33-1. アメリカン・スナイパー (AMERICAN SNIPER)  

監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパーシエナ・ミラールーク・グライムスジェイク・マクドーマンケビン・ラーチ
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 132分  (R15+)

解説
アメリカ軍史上最強の狙撃手と言われた故クリス・カイルの自伝を、ブラッドリー・クーパーを主演に迎え、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。過酷な戦場での実情や、故郷に残してきた家族への思いなど、ひとりの兵士の姿を通して、現代のアメリカが直面する問題を浮き彫りにする。

ストーリー
米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊し、イラク戦争に狙撃手として派遣されたクリス(ブラッドリー・クーパー)。その任務は“どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること”。狙撃精度の高さで多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるまでになる。しかし、敵の間にもその腕前が知れ渡り、“悪魔”と恐れられるようになった彼の首には18万ドルの賞金が掛けられ、彼自身が標的となってしまう。一方、家族はクリスの無事を願い続けていた。家族との平穏な生活と、想像を絶する極限状況の戦地。愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせる。過酷なイラク遠征は4度。度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでゆく……。





33-2. 大砂塵 (Johnny Guitar)  

監督 ニコラス・レイ
出演 ジョーン・クロフォードスターリング・ヘイドンマーセデス・マッケンブリッジスコット・ブラディワード・ボンド
1954年・アメリカ (リパブリック日本支社=NCC) 111分

解説
「突然の恐怖」 のジョーン・クローフォードが主演する1954年作色彩(トルカラー)西部劇。ロイ・チャンスラーの小説を 「魔術の恋」 のフィリップ・ヨーダンが脚色し、新人ニコラス・レイが監督した。撮影は 「女性よ永遠に」 のハリー・ストラドリング、音楽は 「テキサス街道」 のヴィクター・ヤングである。共演者は 「アスファルト・ジャングル」 のスターリング・ヘイドン、マーセデス・マッケインブリッジ(“All the King's Menでアカデミー助演賞受賞)、 「夜歩く男」 のスコット・ブラディ、 「素晴らしき哉、人生!」 のワード・ボンド、ベン・クーパーなどである。

ストーリー
鉄道敷設が進行していた1890年代の西部。かつてはやくざだったが、思うところあって足をあらい、ギターを弾いて生計を立てる男ジョニー・ギター(スターリング・ヘイドン)が、アリゾナの山奥のある賭博場へやって来た。店の女主人ヴィエンナ(ジョーン・クローフォード)は金銭に執着する意志的な女性。ジョニーが着いた夜、昼間起こった駅馬車襲撃の容疑者キッド逮捕に協力せよと、殺された男の娘エマや保安官たちが来た。しかしヴィエンナはこれを拒絶し、折から現れたキッドとジョニーのギターで踊りはじめた。憤慨した保安官は3人に24時間以内に退去を命じた。翌日キッド一味は銀行を襲ったが、エマはこの事件にヴィエンナとジョニーも関係しているといいふらした。その夜、エマは自警団を組織してヴィエンナを追い、保安官以下双方に死者が出た。自警団はヴィエンナの店に火をつけ、ヴィエンナは危いところをジョニーに救われてキッド一味の隠れ家に逃れた。そして追って来たエマとヴィエンナの一騎打は一瞬早くヴィエンナの勝となった。退去猶予の24時間がきれようとするころ、新生活を求めて谷を去るヴィエンナとジョニーの姿が見られた。





33-3. カラーパープル (The Color Purple)  

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ダニー・グローヴァーウーピー・ゴールドバーグマーガレット・エヴリーオプラ・ウィンフリーウィラード・ヒュー
1985年・アメリカ (ワーナー映画) 153分

解説
奴隷のような生活を強いられた薄幸の黒人女性が、1人の人間として目ざめていく姿を描く。製作・監督は始めてシリアスな題材に取り組んだスティーヴン・スピルハーグ、製作はほかにキャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、そして音楽も担当しているクインシー・ジョーンズ。エグゼクティヴ、プロデューサーはジョン・ピータースとピーター・グーバー、原作(集英社刊)はアリス・ウォーカー、脚本はメノ・メイエス、撮影はアレン・ダヴューが担当。出演はダニー・グローヴァーなど。アンブリン・エンターテインメント提供、クインシー・ジョーンズ製作協力作品。

ストーリー
1909年、南部ジョージアの小さな町。そのはずれに住む黒人の一家。自分もまだ子供にすぎないセリー(デスレータ・ジャクソン)、のちに(ウーピー・ゴールドバーグ)が、子供を生んだ。父親は彼女がとうさんと呼んでいた男だ。とうさんは生まれた子供をセリーの乳房からもぎとってどこかに連れていってしまった。セリーの心の支えは妹のネッティ(アコースア・ブシア)だけだ。ネッティは綺麗だし頭もいい。やがてセリーはミスター(ダニー・グローヴァー)に嫁いだ。ミスターは4人の子持ち。最初、彼はネッティを望んだがとうさんが断わり、代わりにセリーがやられたのだった。朝から晩まで掃除、洗濯、料理、子供たちの世話をして、ミスターにのしかかられるために。やがてとうさんとミスターのみだらな手が、賢くやさしいネッティへと向けられたことを知ったセリーは、ネッティを家から逃げるように説得。ネッティは牧師夫妻に助けられてアフリカヘ渡っていった。ある日、ミスターは歌手のシャグ(マーガレット・エヴリー)を家に連れて来た。セリーがシャグの面倒をみているうちに、2人の間に奇妙な友情が芽生えた。セリーの忍従の人生に驚くシャグと、夫の愛人ではあるが美しい心と自立の精神を持つシャグに、目を開かせられたセリー。セリーの魂は目覚め、自分も人間であること、真っ暗だった未来に道が開けているかもしれないことに気づくのだった。その魂が激しく燃えあがったのは、ミスターが何年にもわたって隠していたネッティからの多くの手紙だった。その手紙のありかを教えてくれたのもシャグだった。ネッティは元気でアフリカで伝導生活を送っていたのだ。一方、ミスターの息子ハーボ(ウィラード・ヒュー)の妻ソフィア(オプラ・ウィンフレー)は気が強く負けん気が災いして離婚するハメになる。しかも彼女は白人市長夫人に反抗的な態度をとったことから長い刑に処されてしまった。ハーポはソフィアと別れた後、愛人のスクィーク(レイ・ドーン・チョーン)を自分の酒場で働かせていた。そしてセリーは、ついにミスターに家を出る決心を伝えた。驚くミスターはセリーをなじるが、シャグはセリーの味方についた。そして長い刑で弱気になっていたソフィアも、セリーの反逆を見て、かつての元気がよみがえった。セリー、シャグ、そして歌手を目指そうとするスクィークが新しい人生を求めて旅立った。数年後、新しい生活も落ち着いた頃、セリーの前に、愛するネッティが姿を現わした。




33-4. ターミナル (The Terminal)  

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 トム・ハンクスキャサリン・ゼタ・ジョーンズスタンリー・トゥッチチィ・マクブライドディエゴ・ルナ
2004年・アメリカ (UIP) 92/129分

解説
スティーブン・スピルバーグ&トム・ハンクスが3度目のコンビを組んだ話題作。思わぬハプニングから空港に“住む”ことになった男の受難劇を、コミカルかつ感動的に描く。

ストーリー
東ヨーロッパのクラコウジアからやってきたヴィクター・ナヴォルスキー(トム・ハンクス)は、ニューヨークのJFK国際空港に降り立つものの、祖国でクーデターが起こり、パスポートが無効になってしまった。アメリカへの門戸を閉ざされた彼は、仕方なく空港ターミナル内での生活を始める。言葉が通じないことから散々な目に遭いつつも、徐々に生活の方法を習得していくヴィクター。空港警備局主任のディクソン(スタンリー・トゥッチ)には目をつけられるが、清掃員のグプタ(クマール・パラーナ)やフード・サービス係のエンリケ(ディエゴ・ルナ)ら、たくさんの人々が味方になってくれた。そんな中でヴィクターは、妻子ある男性との不倫の恋に悩んでいるフライト・アテンダントのアメリア(キャサリン=ゼタ・ジョーンズ)に淡い恋心を抱くようになる。彼は仲間たちの応援を得て、アメリアをデートに誘う。そして彼女に、亡き父との約束である、とある有名ジャズマンのサインをもらうためにニューヨークに来たことを告げた。そしてついに、クラコウジアの戦争が終わる。喜びを爆発させるヴィクターに、アメリアは不倫相手のコネで手に入れた1日限りの特別入国ビザを手渡した。アメリアは不倫相手と共に去り、ヴィクターは恋には破れたが、空港内の皆の応援を得て、ニューヨークへと足を踏み入れる。そしてジャズマンのサインをもらい、亡き父との約束を果たすのだった。





33-5. 地獄のコマンド (Invasion USA)  (吹替)

監督 ジョセフ・ジトー
出演 チャック・ノリスリチャード・リンチメリッサ・プロフェットアレックス・コロンエディ・ジョーンズ
1985年・アメリカ (日本ヘラルド) 92/107分

解説
アメリカ全土を支配しようとする計画インヴェイジョンUSAを企む暗黒軍団に立ち向かう秘密諜報部員の活躍を描くアクション映画。製作はメナヘム・ゴランとヨーラム・グローバス。監督は 「地獄のヒーロー」 のジョセフ・ジトー。チャックの弟、アーロン・ノリスとジェームズ・ブルーナーの原案を基にブルーナーとチャック・ノリスが脚色。撮影はジョアオ・フェルナンデス、音楽はジェイ・チャタウェイが担当。出演はチャック・ノリス、リチャード・リンチなど。

ストーリー
陽光まばゆいカリブ海にアメリカヘ向けて難民のボートが漂流している。あとわずかでその目的も達成されようとした時、アメリカ国旗をつけた沿岸警備艇が接近、難民たちが喜びの声をあげた。しかし彼らが勇んで乗り込もうとした矢先、警備艇から機関銃の弾が難民に向けて吹き荒れたー。そのボートの船底には麻薬が積み込まれており、彼らの目的はそれだったのだ。警備隊員に化けた彼らこそ、天才的頭脳を持ったスーパー・テロリスト、ミカール・ロストフ(リチャード・リンチ)が陰で操る暗黒集団だった。ロストフの狙いは、アメリカ全土にテロの嵐を巻き起こし、アメリカ人たちに地獄を味わせる<USA侵略計画>。計画は着々と進行しており、シカゴ、デトロイト、と散発的なゲリラ活動が続き、警察が手を焼いていた。この一連のテロ事件に関心を抱いていたのが女性フォト・ジャーナリストのマクガイアー(メリッサ・プロフェット)だった。ロストフにとって、この計画に邪魔になる人物がいた。マット・ハンター(チッック・ノリス)だ。かつてのアメリカ秘密諜報部のトップ・エージェントで、これまで何度かロストフのテロ計画を阻止してきていた。今は引退してフロリダの美しい沼沢地で平穏な暮らしを送っていた。そこへ彼を抹殺しようとロストフの一味がやって来た。突然の襲撃を受け九死に一生を得た彼は、その手口からロストフの仕業だと気がついた。ハンターを救おうとして悪の凶弾に絶命した友人のジョン(デール・バーティ)のためにも、彼はロストフに応戦する決意を固めた。クリスマスでにぎわうデパート。ここでもテロの魔手がのびていた。通りかかったハンターはそれに捲き込まれそうになるが、たまたま居合せたマクガイアーに協力を求めてその場を脱出。それを機に2人は接近する。自らをおとりにロストフをおびき出そうと考えたハンターは、アトランタ市に現われテレビを通じてロストフを挑発、この地で激戦が開始された。遂にビル内で、ロストフと1対1の決戦の時を迎え、ハンターは見事、うち勝つのだった。




33-6. ブレーキ・ダウン (Breakdown)  (吹替)

監督 ジョナサン・モストウ
出演 カート・ラッセルジェイ・ティー・ウォルシュキャスリーン・クインランエム・シー・ゲイニージャック・ノースワーシー
1997年・アメリカ (東宝東和) 93分

解説
ドライブの途中、見知らぬ場所で愛妻を誘拐された男の奪回劇を描いたサスペンス・カーアクション。スティーヴン・スピルバーグの 「激突!」 やロバート・アルドリッチの 「北国の帝王」 を彷彿とさせる演出を見せた監督は、これが劇場用映画となるジョナサン・モストウ。脚本は、モストウの原案を基に彼とサム・モンゴメリーが共同で執筆。製作は 「ドラゴンハート」 のディノ・デ・ラウレンティスと彼の娘で 「バウンド」 のマーサ・デ・ラウレンティス。撮影は 「心の指紋」 のダグ・ミルサム、音楽は 「コナン・ザ・グレート」 のベイジル・ポールドゥーリス、美術は 「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 のヴィクトリア・ポール、編集は 「トータル・リコール」 のデレク・ブレシンと 「ロビン・フッド」 (91)のケヴィン・ステット、衣裳は 「恋のゆくえファビュラス・ベイカー・ボーイズ」 のテリー・ドレスバッハ、スタント・コーディネーターと第二班監督は 「氷の微笑」 のジェームズ・アーネットが担当。主演は 「エクゼクティブ デシジョン」 のカート・ラッセル。共演は 「イベント・ホライゾン」 のキャスリーン・クインラン、 「ニクソン」 のJ・T・ウォルシュ、 「コン・エアー」 のM・C・ゲイニー、 「イベント・ホライゾン」 のジャック・ノーズワーシーほか。

ストーリー
東海岸のボストンから西海岸のサン・ディエゴへドライブ中のジェフ(カート・ラッセル)とエミー(キャスリーン・クインラン)の夫婦を乗せた車が故障、立ち往生しているところへ一台の長距離トラックが通り掛かった。ドライバー(J・T・ウォルシュ)が近くのダイナーまでエミーを乗せてくれるという。故障を修理したジェフはすぐに後を追ったが、彼女を見失ってしまう。この付近では何十人もの行方不明者が出ているらしい。そこへあのドライバーとその仲間がエミーの身の代金を要求してきた。交換場所に指定された給油所で、あのドライバーを発見したジェフは、トラックに飛び乗り、エミーが監禁されている納屋へ向かう。エミーを救出したジェフは男たちの追撃を受けるが、一台ずつ振り切り、残ったあのトラックは谷底に落下した。





33-7. ワーテルロー (Waterloo)  

監督 セルゲイ・ボンダルチュク
出演 ロッド・スタイガークリストファー・プラマーオーソン・ウェルズヴァージニア・マッケナジャック・ホーキンス
1970年・イタリア、ソ連 (コロムビア)

解説
英雄ナポレオンと智将ウェリントンがヨーロッパの運命をかけて、ワーテルローの地で激突した戦いを描く。製作は 「さよならを言わないで」 のディノ・デ・ラウレンティス、監督は 「戦争と平和」 のセルゲイ・ボンダルチュク、脚本はボンダルチュクとH・A・L・クレイグとヴィットリオ・ボニチェリ、撮影は 「天使の詩」 のアルマンド・ナンヌッツィ、音楽はニーノ・ロータ、編集はE・V・ミチャロバと国際色豊かなスタッフ。出演は 「軍曹」 のロッド・スタイガー、 「空軍大戦略」 のクリストファー・プラマー、 「わが命つきるとも」 以来のオーソン・ウェルズその他ヴァージニア・マッケナ、ジャック・ホーキンス、ダン・オハーリーなど。テクニカラー、70ミリ。

ストーリー
フランス全土はナポレオン(ロッド・スタイガー)がエルバ島から脱出した事を知り興奮にわきかえっていた。南仏に上陸したナポレオンは護衛兵を従えパリに向かった。パリのルイ十八世(オーソン・ウェルズ)は、かつてナポレオンの将校だったネイ将軍(ダン・オハーリー)を派遣し、進撃を阻止しようとしたが兵隊はナポレオンを見ると銃を投げだし、歓声をあげて彼のまわりにむらがった。ルイ十八世軍と一度も戦火を交えず凱旋した彼は民衆の熱狂的歓迎を受け再びフランスの皇帝になり、ルイ十八世はなすすべもなく王宮を渡した。しかし、英、仏、オーストリア、プロシャの各国は、今度こそナポレオンを徹底的に駆逐しようと、軍備を強化していた。英国のウェリントン卿(クリストファー・プラマー)軍、プロシャ軍等は既にベルギーのワーテルローへ移動していた。これを知ったナポレオンも軍を率いてワーテルローに向った。その日、ウェリントンはブリュッセルのリッチモンド侯爵夫人(ヴァージニア・マッケナ)の舞踏会でナポレオン進撃のニュースを受け、すぐ前線に戻り、戦いに備える事になった。そして、数日降り続いた雨もやんだ一八一五年六月十五日ナポレオン軍、連合側、合わせて約十五万の軍勢がワーテルローに結集し、両雄の生涯をかけ十時間を越える大激戦が開始されたのである。後年、ウェリントンはこの戦いについて、「もし私がイベリア半島戦後の武将と共にあったら、私はクアトル・ブラスで戦っていただろう」と言っている。その地で戦いの火蓋はきられた。ワーテルローから南八マイルの地点である。ここでウェリントン軍はネイ将軍率いる軍隊を破り、士気は上がった。だが、六月十七日朝、ウェリントンは作戦変更の通知を受けた。南東のリグヌでプロシャ軍が大敗したというのだ。それで彼の軍は北方に移動し、ワーテルローに向った。その地はウェリントンの戦闘計画にはない地点であり、戦いに良い地形とはいえなかった。夜に合流する予定のプロシャ軍とそれを阻止しようというナポレオンの意図はウェリントンに運がついた。ウェリントン軍総勢六七万人、ナポレオン軍六八万人。ウェリントン軍の半分は訓練されていない兵士だった。戦いの前にナポレオンは「ウェリントンは無能な将軍で軍隊もなってないから、朝メシ前の戦いだ」と言った。が、六月十八日午前十一時に砲火の口火が切られてからは昼メシも危くなった。お互の要塞の攻撃、歩兵戦、騎兵戦と続いた。午後六時になっても決着はつかなかった。双方の犠牲者は果てしなかった。午後七時ナポレオンは最後の手をうって総攻撃をかけ、対応してウェリントンもむかえ撃った。戦いは十時間余に及び、仏軍は敗退した。ウェリントンはこの戦いについて、こう言った。「多数の兵を失った事に次いで悲惨なことはこのような勝利を得ることである」。この戦いにナポレオン軍の死者三万以上、英軍死者一・五万、プロシャ軍七千人以上で傷ついた者は数知れなかった。ナポレオンは、プロシャ軍に、捕まりそうになったが、パリに逃亡、その後セント・ヘレナ島に流された。ウェリントンは言った「この戦いが終り、世界の平和が来た。これは、歴史上のどんな戦いよりも重要な戦いであった」。





33-8. フィラデルフィア (PHILADELPHIA)  

監督 ジョナサン・デミ
出演 トム・ハンクスデンゼル・ワシントンジェイソン・ロバーズメアリー・スティーンバージェンアントニオ・バンデラス
1993年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 125分

解説
エイズで解顧された男とエイズ恐怖症の男の2人の弁護士が、差別と偏見という見えざる敵に闘いを挑む社会派ヒューマン・ドラマ。監督は 「羊たちの沈黙」 のジョナサン・デミ。脚本は、同監督の 「スイング・シフト」 (V)も手がけたロン・ナイスワーナー、撮影は 「羊たちの沈黙」 のタク・フジモト。音楽も同作のハワード・ショアで、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤング、マリア・カラスの曲が全編を彩る。主演は 「めぐり逢えたら」 のトム・ハンクスで本作で第66回アカデミー最優秀主演男優賞を受賞。共演は 「ペリカン文書」 のデンゼル・ワシントン、 「バックマン家の人々」 のジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン、 「ミスター&ミセス・ブリッジ」 のジョアン・ウッドワードほか。

ストーリー
フィラデルフィアの一流法律会社に務めるアンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、ある日突然エイズと宣告され、ウィラー社長(ジェイソン・ロバーズ)に解雇される。不当な差別に怒ったベケットは、損害賠償と地位の保全を求めて訴訟を決意。だが、次々と弁護を断わられた彼は、以前敵同士として渡り合ったやり手の弁護士ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)を訪ねる。ミラーはエイズに対して、抜きがたい恐怖を感じていた。しかし、世間の冷たい視線に対しても毅然と対処し、熱心に資料を漁るべケットの姿に、ミラーの心は動かされる。ミラーは弁護を引き受け、母のサラ(ジョアン・ウッドワード)をはじめ、ベケットの肉親たちは彼に熱い支援を約束する。解雇から7カ月後、〈自由と兄弟愛の街〉フィラデルフィアで注目の裁判が開廷した。ミラーは解雇が明らかな法律違反だと主張したが、対する会社側の主任弁護士ベリンダ(メアリー・スティーンバージェン)は、彼の弁護士としての不適格性を激しく突く。予断を許さぬ裁断の行方と並行して、ベケットの症状は次第に悪化していく。裁判を優先させて本格的治療を先に延ばそうとする彼に、恋人でライフパートナーのミゲール(アントニオ・バンデラス)は苛立つ。ベケットは恋人のため、自分のためにパーティを開く。遂にベケットは裁判中に倒れ、病院に運ばれた。ミラーは原告側の勝訴の報を、ベッドの上のベケットに告げる。数日後、大勢の人々に見守られながらベケットは静かに息を引き取り、ミラーはかけがいのない友の死を実感した。






33-9. イコライザー (THE EQUALIZER)  

監督 アントワン・フークワ
出演 デンゼル・ワシントンクロエ・グレース・モレッツマートン・ソーカスデヴィッド・ハーバービル・プルマン
2014年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 132分  (PG12)

解説
80年代に人気を博したテレビドラマをデンゼル・ワシントン主演でリメイクしたサスペンス・アクション。元CIAの諜報員が偶然出会った娼婦の少女を救うべく、身近な武器を手にロシアンマフィアに戦いを挑んでいく姿が描かれる。クロエ・グレース・モレッツが物語のカギを握る娼婦に扮し、これまでのイメージとは異なる役を熱演。

ストーリー
ホームセンターの従業員として勤務、今では日々静かに暮らす元CIAの凄腕諜報員マッコール(デンゼル・ワシントン)は、ある夜、馴染みのカフェで娼婦の少女テリー(クロエ・グレース・モレッツ)と出会う。彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知ったマッコールは、彼の中で眠っていた正義感が目を覚まし、彼にしか出来ない“仕事”の遂行を決意。それは警察が介入できない不正やトラブルを身の周りにあるモノ全てを武器に変え、瞬時に解決することであった。世の中の不正を完全抹消する“イコライザー”と呼ばれる男、マッコールは元ロシア特殊部隊のロシアンマフィアに対峙していく……。





33-10. ヒューゴの不思議な発明 (Hugo)  

監督 マーティン・スコセッシ
出演 エイサ・バターフィールドクロエ・モレッツサシャ・バロン・コーエンベン・キングズレージュード・ロウ
2011年・アメリカ (パラマウント ピクチャーズ ジャパン) 126分  (3D)

解説
マーティン・スコセッシ監督が初の3Dに挑んだ本格ファンタジー。原作はブライアン・セルズニックの小説 「ユゴーの不思議な発明」 。ロンドンとパリで撮影されたスケール感あふれる映像、謎とスリルに満ちた物語は痛快そのもの。英米の美形子役を中心にベテランが脇を固める豪華キャストの顔ぶれも大きな見どころだ。

ストーリー
1930年代のフランスはパリ。父(ジュード・ロウ)を火事で失ったヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、駅の時計台に隠れ住み、駅の時計のネジを巻いて毎日を過ごしていた。独りぼっちになった彼の唯一の友だちは、父が遺した壊れたままの“機械人形”。その秘密を探るうちに、機械人形の修理に必要な“ハート型の鍵”を持った少女イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と、過去の夢を捨ててしまった老人ジョルジュ(ベン・キングズレー)に出逢う。やがてヒューゴは、それぞれの人生と世界の運命をも変えてしまうほどの秘密のメッセージが機械人形に隠されていることを知る。機械人形に導かれたヒューゴの、世界を修理するための冒険が今、始まる。





33-11. トップガン (Top Gun)  

監督 トニー・スコット
出演 トム・クルーズケリー・マクギリスヴァル・キルマーアンソニー・エドワーズトム・スケリット
1986年・アメリカ (パラマウント=UIP) 110分

解説
サンディエゴの海軍航空隊基地を舞台に、世界最高のパイロットを養成するエリート学校と別名を“トップガン”と呼ばれる訓練生たちの姿を描く。製作はドン・シンプソンとジュリー・ブラッカイマー。エグゼクティヴ・プロデューサーはビル・バダラート。監督は 「ハンガー」 のトニー・スコット。脚本はジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア、撮影はジェフリー・キンボール、音楽はハロルド・フォルターメイヤーが担当。出演はトム・クルーズ、ケリー・マクギリスなど。

ストーリー
カリフォルニア州ミラマー海軍航空隊基地。1分間で3万フィート飛翔し、スピードは音速以上、7トンもの兵器を搭載できるF14トムキャットのパイロット、マーヴェリック(トム・クルーズ)と、RI0と呼ばれるレーダー索敵員のグース(アンソニー・エドワーズ)が“トップガン”と呼ばれるエリートパイロットたちの仲間入りをした。彼らの教官は、“ヴァイパー”ことマドカフ中佐(トム・スケリット)だ。彼らの中にベスト・オブ・ベストの自信をのぞかせているアイスマン(ヴァル・キルマー)とスライダー(リック・ロッソヴィッチ)のコンビもいた。その夜、士官クラブで、マーヴェリックはブロンド美人に魅せられた。翌日、その彼女が、教官として紹介された。チャーリー(ケリー・マクギリス)といい、航空物理学の博士で、敵の航空機の情報にも詳しい専門家である。実戦訓練が始まり、マーヴェリックとグースの絶妙なコンビネーションが披露された。ある日チャーリーからデートに誘われ、喜び勇んで家を訪れたマーヴェリックは、彼女の目的がミグの話だと判って落胆し、2人の仲は気まずくなるが、やがて彼女が愛を告白し、2人は抱き合った。トップガンのスケジュールも半分を消化したころ、アイスマンはマーヴェリックの無謀さを批難し忠告した。そんな矢先、マーヴェリック組が事故を起こしグースが死んだ。ショックを受けたマーヴェリックは、チャーリーの慰めにもかかわらず落ち込み、新しくコンビを組んだサンダウン(クラレンス・ギルヤード・ジュニア)とも息が合わなかった。トップガンを去ろうとするマーヴェリック。一方昇進による新しい職場がワシントンに決まったチャーリーが、必要ならば自分もここに残るとマーヴェリックに告白するが、彼は何も答えなかった。卒業式。首席はアイスマンだった。祝賀パーティの最中、突如、出動命令が下った。米国の情報収集船が危機にさらされているという。“トップガン”たちはインド洋上へと向かった。ウルフマン機がやられ、アイスマン機が孤立した。ミグを相手に本領を発揮するマーヴェリック。遂に彼はアイスマンを助けた。帰還し歓声で迎えられた2人は抱き合った。数日後、ミラマー基地に戻ったマーヴェリックを、チャーリーが待っていた。彼女はワシントンから引き返して来たのだった。




33-12. ウィル・ペニー (Will Penny)  

監督 トム・グリース
出演 チャールトン・ヘストンジョーン・ハケットドナルド・プレゼンスリー・メジャースベン・ジョンソン
1967年・アメリカ (パラマウント) 111分

解説
映画初登場の新人トム・グリースが監督した西部劇。 「エルダー兄弟」 のルシエン・バラードが撮影を担当、音楽はデイヴィッド・ラクシンがあたっている。出演は 「誇り高き戦場」 のチャールトン・ヘストン、 「グレープ」 のジョーン・ハケット、 「007は二度死ぬ」 のドナルド・プレザンス、リー・メジャーズ、ベン・ジョンソン、ブルース・ダーンなど。

ストーリー
少年時代から牧場の手伝いをし、牛をあつかうことにかけては、近在きっての腕のいいカウボーイとして知られるウィル・ペニー(チャールトン・ヘストン)は、ある日ダッチとブルーを連れて町に出かけたが、途中、クイントというならず者の一家とけんかしてしまった。このけんかでダッチーが重傷を負ったので、ウィルとブルーは近くの牧場にダッチーを運び、傷の手当てをした。その牧場には、カリフォルニアにいる夫に会いに行くというかザリン(ジョーン・ハケット)が、男の子を連れていて、ダッチーの手当てを手伝ってくれた。町に着くとウィルは、ダッチーを医師に預け、ブルーを町に残して、冬中の牧草の手入れをするため、草原に出かけた。この草原は、アレクスという男が管理しており、ウィルは、人里離れた小屋に冬の食糧を運ぶ仕事を頼まれた。その途中、ウィルはクイント一家に襲われ、馬と食糧と銃を奪われた。やっとの思いで小屋にたどり着いてウィルは、そこで吹雪に道をはばまれて避難していたカザリン母子に会った。カザリンは傷ついたウィルを手厚く看病した。ウィルは、生まれて初めて愛情の温かさを知った。だが、ウィルが小屋にいることを知ったクイントたちが、再び押しよせてきた。武器もなく、やっと元気をとり戻したばかりであるウィルは、彼らの言うままになるしかなかった。しかし、ウィルはクイントたちと争いやっと小屋を脱出した。ちょうどそこへブルーたちが救援に駆けつけ、クイント一味は倒された。牧場で冬を過ごすことになったカザリン母子は、ウィルに牧場に来るよう勧めた。カザリンはカリフォルニアに去った夫と別れ、ウィルと結婚する決心をしていた。だがウィルは、その申し出を断った。一生をカウボーイとして生きすでに50に近い。これからもカウボーイとして生きるほかはない。ウィルは、そう考えたのだった。アレクスに、自分がもらう金があれば、カザリンたちにやってくれと頼み、ウィルは立ち去った。泥によごれたウィルの顔に、涙が流れていた。





33-13. アナライズ・ユー (Analyze That)

監督 ハロルド・レイミス
出演 ロバート・デ・ニーロビリー・クリスタルリサ・クドロージョー・ヴィテレリキャシー・モリアーティ
2002年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 96分

解説
ロバート・デ・ニーロ&ビリー・クリスタル共演のコメディ「アナライズ・ミー」の続編。マフィアのボスと気弱な精神科医がトラブルに巻き込まれ友情を深めていく姿をコミカルに描く。

ストーリー
収監中のマフィアのボス・ポール(ロバート・デニーロ)の様子がおかしい。突然「ウエストサイド・ストーリー」のナンバーを朗々と歌い上げたかと思うと一気に塞ぎこんで無反応。そこで以前ポールを診ていたベン(ビリー・クリスタル)が呼ばれ、ポールはベンの保護観察下におかれる。ベンは父を亡くしたばかりなのにポールの身勝手さが追い討ちをかけもううんざり。ポールを更正させようと堅気の仕事に就けても持ち前のマフィア気質が邪魔しどれもうまくいかない。ギャングドラマの監修を依頼され引き受けるが、リアリティがないと昔の仲間を集結させる。一方、ポールの後釜・パティー(キャシー・モリアーティ・ジェンティエリー)たちとリガッチ(フランク・ジオ)のファミリーは抗争中で、両者ともポールを引き入れようと画策。ポールはリガッチ一味と強盗を企て、ベンも加わることになってしまう。強盗は首尾よくいくが、ベンは不安からパニック状態になり、父を亡くした喪失感を吐露。ポールとベンは悲しみを共有する。ポールはひっそりと暮らすことを約束。感謝するポールに自信を取り戻したベン。二人は「サムウェア」を歌い、別れる。




33-14. 愛を読むひと (The Reader)  (吹替)

監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 ケイト・ウィンスレットレイフ・ファインズデヴィッド・クロスレナ・オリンブルーノ・ガンツ
2008年・アメリカ、ドイツ (ショウゲート) 93/124分  (PG12)

解説
ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説をケイト・ウィンスレット主演で映画化した感動作。第2次大戦後のドイツを舞台に、少年と謎めいた年上の女性との物語が展開する。

ストーリー
1958年、ドイツ。15歳のマイケル・バーグ(デヴィッド・クロス)は、学校からの帰宅途中に具合が悪くなったところを助けてくれた21歳年上のハンナ・シュミッツ(ケイト・ウィンスレット)に恋をする。3ヶ月後、猩紅熱から回復したマイケルは、お礼の花束を持って一人暮らしのハンナを訪ねるが、その大人の成熟した魅力に惹き付けられ、翌日もまた彼女の部屋に向かってしまう。ハンナに命じられて石炭を運んだマイケルは煤だらけになり、言われるままに風呂に入る。バスタブから出る彼を、大きなタオルで抱きしめたのは裸のハンナだった。次の日もその次の日もハンナの部屋へと走るマイケル。ハンナもその時間に、路面電車の車掌の仕事を終えて帰ってくる。激しく求め合う二人。やがてハンナは、本を読んで聞かせてとマイケルに頼み、彼は「オデュッセイア」から「チャタレイ夫人の恋人」まで一心に読み続けた。そんなある日、マイケルが彼女の部屋を訪ねると、中は空っぽで、ハンナの姿も消えていた……。1966年。マイケルは大学の法科に通い、ロール教授(ブルーノ・ガンツ)の特別ゼミを受講していた。実際の裁判を傍聴する授業で、マイケルはハンナと再会する。彼女はかつてナチ親衛隊の看守として収容所に勤務、戦争中の犯罪を問われ裁かれている女性たちの一人だった。だが、ハンナはある秘密を隠し通そうとしており、そのために不利な証言を認め、無期懲役の判決を言い渡される。1976年。弁護士になったマイケル(レイフ・ファインズ)は、結婚と離婚を経験し、幼い娘とも別れ、再び一人で生きていた。彼は、ハンナへの想いという答えの出ない問題を抱え続けていたが、彼女の傷跡に向き合うために、そして彼女の無数の傷を癒すためにある決意をする。テープレコーダーに思い出の本の数々を吹き込み、ハンナが服役する刑務所にテープを送った。彼女の最後の朗読者になる。それがマイケルのたどり着いた答えだった……。




33-15. 摩天楼ニューヨークはバラ色に (The Secret of My Success)  

監督 ハーバート・ロス
出演 マイケル・J・フォックスヘレン・スレイターリチャード・ジョーダンマーガレット・ウィットンジョン・パンコウ
1986年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP) 111分

解説
実業界での成功を夢見る若者がまんまと大企業のトップに躍り出る姿を描く。製作・監督は 「フットルース」 のハーバート・ロス、エグゼクティヴ・プロデューサーはデイヴィッド・チャスマン、脚本はジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア、A・J・キャロザーズ、ストーリーはA・J・キャロザーズ、撮影はカルロ・ディ・パルマ、音楽はデイヴィッド・フォスターが担当。出演はマイケル・J・フォックス、へレン・スレイターほか。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は菊地浩司。カラー、ビスタサイズ。1986年作品。

ストーリー
現代のメトロボリス、ニューヨーク。実業界での成功を夢見て田舎からやって来た若者ブラントリー(マイケル・J・フォックス)は、まず、自分の手で仕事探しに掛かった。彼の親戚に当たる人物を頼って、27の関連会社をもつ巨大コングロマリット、ペンロープ・コーポレーションに足を踏み入れる彼。フォスターの熱意に押されて、叔父で社長のプレスコット(リチャード・ジョーダン)は、彼にメイル・ボーイの仕事を与えた。ホワイト・カラーの連中にいち早く情報を伝える仕事を利用して、彼は、会社の状況をつかんだ。彼には、以前から気に掛かっている女性がいた。重役会議にも必ず参加するほどの有能な女性だ。その彼女クリスティ(ヘレン・スレイター)に接近しようとしたフォスターは、機会があるごとに彼女に声を掛けていた。ひょんなことから、社長の妻で、不在がちの夫に欲求不満のベラ(マーガレット・ウィットン)に気に入られることになったフォスター。彼は、ペンロープ社が余りに大企業になったために、各担当が、電話1本で命令して書類返送確認するという伝達用法を用いていることを知る。彼は巧みに空室になった重役室に入り込み重役になりすまし、仕事をはじめた。その頃、ペンロープ社の株の買い占めを巡って極秘にのっとりが計画されているという噂がながれて、重役会議は大わらわ。プレスコットは、最近頭角を現してきた、フォスターが装っているウィットフィールドを敵のスパイと目を付け、彼の愛人であるクリスティに探りを入れさせた。それがきっかけで急速に接近する2人。2人はペンロープ社を救うべく会議に乗り込んだ。フォスターは、週末に招待されたパーティで紹介された大企業の大物たちの力をかりて、見事にペンロープ社の株の51%を買い戻しに成功。ベラを会長に据えて、プレスコットをくびにして晴れて、マンハッタンでバラ色の成功を手に入れるのだった。(ユニヴァーサル映画=UIP配給*1時間50分)





33-16. スターリングラード (Enemy at the Gates)

監督 ジャン・ジャック・アノー
出演 ジュード・ロウジョセフ・ファインズレイチェル・ワイズボブ・ホスキンスエド・ハリス
2001年・アメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド (日本ヘラルド映画) 98/132分

解説
実在した英雄伝説を仏の名匠ジャン=ジャック・アノーが壮大なスケールで映画化。ドイツ軍を撤退に追いこんだ若き天才スナイパーの極限下での愛と死闘がドラマチックに展開。

ストーリー
1942年9月、ナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードは陥落寸前。凄まじい銃撃戦を生き延びた青年ヴァシリ・ザイツェフ(ジュード・ロウ)は、羊飼いの家で射撃を仕込まれた名手だった。そんな彼は共産党の青年将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)と親しくなり、兵士の士気を高めるため英雄を求めていた友の要請で、スナイパーとしての任務を始める。次々とドイツ人士官を倒すヴァシリの活躍を、ダニロフは、発行する機関紙を通して大々的に報じていく。ヴァシリの勇名はソ連中に広まり、彼は国民的英雄となった。その活躍でソ連軍の士気はやや盛り返したが、彼の暗殺を目的にドイツ軍きっての狙撃の名手ケーニッヒ少佐(エド・ハリス)が送り込まれてからは、再び暗雲がたれ込めるようになる。またヴァシリとダニロフも、2人が共に愛するレジスタンスの女兵士ターニャ(レイチェル・ワイズ)をめぐり、友情に亀裂が入るようになった。そんな中、11月、スターリングラードで凄惨な激戦の火蓋が切って落とされる。ヴァシリは苦悩しながら敵を倒し、ドイツ軍が撤退するまで戦場を生き抜いていくのだった。





33-17. ズートピア (ZOOTOPIA)  (吹替)

監督 リッチ・ムーア
出演 ジニファー・グッドウィンジャイソン・ベイトマンイドリス・エルバネイト・トランスJ. K. シモンズ
2016年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 109分  (3D)

解説
動物たちが人間のように暮らす文明社会“ズートピア”を舞台に、警察官になりたいと願うウサギのヒロイン、ジュディとキツネの詐欺師ニックが出会い、巻き起こす騒動を描くディズニー・アニメーション作品。ジョン・ラセターの製作総指揮のもと、 「塔の上のラプンツェル」 のバイロン・ハワードと 「シュガー・ラッシュ」 のリッチ・ムーアが共同で監督を担当。

ストーリー
高度な文明が発達した動物たちの楽園ズートピア。そこは、誰もが夢を叶えられるところだった。田舎町バニーバロウで育ったウサギのジュディは、幼い頃から、世界をより良くするために警察官になりたいと思い描いていた。サイやカバといった大型動物だけが警察官になっているものの、ジュディは警察学校を首席で卒業。ウサギとして初めて警察官になり、ズートピアに赴任する。しかし、動物たちの連続行方不明事件が発生し、捜査に向かうのはサイやゾウといった大型の同僚たちばかり。スイギュウの署長ボゴはジュディの能力を認めようとせず、駐車違反の取締りを命じる。そんな中、街で困った様子のキツネの親子を助けたところ、彼らは詐欺師だった。だまされショックを受けるジュディに、詐欺師のニックは、何にでもなれると思っていても無理だと言い放つ。落ち込むジュディだったが、諦めずに、未捜査のままになっているカワウソのオッタートンが行方不明になっている事件の捜査に名乗り出る。ジュディを応援するヒツジのベルウェザー副市長の後押しもあり、ボゴは期間は2日間のみであること、失敗したらクビにすることをを条件に、やむなく捜査を任せる。チャンスを掴んだものの、手がかりは皆無だった。そこでジュディは、街に精通しているニックに協力を依頼。秘密を握られているニックは、渋々彼女の捜査に付き合うことにする。ニックの情報網を駆使し聞き込みを続けるうちに、ついにツンドラ・ラウンでオッタートンの痕跡が残る車を見つける。しかしその車はツンドラ・タウンの闇のボス、ミスター・ビッグのものであり、ジュディとニックは捕まってしまう。何とかこの危機を切り抜けたジュディとニックは、新たな手がかりを掴むとともに、ズートピアに何かが起ころうとしていることに気付く……。





33-18. 続・荒野の用心棒

監督 セルジオ・コルブッチ
出演 フランコ・ネロロレダーナ・ヌシアクエドゥアルド・ファヤルドホセ・ボダロアンジェル・アルバセス
1966年・イタリア (東和)

解説
フランコ・ロゼッティとホセ・G・マエッソとピエロ・ヴィヴァレッリ三人共作のシナリオを、セルジオ・コルブッチが監督したイタリア製西部劇、 「荒野の用心棒」 につぐ“用心棒”シリーズ第二弾。撮影をアンジェロ・ノビ、音楽をルイス・エンリケス・バカロフが担当。主演は 「殺しのテクニック」 のフランコ・ネロとロレダーナ・ヌシアク、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンジェル・アルバセスが脇を固めている。製作はマノロ・ボロニーニが担当している。テクニカラー、テクニビジョン。

ストーリー
メキシコとの国境にほど近い小さな村。この村では、人種偏見にとらわれた元南軍の少佐アメリカ人のジャクソン少佐(E・ファハルド)一派と、メキシコ独立運動の闘士ユーゴ・ロドリゲス将軍(J・ボダロ)一派が激しく対立していた。ある日、国境にある底なし沼で混血娘マリア(L・ヌシアク)が、将軍の部下と少佐の部下に相次いで危害を加えられようとしていた。ちょうどその時、古ぼけた棺桶をひきずり丘の上にたたずむ男がいた。男は目にもとまらぬ早技でマリアを救った。この男が国境地方で名を売った早射ちの用心棒ジャンゴ(F・ネロ)だった。ジャンゴはマリアを連れて、ナタニエーレの酒場で休むことにした。ほどなく少佐の部下達が酒場に現れ、けたはずれの用心棒代をナタニエーレに強要しからんだ。ジャンゴの二度目の早射ちが見れたのはこの時だった。やがて復讐の念に燃えた少佐の一味が四十人の手下を従えて姿を現した。おもむろに棺桶から機関銃をとりたすやいなやジャンゴの前には死者の山ができた。一方将軍達は革命のために機関銃を着々と集めていた。そんなある日、メキシコ政府軍営舎に多量の黄金があるとの情報が入った。資金集めにとって、営舎襲撃はかっこうのチャンスだった。ジャンゴの腕を見込んだ将軍は、黄金を折半することで手を握った。襲撃は成功した。しかし将軍は黄金の分け前を渡してくれぬばかりか、ジャンゴを邪魔者扱いするのだった。怒ったジャンゴは黄金を棺に詰めこむとマリアと村から逃げだした。ところがつり橋のところで馬車が急に傾き、棺はそこなし沼に落ちてしまった。棺捜しにもたついているうちに、将軍の追手が姿を現し、ジャンゴは捉えられた。そして二度と銃を握れぬように馬の蹄でジャンゴの両手もこなごなに踏みつぶして去った。そしてメキシコに向う将軍達は、待ち伏せた少佐達に、皆殺しにされてしまった。傷ついた腕をかかえ酒場に戻ったジャンゴを少佐達は墓場へ呼びよせた。積り積った恨みをこめて、少佐達はジャンゴを狙った。しかしながら、次の瞬間倒されたのは少佐達だった。激痛に耐えて、ピストルに細工をし、墓標でピストルを支え、げき鉄を利用してのジャンゴの執念の闘いだった。




33-19. 夕陽の群盗 (Bad Company)  

監督 ロバート・ベントン
出演 ジェフ・ブリッジスバリー・ブラウンジム・デイヴィスデイヴィッド・ハドルストンジョン・サヴェージ
1972年・アメリカ (パラマウント=CIC) 92分

解説
南北戦争で荒廃したオハイオ州から中西部へ、徴兵を脱して旅する青年の姿を描く。製作はスタンリー・R・ジャッフェ、監督はロバート・ベントンはこれがデビュー作だが、ハワード・ホークスやジョン・フォードに師事しており、脚本家としては、この作品での共同執筆者でもあるデイヴィッド・ニューマンとコンビで 「俺たちに明日はない」 「おかしなおかしな大追跡」 を執筆している。撮影は 「ゴッドファーザー」 のゴードン・ウィリス、音楽はハーヴェイ・スミチッド、編集はラルフ・ローゼンブラムが各々担当。出演はジェフ・ブリッジス、バリー・ブラウン、ジム・デイヴィス、デイヴィッド・ハドルストン、ジョン・サヴェージなど。

ストーリー
1865年、オハイオ州グリーンビルはまさに人間狩の様を呈していた。くしの歯のようにかけた兵士たちを補充するために、軍隊は身体強壮な若者を手当たり次第にかき集めていたのだ。良家に育ったドリュー・ディクソン(バリー・ブラウン)は両親の手をかりてミズリー州へと逃れた。1人になった彼は、西部へ向かう幌馬車隊に加わりたいと願ったが、断わられ、その上、ジェイク(ジェフ・ブリッジス)というケチな泥棒に襲われ、金目のものを奪われてしまった。なにげなく立ち寄った牧師の家で、ドリューは盗みに入ってきたジェイクを再び見つけ取っ組みあいとなった。だが、格闘の末、逆に2人は意気投合し、ドリューはジェイクの悪童仲間と同行することに決めた。この年端もいかぬ少年強盗団は知恵と拳銃を使って、あてのない旅をカンサスへと向かった。ドリューとジェイクの間には、次第に一風変わった友情が芽生えていった。だが、西部は彼らが考えていたほど甘くはなく、はるかに荒っぽく無謀な所だった。特に筋金入りの無頼漢ビッグ・ジョー(デイヴィッド・ハドルストン)に会ったとき、彼らはド肝を抜かれた。拳銃の力と、その無頼の限りに圧倒されてしまったのだ。やがて、1番年少者ブーグがパイを盗んでいる所を、牧場主に射殺され、仲間のジムとロニーもドリューのポケット時計を盗んで姿を消してしまった。数日後、旅を続けるドリューとジェイクは、樹木につるされたローガンとローニーの死体を発見する。ビッグ・ジョーの一味に殺されたのだ。決闘が始まった。2人は必死に撃ちまくり、さすがのビッグ・ジョーもその執念にはかなわなかった。ドリューが盗まれた時計を探している打ちに、今度はジェイクに裏切られてしまった。馬も食料も隠しておいた金までも奪われてしまったのだ。おきざりにされたドリュー端復讐を誓った。数日後、強盗を働いた1味が家に立てこもり、周囲を追手が取り囲んでいるところへドリューはでっくわした。そしてこの強盗団の中にジェイクがいたのだ。1度は復讐を誓ったドリューだが、決心のつかないままジェイクを助けてしまった。夕陽の中で、何かが2人を同じ運命に引き寄せていることを2人は悟るのだった。





33-20. 太陽は光り輝く (The Sun Shines Bright)  

監督 ジョン・フォード
出演 チャールズ・ウィニンジャーアーリーン・ウィランジョン・ラッセルステピン・フェチットラッセル・シンプソン
1953年・アメリカ (リパブリック日本支社=NCC) 102分

解説
アービング・S・コップの短編小説 「太陽は 光り輝く」 「虐殺の暴徒」 「神は救う」 の3編から、 「黄色いリボン」 のローレンス・ストーリングスが脚色、ジョン・フォードが監督した人情ドラマ。撮影は 「アパッチ砦」 のアーチー・スタウト、音楽は 「80日間世界一周」 のヴィクター・ヤングが担当した。出演は舞台俳優のチャールズ・ウィニンジャー、アーリーン・ウィラン、ステピン・フェチット、 「荒野の決闘」 のラッセル・シンプソンほか。

ストーリー
南北戦争の40年後、ケンタッキーのある町では南軍のラッパ手だったプリースト判事(チャールズ・ウィニンジャー)を中心にいまだに南軍魂が総てを支配していた。北部派のメイドウ弁護士はその偏見を一掃しようと、次の判事選挙に立候補した。ブリーストの友人レイク医師の養女リー(アーリーン・ウィラン)は老将軍の孫娘だが、出来の悪い息子といかがわしい女との子ということで祖父に認められず医師の養女になっていた。土地の名門の息子アシュビー(ジョン・ラッセル)が久しぶりに帰郷、リーに心惹かれた。あるときリーを侮辱した無頼漢ランセイがアシュビーを叩きのめしたが、判事はそれを中止させランセイを町から追放した。彼はある集落に逃げこんだ。やがてランセイはその集落で暴行をし逃亡をはかって射殺された。プリース判事にとって選挙戦に不利な事態が起きた。疲れ果てたリーの母親が町にやって来て、いかがわしい商売をするマリーの家で死んだ。マリーは正式な葬式を出してくれるよう判事に頼み、彼は昔気質の人たちに白い眼で見られるのを覚悟してそれを承諾した。判事改選の当日、今までなかった風変わりな葬儀が行なわれた。馬にひかれた霊柩車の後にホロなしの馬車が1台、みすぼらしい黒服のマリーお抱えの女たちが乗り、会葬者は徒歩で続くプリーストただひとり。それを見た善良な町の人々がこの列に加わり、リー、アシュビーも歩き出した。教会に着いたとき将軍も駆けつけ、会葬者の数はふくれあがった。葬儀を終えた判事はメイドウの勝ちを覚悟していた。開票結果は2人同数、プリースト自身の1票で勝利をおさめたのだった。




33-21. エリジウム (Elysium)  (吹替)

監督 ニール・ブロムカンプ
出演 マット・デイモンジョディ・フォスターシャールト・コプリーアリス・ブラガディエゴ・ルナ
2013年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 99/109分  (PG12)

解説
第9地区」 で南アフリカを舞台にエビ型エイリアンと人類の戦いを描いた、ニール・ブロンカンプ監督が、マット・デイモンを主演に迎えて描くSFアクション。富裕層はスペース・コロニーに、貧困層は地球に住む近未来を舞台に、余命5日を宣告された男が、永遠の命を手に入れるべく、命の危険にさらされながら戦いに挑む姿を映し出す。

ストーリー
2154年。限られた富裕層の者たちは汚れを排除したスペースコロニー“エリジウム”に、その他の者たちは地球に住んでいた。人口過密となった地球は荒廃しきり、犯罪と貧困がはびこっていた。マックス(マット・デイモン)も犯罪に手を染めては留置所送りになっていたが、この繰り返しを断ち切るべくアーマダイン社の工場で働き始め、組立ラインに従事する。更生したかに見えたある日、事故が彼を変える。なんとしてでもエリジウムに行かなければならない理由のできたマックスは潜入を試みるが、彼の前に、不法入国者からエリジウムを守るデラコート高官(ジョディ・フォスター)が立ちはだかる……。





33-22. テレフォン (Telefon)  

監督 ドン・シーゲル
出演 チャールズ・ブロンソンリー・レミックドナルド・プレゼンスタイン・デイリーアラン・バデル
1976年・アメリカ (MGM映画=CIC) 104分

解説
米ソが共存の世界へ第一歩をふみ出そうとした中で、過激なスターリン主義者の計画を阻止しようとするKGB諜報員の活躍を描くスパイ・アクション。製作はジェームズ・B・ハリス、監督は 「ドラブル」 のドン・シーゲル、脚本はピーター・ハイアムズとスターリング・シリファント、原作はウォルター・ウェイジャー(早川書房刊)、撮影はマイケル・バトラー、音楽はラロ・シフリン、プロダクション・デザイナーはテッド・ハワース、編集はダグラス・スチュワートが各々担当。出演はチャールズ・ブロンソン、リー・レミック、ドナルド・プレザンス、タイン・デイリー、アラン・バデル、パトリック・マギー、シェリー・ノース、フランク・マースなど。

ストーリー
1月10日、モスクワ。市内の閑静なアパートの中に銃を手にした男達が消える。指揮をとっているのは、KGB長官ストレルスキー将軍(パトリック・マギー)と、副官マルチェンコ大佐(アラン・バデル)。だが逮捕しようとしたダルチムスキー(ドナルド・プレザンス)はいなかった。1月17日、アメリカはコロラド州デンバー。ハイウェイ沿いの修理工場に電話が鳴る。出た店主に、「森は美しく、暗く、深い。だが誓いを果たし、眠るまでの道は遠い……」。この言葉と共に、暗示にかかった男は、隠してあった爆弾を車に積み陸軍基地に車ごと乗りこみ、基地は大爆発をおこした。1月18日、バージニア州CIA本部。CIA副長官サンドバーグ(フランク・マース)は、この事件を知るが、この機能の停止した基地を選んだ理由がつかめなかった。そんな彼のところへ、コンピューター・プログラマーのドロシー(タイン・デイリー)が、最近ソ連で24人もの極論派のスターリン主義者が粛清されたことをつたえる。1月20日、フロリダ州アパラチコラ。小型機でチャーター業をしている男の所に、例の電話が……。でも小型機の海軍基地への体当りは失敗した。このニュースをTVでみて愕然とした男がいた。ダルチムスキーだ。1月24日、モスクワ。KGB本部にボルゾフ少佐(チャールズ・ブロンソン)がよばれる。そこで彼は、アメリカでの一連の事件を聞かされ、ダルチムスキー殺害を命じられた。事件の背景とは、まだ米ソが冷戦のころ、KGBにより洗脳された51人の人間がアメリカに送りこまれ、命令により破壊活動をするようにされていたのだ。だが、今の時代となっては、この『テレフォン作戦』も必要なくなった。しかし、ダルチムスキーはこの51人をリストアップしてアメリカへもぐりこんだのだ。早く彼を殺さねば……。ボルゾフは51人の名を覚え、旅立った。1月26日、カナダのカルガリー空港。ボルゾフを迎えたのは、KGBの人間バーバラ(リー・レミック)だった。夫婦に扮した2人は、アメリカへと向かう。1月27日、ロサンゼルス。国際電話局が牧師によって爆発され、牧師は重傷のまま病院にかつぎこまれた。1月28日、サンタモニカ。病院についたボルゾスとバーバラは、牧師を殺す。1月29日、モスクワ。KGB長官は『テレフォン作戦』を一切抹殺するため、何も知らないバーバラにボルゾフを任務完了後殺すよう命令する。同じ頃、ボルゾフは、バーバラに殺す男を教え、一方彼女は彼に好意をいだき始めていた。その頃、ニューメキシコ州ケンブリッジで山中のロケット試射場が爆破される。ボルゾフはあせり、ダルチムスキーが、自分の同じイニシャルの人間に次々と指示をあたえているのに気づいた。次の文字はH。ヒューストンだ。ボルゾフは飛ぶ。1月30日、テキサス州ヒューストン。ボルゾフがその男の暗躍を阻止している頃、バーバラはサンドバーグと連絡をとっていた。彼女はCIAの二重スパイなのだ。ボルゾフ殺しを命ぜられる彼女。ダルチムスキーは、街角にすぐに姿をけしていた。次はホルダービルだ。1月30日、テキサス州ホルダービル。ボルゾフは先まわりしてその土地の男を殺し、ついに姿を現わしたダルチムスキーを追いつめ、ついに電話ボックスの中で殺した。やがて、サンドバーグの元へ、バーバラから電話が入った。「ダルチムスキーは死んだワ。これから私とボルゾフは、姿をけし足を洗うの。行方をさぐろうとしないでね。もしさぐったら、また方々で電話が鳴るわよ」と。




33-23. ソイレント・グリーン (Soylent Green)  

監督 リチャード・フライシャー
出演 チャールトン・ヘストンリー・テイラー・ヤングエドワード・G・ロビンソンチャック・コナーズジョゼフ・コットン
1973年・アメリカ (MGM映画) 98分

解説
2022年、今から約50年後のニューヨークには人口が膨大したことによって食糧難が起こっていた。人々は1週間に1度、政府が配給する 「ソイレント・グリーン」 と呼ばれるウェーフェース状の食料で命を継いでいたが・・・。原題のソイレント・グリーンとはSOY(大豆)とLENTIL(レンズ豆)を合成した言葉でアメリカのSF作家ハリー・ハリソンの小説の映画化。製作はウォルター・セルツァーとラッセル・サッチャー、監督は 「センチュリアン」 のリチャード・フライシャー、脚色はスタンリー・R・グリーンバーグ、撮影はリチャード・H・クライン、音楽はフレッド・マイロー、編集はサミュエル・E・ビートリーが各々担当。出演はチャールストン・ヘストン、リー・テイラー・ヤング、これが遺作となったエドワード・G・ロビンソン、チャック・コナーズ、ジョセフ・コットン、ブロック・ピーターズ、スティーブン・ヤング、マイク・ヘンリーなど。

ストーリー
2022年のニューヨーク。ここも地球上の全ての土地と同様、人口過剰と食料不足にあえいでおり、ごく1部の裕福な人を除き、4000万市民の大部分は週1回配給される食品を食べて細々と生きている。この食料はソイレント会社が、海のプランクトンから作っていたがすでにそのプランクトンさえ激減していた。最近、同社は「ソイレント・グリーン」という新しい製品を発表したが、品不足から配給が思うようにいかず、仕事も家もない何百万市民の不平不満は、一発触発の暴動の危機をはらんでいた。彼らに比べれば、市警察殺人課の刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)は、職があるだけによほどましな暮らしである。むさくるしいが2階屋のアパートに老人のソル・ロス(エドワード・G・ロビンソン)と住んでいる。ソルはいわばソーンの人間ブックで、事件の背景を調べ、ソーンの捜査を助けている。ソーンは、ソイレント会社の幹部の1人ウィリアム・サイモン(ジョセフ・コットン)が自宅で惨殺された事件を担当することになった。彼にはボディー・ガードのタブ(チャック・コナーズ)と、「ファーニチャー」と呼ばれ、家具の1つとして配置されている女たちの1人、シャール(リー・テイラー・ヤング)が付ききりだったが、あいにくその2人は買い物にでかけ留守だった。タブは物盗りの仕業というが周到な計画殺人であることが、ソーンにはすぐに判った。その後、何度かシャールと接するうちに2人は愛し合うようになった。一方、ソルの調査から事件の背後に大物の手が動いていることを知ったソーンが、捜査に本腰を入れようとした矢先、上司のハッチャー(ブロック・ピーターズ)から捜査を打ち切るよう圧力をかけられた。頑として拒否するが、たちまち臨時に狩りだされ、ソイレント・グリーン配給の警備に廻されてしまう。そこには、少ない配給量に対する市民の怒りに火をつけ、暴動のどさくさに紛れてソーンを消そうとする殺し屋が待ち受けていた。ソーンは足を射たれるが殺し屋も誤って暴動鎮圧用シャベルに押しつぶされてしまう。一方、ソルはブック仲間の集まりでサイモン殺人事件の動機となったソイレント社の秘密を知りショックを受ける。彼は現実のあまりの厳しさに絶望し、安楽死させてくれる「ホーム」に向かう。そのことを知ったソーンは「ホーム」に駆け込むが間に合わず、老人の孤独な臨終を痛恨の思いで見とるばかりあった。だが、息を引き取る直前にソイレント・グリーンの秘密を明かされ愕然とする。新製品のソイレント・グリーンが人肉だったとは・・・。その帰り道、タブと数名の男たちに襲撃され、激しい射ち合いになったが、折りよくハッチャーが部下と共に応援に駆けつけ、タブは射殺されるが、ソーンもまた重傷を負う。ソーンは担架で病院に運ばれる途中、ソイレント・グリーンの秘密を告発するよう、繰り返しサッチャーに訴え続けた・・・。




33-24. 殺したい女 (Ruthless People)  

監督 ジム・エイブラハムズ
出演 ダニー・デヴィートベット・ミドラージャッジ・ラインホルドヘレン・スレイターアニタ・モリス
1986年・アメリカ (東宝) 95分

解説
妻を殺そうと計画していた男が、妻が誘拐されて大喜びという喜劇。製作はマイケル・ペイサー。エグゼクティヴ・プロデューサーはリチャード・ワグナー、ジョアナ・ランカスター、ウォルター・イエットニコフ、監督は 「フライングハイ」 のジム・エイブラハムズ、ジェリー・ザッカー、デイヴィッド・ザッカーのトリオ。脚本はデール・ローナー、撮影はジャン・デボン、音楽はミシェル・コロンビエが担当。出演はべット・ミドラーほか。

ストーリー
ニュー・ファッションで大金持になったサム(ダニー・デヴィート)は財産目当てでもらった女房のバーバラ(ベット・ミドラー)が嫌になり、その殺害計画を情婦のキャロル(アニタ・モーリス)に嬉々として話す。車ごと断崖から突き落とそうと、クロロフォルムを手に帰宅した。ところが、彼女の姿がない。電話があって「バーバラを誘拐した。身代金は50万ドル、警察にしゃべると生命はない」という。喜んだ彼は早速警察に通報した。犯人のケン(ジャッジ・ラインホールド)とサンディ(ヘレン・スレイター)夫婦はバーバラを地下室にとじこめるが、わがままなバーバラに手を焼く。もともとサンディのデザインをサムが盗んで大儲けした分を取り戻そうという考えでバーバラを殺す気など始めからない。サムはいつ殺してくれるかと思っているから、身代金を払う気などなく、1万ドルに値下げしても相手にしない。キャロルはサムと一緒になる気などなく、サムのバーバラ殺害現場を若い情夫のアール(ビル・プルマン)にビデオ録画させた。断崖にきたのは男とコールガールで、2人は大ハッスル。サムをおとしいれるためビデオを見ずに警察署長(ウィリアム・G・シリング)に送りつけた。ところが、署長がビデオの人物だった。一方、バーバラとサンディは意気投合し、サムが1万ドルでも払おうとしないことを聞くと、彼の腹の内を読み、サンディとケンに協力し、亭主の全財産を奪う計画をたてた。キャロルは署長に電話で圧力をかけ、署長はサムを仕方なく調べ始めた。サムは200万ドル以上の身代金を要求され、それを払わないと自分があやしまれるとあって、仕方なくOKする。身代金を横取りしようとアールが出現したり、大混乱のすえ、ケンが車で逃走し、波止場から海へ。水上に浮かびあがる札束をつかもうと人々が海へとび込む。無事発見されたバーバラはサムの尻を蹴り、彼を海中へおとす。そして、大部分の札束を手にして別の浜辺にあがってきたケン、サンディの2人と一緒になる。




33-25. スーパー・チューズデー 正義を売った日 (The Ides of March)  

監督 ジョージ・クルーニー
出演 ライアン・ゴズリングジョージ・クルーニーフィリップ・シーモア・ホフマンポール・ジアマッティマリサ・トメイ
2011年・アメリカ (松竹) 101分

解説
米大統領選挙に向けて、複数の州でその予備選が同時開催される“スーパー・チューズデー”。選挙戦最大のヤマ場となる同日を控えた各陣営の駆け引きといった選挙の裏側に迫る濃密な人間ドラマ。ジョージ・クルーニーが監督・脚本に加え、大統領を目指す州知事に。ライアン・ゴズリングが選挙戦のカギを握る若き広報官を演じる。

ストーリー
アメリカ合衆国大統領の座をめざし、民主党予備選に出馬したマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)は、選挙ツアー最大の正念場を迎えようとしていた。ペンシルベニア州知事として政治家の実績を積んだモリスは、ハンサムで弁舌に優れ、カリスマ性も十分。そのうえ清廉潔白な人柄と揺るぎない政治信条で多くの有権者を魅了し、ライバル候補のプルマン上院議員をじわじわと引き離しつつある。来る3月15日のオハイオ州予備選に勝利すれば、その勢いに乗って共和党候補をも打ち破り、ホワイトハウスの主になることはほぼ確実。いよいよ一週間後に迫ったスーパー・チューズデーの決戦に全米の注目が集まっていた。モリスを支えるのは、ベテランのキャンペーン・マネージャー、ポール・ザラ(フィリップ・シーモア・ホフマン)と、広報官スティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)。ある日、スティーヴンのもとに、プルマン陣営の選挙参謀トム・ダフィ(ポール・ジアマッティ)が電話をかけてくる。極秘の面会を求められ、一度は拒んだスティーヴンだが、何らかの情報提供をちらつかせるダフィの言葉巧みな誘いに負けてしまう。ダフィの目的は、スティーヴンを自陣営に引き抜くことだった。だがモリスに心酔しているスティーヴンは、その申し出を即座に拒絶。その夜、スティーヴンは選挙スタッフのインターンである若く美しい女性モリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とホテルで親密な一夜を過ごす。翌日、スティーヴンはダフィとの密会の件をポールに打ち明け、謝罪するが、何より忠誠心を重んじるポールの怒りは想像以上だった。二人の間には亀裂が生じ、ダフィとの密会は新聞記者アイダ(マリサ・トメイ)にも嗅ぎつけられてしまう。圧倒的優勢を見込んでいたスーパー・チューズデーの雲行きも怪しくなり、スティーヴンを取り巻く状況はまたたく間に悪化していった。そんな中、ポールからクビを宣告されたスティーヴンは、プルマン陣営への寝返りを決意するが、態度を豹変させたダフィにすげなく門前払いされてしまう。怒濤の嵐が吹き荒れるスーパー・チューズデー前夜、正義を売る者たちの最後の壮絶な駆け引きが始まった……。




33-26. ミッション (The Mission)  

監督 ローランド・ジョフェ
出演 ロバート・デ・ニーロジェレミー・アイアンズレイ・マカナリーリーアム・ニーソンエイダン・クイン
1986年・イギリス (日本ヘラルド映画) 125分

解説
1750年?58年を舞台に南米の地の果てに殉教した2人のイエズス会士の物語。製作はフェルナンド・ギアとデイヴィッド・パトナム、監督は 「キリング・フィールド」 のローランド・ジョフェ、脚本はロバート・ボルト、撮影はクリス・メンジス、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はロバート・デ・ニーロ、ジェレミー・アイアンズほか。

ストーリー
巨大な滝へとつながるイグアス川の上流で、十字架にかけられた男がインディオたちの手で流れに押し出されていた。南米内陸奥地のインディオたちに神の教えをもたらそうとするイエズス会の神父ジュリアンだ。彼は、十字架にかけられた無残な亡骸となった。彼のかわりガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)が布教にきた。殺気だった雰囲気の中で、彼はオーボエを吹き、その美しい音色にインディオたちの心は柔らいだ。武器を手にしたグァラニー族の小さな村に迎えられたガブリエルは、そこで、ロドリゴ・メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)の存在を知って落胆する。彼は庸兵にして奴隷商人。アスンシオンの街では知らぬ者がいないこの男は、平和な村に奴隷狩りという魔の手をのばしていた。総督にインディオを売りさばいてアスンシオに戻ったメンドーサは、愛人カルロ(チェリー・ランギ)から、フィリッポ(エイダン・クイン)との愛を取ると告白されショックを受ける。実の弟であるフィリッポを、嫉妬に狂ったメンドーサが殺したことを、イエズス全本部に戻ったガブリエル神父は知った。弟殺しで独房に入ったメンドーサを連れ出したのはガブリエルだった。重荷を背負い岩場を踏みしめるメンドーサを、インディオたちが見守った。数年後、滝の上にサン・カルロス教会が建ち、枢機卿アルタミラノ(レイ・マカナリー)が到着した。イエズス会の神父を集めた会でも、私腹を肥やすことしか眼中にない偽政者たちに、見習い神父として控えていたメンドーサは怒りを爆発させた。メンドーサの怒りをアルタミラノに説明するガブリエル。枢機卿は懊脳した。奴隷に関することはポルトガルとスペインとイエズス会の政治にも影響があるのだ。両国ともイエズス会の勢力増大を恐れ国内のイエズス会士追放をもくろんでいる。会としては南米は譲歩し、ヨーロッパでの布教の道をとるべきだった。楽園を閉鎖するしかないのだ。メンドーサは武器をもって戦う決意をし、その方法に反対しながらも、ガブリエルも戦う姿勢をとった。大量の武器や火薬を持ったポルトガル軍とスペイン軍の前に、メンドーサの率いるグァラニーの人々、さらに祈りに託すガブリエルも最期の時を迎えるのだった??。




33-27. ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ (Yankee Doodle Dandy)  

監督 マイケル・カーティズ
出演 ジェームズ・キャグニーウォルター・ヒューストンローズマリー・デ・キャンプジーン・キャグニーリチャード・ウォーフ
1942年・アメリカ (ヘラルド・エンタープライズ) 126分

解説
86年3月30日、86歳で死んだジェームズ・キャグニーがブロードウェイ・ミュージカルの父といわれたジョージ・M・コーハンに扮した伝記映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはジャック・L・ワーナーとハル・B・ウォリス、監督はマイケル・カーティズ、脚本はロバート・バックナー、エドモンド・ジョセフ、音楽監督はレオ・F・フォーブステイン、振付はジョン・W・ボイル、リロイ・プリンツ、シーモア・フェリックスが担当。

ストーリー
1937年、ジョージ・M・コーハン(ジェームズ・キャグニー)はほぼ10年ぶりに舞台にカムバックした。この作品でコーハンはフランクリン・D・ルーズベルト大統領を演じたが、何とその大統領自身からホワイトハウスへの招待の電報が届いた。そこでコーハンは大統領と対面し、自分が歩んだ道を回想する。彼の父ジェリー・コーハン(ウォルター・ヒューストン)、母ネリー(ローズマリー・デ・キャンプ)はともにボードヴィルの芸人だった。やがて妹ジョニーも生まれ、一家はコーハン4人組として巡業を続けた。旅から旅の暮らしでコーハンも大人になり、あるとき白髪の老人役をやった。その舞台を見ていたのがのちに結婚することになるメーリー(ジョーン・レスリー)だ。コーハンは彼女の歌を認め、劇場主に無断で自作の歌をうたわせたことが原因で劇場主と大ゲンカ、完全にほされてしまう。そこで作詞・作曲の仕事に活路を求めるが、買ってくれるところもなく失意のドン底をはい廻るが、のちに製作者としてコンビを組むことになるサム・H・ハリス(リチャード・ウォーフ)とめぐり会いついに「リトゥル・ジョニー・ジョーンズ」の上演にこぎつけた。これは初期のコーハンの代表作となり、彼はスター街道を歩み始める。そして2年後の「ブロードウェイから45分」でも成功を納め、ブロードウェイにはジョージ・M・コーハンの時代がやってくる。やがて第2次世界大戦が始まった。コーハンは入隊を志願したが年齢オーバーではねられ、代りに前線慰問に情熱を注いだ。1920年代のブロードウェイは以前にも増してコーハンの時代になり、いくつもの劇場で彼の作品が上演された。仕事の上では絶頂期を迎えたが、代りに次々と家族の死に見舞われた。プロデューサーのサム・H・ハリスとも長年のコンビを解消、1928年の「ビリー」で引退。妻のメーリーと世界旅行に出て、帰国後は農場で暮らすようになった。10年もたつと彼の名前すら知らない若い人が出てくる、そんな時代になった。その頃、旧友サム・H・ハリスからカムバックの要請が来た。それが「私はむしろ正しくありたい」だった。長い回想が終わったとき、大統領は彼に名誉勲章を授けた。





33-28. フューリー (FURY)  

監督 デビッド・エアー
出演 ブラッド・ピットシャイア・ラブーフローガン・ラーマンマイケル・ペーニャジョン・バーンサル
2014年・アメリカ (KADOKAWA) 135分

解説
たった一台の戦車で300人ものドイツ軍に戦いを挑む5人の男たちの姿を描く、ブラッド・ピット主演の戦争ドラマ。ピット扮するベテラン兵が乗り込むシャーマンM4中戦車“フューリー”とドイツ軍のティーガー戦車との激しい戦車バトルでは本物の戦車を使用するなど、リアリティを重視した戦闘シーンが見ものだ。

ストーリー
1945年4月、第二次世界大戦下。ナチス占領下のドイツに侵攻を進める連合軍の中にウォーダディー(ブラッド・ピット)と呼ばれる米兵がいた。長年の戦場での経験を持ち、戦車部隊のリーダー格存在である彼は、自身が“フューリー”と名付けたシャーマンM4中戦車に3人の兵士と共に乗っていた。ある日、ウォーダディーの部隊に新兵のノーマン(ローガン・ラーマン)が副操縦手として配属される。だが彼はこれまで戦場を経験したことがなく、銃を撃つこともできない兵士であった。繰り返される戦闘の中、想像をはるかに超えた戦場の凄惨な現実を目の当たりにするノーマン。5人の兵士たちがぶつかりあいながらも絆を深めていく中、ドイツ軍の攻撃を受け、他部隊はほぼ全滅となる。なんとかウォーダディーの部隊は生き残るが、300人ものドイツ軍部隊が彼らを包囲していた。そんな状況下、ウォーダディーは無謀にも“フューリー”で敵を迎え撃つというミッションを下す……。




33-29. クライムダウン (A Lonely Place to Die)  (吹替)

監督 ジュリアン・ギルビー
出演 メリッサ・ジョージエド・スペリーアスショーン・ハリスイーモン・ウォーカーアレック・ニューマン
2011年・イギリス 99分

解説
山中で発見した少女の救出をきっかけに思いもよらぬ事態に巻き込まれていく5人の登山家の運命を描くサスペンス・アクション。主演は「30デイズ・ナイト」「トライアングル」のメリッサ・ジョージ。スケールの大きい登山ロケを敢行、雄大な山岳地帯の迫力ある映像もみどころ。

ストーリー
スコットランドの高地に入山したアリソン(メリッサ・ジョージ)ら男女5人の登山仲間は入山2日目、尾根で奇妙な声を聞く。そこには地面から換気用のパイプが。地面を掘り起こすと大きな箱があり、中にはセルビア人の少女アナが…。彼女は誘拐され、そこに入れられていた。救助を呼ぶためアリソンとロブ(アレック・ニューマン)は皆と離れ最短ルートの岩壁を降りるが、ロブはロープが切れ落下し死亡、アリソンも落石で崖の途中から落ちるが、運良く助かる。ロープが切断されていて命を狙われていると知るアリソン。一方、アナを連れたアレックスらは別ルートで村を目指していた。だが、そこに助けを呼びに向かったはずのアリソンの姿が…。その時、ジェニーが何者かに撃たれる。それはアナを誘拐したキッド(ショーン・ハリス)とマクレイの仕業だった。




33-30. ジャン=クロード・ヴァン・ダム/アサシン・ゲーム (ASSASSINATION GAMES)  

監督 アーニー・バーバラッシュ
出演 ジャン=クロード・ヴァン・ダムスコット・アドキンスケヴィン・チャップマンイヴァン・ケイアンドリュー・フレンチ
2011年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ) 101分

解説
1990年代に多くのアクション映画に主演したジャン=クロード・ヴァン・ダムがベテランのスナイパーを演じ、復讐に燃える若きスナイパーとバイオレンス満載の銃撃戦を繰り広げるアクション。“次世代のヴァン・ダム”と呼ばれているスコット・アドキンスとの新旧アクション俳優対決がみどころ。スナイパー対決という物語を軸に奇抜な暗殺方法を楽しめる一方で、共にキックボクシングを得意とする二人の格闘も盛り込まれている。

ストーリー
インターポールは殺し屋フリントを雇い非合法な犯罪組織壊滅を行っていた。しかし、その事実が公になることを恐れ、証拠隠滅のためフリント抹殺を計画。彼らはフリントが犯罪者ポロに対して個人的な恨みを持っていると知り、ポロを出所させることで彼をおびき出す作戦に出る。しかしフリントが現れたところへ、突然、謎の暗殺者がポロを襲撃。三つ巴の銃撃戦となって抹殺は失敗に終わってしまう。謎の暗殺者はいったい何者なのか?





33-31. アンコール!! (SONG FOR MARION)  

監督 ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
出演 テレンス・スタンプヴァネッサ・レッドグレイヴジェマ・アータートンクリストファー・エクルストン
2012年・イギリス (アスミック・エース) 94分

解説
気難しい老人が、病に倒れた妻に代わり、合唱団に入団して歌で癒そうとする姿が胸を打つハートフルストーリー。テレンス・スタンプとヴァネッサ・レッドグレイヴという共に70代を迎えた英国を代表する名優たちが夫婦に扮し、味わい深い演技を披露する。監督はイギリスの新鋭ポール・アンドリュー・ウィリアムズ。

ストーリー
ロンドン。無口で気難しいアーサー(テレンス・スタンプ)は隣近所でも有名なガンコ者で、息子との関係もギクシャクしていた。唯一、笑顔を見せるのは、最愛の妻マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)に対してだけ。病弱だが陽気なマリオンの趣味は、ロックやポップに挑戦するちょっと変わった合唱団“年金ズ”で歌うこと。そんな“年金ズ”にある日、国際コンクールのオーディションに出場するチャンスが巡ってくる。喜ぶマリオンだったが、なんとガン再発の告知が……。練習に行けないマリオンのたっての頼みで、妻の代わりに渋々合唱団の門を叩くアーサー。美人なのに恋愛ベタな音楽教師エリザベス(ジェマ・アータートン)や、個性派だらけの仲間との出会いは、アーサーの毎日を思いもよらない方向へ導いてゆく。間近に迫るコンクール。マリオンがアーサーに伝えたかったこととは……?そして、自分の殻に閉じこもっていた72歳のアーサーを待ち受ける新たな人生のステージとは……?





33-32. アンドロメダ… (The Andromeda Strain)  

監督 ロバート・ワイズ
出演 アーサー・ヒルデイヴィッド・ウェインジェームズ・オルソンケイト・レイドポーラ・ケリー
1971年・アメリカ (CIC) 131分

解説
現実に起こりうるという点で、恐怖を感じさせるサイエンス・フィクション。製作・監督は 「ウエスト・サイド物語」 「サウンド・オブ・ミュージック」 のロバート・ワイズ、マイケル・クライトンの原作をネルソン・ギディングが脚色、撮影はリチャード・クライン、音楽はジル・メレがそれぞれ担当。出演はアーサー・ヒル、デイヴィッド・ウェイン、ジェームズ・オルソン、ケイト・レイド、ポーラ・ケリーなど。

ストーリー
ニュー・メキシコの小さな村に落下した衛星を回収にいった陸軍の兵士たちは、村にふみ込んで一瞬息を呑んだ。あたり一面に住民の死体が転がっているのだ。一方、本部では、村の異常を伝える兵士の声が突然悲鳴に変わり、電話が切れてしまったため、急遽、非常体制をとり、待機していた4人の科学者を動員してワールドファイア計画を発動させた。4人はストーン博士(アーサー・ヒル)、ダットン博士(デイヴィッド・ウェイン)、ホール博士(ジェームズ・オルソン)の3人に、女性のルース・レービット博士(ケイト・レイド)を加えた、アメリカの最高権威であった。現地に飛んだストーンとホール博士は、住民たちの急死は、衛星の中の微生物が住民たちを襲ったためと断定したが、死者の血液を粉末状にするほど凝固させてしまう生物の正体は、見当もつかなかった。さらに不可解なのは、住民たちの中の2人だけが生存していたことである。地酒の好きな老人ジャクソンと、乳飲み児の2人だった。超近代的な研究所で、衛星と2人の生存者を研究資料に、博士たちの必死の研究が始まった。科学者はその微生物を“アンドロメダ・ストレイン”と名づけ、コンピューターを主にした各種装置を駆使して、アンドロメダの分析研究は着々と進められたが、依然、撲滅のための手掛かりは何もつかめなかった。ホール博士が医学研究員のミス・カレン(ポーラ・ケリー)と乳飲み児の反応検査をしていたとき、突然ランプがつき、けたたましい“汚染”のアナウンスが所内を流れた。汚染したのはダットン博士の研究室で、ダットンはガラス越しにストーン博士に励まされながら真青な顔をしていた。ホールは、今までの研究結果から、地酒を浴びるほど飲んでいた老人の酸性と、1日中泣きづめの乳飲み児のアルカリ性の相反する2つが、彼らをアンドロメダの魔手から救ったと直感していた。彼はダットン博士の研究室の酸素供給をとめ、ダットンに激しく呼吸させるようにした。ホールの博打は成功し、ダットンは一命をとりとめた。しかし、直後に今度は研究所の自爆装置が作動し始めた。汚染が規定以上に達すると、自動スイッチがはいり、5分後には研究所が核爆発で吹っ飛ぶように設計されていた。地下1階にある自爆装置を解除するため、ホールはキーを持って向かった。しかし作動と同時に各階のドアが自動的に閉まり、ホールは管制室にいるストーン博士の指示に従いながら、中央室空洞(コア)を登って任務を果たさねばならなかった。困難な作業であったが、ホールはレーザー光線に頬を焼かれながらも、やっとのことで辿りつき、間一髪で自爆装置を解除した。




33-33. TAXi 2 (Taxi 2)

監督 ジェラール・クラウジック
出演 サミー・ナセリフレデリック・ディーファンタルマリオン・コティヤールエマ・シェーベルイベルナール・ファルシィ
2000年・フランス (日本ヘラルド映画配給(日本ビクター=日本ヘラルド映画=テレビ東京=三菱商事=コムストック提供)) 89分

解説
 L・ベッソン製作・脚本で大ヒットしたカー・アクションの続編。仏を舞台にスピード狂のタクシー運転手と気弱な刑事の活躍を、ユーモアを交えながらスリリングに描写。

ストーリー
マルセイユ。愛車プジョーを乗り回すスピード狂のタクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)は、恋人リリーとの結婚を控えて彼女の両親の元へ。彼は日本の防衛庁長官を迎えるリリーの父ベルティーノ将軍を、猛スピードで空港まで送り届けて彼に気に入られた。歓迎パーティにはナセリとなじみのジベール署長(ベルナール・ファルシー)も刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)、女刑事ペトラ(エマ・シューベルイ)を連れて登場。ダニエルは要人用の特殊乗用車コブラでパリまで長官を送る任務も引き受けた。ところが、そこへ謎の日本人グループが登場、長官と女刑事ペトラを連れ去ってしまう。かくしてダニエルは、ペトラをひそかに愛するエミリアン、そして日本の情報部員ユリ(ツユ・シミズ)と協力して、大胆不敵な救出作戦を決行、パリの街を疾走するのだった。





33-34. 壮烈第七騎兵隊 (They Died with their Boots on)  

監督 ラウール・ウォルシュ
出演 エロール・フリンオリヴィア・デ・ハヴィランドアーサー・ケネディチャーリー・グレイプウィンジーン・ロックハート
1942年・アメリカ (ワーナー・ブラザース日本支社) 140分

解説
「底抜け落下傘部隊」 のハル・B・ウォリスが製作指揮にあたり 「テキサス決死隊(1949)」 のロバート・フェローズが1942年に製作した騎兵隊物でウォーリー・クラインと 「盗賊王子」 のイーニアス・マッケンジー共同の脚本を 「世界を彼の腕に」 のラウール・ウォルシュが監督した。撮影監督はバート・グレノン( 「赤い灯」 )、音楽は 「外套と短剣」 のマックス・スタイナーである。 「すべての旗に背いて」 のエロール・フリンと 「風と共に去りぬ」 のオリヴィア・デ・ハヴィランドが主演し、 「怒りの河」 のアーサー・ケネディ、 「最後の無法者」 のジーン・ロックハート、アンソニー・クイン 「すべての旗に背いて」 などが助演。

ストーリー
ジョージ・アームストロング・カスター(エロール・フリン)は1857年、ウェスト・ポイントの陸軍士官学校に入学したが、成績は開校以来最低といわれた。しかし、勇敢なことも開校以来と定評をとった。南北戦争勃発で卒業が繰り上げられ、彼も恋人リービー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)に別れを告げる暇もなく、北軍に加って出征した。彼はスコット中将の目にとまって第2騎兵隊に所属することになり、大勲功をあげて軍の書類の混乱にも手伝わされ副少将にまで昇進した。凱旋したカスターはめでたくリービーと結婚したが、戦争が終わって退役軍人の生活はあまり幸福ではなかった。そのことを気遣った妻の尽力でカスターは現役に復帰することになりダコタのリンカーン砦にある第7騎兵隊の司令に任命された。彼はだらけきった第7騎兵隊を再建し、付近のインディアンと平和条約を結んで彼らの住むブラック・ヒルには白人は入らないことを約束した。しかしこの地域に金鉱があると聞いたネッド(アーサー・ケネディ)という男がインディアン地域にのり込もうとし、カスターの説得も空しく、ついに全インディアンは鋒起した。劣勢の第7騎兵隊はカスターを先頭に救援の来る前に全滅したが、カスターの遺書によってネッドの悪行は当局に暴かれ、カスターとインディアンとの間に結ばれた条約は破棄されず守られることになった。




33-35. グランド・マスター (一代宗師)  

監督 ウォン・カーウァイ
出演 トニー・レオンチャン・ツィイーチャン・チェンマックス・チャンソン・ヘギョ
2013年・香港、中国、フランス (ギャガ) 123分  (PG12)

解説
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」 のウォン・カーウァイが、トニー・レオン、チャン・ツィイーら人気スターを起用し、中国武術の神髄を受け継ぐべく壮絶な戦いを繰り広げる人々の姿を描いたスタイリッシュなアクション。ブルース・リーの師匠としても知られるイップ・マンなど、実在のキャラクターも登場する。

ストーリー
1936年、中国。北の八卦掌の宗師《グランド・マスター》、ゴン・パオセンは引退を決意、跡継ぎに一番弟子のマーサン(マックス・チャン)を指名する。パオセンは南の佛山で引退試合を開き、自分に勝った“真のグランド・マスター”に、自分がやり残した南北統一の使命を任せようとするが、野望を抱くマーサンは南の各流派を潰しにかかり、怒ったパオセンに佛山から追い払われる。パオセンの娘で、奥義六十四手をただ一人受け継ぐゴン・ルオメイ(チャン・ツィイー)も、父の反対を押して名乗りを上げ試合に勝つことしか頭になかった。一方、南の武術界からは詠春拳の宗師・イップ・マン(トニー・レオン)が送りこまれる。7歳で詠春拳の門下に入った彼は三代目宗師を引き継ぎ、妻と二人の子供と共に満ち足りた暮らしを送っていた。闘いの舞台は、佛山で最も有名な娼館“金楼”。イップ・マンはまずここで働く様々な流派の武術家たちと闘うことになる。八掛掌、形意拳、洪家拳の使い手である武術家たちを倒したイップ・マンに、パオセンは「あなたに後を託そう」と高らかに宣言。だがルオメイは父に黙ってイップ・マンを金楼に呼び出し、奥義六十四手を見事に決めて勝利する。しかしその時、同じ高みを目指す二人の間に何かが芽生える。雪に包まれた地から手紙を送るルオメイの胸には、熾烈な闘いで交わした視線と重なる呼吸が甘く切なく甦るのだった。1937年、日中戦争勃発。1938年10月には日本軍が佛山に侵攻、イップ・マン邸は憲兵隊に奪われる。日本軍への協力を拒否したイップ・マンは貧窮に苦しみ、さらには幼い娘の餓死という最大の悲劇が彼を襲う。一方、ルオメイは列車の中で、日本軍に追われる八極拳の宗師・カミソリ(チャン・チェン)を助ける。彼は中国国民党の特務機関に属し、暗殺者として恐れられる男だった。そんな中、マーサンは日本側につき、1940年に満洲国奉天の協和会長に就任。マーサンの人格を問題視するパオセンは、跡継ぎを破棄、逆上したマーサンは師匠を殺害する。ルオメイは秘めていたイップ・マンへの想いを封印し、ただひたすら復讐に向かって技を磨くのだった……。1950年、香港。宗師たちはそれぞれの事情でこの街に流れてきていた。イップ・マンは武術を教え、多くの弟子たちから慕われている。カミソリは、激烈な闘いを制して組織から脱退、その後八極拳を弟子に伝えた。そんなある日、診療所を開くルオメイを訪ねたイップ・マンは、10年前の大晦日の復讐劇を知る……。





33-36. 2ガンズ (2 Guns)  (吹替)

監督 バルタサール・コルマクール
出演 デンゼル・ワシントンマーク・ウォールバーグポーラ・パットンビル・パクストンジェームズ・マーズデン
2013年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズエンタテインメント) 99/109分

解説
デンゼル・ワシントン&マーク・ウォールバーグ主演のアクション大作。お互いの素性を知らずに麻薬組織で潜入捜査を行っていた男たちが度重なるピンチに遭遇しながらも、力をあわせて乗り越えていく姿が描かれる。監督は実在の海難事故を描き話題を呼んだ 「ザ・ディープ」 のアイスランド人、バルタザル・コルマキュル。

ストーリー
麻薬取締局(DEA)の捜査官ボビー・トレンチ(デンゼル・ワシントン)と海軍情報部将校のマイケル・スティグマン(マーク・ウォールバーグ)は、潜入捜査のためお互いの正体を知らぬまま、メキシコの片田舎でマフィアの手先としてコンビを組んでいた。そんな中、ようやく組織のしっぽを掴み、4000万ドル(約40億円)という大金を強奪した二人。だが、その大金は忽然と消失、ボビーはマイケルの裏切りを知るのだった。ところが、マイケルも海軍の上司の裏切りから大金を失ってしまう。実はこの金はCIAの裏金でもあった。汚れた4000万ドルを取り戻すべくボビーは再びマイケルと手を組むが、麻薬取締局や海軍情報部、CIA、マフィアが二人を追い詰めていく……。





33-37. オデッセイ (THE MARTIAN)   (吹替)

監督 リドリー・スコット
出演 マット・デイモンジェシカ・チャステインクリステン・ウィグジェフ・ダニエルズマイケル・ペーニャ
2015年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 118/142分  (IMAX)

解説
マット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じる、リドリー・スコット監督によるサバイバル・ドラマ。残り少ない酸素や食料をよそに、科学の力を武器に生き残ろうとする主人公ワトニーと、彼を火星に置き去りにしてしまった事を悔やみ、救出しようとする人々の葛藤や友情を描く。原作はアンディ・ウィアーのベストセラー小説。

ストーリー
人類3度目の有人火星探査ミッション“アレス3”は、18日目に突然吹き荒れた猛烈な嵐によって、任務中止に追い込まれる。ところが、全6名のクルーのうち、マーク・ワトニー(マット・デイモン)は、突風でバラバラになった通信アンテナの直撃を受けてどこかへ吹き飛ばされ、行方不明になってしまう。タイムリミットが迫る中、必死の捜索を続ける指揮官のメリッサ・ルイス船長(ジェシカ・チャステイン)だったが、ワトニーは発見できず、やむなく離陸を決断。ルイス船長以下5人は宇宙船ヘルメス号で地球への帰途につく。ワトニーは死亡したと判断され、NASAのサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)が記者会見を実施した。しかし、ワトニーは生きていた。辛うじて砂漠から人口住居施設“ハブ”に帰還した彼は、この上なく絶望的な現実を思い知らされる。ハブに残された食料はほんのわずか。ところが、次の探査ミッション“アレス4”のクルーが火星にやってくるのは4年後だ。それまで生き抜くためには、酸素や水を作り出すところから始めなければならない。植物学者でメカニカル・エンジニアのワトニーは、ありったけの科学知識と持ち前のポジティブ思考によって、これらの途方もないハードルを1つずつ乗り越えてゆく。しばらくして、NASAもワトニーの生存に気付く。火星の衛星画像を調べていた職員が、ワトニー生存の証拠を発見したのだ。ただちに食料を送るための補給機の準備を開始。再び記者会見を開いたサンダース長官がワトニーの生存を発表したことで、火星で孤独なサバイバルを続けるワトニーは一躍、全世界の“時の人”となった。ところが、時間との厳しい戦いを強いられた救出プランはトラブルに見舞われ、ワトニーは再び絶体絶命の危機に陥ってしまう。やがてワトニーの命運は、宇宙を航行中のヘルメス号のクルーを巻き込み、誰も想定していなかった最終手段に託されることとなる……。




33-38. ドラキュラ (Bram Stoker's Dracula)  

監督 フランシス・フォード・コッポラ
出演 ゲイリー・オールドマンウィノナ・ライダーアンソニー・ホプキンスキアヌ・リーヴスリチャード・E・グラント
1992年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 128分

解説
1897年に発表された恐怖小説の古典 「吸血鬼ドラキュラ」 を、原作のイメージに忠実なスタイルで描く。監督・製作は 「ゴッドファーザーPARTII」 のフランシス・フォード・コッポラ、製作はフレッド・フックスとチャールズ・B・マルヴェヒル、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「愛は霧のかなたに」 の監督マイケル・アプテッドとロバート・オコナー、脚本は 「フック」 のジェームズ・V・ハート、撮影は 「マンボ・キングス わが心のマリア」 のミハエル・バルハウス、音楽は 「コルチャック先生」 のヴォイチェフ・キラールが担当。

ストーリー
15世紀中頃、ワラキアの王ヴラド・ドラキュラ公(ゲイリー・オールドマン)は、トルコ軍との戦いで奇跡的な勝利をおさめるが、最愛の王妃エリザベータ(ウィノナ・ライダー)は、王の戦死の誤報を聞き、城砦から身を投げた。ヴラドは怒り狂い、神への永世の復讐を誓った。1897年、英国人の青年弁護士ジョナサン・ハーカー(キアヌ・リーヴス)は、トランシルヴァニア地方にある城へやって来る。彼の前任者の同僚レンフィールド(トム・ウェイツ)は、この城で発狂してしまった。城で彼を待っていたのは、ドラキュラ伯爵(ゲイリー・オールドマン)という老人だった。ハーカーが彼を不審に思った時には既に遅く、監禁され、3人のドラキュラの花嫁たちに血を吸われるが、決死の逃亡を図り修道院に保護される。ロンドンでは、ハーカーの婚約者ミナ(ウィノナ・ライダー_二役)が、夢遊病を患う親友のルーシー(サディ・フロスト)の看護をしていたが、街中で不思議な男に出会い、心を惹かれる。その男こそ、エリザベータと生き写しのミナを我がものにしようとするドラキュラ伯爵であった。ハーカーの無事がわかり、結婚のためヨーロッパに旅立つミナは、ドラキュラに別れの手紙を書く。絶望した彼は、衰弱したルーシーの命を奪う。奇怪な影に怯え続けていたルーシーを調べていたヘルシング教授(アンソニー・ホプキンス)は、吸血鬼と化したルーシーを退治し、吸血鬼狩りを決行した。ロンドンに帰ったハーカーは、若返ったドラキュラを見て衝撃を受け、教授とともにドラキュラの眠る柩の探索を行う。緑のもやとなり、ミナのベッドに入り込んだドラキュラは、自分の血を飲ませようとするがためらう。彼の愛の深さを知ったミナは、自ら血を飲んでしまう。ドラキュラを倒そうとする吸血鬼狩り一行は、ミナを連れ、城へ逃げ帰ったドラキュラを追跡する。夜になり、城内で一行とドラキュラは戦い、深手を負ったドラキュラは屋敷に逃げこみ、ミナが後を追った。苦しむドラキュラの胸にミナが杭を打ちこむと、息絶えたドラキュラの顔が平穏な表情に変わっていった。そしてミナは、ドラキュラの首を切り落とすのだった。





33-39. スリーピー・ホロウ (Sleepy Hollow)  

監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップクリスティーナ・リッチミランダ・リチャードソンマイケル・ガンボンキャスパー・ヴァン・ディーン
1999年・アメリカ (日本ヘラルド映画配給(日本ヘラルド映画=ポニーキャニオン提供)) 111分

解説
伝説の首なし騎士による連続殺人事件に挑む捜査官の姿を描くゴシック・ホラー。監督は 「マーズ・アタック!」 のティム・バートン。原作はワシントン・アーヴィングの古典 「スリーピー・ホローの伝説」 (新潮文庫 「スケッチブック」 収録)。脚本は 「8mm」 のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカー。撮影は 「ジョー・ブラックをよろしく」 のエマニュエル・ルベツキ。音楽のダニー・エルフマンはバートン作品の常連。出演は 「ノイズ」 のジョニー・デップ、 「バッファロー'66」 のクリスティーナ・リッチ、 「フューネラル」 のクリストファー・ウォーケン、 「カンザス・シティ」 のミランダ・リチャードソンほか。クリストファー・リー、マーティン・ランドー(クレジットなし)が特別出演。

ストーリー
1799年。ニューヨーク北方の寒村スリーピー・ホロウで首なし連続殺人事件が発生。科学捜査に賭ける下級巡査イカボッド(ジョニー・デップ)は事件の捜査のため同地に派遣され、宿を提供した大地主バルタス(マイケル・ガンボン)ら村の長老から、南北戦争時に悪名を馳せた首なし騎士(クリストファー・ウォーケン)が殺人を続けていると聞かされる。にわかには信じがたい話だったが、首なし騎士はイカボッドの前に姿を現して村の重役連を血祭りにあげていく。一度はおじけづく彼だったが、バルタスの娘カトリーナ(クリスティーナ・リッチ)と殺された父の復讐を誓う少年ヤング・マスバスの協力を得て首なし騎士を探すべく、森へ踏み込み、ついにその棲み家である怪木を発見。イカボッドは誰かが騎士を操り、特定の人間を殺していると推理した。調べを進めるうちにバルタスが村の長たるヴァン・ギャレット家の遺産を狙っていたことを知るが、その彼もカトリーナの前で殺された。カトリーナは気絶するが、床には魔術の“呪いの眼”が書かれていた。イカボッドは彼女が犯人だと思い、村を立ち去ろうとする。だが、真犯人はバルタスの後妻ヴァン・タッセル夫人(ミランダ・リチャードソン)だった。かつて村民に村を追われた魔女の娘である彼女は、首なし騎士を利用して復讐の機会をうかがっていたのだ。かくして真相を突き止めたイカボッドはカトリーナを救出し、夫人ともども首なし騎士を地獄へ送り返して事件を解決するのだった。




33-40. デンジャラス・ラン (Safe House)  (吹替)

監督 ダニエル・エスピノーサ
出演 デンゼル・ワシントンライアン・レイノルズヴェラ・ファーミガブレンダン・グリーソンサム・シェパード
2012年・アメリカ (東宝東和) 99/115分  (PG12)

解説
デンゼル・ワシントンがCIAの伝説のエージェントにして犯罪者という、ダークヒーローに扮したサスペンス・アクション。犯罪者と新米エージェントの36時間の逃避行が緊迫した描写とともにつづられる。 「グリーン・ランタン」 のライアン・レイノルズがトラブルに巻き込まれる新米エージェントを熱演。

ストーリー
南アフリカの米国領事館に、一人の男が出頭した。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントでありながら敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)。CIAの隠れ家に連行された途端、鉄壁のはずの隠れ家が何者かにより襲撃される。壊滅状態にまで追い込まれる中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から脱出。敵の正体も目的もわからないまま、マットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる……。




33-41. フォーカス (FOCUS)  

監督 ジョン・レクア
出演 ウィル・スミスマーゴット・ロビーロドリゴ・サントロジェラルド・マクレイニーアドリアン・マルティネス
2015年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 105分

解説
ウィル・スミスが巧みな術を駆使して大富豪をだまし、大金を奪う犯罪のプロに扮するクライム・サスペンス。天才詐欺師とかつて犯罪のノウハウを教え込んだ元恋人との壮絶なだましあいが繰り広げられる。主人公をも手玉にとるセクシーなヒロインを演じるのは、 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 のマーゴット・ロビー。

ストーリー
視点《フォーカス》を操ることで相手を手玉にとる犯罪のプロ、ニッキー(ウィル・スミス)は、30人もの熟練詐欺師を束ね、カジノや高級ホテル、ストリート、フェスティバルなど様々な場所であらゆる手段と華麗なる手さばきで大金を稼いでいた。そんなある日、ニューオーリンズで未熟な女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)と出会ったニッキーは、彼女に最高の詐欺師になりそうな可能性を見出し、犯罪のプロとして育てるべくノウハウを伝授する。しかしジェスがメキメキと上達していく中、二人は恋に落ち、やがて師弟関係を超えた関係となってしまう。だが恋愛は枷になり腕を鈍らせると判断したニッキーは大きなヤマに勝った後、ジェスに大金を渡し突然の別れを告げ、忽然と彼女のもとを去ってしまうのだった……。数年後、ニッキーはブエノスアイレスのモーターレース会場に一世一代のプロジェクトをしかけていた。そこに現れたのは、以前とは見違えるほど美しくゴージャスになったジェス。彼女はニッキーのライバルチームに属し、男を手玉に取る女詐欺師に成長していた。かつて愛した女の登場で揺れ動くニッキー。大金が蠢く会場で果たして最後に笑うのは誰なのか……。





33-42. TAXi4 (TAXI 4)  (吹替)

監督 ジェラール・クラウジック
出演 サミー・ナセリフレデリック・ディーファンタルベルナール・ファルシィエマ・シェーベルイジャン=クリストフ・ブーヴェ
2007年・フランス (アスミック・エース) 91分  (日本語吹き替え版)

解説
リュック・ベッソン製作&脚本による人気アクション・シリーズ第4弾。今回はF1グランプリで有名なモナコに舞台を移し、よりスケールアップしたカー・バトルを展開する。

ストーリー
スピード狂のタクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)と、ドジな刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)のコンビは今日も健在。純白のプジョー407がマルセイユを駆け抜ける。ある日マルセイユ警察に、武装強盗53件、殺人への関与122件、17カ国から指名手配され、“ベルギーの怪物”と呼ばれているヨーロッパ最強の凶悪犯(ジャン・リュック・シャール)を護送するという任務が舞い込む。コンゴに移送し10件の裁判にかける予定だった。檻に入った凶悪犯を引き取り、無事に署まで連行できたものの、犯人一味の工作とエミリアンのドジにより、逃亡されてしまう。凶悪犯一味は、モナコにある“ベルギー王立銀行”で貸金庫の中身を根こそぎ略奪。包囲した警察の目を欺き、見事に逃走する。何とか名誉挽回したいエミリアンは、ダニエルの協力を得て、一味を追跡。アジトへ向かうランドローバーを追う。一方、エミリアンの妻で美人の切れ者刑事のペドラ(エマ・シェーベルイ)は、金庫破りの天才と偽り凶悪犯の一味へ潜入、秘密捜査に就いていた。しかし、有能でセクシーなペドラにすっかりまいった凶悪犯が彼女に求婚し、抜け出せなくなってしまう。ペドラの危機を知らないエミリアンは、見張りをくぐり抜けアジトへ侵入。だが、再びドジを踏んで、敵に捕まる。2人を救うため、ジベール署長(ベルナール・ファルシー)がマルセイユ警察の全勢力を投入し、奇襲作戦を決行。アジトを取り囲む難攻不落の壁を、特殊部隊が次々と飛び越えていく。そして、空前絶後の銃撃戦が始まった。




33-43. リプレイスメント・キラー (The Replacement Killers)  (吹替)

監督 アントワン・フークア
出演 チョウ・ユンファミラ・ソルビノマイケル・ルーカーケネス・ツァンユルゲン・プロフノウ
1998年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 87分

解説
非情な組織に背いた殺し屋の死闘をスタイリッシュなタッチで描いたアクション。「男たちの挽歌」シリーズなど香港ノワールはじめ、亜州影帝と呼ばれた香港のトップスター、チョウ・ユンファのハリウッド主演第1作。94年の「大陸英雄伝」以来4年をへて、満を持しての銀幕復帰となる。監督はMTVの俊英アントン・フークァ。脚本は新鋭のケン・サンツェル。製作総指揮はチョウ・ユンファの盟友で本作の企画実現の立役者である「フェイス/オフ」のジョン・ウーと、彼のパートナーのテレンス・チャン、クリストファー・ゴシック、マシュー・ベアーの共同。製作はブラッド・グレイとバーニー・ブリルスタイン。撮影は「バッドボーイズ」のピーター・リオンズ・コリスター。音楽はスコアをバリー・グレッグソン・ウィリアムス、音楽総指揮をラルフ・サルがそれぞれ担当。美術は「フィーリング・ミネソタ」のナオミ・ショワーン。編集は「アルビノ・アリゲーター」のジェイ・キャシディ。共演は「ミミック」のミラ・ソルヴィーノ、「シャドウビルダー」のマイケル・ルーカー、チョウ・ユンファとは「男たちの挽歌」シリーズで共演作しているケネス・ツァン、「イングリッシュ・ペイシェント」のユルゲン・プロホノフほか。

ストーリー
殺し屋ジョン・リー(チョウ・ユンファ)は、自分の息子を手にかけた刑事ジーコフ(マイケル・ルーカー)への復讐のため、彼の息子を殺せという、チャイニーズ・マフィアのドン、ミスター・ウェイ(ケネス・ツァン)の命令に背いた。彼は人質にされている家族の身を守るため国外脱出を図り、偽造屋のメグ・コヴァーン(ミラ・ソルヴィーノ)を尋ねるが、組織がそこを急襲。逃れたジョンは脱出の唯一の切り札としてメグをつかまえ、協力を要請。はじめは協力を拒んだメグも、家族の命を守るためだけに生きようとするジョンの一徹な生きざまにひかれた。そうこうするうちにもウェイは右腕のコーガン(ユルゲン・プロホノフ)に命じて、手段を選ばぬ新手のふたり組の殺し屋リカー(チル・シュエイガー)とコリンズ(ダニー・トレオ)を繰り出し、ジョンの大切な友人の僧侶までをも惨殺してふたりの抹殺を図る。同時に組織はジーコフの息子を再度殺そうと図っていた。敵とあれば当事者だけでなく家族の命をも冷然と奪う組織と完全に訣別すべく、ジョンはジーコフと息子を救出に向かう。かくして、ジョンは組織の本拠地に乗り込み、死闘の末ウェイを倒すのだった。...




33-44. ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 (Pat Garrett and Billy The Kid)  

監督 サム・ペキンパー
出演 ジェームズ・コバーンクリス・クリストファーソンリチャード・ジャッケルカティ・フラードチル・ウィルス
1973年・アメリカ (メトロ映画) 116分

解説
ようやくフロンティアが終わろうとするニュー・メキシコを舞台に、21歳の若さで死んだ希代の無法者ビリー・ザ・キッドと、彼を追うパット・ギャレットの対決を描く。製作はゴードン・キャロル、監督は 「ゲッタウェイ(1972)」 のサム・ペキンパー、脚本は 「断絶」 のルディ・ワーリッツァー、撮影はジョン・コキロン、音楽はビリー・ザ・キッド・ボーイズの1人として登場するフォーク・ソングの第1人者ボブ・ディラン、編集はロジャー・スポティスウッド、ガース・クレーヴン、ロバート・L・ウォルフ、リチャード・ハルシー、デイヴィッド・バーラトスキー、トニー・デ・ザラガが各々担当。出演はジェームズ・コバーン、クリス・クリストファーソン、リチャード・ジャッケル、カティ・フラドー、チル・ウィルス、ジェイソン・ロバーズ、ボブ・ディラン、R・G・アームストロング、ルーク・アスキュー、ジョン・ベック、リチャード・ブライト、リタ・クーリッジなど。

ストーリー
無法者の楽園、ニュー・メキシコ・テリトリーのフォート・サムナーでビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン)は、仲間たちと陽気な日々を送っていた。ある日、バット・ギャレット(ジェームズ・コバーン)がひょっこり現われ、これからシェリフになると告げた。彼は、1匹狼でみんなから煙ったがられていた無法者だが、大分年下のビリーと不思議に気があった。さらにギャレットは、親友ビリーに土地の有力者たちの意向を伝え、「5日以内にここを去れ」と警告した。しかし、ビリーが彼の警告を無視したのでギャレットはビリーを逮捕し留置所にぶち込んだ。縛り首が8日後に迫り、ギャレットが所用で町をでていた時、ビリーは拳銃を手に入れ、留守を預かるジェリフ代理2人を射ち殺して、群衆の見守る中を悠然と町から出て行った。町に戻ったギャレットは、アラモサ・ビルを新たな代理に命じて後を追った。ギャレットは彼がメキシコへ逃げる事を祈った。しかし、ビリーはフォート・サムナーに戻って、友人や住民から大歓迎されていた。見知らぬ男バートに挑戦され、彼やその仲間を射殺した。その時ビリーに加勢した若者エイリアス(ボブ・ディラン)と友達になり、また美しい娘マリア(リタ・クーリッジ)を知った。ここは居心地がよかった。一方、ギャレットはゆっくりビリーを追っていた。ベイコスでは無法者のブラック・ハリスからビリーに関する情報を掴もうとして老保安官ベイカーと夫人(カティ・フラドー)を使いベイカーを死なせてしまう。山中でキャンプをしている時、ウォーレス知事(ジェイソン・ロバーズ)から任命されたシェリフ代理ポー(ジョン・ベック)に出合ったが、肌が合わず、レミュエル(チル・ウィルス)の店で別行動をとることにした。その頃、ビリーは友人たちにメキシコに行くよう説得されていたが仲仲腰を上げなかった。しかし、故郷のメキシコに帰る老パコから、身の安全のため国境を越えるようすすめられ、ついに無法者の楽園を去る決心をした。ビリーはその途中、パコとその家族がチザムの部下たちに襲われている所に行き合い、暴漢どもを射殺したが、パコは、間もなく息を引き取った。ビリーは、弱い者いじめをするチザムや、ウォーレスに激しい怒りを覚え、再びフォート・サムナーに舞い戻った。ギャレットはポーやシェリフのキップ・マッキニー(リチャード・ジャッケル)に出合い、フォート・サムナーに向かった。彼らがマックスウェルの家に到着した時、その奥の部屋ではビリーとマリアがベットを共にしていた。その夜、ビリーはギャレットの1弾のために、21歳の生涯を終えた。翌朝ギャレットは静かにフォート・サムナーに立った。人々は黙って見守っていたが、彼らの気持ちを代表するかのように幼い男の子がギャレットに石を投げつけた。ギャレットはふり返らなかった。(メトロ映画は1時間48分)





33-45. ヒトラー暗殺、13分の誤算 (ELSER) 

監督 オリバー・ヒルシュビーゲル
出演 クリスティアン・フリーデルカタリーナ・シュットラーブルクハルト・クラウスナーヨハン・フォン・ビュローダーヴィット・ツィンマーシート
2015年・ドイツ (ギャガ) 114分

解説
未遂に終わったヒトラーの暗殺計画にまつわる実話を基にしたドラマ。単独でヒトラー暗殺を行おうとした平凡な家具職人と、彼を生かし続け、その真実を封印したドイツ国家の知られざる思惑が明らかになる。 「ヒトラー 最期の12日間」 などナチスをテーマにした作品を手掛けているオリヴァー・ヒルシュビーゲルがメガホンを握る。

ストーリー
1939年11月8日、ミュンヘンのビアホールで恒例の記念演説を行っていたヒトラーは、いつもより早く退席するが、そのわずか13分後、ホールに仕掛けられていた爆弾が爆発する。当日のヒトラーの予定を徹底的に調べあげたその計画は緻密かつ大胆、さらに時限装置付きの爆弾は精密かつ確実なものであった。独秘密警察ゲシュタポは、単独犯はありえないと考え、英諜報部の関与を疑うが逮捕されたのはゲオルク・エルザー(クリスティアン・フリーデル)という36歳の平凡な家具職人だった。彼はスパイどころか所属する政党もなく、すべて自分一人で実行したと供述。それを知ったヒトラーは、犯行日までの彼の人生を徹底的に調べるよう命じる。やがて、恋と音楽、そして自由を謳歌していた普通の男の驚愕の信念が明らかになっていく……。




33-46. 黄金のアデーレ 名画の帰還 (WOMAN IN GOLD)  (吹替)

監督 サイモン・カーティス
出演 ヘレン・ミレンライアン・レイノルズダニエル・ブリュールケイティ・ホームズタチアナ・マズラニー
2015年・アメリカ、イギリス (ギャガ) 101/109分

解説
グスタフ・クリムトによる“オーストリアのモナリザ”と呼ばれる名画 「黄金のアデーレ」 の返還を求めてオーストリア政府に訴訟を起こした女性マリア・アルトマンの実話を描く、ヘレン・ミレン主演のヒューマンドラマ。名画に隠されたマリアと彼女を取り巻く人々の思いを映しだしたのは、 「マリリン 7日間の恋」 のサイモン・カーティス。

ストーリー
1998年、ロサンゼルス。マリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、小さなブティックを切り盛りしながら、夫亡きあとも一人で溌剌と暮らしていた。そんなある日、ユダヤ人として波乱の人生を共にした姉のルイーゼが亡くなり、彼女が故郷のオーストリア政府にナチスに没収された絵画の返還を求めようとしていたことを知る。法が改定され、近々過去の訴えの再審理が行われるのだ。姉の遺志を継ぐと決めたマリアは、友人の息子で弁護士のランディ・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)に相談を持ちかける。彼は一度独立したがうまくいかず、妻パム(ケイティ・ホームズ)と赤ん坊を養うために再び雇われの身となっていた。問題の絵画はベルベデーレ美術館が所蔵するクリムトの名画で、モデルになったマリアの伯母アデーレが遺言で寄贈したとされているが、マリアも姉も遺言書など見たこともなかった。マリアは、家族や全てを奪われ友人を殺された国に二度と戻る気はなかったが、実の娘のように可愛がってくれた伯母の面影を胸に過去と向き合う旅に出ることを決意。ウィーンに着き、かつての自分の家の前に佇み、偉大なアーティストや音楽家、作家たちが出入りした日々をマリアは懐かしむ。その時、ジャーナリストのフベルトゥス・チェルニン(ダニエル・ブリュール)が二人の手伝いをしたいと声を掛ける。政府は国のイメージアップとして返還を持ち出したが、重要な美術品は手放さないはずだというのだ。その後、美術館を訪れたマリアは伯母が描かれた絵画との再会を果たし、当時を思い出す。ヒトラー率いるナチスの軍隊をオーストリアの人々は歓喜のなか花を投げて迎えた。一方、ユダヤ人は次々と捕えられ監視下に置かれ、マリアの家族も国外脱出どころか近隣への外出さえ制限された。フベルトゥスの力添えで、美術館の資料室からアデーレの遺言書が見つかる。確かに寄贈すると記されていたが、夫の死後という条件が破られていた。しかも絵画の所有権は実は伯父にあり、マリアと姉に全財産を残すという伯父の遺言だけが法的な効力を持っていた。審問会の日。審問会は新たな証拠を却下して返還を拒否、文化大臣は「ご不満なら残る道は裁判です」と言い放つ。マリアは毅然と「恥を知りなさい」と一喝するが、この国で裁判を起こすなら180万ドルという法外な預託金が必要だった。9か月後。何とか法の抜け道がないかと仕事の合間に勉強を続けていたランディは、アメリカで訴訟を起こせる条件を見つけ出す。過去は忘れたと一度は拒んだマリアも、ランディが事務所を辞めてまでこの戦いに全てを懸けようとしていると知り心を決める。やがて、一人の女性と新米弁護士がオーストリア政府を訴えるという前代未聞の裁判が幕を開けた……。




33-47. 炎の戦線エル・アラメイン (El Alamein)  

監督 エンゾ・モンテレオーネ
出演 パオロ・ブリグリアピエルフランチェスコ・ファヴィーノエミリオ・ソルフリッツィルチアーノ・スカルパトマ・トラバッチ
2002年・イタリア (ギャガ・コミュニケーションズ+アニープラネット) 118分

解説
第二次世界大戦の激戦地、エル・アラメインを舞台にしたリアルな戦争ドラマ。当時の記録や生存者の証言をもとに、炎暑の砂漠地帯における壮絶で過酷な戦いを克明につづる。

ストーリー
1941年2月、第二次大戦中の北アフリカ。ドイツ軍はロンメル将軍を指揮官とする精鋭部隊をリビアに派遣。この地のイタリア軍を指揮下に収め、エジプトを目指して進軍を開始する。<砂漠の狐>と謳われたロンメル将軍の巧妙な作戦の下、ドイツ・イタリア連合軍は快進撃を続け、アレキサンドリアを目前に控えた交通の要所エル・アラメインに到着。イギリス軍はスエズ運河に連なるこの地を死守するため、20万にも及ぶ兵員を投入し、熾烈な攻撃が独・伊両軍を襲った。戦闘は膠着状態に陥り、兵士たちは灼熱の太陽と圧倒的な飢えが支配する砂漠に、釘付けされる。1942年10月、イタリア軍の歩兵陣地に、パレルモ出身の若者セッラ(パオロ・ブリグリア)が着任した。フィオーレ中尉(エミリオ・ソルフリッツィ)は、交代要員が彼だけだと聞いて、落胆の色を隠せない。学生志願兵のセッラは、本国での戦争報道を信じ、前線で兵士が必要と聞いて志願してきたのだった。中尉はセッラをリッツォ曹長(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)の分隊に配属する。この陣地からは、見渡す限り荒廃した砂漠がひろがり、鉄条網が張られている。鉄条網の向こうは地雷原で、それを挟み、イタリア軍とイギリス軍が対峙する。物量で勝るイギリス軍は戦闘機や追撃砲の攻撃で、イタリア軍を苦しめていた。リッツォ曹長はセッラに3つの注意を与えた。1.頭を低くしていること。2.全員罹っているのだから、赤痢になっても報告などしないこと。3.さそりに気をつけること。進むことも退くことも出来ないまま、灼熱の太陽に灼かれる日々が続く。1日に使える水はわずか250CC。顔を洗うのにも、砂を使う。そして、イギリス軍の執拗な攻撃。狙撃され負傷した兵士を救うべく担架を抱えて走る衛生兵、その兵も、銃弾を浴びて死んでゆく。破壊された車の影から撃ってくる敵を、車の残骸ごと吹き飛ばしようやく攻撃を逃れる。過酷な戦場の日々が、セッラの骨身に染みる。過酷な日々の末、遂にイギリス軍の総攻撃が始まった。迎え撃つ戦車もなく、援軍の飛行機も来ぬままイタリア軍は砲弾の雨にさらされる。たこつぼにうずくまり銃を構えるセッラだが……。




33-48. アリスのままで (STILL ALICE)  

監督 リチャード・グラッツァー
出演 ジュリアン・ムーアクリステン・スチュワートアレック・ボールドウィンケイト・ボスワースハンター・パリッシュ
2014年・アメリカ (キノフィルムズ) 101分

解説
若年性アルツハイマーと診断された50歳の言語学者の苦悩や葛藤、家族との絆を描いたベストセラー小説をジュリアン・ムーア主演で映画化した人間ドラマ。妻を必死に支えようとする夫をアレック・ボールドウィンが演じる。監督はウォッシュ・ウエストモアランドとALS(筋委縮性側索硬化症)と戦いながら撮影に挑んだリチャード・グラッツァー。

ストーリー
ニューヨークのコロンビア大学で教鞭をふるう50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、キャリアを積み学生たちから慕われる一方、家族にも恵まれ、まさに円熟期を迎えていた。しかし物忘れが顕著に現れるようになったため受診したところ、若年性アルツハイマー病だと診断される。日々記憶が失われる中、アリスは懸命に自分の運命と戦っていく。