f39-1. スネーキーモンキー 蛇拳 (吹替)

監督 ユエン・ウーピン
出演 ジャッキー・チェンユエン・シャオティエンウォン・チェンリーワン・チェンディーン・セキ
1976年・香港 (東映) 97分

解説
酔えば酔うほど強くなるという酔八拳の妙技を見せた 「ドランクモンキー 酔拳」 に続いて、今回は手の動きを蛇のように動かす“スネーキー拳法”を使って主人公が活躍するアクション映画。製作はウン・シー・ユアン、監督はユアン・ウー・ピン、アクション監督はユアン・ウーン・ピンが各々担当。出演はジャッキー・チェン、ユアン・シァオ・ティエン、ホアン・チョン・リー、ワン・チェンなど。

ストーリー
清朝末期の広東には、数多くの空手道場があった。中でも鷹爪派と蛇形派は古くからの宿敵同士。クンフーの王者たらんとする鷹爪派のシャンクァンは邪悪の志に燃え蛇形派の門弟を3千人余り殺していた。彼はこの地上にいる全ての蛇形派の使い手を殺してしまおうと考えていた。しかし、名手バイ・チャンテン(ユアン・シァオ・ティエン)が生き残っている限りそれは実現不可能に近かった。チェン・フー(ジャッキー・チェン)はフン・タイ道場のしがない門下生。みなし子で道場に拾われたのでそのまま住みついたのだった。鬼のようなリー師範にいじめられても、へこたれるようなデリケートな人間ではない。ある日、ひょんなことで殴られている白髪の老人を、通りかかったチェンが、なんとか助けた。助けてもらったお礼にと、その老人はクンフーにおける身のかわしを教えた。この白髪の老人こそ、蛇形派唯一の生き残り、バイ・チャオテンだったのだ。そして、バイ・チャオテンが鷹爪流の面々に手傷を負わされたところを再び通りかかったチェン・フーが救い、献身的に看護したことから、チェン・フーは、老人から蛇形派に伝わるという秘技を授かることになる。ただし、授けるにあたって3つの約束ごとがあった。老人を師匠と呼ばないこと、その技を乱用しないこと、パイ・チャンテンが危い時でも助太刀は無用だということの3つだ。こうして蛇形拳をマスターしたチェン・フーは、その頃、フン・タイの道場にのりこんできた、隣りのフン・ウェイ道場と闘うことになり、蛇形拳を使いみごとに勝った。しかし、その様子を物かげから見ていたシャンクァンは、チェン・フーの秘技が蛇形挙であることを見抜き、狙うバイ・チャンテンが近くにいるであろうことを悟った。バイ・チャオテンが留守にしている間に、さらに自分流の“蛇形猫爪くずし”をあみだしたチェン・フーは、鷹爪派の秘密兵器の宣教師、そしてシャンクァンなどを倒すのだった。




39-2. クレージーモンキー 笑拳 (笑拳怪招)  (吹替)

監督 ジャッキー・チェン
出演 ジャッキー・チェンヤム・サイクンジェームズ・ティエンディーン・セキ
1979年・香港 (東映) 98分

解説
人間の喜怒哀楽の感情を基にした笑いの波状攻撃である拳法“笑拳”を使って悪党を倒すカラテの達人を描くクンフー映画で、 「酔拳」 、 「猿拳」 に続くシリーズ第3弾。製作はスー・リー・ホワ、監督・脚本はジャッキー・チェンが各々担当。出演はジャッキー・チェン、イェン・シー・クァン、ジェームズ・ティエン、シン・ティエンなど。

ストーリー
清朝末期の広東。政府の横暴さから、目ざわりになるカラテ流派がことごとく弾圧され、その中でも声望高い形意道場は目の仇にされ、門弟たちが清朝からさしむけられた鉄の爪をもつ殺し屋にかき殺されていた。しかし名手、陣鵬飛が生きている限り形意道場復興の可能性は消えない。殺し屋は陣鵬飛を殺すことに全力を注ぐ決意をした。興隆(ジャッキー・チェン)は、哲学と修身とカンフーに専念する若者。実の爺さんと特訓修業のために山中のあばら家に引っ越して毎日励んでいる。ある日、市場に出かけてサイコロ博奕に加わった興隆は、帰り道で3人のやくざに待ち伏せされるが、みごとに3人をやっつけ、逆に彼らから兄貴、兄貴と慕われる始末。一方、病気がちの爺さんの薬代に困り出した興隆は、地道な職業につくがやはりダメ。偶然出くわした例の3人組の紹介で王門道場の用心棒の職をえた。ある日、いつものように道場破りと対決していた興隆は、観衆の中に爺さんがいるのを見つけ、急に緊張、攻めの型が守りの型になってしまった。この爺さんを見つめるものがもう一人。鉄の爪をもつ例の殺し屋だ。彼は、この爺さんこそが身をやつした陣鵬飛であることを見破ったのだ。そして配下をつれて家まで襲ってきた。そして、病をかかえた爺さんは、あの鉄の爪にかかって殺されてしまう。目の前で殺されるのを見た興隆は、爺さんの旧友の松葉杖の男に特訓を受け、遂に秘技“笑拳”を会得する。これは人間の感情に基づいている喜び、悲しみ、わびしさ等と頭脳とパワーを同時に活用する拳法だ。いよいよ決闘の日、興隆は位く、笑う、怒るの3段笑拳で、殺し屋を倒し、爺さんの仇を討つのだった。




39-3. 新ポリス・ストーリー (重案組)  (吹替)

監督 カーク・ウォン
出演 ジャッキー・チェンケント・チェンプア・レンレンロー・ガーインオウヤン・プイシャン
1993年・香港 (東宝東和) 94/107分

解説
香港の不動産王誘拐事件を解決するため活躍する刑事の姿を描くシリアス・アクション。監督は 「ガンメン?狼たちのバラッド?」 の黄志強。製作は蔡瀾、エグゼクティブ・プロデューサーは何冠昌、脚本は秦天南と陳文強。撮影は、黄岳泰、潘恒生、林國華、劉偉強、陳廣鴻の共同。音楽は黄霑が担当。主演は 「シティハンター」 のジャッキー・チェン。他に 「男たちの挽歌」 の鄭則士、シンガポールでテレビドラマを中心に活躍していた新人・潘玲玲などが共演。

ストーリー
エディ・チャン(ジャッキー・チェン)は、〈重案組〉と呼ばれる特捜班を率いるエリート刑事である。ストレスを心配する精神科医クラリッサ(プア・レンレン)は彼に休養を勧めるが、エディはうなずくことができない。エディの新たな任務は誘拐予告が届けられた不動産王、ウォン・ヤッフェイ(ロー・ガーイン)を護衛すること。ところが犯人は易々とヤッフェイを拉致して逃走する。ただちに特別捜査本部が設置され、ハン警部(ケント・チェン)をはじめとする精鋭が召集された。犯人の要求は史上最高の六千万ドル。警察の裏をかいて、犯人は富豪夫人(オウヤン・プイシャン)を誘導、エディが駆けつけた時には台湾の口座に送金させた後だった。台湾警察の協力で口座名義人の身元をつかんだ香港警察は、エディとハン警部を台北に派遣する。標的は、犯罪王サンモン(ワン・ファット)。アジトに突入しての銃撃戦の中、サイモンは逃走してしまう。追跡するエディが目にしたのは、ハンと争って転落死するサイモンの姿だった。香港に戻ったエディは不法停留している輸送船を強制捜査する。人質が捕らわれていた形跡を発見したエディの背後に、ハン警部の影が迫る……。ハン警部は犯人の一味だったのだ。罠にはまったエディは重傷を負う。一方、ハンは夫人に犯人からの指示と偽り三千万ドルを振り込ませ、行方をくらます。エディに残されたのは、輸送船でみつけたセブンイレブンのレシートだけだった。九龍のその店の前で張り込みを続けるエディはついに犯人一味を発見。銃撃戦が始まり、銃弾がガスボンベに当たり爆発する。爆発は連鎖し、アパート街は火の海に……。怪我をしたハンをエディは助け出そうとするが途中逃げ遅れた子供を発見する。ハンはエディに自分を置いて子供を助けろと言い、人質の居場所を教えた……。そして海上の船でヤッフェイが発見され、事件は解決するのだった。





39-4. デスペラード (Desperado)  (吹替)

監督 ロバート・ロドリゲス
出演 アントニオ・バンデラスサルマ・ハエックジョアキム・デ・アルメイダチーチ・マリンスティーヴ・ブシェーミ
1995年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 93/104分

解説
麻薬組織のボスに復讐するマリアッチ(スペイン語でミュージシャンの意)の戦いを描いたバイオレンス・アクション。監督・脚本・編集は、93年に発表した弱冠24歳のデビュー作「エル・マリアッチ」が絶賛されたロバート・ロドリゲスで、彼がハリウッドに初進出した劇場用長編第2作。製作費は前作のわずか7千ドルから実に千倍の700 万ドルを投じ、スタイリッシュなアクション演出と定型を裏切るオフビートなユーモアに、さらに磨きがかかった。製作はビル・ボーデンとロドリゲス、製作補はエリザベス・アベランと、前作で主演したカルロス・ガラルド。撮影はギレルモ・ナバロ、音楽は「ラ・バンバ」のロス・ロボス、美術は「PNDC エル・パトレイロ」のセシリア・モンティエルが担当。主演は本格的アクションに初挑戦となる「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のアントニオ・バンデラス。共演はロドリゲス演出のテレビ映画『ロードレーサー』(V)にも出演しているメキシコ出身の新進女優サルマ・ハエック、「今そこにある危機」のジョアキム・デ・アルメイダ、「パルプ・フィクション」のスティーヴ・ブシェーミら。ロドリゲスも参加したオムニバス映画「フォー・ルームス」で製作総指揮を務めたクエンティン・タランティーノが友情出演している。

ストーリー
メキシコ国境の町サンタ・セシリアに、黒いギターケースを下げたマリアッチ(アントニオ・バンデラス)が現れた。彼は悪名高いギャングのボスで麻薬王ブチョ(ジョアキム・デ・アルメイダ)の命を狙っていた。ブチョ一味の秘密の取引場所であるバーに入ったマリアッチとあらくれ男たちの間で、たちまち壮絶な撃ち合いが展開され、麻薬の集金人(クエンティン・タランティーノ)もとばっちりを食らって死ぬ。ギターケースから素早く銃を取り出したマリアッチは、瞬く間に一味を片づけた。店を出た彼は、つけてきたギャングに腕を撃たれるが、書店主の若き美女キャロリーナ(サルマ・ハエック)に介抱される。やがてマリアッチは相棒の白人ブシェーミ(スティーヴ・ブシェーミ)と町で再会するが、ナイフ使いの殺し屋が二人を襲い、ブシェーミは殺された。ナイフ使いは敵対するコロンビア人に雇われてブチョの命を狙っていたが、逆に彼の子分に始末された。ブチョはマリアッチを殺すべく、部下たちに命じる。キャロリーヌの店に匿われたマリアッチは、彼女と愛を交わす。だが、ブチョの部下が店を襲撃し、二人は建物の屋上から屋上へと逃げながら、弾丸と手榴弾で敵を追い散らした。マリアッチはギターケースにマシンガンやロケット弾を仕込ませた二人の仲間を呼び寄せ、一味の取り引き現場に向かう。すさまじい銃撃戦の果てに仲間たちは倒れ、彼が道でギターを教えていたニーニョ少年も巻き添えになって撃たれた。少年を病院に収容したマリアッチとキャロリーヌは、ブチョのアジトに乗り込む。恋人を殺されたマリアッチが仇と狙うブチョは、彼の実の兄だった。骨肉の戦いの末にブチョを倒したマリアッチは、キャロリーヌと共に町を去った。




39-5. 決断の3時10分 (3:10 to Yuma)  

監督 デルマー・デイヴス
出演 グレン・フォードヴァン・ヘフリンフェリシア・ファーレオラ・ダナヘンリー・ジョーンズ
1957年・アメリカ (コロムビア) 92分

エルモア・レナードの原作をハルステッド・ウェルズが脚色、「襲われた幌馬車」のデルマー・デイヴスが監督した異色西部劇。撮影監督は「夜の乗合自動車」のチャールズ・ロートン・ジュニア、音楽は作曲が「ピクニック」のジョージ・ダニング、指揮を「女ひとり」のモリス・W・ストロフがとった。主演は、「辺境の掠奪者」のグレン・フォード。「愛欲と戦場」のヴァン・ヘフリン、「襲われた幌馬車」のフェリシア・ファー。

ストーリー
広々としたアリゾナ荒原−−そこを行く駅馬車が今日も襲われた。襲ったのはウェード(グレン・フォード)一味。彼らは家畜の群を使って駅馬車を止め兇行を働くのが常だった。折しもこの光景を目撃したのは貧乏牧場主のダン(ヴィン・ヘフリン)であった。しかもかの家畜が兇行に使われていた。だが悪漢一味に手出しはできない。ダンの一家にはもっと切実な問題が控えていた。旱魃のため大事な家畜が死に瀕している。ウェード一味はビスビイに到着していた。一方ウェードは酒場の女エミイ(フェリシア・ファー)に一目でひかれた。そのころ保安官はダンと出会い、ウェードが駅馬車強盗の首領であることを知った。彼はまずダンを町にやってウェードと話合わせ、そのすきに難なく逮捕した。が、牢獄のあるユマまでウェードを護送するには、彼の子分たちの眼を逃れなければならない。そこで保安官の代りにダンともう1人が護送の役目を買って出た。2人はまずウェードを町まで連行、ホテルの1室に監禁した。この町の停車場からユマ行の汽車が出るのは3時10分、発車までまだ2時間もあった。いらいらするダン。しかもその間にウェードの子分プリンスが仲間を集めてダンの前に現れた。ダンは襲ったらウェードの命はないと一味に警告した。ウェードはまた逃がしてくれたら1万ドルやろうという。その上、妻がここへ訪ねてきて、危険なこの仕事から手を引いてくれと哀願する。さすがのダンもこれには動揺した。が、仲間がプリンスに殺されるやダンの心は決まった。ダンはウェードの背に拳銃を擬しつつ遂に汽車に乗せることに成功した。ユマへの列車が速度を増すころ大粒の雨が降り出した。ダンの顔に喜びの笑みが浮んだ。




39-6. ロード・キラー (Joy Ride)  (吹替)

監督 ジョン・ダール
出演 スティーヴ・ザーンポール・ウォーカーリリー・ソビエスキージェシカ・ボウマンスチュアート・ストーン
2001年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 97分

解説
アメリカ大陸を横断するフリーウェイを舞台にした異色サスペンス・スリラー。微妙に変化する人間関係、迫真のカーチェイスを交えながら、姿なき殺人鬼の恐怖を描く。

ストーリー
あこがれの女性ヴェナ、兄フラーと共に、ボストンからコロラドまで車で旅するルイス。だが、兄が無線で行ったいたずらが、姿の見えぬトラッカー“ラスティ”の狂気に火をつけ、旅は血塗られた惨劇へと一変する。





39-7. 巴里の屋根の下 (Sous les Toits des Paris)  

監督 ルネ・クレール
出演 アルベール・プレジャンポーラ・イレリーガストン・モドエドモン・T・グレヴィルビル・ボケッツ
1930年・フランス (三映社) 92分

解説
「幕間」 「イタリアの麦藁帽子」 「二人の臆病男」 の監督者としてフランス映画界に於て最も注目されているルネ・クレールの第一回全発声作品で、氏自ら原作脚色台詞を執筆したものである。キャメラは 「燈台守」 のジョルジュ・ペリナールがジュルジュ・ローレを助手とし、前衛派のジョルジュ・ラコンブがマルセル・カルネ、ウッサン、ド・シャークと共に助監督をつとめている。主役は 「ヴェルダン 歴史の幻想」 のアルベール・プレジャンが演じ新進のポーラ・イレリー、 「カルメン(1926)」 「東洋の秘密」 のガストン・モドが助演し、エドモンド・グレヴィル、ビル・ボケッツ、ポール・オリヴィエ等も出演している。

ストーリー
パリの場末の裏町に二人の若者が住んでいる。アルベエルは歌を歌って歌譜をばいる売るのが商売、ルイは露店商人である。二人はいつも連立っているので美しいルーマニア娘のポーラに逢った時も一緒だった。そこで彼等は彼女に挨拶をする者を賽ころで決める。しかしその間に界隈の不良の親分フレッドが彼女をカフェに誘い入れてしまう。翌日アルベエルは歌を売っていて聴衆の中にポーラを見出して近づきになるがフレッドが出現したので手をひく。フレッドはポーラを好餌と目して口説きにかかると、彼女はフレッドの荒っぽさに心を惹かれ、晩にはダンスへ行くことを承諾する。其晩バル・ミュゼットでアルベエルとルイとは彼女がフレッドと踊っているのを見て失望する。フレッドは素早くポーラの部屋の鍵を彼女の手提げ袋から抜取ってりょうしまい彼女に無理に接吻しようとする。ポーラは怒ってフレッドの頬を打ってダンス場を跳出してしまう。アルベエルはルイと別れて帰る途上彼女と出会い、うちに帰るにも鍵を取られて困っているポーラに自分の宿に来いと勧める。彼女は彼の招待を受けた。其夜二人は寝台を挟んで床の上に別々に寝た。これが縁となりポーラはアルベエルの愛情にほだされて結婚することになる。嬉しさに有頂点となった彼は準備を始める。が彼の知合いの泥棒から盗品がはいっていると知らないで鞄を預かっていたために窃盗の嫌疑をうけてアルベエルは拘引投獄される。自分の荷物を纏めてアルベエルの許へ来ようとしたポーラは彼が曵かれて行く姿を見た。彼が二週間入牢している間にポーラはルイと親しくなり夢中に惚れてしまう。そして彼に対する嫉妬からフレッドに誘われるままにミュゼットに踊りに行く。その日はアルベエルが無罪放免された日だった。彼は酔ってミュゼットに行きフレッドが怒りの眼を剥いているのに関せずポーラと踊った。当然の結果裏町の一隅で決闘が始まる。多勢に無勢でアルベエルが危ないところをポーラの急報を受けて駆けつけたルイの機転の発砲で助かる。騒ぎを聞いて集まった警官達にフレッド一味は一網打尽される。カフェに落付いて無事を悦び合ったアルベエルはポーラがルイと深く愛し合っているのを知って、親友に彼女を譲った。翌る日歌を売るアルベエルは妙に淋しそうに見えた。