34-1. ブラジルから来た少年 (THE BOYS FROM BRAZIL)  

監督 フランクリン・J・シャフナー
出演 グレゴリー・ペックローレンス・オリヴィエジェームズ・メイソンユタ・ヘーゲンリリー・パルマー
1978年・アメリカ、イギリス (20世紀フォックス) 125分

解説
寡作のスリラー作家アイラ・レヴィンの同名小説を映画化したスリラー。アウシュビッツ収容所で死の天使と言われたメンゲレ博士が、ナチスの残党と共にある計画を発動した。それは、アメリカとヨーロッパにいる、94人もの人物を殺害する、というものだった。そしてそれは、ナチスの復活を告げる悪魔の計画でもあった……。

ストーリー
パラグアイでナチスハンターの若者が旧ナチス党員の不可解な動きを察知する。追跡で実績のあるリーバーマンに情報提供するが相手にされない。ついにアウシュヴィッツの主任医師だったメンゲレ博士が招集した会議を盗聴するのに成功するが、気づかれてリーバーマンへの電話の途中に殺される。メンゲレの計画は約65歳の公務員などを94人暗殺するというもので、事故に見せかけ、家族に危害を加えてはならないというものだった。 リーバーマンは通信社の友人に60代の不審死があったら、教えてくれと頼む。 西ドイツのグラドベック。郵便局長が最初の犠牲者になる。リーバーマンが調査に訪れると、黒髪で色白で青い瞳の少年がいて、利口だけと怠け者だといわれ、夫とは年齢のかけ離れた母親は息子を溺愛していた。 ロンドンでもスウェーデンでも似たような事故が起きる。マサチューセッツの事件を調べにいくと、グラドベックの男の子と双子以上に声までそっくりの子を見つける。不安から奥さんが養子だったことを打ち明けてしまう。 昔捕まえたナチスの女から養子斡旋会社の話を聞く。北欧系の家族を優先し、夫が1910年から14年の生まれで、妻が1933年から37年生まれの夫婦という条件だった。子どもたちはヴァリグ航空で、つまりブラジルから送られてきていた。最後に犬を飼っていたペンシルベニア州ランカスター・ニュープロビデンス(en)のウィーラーから70日でもらったという犬の誕生日を聞く。12月11日生まれだから2月20日で後4日。 メンゲレは上部から作戦中止の命令を受けるが、続けると主張。 リーバーマンは生物学研究所の学者に話を聞く。メンゲレが「博士号を持ったサディスト」だというと「それが科学者の定義だそうですよ」といなされる。更に、クローンだとモーツァルトやピカソが大勢生まれるが、環境も同じでなければいけないといわれる。リーバーマンは「こわい父親を持った陰気な子、税官吏だった父が52の時に生まれ、彼を甘やかして育てた母親は29 歳。父親が65歳で死んだ時、彼は14歳になるところ」だった男のクローンだと悟る。 ニュープロビデンス。ドーベルマンがいっぱいの家にメンゲレが先に着き、リーバーマンに成り代わって中に入り、殺してしまう。 メンゲレがやって来て優位に立って話す。血液と皮膚の一片を採取しておいたのだ。「偉大すぎる父の子は不幸だから」といってヒトラーは子を作らなかったが、メンゲレの計画に興奮したのだという。ドーベルマンが入ってきてかみ殺されそうになった時に息子が帰ってくる。血だらけの二人を見てまず趣味の写真を撮る。嘘をついたと殺されそうになったメンゲレが君はヒトラーだと教えるが、父親の死体を見つけ、ドーベルマンに殺させる。 入院したリーバーマンはナチスハンターたちに少年の名簿を渡すように要求されるが、名簿に火をつけた。罪もない少年を殺すなど、ナチスと同じだ、と。 その頃、少年は暗室で写真を現像し、「いい出来だ」と言いながらメンゲレの死を見つめる。目は冷たく光り、口には残酷な笑みが浮かぶ。





34-2. トレマーズ (Tremors)  

監督 ロン・アンダーウッド
出演 ケヴィン・ベーコンフレッド・ウォードフィン・カーターマイケル・グロスリーバ・マッキンタイア
1990年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP) 96分

解説
正体不明の地底生物の恐怖に立ち向かう町の人々の活躍を描くアクション映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはゲイル・アン・ハード、監督はロン・アンダーウッド、製作・脚本はブレント・マドックとS・S・ウィルソンの共同。ストーリーはウィルソンとマドック、アンダーウッド、撮影はアレクサンダー・グルジンスキーが担当。出演はケヴィン・べーコン、フレッド・ウォードほか。

ストーリー
ネバダ州の小さな町“理想郷”で便利屋をしているヴァル(ケヴィン・ベーコン)とアール(フレッド・ウォード)はある日、地震学を研究しているロンダ・ル・ベック(フィン・カーター)という大学院生と出会い、数日前から異常な地中の震動が記録されていることを知らされる。そしてその日から、町の人々が次々と不審な死を遂げるという事件が起きる。やがてヴァルたちは、その原因が巨大な地底生物の仕業であることを知るが、その頃町は、電話が不通となり、道路も寸断されるなど、すっかり陸の孤島と化してしまった。その地底生物に襲われたヴァルとアールは、それを退治するが、ロンダからまだ3匹いると教えられる。町の人々は、このままでは襲われるのが時間の問題であると判断し、怪物たちに立ち向かってゆく決心をする。力を合わせて町の人々は、1匹、1匹と苦心の末、怪物たちを退治してゆく。そして最後の1匹をヴァルの機転で倒し、ようやく町には平和がよみがえった。そしてヴァルはロンダとの愛を成就させるのだった。






34-3. カプリコン・1 (Capricorn One)  

監督 ピーター・ハイアムズ
出演 エリオット・グールドジェームズ・ブローリンブレンダ・ヴァッカロサム・ウォーターストンO・J・シンプソン
1977年・イギリス (東宝東和) 129分

解説
人類初の有人火星宇宙船カプリコン計画をめぐるNASAの国家的陰謀と、それに対する男達の姿を描く。製作はポール・N・ラザルス3世、監督・脚本は 「破壊!」 のピーター・ハイアムズ、撮影はビル・バトラー、音楽はジェリー・ゴールドスミスが各々担当。出演はエリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、ブレンダ・ヴァッカロ、サム・ウォーターストン、O・J・シンプソン、ハル・ホルブルック、テリー・サヴァラス、カレン・ブラックなど。

ストーリー
東の空が赤く染まり、やがて朝日が1日の始まりを告げようとしている中、人類史上初の有人火星宇宙船カプリコン・1の打ち上げが目前に迫っていた。カプリコン・1には、ブルーベーカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、そしてウォーカー(O・J・シンプソン)らが乗り組んでいる。発射5分前、突然カプリコン・1のハッチが開き、1人の男が乗組員3人を船外に連れ出し、ヒューストンより3人をジェット機で連れ去った。そして5分後、カプリコン・1は、人々の見守る中、有人宇宙船の名の下に火星へ向かって飛び立つ。一方、3人を乗せたジェット機は砂漠にある格納庫のわきに着陸した。そしてそこには、NASAのケラウェイ所長(H・ホルブルック)がいた。驚く3人に向かって、彼はカプリコン・1の生命維持装置に故障が発見されたが、我国の議会や世論を今一度宇宙計画へ目を向けさせるには、今さら計画の中止は出来なかった、という事実を告げる。そして3人は、もしさからえば家族の安全は保証出来ないという脅迫の中、格納庫にある火星表面のセット・ステージで世紀の大芝居を決行する。そしてそれが宇宙中継の形で、全世界にTV放送された。よろこぶブルーベーカーの妻(ブレンダ・ヴァッカロ)達。だが、家族と3人の宇宙飛行士との交信の内容に疑問を持ち出した男が1人いた。新聞記者のコールフィールド(エリオット・グールド)だ。何かがある、と探る彼。そんな彼に忍びよるNASAの魔の手…。しかし、無事、“火星着陸”をやってのけたカプリコン・1が、大気圏再突入の際、事故で消滅するという事態が発生…。これに感づいたブルーベーカーら3人は、消滅(=3人の死)に身の危険を感じ、格納庫より脱出する。そして3人を生かしておいては、と、NASAの刺客が放たれた。三方に分れて砂漠を逃亡する3人、そして事件の核心にふれ、友人のジュディ(カレン・ブラック)に金を借り、この世紀のスキャンダルをスクープしようとするコールフィールド。灼熱の砂漠の中、NASAのヘリは、ウィリスを、ウォーカーを発見し、ブルーベーカーにも魔の手はのびた。と、その時、アルバイン(テリー・サヴァラス)の複葉機をチャーターしたコールフィールドが、追われるブルーベーカーを助ける。追うNASAのジェット・ヘリ。逃げる複葉機。やがて、追撃戦の末、ヘリは爆破した…。そして、今、大統領臨席の下、3人の宇宙飛行士の壮厳な葬儀が始まったその時、ブルーベーカー夫人の瞳に、車からおり、こちらにかけてくる死んだはずの夫の元気な姿が映った…。





34-4. 男と女 (Un Homme et Une Femme)  

監督 クロード・ルルーシュ
出演 アヌーク・エーメジャン・ルイ・トランティニャンピエール・バルーヴァレリー・ラグランジュシモーヌ・パリ
1966年・フランス (UA) 103分

解説
「女を引き裂く」 のクロード・ルルーシュが、製作・脚本(ピエール・ユイッテルヘーヴェンと共作)・監督・撮影を担当した恋愛篇。音楽はフランシス・レイ、劇中の歌は、ピエール・バルー(作詞も担当)とニコール・クロアジール。出演は 「81/2」 のアヌーク・エーメ、 「マタ・ハリ(1965)」 のジャン・ルイ・トランティニャン、ピエール・バルーほか。2016年10月15日より製作50周年を記念したデジタル・リマスター版を上映(配給:ドマ、ハピネット)。

ストーリー
アンヌ(アヌーク・エーメ)はパリで独り暮し。夫をなくして、娘はドービルにある寄宿舎にあずけてある。年はそろそろ30歳。その日曜日も、いつも楽しみにしている娘の面会で、つい長居してしまい、パリ行きの汽車を逃してしまった。そんなアンヌに声をかけたのはジャン・ルイ(ジャン・ルイ・トランティニャン)彼も30歳前後で、息子を寄宿舎へ訪ねた帰りだった。彼の運転する車でパリへ向う途中、アンヌは夫のことばかり話しつづけた。その姿からは夫が死んでいるなどとは、とてもジャン・ルイには考えられなかった。一方、彼はスピード・レーサーで、その妻は彼が事故を起したとき、ショックから自殺への道を選んでいた。近づく世界選手権、ジャン・ルイは準備で忙しかったが、アンヌの面影を忘れられなかった。次の日曜も自分の車でドービルへ…と電話をかけた。肌寒い日曜日の午後、アンヌ、ジャン・ルイ、子供たちの四人は明るい笑いに包まれていた。同時に、二人はお互いの間に芽生えた愛を隠し得なかった。血と汗と泥のレースを終えたとき、ジャン・ルイはアンヌからの電報を受けとった。それには、愛してます……と書いてあった。彼はすぐに車を駆ってパリへ、そしてドービルへ。二人は砂浜で身体をぶっつけ合い、その夜は安宿のベッドに裸身をうずめた。だが、愛が高まったとき、思いもかけずアンヌの脳裡に割りこんできたのは死んだ夫の幻影だった。二人は黙々と着物を着た。アンヌは汽車で、ジャン・ルイは自動車でパリへ向った。しかしアンヌを忘られぬ彼は、彼女を乗換え駅のホームに待った。思いがけぬ驚きと喜びをひとつにして、アンヌはジャン・ルイに飛びついた。凍てついた空気の中での口づけ。それは最後の口づけかも知れなかった。だが二人には、そんなことはどうでもよかった。




34-5. ベニスに死す (Death in Venice)  

監督 ルキノ・ヴィスコンティ
出演 ダーク・ボガードシルヴァーナ・マンガーノビヨルン・アンデルセンロモロ・ヴァッリマーク・バーンズ
1971年・イタリア、フランス (ワーナー・ブラザース) 131分

解説
純粋な美の具現と思えるような美少年に、魅入られた芸術家の苦悶と恍惚を描いた作品。製作総指揮はマリオ・ガッロ、製作・監督はルキノ・ヴィスコンティ、脚色はルキノ・ヴィスコンティとニコラ・バダルッコ、原作はトーマス・マン、撮影はパスカリーノ・デ・サンティス、音楽はグスタフ・マーラー(第3・第5交響曲より)、衣装デザインはピエロ・トージが各々担当。

ストーリー
1911年のヴェニス(ヴェネチア)。ドイツ有数の作曲家・指揮者であるグスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は休暇をとって、ひとりこの水の都へやってきた。蒸気船やゴンドラの上で、さんざん不愉快な思いをしたアシェンバッハは、避暑地リドに着くと、すぐさまホテルに部屋をとった。サロンには世界各国からの観光客があつまっていた。アシェンバッハは、ポーランド人の家族にふと目をやった。母親(シルヴァーナ・マンガーノ)と三人の娘と家庭教師。そしてアッシェンバッハは、母親の隣りに座った一人の少年タジオ(ビヨルン・アンデルセン)に目を奪われた。すき通るような美貌と、なよやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせるタジオに、アシェンバッハの胸はふるえた。その時からアシェンバッハの魂は完全にタジオの虜になってしまった。北アフリカから吹きよせる砂まじりの熱風シロッロによってヴェニスの空は鉛色によどみ、避暑にきたはずのアシェンバッハの心は沈みがちで、しかも過去の忌わしい事を思い出し、一層憂鬱な気分に落ち込んでいった。ますます募るタジオへの異常な憧憬と、相変らず重苦しい天候に耐え切れなくなったアシェンバッハは、ホテルを引き払おうと決意するが、出発の朝、朝食のテーブルでタジオを見た彼の決意が鈍る。だが駅に着くと、自分の荷物が手違いでスイスに送られてしまったため、アッシェンバッハはすぐにホテルに引き返した。彼の心は、タジオと再会できる喜びでうちふるえていた。彼はもう、タジオへの思いを隠そうともしなかった。タジオの行く所には、常にアシェンバッハの熱い眼差しがあった。タジオもそのことに気づき始めているようだ。しかしこの頃、ヴェニスには悪い疫病が瀰漫しはじめていたのだ。街のいたる所に、消毒液の匂いが立ちこめ、病いに冒され、黒く痩せ衰えた人々が、行き倒れになっていた。しかし、観光の街ヴェニスにとって旅行者に疫病を知られることは死活問題であり、地元民はそれをひた隠しにした。そのことを何とか聞き出したアシェンバッハは、それが真性コレラであることを知った。それでも彼はヴェニスを去ろうとはしなかった。彼は身も心もタジオの姿を追い求めて彷徨っていた。タジオのために、化粧をほどこし、若づくりをするアッシェンハッハだったが、コレラに冒され、極度の精神的疲労も加わり、彼の肉体は急速に衰えていった。浜辺の椅子にうずもれたアシェンバッハの目に、タジオのあの美しい肢体が映った。海のきらめきに溶け込んでゆくかの如きタジオの姿に、アシェンバッハの胸ははりさけんばかりとなる。そうして最後の力をふり絞って差しのべた手も力尽き、アッシェンバッハは、タジオの姿を瞳に焼き付けながら、遂に息絶えるのだった。





34-6. 緑の光線 (Le Rayon Vert)  

監督 エリック・ロメール
出演 マリー・リヴィエールAmira ChemakhiSyrvia Richezリサ・エレディアBasile Gervaise
1986年・フランス (シネセゾン) 99分

解説
ひとりの女性のひと夏の体験を描く。製作はマルガレット・メネゴス、監督・脚本は 「満月の夜」 のエリック・ロメール、撮影はソフィー・マンティニュー、音楽はジャン・ルイ・ヴァレロ、編集はマリー・ルイーザ・ガルシアが担当。出演はマリー・リヴィエール、アミラ・ケマキほか。

ストーリー
夏のパリ。オフィスで秘書をしているデルフィーヌは20歳も前半、ヴァカンスを前に胸をときめかせていた。7月に入って間もない頃、ギリシア行きのヴァカンスを約束していた女ともだちから、急にキャンセルの電話が入る。途方に暮れるデルフィーヌ。周囲の人がそんな彼女を優しく慰める。いよいよヴァカンス。女ともだちのひとりが彼女をシェルブールに誘ってくれた。が、シェルブールでは独り、海ばかり見つめているデルフィーヌ。太陽はまぶしく海は澄み渡っているが、デルフィーヌの心は晴れない。彼女は、人気のないパリに戻った。しかし、公園を独りで歩いていると、見知らぬ男が付いてきて彼女を不安にさせる。8月に入り山にでかけた彼女は、その後、再び海へ行った。そこで、彼女は、老婦人が話しているのを聞いた。それは、ジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」の話だ。太陽が沈む瞬間にはなつ緑の光線は幸運の印だという……海で友達ができないわけではないが、彼女の孤独感は消えない。パリに戻ることにした彼女、駅の待合室で、本を読むひとりの青年と知り合いになった。初めて他人と意気投合した彼女は思いがけず、自分から青年を散歩に誘った。夕方、海辺を歩く二人は目のまえの光景に目を見張った。太陽が沈む瞬間、緑の光線が放たれたのだ。




34-7. 木と市長と文化会館 または七つの偶然 (L'Arbre, Le Maire et La Mediatheque ou Les Hasards)  

監督 エリック・ロメール
出演 パスカル・グレゴリーアリエル・ドンバールファブリス・ルキーニクレマンティーヌ・アムルーフランソワ・マリー・バニエ
1992年・フランス (シネセゾン) 111分

解説
フランスの田舎町に文化会館を建設しようとする社会派市長の計画が呼んだ騒動を、ドキュメンタリー調も交えたユーモアとウィットあふれる演出で描いた風刺喜劇。物語は7つの章で構成され、そのすべてが 「もし・・・」 で導かれる。監督・脚本は 「春のソナタ」 「冬物語」 のエリック・ロメール。製作は 「緑の光線」 以来、ロメールの全作品についているフランソワーズ・エチェガレー。撮影はディアーヌ・バラティエ、音楽はセバスチャン・エルムス、編集は 「冬物語」 のメアリー・スティーブン、録音・ミキシングは 「冬物語」 のバスカル・リビエ。主演は 「海辺のポーリーヌ」 のパスカル・グレゴリーとアリエル・ドンバール。共演は 「満月の夜」 などロメール作品の常連ファブリス・ルキーニ、 「聖杯伝説」 (未)以来、12年ぶり2度目のロメール作品への出演となるクレマンティーヌ・アムルーら。

ストーリー
パリの南西部ヴァンデ県サン=ジュイールの市長ジュリアン(パスカル・グレゴリー)は、村の原っぱに、図書館とCD・ビデオのライブラリー、野外劇場、プールを備えた総合文化センターを建設しようと考えていた。だが、この計画は周囲の賛同を得られないでいる。ジュリアンの恋人で、根っからのパリっ子である小説家のベレニス(アリエル・ドンバール)も「文化会館なんて必要かしら」と少々懐疑的。村のエコロジストの小学校教師マルク(ファブリス・ルキーニ)は、烈火のごとく怒る。ジュリアンにインタビューした女性ジャーナリストのブランディーヌ(クレマンティーヌ・アムルー)のルポは編集長(フランソワ・マリー・バニエ)の独断で、マルクを中心としたエコロジー特集になってしまう。そんなある日、偶然にマルクの娘ゾエ(ギャラクシー・バルブット)とジュリアンの娘ヴェガ(ジェシカ・シュウィング)が出会って友達となり、ゾエは市長に「文化会館よりみんなが集まって楽しめる広場がいいわ」と訴える。結局、予定地の地盤が弱いことが判明し、建設は中止となった。代わりにジュリアンは広大な土地を開放し、そこは人々の憩いの広場となった。




34-8. デイアフター2020 首都大凍結 (ICE)  (吹替)

監督 ニック・コパス
出演 リチャード・ロクスバーグフランシス・オコナークレア・フォーラニベン・クロスサム・ニール
2010年・イギリス、ニュージーランド (ギャガ) 94分

解説
北半球を氷点下50℃の大寒波が襲い、ロンドンでも市民に避難命令が…。科学者はロンドンにいる家族救出に急ぐ!異常気象によるロンドン壊滅を描いたディザスター・パニック! 主演は「サンクタム」「M:I-2」のリチャード・ロクスバーグ、「A.I.」のフランシス・オコナー。監督はニック・コパス。

ストーリー
西暦2020年。地球温暖化が進行し多くの地域で砂漠化。一方、エネルギー危機も深刻化、石油の枯渇は目前だった。そんな中、グリーンランドの氷原で科学者トム(リチャード・ロクスバーグ)は地下で氷が大量に溶けているのを発見。ヘイロー社が北極で行っている石油掘削の影響だと会議で報告し、掘削権の更新をしないよう進言するが、ヘイロー社の顧問弁護士サラ(フランシス・オコナー)に、「因果関係の証拠なし」と指摘され却下される。そんな中、掘削現場では原因不明の爆破事故が…。しかし社長のカバナー(サム・ニール)は掘削の続行を指示する。一方、トムの妻と娘は、トムの父がいるイギリスに滞在していたが、父の農場に移民局の手入れが入り、外国籍の妻が捕まり連行されてしまう。そんなことは知らず、北極で新たな証拠を探すトム。そんな彼にも危機が迫っていた。






34-9. バベル (Babel)  

監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演 ブラッド・ピットケイト・ブランシェットガエル・ガルシア・ベルナル役所広司アドリアナ・バラッザ
2006年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ) 143分  (PG-12)

解説
一発の銃弾をきっかけに、モロッコ、アメリカとメキシコ、日本のドラマが同時進行していく人間ドラマ。ブラッド・ピットや役所広司など各国の俳優たちの競演に注目。

ストーリー
モロッコ。幼い兄弟のアフメッド(サイード・タルカーニ)とユセフ(ブブケ・アイト・エル・カイド)は、親から一挺のライフルを手渡される。試し撃ちとして、ユセフは山道を走るバスを狙って一発の銃弾を放った。その観光バスに乗っていたのが、アメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)。彼らはまだ赤ん坊だった三人目の子供が急死してから、夫婦の絆の亀裂を修復できずにいた。そんな時、ユセフの放った弾丸がスーザンの鎖骨の上に命中する。リチャードは血まみれのスーザンを抱えて医者がいる村へと走った。アメリカに残された彼らの幼い子供たち、兄のマイク(ネイサン・ギャンブル)と妹のデビー(エル・ファニング)は、メキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラッザ)に連れられてメキシコに向かう。リチャードとスーザンが帰国できなくなったので、アメリアは息子の結婚式に子供たちを連れていくことにしたのだ。やがて問題のライフルの書類上の所有者が、日本人の会社員ヤスジロー(役所広司)だと判明。彼は最近妻が自殺したことで激しい心労を抱えており、聾唖である高校生の娘チエコ(菊地凛子)との溝が深くなっていた。チエコは友人たちと渋谷で遊び回り、自宅に若い刑事(二階堂智)を呼び出して裸で迫るが、刑事に拒否される。そんな時、息子の結婚式を負えたアメリアは、再び子供たちと国境に向かう。だが飲酒運転がバレた甥のサンチャゴ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、アメリアと子供たちを砂漠に置き去りにして逃走してしまった。翌朝、灼熱の太陽に意識が薄れていくデビー。泣きながら助けを求めるアメリア。一方、リチャードは衰弱しているスーザンと久々に優しい語らいの時を過ごす。そして日本では、チエコの心の傷に気づいたヤスジローが、久々に娘を抱きしめるのだった。







34-10. キング・オブ・エジプト (GODS OF EGYPT)  (吹替)

監督 アレックス・プロヤス
出演 ニコライ・コスター=ワルドウブレントン・スウェイツチャドウィック・ボーズマンエロディ・ユンコートニー・イートン
2016年・アメリカ (ギャガ) 103/127分  (4D)

解説
古代エジプトを舞台に、恋人を奪われた人間の青年が、神々の王座を巡る争いに巻き込まれていく姿を描くアドベンチャー。 「マレフィセント」 で王子役を演じたブレントン・スウェイツが盗賊の青年を、 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 のコートニー・イートンがその恋人を演じる。監督は 「ノウイング」 のアレックス・プロヤス。

ストーリー
神と人間が共生する古代エジプトでは神々を讃える石像やピラミッドが建ち並び、生命の神オシリス王の統治のもと、繁栄を誇っていた。しかしオシリス王の弟である砂漠の神セト(ジェラルド・バトラー)が王を殺害。王座を強奪し、混乱が広がる。多くの民が苦しめられる中、オシリスの子・天空の神ホルス(ニコライ・コスター=ワルドー)は妻をセトに奪われた盗賊ベック(ブレントン・スウェイツ)と組み、王座を左右する神の眼を狙う。





34-11. スワンの恋 (Un Amour de Swan)  

監督 フォルカー・シュレンドルフ
出演 ジェレミー・アイアンズオルネラ・ムーティアラン・ドロンファニー・アルダンマリー・クリスティーヌ・バロー
1983年・フランス、西ドイツ (ヘラルド・エース) 110分

解説
19世紀末のパリの社交界を舞台に、一人のユダヤ系ブルジョワの若者の愛の彷徨を描く。製作はマルガレット・メネゴス、監督は 「ブリキの太鼓」 のフォルカー・シュレンドルフ。マルセル・プルーストの原作 「失われた時を求めて」 を基にピーター・ブルック、ジャン・クロード・カリエール、マリ・エレーヌ・エスティエンヌが脚色。撮影はスヴェン・ニクヴィスト、音楽はハンス・ヴェルナー・ヘンツェ、編集はフランソワーズ・ボノー、美術はジャック・ソルニエ、衣装はイヴォンヌ・サシノー・ド・ネスルが担当。出演はジェレミー・アイアンズ、オルネラ・ムーティ、アラン・ドロン、ファニー・アルダン、マリー・クリスティーヌ・バローなど。

ストーリー
19世紀の末、美術に造詣の深いスワン(ジェレミー・アイアンズ)は、ユダヤ人株式仲買人の息子で社交界の花形的存在である。彼は、ある瞬間から一人の女性への恋の妄想にとりつかれていた。馬車の上で、その女性オデット(オルネラ・ムーティ)が胸につけていたカトレアの花を直すために彼女に触れた瞬間から彼女にとりつかれたのだ。それまで彼の日常の全てだった音楽会、サロンでの時間も今は関心をひかない。音楽会が催されたゲルマント公爵(ジャック・ブーデ)の家を訪れた彼は、親しい友人シャルリュス男爵(アラン・ドロン)に、早速、オデットの様子を聞いた。昨日は、彼女はシャルリュスと一緒だったのだ。男色家の彼となら何の心配もいらない。演奏が終わりに近づいた時、帰ろうとしたスワンは、そのヴァイオリンの音色にめまいを覚えた。ジャッキー・クラブのあるバガテルへオデットを迎えに行くと、彼女はフォルシュヴィル子爵(ジュフロワ・トリー)と共に現われた。オデットは、実は高級娼婦なのだ。彼女と共にラ・ペルーズ街の彼女の家に行くと、明らかに女衒と判る女性が彼女を待っていた。オデットを待つ間、スワンは胸の中で、彼女が女性と関係したことがあるのだろうかと自問した。そして、そのことをオデットに追求する。意味ありげな笑みをもらし「二度、三度、ずっと昔に…」と答える彼女。やがて、スワンは匿名の手紙を受けとった。それは、オデットの素姓を知りたければブドゥルー6番街に住むクロエを訪ねなさいというものだった。クロエを訪ねたスワンは、しかし何も聞き出せずに邸に戻った。そして、初めてオデットがやって来た日のことを想い出していた。ボッティチェリの版画に描かれているゼフォラの像に似た、そのオデットの姿を……。オペラがはねる頃、ヴェルデュラン夫妻(ジャン・ルイ・リシャール、マリー・クリスチーヌ・バロー)と共にオペラ座に出かけたオデットの姿はなく、やっと捜しあてたレストランでは、彼女はフォルシュヴィル子爵と一緒であった。さらに帰り際、オデットは、フォルシュヴィルの馬車に乗り込んでいった。スワンが苦悩をつのらせて、カルーセル凱旋門近くを馬車で通り過ぎる頃、若いユダヤ青年に捨てられたシャルリュス男爵と出くわす。シャルリュスと別れたスワンは、いつの間にかラ・ペルーズ街へ来ていた。ついにオデットを腕の中に抱くスワン。翌朝、スワンは、彼を訪れたシャルリュスに、もう心がオデットから離れたことを告げた。それから、十数年後、シャルリュスと共にベンチにすわるスワンに、誇らしげに歩み寄る女性がいた。今はスワン夫人となったオデットであった。





34-12. スチュアート・リトル (Stuart Little)  (吹替)

監督 ロブ・ミンコフ
出演 ジーナ・デイヴィスヒュー・ローリージョナサン・リプニッキジェフリー・ジョーンズコニー・レイ
2000年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 84分  (日本語吹き替え版)

解説
 全米大ヒットを記録した心あたたまるファミリー・ファンタジー。人間の一家に養子にもらわれたネズミの男の子がさまざまな冒険をへて成長していく愛と感動のドラマ。

ストーリー
N.Y.セントラルパーク近くにあるリトル家は、パパ(ヒュー・ローリー)とママ(ジーナ・デイヴィス)、息子のジョージ(ジョナサン・リプニッキ)の3人家族。「弟が欲しい!」というジョージの希望もあり、パパとママは養子縁組みをすることに。が、施設に養子選びに出向いたリトル夫妻がピンと来たのは、人間の子供ではなく、ネズミのスチュアート(声=マイケル・J・フォックス)だった。スチュアートは賢く、優しい心の持ち主。しかし、ジョージは新たな弟がネズミと知ってがっかり。飼猫のスノーベルもひがんで彼をいじめる。だが、スチュアートはめげず、リモコンのヨットレースに参加するジョージに協力、いじめっ子のヨットをみごと追い抜いて優勝。ジョージはスチュアートを「大切な弟」と認めるようになった。スノーベルにとっては事態は悪くなるばかり。思い余ったスノーベルは、ノラ猫のボスに相談。野良猫グループは一計を考じ、スチュアートのニセの両親を仕立て上げ、リトル家に送り込むのだった。泣く泣くスチュアートを手離すリトル家の人たち。が、ニセ者は改心し、スチュアートは自由の身となる。野良猫グループの追跡をかわし、スノーベルとも分かり合うことができたスチュアートは、「リトル家の一員」として、楽しく暮らして行くのだった。





34-13. ヘラクレス(1997) (Hercules)

監督 ジョン・マスカー
出演 テイト・ドノヴァンジョシュ・キートンスーザン・イーガンダニー・デヴィートリップ・トーン
1997年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン) 89/97分

解説
ギリシャ神話の英雄ヘラクレスの知られざる青年期の恋と冒険の旅を描いた、ディズニーの長編アニメ第35作。監督・脚本・製作は 「リトル・マーメイド」 「アラジン」 のコンビ、ジョン・マスカーとロン・クレメンツ。製作は、彼らと 「ライオン・キング」 のアリス・デューイ。脚本はマスカー、クレメンツ、ボブ・ショウ、ドナルド・マッケンリー、アイリーン・ミッチの共同。オリジナル・スコアと挿入歌の作曲を 「アラジン」 「ノートルダムの鐘」 のアラン・メンケンが手掛け、作詞はブロードウェイの人気作詞家デイヴィッド・ジッペルが担当し、全6曲のナンバーを提供。プロダクション・デザインは 「ピンク・フロイド/ザ・ウォール」 のジェラルド・スカーフェ、美術監督はアンディ・ガスキル、CGI監修はロジャー・グールド。スーパーバイジング・アニメーターは 「ライオン・キング」 のアンドレアス・デジャ(ヘラクレス)、 「ポカホンタス」 のケン・ダンカン(メグ)、エリック・ゴールドバーグ(ピロクテテス)、ニック・ラニエリ(ハデス)。声の出演は 「メンフィス・ベル」 のテイト・ドノヴァン、舞台 「美女と野獣」 でトニー賞にノミネートされたスーザン・イーガン、 「ニクソン」 のジェームズ・ウッズ、 「SPACE JAM」 のダニー・デヴィート、 「キルトに綴る愛」 のリップ・トーン、ナレーターに 「トゥルーライズ」 のチャールトン・ヘストンらが参加。日本語吹替版も同時公開され、“TOKIO”の松岡昌弘、工藤静香、嶋田久作、ナレーターの森繁久彌ら多彩な面々が吹き替えに参加。オリジナル版ではマイケル・ボルトンの歌う主題歌 「When a Man Love」 のカバー曲を藤井フミヤが歌った。

ストーリー
神々の国オリンポス山の支配者ゼウス(声/リップ・トーン)に、息子が生まれた。ヘラクレスと名付けられた赤ん坊は驚くほどの力の持ち主だった。ゼウスは翼のある馬ペガサスを従者としてヘラクレスに贈った。一方、死者の国の神ハデス(声/ジェームズ・ウッズ)は3人の魔女たちから「18年後、惑星が直列に並ぶ時、ゼウスを倒す好機となろう」と予言を告げられる。だが、「ヘラクレスが立ちはだかり、おまえは破れ去るだろう」と聞いたハデスは、手下のペインとパニックに命じて彼を地上に追いやった。人間の夫婦に拾われて育てられたヘラクレス(声/テイト・ドノヴァン)は、やがてたくましい若者に成長。だが、その怪力をコントロールできず、周囲から孤立していた。やがて、自分が実はゼウスの子であると知ったヘラクレスは故郷を目指した。オリンポス山へのパスポートはただ一つ、本物の英雄になること。伝説の英雄を育て上げてきたトレーナー、ピロクテテスことフィル(声/ダニー・デヴィート)のコーチを受けたヘラクレスは、崩壊寸前の都市テーベで美しい娘メグ(声/スーザン・イーガン)から、岩の下敷きになった2人の少年を助けてほしいと頼まれる。しかし、少年たちの正体はペイン(声/ボブ・ゴールドスウェイト)とパニック(声/マット・フリューワー)で、全てはハデスの罠だった。いくつもの頭を持つ怪物ヒドラを倒したヘラクレスは、町の人々に英雄として迎えられる。ハデスは次々と怪物を送り込むが、その度にヘラクレスは勝利し、人気と名声は急上昇。有頂天になった彼に、ゼウスはスターになることと真の英雄になることは違うと諭した。業を煮やしたハデスはヘラクレスの弱点を探るため、メグを差し向ける。フィルの忠告にも耳を貸さず、ヘラクレスは彼女への愛を募らせていく。メグは昔の恋人を助けるためにハデスに魂を売り、挙げ句の果てにその男に捨てられた過去があった。ヘラクレスの弱点がメグ自身だと知ったハデスは「たった1日だけその超人的な力を封じ込めれば、メグを自由してやる」と取り引きを持ちかける。メグに真実の愛を抱くヘラクレスは、死を覚悟でそれに応じる。地球の軌道が最適の位置に達した瞬間、ハデスは伝説の巨人タイタンを解き放ち、ゼウスを倒すよう命じた。一方、力を封じられたヘラクレスは、なおも巨大な怪物と戦っていた。深手を負い、薄れ行く意識の中でメグをはじめ愛しい人々を守りたいと強く願った時、彼の内部で力が芽生えた。ヘラクレスは彼を庇おうとして傷ついたメグを助けると、ペガサスに乗ってオリンポスに駆けつけた。強敵タイタンを倒し、ハデスをも追放した彼の活躍で、オリンポスに平和が戻った。メグの愛もかち得たヘラクレスは今、本当の英雄となった。




34-14. マイ・インターン (THE INTERN)  

監督 ナンシー・マイヤーズ
出演 ロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイレネ・ルッソアダム・ディバインザック・パールマン
2015年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 121分

解説
ニューヨークのファッション業界を舞台に、オンラインサイトのCEOとして働くキャリアウーマンが、40歳年上のアシスタントとの出会いを機に成長していく姿を描くヒューマンドラマ。アン・ハサウェイがスマートで美しいヒロインを熱演し、女性からの共感を呼ぶ。名優ロバート・デ・ニーロとの初共演にも注目だ。

ストーリー
家庭を持ちながら何百人もの社員を束ね、ファッションサイトを運営する会社のCEOであるジュールズ(アン・ハサウェイ)は、女性なら誰しもがあこがれる華やかな世界に身を置きながら、仕事と家庭を両立させ、まさに女性の理想像を絵にかいたような人生を送っているかに見えた。しかし、彼女に人生最大の試練が訪れる。そんな悩める彼女のアシスタントとして、会社の福祉事業として雇用することになった40歳年上のシニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ)がやってくる。人生経験豊富なベンは彼女に最高の助言を与え、2人は次第に心を通わせていく。やがて彼の言葉に救われたジュールズは、予期せぬ人生の変化を迎える……。




34-15. マイ・カントリー マイ・ホーム (My Country My Home)  

監督 チー・ピュー・シン
出演 ウィ・モン・シュエー・イーアウン・イェ・リンヤン・アウン森崎ウィン川添野愛
2018年・日本、ミャンマー 130分

解説
日本とミャンマー、二つの祖国の狭間で葛藤するミャンマー人女子高生のひと夏を追った青春ストーリー。日本で生きるナンとサイを通じて、歴史に翻弄されてきたミャンマーの人々の境遇を描く。本作に顔を揃えたミャンマーを代表する俳優陣の熱演も見逃せない。J-POPバンドPrizmaXのメンバーでスピルバーグ監督新作「レディ・プレイヤー1」の日本公開も控える森崎ウィンが、自身とも重なる部分のある重要な役柄で出演している。

ストーリー
東京で暮らすミャンマー人の女子高生ナンは日本で生まれ育ち、自分を日本人だと思って生きてきた。ある日、ナンは父親のサイがナンを連れてミャンマーに帰国しようと考えていることを知る。サイは30年前にミャンマーの民主化運動に参加した影響で国を追われ、日本に難民として移住したのだった。しかし、彼の心はずっと祖国ミャンマーと共にあった…。






34-16. マクリントック (McLINTOCK!)  

監督 アンドリュー・V・マクラグレン
出演 ジョン・ウェインモーリーン・オハライヴォンヌ・デ・カーロパトリック・ウェインステファニー・パワーズ
1963年・アメリカ (ユナイテッド・アーチスツ) 126分

解説
アラモ」 のジェームズ・エドワード・グラントのシナリオをTV 「ローハイド」 のアンドリュー・V・マクラグレンが監督した西部劇。撮影は 「アラモ」 のウィリアム・H・クローシア、音楽は 「何がジェーンに起こったか?」 のダナム&フランク・デボールの兄弟。出演者は 「ドノバン珊瑚礁」 のジョン・ウェイン、 「スペンサーの山」 のモーリン・オハラ、 「十戒」 のイヴォンヌ・デ・カーロ、 「アラモ」 のパトリック・ウェイン、 「インターン」 のステファニー・パワーズほか、ジャック・クラシェン、チル・ウィルスら。

ストーリー
マクリントック(ジョン・ウェイン)は妻キャサリン(モーリン・オハラ)に不貞を疑われ、家出されてしまっている。彼は富豪であり、人望もある。ある日、妻が町に帰って来て彼らの一人娘ベッキーの後見人に彼女の方がなること、離婚協諾書にサインをすることを迫った。その上、牧童に雇った男の母親ルイス(イボンヌ・D・カルロ)の美しさに憑かれ、コックとして雇い入れたため、夫人は大憤激。折りも折り、東部の大学に留学中のベッキーが帰って来た。その同じ汽車でマクリントックの敷地で待っていたインディアンたちの指導者たちも降りたったが、州当局は退去を命じ、それに肯じなかったため、マクリントックの尽力にもかかわらず強制収容されてしまった。恒例の独立記念日がやって来た。町中が浮かれているとき、突然、無実なのに疑いをかけられて憤慨したインディアンが仲間のハーフを救おうと刑務所を爆破し、逃走したインディアンで町中は大混乱に陥った。だが騎兵隊が駆けつけ、追われるように一行は故郷へと立ち去った。そんな騒ぎに興奮したマクリントックはキャサリンとけんかをはじめ、暴力までふるった。と、彼女の方が今までとは逆に低姿勢になり、講和を申し込んだ。ベッキーもルイスの息子と婚約した。マクリン。トックの家庭に再び平和が戻ってきた……。






34-17. 暗黒街のふたり (Deux Hommes Dans La Ville)  

監督 ジョゼ・ジョヴァンニ
出演 アラン・ドロンジャン・ギャバンミムジー・ファーマーミシェル・ブーケイラリア・オッキーニ
1973年・フランス、イタリア (日本ヘラルド映画) 99分

解説
銀行強盗犯として十年服役して仮出獄した男が辿る苦難の道を描く。製作はピエール・サン・ブランカ、監督・脚本は 「ラ・スクムーン」 のジョゼ・ジョヴァンニ、撮影はジャン・ジャック・タルベス、音楽はフィリップ・サルドが各々担当。出演はアラン・ドロン、ジャン・ギャバン、ミシェル・ブーケ、ミムジー・ファーマー、イラリア・オッキーニ、クリスティーヌ・ファブレガ、ベルナール・ジロドー、マルカ・リボヴスカなど。

ストーリー
ジーノ(A・ドロン)は三十歳。十年前に銀行強盗の首領として逮捕され、十二年の刑を受けたが、保護司のジェルマン・カズヌーブ(J・ギャバン)の力添えによって出所することが出来た。彼には美しい妻ソフィー(I・オッキーニ)が待っていた。ジーノの新しい生活が始まった。妻は小さな花屋を経営しており、それは質素だが、明るい、楽しい日々だった。ある日、ジーノの出所を知った昔の仲間がやってきた。再び手を組んで大仕事をしようという。ジーノはきっぱりと断わった。犯罪歴を持つ者はパリを始め、大都会、港町に住むことを許されない、いわゆる“所払い”というやつだ。ジーノと妻はやがてモー市に移住した。一方、ジェルマンもモンペリエに移住した。軽犯罪係への転勤ということだが、ていのいい左遷であった。それでも、ジーノとジェルマンの家族は、週末にはピクニックに出かけた。突然、悲劇がジーノを襲った。楽しいピクニックの帰路、暴走してくる二台の車を避けようとしたジーノのスポーツカーは横転して、大破したのだ。この事故で最愛の妻ソフィーが死んだ。自暴自棄の日々が続いた。月日が流れ、ようやく傷が癒えると、ジェルマンのすすめでモンペリエに移り、刑務所で身につけた印刷技術に助けられ、印刷工場で働くことになった。そして、新しい恋人ルシー(M・ファーマー)がジーノの前に現われた。同時に、ジーノの運命を変えるもう一人の人間が出現した。この地に赴任してきたゴワトロー警部(M・ブーケ)だった。もう忘れかけていた十年前、銀行に押し入ったジーノを捕えたのがゴワトローだった。以後、ゴワトローの執拗な監視の眼が、ジーノを追い廻し始めた。ある日、ジェルマンのところへ、ルシーがとび込んできた。「ジーノが警察に留置されている」。容疑は何もなかったが、ゴワトローは異常な程ジーノを憎んでいた。偶然、ガソリン・スタンドで昔の仲間と会ったことが、ゴワトローの気に入らなかったのだ。しかし、ジーノは二度と昔の仲間と仕事する気はない。ゴワトローは彼を信ぜず、二度と奴らに会わない宣誓書を書けという。無茶苦茶な要求だったが前科者は常に弱い。釈放されてからも、ゴワトローの追求は続いた。そんなとき、昔の仲間が銀行を襲った。もちろんジーノとは無関係だったが、ゴワトローはジーノが首領だと思いこんでいる。重傷を負った一人を病室のベッドで尋問するが、ジーノの犯行を立証出来ないゴワトローは、ついに彼の家にまで押しかけ、ルシーを脅迫する。これを蔭で盗み見ていたジーノの怒りが爆発した。ゴワトローがルシーの身体に手をかけたときジーノはゴワトローに襲いかかり、首をしめ上げた。ゴワトローは死に、ジーノは逮捕された。公判、過去に犯した行為が決定的に心証を悪くしている上、被害者は刑事だ。検事のたくみな弁舌がより一層、極悪人としてのジーノを印象づけた。ジーノの女性弁護士(M・リボフスカ)は、犯罪を誘う要素が、この国に存在することを強く指摘した。処刑の際の十七世紀の遺物ギロチンが、いまだに使われているような古さを、あの劣悪な刑務所内の環境を。しかし、裁判官も陪審員も彼女の弁論には無関心であった。既に結論は最初から出ていたのだ。判決が出た。求刑どうり死刑だった。大統領への助命嘆願も拒否され、処刑の日がやってきた。ギロチン前に引きだされたジーノが、最後に振り向いたときの眼が、ジェルマンの心に焼きついた。




34-18. 帰ってきたヒトラー (ER IST WIEDER DA)  (吹替)

監督 デヴィッド・ヴェンド
出演 オリヴァー・マスッチフランツィシカ・ウルフカッチャ・リーマンファビアン・ブッシュクリストフ・マリア・ヘルプスト
2015年・ドイツ (ギャガ) 102/116分

解説
現代にタイムスリップしたヒトラーがモノマネ芸人としてテレビで人気になっていくさまを描き、話題を呼んだ小説を映画化したコメディ。リアリティを追求するため、無名の舞台俳優オリヴァー・マスッチがヒトラー役に選ばれたほか、実在の政治家や有名人、ネオナチと顔をあわせるなど、アドリブシーンを交えて物語が展開する。

ストーリー
ヒトラーの姿をした男(オリヴァー・マスッチ)が突如街に現れる。リストラされたテレビマンに発掘された男は、復帰の足掛かりにテレビに出演させられる。男は長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者の度肝を抜く。自信に満ちた演説はかつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と見做され、過激な毒演はユーモラスでありながら真理をついていると評判を呼び、男は一躍人気者に。しかし、彼はタイムスリップしてきた本物のヒトラーだった。そして天才扇動者である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境だった……。




34-19. ダブル・ジョパディー (Double Jeopardy)  (吹替)

監督 ブルース・ベレスフォード
出演 アシュレイ・ジャッドトミー・リー・ジョーンズベンジャミン・ウェアーアナベス・ギッシュブルース・グリーンウッド
1999年・アメリカ (UIP) 95/105分

解説
アメリカ合衆国憲法修正第5条、”何人も同一の犯罪で二度有罪にはならない”という法律をストーリーの鍵に用いたサスペンス・スリラー。

ストーリー
平凡な主婦リビーは、ハンサムな夫ニックと幼い息子マティと幸せな生活を送っていた。しかし、ある日突然夫殺しの容疑で逮捕されてしまう。マティを親友アンジーに預け刑務所暮らしを送ることに。が、その間にマティとアンジーが行方不明となる。刑務所仲間と協力して調査すると、実は存命する夫と一緒に暮している衝撃の事実を知ってしまう。怒りに震えたリビーは、仲間が仄めかした”ダブル・ジョパディー=二重処罰の禁止”に望みをたくし、6年後、出所するや夫に復讐すべく立ち向かう。





34-20. 太陽はひとりぼっち (L'Eclipse)  

監督 ミケランジェロ・アントニオーニ
出演 アラン・ドロンモニカ・ヴィッティフランシスコ・ラバルリッラ・ブリグノンルイ・セニエ
1962年・イタリア、フランス (日本ヘラルド映画) 127分

解説
「情事」 のミケランジェロ・アントニオーニ監督作。脚本はアントニオーニ、トニーノ・グエッラ、エリオ・バルトリーニの 「情事」 組にオティエリが新たに参加、撮影は 「太陽の誘惑」 のジャンニ・ディ・ヴェナンツォ、音楽は 「情事」 のジョヴァンニ・フスコ。出演は 「生きる歓び」 のアラン・ドロン、 「情事」 のモニカ・ヴィッティ。製作はロベールとレイモンのアキム兄弟。一九六二年度カンヌ映画祭審査員特別賞受賞。

ストーリー
ヴィットリア(モニカ・ヴィッティ)は婚約者リカルド(フランシスコ・ラバル)と重苦しい話しあいの一夜をあかしたすえ、彼との婚約を解消した。あとを追うリカルドをふりきって、彼女は一人になる。ブルジョアの彼との間にある埋めがたい距離をそのままに、結婚することは耐えられないことだ。彼女は証券取引所にいる母を訪ねる。株価の数字の上げ下げを追う狂騒的な取引所の雑踏の中で相場を張っている素人投資家の母は、彼女の話を聞こうともしない。女友達のアニタとマルタの三人で、深夜のアパートでふざけちらしてみても、空しさは消えない。アニタの夫のパイロットが操縦する飛行機にのってみても、倦怠の日々は少しも姿をかえはしない。ふたたび訪ずれた取引所では、株の大暴落がはじまっていた。彼女の母は投資資産のすべてを失ったすえ、大きな借金をせおいこんだ。巨額の金を暴落で一瞬に失った肥った中年男は、カフェのテラスで茫然と紙に草花の絵を描いていた。取引所には株式仲買所につとめる美貌の青年ピエロ(アラン・ドロン)がいて、前から彼女と時々言葉をかわしていた。この日を境に、二人は接近した。二人は町を歩く。公園、ビルの谷間、建てかけの建築物のある道、市場。そして二人は、ピエロのオフィスで結ばれる。抱きあって、話をかわし、笑い、やがて朝がきて、二人は別れる。「あした会おう、あさっても、次の日も……」。二人はキスして、別れていく。やがて電話のベルがオフィスに鳴りひびいて、新しい一日がはじまろうとしている。二人が散歩した公園もビルの街並も、建てかけの建築物のある道も、今日も少しも変らずにそこにある。しかし、新しくはじまった今日のどこが、旧いすぎさった昨日と違うのか。ヴィットリアは昨日と同じように、今日の中にまた歩みはじめる。




34-21. デイジー・ミラー (DAISY MILLER)  

監督 ピーター・ボグダノヴィッチ
出演 シビル・シェパードバリー・ブラウンクロリス・リーチマンミルドレッド・ナトウィクデュリオ・デル・プレト
1974・アメリカ (パラマウント) 91分

解説
H・ジェームズの古典的恋愛小説を、「ペーパー・ムーン」をヒットさせた直後のP・ボグダノヴィッチが正攻法で映画化。19世紀末のヨーロッパ。アメリカから単身やって来た一人の娘が、ヨーロッパ社交界の中でもまれながらも恋をし、そして自身を貫いて生きていく姿を綴る。全編イタリアにロケした美しい風景をバックに、世紀末の風俗を再現した華麗な美術(ベルトルッチ作品などで知られる、F・スカルフィオッティが担当)が見もの。

ストーリー
シビル・シェパードが魅力的に演じる“デイジー・ミラー”は、自由奔放なふるまいで周囲の人たちの反感を買ってしまう。 ヘンリー・ジェームズ原作の古典小説を脚色したこの映画は、教養の欠けた母親と反抗的な幼い弟と共に、祖国を離れヨーロッパで暮らすアメリカ人の物語。社会通念にとらわれないデイジーの生き方は時代のはるか先を行っていたため、1878年ビクトリア女王時代の上流社会で物議を醸すことになる。




34-22. フォーエバー・フレンズ (Beaches / Forever Friends)  

監督 ゲイリー・マーシャル
出演 ベット・ミドラーメイム・ビアリクバーバラ・ハーシーマーシー・リーズジョン・ハード
1988年・アメリカ (タッチストーン映画=ワーナー・ブラザース) 123分

解説
57年のアトランティック・シティの海岸で出会った11歳の2人の少女の、その後30年に及ぶ愛と友情、そして別れを描く。エグゼクティヴ・プロデューサーはテリー・シュワルツ、製作はボニー・ブルックハイマー・マーテル、主演のベット・ミドラーとマーガレット・ジェニングス・サウス、監督は 「潮風のいたずら(1988)」 のゲイリー・マーシャル。アイリス・レイナー・ダートの原作を基に、脚本はメアリー・アグネス・ドナヒュー、撮影はダンテ・スピノッティ、音楽は 「サマーストーリー」 のジョルジュ・ドルリューが担当。出演はほかに、 「最後の誘惑」 のバーバラ・ハーシーなど。オリジナル・タイトルは“Beaches”

ストーリー
57年、夏のアトランティック・シティ。父親としつけの厳しい叔母に連れられ、サンフランシスコからやって来たヒラリー・ホイットニー(マーシー・リーズ)は、海岸で迷子になってしまったところを、マネージャー兼母親のレオナ(レイニー・カザン)とともにニューヨークからやってきた歌手志望のCC・ブルーム(メイム・ビアリク)に助けられ、同じ11歳ということもありすっかり仲良しになる。CCのオーディションについていったヒラリーは、そこで彼女の歌に大感激し、離れ離れになっても必ず手紙を書く一番の友だちになることを誓いあう。それから10年、CC(べット・ミドラー)は売れないクラブ歌手、一方のヒラリー(バーバラ・ハーシー)は大学を卒業し弁護士になっていた。箱人り娘で何不自由なく育ったヒラリーは、ある日ついに自分の意志で行動できない不満を爆発させ、ニューヨークのCCのアパートに家出同然で転がり込み、2人の共同生活は始まった。CCは舞台演出家のジョン(ジョン・ハード)と出会ったことで、やがて端役を経て彼の劇団で主役を演じ、脚光を浴びることになる。ところが彼女が好意を抱いていたジョンとヒラリーが一夜を共にしたことから2人の仲は気まずくなり、ヒラリーの父が病気になったこともあり、彼女は実家に戻ってしまう。それでも2人の文通は続いた。父の死後、ヒラリーは弁護士のマイケル(ジェームズ・リード)と結婚し、CCもジョンと結ばれた。夫の強い要望で専業主婦として家庭に入ったヒラリーには、ブロードウェイ進出までに成功したCCが妬ましく、ついに2人は喧嘩別れし、文通もとだえた。友情の崩懐はCCの精神の均衡を失ってゆき、次第に落ち目になり、ジョンとも離婚する。一方のヒラリーも、マイケルの浮気の現場を目撃し、離婚を決意した時、彼女は妊娠していた。ある日実家近くのクラブにCCが来ることを知ったヒラリーは、早速そのクラブに足を運んだ。最初はわだかまる2人だったが、お互いの心情をぶちまけた後は、昔と変わらぬ友情を取り戻していた。CCとともにおなかの赤ちゃんを育んでゆくヒラリー。やがてCCとヒラリーの担当医ミルスタイン医師(スポルディング・グレイ)のロマンスが生まれたある日、CCは舞台復帰のチャンスをジョンから与えられ、見事にカムバックに成功する。一方のヒラリーも無事に女児を出産した。しかしその頃から、ヒラリーの体調は異常をきたし、CCのハリウッド・ボウルでのコンサートのある日、ヒラリーが倒れたという知らせが届く。やがて時を経ずして、ヒラリーはCCに看取られ息をひきとった。彼女にヴィクトリア(グレイス・ジョンストン)という一人娘を託して…。





34-23. フライト・ゲーム (NON-STOP)  (吹替)

監督 ジャウマ・コレット=セラ
出演 リーアム・ニーソンジュリアン・ムーアスクート・マクネイリーミシェル・ドッカリーネイト・パーカー
2014年・アメリカ (ギャガ) 99/107分

解説
リーアム・ニーソン主演&ジャウム・コレット=セラ監督という 「アンノウン」 のコンビが放つサスペンス・アクション。NY発ロンドン行きの飛行機に乗り込んだ航空保安官が、1億5000万ドルを送金しなければ、20分ごとに1人を殺すという脅迫メールのせいで、146人の乗客乗員全員を相手に孤独な戦いに挑むさまを描き出す。

ストーリー
航空保安官ビル(リーアム・ニーソン)が客を装いアメリカ・ニューヨークからイギリス・ロンドンへ向かう旅客機に乗り込んだところ、何者かからメールが届く。その内容は、1億5千万ドルを指定口座に送金しなければ20分ごとに1人ずつ機内の誰かを殺すというものだった。単なるいたずらかどうか真偽のほどを疑っているうちに、1人目の犠牲者が出る。大西洋上空をフライト中の密室とも言える航空機内で起こった殺人にビルはまず乗客を疑い携行品を調べるが、何も手がかりになるようなものは見つからない。保安局が乗客名簿を調べるも怪しい点は誰にもなく、指定された口座がビル名義であるため彼へ疑いの目が向けられてしまう。次の犠牲者が出るまでのタイムリミットが迫り緊張感が高まる中、見えざる敵との頭脳戦が始まる……。





34-24. カリートの道 (Calito's Way)  

監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 アル・パチーノショーン・ペンペネロープ・アン・ミラージョン・レグイザモIngrid Rogers
1993年・アメリカ (UIP) 145分

解説
愛する女のために足を洗おうとしながらも、周囲によっていやおうなく再び悪に手を染めざるをえなくなる男の姿を描いた犯罪ドラマ。 「スカーフェイス」 以来、10年ぶりにアル・パチーノとブライアン・デ・パルマがコンビが組んだ。元ニューヨーク州最高判事のエドウィン・トレスの2編の小説Calito'sWayとAfterHoursを原作に、 「ジュラシック・パーク」 のデイヴィッド・コープが脚本を執筆、 「レイジング・ケイン」 のブライアン・デ・パルマの監督で映画化。撮影は 「ボディ・ダブル」 「アンタッチャブル」 などで監督とコンビを組んだスティーブン・H・ブラム。音楽は 「愛と死の間で」 のパトリック・ドイルで、ジョー・コッカーの 「ユー・アー・ソー・ビューティフル」 などの70年代のヒットナンバーが効果的に使われている。美術は 「ディック・トレイシー」 などで2度アカデミー賞を受賞したリチャード・シルバート。主演は 「セント・オブ・ウーマン(夢の香り)」 のアル・パチーノ。共演は 「カジュアリティーズ」 のショーン・ペンほか。

ストーリー
1975年、ニューヨーク。カリート・ブリガンテ(アル・パチーノ)は、組織のお抱え弁護士クレインフェルド(ショーン・ペン)の尽力で、30年の刑期を5年で終えて出所した。かつては麻薬王としてならした彼も、今度こそ足を洗い、バハマのパラダイス・アイランドでレンタカー屋を営むことを夢見ていた。だが、従兄弟の麻薬取引のトラブルに巻き込まれたカリートは、心ならずも手を血で染める。彼は昔なじみのサッソ(ホルヘ・ポルセル)のディスコに、死んだ従兄弟の金を投資し、儲けを貯め始める。街はすっかり様変わりし、信頼していた仲間のラリーン(ヴィーゴ・モーテンセン)は検事となって偵察にきたうえ、チンピラのベニー・ブランコ(ジョン・レグイザモ)がのしていた。昔の恋人であるダンサーのゲイル(ペネロープ・アン・ミラー)と再会したカリートは、彼女への愛に生きることを誓う。その頃、コカインと汚れた金に溺れていたクレインフェルドは服役中のマフィアのボス、トニー(フランク・ミヌッチ)に脅され、脱獄の手引きをさせられる。彼に恩義があるカリートは断りきれずに手を貸す。だがクレインフェルドは深夜のイーストリヴァーで、脱獄したトニーとその息子フランクを殺す。間もなく彼はマフィアに命を狙われて重傷を負う。一方、ノーウォーク検事(ジェームズ・レブホーン)はカリートに、クレインフェルドの犯行を証言すれば免罪にすると司法取引を持ちかける。検事は、彼がカリートをハメようと虚偽の証言をしたテープを聞かせた。カリートは取引に応じず、裏切り者のクレインフェルドをマフィアに殺させるように仕向けてカタをつけた。ゲイルと落ち合うグランド・セントラル駅へ急ぐカリートは、追って来たトニーのもう一人の息子ヴィニー(ジョゼフ・シラーヴォ)一味と構内で壮絶な銃撃戦を演じる。ゲイルと列車に乗り込もうとした瞬間、カリートは寝返った用心棒のパチャンガの手引きでベニーに撃たれ、静かに息絶えた。





34-25. ジョイ・ラック・クラブ (The Joy Luck Club)  

監督 ウェイン・ワン
出演 キュウ・チンツァイ・チンフランス・ニューエンリサ・ルーミンナ・ウェン
1993年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン) 139分

解説
移民として故郷の中国から苦難の人生を背負って生き抜いてきた4人の母親と、アメリカ人として生まれ育った4人の娘たちの世代間の相違と心の絆を描いた群像劇。エイミー・タンの同名ベストセラー小説を、 「夜明けのスローボート」 の女性監督ウェイン・ワンが映画化。脚本は、監督と 「レインマン」 のロナルド・バスの共同。製作は、原作者と監督、ロナルド・バス、 「リバー・ランズ・スルー・イット」 のパトリック・マーキーの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは 「天と地」 のオリヴァー・ストーン監督と、ジャネット・ヤン。撮影はアミール・モクリ、音楽はレイチェル・ポートマン、美術はドナルド・グラハム・バートが担当。出演は舞台出身のミンナ・ウェン、 「ベスト・キッド2」 のタムリン・トミタ、 「スラムダンス」 のロザリンド・チャオ、 「ラストエンペラー」 のリサ・ルー、 「心のままに…」 のローレン・トム、 「イヤー・オブ・ザ・ガン」 のアンドリュー・マッカーシーほか。

ストーリー
ロサンゼルス。聡明なスーユアン(キュウ・チン)、リーダー格のリンド(ツァイ・チン)、芯の強いアンメイ(リサ・ルー)、気品あるインイン(フランス・ニューエン)の同世代の4人の女性は、マージャン卓を囲んで食事をしたりおしゃべりをしたりする会″ジョイ・ラック・クラブ″を作っていた。彼女たちには同じ年頃の娘がいる。2ケ月前に他界した母スーユアンの代わりに会合に出席したジューン(ミンナ・ウェン)はその席で、リンドから中国にいる双子の姉の存在を知らされる。スーユアンは、戦火を逃れる途中、まだ乳飲み子の双子を置き去りにしてきた。だが母はずっと2人の消息を捜していたという。母の辛い過去を初めて知った彼女は反発してばかりいた自分を恥じ、「姉たちに母の全てを伝えねば」と心に決める。ほかの3人もそれぞれ過酷な人生を背負っていた。リンドは16歳で自分の意思とは関係なく、裕福な家に嫁がされた。相手は彼女より年下の少年だ。孫を欲しがり、彼女に辛くあたる姑を前にリンドは一計を案じて見事離婚し、やがて現在の夫と渡米した。娘のウェヴァリー(タムリン・トミタ)は、白人男性リッチとの結婚問題にも口を挟むしっかり者の母が疎ましい。だが、やがて2人はお互いを理解しあう。一方、インインは熱愛の末に夫と結ばれたが、夫の浮気三昧の日々に精神が不安定になり、放心状態のまま幼い長男をその手にかけるという過去を持っていた。娘のリーナ(ローレン・トム)は建築士の夫と結婚するが、夫は金銭面にこと細かに口出しする男で、その結婚生活は愛のないものだった。インインは娘が自分と同じ苦しみを背負おうとしているのを知り、自分の辛い過去を話す。リーナは自分を本当に愛してくれる男性と再婚した。アンメイの母は貞淑な未亡人だったが、乱暴されてその男の第4夫人となった。母に引き取られたアンメイは、母の女としての深い苦しみを知る。母が苦しみに満ちた人生を閉じるために自殺した時、アンメイは母の分まで強く生きようと誓った。彼女の娘のローズ(ロザリンド・チャオ)は、ハンサムな白人青年テット(アンドリュー・マッカーシー)と結婚したが幸せは長く続かず、彼女に飽きたテッドは離婚を切り出す。アンメイは娘に「欲しいものを手に入れるには闘うのよ」と自信を与える。ローズとテッドの夫婦の絆は、以前にも増して固く結ばれた: 。母の国である中国の大地に降り立ったジューンは、始めて出会った姉たちと力強く抱きしめ合った。





34-26. エグジット・スピード (EXIT SPEED) (吹替)

監督 スコット・ジール
出演 リー・トンプソンフレッド・ウォードデズモンド・ハリントンアリス・グレチェンジュリー・モンド
2008年・アメリカ (HALF H.P STUDIO) 87/90分

解説
長距離バスを襲う凶悪バイク軍団。そして工場に立て篭もった乗客VS凶暴化した暴走集団の壮絶バトルが始まる―。エンジン全開、ノンストップ暴走アクション!!

ストーリー
クリスマスイブのテキサス。エル・パソ行きの長距離バスが10名の乗客を乗せ出発する。モーディ(リー・トンプソン)は娘たちの待つ家へ、サム(デズモンド・ハリントン)は別れた妻子の待つ家へ、恋人同士のデュークとデジレはラスベガスを目指して、そして脱走兵のメリディス(ジュリー・モンド)は捕まえに来たスパークス(フレッド・ウォード)から逃げ切るためバスに乗りこんでいた。順調に進んでいたバスは、田舎道に入ったあたりでトラブルに巻き込まれる。走行中のバスに、ノマドと呼ばれる凶悪な暴走集団が嫌がらせを始めたのだ。エスカレートする攻撃に、振り切ろうとしたバスは過ってバイカーの一人をひいてしまう。仲間が殺されたことでさらに凶悪化する暴走集団!逃げるバスとの間に壮絶なカー・チェイスが始まる! やがてバスは国道を逸れわき道に入る。しかし道は行き止まりとなり、バスは人気のないスクラップ工場へ突っ込む。工場に篭城する乗客たちに、襲いかかる暴走集団。追い込まれた乗客たちは、スクラップ工場にあったあらゆる道具を武器に反撃に出る!一方、メリディスが長距離バスに乗ったことを突きとめ、後を追うスパークス。果たして乗客たちは生き残れるのか―!?





34-27. トゥモローランド (TOMORROWLAND)  

監督 ブラッド・バード
出演 ジョージ・クルーニーヒュー・ローリーブリット・ロバートソンラフィー・キャシディトーマス・ロビンソン
2015年・アメリカ (ディズニー) 130分  (IMAX)

解説
ディズニーランドにある“トゥモローランド”が、ウォルト・ディズニーの夢を隠すカモフラージュだったら?というアイデアに基づくミステリー・アドベンチャー。17歳の少女と、“トゥモローランド”の存在を知る男が人類の未来を懸けた冒険に挑む。監督は 「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」 のブラッド・バード。

ストーリー
17歳のケイシー・ニュートン(ブリット・ロバートソン)は、ある日、自分の荷物の中に見慣れぬピンバッジを見つけるが、そのピンバッジに触れた途端、彼女はたちまち未知なる世界へ紛れ込んでしまう。そこはテクノロジーの発達した未来のようであったが、バッテリー切れと同時にケイシーは見慣れた現実世界へと引き戻されていた。必死で夢の世界へと戻ろうとするケイシーの前に、ピンバッジを彼女の荷物に紛れ込ませたという謎の少女アテナ(ラフィー・キャシディ)が現れる。すべてが可能になる場所“トゥモローランド”に再び訪れたいのならば、フランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)という男を訪ねるようにとアテナは誘う。実はアテナが人類の未来を託した二人の人間、それこそがケイシーとフランクであった……。






34-28. アメリカの友人 (Der Amerikanische Freund)  

監督 ヴィム・ヴェンダース
出演 デニス・ホッパーブルーノ・ガンツリザ・クロイツァージェラール・ブランニコラス・レイ
1977年・西ドイツ、フランス (フランス映画社) 127分

解説
完全犯罪を企むトム・リプレーが、思わぬ友情のはざまで揺れ動く姿を描く。製作はミハエル・ヴィーデマンとピエルー・コトレル。パトリシア・ハイスミスの原作をもとに 「パリ、テキサス」 のヴィム・ヴェンダースが監督・脚本を手掛ける。撮影はロビー・ミュラー、音楽はユルゲン・クニーパー、編集はペーター・プルツィゴッダが担当。出演はデニス・ホッパー、ブルーノ・ガンツほか。

ストーリー
カウボーイ・ハットのトム・リプレー(デニス・ホッパー)が、ニューヨークの画家(ニコラス・レイ)を訪ねる。その画家ボガッシュは、贋作画家で、リプレーはそれをヨーロッパで売り歩いていた。ハンブルグの美術商の画廊で、トムは額縁職人のヨナタン(ブルーノ・ガンツ)を知る。彼は、トムが売りつけた絵を偽物と気づいた様子だった。トムは、そこの画廊の主人からヨナタンが白血病でそう長くはないことを聞く。夜、トムのもとをミノ(ジェラール・ブラン)と名乗る一匹狼の男が訪ねた。彼はマフィアの男をひとり殺す為、素人の男を見付け出し、殺し屋に仕立てたいといった。ヨナタンに狙いを定めたトムは、ヨナタンの仕事場を訪ね、彼と知り合いになった。自分の病状を不安がっていたヨナタンは、ミノから殺しを頼まれると、25万マルクという報奨金ほしさに、ついに引き受けることにした。ドゴール空港に着いたヨナタンはミノと医学生の出迎えを受け、病院へ行く。ミノは、白紙の診断書を病院から盗みだす。ヨナタンは、殺し屋イグラハム(ダニエル・シュミット)を撃ち殺す。一方、ニューヨークでは、マフィアのボス(サミュエル・フラー)が敵対するマフィアがパリで殺されたと電話できいた。ヨナタンの最近の行動を不振に感じていた妻のマリアンネ(リザ・クロイツァー)は、ヨナタンを問い詰めるが、彼は何も言わない。ミノは再度ヨナタンを呼び出し、殺しを依頼する。そのことを知ったトムは、ヨナタンにそれは危険すぎると忠告する。ミュンヘンからの特急でヨナタンは第二の殺人を果たそうとするが、失敗し、トムに助けられる。死体を列車から蹴り落とすトム。アパートに戻って発作で倒れるヨナタン。そこへミノが訪れ、列車の殺人でトムと一緒だったことをついヨナタンは告白してしまう。トムの家で襲撃に備えるヨナタンとトム。夜、忍び込んできた男をヨナタンは殺す。一方、ミノも相手のマフィアに捕らえられていた。トムは疲れ切ったヨナタンを励まし、死体の始末にとり掛かる。ヨナタンは、赤いワーゲンでやって来たマリアンネととも海に向かう。その車の中でヨナタンは息を引き取る。遠くワーゲンを見送るトムの姿があった。




34-29. ナバロンの嵐 (Force 10 from Navarone)  (吹替)  

監督 ガイ・ハミルトン
出演 ロバート・ショウエドワード・フォックスバーバラ・バックフランコ・ネロカール・ウィザース
1978年・イギリス (コロムビア) 93/118分

解説
ユーゴの最重要戦略拠点であるネレトバ橋をめぐって死闘をくりひろげるパルチザンとドイツ軍を描く戦争アクション映画。 「ナバロンの要塞」 (66)の続編にあたり、68年にアリステア・マクリーンが書いた 「ナヴァロンの嵐」 (ハヤカワ文庫)の映画化。製作はオリヴァー・A・アンガー、監督は 「007/黄金銃を持つ男」 のガイ・ハミルトン。 「ナバロンの要塞」 を製作・脚色したカール・フォアマンのスクリーン・ストーリーに基づいてロビン・チャップマンが脚色。撮影はクリス・チャリス、音楽はロン・グッドウィン、製作デザインはジェフリー・ドレイク、衣裳はエマ・ポールテス、編集はレイモンド・ポールトン、特殊効果はルネ・アルブース、アクション監修はエディ・スティシィが各々担当。出演はロバート・ショウ、ハリソン・フォード、エドワード・フォックス、バーバラ・バック、フランコ・ネロ、カール・ウィザーズ、リチャード・キール、アラン・バデル、クリストファー・マルコム、ニック・エルスワース、ジョナサン・ブレイク、マイケル・シアードなど。

ストーリー
第二次大戦中のユーゴスラビアでは、強大なドイツ軍がパルチザン将兵七千を、ネレトバ峡谷に追いつめていた。彼らを救うにはネレトバ橋の爆破しかない。その命令がアメリカ軍特殊部隊〈フォース10〉に下った。バーンズビー中佐(ハリソン・フォード)を隊長とする〈フォース10〉に、ナバロン要塞を爆破したマロリー(ロバート・ショウ)とミラー(エドワード・フォックス)が加えられた。二人にはパルチザンに潜入しているドイツのスパイ、レスコバー大尉(フランコ・ネロ)抹殺の任務もあった。ユーゴに降下した彼らは、ドラザック大尉(リチャード・キール)ひきいる王党派につかまり、ドイツ軍に引き渡される。王党派はドイツ軍に協力するゲリラ組織で、パルチザンと敵対していたのだ。だが王党派にいた娘マリッツァ(バーバラ・バック)のおかげで、マロリーとバーンズビーは脱出に成功。パルチザンと遭遇し、隊長のペトロビッチ少佐(アラン・バデル)に会う。マリッツァは彼の実の娘だったのだ。彼はネレトバ橋の爆破は絶対に無理だという。二人はともかくレスコバーと一緒に王党派の集落に侵入して、ミラーやマリッツァらを救出してくる。爆破のエキスパートであるミラーは、橋はとうてい無理だが上流のダムを爆破して洪水をおこせばよいと発言する。レスコバーがドイツ軍と連絡をとっているのを見たマリッツァは、レスコバーに射殺された。ドイツ軍の武器弾薬庫から爆薬を盗み出したマロリーらは、ダムに向かう。この時、ついにレスコバーの正体はばれて殺される。彼らを追ってきたドラザックは、ウィーバー軍曹(カール・ウィザーズ)に倒された。ダムにしのびこんだマロリーとバーンズビーの仕掛けた爆弾が時間通りに爆発。ダムは徐々にき裂がはいり、やがて壁面をつき破って水がほとばしり出る。水は奔流となって川を下り、折しもドイツ軍が渡り始めていたネレトバ橋を押し流してしまった。





34-30. 去り行く男 (Jubal)  

監督 デルマー・デイヴス
出演 グレン・フォードアーネスト・ボーグナインロッド・スタイガーヴァレリイ・フレンチフェリシア・ファー
1956年・アメリカ (東宝=コロムビア)

解説
シェーン」 と同様、放浪の男を中心とした西部劇で、ポール・I・ウェルマンの小説をラッセル・ヒューズと 「太鼓の響き」 のデルマー・デイヴスが共同脚色し、デイヴスが監督した。撮影は 「長い灰色の線」 のチャールズ・ロートン・ジュニア、作曲は 「悪人と美女」 のデイヴィッド・ラクシン。主な出演者は、 「暴力教室」 のグレン・フォード、 「四角いジャングル」 のアーネスト・ボーグナイン、 「波止場」 のロッド・スタイガー、新星ヴァレリイ・フレンチとフェリシア・ファーなど。

ストーリー
西部の流れを歩く放浪の男ジューバル(グレン・フォード)は、ロッキーの山の中で崖から落ちて気を失ったが、運よくその場を通りかかったシェップ(アーネスト・ボーグナイン)に救われた。やがて、元気になったジューバルはその牧場で働くことになった。シェップの妻メイ(ヴァレリイ・フレンチ)は、もともと淫奔な女で、夫をあざむいて牧童のピンキー(ロッド・スタイガー)と通じ、いつか夫をなきものにと考えていたが、ジューバルを見て心を動かした。ジューバルの腕がよいので、シェップは彼をカウボーイ頭にした。ピンキーはジューバルを目の仇にした。メイは、牧場を2人のものにしようと口説いたが、ジューバルは相手にせず、シェップは命の恩人なので騒ぎの起こらぬようにと、旅立つ決心をしたが、事情を知らぬお人好しのシェップは離さない。そうした矢先、ローハイダーズと呼ばれる狂信的宗教団体の一行がやって来て、この牧場に野営した。ピンキーたちはこの一行を追い払おうとしたが、病人のいることを知ったジューバルは、快く病人の治るまで牧場にいる許可を与えた。ジェーバルは、リーダーの娘ナオミ(フェリシア・ファー)の美しさに心惹かれた。ある夜、シェップ以下全員が野営している所にメイが手紙が来たという口実でやって来た。実はジューバルの顔が見たくて来たのだが、それを知らぬシェップは、ジューバルにメイを家まで送らせた。ピンキーは、メイとジューバルがあやしいとシェップにたきつけ、彼が家に帰ってみると、メイは振られた腹いせに、彼と関係が出来た、と言い放った。怒ったシェップは酒場へ急ぎ、無言でジューバルに発砲した。やむなくシェップを倒したもののジューバルも傷を負い、リーダーの所に隠れることになった。ピンキーは保安官に訴え、メイに報告に行ったが、メイはかえって怒った。ナオミの看護を受けたジューバルが、メイに会って身のあかしを立てるために家に行くと、メイはピンキーに重傷を負わされていた。そこにピンキーや追手がかけつけたが死の直前メイの証言によってピンキーは捕らえられた。ジューバルはナオミとともに、平和の待つ新しい土地へと馬を走らせた。




34-31. 誘拐の掟 (A WALK AMONG THE TOMBSTONES)  (吹替)

監督 スコット・フランク
出演 リーアム・ニーソンダン・スティーブンスアストロダニエル・ローズ・ラッセルデヴィッド・ハーバー
2014年・アメリカ (ポニーキャニオン) 99/114分

解説
96時間」 シリーズでアクション俳優としての新境地を開拓した実力派俳優リーアム・ニーソン主演のサスペンス・ミステリー。ニューヨーク市民を震撼させる連続猟奇誘拐殺人犯と、元刑事の私立探偵との息詰まる対決がスリリングに描かれる。 「マイノリティ・リポート」 の脚本家、スコット・フランクの長編映画監督第2作。

ストーリー
1999年、ニューヨーク。誘拐殺人事件が続けざまに起こる中、隠居生活を送る元敏腕刑事マット・スカダー(リーアム・ニーソン)のもとに妻を誘拐した犯人探しの依頼が入る。犯人は身代金を奪った上に人質を変わり果てた姿で返すような非常に残忍かつ狡猾な猟奇殺人鬼だった。新たに一人の少女が誘拐されてしまい、常軌を逸した凶悪犯との戦いに臨む。





34-32. 馬上の男 (MAN IN THE SADDLE)  

監督 アンドレ・ド・トス
出演 ランドルフ・スコットジョーン・レスリーアレクサンダー・ノックスジョン・ラッセルリチャード・ローバー
1951年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 87分

解説
小さな牧場を経営するオーウェンの恋人ローリーは愛よりも富を選び大牧場主と結婚するのだが…。「赤い砦」のアンドレ・ド・トス監督作品、孤立無援で悪に立ち向かうヒーローに心揺さぶられる、見応えありの西部劇。

ストーリー
小牧場を営むオーウェンの恋人だったローリーは、彼ではなく、大牧場主と結婚する。オーウェンは無口だが誠実で責任感があり周囲の信頼も厚かったのだが、貧しく苦労して育ったローリーは、愛よりも富を選び、オーウェンに別れを告げ、大牧場主の元へ嫁いだのだった。しかしオーウェンを忘れられないローリーの気持ちに気付いた大牧場主は、嫉妬のあまり、卑怯な手口を使ってオーウェンの小牧場を潰そうと企む。




34-33. 2010年 (2010)  

監督 ピーター・ハイアムズ
出演 ロイ・シャイダージョン・リスゴーヘレン・ミレンボブ・バラバンケア・ダレー
1984年・アメリカ (MGM=UA) 116分

解説
謎の石板モノリスの調査に向かったアメリカの宇宙船ディスカバリー号を描いた「2001年宇宙の旅」の続篇で2010年を背景に宇宙船レオーノフで宇宙を突き進む米ソ3人の飛行士の姿を描くSF映画。製作・監督・脚本は「アウトランド」のピーター・ハイアムズ、原作はアーサー・C・クラーク(早川書房刊)、撮影もピーター・ハイアムズ自身、音楽はデイヴィッド・シャイア、特撮はリチャード・エドランド、プロダクション・デザイナーはアルバート・ブレナーが担当。出演はロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバンなど。日本版字幕は戸田奈津子。テクニカラー、パナビジョン。1984年作品。

ストーリー
西暦2001年、月面で発見された謎の黒石板、モノリス解明のために、アメリカの宇宙船ディスカバリー号が木星へと旅立った。途中、コンピュータHAL9000が反乱を起こし、ボーマン船長(ケア・ダレー)を除いた乗組員全員を殺した。ボーマンは、モノリスが木星を回っているのを発見し「何てことだ。星がいっぱいだ」という言葉を残し行方不明となってしまった。そして2010年。ディスカバリー号の計画責任者で元アメリカ宇宙飛行学会議議長のヘイウッド・フロイド博士(ロイ・シャイダー)、HALの生みの親チャンドラ博士(ボブ・バラバン)、ディスカバリー号を再生させる訓練を受けたエンジニアのカーノウ(ジョン・リスゴー)の3人は、ソビエトのタニヤ船長(ヘレン・ミレン)らと共に宇宙船レオーノフ号に乗り込み、木星へと向かった。世の中は、米ソ間の緊張が高まっていた。やがてディスカバリー号とのランデヴーに成功したところで、カーノウは宇宙遊泳してディスカバリー号に乗り移り、ディスカバリー号を再始動させた。そしてチャンドラ博士の手でHALが蛛る。いよいよ、木星軌道上でモノリスの調査の準備が始まった。しかし、モノリスに近づいたソビエトの隊員のポッドが吹き飛ばされてしまった。その頃地球では、米ソの関係が悪化し、いつ宣戦布告があってもおかしくない状況に陥っていた。ついにはディスカバリー号とレオーノフ号に米ソの隊員が分かれる命令まで下された。そんなある日、フロイド博士は、ボーマンの亡霊からの声を受けとった。その声は「あなたたちは2日以内にここを離れなくてはいけない」「すばらしいことが起ころうとしている」とくり返した。すると突然モノリスが姿を消し、同時に木星表面に見慣れぬ黒斑が生じて、それがだんだんと大きくなっていった。とはいえ、2日のうちに木星の軌道から遠ざかるのは燃料不足のため不可能だった。そこでフロイドは、2隻の宇宙船をつなぎ合わせ、地球に帰還するというアイデアを思いついた。そのためには、ディスカバリー号の点火をHALに任せねばならないが、HALは最後まで木星の新現象を調査すべきだと主張した。結局、人間の命令を守るHAL。遠ざかるレオーノフ号の背後で、木星の黒斑は巨大化していった。観察では、黒斑と見えるものは分裂増殖する無数のモノリスであることがわかった。やがて、木星が閃光に包まれていった。いま、大宇宙の彼方からメッセージが、人類の前に姿を現わそうとしていた…。(MGM/UA映画=CIC配給*1時間53分)




34-34. エルダー兄弟 (The Sons of Katie Elder)  

監督 ヘンリー・ハサウェイ
出演 ジョン・ウェインディーン・マーティンマーサ・ハイヤーアール・ホリマンマイケル・アンダーソン・ジュニア
1965年・アメリカ (パラマウント)

解説
タルボット・ジェニングスのストーリーを、ウィリアム・ライト、アラン・ワイス、ハリー・エセックスが共同脚色、 「サーカスの世界」 のヘンリー・ハサウェイが監督した西部劇。撮影は 「赤い崖」 のルシエン・バラード、音楽はエルマー・バーンスタインが担当した。出演はジョン・ウェイン、 「ねえ!キスしてよ」 のディーン・マーティン、 「大いなる野望」 のマーサ・ハイヤー、 「OK牧場の決斗」 のアール・ホリマンほか。製作は 「ベケット」 のハル・B・ウォリス。

ストーリー
テキサス。ジョン(ジョン・ウェイン)、トム(ディーン・マーティン)、マット(アール・ホリマン)、バッド(マイケル・アンダーソン・ジュニア)は母親の葬式に出席するため、故郷の町に帰って来た。ジョンは、シェリフのビリーから、彼らのエルダー牧場が今はヘイスティングスという男のものであること、父親のエルダーが何者かに殺されたことを聞いた。また、ヘイスティングスは殺し屋を呼んで、エルダー兄弟の復讐にそなえていた。ある夜、ジョンは母親がかつて世話になった、下宿屋を営むメエリー(マーサ・ハイヤー)に形身を届けにった。だが、父親殺しの犯人はわからなかった。兄弟たちが用事で町を出た後で、トムが、殺人犯のお尋ね者ということがわかり、シェリフのビリーがひとりで兄弟を追った。ヘイスティングスが先廻りして、ビリーを殺した。その嫌疑は兄弟たちにかかり獄に入れられた。メエリーは兄弟の安全をきづかってシェリフに頼んで身柄を他の場所に移すことになった。兄弟たちは足を鎖でつながれて町を離れたが、途中ヘイスティングスが殺し屋と待ち伏せ、襲った。マットが死んだ。ジョンが応戦して殺し屋の1人を殺した。。そしてまたもこの護送馬車襲撃はエルダー一味の仕業といううわさをヘイスティングスの部下が町に流していた。ジョンは夜になってから隠れ家からぬけ出し、ヘイスティングスを捕えに行ったが父親のモーガンに撃たれて重傷を負った。ジョンはそれでも真相を聞こうと迫ったが、父は息子を撃ち重傷を与えた。息をひきとる前に、エルダーを殺したのは父親であることを告白した。それを判事がもの陰で聞いていた。ジョンはその父に決闘を申し込み、みごとうち果たしたのだった。




34-35. フルスロットル (BRICK MANSIONS)  (吹替)

監督 カミーユ・ドゥラマーレ
出演 ポール・ウォーカーダビッド・ベルRZAカタリーナ・ドゥニアイシャ・イッサ
2013年・アメリカ (アスミック・エース) 91分

解説
13年11月に交通事故で亡くなったポール・ウォーカー主演のサスペンス・アクション。中性子爆弾を起動させ、デトロイトを破壊しようとするマフィアに対し、潜入捜査官と恋人をマフィアに誘拐された男というコンビが立ち向かう。共演は、体ひとつでビルをよじ登ったりする“パルクール”の共同創始者として知られるダヴィッド・ベル。

ストーリー
暴力とドラッグがはびこり、周囲と隔離され、無法地帯と化したデトロイトの一角。この地を仕切るマフィアの捜査に当たっていた潜入捜査官ダミアン(ポール・ウォーカー)は、彼らが中性子爆弾を奪い、起動させたとの情報を得る。タイムリミットはわずか10時間。人質は300万人のデトロイト市民。この危機を回避するためにダミアンが手を組んだのは、驚異の身体能力を持つ男リノ(ダヴィッド・ベル)。リノは、恋人がマフィアに誘拐されていたのだ。命懸けで危険なミッションに挑む2人は、果たして無事に爆弾に辿り着き、リノの恋人を救うことができるのか?そして、事件の裏に隠された巨大な陰謀とは……!?





34-36. フェリスはある朝突然に (Ferris Bueller's Day Off)  

監督 ジョン・ヒューズ
出演 マシュー・ブロデリックアラン・ラックミア・サーラジェフリー・ジョーンズジェニファー・グレイ
1986年・アメリカ (パラマウント=UIP) 103分

解説
学校をさぼり、高校生としての完璧な一日を過ごす若者を描く青春映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・チニック、製作・脚本・監督は 「ときめきサイエンス」 のジョン・ヒューズ、共同製作はトム・ジェイコブソン、撮影はタク・フジモト、音楽はアイラ・ニューボーン、編集はポール・ハーシュが担当。出演はマシュー・ブロデリック、アラン・ラック、ミア・サーラ、ジェフリー・ジョーンズほか。日本版字幕は戸田奈津子。メトロカラー、シネスコサイズ。1986年作品。

ストーリー
その日もシカゴは快晴。こんな素敵な日に学校へ行くなんて、バカバカしい。フェリス(マシュー・ブロデリック)は仮病をつかってズル休み。人生は短い、楽しまなくっちゃ、損だ。彼の両親、そして姉も外出してしまった。フェリスは、学校の全生徒用データバンクの彼の累積欠席日数を、パソコンを使って減らす。これに気づいたルーニー校長(ジェフリー・ジョーンズ)は、フェリスのズルの証拠を何とか入手しようとイライラし出した。一方、フェリスは、病気で休んでいる金持ちの坊っちゃんキャメロン(アラン・ラック)を親父さんの61年型フェラーリ250GTカリフォルニアに乗って迎えに来させる。学校ではフェリスが休みで大騒ぎ。皆が心配するので、姉ジニー(ジェニファー・グレイ)は面白くない。ルーニー校長も面白くないクチだが、フェリスの偽電話にだまされて、フェリスのガールフレンドのスローアン(ミア・サーラ)を帰宅させてしまう。さて、フェリス、キャメロン、スローアンのバカンスが始まった。シカゴ美術館、高級レストラン、ディアボン・ストリートでのジャーマン=アメリカン・パレードの大騒ぎ。目いっぱい楽しんだ休日も終わり、フェラーリの距離計の数字を減らそうと、バックしてエンジンをかける。が、ふとしたことで、車は車庫から崖下へ。フェリスの心配をよそに、キャメロンは、これからは親のいいなりにならず、自分の主張で生き方を決めるいいチャンスだと言う。あとは、親が帰ってくるまでに帰宅しなくては――。校長はフェリスの仮病を見破ろうとフェリス邸まで押しかけ犬に追われており、姉も弟のシッポをつかもうと帰宅、さらに父も母も、それぞれ車で帰宅。しかし、あくまで運のいい、要領のいいフェリスは、めでたく帰宅、ベッドイン。休日もタッチの差で無事終わった。





34-37. めぐり逢い (An Affair to Remember)  

監督 レオ・マッケリー
出演 ケーリー・グラントデボラ・カーリチャード・デニングネヴァ・パターソンチャールズ・ワッツ
1957年・アメリカ (20世紀フォックス) 119分

解説
「善人サム」 のレオ・マッケリーが1939年に製作監督した「邂逅」を自ら再映画化、ミルドレッド・クラムと組んでオリジナル・ストーリーを共作、脚色、監督もした哀愁メロドラマ。脚色には 「襲われた幌馬車」 の監督デルマー・デイヴスが加わっている。撮影監督は 「島の女」 のミルトン・クラスナー、音楽も同じく 「島の女」 のヒューゴー・フリードホーファー、指揮は 「女はそれを我慢できない」 のライオネル・ニューマンが担当した。主演は 「お茶と同情」 のデボラ・カー、 「誇りと情熱」 のケーリー・グラント。リチャード・デニング、ネヴァ・パターソンが助演する。

ストーリー
ニューヨーク航路の豪華船コンスティテュウション号の美しき船客テリイ(デボラ・カー)は、置き忘れたシンガレット・ケースが縁でニッキイ(ケイリイ・グランド)と知りあった。2人は一緒に食事をするほどの仲になったが、共に言い交した人のある身で、船内のゴシップになるのをさけて、別行動をとらねばならなかった。船がナポリに着いたとき、ニッキイはテリイを誘って彼の祖母の家をたずね忘れ難い旅情に1日をすごした。ここでテリイはニッキイが才能のある画家であることを知った。長い線路も2人には短かった。別れの曲に思い出深い1夜を、ニューヨーク港の船内ですごし、6ヵ月後の再会を約して2人は別れた。その時こそ2人の愛が真実であることを認められるのであろうと信じて……。やがて誓いの宵が来た。ナイトクラブに出演して成功したテリイは、約束の場所に急ぐ途中、走ってきた車にはねられて重傷を負ってしまった。それとは知らぬニッキイはそぼ降る雨にぬれながら、夜おそくまで待っていた。何ヵ月たったある日、ニッキイは画商から自動車事故で不具になった女性が、彼の描いたテリイの肖像画を欲しがっているが、金が無くて買えないという話をきき、今はすべてをあきらめて、その絵をその女性に贈った。その後とある劇場でニッキイは車椅子に乗ったテリイにあったが、昔と違う彼女に気づかずに別れてしまった。クリスマスの日、あの不幸な女性への贈物にと、ニッキイは祖母のショールをもって彼女をおとずれ、部屋にあの絵があるのをみて、総てを知った。ニッキイは変わり果てた、涙にうるむテリイをしっかり抱くのであった。外には真白な雪が音もなく降りつづいていた。





34-38. ダイヤルM (A Perfect Murder)

監督 アンドリュー・デイヴィス
出演 マイケル・ダグラスグウィネス・パルトロウヴィゴ・モーテンセンデイヴィッド・スーシェサリター・チョウドリー
1998年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 107分

解説
アルフレッド・ヒッチコックの傑作スリラー 「ダイヤルMを廻せ!」 をリメイク、舞台をロンドンからニューヨークに移し、ストーリー、人物設定ともに現代風にアレンジしたサスペンス。監督は 「チェーン・リアクション」 「逃亡者」 などを手がけたアンドリュー・デイヴィス。製作は 「逃亡者」 でデイヴィス監督と組み、17本の作品をアカデミー賞ノミネートに導いたアーノルド&アン・コペルソン夫妻と 「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」 のピーター・マクレガー=スコット、 「イレイザー」 に出演しているクリストファー・マンキーウィツ。製作総指揮は 「セブン」 のスティーヴン・ブラウン。脚本は、本作が映画化第一作目となるパトリック・スミス・ケリー。撮影は 「クリムゾン・タイド」 のダリウス・ウォルスキー。美術は 「オール・ザット・ジャズ」 のフィリップ・ローゼンバーグ。衣裳は 「フェイス/オフ」 のエレン・ミロジニック。出演は 「ザ・ゲーム」 のマイケル・ダグラス、 「大いなる遺産」 「スライディング・ドア」 のグウィネス・パルトロウ、 「G.I.ジェーン」 のヴィーゴ・モーテンセンほか。

ストーリー
莫大な財産を持ち、米国大使の側近として働くエミリー(グウィネス・パルトロウ)は、自分を高価なアクセサリーのように取り扱う実業家の夫であるスティーヴン(マイケル・ダグラス)に愛情が持てなくなり、才能はあるが無名の画家であるデイヴィッド(ヴィーゴ・モーテンセン)と人目を忍んで逢引を重ねていた。スティーヴンはすでにふたりの仲を知っており、デイヴィッドが前科者で、まだ露見していない犯罪があることも調べ尽くしてた。破産寸前のスティーヴンは、エミリーを殺して遺産を手にいれるため、デイヴィッドに50万ドルの報酬で妻殺しを依頼する。デイヴィッドは犯罪の露見を恐れてエミリー殺しを承知してしまう。スティーヴンはアリバイを作るためカードクラブに出かけ、夜10時にエミリーを電話口に呼び出しデイヴィッドに強盗を装って殺害させようと計画した。携帯電話から聞こえるエミリーの争う声に計画が成功したと確信したスティーヴンであったが、自宅へ戻ってみると死んでいるのはエミリーではなく、会ったこともない見知らぬの男だった。デイヴィッドも自分で手を下すことができず、他人に殺人を依頼していたのだ。スティーヴンはデイヴィッドにもう一度エミリー殺害を依頼するが、殺害依頼の会話を録音したテープをネタに報酬金をゆすり取られてしまう。怒ったスティーヴンはニューヨークを離れようとするデイヴィッドを列車内で殺害する。スティーヴンが自分を殺そうと企んでいたことに感づいたエミリーは、自宅に戻ったスティーヴンと争い、彼を射殺するが正当防衛だと認められる。三角関係の末、エミリーひとりが生き残ったのだ。





34-39. LOOPER ルーパー (Looper)  (吹替)

監督 ライアン・ジョンソン
出演 ブルース・ウィリスジョゼフ・ゴードン=レヴィットエミリー・ブラントポール・ダノジェフ・ダニエルズ
2012年・アメリカ (ギャガ=ポニーキャニオン(提供 ポニーキャニオン=ギャガ)) 100/118分  (PG12)

解説
タイムスリップによって30年後の世界からやってきた自分と対峙することになる暗殺者の数奇な運命を描くSFアクション。若手有望株のジョゼフ・ゴードン=レヴィットが暗殺者を、ブルース・ウィリスが30年後の主人公に扮し初共演。監督は 「BRICK ブリック」 でもゴードン=レヴィットとコンビを組んだライアン・ジョンソン。

ストーリー
未来ではタイムマシンの使用は禁じられているものの、犯罪組織が敵を証拠もなく消すために利用していた。抹殺するターゲットをルーパーと呼ばれる殺し屋が待機する過去に転送、ルーパーは確実にターゲットを殺害する手はずになっている。腕利きのルーパー、ジョー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)の元に、ある男(ブルース・ウィリス)が転送されてきた。いつものようにすぐさま仕事を片づけるつもりだったが、男が30年後の自分自身であることに気付いてしまう。ジョーが躊躇した隙をついて、未来のジョーは街へ逃走。仕事を完遂しないと自分が殺されるため、現在のジョーは必死に追跡する。ようやく未来のジョーを追い詰めた現在のジョーは、彼が危険を冒してまで過去へ来た真の目的を知る……。





34-40. ホンドー (Hondo)  

監督 ジョン・ファーロウ
出演 ジョン・ウェインジェラルディン・ペイジワード・ボンドマイケル・ペイトジェームズ・アーネス
1953年・アメリカ (ワーナー・ブラザース日本支社) 84分

解説
「男の叫び」 と同じくジョン・ウェインが主演し、ロバート・フェロウズが製作するウェイン=フェロウズ・プロ1953年作西部劇で、 「荒原の疾走」 のジョン・ファーロウが監督した色彩3・D映画。ルイス・ラムーアの原作から 「西部の掠奪者」 のジェームズ・エドワード・グラントが脚色している。撮影は 「私は告白する」 のロバート・バークスと 「男の叫び」 のアーチー・スタウトが共同で当り、音楽は 「ギャングを狙う男」 のエミール・ニューマンと 「西部の2国旗」 のヒューゴー・フリードホーファー。主演ウェイン以下の出演者は、ジェラルディン・ペイジ、 「魔術の恋」 のマイケル・ペイト、 「吹き荒ぶ風」 のワード・ボンド、 「男の叫び」 のジェームズ・アーネス、 「美女と闘牛師」 のロドルフォ・アコスタ、レオ・ゴードンら。

ストーリー
1874年頃、騎兵隊の分遣隊長ホンドー(ジョン・ウェイン)は、インディアンとの小戦闘で馬を失い、アンジー(ジェラルディン・ペイジ)と小さな息子ジョニーの住む牧場に辿りついた。アンジーの夫は家を飛出したまま帰ってこないのだった。ホンドーが馬を買って去って行ったのち、アパッチ族が蜂起し、アンジーの牧場も襲われたがジョニーの勇気が気に入った酋長ヴィットロは、アパッチはこの牧場を狙わぬと約束した。ホンドーは国境監視所で友人バッファロからアパッチ総蜂起を知らされた。酒場で彼はアンジーの夫エド・ロウと会い大喧嘩をしたが、アンジーたちが心配になって立入禁止の命を冒して馬を牧場に走らせた。そのあとを追ったロウともども彼らはインディアンに遭遇し、防戦しているうち、インディアン本隊に捕えられた。そのまえにロウは卑劣なことをしようとしてホンドーに射殺された。副酋長シルヴァはホンドーを拷問したが、ヴットロはホンドーの我慢づよさに感心して、ルヴァと一騎打ちをさせることにした。ホンドーは勝ったが、相手を見逃してやった。牧場を訪れたホンドーを自分の夫だとアンジーが偽ったのでインディアンたちは引上げた。ホンドーはロウを殺したことを言えずにいたが、アンジーは牧場にやって来た巡羅隊から事実をきき、彼を快く許した。ヴィットロが死に、シルヴァに襲われる危険を感じたホンドーとアンジーは牧場を引上げることにきめたが、一行が町につかぬうちに案の定インディアンに追いつかれた。しかし、ホンドーがシルヴァを倒したのでインディアン軍は退いた。晴れて安全になったホンドー、アンジー、ジョニーは、カリフォルニアの牧場へと旅を進めるのだった。





34-41. アンカーウーマン (Up Close & Personal)  

監督 ジョン・アヴネット
出演 ロバート・レッドフォードミシェル・ファイファーストッカード・チャニングジョー・マンテーニャケイト・ネリガン
1996年・アメリカ (東宝東和) 124分

解説
アメリカの熾烈なTVメディアで活躍するアンカーを目指す女性の心の成長と恋を描いた、ロマンチックなラヴ・ストーリー。83年に若くして事故死した女性アンカー、ジェシカ・サヴィッチとその恋人ロン・カーショーをモデルにしたアランナ・ナッシュのノンフィクション 「アンカーウーマン」 (邦訳・徳間文庫)に依っている。監督は 「フライド・グリーン・トマト」 「8月のメモワール」 のジョン・アヴネット。脚本はジョーン・ディディオンとジョン・グレゴリー・ダン。製作はアヴネット、デイヴィッド・ニックセイ、 「8月のメモワール」 のジョーダン・カーナーの共同。エクゼクティヴ・プロデューサーはエド・フックストラッテンとジョン・フォアマン、撮影は 「ロブ・ロイ」 のカール・ウォルター・リンデンローブ。音楽は 「キルトに綴る愛」 のトーマス・ニューマンで、主題歌はセリーヌ・ディオンの 「ビコーズ・ユー・ラブド・ミー」 。美術は 「サブリナ」 のジェレミー・コンウェイ、編集は、監督とは3作目のデブラ・ニール=フィッシャー、衣裳は 「トイズ」 のアルバート・ウォルスキーが担当。主演は 「デンジャラス・マインド 卒業の日まで」 のミシェル・ファイファーと 「幸福の条件」 のロバート・レッドフォード。共演は 「私に近い6人の他人」 のストッカード・チャニング、 「赤ちゃんのおでかけ」 のジョー・マンティーニャ、 「ポケットいっぱいの涙」 のグレン・プラマー、 「キルトに綴る愛」 のケイト・ネリガンとジェームズ・レブホーン、ミシェルの実妹でもある 「ミ・ファミリア」 のデディー・ファイファーほか。

ストーリー
ニュース番組のアンカーウーマンを目指すタリー(ミシェル・ファイファー)は、マイアミの小さなローカル局に採用され、プロデューサーのウォーレン(ロバート・レッドフォード)の下に配属された。彼はかつて全国ネットのメイン番組で人気・実力ともにトップのアンカーだったが、ある事件がきっかけで辞めた過去があった。彼は次第にタリーにアドバイスするようになる。そんなある日、タリーは急遽、現場から政治家に突撃レポートをすることになった。彼に教えられるままに、次々と鋭い質問を投げかけるタリーは、レポーターとして徐々に人気も上昇。やがて、フィラデルフィアのTV局から報道記者としての仕事が舞い込んできた。ウォーレンへの尊敬の気持ちがいつしか愛に変わっていたタリーは、彼と離れることに躊躇する。バカンスに出掛け、束の間の幸せを味わう2人。ウォーレンは、もう1人でやっていけるはずだと彼女を励ました。大都会フィラデルフィアへたった一人でやって来たタリーを、ニュース番組の人気アンカーウーマンのマーシャ(ストッカード・チャニング)は、事あるごとに目の仇にし、冷たくあしらう。タリーが萎縮し、スランプに陥った彼女が苦しんでいることをフィラデルフィアの局のバッキー(ジョー・マンティーニャ)から知らされたウォーレンは、全てを捨てて彼女のもとへ駆けつけた。彼をアドバイザーに付けたタリーは再び活き活きと輝き始め、人気・実力共にマーシャを超えた彼女は、ついにアンカーウーマンの座を掴んだ。そしてウォーレンとの結婚も。ある日、タリーは刑務所の実態を取材に行った時、囚人たちの暴動に巻き込まれる。彼女は急遽、ウォーレンの指示で混沌とした現場の模様を中継することになった。囚人たちは仲間たちが次々と倒れる中、カメラに向かって、刑務所の悲惨な待遇や人種差別が行われていた事実を訴えた。この大スクープでタリーは全米ネットのアンカーウーマンに抜擢された。ウォーレンはそんな彼女に、きな臭いパナマ情勢を取材したいと打ち明けた。タリーの旅立ちを祝う盛大なパーティの席上で、彼女はウォーレンが取材中に殺されたことを知らされる。やがて、彼女は夫の死の悲しみを超え、番組就任のあいさつで、報道とは真実を語る事ですと力強く宣言した。




34-42. ワン・フロム・ザ・ハート (One From the Heart)  

監督 フランシス・フォード・コッポラ
出演 フレデリック・フォレストテリー・ガーナスターシャ・キンスキーラウル・ジュリアレイニー・カザン
1982年・アメリカ (東宝東和) 107分

解説
ラス・ベガスを舞台に3人の男と3人の女の恋と別離を描くミュージカル・ロマンス映画。グレイ・フレデリクソンとフレッド・ルースが製作、バーナード・ガーステンが製作指揮を担当。監督は 「地獄の黙示録」 のフランシス・フォード・コッポラ。原案・共同製作はアーミヤン・バーンスタイン、脚本はバーンスタインとコッポラが執筆している。撮影はヴィットリオ・ストラーロだが、ストラーロはアメリカ撮影者協会員ではないので撮影監督のクレジットはロン・ガルシアに与えられている。音楽はトム・ウェイツが作り、彼とクリスタル・ゲイルが歌っている。出演はフレデリック・フォレスト、テリー・ガー、ナスターシャ・キンスキー、ラウル・ジュリアなど。テクノビジョンで撮影。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は戸田奈津子。メトロカラー、スタンダード。1982年作品。

ストーリー
7月4日の独立記念日を明日に控えたラスベガスの街。旅行社に勤めるフラニー(テリー・ガー)は、ごったがえす観光客をよそにショウ・ウィンドウのディスプレーに精を出していた。同じ頃、フラニーの同棲相手ハンク(フレデリック・フォレスト)は、モーと共同経営している自動車解体工場にいた。明日はフラニーとハンクが5年前に出逢った日でもあった。夜になると、フラニーはボラボラ島行きの航空券を、ハンクは家の権利書を互いにプレゼントする。どうも、しっくりといかない。その後、ささいな事から喧嘩になり、フラニーは出ていった。ハンクはモーの所へ、フラニーは旅行社の同僚マギーのアパートに。翌日、またショウ・ウィンドウでディスプレイを手直ししていたフラニーに、ピアニストだというレイ(ラウル・ジュリア)が話しかける。一方、ハンクはサーカス一座の踊り子らしきライラ(ナスターシャ・キンスキー)に心を奪われ、9時に会うことを約束する。とあるレストランに入ったフラニー、支配人に売春婦と間違われて憤概する。と、そこへ来合わせたウェイターこそ、レイだった。ショー・タイムの合間はウェイターをしているのだという。2人は話し込み、おかげでレイはクビになる。その後、2人はステージで踊り始め、そのまま沿道に飛び出し、通行人も一緒に踊り出す。ライラと会ったハンクは工場に連れてゆき、夢のような一時をすごした。フラニーのことが気になったハンクはモーと一緒に、マギーのアパートに。マギーとモーは互いに惹かれあう。マギーからフラニーの居所を聞き出し、モテルからフラニーを奪取。家についたが、フラニーはカンカンで、ボラボラ島に行くと言って去る。マッカーラン空港に駆けつけたハンクは、フラニーにもどってくるよう訴えるが、彼女は飛行機に乗り込んでしまった。傷心の思いで家にたどりつき、暖炉の前でたたずんでいるハンク。そこへ、彼女が帰ってきた。2人は抱きあう。(東宝東和配給*1時間47分)




34-43. 華麗なるヒコーキ野郎 (The Great Waldo Pepper)  

監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ロバート・レッドフォードボー・スヴェンソンボー・ブランディンスーザン・サランドンジョフリー・ルイス
1975年・アメリカ (ユニヴァーサル=CIC) 108分

解説
第一次大戦直後のアメリカ・テキサスを舞台に、単葉機で大空を駆けめぐったヒコーキ野郎たちの痛快な物語。製作・監督・原案はジョージ・ロイ・ヒル、脚本はウィリアム・ゴールドマン、撮影はロバート・サーティース、音楽はヘンリー・マンシーニ、編集はウィリアム・レイノルズ、空中場面監修はフランク・トールマンが各々担当。出演はロバート・レッドフォード、ボー・スベンソン、ボー・ブランディン、スーザン・サランドン、ジョフリー・ルイス、エドワード・ハーマン、フィリップ・ブランズ、マーゴット・キダーなど。

ストーリー
第一次大戦がやっと終結した1920年代。ここアメリカには『バーンストーミング』と呼ばれる職業があった。単発のプロペラ機で、田舎町を飛びまわり、金をとって人々を飛行機に乗せたり、曲乗り飛行をして見せる商売で、バーンストーマーたちの多くは第一次大戦中に飛行機で戦って、その魅力にとりつかれた者たちで、ウオルド・ペッパー(ロバート・レッドフォード)もそんな男の1人だった。そんな彼らにとって、商売仇ほど憎い者はなく、ある日、ペッパーが中西部の田舎町にやって来ると、そこでは既にアクセル・オルソン(ボー・スベンソン)という元空軍大尉が彼の市場を荒らしていた。ペッパーはためらうことなくオルソンの愛機のタイヤを外した。胴体着陸を余儀なくされたオルソンは、その仕返しとして女性バーンストーマー、メアリー・ベス(スーザン・サランドン)と組んでペッパーのスピード記録を破った上、大戦中ペッパーがドイツ空軍のエース、エルンスト・ケスラーと五分五分に渡り合ったという自慢話を大ボラであると人々に吹聴して廻った。そのケスラー(ボー・ブルンデン)が、ドク・ディルホファー(フィリップ・ブランズ)率いる航空サーカスのメンバーとしてアメリカ各地を巡業していることを知ったペッパーとオルソンは早速見物に出かけた。2人はその場で団長のディルホファーに推められ、チームを組んでサーカスに参加することになった。サーカスに入れば、一匹狼でバーンストーミングしているよりは収入も多く、そうなればペッパーは、友人エツラ・スタイルズ(エドワード・ハーマン)が設計した新しい単発機を作り上げることが出来るかもしれない。しかし、運の悪いことに、新しい曲芸の練習中にペッパーは大怪我をして、スタイルズとその妹で恋人のモード(マーゴット・キダー)が待つ家に送り帰されることになった。やがて、やっとギブスから解放されたペッパーはサーカスに戻り、再びオルソンと組んで大空を駆けることになった。ペッパーは飛行中、翼の上を歩く曲芸を思いつくが、過当競争が激しくなり始め、並の曲芸ではお客は集まらなくなっていた。そこで曲芸に色気を加え、薄い服地をまとったメアリー・ベスが翼の上に立つことになったが、その練習中、不幸にも墜死してしまう。戦時中、ペッパーの指揮官で今は政府の航空管視官の職にあるニュート・ピップ(ジョフリー・ルイス)はエスカレートする一方の危険な飛行機ショウにブレーキをかけるべく、メアリーの事故死を口実に飛行禁止処分にする。一方、スタイルズは新型飛行機の組立てを完成し、翼をもぎとられたペッパーに替って試行飛行に飛びだった。ペッパーたちが息を呑んで見守る中、スタイルズは見事に外まわり宙返りをやってのけるが、次の瞬間、機はバランスを失って地面に激突した。ペッパーは現場に駆けつけスタイルズを救出しようとするが、集まった見物人が捨てたタバコの火に誘導されて機に引火。足を挟まれたまま焼死寸前のスタイルズを見るに忍びないペッパーは、傍の石でスタイルズを殴り殺した。そして狂ったように飛行機に乗り込むと、機首を地面すれすれにさげ、見物人たちをけちらした。その混乱で何人かが怪我をして、ペッパーは永久に飛行免許証を失った。ペッパーはあまりのショックに、モードと結婚して人並みの生活に入ろうと決心するが、数カ月程たって、オルソンがハリウッドの映画会社で飛行スタントマンとして働いていることを聞くと、矢も盾もたまらず、ピータースドルフという偽名を使ってハリウッドに乗り込むのだった。そこではちょうど、ドイツの空の勇士ケスラーの活躍を描いた映画がケスラー本人の主演で撮影されていた。スタントマンとして雇われたペッパーは、映画の中でケスラーと1対1の空中戦を演じることになった。撮影が進むにつれ、ペッパーとケスラーの間には深い友情が芽生えていった。クライマックスの空中戦場面撮影の日、2人は監督の眼を盗んで大空に舞い上がった。地上ではカメラが廻り始め、ペッパーとケスラーは大空を背景に、13年前ヨーロッパの空で見せたと同じような空中戦を展開する。カメラが止まっても2機は降りてこなかった。やがて誰の眼にも、ケスラーがその死闘に破れたことが明らかになる。ペッパーはかつてケスラーが本当の戦闘でしたように、敗れた相手の勇気を讃えて大きく翼を振ると、大空に弧を描き、雲の彼方に飛び去っていった。





34-44. ユナイテッド93 (United 93)  (吹替)

監督 ポール・グリーングラス
出演 ハリド・アブダラポリー・アダムスオパル・アラディンルイス・アルサマリデヴィッド・アラン・ブッシェ
2006年・アメリカ (UIP) 94/111分

解説
世界を震撼させたアメリカの同時多発テロ。ハイジャックされた旅客機が次々と主要施設に自爆攻撃を行なう中、テロの目的を阻止したユナイテッド93便の機内を再現したドラマ。

ストーリー
2001年9月11日。ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド93便」は朝の離陸ラッシュに巻き込まれ、予定時刻を30分ほど遅れて出発しようとしていた。機内には40名の乗客乗員が同乗した。最初に異常に気がついたのはボストン管制センターだった。通信が途絶えていたアメリカン11便から、「操縦室を制圧した。静かにしろ。空港に戻る」という声が聞こえてきた。ボストン発ロス行きで乗客は92名。その情報はニューヨーク州ローム北東地域防空指令センターにも伝えられ、臨戦体制がとられた。11便から傍受した通信を分析した結果、その声はハイジャックした機のことを「プレーンズ」と複数で呼んでいる。その時、ワールド・トレード・センター北棟に、アメリカン11便が激突する。続いてユナイテッド175便が通信不能となり、ワールド・トレード・センター南棟に激突。ユナイテッド93便は穏やかなフライトを続けていた。その時、突然テロリストたちが動き始め、爆弾を持って操縦室を占拠した。機内は混乱状態となり、地上からワールド・トレード・センターの悲劇を聞いた彼らは、これは自爆テロであり自分たちの機もどこかのターゲットに向かっていることを確信する。丁度その頃、ハイジャックされた3機目のアメリカン77便が国防総省に墜落したという情報が各所に入る。絶望の中で乗客乗員たちは、被害を最小限に食い止めようとわずかな武器でテロリストに立ち向かうことを決意する。そして93便はターゲットに到達することなく、ペンシルヴェニア州に墜落した。




34-45. ゴリラ (Raw Deal)  (吹替)

監督 ジョン・アーヴィン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガーキャスリン・ハロルドダレン・マッガヴィンサム・ワナメーカーエド・ローター
1986年・アメリカ (松竹富士) 101分

解説
ターミネーター」 「コマンドー」 のアーノルド.シュワルツェネッガーがFBI捜査官に扮したアクション映画。製作はマーサ・シュマッチャー、監督は 「チャンピオンズ」 のジョン・アーヴィン、脚本はゲーリー・M・デュヴォアとノーマン・ウェクスラー、撮影はアレックス・トムソンが担当。出演は他に、キャスリン・ハロルド、ダレン・マックギャヴィン、サム・ワナーメーカーなど。

ストーリー
片田舎の交通取締警官マーク・カミンスキー(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、元FBIの捜査官だったが、かつて、少女殺害の犯人を半殺しにしたため、バクスター検事(ジョー・リーガルブート)によって格下げされてしまった。田舎での生活もすでに5年。カミンスキー以上に妻は田舎の生活にイヤ気がさし、酒で気をまぎらわす毎日だった。そんなある日、かつての上司、FBI捜査長官シャノン(ダレン・マックギャヴィン)が訪ねて来た。シャノンはシカゴ最大のファミリーのボス、パトロヴィタ(サム・ワナメイカー)を壊滅すべく動いていたのだが、捜査官である自分の息子が殺されてしまった。内部にファミリーと内通している者がいるらしいのだ。そこでシャノンは個人的にカミンスキーを雇いファミリーに潜入させようとしたのだった。ファミリーが壊滅した時は、再びFBIに戻れることを条件にして。承諾したカミンスキーは、自らのパトカーを郊外の石油倉庫ごと爆破、己れの存在を消し、ジョーイ・P・ブレナーと名乗って、シカゴの暗黒街へ潜入した。彼はまず、パトロヴィタと敵対するラマンスキー一味の賭博場で暴れ、それを土産にパトロヴィタ経営の賭博場に乗り込み、パトロヴィタに接近。用心棒マックス(ロバート・ダヴィ)はブレナーをうさん臭く思うが、パトロヴィタの片腕ロッカ(ポール・シナー)は見て見ぬ振りをして、パトロヴィタに金を借りている女モニカ(キャスリン・ハロルド)にブレナーの素姓を調べるように命じた。翌日、ベーカー刑事(エド・ローター)を中心とする捜査陣が、パトロヴィタの郊外の家を急襲し、大量の麻薬を押収した。怒ったパトロヴィタは麻薬略奪を計画。そこでプレナーは警察署で爆弾騒ぎを起こし、そのスキに乗り込んで略奪する計画を提案。その計画はまんまと成功し、その同時刻に、ブレナーとマックスはラマンスキー一味を襲撃し壊滅させた。だが、一方でマックスはプレナーという男が別に存在していることを調べ出した。翌日、マックスはブレナーに警官殺しを命じた。その警官は墓地で墓参りをしていた。シャノンだ。マックスの銃が火を吹いた。足を撃たれるシャノン。次の瞬間、ブレナーの銃弾がマックスを撃ち抜いた。怒りに燃えたブレナー、いやカミンスキーは、ショットガンと自動拳銃で身を固め、パトロヴィタのアジトヘ単身、乗り込んでいった。そこには、パトロヴィタと通じていたバクスター検事の姿もあった。すさまじい銃撃戦。ベーカー刑事、FBIが駆けつけた頃には、カミンスキーは単身で組織を壊滅させた後だった。




34-46. デイズ・オブ・サンダー (Days of Thunder)

監督 トニー・スコット
出演 トム・クルーズロバート・デュヴァルマイケル・ルーカーランディ・クエイドニコール・キッドマン
1990年・アメリカ (パラマウント映画=UIP) 99/108分

解説
ストックカー・レースに生きる青年が、様々な経験を積んで成長してゆく姿を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはジェラルド・R・モーレン、製作はドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマー、監督は 「リベンジ」 のトニー・スコット、脚本はロバート・タウン、音楽はハンス・ジマーが担当。出演はトム・クルーズ、ロバート・デュヴァルほか。

ストーリー
ノース・カロライナ州にあるシボレーのディーラー、ティム・ダランド(ランディ・クエイド)は、レースカーのビルダーとして名を博したハリー(ロバート・デュヴァル)に、レースの話を持ちかける。気の進まぬハリーに、ティムはl人の青年を紹介した。レース場のトラックでバイクにまたがったその青年コール・トリクル(トム・クルーズ)は、とてもカーレースなどやるようなタイプには見えない。しかし彼は一旦ローディ・バーンズ(マイケル・ルーカー)の車に乗り込むとコース内を爆走し、ローディのトライアル・タイムを一気に追い抜いてしまった。ローディは憤慨したが、ティムは大喜びし、ハリーもコールをドライバーに迎えての車改造を承諾した。ティムとハリー、コールはデイトナ・レースでの優勝を誓い合う。しかし、タイムにこだわりすぎるコールはなかなかその実力を発揮することができない。ハリーはそんなコールに勝負を挑み、自分のやり方を教えこむ。かくしてコールは見る見る上達し、トップドライバーに成長した。波に乗るコールだったが、ある日レース中に大事故に巻き込まれ重傷を負う。ヘリコプターで病院に運ばれた彼はそこで美人女医のクレアに出会った。コールはたちまち彼女に心奪われた。奇跡的に助かり再びレースに復帰したコールだが、今度はローディの車ともつれ合いになり2人の車は大破してしまう。コールは無事だったが、ローディはひどい怪我を負い、再起不能となってしまった。そしてその時からコールはレースに対する恐怖心を抱くようになっていた。その頃新しくチームに入った若者が次第にコールのライバルとなる。ハリーにも見放され、荒れるようになりクレアに当たり散らすコールだった。失意の日々を送るコールだったが、自分の恐怖心を克服し、もう一度デイトナ・レースに挑戦することを決意する。コールの変化に気付いたハリーは新しい車を組み立てることに同意した。クレアも協力を惜しまなかった。そして待望のデイトナ・最終レース。危ない場面も無事に切り抜け、観客のどよめきの中コールは見事優勝を勝ちとるのだった。





34-47. 砂漠の流れ者 (The Ballad of Cable Hogue)  

監督 サム・ペキンパー
出演 ジェイソン・ロバーズステラ・スティーヴンスデイヴィッド・ワーナーストロザー・マーティンスリム・ピケンズ
1970年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 121分

解説
古き良き西部で、時代に取り残されていく人間のおかしさと哀れさの中に、西部男の執念に満ちた復讐譚を折り込んだ作品。製作総指揮に 「ワイルドバンチ」 のフィル・フェルドマン、同じく製作・監督サム・ペキンパーのコンビ、共同製作ウィリアム・ファラーラ、脚本ジョン・クロフォード、エドモンド・ペニー、撮影も 「ワイルドバンチ」 のルシエン・バラード、音楽ジェリー・ゴールドスミス、美術リロイ・コールマン、編集フランク・サンティロ。出演は 「トラ・トラ・トラ!」 のジェイソン・ロバーズ、 「追いつめて殺せ」 のステラ・スティーヴンス、 「フィクサー」 のデイヴィッド・ワーナー、 「ワイルドバンチ」 のストロザー・マーティン、L・Q・ジョーンズ、スリム・ピケンズなど。1991年2月よりのリバイバル時に邦題を 「ケーブル・ホーグのバラード?砂漠の流れ者?」 に改題し公開。

ストーリー
灼熱の砂漠の真ん中で探鉱試掘稼業のケーブル・ホーグ(ジェイソン・ロバーズ)は仲間のタガート(L・Q・ジョーンズ)とボーエン(ストロザー・マーティン)にライフルとロバと食糧を奪われた。手持ちの水が3人分しかなかったからだ。ケーブルは、彼らの墓にツバを吐く日がくるまで、石にかじりついても生き抜くと誓い、4日4晩歩き続けて、砂を掘り、水を探し当てた。そこは駅馬車の通る道から40ヤードとは離れていなかった。やがて通りかかた駅馬車の御者ベン(スリム・ピケンズ)が若干の食糧を与え、同乗をすすめたが、彼は断った。こうして、ケーブルの砂漠生活は始まった。鳥や獣もいて、なかなか快適な住みごこちだが、水を求めてくるタチの悪い連中と争うこともあった。そんな頃、自称“説教師”と名乗る男ジョシュア(デイヴィッド・ワーナー)が現れ、この給水所の所有権の請求を正式にやっておけと奨めた。そこで彼は町の登記所に行き、金を借りて登記した。その町でグラマーな娼婦ヒルディ(ステラ・スティーヴンス)と知り合い、泉に作った休憩所の調理をまかせるくらい意気投合したのだが、ほどなくヒルディは砂漠暮らしに退屈し、“サンフランシスコで待ってるわ”と発っていった。彼には復讐の大仕事が残っていた。やがてチャンスは到来した。2人が駅馬車でやってきたのだ。しかし彼はすぐに仇討ちせず、むしろ泉のお蔭でいかに金を儲けたかを自慢し、昔の恨みは忘れたと言った。儲けた金は泉に隠してあるとほのめかしながらである。翌日彼らは戻ってきた。隠し場所に入り込んだのを見はからって、ケーブルはガラガラ蛇をほうり込んだ。恐怖のあまり彼らは泣き叫んで許しを乞い、ケーブルは2人を裸にして砂漠へ追いやり復讐の快感に酔った。しかし、そんなことで引き下がらぬ彼らがやってきて、撃ち合いになったとき、馬のない馬車??自動車が飛び込んできた。未開の西部に生きるケーブルはビックリ。しかも、自動車から出てきたのはヒルディだった。彼女はシスコで大金持ちの老人と結婚し、老人が死んだので、いまや百万長者の未亡人。ニューオリンズで新生活のためケーブルを迎えにきたのだった。復讐をやめ、恋と金を手にしたケーブルは有頂天。しかし、幸運は永くは続かぬもの。田舎モノだから、あっという間に自動車にひかれて死んでしまった。葬式のお祈りは無論、親友のジョシュアが引き受けたのであった。




34-48. ギャラクシー・クエスト (Galaxy Quest)  

監督 ディーン・パリソット
出演 ティム・アレンシガニー・ウィーヴァーアラン・リックマントニー・シャローブサム・ロックウェル
1999年・アメリカ (UIP) 102分

解説
全米でスマッシュ・ヒットをカッ飛ばした爆笑作が、ついに日本上陸。 「スター・トレック」 のパロディをベースに、宇宙にさらわれた俳優たちの活躍を、笑いと涙でつづる。

ストーリー
放映から20年経った今も人気は衰えないTVシリーズ、『ギャラクシー・クエスト』。しかし、5人のレギュラー陣といえば、ファンの思い入れとは裏腹にチームワークはいまいちだった。そんなあるイベントの日、タガート艦長役ジェイソン(ティム・アレン)の前に、奇妙な格好をした4人組が近づき、自分たちの星を助けて欲しいと懇願する。彼らは本物の宇宙人“サーミアン”であり、番組の中のヒーローたちに感銘を受け、ネピュラ星雲からはるばる地球にやって来たのだ。最初は信じなかったジェイソンだが、彼らに本物の宇宙空間を見せられ納得。いったん地球に戻るものの、またサーミアンたちが交渉に来たので、ついに他の4人、ドクター・ラザラス役のアレックス(アラン・リックマン)、紅一点マディソン少佐役のグエン(シガーニー・ウィーヴァー)、名砲手ラレド役のトミー(ダリル・ミッチェル)、技術主任チェン役のフレッド(トニー・シャローブ)と共に宇宙に旅立つ。こうして単なるTV俳優にすぎない5人組が、宇宙の平和を守るため、エイリアンと戦うという過酷な仕事に挑むことに……。