33-1. アメリカン・スナイパー (AMERICAN SNIPER)
監督 クリント・イーストウッド
出演 ブラッドリー・クーパー,
シエナ・ミラー,
ルーク・グライムス,
ジェイク・マクドーマン,
ケビン・ラーチ
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 132分 (R15+)
解説
アメリカ軍史上最強の狙撃手と言われた故クリス・カイルの自伝を、ブラッドリー・クーパーを主演に迎え、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。過酷な戦場での実情や、故郷に残してきた家族への思いなど、ひとりの兵士の姿を通して、現代のアメリカが直面する問題を浮き彫りにする。
ストーリー
米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊し、イラク戦争に狙撃手として派遣されたクリス(ブラッドリー・クーパー)。その任務は“どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること”。狙撃精度の高さで多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるまでになる。しかし、敵の間にもその腕前が知れ渡り、“悪魔”と恐れられるようになった彼の首には18万ドルの賞金が掛けられ、彼自身が標的となってしまう。一方、家族はクリスの無事を願い続けていた。家族との平穏な生活と、想像を絶する極限状況の戦地。愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせる。過酷なイラク遠征は4度。度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでゆく……。
33-2. 大砂塵 (Johnny Guitar)
監督 ニコラス・レイ
出演 ジョーン・クロフォード,
スターリング・ヘイドン,
マーセデス・マッケンブリッジ,
スコット・ブラディ,
ワード・ボンド
1954年・アメリカ (リパブリック日本支社=NCC) 111分
解説
「突然の恐怖」 のジョーン・クローフォードが主演する1954年作色彩(トルカラー)西部劇。ロイ・チャンスラーの小説を 「魔術の恋」 のフィリップ・ヨーダンが脚色し、新人ニコラス・レイが監督した。撮影は 「女性よ永遠に」 のハリー・ストラドリング、音楽は 「テキサス街道」 のヴィクター・ヤングである。共演者は 「アスファルト・ジャングル」 のスターリング・ヘイドン、マーセデス・マッケインブリッジ(“All the King's Menでアカデミー助演賞受賞)、 「夜歩く男」 のスコット・ブラディ、 「素晴らしき哉、人生!」 のワード・ボンド、ベン・クーパーなどである。
ストーリー
鉄道敷設が進行していた1890年代の西部。かつてはやくざだったが、思うところあって足をあらい、ギターを弾いて生計を立てる男ジョニー・ギター(スターリング・ヘイドン)が、アリゾナの山奥のある賭博場へやって来た。店の女主人ヴィエンナ(ジョーン・クローフォード)は金銭に執着する意志的な女性。ジョニーが着いた夜、昼間起こった駅馬車襲撃の容疑者キッド逮捕に協力せよと、殺された男の娘エマや保安官たちが来た。しかしヴィエンナはこれを拒絶し、折から現れたキッドとジョニーのギターで踊りはじめた。憤慨した保安官は3人に24時間以内に退去を命じた。翌日キッド一味は銀行を襲ったが、エマはこの事件にヴィエンナとジョニーも関係しているといいふらした。その夜、エマは自警団を組織してヴィエンナを追い、保安官以下双方に死者が出た。自警団はヴィエンナの店に火をつけ、ヴィエンナは危いところをジョニーに救われてキッド一味の隠れ家に逃れた。そして追って来たエマとヴィエンナの一騎打は一瞬早くヴィエンナの勝となった。退去猶予の24時間がきれようとするころ、新生活を求めて谷を去るヴィエンナとジョニーの姿が見られた。
33-3. カラーパープル (The Color Purple)
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ダニー・グローヴァー,
ウーピー・ゴールドバーグ,
マーガレット・エヴリー,
オプラ・ウィンフリー,
ウィラード・ヒュー
1985年・アメリカ (ワーナー映画) 153分
解説
奴隷のような生活を強いられた薄幸の黒人女性が、1人の人間として目ざめていく姿を描く。製作・監督は始めてシリアスな題材に取り組んだスティーヴン・スピルハーグ、製作はほかにキャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、そして音楽も担当しているクインシー・ジョーンズ。エグゼクティヴ、プロデューサーはジョン・ピータースとピーター・グーバー、原作(集英社刊)はアリス・ウォーカー、脚本はメノ・メイエス、撮影はアレン・ダヴューが担当。出演はダニー・グローヴァーなど。アンブリン・エンターテインメント提供、クインシー・ジョーンズ製作協力作品。
ストーリー
1909年、南部ジョージアの小さな町。そのはずれに住む黒人の一家。自分もまだ子供にすぎないセリー(デスレータ・ジャクソン)、のちに(ウーピー・ゴールドバーグ)が、子供を生んだ。父親は彼女がとうさんと呼んでいた男だ。とうさんは生まれた子供をセリーの乳房からもぎとってどこかに連れていってしまった。セリーの心の支えは妹のネッティ(アコースア・ブシア)だけだ。ネッティは綺麗だし頭もいい。やがてセリーはミスター(ダニー・グローヴァー)に嫁いだ。ミスターは4人の子持ち。最初、彼はネッティを望んだがとうさんが断わり、代わりにセリーがやられたのだった。朝から晩まで掃除、洗濯、料理、子供たちの世話をして、ミスターにのしかかられるために。やがてとうさんとミスターのみだらな手が、賢くやさしいネッティへと向けられたことを知ったセリーは、ネッティを家から逃げるように説得。ネッティは牧師夫妻に助けられてアフリカヘ渡っていった。ある日、ミスターは歌手のシャグ(マーガレット・エヴリー)を家に連れて来た。セリーがシャグの面倒をみているうちに、2人の間に奇妙な友情が芽生えた。セリーの忍従の人生に驚くシャグと、夫の愛人ではあるが美しい心と自立の精神を持つシャグに、目を開かせられたセリー。セリーの魂は目覚め、自分も人間であること、真っ暗だった未来に道が開けているかもしれないことに気づくのだった。その魂が激しく燃えあがったのは、ミスターが何年にもわたって隠していたネッティからの多くの手紙だった。その手紙のありかを教えてくれたのもシャグだった。ネッティは元気でアフリカで伝導生活を送っていたのだ。一方、ミスターの息子ハーボ(ウィラード・ヒュー)の妻ソフィア(オプラ・ウィンフレー)は気が強く負けん気が災いして離婚するハメになる。しかも彼女は白人市長夫人に反抗的な態度をとったことから長い刑に処されてしまった。ハーポはソフィアと別れた後、愛人のスクィーク(レイ・ドーン・チョーン)を自分の酒場で働かせていた。そしてセリーは、ついにミスターに家を出る決心を伝えた。驚くミスターはセリーをなじるが、シャグはセリーの味方についた。そして長い刑で弱気になっていたソフィアも、セリーの反逆を見て、かつての元気がよみがえった。セリー、シャグ、そして歌手を目指そうとするスクィークが新しい人生を求めて旅立った。数年後、新しい生活も落ち着いた頃、セリーの前に、愛するネッティが姿を現わした。
33-4. ターミナル (The Terminal)
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 トム・ハンクス,
キャサリン・ゼタ・ジョーンズ,
スタンリー・トゥッチ,
チィ・マクブライド,
ディエゴ・ルナ
2004年・アメリカ (UIP) 92/129分
解説
スティーブン・スピルバーグ&トム・ハンクスが3度目のコンビを組んだ話題作。思わぬハプニングから空港に“住む”ことになった男の受難劇を、コミカルかつ感動的に描く。
ストーリー
東ヨーロッパのクラコウジアからやってきたヴィクター・ナヴォルスキー(トム・ハンクス)は、ニューヨークのJFK国際空港に降り立つものの、祖国でクーデターが起こり、パスポートが無効になってしまった。アメリカへの門戸を閉ざされた彼は、仕方なく空港ターミナル内での生活を始める。言葉が通じないことから散々な目に遭いつつも、徐々に生活の方法を習得していくヴィクター。空港警備局主任のディクソン(スタンリー・トゥッチ)には目をつけられるが、清掃員のグプタ(クマール・パラーナ)やフード・サービス係のエンリケ(ディエゴ・ルナ)ら、たくさんの人々が味方になってくれた。そんな中でヴィクターは、妻子ある男性との不倫の恋に悩んでいるフライト・アテンダントのアメリア(キャサリン=ゼタ・ジョーンズ)に淡い恋心を抱くようになる。彼は仲間たちの応援を得て、アメリアをデートに誘う。そして彼女に、亡き父との約束である、とある有名ジャズマンのサインをもらうためにニューヨークに来たことを告げた。そしてついに、クラコウジアの戦争が終わる。喜びを爆発させるヴィクターに、アメリアは不倫相手のコネで手に入れた1日限りの特別入国ビザを手渡した。アメリアは不倫相手と共に去り、ヴィクターは恋には破れたが、空港内の皆の応援を得て、ニューヨークへと足を踏み入れる。そしてジャズマンのサインをもらい、亡き父との約束を果たすのだった。
33-5. 地獄のコマンド (Invasion USA) (吹替)
監督 ジョセフ・ジトー
出演 チャック・ノリス,
リチャード・リンチ,
メリッサ・プロフェット,
アレックス・コロン,
エディ・ジョーンズ
1985年・アメリカ (日本ヘラルド) 92/107分
解説
アメリカ全土を支配しようとする計画インヴェイジョンUSAを企む暗黒軍団に立ち向かう秘密諜報部員の活躍を描くアクション映画。製作はメナヘム・ゴランとヨーラム・グローバス。監督は 「地獄のヒーロー」 のジョセフ・ジトー。チャックの弟、アーロン・ノリスとジェームズ・ブルーナーの原案を基にブルーナーとチャック・ノリスが脚色。撮影はジョアオ・フェルナンデス、音楽はジェイ・チャタウェイが担当。出演はチャック・ノリス、リチャード・リンチなど。
ストーリー
陽光まばゆいカリブ海にアメリカヘ向けて難民のボートが漂流している。あとわずかでその目的も達成されようとした時、アメリカ国旗をつけた沿岸警備艇が接近、難民たちが喜びの声をあげた。しかし彼らが勇んで乗り込もうとした矢先、警備艇から機関銃の弾が難民に向けて吹き荒れたー。そのボートの船底には麻薬が積み込まれており、彼らの目的はそれだったのだ。警備隊員に化けた彼らこそ、天才的頭脳を持ったスーパー・テロリスト、ミカール・ロストフ(リチャード・リンチ)が陰で操る暗黒集団だった。ロストフの狙いは、アメリカ全土にテロの嵐を巻き起こし、アメリカ人たちに地獄を味わせる<USA侵略計画>。計画は着々と進行しており、シカゴ、デトロイト、と散発的なゲリラ活動が続き、警察が手を焼いていた。この一連のテロ事件に関心を抱いていたのが女性フォト・ジャーナリストのマクガイアー(メリッサ・プロフェット)だった。ロストフにとって、この計画に邪魔になる人物がいた。マット・ハンター(チッック・ノリス)だ。かつてのアメリカ秘密諜報部のトップ・エージェントで、これまで何度かロストフのテロ計画を阻止してきていた。今は引退してフロリダの美しい沼沢地で平穏な暮らしを送っていた。そこへ彼を抹殺しようとロストフの一味がやって来た。突然の襲撃を受け九死に一生を得た彼は、その手口からロストフの仕業だと気がついた。ハンターを救おうとして悪の凶弾に絶命した友人のジョン(デール・バーティ)のためにも、彼はロストフに応戦する決意を固めた。クリスマスでにぎわうデパート。ここでもテロの魔手がのびていた。通りかかったハンターはそれに捲き込まれそうになるが、たまたま居合せたマクガイアーに協力を求めてその場を脱出。それを機に2人は接近する。自らをおとりにロストフをおびき出そうと考えたハンターは、アトランタ市に現われテレビを通じてロストフを挑発、この地で激戦が開始された。遂にビル内で、ロストフと1対1の決戦の時を迎え、ハンターは見事、うち勝つのだった。
33-6. ブレーキ・ダウン (Breakdown) (吹替)
監督 ジョナサン・モストウ
出演 カート・ラッセル,
ジェイ・ティー・ウォルシュ,
キャスリーン・クインラン,
エム・シー・ゲイニー,
ジャック・ノースワーシー
1997年・アメリカ (東宝東和) 93分
解説
ドライブの途中、見知らぬ場所で愛妻を誘拐された男の奪回劇を描いたサスペンス・カーアクション。スティーヴン・スピルバーグの 「激突!」 やロバート・アルドリッチの 「北国の帝王」 を彷彿とさせる演出を見せた監督は、これが劇場用映画となるジョナサン・モストウ。脚本は、モストウの原案を基に彼とサム・モンゴメリーが共同で執筆。製作は 「ドラゴンハート」 のディノ・デ・ラウレンティスと彼の娘で 「バウンド」 のマーサ・デ・ラウレンティス。撮影は 「心の指紋」 のダグ・ミルサム、音楽は 「コナン・ザ・グレート」 のベイジル・ポールドゥーリス、美術は 「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 のヴィクトリア・ポール、編集は 「トータル・リコール」 のデレク・ブレシンと 「ロビン・フッド」 (91)のケヴィン・ステット、衣裳は 「恋のゆくえファビュラス・ベイカー・ボーイズ」 のテリー・ドレスバッハ、スタント・コーディネーターと第二班監督は 「氷の微笑」 のジェームズ・アーネットが担当。主演は 「エクゼクティブ デシジョン」 のカート・ラッセル。共演は 「イベント・ホライゾン」 のキャスリーン・クインラン、 「ニクソン」 のJ・T・ウォルシュ、 「コン・エアー」 のM・C・ゲイニー、 「イベント・ホライゾン」 のジャック・ノーズワーシーほか。
ストーリー
東海岸のボストンから西海岸のサン・ディエゴへドライブ中のジェフ(カート・ラッセル)とエミー(キャスリーン・クインラン)の夫婦を乗せた車が故障、立ち往生しているところへ一台の長距離トラックが通り掛かった。ドライバー(J・T・ウォルシュ)が近くのダイナーまでエミーを乗せてくれるという。故障を修理したジェフはすぐに後を追ったが、彼女を見失ってしまう。この付近では何十人もの行方不明者が出ているらしい。そこへあのドライバーとその仲間がエミーの身の代金を要求してきた。交換場所に指定された給油所で、あのドライバーを発見したジェフは、トラックに飛び乗り、エミーが監禁されている納屋へ向かう。エミーを救出したジェフは男たちの追撃を受けるが、一台ずつ振り切り、残ったあのトラックは谷底に落下した。
33-7. ワーテルロー (Waterloo)
監督 セルゲイ・ボンダルチュク
出演 ロッド・スタイガー,
クリストファー・プラマー,
オーソン・ウェルズ,
ヴァージニア・マッケナ,
ジャック・ホーキンス
1970年・イタリア、ソ連 (コロムビア)
解説
英雄ナポレオンと智将ウェリントンがヨーロッパの運命をかけて、ワーテルローの地で激突した戦いを描く。製作は 「さよならを言わないで」 のディノ・デ・ラウレンティス、監督は 「戦争と平和」 のセルゲイ・ボンダルチュク、脚本はボンダルチュクとH・A・L・クレイグとヴィットリオ・ボニチェリ、撮影は 「天使の詩」 のアルマンド・ナンヌッツィ、音楽はニーノ・ロータ、編集はE・V・ミチャロバと国際色豊かなスタッフ。出演は 「軍曹」 のロッド・スタイガー、 「空軍大戦略」 のクリストファー・プラマー、 「わが命つきるとも」 以来のオーソン・ウェルズその他ヴァージニア・マッケナ、ジャック・ホーキンス、ダン・オハーリーなど。テクニカラー、70ミリ。
ストーリー
フランス全土はナポレオン(ロッド・スタイガー)がエルバ島から脱出した事を知り興奮にわきかえっていた。南仏に上陸したナポレオンは護衛兵を従えパリに向かった。パリのルイ十八世(オーソン・ウェルズ)は、かつてナポレオンの将校だったネイ将軍(ダン・オハーリー)を派遣し、進撃を阻止しようとしたが兵隊はナポレオンを見ると銃を投げだし、歓声をあげて彼のまわりにむらがった。ルイ十八世軍と一度も戦火を交えず凱旋した彼は民衆の熱狂的歓迎を受け再びフランスの皇帝になり、ルイ十八世はなすすべもなく王宮を渡した。しかし、英、仏、オーストリア、プロシャの各国は、今度こそナポレオンを徹底的に駆逐しようと、軍備を強化していた。英国のウェリントン卿(クリストファー・プラマー)軍、プロシャ軍等は既にベルギーのワーテルローへ移動していた。これを知ったナポレオンも軍を率いてワーテルローに向った。その日、ウェリントンはブリュッセルのリッチモンド侯爵夫人(ヴァージニア・マッケナ)の舞踏会でナポレオン進撃のニュースを受け、すぐ前線に戻り、戦いに備える事になった。そして、数日降り続いた雨もやんだ一八一五年六月十五日ナポレオン軍、連合側、合わせて約十五万の軍勢がワーテルローに結集し、両雄の生涯をかけ十時間を越える大激戦が開始されたのである。後年、ウェリントンはこの戦いについて、「もし私がイベリア半島戦後の武将と共にあったら、私はクアトル・ブラスで戦っていただろう」と言っている。その地で戦いの火蓋はきられた。ワーテルローから南八マイルの地点である。ここでウェリントン軍はネイ将軍率いる軍隊を破り、士気は上がった。だが、六月十七日朝、ウェリントンは作戦変更の通知を受けた。南東のリグヌでプロシャ軍が大敗したというのだ。それで彼の軍は北方に移動し、ワーテルローに向った。その地はウェリントンの戦闘計画にはない地点であり、戦いに良い地形とはいえなかった。夜に合流する予定のプロシャ軍とそれを阻止しようというナポレオンの意図はウェリントンに運がついた。ウェリントン軍総勢六七万人、ナポレオン軍六八万人。ウェリントン軍の半分は訓練されていない兵士だった。戦いの前にナポレオンは「ウェリントンは無能な将軍で軍隊もなってないから、朝メシ前の戦いだ」と言った。が、六月十八日午前十一時に砲火の口火が切られてからは昼メシも危くなった。お互の要塞の攻撃、歩兵戦、騎兵戦と続いた。午後六時になっても決着はつかなかった。双方の犠牲者は果てしなかった。午後七時ナポレオンは最後の手をうって総攻撃をかけ、対応してウェリントンもむかえ撃った。戦いは十時間余に及び、仏軍は敗退した。ウェリントンはこの戦いについて、こう言った。「多数の兵を失った事に次いで悲惨なことはこのような勝利を得ることである」。この戦いにナポレオン軍の死者三万以上、英軍死者一・五万、プロシャ軍七千人以上で傷ついた者は数知れなかった。ナポレオンは、プロシャ軍に、捕まりそうになったが、パリに逃亡、その後セント・ヘレナ島に流された。ウェリントンは言った「この戦いが終り、世界の平和が来た。これは、歴史上のどんな戦いよりも重要な戦いであった」。
33-8. フィラデルフィア (PHILADELPHIA)
監督 ジョナサン・デミ
出演 トム・ハンクス,
デンゼル・ワシントン,
ジェイソン・ロバーズ,
メアリー・スティーンバージェン,
アントニオ・バンデラス
1993年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 125分
解説
エイズで解顧された男とエイズ恐怖症の男の2人の弁護士が、差別と偏見という見えざる敵に闘いを挑む社会派ヒューマン・ドラマ。監督は 「羊たちの沈黙」 のジョナサン・デミ。脚本は、同監督の 「スイング・シフト」 (V)も手がけたロン・ナイスワーナー、撮影は 「羊たちの沈黙」 のタク・フジモト。音楽も同作のハワード・ショアで、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤング、マリア・カラスの曲が全編を彩る。主演は 「めぐり逢えたら」 のトム・ハンクスで本作で第66回アカデミー最優秀主演男優賞を受賞。共演は 「ペリカン文書」 のデンゼル・ワシントン、 「バックマン家の人々」 のジェイソン・ロバーズ、メアリー・スティーンバージェン、 「ミスター&ミセス・ブリッジ」 のジョアン・ウッドワードほか。
ストーリー
フィラデルフィアの一流法律会社に務めるアンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、ある日突然エイズと宣告され、ウィラー社長(ジェイソン・ロバーズ)に解雇される。不当な差別に怒ったベケットは、損害賠償と地位の保全を求めて訴訟を決意。だが、次々と弁護を断わられた彼は、以前敵同士として渡り合ったやり手の弁護士ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)を訪ねる。ミラーはエイズに対して、抜きがたい恐怖を感じていた。しかし、世間の冷たい視線に対しても毅然と対処し、熱心に資料を漁るべケットの姿に、ミラーの心は動かされる。ミラーは弁護を引き受け、母のサラ(ジョアン・ウッドワード)をはじめ、ベケットの肉親たちは彼に熱い支援を約束する。解雇から7カ月後、〈自由と兄弟愛の街〉フィラデルフィアで注目の裁判が開廷した。ミラーは解雇が明らかな法律違反だと主張したが、対する会社側の主任弁護士ベリンダ(メアリー・スティーンバージェン)は、彼の弁護士としての不適格性を激しく突く。予断を許さぬ裁断の行方と並行して、ベケットの症状は次第に悪化していく。裁判を優先させて本格的治療を先に延ばそうとする彼に、恋人でライフパートナーのミゲール(アントニオ・バンデラス)は苛立つ。ベケットは恋人のため、自分のためにパーティを開く。遂にベケットは裁判中に倒れ、病院に運ばれた。ミラーは原告側の勝訴の報を、ベッドの上のベケットに告げる。数日後、大勢の人々に見守られながらベケットは静かに息を引き取り、ミラーはかけがいのない友の死を実感した。
33-9. イコライザー (THE EQUALIZER)
監督 アントワン・フークワ
出演 デンゼル・ワシントン,
クロエ・グレース・モレッツ,
マートン・ソーカス,
デヴィッド・ハーバー,
ビル・プルマン
2014年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 132分 (PG12)
解説
80年代に人気を博したテレビドラマをデンゼル・ワシントン主演でリメイクしたサスペンス・アクション。元CIAの諜報員が偶然出会った娼婦の少女を救うべく、身近な武器を手にロシアンマフィアに戦いを挑んでいく姿が描かれる。クロエ・グレース・モレッツが物語のカギを握る娼婦に扮し、これまでのイメージとは異なる役を熱演。
ストーリー
ホームセンターの従業員として勤務、今では日々静かに暮らす元CIAの凄腕諜報員マッコール(デンゼル・ワシントン)は、ある夜、馴染みのカフェで娼婦の少女テリー(クロエ・グレース・モレッツ)と出会う。彼女を囲っているロシアンマフィアの非道を知ったマッコールは、彼の中で眠っていた正義感が目を覚まし、彼にしか出来ない“仕事”の遂行を決意。それは警察が介入できない不正やトラブルを身の周りにあるモノ全てを武器に変え、瞬時に解決することであった。世の中の不正を完全抹消する“イコライザー”と呼ばれる男、マッコールは元ロシア特殊部隊のロシアンマフィアに対峙していく……。