作にはタッチしていない。監督は 「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」 (80)のアーヴィン・カーシュナー。脚本はロレンゾ・センプル・ジュニア、撮影はダグラス・スローカム、音楽はミシェル・ルグランが担当した。主題歌をラニ・ホールが歌っている。第2班監督はミッキー・ムーア、水中場面監督はリコウ・ブラウニングがつとめている。出演は 「007/ダイヤモンドは永遠に」 (71)以来12年振りにボンド役を演じるショーン・コネリーの他に、クラウス・マリア・ブランダウアー、バーバラ・カレラ、マックス・フィン・シドー、キム・べイシンガー、バーニー・ケーシーなど。パナビジョンで撮影。日本版字幕は戸田奈津子。テクニカラー、シネスコサイズ。1983年作品。

ストーリー
ジャングルにある要塞に侵入するジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)。彼は敏捷な行動で敵を倒し、捕らわれの身となっている若い女性のところへ行く。彼女をたすけ起こそうとした時、彼女は隠し持っていたナイフで彼を刺す。以上は訓練の一つで、それを記録したビデオ・テープを見ながら、新しいMは言う。「私は前任者ほど君を買っていない。スパイ学校で講師をしている間に君の身体はなまったらしいな。シュラブランド療養所に行き、鍛え直したまえ」。一方、対謀報・テロ・復讐・強要機関スペクターは部下を集め、首領のブロフェルド(マックス・フィン・シドー)が、新たなる謀略行動アラーの涙作戦2を発表する。実行にあたる部下 No.1のラルゴ(クラウス・マリア・ブラウンダウアー)が、TVスクリーンを通じ、「我々は在英米軍のジャック・ペタチ大尉を手なづけた。彼の右目の眼球反応は大統領と一致するように手術して、最終訓練をシュラブランドで行なうことにしている」と説明する。シュラブランドにやって来たボンドは厳しいトレーニングを受けつつ、持ち前の性的魅力を発揮して美人の療法士とベッドイン。ある夜彼は1人の患者のあやしげな行動を見て、部屋を覗き込む。その患者こそペタチで、看護しているのはスペクターの女殺し屋ファティマ(バーバラ・カレラ)だった。見られたことを知ったファティマは、巨漢の殺し屋をさしむけた。激しい乱闘の末にボンドは敵をやっつける。ペタチは基地にもどると、大統領でなければ出せない核ミサイル発射命令を眼球反応が同じことを利用してコンピューターに命じた。ミサイルは基地を発射し、途中で海中に降下し、スペクターのフロッグマンが回収した。そして、スペクターはNAT0諸国に、年間石油購入予算の25%相当の金を渡せ、さもなければ、7日後にミサイル2機を爆破すると脅迫。ペタチはファティマの手で始末された。Mはボンドにミサイル回収を命じる。ボンドはペタチの部屋で見たヤマ型マークを手掛りに、そのマークが東欧出身の大富豪ラルゴのトレード・マークであることをつきとめた。新兵器開発担当のアルジーの作った特製万年筆銃を持って、ボンドはバハマに飛ぶ。ここにラルゴの豪華ヨット空飛ぶ円盤号が停泊しているのだ。ラルゴは愛人のドミノ・ペタチ(キム・ベイシンガー)にアラーの涙というペンダントを与え、「裏切ったら喉を裂く」という。ボンドの姿を見たファティマは彼を誘って海へ出る。2人はヨットのなかでメイク・ラヴ。やがて海へ潜り、ファティマはボンドのウェット.スーツに鮫を呼びよせる発信器をくっつける。鮫に襲われたボンドは危ういところで難をさけ、セックスポットのボートに救出された。ホテルで生きているボンドを見たファティマは、彼の部屋に爆弾を仕掛けたが、彼はセックスポットの部屋で抱き合っていたので無事。ニースに向かったラルゴを追ってボンドも南仏へ。そこで友人のCIA局員フェリックス・レイターと英情報部員ニコールに出会う。豪華なカジノで、ボンドとラルゴは初めて対面した・ドミノとタンゴを踊り、彼女に「君の兄はラルゴに殺された」と告げるボンド。ファティマによってニコールが殺された。彼女を特製オートバイでボンドが追いかけ、激しいカー・チェースの末に万年筆銃で倒した。空飛ぶ円盤号に忍び込んだボンドをラルゴが歓待する。コンピューター室で見たアラーの涙という文句がボンドの脳裏に焼きつく。ヨットはアフリカのパルマイラにあるラルゴの別宅につく。ここは中世以来の砦になっていた。ラルゴは2人を鎖でしばり、ミサイルの1つはワシントンにあるといって去る。ボンドは特製レーザー時計で鎖を切り、ドミノを救出すると馬に乗ったまま砦の城壁から海中へ。ただちにレイターが2人を救出。ワシントンのミサイルは発見された。残る1つはどこに? パルマイラ湾が、ドミノのペンダントの模様に似ている。よくみると、その模様は地図になっており、海底の洞窟には古代の神殿があった。ここには油田が埋蔵している。もし爆破されれば、被害は甚大だ。ボンドはレイターやCIA局員らと中に潜入して、スペクター一味と闘う。逃げ出したラルゴとボンドは海中で争い、ボンド危うしという時、ドミノの放った水中銛がラルゴに命中。ミサイルの爆破装置も解除されて、世界に平和がもどった。




32-23. 007/オクトパシー (吹替)

監督 ジョン・グレン
出演 ロジャー・ムーアモード・アダムスルイ・ジュールダンクリスティーナ・ウェイボーンスティーヴン・バーコフ
1983年・イギリス (MGM=UA=CIC) 130分

解説
米軍基地爆破を企む悪人たちの謀略に挑む英国情報部員ジェームス・ボンド。62年の 「ドクター・ノオ」 以来、シリーズ化されたボンド活躍譚もこの作品で13本目になる。製作はシリーズ全作品を手掛けているアルバート・R・ブロッコリ。エグゼキュティヴ・プロデユーサーはマイケル・G・ウィルソン。監督は前作 「007/ユア・アイズ・オンリー」 (81)に引きつづきジョン・グレン。イアン・フレミングの短編小説とオリジナル・キャラクターに基づいて、作家で 「三・四銃士」 の脚本家であるジョージ・マクドナルド・フレーザーが脚色。その脚本をリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが全面的に書き直して映画台本にした。撮影はアラン・ヒューム。音楽のジョン・バリー、メイン・タイトル・デザイナーのモーリス・バインダー、プロダクション・デザイナーのピーター・ラモントの三人は、ボンド・シリーズの常連。主題歌の 「オール・タイム・ハイ」 をリタ・クーリッジが歌っている。特殊効果はジョン・リチャードソン、編集はジョン・グローヴァーが担当。出演は、この映画で六回目のボンド役になるロジャー・ムーア、 「007/黄金銃を持つ男」 (74)についで二度目のボンド映画出演になるモード・アダムス、ルイ・ジュールダン、クリスティーナ・ウェイボーン、スティーヴン・バーコフ、カビール・ベディ、ヴィジャイ・アムリトラジ、 「007/ユア・アイズ・オンリー」 のウォルター・ゴテル、ミス・マネーペニー役で唯ひとりシリーズ全作品に出ているロイス・マックスウェルなど。テクニカラー(プリントはメトロカラー)、パナビジョン。

ストーリー
中南米の某国。軍事基地に潜入した英国情報部員ジェームス・ボンド(ロジャー・ムーア)は、いったんは捕われるが、一瞬のスキをついて脱出。特製小型ジェット機アクロスターを操縦し、敵のミサイルとの空中チェイスの末に、格納庫をすり抜け、ミサイルは格納庫で爆破した。一方、ベルリンでは009が、イギリス大使館に倒れ込み息をひき取る。手からころげおちたのが、偽のファベルジュ・エッグ。本物はロンドンで競売にふされることになっている。M(ロバート・ブラウン)に009の仕事を引きつぐよう命せられたボンドは、競売場でエッグをインドの王族カマル・カーノ(ルイ・ジュールダン)とせりあいスキをみて、本物を偽物とすり換える。そうとは知らずに、カマルは偽物をせり落して引きあげた。その頃、クレムリンでは、ゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)の宥和政策を、オーロフ将軍(スティーヴン・バーコフ)が批難し攻撃を主張していた。ボンドはカマルの後を追って、インドのウダイプールに行き、現地情報部員ヴィジャイ(ヴィジャイ・アムリトラジ)に出迎えられる。ボンドの出現をあやしんだカマルは、殺し屋ゴビンダ(カビール・ベディ)を派遣するが、ボンドは雑踏の中でみごとに撃退し、秘密のアジトで、Q(デズモンド・ルウェリン)から小型電波受信器などを受けとった。カマルの愛人マグダ(クリスティーナ・ウェイボーン)がボンドに接近し、ベッドをともにする。マグダは小型電波発信器をしくんだ偽のエッグを盗んで逃げ出す。ボンドは後頭部を一撃されて失神、気づいた時には、山の頂上にある宮殿にとじ込められていた。ソ連のヘリがやってきて、オーロフが降り立つ。受信器から、「クレムリンの宝石」「ベルリンのカールマルクスシュタット」といった言葉が聞こえてくる。ボンドは死体の袋に入って宮殿を脱出。カマルは象に乗って、ボンドを追撃する。あやうく、ボンドは観光船に逃げ込む。ボンドはマグダの肌に彫られていたタコの刺青から、オクトパシーという女の存在を知る。彼女はカマルのパートナーで、オクトパシー・サーカスのオーナーだという。オクトパシーの住む小島の宮殿に侵入するボンド。オクトパシー(モード・アダムス)は、公金を横領し自殺した情報部員の娘だった。ボンドは彼女から情報をひきだそうと、ベッドヘ誘う。そこヘ、不気味な殺し屋たちが、襲撃してきた。死闘の末に、彼らの息の根を止めたボンドは、ベルリンに向かう。カールマルクスシュタットではオクトパシー・サーカスが興行していた。カマル、オクトパシー、オーロフらは、クレムリンの宝石を偽物とすり換え、サーカスを隠れみのにして国境を越えようとしているのだった。しかし、実はカマルとオーロフは次の興行地であるフェルトシュタットの米軍基地で核弾頭を爆破させようとしていた。米の威信が失墜すれば、ソ連が有利になるという考えからだ。オーロフは、しかし、ゴーゴルに追われて死亡する。ボンドはフェルトシュタットの米軍基地に突入し、危ういところで核弾頭から時限装置をとりはずす。一足早くインドに逃げ帰ったカマルの裏切りを怒ったオクトパシーは、輩下のオクトパシー・ガールズとともに山の宮殿を襲撃。熱気球にのってQとボンドがやって来た。オクトパシーを人質にしてカマルは軽飛行機で逃走。ボンドは軽飛行機にとびつき、ゴビンダを翼の上で激闘の末に倒し、オクトパシーを救出。軽飛行機は操縦不能になり、カマルをのせたまま墜落し炎上する。




32-24. 007/美しき獲物たち (吹替)

監督 ジョン・グレン
出演 ロジャー・ムーアクリストファー・ウォーケンタニア・ロバーツグレース・ジョーンズパトリック・マクニー
1985年・イギリス (MGM=UA=UIP) 122分

解説
地球破壊を狙う実業家ゾリンとイギリスの諜報部員ジェームズ・ボンドの対決を描くスパイ・アクション。“007”シリーズ第14作目。製作はアルバート・R・ブロッコリ。エグゼキュティヴ・プロデューサーはマイケル・G・ウィルソン。監督は 「オクトパシー」 のジョン・グレン。イアン・フレミングの原作を基にリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソンが脚色。撮影はアラン・ヒューム、音楽はジョン・バリー、主題歌はデュラン・デュランが担当。出演はロジャー・ムーアなど。

ストーリー
極寒のロシア氷河からの脱出に成功してイギリスに戻った諜報員“007”ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、休む間もなく、M(ロバート・ブラウン)と国防相に呼ばれた。英国が開発した防衛システムに不可欠のマイクロチップが奪われたが、どうやらKGBが関係しているらしいというのだ。早速調査を依頼されたボンドは、その事件に、大富豪のマックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)が関わっていることをキャッチ、ゾリンをマークすることにする。彼は石油で大もうけし、それを基にエレクトロニクスと高度技術を開発し、さらに競馬で巨大な財産を築いた実業家であり、一方では反共産主義者として知られていた。ロイヤル・アスコット競馬場でゾリンの持ち馬が次々と勝ち続けるのを目にするボンド。フランスの競馬クラブが、ゾリンの勝ち方に疑問をもち探偵オーベルジン(ジャン・ルジュリ)を雇って調査にのり出すが、オーベルジンは何者かの手によって殺された。Mから紹介されたチベット(パトリック・マクニー)と共にゾリンの種馬飼育場に乗り込むことに成功したボンドは、そこでゾリンの忠実な部下、スカーピン(パトリック・ボーショウ)や飼育コンサルタントのカール・モートナー博士(ウィロビー・グレイ)等に会った。ゾリンの所有する豪華な城での種馬オークションが終了すると、ミステリアスなアメリカ美女、ステイシー・サットン(タニア・ロバーツ)が到着。ボンドは彼女に500万ドルの小切手が渡されるのを見た。その夜、ボンドとチベットは、ゾリンの馬が勝つ秘密を知り、さらに木箱につめられたマイクロチップを目撃する。しかし、チベットは、ゾリンの片腕、メーデー(グレース・ジョーンズ)に殺され、ボンドもピンチに遭う。一方、ゴーゴル将軍(ウォルター・ゴテル)は、ゾリンが反ソに転向したもとKGBのスパイであることをつきとめた。サンフランシスコ郊外にあるシリコン・バレーを破壊して、一挙に電子科学の分野を制圧、世界を征服しようと企みアメリカに渡ったゾリンを追うボンド。ステイシーは市の地質に関する資料をゾリンに提供していたのだが、ゾリンの正体を知らされた彼女はボンドの目の前で13億円もの小切手を破り捨て、二人はシリコン・バレーへと急ぐ。シリコン・バレーの地下鉱山では、大爆発の準備が進められていた。ゾリンはそこで側近以外の部下をすべて射殺。裏切られたと知ったメーデーはボンドらに協力し、自らは爆裂死を遂げる。ステイシーを人質にしたゾリンは飛行船で逃げるが、金門橋上で遂にボンドと格闘することになり、激闘の末、ゾリンは滅びた。




32-25. 007/リビング・デイライツ (吹替)

監督 ジョン・グレン
出演 ティモシー・ダルトンマリアム・ダボジョー・ドン・ベイカーアート・マリクジェローン・クラッペ
1987年・イギリス (UA=UIP) 132分

解説
英国情報員ジェームズ・ボンドの活躍を描くシリーズ第15弾。製作はアルバート・R・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソン、監督は 「007/美しき獲物たち」 のジョン・グレン、原作はイアン・フレミング、脚本はリチャード・メイバウムとマイケル・G・ウィルソン、撮影はアレック・ミルズ、音楽はジョン・バリーが担当。主題歌はA・H・Aが唄っている。出演は四代目ボンドにティモシー・ダルトン、マリアム・ダボ、ジョー・ドン・ベイカーほか。

ストーリー
欧州での東西の情報戦が熾烈を極めるなか、KGB高官コスコフ将軍(ジェローン・クラッペ)が亡命を望んでることを知ったボンド(ティモシー・ダルトン)は、チェコに飛んで、計画を実行。美しきチェリストのカーラ(マリアム・ダボ)の妨害にあうが、亡命は成功。英国に渡ったコスコフは、M(ロバート・ブラウン)と国防大臣(ジェフリー・キーン)に西側スパイ暗殺計画の情報を提供。KGB現長官プーシキン(ジョン・リス・デイヴィス)が指揮するその計画を阻止するために、ボンドはタンジールに向かった。むろん、ミス・マネーペニー(キャロライン・ブリス)やQ(デスモンド・ルウェリン)のはげましと、助力(秘密兵器)を得てだ。ウィーンでカーラと出会い、彼女がKGBに追われているのを知るボンドは、英国より脱出したコスコフが国際的武器商人ウイティカー(ジョー・ドン・ベイカー)とつながりがあるのをつきとめる。ダイヤと麻薬をさばいて巨額の富をきずいていた彼ら。プーシキンとボンドは手を組み、一計をはかるが、ボンドとカーラはつかまり、ウイティカーらにアフガニスタンに連行される。しかし、反共ゲリラに助けられたボンドらは、ウイティカーの計画??欧州最大大麻産出地帯よりの五千万ドル、五千キロの麻薬取引きを阻止する。陸から空ヘの大攻防戦の末、かくして、悪党どもの計画はつぶれ、ボンドのスーパー・ヒーローぶりが改めてみとめられるのだった。




32-26. 007/消されたライセンス (吹替)

監督 ジョン・グレン
出演 ティモシー・ダルトンキャリー・ロウエルロバート・ダヴィタリサ・ソトアンソニー・ザーブ
1989年・イギリス (ユナイト=UIP) 133分

解説
中南米を舞台に、ライセンスを剥奪されたジェームズ・ボンドが友情のために戦う姿を描く。製作はアルバート・R・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソン。監督は 「007/リビング・デイライツ」 のジョン・グレン、脚本はウィルソンとリチャード・メイバウムの共同、撮影はアレック・ミルズ、音楽はマイケル・ケイメンが担当。出演はティモシー・ダルトン、キャリー・ロウエルほか。

ストーリー
友人フェリックス・ライダー(デイヴィッド・ヘディソン)とデラ・チャーチル(プリシラ・バーンズ)の結婚式に出席するためフロリダを訪ねたジェームズ・ボンド(ティモシー・ダルトン)は、沿岸警備隊の連絡をうけ麻薬王サンチェス(ロバート・ダヴィ)を逮捕するが、彼は仲間の助けもあり難なく逃亡に成功する。仲間の首謀者ミルトン・クレスト(アンソニー・ザービ)とともにサンチェスは、デラを殺し、フェリックスに重傷を負わせる復讐をする。友のために立ちあがるボンドであったが、彼は上司の“M”(ロバート・ブラウン)から、事件に手を出すな、と命令されてしまう。そしてボンドは殺しの許可証を奪われ、一人で戦いを挑むことを決意する。友人シャーキー(フランク・マクレー)の協力でサンチェスとクレストの隠れ家をつきとめたボンドは、そこで麻薬捜査官キリファー(エヴェレット・マックギル)の姿を見つけ、裏切り者の彼を殺し、次いで訪れたウェーヴクレストでサンチェスの愛人ルペ(タリサ・ソト)と出会った。同時に彼に接触していたパイロットのパム(キャリー・ロウエル)とも知りあい、彼女と共にサンチェスの居所でもある大カジノ、イストマス・シティへと向い、パムを秘書としてカジノに乗り込んでゆく。そして元英国情報部員の肩書きを利用してサンチェスに近づいてゆくボンドは、クレストを仲間の裏切り者に仕立てあげることで麻薬組織の壊滅を計画する。やがてそれを信じたサンチェスはクレストを殺し、ボンドを右腕として組織に組み入れるのだった。しかしボンドのその策略も、サンチェスが内密に麻薬を精錬している国際瞑想センターで殺し屋のダリオ(ベニキオ・デル・トロ)に見破られ、一面の炎の中にパムと共に取り残されたボンドは出口を見つけ脱出、麻薬倉庫が爆発し逃走するサンチェスのトレーラーを撃破し、巨大麻薬組織を壊滅させると同時に自らの復讐を遂げるのに成功するのだった。




32-27. 007/ゴールデンアイ (吹替)

監督 マーティン・キャンベル
出演 ピアース・ブロスナンショーン・ビーンイザベラ・スコルプコファムケ・ヤンセンジョー・ドン・ベイカー
1995年・イギリス (UIP) 130分

解説
殺しの許可証を持つ英国情報部員ジェームズ・ボンドの活躍を描く〈007〉シリーズ第17作。5代目ボンド役に 「ライブ・ワイヤー」 「テロリスト・ゲーム」 のピアース・ブロスナンを迎え、世界を股にかけた活躍が描かれる。監督はテレビドラマ 「刑事ロニー・クレイブン」 や 「ノー・エスケイプ」 のマーティン・キャンベル。 「クリフハンガー」 のマイケル・フランスの原案を、 「コールド・ルーム」 のジェフリー・ケインと、作家のブルース・フィアスティンが脚色。製作は 「私を愛したスパイ」 以降の全作に携わっているマイケル・G・ウィルソンと、シリーズの産みの親アルバート・R・ブロッコリの娘バーバラ。撮影はキャンベルとは3作目のフィル・メヒュー、美術は本シリーズ15作や 「トゥルーライズ」 を手掛けたピーター・ラモント。音楽は 「レオン」 などリュック・ベッソン作品で知られるエリック・セラ。特殊効果は 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」 のクリス・コーボールド、ミニチュア・エフェクト監修は、本シリーズや 「バットマン」 のデレク・メディングスで、彼の遺作となった。共演は 「パトリオット・ゲーム」 のショーン・ビーン、スウェーデンの人気シンガーのイザベラ・スコルプコ、オランダ出身の女優兼モデルのファムケ・ヤンセン、 「コンゴ」 のジョー・ドン・ベイカー、 「バッドボーイズ」 のチェッキー・カリョら。

ストーリー
米ソの冷戦時代。巨大なダムの底にあるソ連の神経ガス工場に潜入したボンド(ピアース・ブロスナン)は、施設爆破の任務を遂行する。だが、途中、パートナーで親友の006ことアレック(ショーン・ビーン)が敵に捕まり、射殺されてしまった。9年後、冷戦終結後の現代。モナコを訪れていたボンドは、フランス海軍が誇るNATOの最新鋭機タイガー・ヘリコプターが何者かに奪われるという事件に遭遇。犯人は、国際犯罪組織ヤヌスの美貌の女殺し屋オナトップ(ファムケ・ヤンセン)と、9年前にアレックを殺した男で、今はロシアの将軍となったウルモフ(ゴットフリート・ヨーン)だった。彼らはタイガーで北極圏にあるロシアの監視基地を奇襲し、〈ゴールデンアイ〉と呼ばれるプログラム・ディスクを奪った。冷戦当時、米ソは極秘裏に、地上のあらゆる電子機器の性能を電磁波で不能にできる軍事衛星を開発しており、その引き金となるのがゴールデンアイだった。一味は基地を衛星で破壊すると、いずこかへと姿を消した。事を重く見た英国諜報部第6課(MI6)の女性部長M(ジュディ・デンチ)は、ボンドに事件の真相を探るよう命じる。単身、ロシアに飛んだ彼はCIA要員ジャック(ジョー・ドン・ベイカー)の助けを借り、地元の大物武器商人ズコフスキー(ロビー・コルトレーン)と接触してヤヌスに近づく。だが、驚くべきことに、その首領は死んだはずのアレックだった。コサックの血を引く彼は密かに、彼らの民族を裏切った英国への復讐を企てていた。ボンドは破壊された監視基地の生存者であるロシア人の女性プログラマー、ナターリャ(イザベラ・スコルプコ)を救うべく、セント・ペテルスプルグ市内を戦車で大追跡する。装甲列車で逃げようとするウルモフを倒し、ナターリャを救出したボンドは彼女と共に、カリブ海へ逃れたアレックを追う。アレックはコンピュータの天才ボリス(アラン・カミング)に命じて、冷戦時代にキューバに配置された巨大なパラボラ・アンテナを使って、ゴールデンアイを作動させようとしていた。再び現れたオナトップを倒したボンドはナターリャと敵基地に潜入するが、捕らわれの身に。ボンドはそこで、アレックの真の狙いは英国への復讐ではなく、地上の混乱に乗じて銀行から大金を引き出すことと知った。ボンドはアレックに一対一の肉弾戦を挑み、死闘の末に倒した。衛星は大気圏に突入して燃え尽き、世界の平和は守られた。




32-28. 007 トゥモロー・ネバー・ダイ (吹替)

監督 ロジャー・スポティスウッド
出演 ピアース・ブロスナンジョナサン・プライスミシェル・ヨーテリー・ハッチャーリッキー・ジェイ
1997年・アメリカ、イギリス (UIP) 119分

解説
英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドが活躍するシリーズ第18作。監督は 「刑事ジョー ママにお手あげ」 のロジャー・スポティスウッド。製作は 「007/ゴールデンアイ」 に続いてマイケル・G・ウィルソンとバーバラ・ブロッコリのコンビ。なお、本作は96年に世を去った映画007シリーズの生みの親でふたりの義父/実父であるアルバート・R・ブロッコリに捧げられている。脚本はベストセラー作家・TV構成作家としても知られる 「007/ゴールデンアイ」 のブルース・フィアステイン。撮影は 「BOYS」 のロバート・エルスウィット。音楽は 「インデペンデンス・デイ」 のデイヴィッド・アーノルド。美術は 「ピノキオ」 のアラン・キャメロン。編集はドミニク・フォーティンとマイケル・アーカンド。衣裳はリンディ・ヘミング。特殊効果スーパーバイザーは特殊効果スタッフとして 「007/私を愛したスパイ」 以降の全シリーズに参加しているクリス・コーボールド。ミニチュア・エフェクト・スーパーバイザーは 「ブロークン・アロー」 のジョン・リチャードソン。主演は前作 「007/ゴールデンアイ」 で五代目ボンドを襲名した 「ダンテズ・ピーク」 のピアース・ブロスナン。共演は 「エビータ」 のジョナサン・プライス、 「プロジェクトS」 のミシェル・ヨー(ミシェール・キングから改名)、 「2デイズ」 のテリー・ハッチャー、 「007/ゴールデンアイ」 のジュディ・デンチほか。後に邦題が 「007/トゥモロー・ネバー・ダイ」 に改題。

ストーリー
南シナ海で英国艦デヴォンシャーが中国軍に攻撃され、英中間の緊張が高まる。この事件の裏で、自ら戦争を起こして、ビッグスクープを捏造しようとメディア王エリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライス)が暗躍していた。英国諜報部はジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)をカーヴァーのパーティーが行われるハンブルグに派遣する。以前に関係があったカーヴァー夫人パリス(テリー・ハッチャー)から情報を引きだしたボンドは、カーヴァーのビルに潜入、レーダーの座標を狂わせるGPS暗号機を発見するが、そこへ中国国外安保隊員ウェイ・リン(ミシェル・ヨー)が鉢合わせする。カーヴァーの逆鱗に触れたパリスは殺されてしまう。ボンドはデヴォンシャーが沈んでいることが判明したベトナム領海に向かう。そこでボンドはウェイと協力して、カーヴァーの所有するステルス艦に潜入、デヴォンシャーから盗み出されたミサイルに時限爆弾を仕掛けることに成功、カーヴァーの野望を粉砕した。




32-29. 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ (吹替)

監督 マイケル・アプテッド
出演 ピアース・ブロスナンソフィー・マルソーロバート・カーライルデニース・リチャーズロビー・コルトレーン
1999年・イギリス (UIP) 128分

解説
英国諜報部MI6の諜報員007ことジェームズ・ボンドの活躍を描くシリーズ第19作。監督は 「ネル」 のマイケル・アプテッド。脚本は 「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」 のブルース・フィアステイン、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド。原案はパーヴィスとウェイド。製作のバーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンと音楽のデイヴィッド・アーノルドは 「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」 に続く参加。撮影はエイドリアン・ビドル。美術は 「タイタニック」 のピーター・ラモント。編集はジム・クラーク。出演は 「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」 に続きピアース・ブロスナン、 「ファイアーライト」 のソフィ・マルソー、 「ワイルド シングス」 のデニーズ・リチャーズ、 「フル・モンティ」 のロバート・カーライル、 「危険な動物たち」 のジョン・クリーズに加えて、レギュラー陣のデズモンド・ルウェリン(本作撮影後に死去し、遺作となった)、ジュディ・デンチらが登場。

ストーリー
MI6本部内で石油王ロバート・キング卿が爆殺された。ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は作戦会議上で、M(ジュディ・デンチ)から事件の主犯が元KGBのテロリスト、レナード(ロバート・カーライル)であることを知らされ、彼が卿の娘エレクトラ(ソフィ・マルソー)を狙っていることを知る。父の後を継ぎ、ロシアから中近東、ヨーロッパとまたがる巨大石油パイプラインの計画に取り組むエレクトラの護衛についたボンドだが、ミステリアスな彼女に翻弄されながらもお互いにひかれていく。そんな矢先、レナードが核研究所から大量のプルトニウムを盗んだ。クリスマス・ジョーンズ博士(デニーズ・リチャーズ)と行動を共にしたボンドは、レナードが核兵器を作り上げ、世界を危機に陥れる計画を立てていることを知る。かくしてボンドはレナードの陰謀を阻止すべく奔走し、事件の背後に隠された意外な事実を知るのだった。




32-30. 007 ダイ・アナザー・デイ (吹替)

監督 リー・タマホリ
出演 ピアース・ブロスナンハル・ベリートビー・スティーヴンスロザムンド・パイクリック・ユーン
2002年・アメリカ、イギリス (20世紀フォックス映画) 133分

解説
誕生40周年を迎えたシリーズ第20作は、ボンドガールに「チョコレート」のハル・ベリーを迎えた超豪華版。軍事問題を題材にするなど、リアルな舞台設定も話題の一級アクションだ。

ストーリー
北朝鮮。ムーン大佐(ウィル・ユン・リー)という危険人物を暗殺する任務を受けた英国秘密諜報部員ジェームズ・ボンド(ピアース・ブロスナン)は、軍に捕らえられ拷問を受ける。ムーン大佐の腹心の部下で捕まっていたザオ(リック・ユーン)との捕虜交換で、ボンドは自由の身となり香港へ。しかし彼は諜報部員の資格を剥脱。汚名を挽回すべく、ザオを追ってキューバのハバナに飛ぶ。そこで美女ジンクス(ハル・ベリー)と知り合うが、彼女は実はNSAのエージェントだった。ボンドはザオの残した手がかりを得て、ロンドンへ。そして彼は、広報係の美女ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)を従えている英国のダイヤモンド王、グスタフ・グレーヴス(トビー・スティーヴンス)が黒幕だと確信。舞台はアイスランドに飛び、実はグレーヴスが、整形したムーン大佐であることが判明。やがて墜落していく飛行機の中、ジンクスはフロストを刺殺し、ボンドはグレーヴスを倒す。そしてボンドとジンクスは共に脱出、2人は愛の時間を楽しむのだった。




32-31. フラットライナーズ (Flatliners)  (吹替)

監督 ジョエル・シューマカー
出演 キーファー・サザーランドジュリア・ロバーツケヴィン・ベーコンウィリアム・ボールドウィンオリヴァー・プラット
1990年・アメリカ (コロムビア映画=コロムビア・トライスター映画) 114分

解説
野心に満ちた医学生たちの、危険な死の実験が引き起こす恐ろしい出来事を描くサスペンス。エグゼクティヴ・プロデューサーはスコット・ルーディン、マイケル・ラックミルと脚本も兼ねるピーター・フィラルディ、製作はマイケル・ダグラスとリック・ビーバー、監督は 「ロストボーイ」 のジョエル・シューマカー、撮影はヤン・デ・ボン、音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。出演はキーファー・サザーランド、ジュリア・ロバーツほか。

ストーリー
シカゴの医大の学生ネルソン(キーファー・サザーランド)は死の壁の向こうを覗こうと自ら実験台になる計画を仲間に打ち明け、女子学生のレイチェル(ジュリア・ロバーツ)、停学処分を受けているデヴィッド(ケヴィン・ベーコン)、プレイボーイのジョー(ウィリアム・ボールドウィン)、医学による人類創世を夢想するランディ(オリバー・プラット)の4人の野心的な学生が協力することになった。大学の美術館に秘密裏に集まった彼らは人工的にネルソンの心臓を停止させ、そして1分後に蘇生を試みた。死後の世界から戻ったネルソンはそこで記憶の中の不思議なイメージを見たと語る。次にジョーが実験台になり、彼は歪んだ女たちのイメージを見る。実験からしばらく経った後、2人を幻覚が襲う。ネルソンが子供の頃木の上に追いつめて誤って殺してしまった少年ビリーが実体化して彼に傷を負わせ、ジョーは恋人と一緒の時、過去に弄んだ女たちの姿をTV画面に見る。しかしそんなものを信じない実証派のデヴィッドは自ら心臓停止状態(フラットライナーズ)を3分50秒に引き延ばして実験に臨むが、彼もまた幼い頃いじめた黒人少女ウィニーの幻影を見る。そして最後に実験を受けたレイチェルは、戦争から帰り麻薬を射っている所を彼女に見られたことで自殺した父の姿を目撃する。彼らは死後の世界から潜在的な罪の意識を蘇らせてしまったのだ。デビットは成人したウィニーを訪ね謝ることで、レイチェルは幻影の中の父に許しを乞うことで罪の意識から解放されるが、ネルソンはビリーの墓石に祈ることでは許されず、1人で再び実験台に上り死界に戻ることを決意する。そこでネルソンはついにビリーが微笑むのを見る。その頃ネルソンの行動に気づいたデヴィッドらは急行し蘇生を始めていた。死後の世界から目覚め仲間たちの顔を目にしたネルソンは自分がついに許されたことを知るのだった。





32-32. ミルドレッド・ピアース (Mildred Pierce)  

監督 マイケル・カーティス
出演 ジョーン・クロフォードジャック・カーソンザカリー・スコット
1945年・アメリカ (ワーナー・ブラザース) 111分

解説
ジェームズ・M・ケインの1941年の小説「ミルドレッド・ピアース」の映画化であり、マイケル・カーティスが監督、ジョーン・クロフォードが主演した。クロフォードにとってはMGMからワーナー・ブラザースへ移った最初の主演作であるが、本作で初のアカデミー主演女優賞ノミネート・受賞を果たした。

ストーリー
深夜のビーチハウスでひとりの男が銃撃され、やがて警察の取調室で、殺された男性モンティの妻ミルドレッドが自らの過去を振り返りつつ、供述を始める。彼女は、最初の夫と別れた後、苦しい家計を支えるために外で働き出し、やがて自分のレストランを経営するまでに成功した。モンティと再婚し、やっと幸せを手に入れたものの、娘のケイが考えもしなかったような、わがまま娘に育ってしまい……。






32-33. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 (THE IMITATION GAME)

監督 モルテン・ティルダム
出演 ベネディクト・カンバーバッチキーラ・ナイトレイマシュー・グードロリー・キニアチャールズ・ダンス
2014年・イギリス、アメリカ (ギャガ) 99/115分

解説
ベネディクト・カンバーバッチが実在の天才数学者を演じ、その数奇な運命を描く人間ドラマ。第二次世界大戦時、解読不可能と言われたドイツ軍の暗号“エニグマ”の解読に挑んだ英国人数学者アラン・チューリング。戦争時の機密事項のため、英国政府が50年間も隠し続けていたチューリングの知られざる人物像が明らかになる。

ストーリー
1939年、英国がヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が始まる。ケンブリッジ大学特別研究員で、27歳の天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府ために独軍の誇る難攻不落の暗号エニグマ解読に挑むことになる。英国海軍のデニストン中佐(チャールズ・ダンス)は6人の精鋭を解読チームとしてブレッチリー・パークに集めるが、チューリングは一人で仕事をしたいと訴える。MI6のスチュアート・ミンギス(マーク・ストロング)はチーム一丸となることを求めるが、チューリングにとって暗号解読は自分の能力を試すゲームに過ぎなかった。リーダーのヒュー・アレグザンダー(マシュー・グード)のもと奇襲作戦やUボート情報の暗号文を分析するチームを尻目に、チューリングは一人でマシンを作り始める。製作費を却下されると、チャーチル首相に手紙で直訴し、首相から責任者に任命される。そして、二人の同僚を「無能だ」とクビにしてしまう。子供の頃から孤立し、唯一の親友とも悲しい別れをしたチューリングには、他人との交流など不要だった。1940年、解読は一向に進まず、メンバーの苛立ちはチューリングに向けられる。そんな中、目的を伏せた試験でチューリングより早くクロスワードパズルを解いてチームに加わったジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)が、チューリングの心を少しずつ開いていく。マシンに見切りをつけた中佐にクビを宣告されたときも、仲間が助けてくれた。中佐から1カ月の猶予を引き出したチームは、遂にエニグマを解読する。しかし、解読したことが敵にばれれば、エニグマの構造を変えられてしまう。ヒトラーから世界を救うため、チューリングとMI6は新たな極秘作戦を計画する。それはチューリングの人生、仲間との絆をも危険に晒し、さらにソ連スパイ疑惑まで向けられる。そしてチューリングの大きな秘密が重なり、彼の人生は思わぬ方向へ進んでいく……。




32-34. キラー・エリート (Killer Elite)  (吹替)

監督 ゲイリー・マッケンドリー
出演 ジェイソン・ステイサムクライブ・オーウェンロバート・デ・ニーロドミニク・パーセルエイデン・ヤング
2011年・アメリカ (ショウゲート(協力 ワーナー・ホーム・ビデオ&デジタル・ディストリビューション)) 94/117分  (PG12)

解説
ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、そして大御所ロバート・デ・ニーロという3人の強面俳優が豪華競演するサスペンス・アクション。各々の立場で正義を貫く殺しのエリートたちが、世界を股にかけた死闘を繰り広げる。次から次へと息つく間もない肉弾戦の数々に、ただただ圧倒される。

ストーリー
1980年、メキシコ。極秘ミッションに駆り出された殺し屋のダニー(ジェイソン・ステイサム)は、師匠でもあり良き相棒でもあるハンター(ロバート・デ・ニーロ)とともに、いつものように厳重な警戒を潜り抜け、リムジン内の標的を暗殺。しかし、同乗していた目撃者である10歳の少年に向かって引き金を引くことがどうしてもできなかった。自身の限界を悟ったダニーは、危険な稼業から足を洗う。1年後、オーストラリアの農場で恋人と静かに暮らしていたダニーの元に、ハンターのポラロイド写真が届く。ハンターは“SASの精鋭を事故に見せかけて殺せ”という危険な仕事に失敗し、捕虜となっていた。ダニーはやむを得ず、ハンターが遂行するはずだったこの不可能なミッションを継ぐため、仲間たちを招集。だが、元SASの隊員スパイク(クライヴ・オーウェン)は彼らの不穏な動きを敏感に察知していた。その背後には“フェザー・メン”と呼ばれる謎の組織の存在があり、ダニーへの包囲網は確実に狭まっていく。そして、影で暗躍する謎の“エージェント”の存在。敵の予期せぬ奇襲。徐々に動きが制限される困難な状況下、ダニーは決死の行動に出るが、その先には予想もしなかった事実が存在していた……。




32-35. ケープ・フィアー (Cape Fear)  

監督 マーティン・スコセッシ
出演 ロバート・デ・ニーロニック・ノルティジェシカ・ラングジュリエット・ルイス
1991年・アメリカ (UIP) 128分

解説
レイプ犯として長く獄中生活を送った男が、弁護士一家を恐怖のドン底に追い詰めるスリラー。 「恐怖の岬」 (62)のリメイク作品。エグゼクティヴ・プロデューサーはキャスリーン・ケネディとフランク・マーシャル。監督は 「グッドフェローズ」 のマーティン・スコセッシ。脚本はウェズリー・ストリック。撮影はフレディ・フランシス。音楽はエルマー・バーンスタインが担当。出演はロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ、ジェシカ・ラングほか。

ストーリー
レイプ罪により14年間の獄中生活を終えたばかりのマックス・ケイディ(ロバート・デ・ニーロ)は、自分を敗訴に導いた弁護士サム・ボーデン(ニック・ノルティ)に対する復讐を誓い、サムばかりか妻のレイ(ジェシカ・ラング)や娘ダニエル(ジュリエット・ルイス)の前にも姿を現すようになった。愛犬が殺され、サムの愛人ローリー(イレーナ・ダグラス)が襲われるが、マックスの犯行とは認められない。ダニエルにマックスが接近したことを知ったサムは私立探偵カーセク(ジョー・ドン・ベイカー)を雇い、力づくでマックスを町から追い出そうとするが、鍛え抜かれた肉体を持つマックスには通用せず、逆に暴行罪で告訴されてしまう。焦るサムは自宅にマックスをおびき寄せるが、またもや逆襲にあい、せっぱつまった一家は、夜、密かに町を離れハウスボートのあるケープ・フィアーへ向かった。しかしマックスは、執拗に追い続け、岸を離れた一家を襲撃。嵐の中、悪夢のような復讐劇が繰り広げられるが、一家は命からがら脱出に成功。鬼と化したマックスは深い海へと引き込まれていくのであった。




32-36. アイ・スパイ (I Spy)  (吹替)

監督 ベティ・トーマス
出演 エディ・マーフィオーウェン・ウィルソンファムケ・ヤンセンマルコム・マクダウェルゲイリー・コール
2002年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 96分

解説
エディ・マーフィ&オーウェン・ウィルソン共演による抱腹絶倒のスパイ・コメディ。意外な顔合わせの2人が絶妙なかけ合いを展開、随所に登場するスパイ・グッズも楽しい痛快作だ。

ストーリー
レーダーでも肉眼でも捉えられない完全インビジブル機能搭載の新型ステルス戦闘機、スイッチブレイドが盗まれた。もしテロリストの手に渡れば、世界は計り知れない危険にさらされる。犯人を突き止めた国家保安局BNSのスペシャル・エージェント、アレックス(オーウェン・ウィルソン)は、犯人の主催する欧州ミドル級タイトル試合の前夜パーティーに潜入する。その相棒に、なんと無敵のボクシングチャンピオンで翌日のタイトル戦に挑むケリー(エディ・マーフィ)が、大統領直々に任命された! 立場も性格も正反対の2人は、任務を遂行して世界の危機を救うことができるのか。




32-37. 2012 (2012r)  (吹替) 

監督 マーティン・スコセッシ
出演 ロバート・デ・ニーロニック・ノルティジェシカ・ラングジュリエット・ルイス
1991年・アメリカ (UIP) 128分

解説
古代マヤ人が2012年の冬至ごろに訪れると予想した人類滅亡に関する幾つかの仮説を元に製作された。これはメソアメリカ文明の長期暦において、2012年12月21日に一つの区切りを迎えることから来ている。数人の登場人物らの行動を同時進行的に一度に描くグランドホテル方式である。

ストーリー
2009年、インドの科学者サトナムは、地球内部が加熱され流動化が進んでいることに気が付き、数年後に地球的規模の地殻変動により大破局が起きることを突き止める。惑星直列が原因で太陽活動が活発化し、コロナが地球を蔽ったため、地球内部がプラズマで加熱されることで、マントルの流動性が増しマントルに浮いている大陸が沈んだり傾き、地殻大変動が起きると予想された。科学顧問のエイドリアンから世界の終末を伝えられたアメリカ大統領のウィルソンは、主要国首脳会議でイギリス、ロシア[4]、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダの首脳に事実を報告。先進国は極秘裏にチョーミン計画を実行し、世界各地の歴史的な美術品を後世に残すために、密かに偽物とすり替え運び出し始めた。
2012年。海賊ラジオを流している変人チャーリーの情報から世界の終末を知った売れない作家のジャクソンは、元妻のケイトと息子ノア、娘のリリー、ケイトの恋人で整形外科医のゴードンと共に、チャーリーが知る避難場所の地図を入手するため飛行場へと急ぐ。程なくして世界各地で、未曽有の地殻大変動が始まった。大地震により市街地が崩壊し、火山の大噴火に加え、数千キロにも及ぶ大規模な大陸移動まで起こる。終末を迎えようとする中で、人類は生き残る術を必死に模索し続ける。
やがて、先進国が極秘裏に進めていた「ノアの箱舟」計画こそが生存への唯一の道だと知ったジャクソンらは、ノアの箱舟の建造地である中国に向かうためラスベガスに向かうが、そこでジャクソンの雇用主であるロシアの大富豪ユーリのプライベートジェットに便乗して、中国へと向かう。しかし、給油のために寄ろうとしたハワイは既に全滅しており予定地の手前で燃料切れとなり不時着する。途中で中国軍のヘリ部隊に発見されるが、「ノアの箱舟」への搭乗パスを持っているユーリ父子のみが救助され、ジャクソンたちは置き去りにされてしまう。
ジャクソンたちはノアの箱舟を目指して歩き始めるが、途中でチベット人僧侶ニーマ一家のトラックに遭遇し、彼らと共にノアの箱舟への密航を図る。しかし、数千メートル級の大津波が押し寄せていることが判明し、予定よりも早くノアの箱舟の出航を強行しようとしたため、取り残されたユーリたちは暴動を起こす。助けを求める人々を見たエイドリアンは各国首脳に人々を助けることを訴え、首脳たちも提案を受け入れ、ノアの箱舟のハッチを解放する。しかし、箱舟の油圧室にいたジャクソンたちが巻き込まれてハッチが閉鎖できなくなってしまう。
箱舟は大津波に襲われ、ハッチから大量の海水が入ってくる。ジャクソンはハッチを閉鎖するため水没した油圧室に向かい、ノアと協力して機械に絡まっていたケーブルを取り除く。ハッチが閉鎖した箱舟はエンジンを始動し、無事に大津波を乗り切る。1か月後、箱舟の一行は大陸が隆起して難を逃れたアフリカ大陸の喜望峰に向けて進路をとる。






32-38. ミスト (The Mist)  (吹替)

監督 フランク・ダラボン
出演 トーマス・ジェインマーシャ・ゲイ・ハーデンローリー・ホールデンアンドレ・ブラウアートビー・ジョーンズ
2007年・アメリカ (ブロードメディア・スタジオ) 98/125分  (R-15)

解説
「グリーンマイル」 のフランク・ダラボン監督が、スティーブン・キングの小説 「霧」 を映画化。霧の中に潜む謎の生物に追いつめられる人々が極限のパニック状態に陥る様を描く。

ストーリー
ある夜、嵐が町を襲った。湖のほとりに住むデヴィッド(トーマス・ジェーン)、妻ステファニー、5歳の息子ビリーは地下室に避難する。翌日は晴れるが、湖の向こうに霧の壁が発生する。デヴィッドは息子と、隣人の弁護士ノートンと共にスーパーマーケットに買出しに行く。マーケットでは店長バド、副店長オリーらが働いていた。そこに骨董品屋の女主人カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)がやってくる。レジには長い行列ができ、若い女性アマンダ(ローリー・ホールデン)がいた。外で軍人が動き回りサイレンが鳴る。すると鼻血を出した男がマーケットに駆け込んできて、「霧の中に何かいる!」と叫んだ。マーケットが霧に包まれると突然大きな衝撃音が響き、壁や天井にひび割れが起きる。カーモディは世界の終わりだと言う。デヴィッドが発熱したビリーのために毛布を取りに倉庫に入ると、不気味な物音がする。発電機をチェックしに来たバドとノーム、倉庫係ジムたちと調べるが、不審なものは見当たらない。ノームが外にある排気口を調べに行こうとすると、突然触手を持った生物の襲撃を受け、霧の中に連れて行かれる。デヴィッドたちは皆に、霧の中に危険な生物が潜んでいることを伝えるが信じてもらえない。デヴィッドたちは何人かを倉庫に連れて行き床に転がった触手を見せ、事態を納得させる。デヴィッドを信じた人たちは板ガラスを保護し、武器になるものを集め出す。夜になると突然、怪物がガラスを打ち破り店内に入ってきた。デヴィッドたちは武器で戦うが、犠牲者が出る。残された者たちは、終末を予言するカーモディの言葉を信じ始める。軍と霧の関係を疑ったカーモディは、生贄として客としていた兵士を外に出す。兵士は霧の中の生物に連れ去られる。デヴィッドと数人の賛同者は外に出ていくことを決意する。しかしカーモディに阻まれる。生贄としてデヴィッドたちを血祭りに上げようとする人々。バドがカーモディを射殺しなんとか難を逃れる。外に出たデヴィッドたちを襲う生物たち。バドらが喰われるが、何とか5人がデヴィッドの車にたどり着く。そして怪物らの襲来を避けつつ、デヴィッドは自宅へ戻る。しかしそこにあったのは、変わり果てた妻の姿だった。デヴィッドは再び車を走らせるが、ガソリンが切れてしまう。希望が見えないことを悟ったデヴィッドたちは、銃で自殺を図るが、デヴィッドの分の銃弾は残されていなかった。一人生き残ったデヴィッドは、何者かが近づいてくることを感じ外に出る。しかしそこに現れたのは怪物ではなく戦車を伴った軍隊であった。霧の切れ目に併せ次々と怪物を退治しつつ街の中心部に進む軍隊。すっかり霧の晴れた中でデヴィッドは深い後悔の中絶叫するのだった…。





32-39. ニキータ (Nikita)  

監督 リュック・ベッソン
出演 アンヌ・パリロージャン・ユーグ・アングラードチェッキー・カリョジャンヌ・モロージャン・レノ
1990年・フランス (日本ヘラルド映画) 115分

解説
パリを舞台に生存本能だけで生きている不良娘が殺し屋に変貌させられてゆく姿を描く。監督・脚本は 「グレート・ブルー」 のリュック・ベッソン、撮影はティエリー・アルボガスト、音楽はエリック・セラが担当。出演はアンヌ・パリロー、ジャン・ユーグ・アングラードほか。

ストーリー
パリの路上に生きる粗暴な不良娘ニキータ(アンヌ・パリロー)。麻薬中毒の彼女は薬屋を襲撃しようとして3人の警官を射殺してしまう。ニキータは無期懲役刑を言い渡されるが、その生存能力の高さに政府の秘密機関が目をつけ、工作員として働くことを強要される。初めは抵抗したニキータだったが、選択は一つしかないことを知り、教育係のボブ(チェッキー・カリョ)による厳しい訓練に耐え、先輩のアマンド(ジャンヌ・モロー)のアドバイスもあって3年後には美しい女殺し屋に変貌していた。23歳の誕生日に初めて外出を許されたニキータは、ボブに連れていってもらったレストランで拳銃を与えられ、暗殺指令を受ける。無事仕事をこなした彼女は一人前の秘密工作員として認められ、コードネームをもらった。そんな日々の中、ニキータにも初めての恋が芽生えた。相手はスーパーのレジ係マルコ(ジャン・ユーグ・アングラード)。しかし婚約者となっても彼には秘密を打ち明けることはできなかった。ソ連大使館から機密情報を奪取する指令を受け潜入するが失敗し身も心も疲れきったニキータにマルコは仕事をやめろと言う。彼は全てを知っていたのだ。ニキータは一人逃亡し、残されたマルコは機密情報のマイクロフィルムをボブに渡し、ニキータを守ってくれるよう頼んだ。静寂の中、言いようのない寂しさが2人を包んでいた。





32-40. 天使の涙 (堕落天使)

監督 ウォン・カーウァイ
出演 レオン・ライミシェル・リー金城武チャーリー・ヤンカレン・モク
1995年・香港 (プレノンアッシュ) 96分

解説
ネオンきらめく香港の街の音と光の中、5人の若者たちの恋と青春群像を描いた一編。監督・脚本は 「欲望の翼」 「恋する惑星」 のウォン・カーウァイ。全編にわたる極端な超ワイドレンズの使用、トレードマークとなったコマ落とし/コマ伸ばしの連続によるアクション場面の躍動感、光と音の斬新な使い方など、その斬新なビジュアル・センスにさらに磨きがかかった。当初、3話から成るはずだった 「恋する惑星」 で省略したエピソードを発展させたものだが、監督自身は 「同じスピリットから生まれたもので、続編ではない」 と発言している。製作は 「黒薔薇VS黒薔薇」 「チャイニーズ・オデッセイ」 など娯楽作品の監督でもあるジェフ・ラウ、撮影は 「欲望の翼」 以来コンビを組むクリストファー・ドイル、美術は 「いますぐ抱きしめたい」 以降のカーウァイと組むウィリアム・チョンなど、カーウァイ作品の常連スタッフが集結。出演は 「妖獣都市・香港魔界篇」 「シティー・ハンター」 のレオン・ライ、 「スウォーズマン/女神伝説の章」 のミシェル・リー、 「恋する惑星」 の金城武、 「バタフライ・ラヴァーズ」 「トワイライト・ランデブー」 のチャーリー・ヤン、 「チャイニーズ・オデッセイ」 のカレン・モク。

ストーリー
そろそろ足を洗いたい殺し屋(レオン・ライ)とそのパートナーである美貌のエージェント(ミシェル・リー)。仕事に私情を持ち込まないのが彼らの流儀で、二人は滅多に会うことはない。しかし、その関係が揺らぎつつあるのを2人は知っている。エージェントが根城とする重慶マンションの管理人の息子モウ(金城武)は5歳の時、期限切れのパイン缶を食べすぎて以来、口がきけなくなった。定職に就けない彼は、夜な夜な閉店後の他人の店に潜り込んで勝手に“営業”する。時に強制的にモノやサービスを売りつけるが、いたって明るく屈託がない。ある日、彼は失恋したての女の子(チャーリー・ヤン)に出会って初めての恋をする。しかし、彼女は失った恋人のことで頭がいっぱいで、彼のことなんか上の空だった。一方、殺し屋はちょっとキレてる金髪の女(カレン・モク)と出会い、互いの温もりを求める。彼と別れた金髪の女とエージェントは街ですれ違いざま、互いの関係を嗅ぎ当てる。エージェントは殺し屋に最後の仕事を依頼した。殺し屋は最後の仕事で最初の失敗をし、数発の銃弾が彼の途切れる意識に響く。モウは父親を亡くし、再び元の商売に戻った。バーガー・ショップで“営業”している時、初恋の人と再会したが、彼女の方は少しも覚えていないようだった。エージェントは街でモウに出会う。彼のバイクに乗って家まで送ってもらう道すがら、彼女は久しぶりに人の温もりを感じた。その暖かさは彼女にとって永遠だった。





32-41. ラスト・ショー (The Last Picture Show)  

監督 ピーター・ボグダノヴィッチ
出演 ティモシー・ボトムズジェフ・ブリッジスシビル・シェパードベン・ジョンソンクロリス・リーチマン
1971年・アメリカ (コロムビア)

解説
テキサスのある小さな町を舞台に、多感な青春の夢とその終わりを主題として、アメリカという国の失われた夢の終わりをも描き出す。音楽は1951年から52年にかけて流行したハンク・ウィリアムス、エディ・アーノルドなどのヒット曲を30枚のレコードから選出した。製作指揮はバート・シュナイダー、製作はスティーブン・フリードマン、監督はピーター・ボグダノヴィッチ、ラリー・マクマートリーの原作をマクマートリー自身とボグダノヴィッチが脚色した。撮影はロバート・サーティーズ、編集はドン・キャンバーンが各々担当。出演はティモシー・ボトムズ、ジェフ・ブリッジス、シビル・シェパード、ベン・ジョンソン、クロリス・リーチマン、エレン・バースティン、アイリーン・ブレナンなど。

ストーリー
1951年、テキサスの小さな町アナリーンのたったひとつの映画館では「花嫁の父」を上映していた。高校生のソニー(ティモシー・ボトムズ)と親友デュアン(ジェフ・ブリッジス)にとって、ロイヤル映画館は唯一のデートの場所だった。ソニーはガールフレンドのシャーリーンとつきあい始めて1年目を迎えたが、最後のところで逃げてしまう彼女に不満を持っていた。デュアンとジェイシー(シビル・シェパード)も恋人同士だったが、町一番の美人といわれるジェイシーにとってデュアンはどこか物足りない相手だった。ある日、フットボールのコーチに、彼の妻ルース(クロリス・リーチマン)を、病院まで送り迎えするように頼まれたソニーは、ルースの心の優しさに惹かれた。そしてクリスマス・パーティーで初めて口づけを交わしてしまう。ジェイシーもまたデュアンと共にパーティーにでかけてきたが、友だちが〈素っ裸の水泳パーティー〉を楽しんでいると聞いて、デュアンを放り出し、その方に行ってしまう。その頃、ソニーもルースとベッドを共にしていた。夫に無視され続けてきたルースは、少女のように恋に燃えていた。一方、ソニーは父親以上に尊敬しているサム(ベン・ションソン)と、弟のように可愛がっているビリー(サム・ボトムズ)と一緒に湖畔で釣りを楽しみながら、サムの昔話に耳を傾けていた。サムはこの小さな町で映画館とビリヤード場とスナックを経営する中年男だった。失われたアメリカの開拓時代の夢の名残りを思わせるこの男に、ソニーばかりか、町中の男の子が憧れていた。サムは、少年たちの夢のヒーロー、カウボーイだったのだから……。サムはソニーに、昔、彼が経験した悲しい恋の物語と、移り変わっていく自分たちの町の話を聞かせたのだった。それから数日後、小型トラックでメキシコまででかけたソニーとデュアンが町に帰ってきたとき、サムの死が知らされた。ソニーとデュアンの友情に亀裂が生じたのは、それからしばらくしてだった。デュアンは、処女を捧げるというジェイシーと結ばれたが、彼女はそのことによって徹底的にデュアンを嫌いになってしまい、更にその上、ソニーとジェイシーがお互いに好意を持ち始めてしまったのだ。ソニーとデュアンはなぐり合いをして、血だらけになったソニーは入院した。傷のいえたソニーはジェイシーから求婚され、かけおちしようとハイウェイをとばしたが、パトカーに捕まってしまい、ジェイシーの気が変わってしまった。ソニーは彼女の求婚が気まぐれにすぎなかったことを知った。2人を引き取りにきたジェイシーの母ルイス(エレン・バースティン)と言葉を交すうちに、ソニーは、彼女と亡きサムの若き日の愛の世界を垣間見るのだった。デュアンは町を出る決心をした。朝鮮戦争へ出征するという彼とソニーは一緒にロイヤル劇場の閉館上映を見にでかけた。デュアンをバス停留所で見送ったソニーがビリヤード場に戻ったとき、ビリーが路上でひき殺されていた。悲しみにくれたソニーが行き着いたのはルースの所だった。彼女は自分を棄てたソニーに向かって怒りを投げつけたが、その怒りの声はいつしか泣き声に変わり、彼女の手は静かにソニーの手の上に置かれていた。1952年ロイヤル劇場が閉館の夜に上映したのは「赤い河」だった……。




32-42. 処刑ライダー (The Wraith)  (吹替)

監督 マイク・マーヴィン
出演 チャーリー・シーンニック・カサヴェテスシェリリン・フェンランディ・クエイドマシュー・バリー
1986年・アメリカ (日本ヘラルド)

解説
凶暴な不良グループと、人並みはずれたパワーを授かった謎のライダーとの戦いを描く。製作はジョン・ケメニー、脚本・監督は 「ホットドッグ」 のマイク・マーヴィン、撮影はリード・スムート、編集はスコット・コンラッド、音楽はマイケル・ホーニッグとJ・ピーター・ロビンソンが担当。出演はチャーリー・シーン、ニック・カサヴェテス、ランディ・クエイドなど。ドルビー・ステレオ。

ストーリー
アリゾナ砂漠の中のブルックスという小さな町で、ある日、不良一味の残忍な手口によって1人の青年ジェイミーが殺された。それは町のごろつき一味のボスであるパッカード(ニック・カサヴェテス)が、ジェイミーの恋人のケリー(シェリリン・フェン)を自分のものにしようとしての犯行だった。しばらくして、驚異的なパワーをもった車を運転する謎の男が現われ、パッカード一味にカー・チェイスを挑んできた。男はパッカード一味を、カー・チェイスで次々と事故死させていく。町の保安官ルーミス(ランディ・クエイド)は、連続事故の調査を続け、謎のライダーが、かつてパッカード一味に殺されたジェイミーの弟ビリー(マシュー・バリー)と繋がっていることをつきとめた。そして、ケリーが夢中になっている町で見かけないジェイク(チャーリー・シーン)と謎のライダーが、なぜか同じ時に、同じ場所に姿を現わすこともわかった。謎のライダーは、パッカードが1人になるまで一味を殺し続ける。一方、パッカードも、しつこくケリーを追い、自分のものにならなければ殺すと強迫し続けた。そして遂に謎のライダーはパッカードを血祭りにあげる。車をプレゼントされたビリーは、ジェイクとジェイミーが同一人物であることをやっと知ることができた。使命をすべて果たしたジェイクは、待っていたケリーをバイクに乗せると何処へともなく走り去っていった。





f32-43. パーティクル・フィーバー


解説
舞台はヨーロッパ合同原子核研究機構(CERN)の「大型ハドロン衝突型加速器(LHC:Large Hadron Collidar)」と呼ばれる超巨大実験施設。宇宙誕生の謎を解き明かす鍵とも言われ、2013年にノーベル物理学賞をもたらした「ヒッグス粒子」の発見までの舞台裏を追い、海外で数々の賞に輝いたドキュメンタリー映画。世界最先端の物理学者たちを主人公に、宇宙を創造した"神の意図"に迫ろうとする物理学者の日常と素顔の貴重な記録である。ヒッグス粒子発見によって大きな岐路に立たされた現代物理学の知られざる姿も描かれている。




32-44. 眺めのいい部屋 (A Room With a View)  

監督 ジェームズ・アイヴォリー
出演 ヘレナ・ボナム・カーターデンホルム・エリオットジュリアン・サンズダニエル・デイ・ルイスマギー・スミス
1986年・イギリス (シネマテン) 117分  (R15+)

解説
中世の面影を残す美しい街・フィレンツェを舞台に、イギリスの良家の令嬢と奔放な青年との恋の行方を格調高く描き出す。出演はヘレナ・ボナム・カーター、ジュリアン・サンズほか。2001年にニュープリント・改訂字幕版で公開。

ストーリー
1907年。イギリスの良家の令嬢ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム・カーター)は、年上の従姉シャーロット(マギー・スミス)に付き添われ、イタリアのフィレンツェを訪れる。イギリス人観光客がよく利用するペンション“ベルトリーニ”についた二人は、部屋が美しいアルノ河に面した側でないことにがっかりする。シャーロットが苦情を言いたてるのを聞いたエマソン(デンホルム・エリオット)は息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)と共に泊っていた眺めのいい部屋と交換してもいいと申し出てくれるのだった。イギリスの階級意識に束縛されない自由な考えの持ち主であるこの親子に奇異な眼を向けるイギリス人観光客たち。一度はためらったシャーロットであったが、偶然に同宿していたハニーチャーチ家の教区のビーブ牧師(サイモン・カラウ)に説得され、申し出を受ける決心をする。翌朝一人で町を見物していたルーシーは、サンタ・クローチェ寺院でエマソンとばったり出会い、一緒に礼拝堂の壁画を見て回った。シニョーリ広場を通りかかったルーシーは喧嘩で胸を刺された男が血だらけになっている場面を目撃しその場で失神した。そんな彼女を介抱したのは、通り合わせたジョージであった。二人の心に、この時から特別な感情が芽生えはじめた。ある日ピクニックに出かけたルーシーは、同行したジョージと、青い麦畑の中で情熱的なキスを交わした。二人の仲に気づいたシャーロットは、急遽、ルーシーをイギリスに連れ帰ってしまう。数ヵ月後、ルーシーは、高い教養の持ち主であるシシル・ヴァイス(ダニエル・デイ・ルイス)と婚約する。そんな矢先、偶然にもロンドンの美術館でエマソン父子と会ったシシルは、ルーシーの家に近い貸家の世話をする。やがてルーシーはジョージと再会。ルーシー家の人々とテニスに興じるジョージ。傍でラヴィッシュ女史(ジュディ・デンチ)の書いた小説を読み上げるシシル。再びジョージから熱いキスを受けたルーシーは、シシルとの婚約解消を決意する。秋、フィレンツェ。ペンション“ベルトリーニ”の眺めのいい部屋に、ルーシーとジョージは再びやって来た。窓をあけると、美しい風景が広がるのだった。




32-45. デビル(1997) (The Devil's Own)  (吹替)

監督 アラン・J・パクラ
出演 ハリソン・フォードブラッド・ピットマーガレット・コリンルーベン・ブラデストリート・ウィリアムズ
1997年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 107/117分

解説
IRAの闘士とアイリッシュ系アメリカ人警官の運命的な対決を描いた、サスペンス・アクション調の人間ドラマ。新旧2大スターの共演と重厚かつ的確な演出が魅惑的。監督は 「大統領の陰謀」 「ペリカン文書」 のアラン・J・パクラ。脚本はケヴィン・ジャールの原案を基に、ジャールと 「雲の中で散歩」 のロバート・マーク・ケイメンが執筆したオリジナル。製作は 「ダイ・ハード」 シリーズのローレンス・ゴードンと、ロバート・F・コールズベリーの共同。製作総指揮はロイド・レヴィンとドナルド・レヴェンサル。撮影は 「コールガール」 「推定無罪」 などでパクラと組んでいるゴードン・ウィリス、音楽は 「身代金」 のジェームズ・ホーナー、美術は 「訣別の街」 に続いて全編NYロケ作品となるジェーン・マスキー。編集は 「ペリカン文書」 「ヒート」 のトム・ロルフとデニス・ヴァークラー。主演は 「サブリナ」 のハリソン・フォードと 「12モンキーズ」 のブラッド・ピット。共演は 「インデペンデンス・デイ」 のマーガレット・コリン、サルサ・ミュージシャンで 「プレデター2」 など映画出演作も多いルーベン・ブレイズ、 「デンバーに死す時」 のトリート・ウィリアムズ、パクラとは 「スニーカーズ」 「失踪」 でも組んだジョージ・ハーン、 「モンテ・ウォルシュ」 のミッチェル・ライアン、 「サバイビング ピカソ」 のナターシャ・マケルホーン、アイルランド映画界で活躍し、これが米国デビュー作のポール・ローナンほか。

ストーリー
8歳の時にIRAシンパだった父を眼前で殺されたフランシス・マグワイヤーはアイルランド独立運動に身を投じ、冷徹なテロリストに成長した。SI5(英国秘密調査局)に襲撃され、仲間の大半を失った彼はローリー・ディヴァニー(ブラッド・ピット)という偽名でNYに潜伏。IRAシンパであるフィッツシモンズ判事(ジョージ・ハーン)の手引きで、NY市警察官トム・オミーラ(ハリソン・フォード)の家に下宿する。トムは勤続24年、正義感に厚く真面目一筋に生きてきた男。優しい妻シェイラ(マーガレット・コリン)と3人の娘に囲まれ、幸せな生活を送っていた。トムはローリーを祖国から来た純朴な青年として、家族同様に迎える。だが、ローリーは同志ショーン(ポール・ローナン)と共に英国軍への大規模な反撃の機会をうかがい、武器と資金調達のために動いていた。マフィアの武器商人バーク(トリート・ウィリアムズ)と接触した彼は、スティンガー・ミサイルの大量購入の話をつける。そんなある日、ローリーはIRAの連絡係の美しい女性メーガン(ナターシャ・マケルホーン)と出会う。彼女はSI5に殺された同志の妹で、2人はたちまち恋に落ちた。一方、トムは相棒の警官ディアス(ルーベン・ブレイズ)が逃亡中の強盗を背後から射殺した事件で虚偽の証言をしまい、その良心の呵責に耐えられず、警官を辞める決意をする。そんな時、バークはミサイルを渡さずにローリーから金だけ奪おうと、オミーラ家を手下に襲わせた。そこへトムとシェイラが帰宅し、大乱闘になるが、何も盗まずに逃走した。不審に思ったトムはローリーの部屋を調べ、隠してあった大金を発見する。トムはローリーを問い詰めるが、決して口を割らなかった。トムはディアスと共に彼を逮捕するが連行中に隙を見て逃亡、その際にディアスは銃弾に倒れた。英国から来た捜査官からローリーの正体を聞かされたトムは、激しい怒りを覚える。一方、ショーンを殺されたローリーはバーク一味を倒し、ミサイルを手に入れた。トムはメーガンから居場所を聞き出し、ミサイルを積んで出航したローリーの改造船に飛び乗る。トムとローリーは互いに銃を構え、そしてローリーが倒れた。トムは、安らかに死んでいく彼の手を握った。





32-46. トゥルー・ロマンス (True Romance)  

監督 トニー・スコット
出演 クリスチャン・スレーターパトリシア・アークエットデニス・ホッパーヴァル・キルマーゲイリー・オールドマン
1993年・アメリカ (松竹富士) 121分

解説
激しい恋に落ちた男と女が、暗黒街と警察を向こうに回し、逃亡を続けるさまを描いたラヴ・サスペンス。監督は 「ラスト・ボーイスカウト」 のトニー・スコット、脚本は監督作 「レザボア・ドッグス」 で注目されたクエンティン・タランティーノ。製作はサミュエル・ハディダ、 「リーサル・ウェポン」 シリーズのスティーヴ・ペリー、監督と長くコンビを組んでいるビル・アンガー。撮影は 「トップガン」 のジェフリー・キンボール、音楽は 「アサシン」 のハンス・ジマーが祖当。主演は 「忘れられない人」 のクリスチャン・スレイターと、 「インディアン・ランナー」 のパトリシア・アークェット。共演は 「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」 のデニス・ホッパーほか。北米では上映分数が120分だったが、日本ではディレクターズカット版の121分で上映された。2014年12月13日にデジタルリマスター版が 「ゥルー・ロマンス ディレクターズ・カット版」 と改題され上映された。

ストーリー
デトロイトのコミック・ブック店で働くクラレンス(クリスチャン・スレイター)は、プレスリーとクンフー映画に夢中の若者。誕生日の夜、場末の映画館で千葉真一の映画3本立てを観ていた彼は、アラバマ(パトリシア・アークェット)というキユートな女の子と知り合う。ベッドの中で彼女は、実はクラレンスの店のボスから、「誕生日のプレゼントに」と頼まれたコールガールであることを明かす。だが、2人は激しく愛し合い、翌日には結婚した。クラレンスは、アラバマの元ヒモであるドレクセイ(ゲイリー・オールドマン)に話をつけに行くが殺されかかり、逆に相手を殺してしまった。あわてて持ち帰ったスーツケースには、大量のコカインが入っていた。翌日、クラレンスは元警官の父、クリフォード(デニス・ホッパー)に会い、妻のアラバマを紹介すると共に、警察の捜査状況を聞く。2人がロサンゼルスに向かった後で、ヴィンセンツ(クリストファー・ウォーケン)と名乗る男がクリフォードの元へ現われ彼を拷間し、2人とコカインの行方を突き止めようとした。シラを切るクリフォードを殺した男は、クラレンスたちの後を追う。クラレンスはヤクの取引きの話をまとめる。取引きの当日、ダイムス刑事(クリストファー・ペン)ら捜査陣と、デトロイトから追ってきた組織の男たちが現場のホテルに向かう。一同が会し、激しい銃撃戦が展間したが、クラレンスとアラバマは生き延びた。




32-47. 恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ (The Fabulous Baker Boys)  

監督 スティーヴ・クローヴス
出演 ミシェル・ファイファージェフ・ブリッジスボー・ブリッジスElie Raabジェニファー・ティリー
1989年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ) 109分

解説
シアトルのナイトクラブを舞台に、しがないピアノ弾きの兄弟と1人の女性シンガーの織りなす恋のゆくえを描くロマンチック・ストーリー。エグゼクティヴ・プロデューサーはシドニー・ポラック、製作はポーラ・ワインスタイン、マーク・ローゼンバーグの共同。監督・脚本はこれがデビューのスティーヴ・クローヴス、撮影はミハエル・バルハウス、音楽はデイヴ・グルーシンが担当。出演はミシェル・ファイファー、ジェフ・ブリッジス、ボー・ブリッジスほか。

ストーリー
ジャック(ジェフ・ブリッジス)とフランク(ボー・ブリッジス)のベイカー兄弟は“ザ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ”というデュオを組むジャズ・ピアニストである。弟のジャックはかつての栄光が忘れられず酒びたりの日々。そんな弟を心配した兄フランクは、女性ヴォーカリストを加え“ベイカー・ボーイズ”を立て直すことを提案、募集広告を出す。オーディションの日、彼らの前に現れたのはスージー(ミシェル・ファイファー)である。フランクは彼女の気障でハスッパな感じが気に入らず文句を言うが、ジャックは彼女の歌に魅かれ、ジャックのピアノとスージーの歌はやがて美しいハーモニーを奏で始める。スージーを加えた“ベイカー・ボーイズ”の音楽は観客を魅了し、人気を取り戻す。そしてジャックとスージーはやがて恋におちていくのだった。だが、プライドの高いスージーには屈折したジャックの心情を理解することができず・「負け犬」とジャックを罵り、去ってしまう。“ベイカー・ボーイズ”は解散に追い込まれ、兄弟さえもばらばらになってしまう。失意のどん底の中、それでもジャックは音楽に対する情熱だけは失うことがなかった。そしてついに自分にとって一番大切な事は何か、本当に大切な人は誰なのかを発見し、フランクとスージーのもとへ再び向かって行く。






32-48. ラブリーボーン (The Lovely Bones)  (吹替)

監督 ピーター・ジャクソン
出演 マーク・ウォールバーグレイチェル・ワイズスーザン・サランドンスタンリー・トゥッチマイケル・インペリオリ
2009年・アメリカ、イギリス、ニュージーランド (パラマウント ピクチャーズ ジャパン) 103/135分

解説
ロード・オブ・ザ・リング」 3部作のピーター・ジャクソン監督がベストセラー小説を映画化。死を迎えた少女が、天国から家族や友人を見守り続ける、感動のファンタジー。

ストーリー
スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)は父ジャック(マーク・ウォールバーグ)、母アビゲイル(レイチェル・ワイズ)、祖母リン(スーザン・サランドン)そして妹といった暖かい家族に囲まれ、幸せに暮らしていた。学校では恋もする、ごく普通の14歳の少女。だが1973年12月6日、不幸にも無慈悲な殺人者の手によって殺されてしまう。亡くなったスージーは天国で温かく迎えられ、穏やかな日々を送るが、彼女の気持ちは落ち着かなかった。彼女を殺した犯人がまだ見つかっていなかったのだ。彼女はなんとかして残された家族とコンタクトを取ろうとするが、それは容易なことではなかった。やがて、殺人事件は顔見知りの犯行だったことが判明。家族にも危機が迫る。家族を救うために自分にも何か出来るはずだと必死に行動するスージー。果たして、苦悩する家族にスージーの想いは届くのか……。