0-1. 第三の男

監督 キャロル・リード
出演 ジョゼフ・コットンアリダ・ヴァリオーソン・ウェルズトレヴァー・ハワードバーナード・リー
1949年・イギリス (東和=東宝)

「ホフマン物語」のアレクサンダー・コルダと、 「白昼の決闘」のデイヴィッド・O・セルズニックが協同で提供する一九四九年作品で、カンヌ国際映画祭グラン・プリを受賞した。戦後イギリス文壇で代表的な位置に立つカソリック作家グラハム・グリーンが映画のために原作を書卸し、自ら脚色、これを 「邪魔者は殺せ」のキャロル・リードが監督、同時に製作も担当している。撮影は 「邪魔者は殺せ」のロバート・クラスカー、装置は 「バグダッドの盗賊」のヴィンセント・コルダ他の担当である。なお音楽はこの映画のためにウィーンのジッタア演奏家アントン・カラスが作曲、自ら演奏したものが唯一の伴奏となっている。主演は 「旅愁」のジョゼフ・コットン、 「白銀の嶺」のヴァリ、 「黒ばら」のオーソン・ウェルズ、 「黄金の龍」のトレヴァー・ハワードで、以下 「会議は踊る」のパウル・ヘルビガー、バーナード・リー、エルンスト・ドイッチ、エリッヒ・ポントらが助演する。


0-2. オズの魔法使

監督 ヴィクター・フレミング
出演 ジュディ・ガーランドフランク・モーガンレイ・ボルジャーバート・ラージャック・ヘイリー
1939年・アメリカ (MGM映画会社)

アメリカの童話作家L・フランク・ボームの童話を色彩(テクニカラー)映画化したもので、 「裸の島」のノエル・ラングレー、フローレンス・ライアソン、エドガー・アレン・ウルフの合作の脚本より、 「風と共に去りぬ」のヴィクター・フレミングが監督した。 「ローズ・マリー」のマーヴィン・ルロイ製作の1939年度作品。 「アスファルト・ジャングル」のハロルド・ロッソンが撮影、音楽はハロルド・アーレンの担当。この作品でアカデミー特別賞を得た 「踊る海賊」のジュディ・ガーランド以下、 「無法街」の故フランク・モーガン、 「虹の女王」のレイ・ボルジャー、 「ローズ・マリー」のバート・ラー、ジャック・ヘイリー、ビリー・バークらが出演する。


0-3. 西部戦線異状なし

監督 ルイス・マイルストーン
出演 ルイス・エイヤースルイス・ウォルハイムジョン・レイレイモンド・グリフィススリム・サマーヴィル
1930年・アメリカ (大日本ユニヴァーサル社輸入)

世界的な評判を得つつあるエリッヒ・マリア・レマルク氏の同名小説を映画化したユニヴァーサル社の特作品で「裏切者」 「暴力団」のルイス・マイルストーン氏が監督に当たった。 「楽屋行進曲」のジョージ・アボット氏と 「暴力団」のデル・アンドリュー氏が協力して潤色脚色し、台詞はマクスウェル・アンダーソン氏とジョージ・アボット氏が筆をとり、キャメラは「薮睨みの世界」「娘乱暴記」のアーサー・エディソン氏が担任した。主なる出演者は新進のルイス・エイヤース氏を始め、 「美人国二人行脚」のルイス・ウォルハイム氏、スリム・サマーヴィル氏、ベン・アレクサンダー氏、ベリル・マーサー夫人、ヨーラ・ダヴリル嬢、アーノルド・ルーシー氏等である。


0-4. 怒りの葡萄

監督 ジョン・フォード
出演 ヘンリー・フォンダジェーン・ダーウェルジョン・キャラダインチャーリー・グレイプウィンドリス・ボードン
1939年・アメリカ (昭映フィルム)

1940年度ピュリツァー受賞、ジョン・スタインベック原作を、ナナリー・ジョンソンが脚色、 「我が谷は緑なりき」のジョン・フォードが監督した社会ドラマ。撮影は 「嵐ケ丘」など、主にウィリアム・ワイラーの作品を受け持つグレッグ・トーランド。音楽はアルフレッド・ニューマンが担当している。出演者は 「荒野の決闘」のヘンリー・フォンダ。この映画でアカデミー女優助演賞を得たジェーン・ダーウェル、 「駅馬車」のジョン・キャラダインなど。製作はダリル・F・ザナック。


0-5. 荒野の決闘

監督 ジョン・フォード
出演 ヘンリー・フォンダリンダ・ダーネルヴィクター・マチュアキャシー・ダウンズウォルター・ブレナン
1946年・アメリカ ()

駅馬車」「怒りの葡萄」のジョン・フォードの復員第二作で、ス テュアート・N・レイクの著作に基くサム・ヘルマンのストーリーから、この映画の製作者のサミュエル・G・エンジェルがウィンストン・ミラーと協力して脚本を書いたもの。主演は 「運命の饗宴」のヘンリー・フォンダ、 「血と砂」のリンダ・ダーネル、新人ヴィクター・マチュアの三人で 「スタンレー探険記」のウォルター・ブレナン、新人キャシー・ダウンズ、 「春の序曲」のアラン・モーブレイ、 「駅馬車」のティム・ホルト等が助演している。撮影はジョー・マクドナルドの担当である。


0-6. 渚にて

監督 スタンリー・クレイマー
出演 グレゴリー・ペックエヴァ・ガードナーフレッド・アステアアンソニー・パーキンス, 1959年・アメリカ (日本ユナイテッド・アーチスツ)

ネヴィル・シュートの原作に基づき、 「手錠のままの脱獄」のスタンリー・クレイマーが製作・脚本した人類の未来の物語。脚色はジョン・パクストン。撮影担当は、ジュゼッペ・ロトゥンノ。音楽はアーネスト・ゴールド。出演するのは 「勝利なき戦い」のグレゴリー・ペック、フレッド・アステア、エヴァ・ガードナー、アンソニー・パーキンスなど。製作スタンリー・クレイマー。


0-7. グレン・ミラー物語

監督 アンソニー・マン
出演 ジェームズ・スチュアートジューン・アリソンヘンリー・モーガンチャールズ・ドレイクマリオン・ロス
1954年・アメリカ (日本ユニヴァーサル映画会社)

怒りの河」「雷鳴の湾」のトリオ、製作アーロン・ローゼンバ ーグ、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュアートによるテクニカラーの音楽映画1953年作品で、バンド・リーダーとしてまたトロンボーン奏者として高名の故グレン・ミラーの生涯を描く。脚本は 「夫は偽物」のヴァレンタイン・デイヴィース、撮影は 「雷鳴の湾」のウィリアム・ダニエルス、音楽監督はジョセフ・ガーシェンソンの担当。共演者はMGMをはなれたジューン・アリソン、 「白昼の脱獄」のヘンリイ・モーガン、 「ウィンチェスター銃'73」のチャールズ・ドレイク、マリオン・ロス、ジョージ・トビアス、シグ・ルーマンらで、それにルイ・アームストロング、ジーン・クルーパ、ベン・ポラックらのジャズメンが特別出演する。


0-8. 愛と死の間で

監督 ケネス・ブラナー
出演 ケネス・ブラナーアンディ・ガルシアエマ・トンプソン
1991年・アメリカ (パラマウント映画=UIP)

殺人者と被害者として愛を成就できずにともに死んだ夫婦が、40年後に転生し自らの死の謎を解くスリラー。近年ヒッチコックタッチの映画は量産されているが、本作はそれのみならずヒッチ独特のガジェットまで大胆に取り入れた奇妙な味の一編。監督・主演に 「ヘンリー五世」でオリビエの再来と評されたケネス・ブラナー。美術のティム・ハービー、音楽のパトリック・ドイル、衣裳のフィル・ダルトンも同作品のスタッフである。製作はリンゼイ・ドランとチャールズ・H・マグワイアー、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「ハバナ」の監督シドニー・ポラック、脚本は弱冠30歳のスコット・フランク、撮影はマシュー・F・レオネッティが担当。特別主演としてロビン・ウィリアムズとキャンベル・スコットが顔を出す。


0-9. 俺たちに明日はない

監督 アーサー・ペン
出演 ウォーレン・ベイティフェイ・ダナウェイマイケル・J・ポラードジーン・ハックマンエステル・パーソンズ
1967年・アメリカ (ワーナー・ブラザース・セブン・アーツ)

デイヴィッド・ニューマンとロバート・ベントンの脚本から 「逃亡地帯」のアーサー・ペンが監督した青春もの。撮影はバーネット・ガフィ、音楽はチャールズ・ストラウスが担当している。出演は製作もかねて 「カレードマン 大胆不敵」のウォーレン・ベイティ、 「夕陽よ急げ」のフェイ・ダナウェイ、 「アメリカ上陸作戦」のマイケル・J・ポラード、 「水曜ならいいわ」のジーン・ハックマン、エステル・パーソンズほか。


0-10. 十二人の怒れる男

監督 シドニー・ルメット
出演 ヘンリー・フォンダリー・J・コッブエド・ベグリーE・G・マーシャルジャック・ウォーデン
1957年・アメリカ (ユニオン提供=松竹セレクト配給)

「女優志願」のシドニー・ルメットが監督したレジナルド・ローズのTVドラマの映画化。場所を1室に限定して、12人の陪審員によるある事件の審議が描かれる。脚色はローズ自身、TV劇の演出もルメットがあたった。撮影は 「波止場」のボリス・コーフマン。音楽ケニョン・ホプキンス。出演するのは 「ワーロック」のヘンリー・フォンダ、 「暗黒街の女」のリー・J・コッブ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル、ジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム、ジョン・フィードラー、ジャック・クラグマン、エドワード・ビンズら。製作ヘンリー・フォンダとレジナルド・ローズ。


0-11. ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男

監督 アンドリュー・ニコル
出演 ニコラス・ケイジイーサン・ホークジャレッド・レトブリジット・モイナハンイアン・ホルム
2005年・アメリカ (ギャガ)

世界中の内戦やテロの背後で暗躍する武器商人の存在に焦点をあてた社会派ドラマ。実在する複数の人物をもとに生み出された男の波乱万丈の半生を語り明かす。


0-12. ビートルズ イエローサブマリン

監督 ジョージ・ダニング
出演 ジョン・ブレノンポール・マッカートニージョージ・ハリソンリンゴ・スター
1968年・イギリス (ユナイト)

「ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」「HELP! 四人はアイドル」などの人気グループ・サウンズ、ザ・ビートルズの歌をバックに描くアニメーション・ドラマ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーの歌を基に、リー・ミノフがオリジナル・ストーリーを書き、リー・ミノフ、アル・ブロダックス、ジャック・メンデルソーン、エリック・シーガルが、脚本を書き、ジョージ・ダニングが監督した。デザインはヘインツ・イーデルマン、音楽監督はジョージ・マーティン、音楽はザ・ビートルズ。特殊効果をチャールズ・ジェンキンスが担当している。出演はサージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド。製作はアル・ブロダックス。イギリスオリジナル版は90分。1999年には5.1chデジタルリマスター版が製作、再公開されている。


0-13. アンナ・カレニナ

監督 ジュリアン・デュヴィヴィエ
出演 ヴィヴィアン・リーラルフ・リチャードソンキーロン・ムーアマイケル・ガフマーティタ・ハント
1948年・イギリス (ブリティッシュ・ライオン・フィルム)

アンナ・カレニナ」(原題:Anna Karenina)は、1948年に製作・公開されたイギリス映画である。撮影は1947年5月から8月[1]。レフ・トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」の映画化作品であり、ジュリアン・デュヴィヴィエが監督、ヴィヴィアン・リーが主演した。


0-14. いまを生きる

監督 ピーター・ウェアー
出演 ロビン・ウィリアムズロバート・ショーン・レナードイーサン・ホークジョシュ・チャールズゲイル・ハンセン
1989年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

59年、ニューイングランドの全寮制学院を舞台に、学生たちの愛と生、そして死を描くドラマ。製作はスティーヴン・ハフトとポール・ユンガー・ウィット、監督は 「モスキート・コースト」のピーター・ウィアー、脚本はトム・シュルマン、撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はロビン・ウィリアムス、イーサン・ホークほか。


0-15. JFK

監督 オリヴァー・ストーン
出演 ケヴィン・コスナーシシー・スペイセクジョー・ペシトミー・リー・ジョーンズゲイリー・オールドマン
1991年・アメリカ (ワーナー・ブラザース)

アメリカ現代史上の一大事件で今なお謎の残るジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を、新たな調査資料をもとに検証したドラマ。事件を担当した検事ジム・ギャリソンの著作を土台に、 「ドアーズ」のオリヴァー・ストーンが監督・脚本・製作を務め、エグゼクティヴ・プロディーサーはアーノン・ミルチャン、共同製作はA・キットマン・ホー、共同脚本はザカリー・スクラー、撮影はロバート・リチャードソン、音楽はジョン・ウィリアムス(2)が担当。91年度アカデミー賞では撮影賞、編集賞を受賞。


0-16. バグダッド・カフェ

監督 パーシー・アドロン
出演 マリアンネ・ゼーゲブレヒトCCH・パウンダージャック・パランスクリスティーネ・カウフマンモニカ・カローン
1987年・西ドイツ (KUZUIエンタープライズ)

うら寂れた砂漠のモーテル“バグダッド・カフェ”にやって来た一人の女性と、彼女をめぐる人々との交流を細やかに描いてゆく。製作・脚本はパーシー&エレオノーレ・アドロン、監督は 「シュガー・ベイビー」のパーシー・アドロン、撮影はベルント・ハインル、音楽はボブ・テルソンが担当。出演は 「シュガー・ベイビー」のマリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー、ジャック・パランスほか。なお本作品のオリジナル・タイトルは“Out of Rosenteim”。1994年には17分長いヨーロッパ・ヴァージョンが<完全版>として公開されている。


0-17. バックドラフト

監督 ロン・ハワード
出演 カート・ラッセルウィリアム・ボールドウィンロバート・デ・ニーロスコット・グレムジェニファー・ジェイソン・リー
1991年・アメリカ (UIP)

消防士兄弟の葛藤と日夜火災と戦い続ける男たちの群像を描いた大作ドラマ。放火犯探しというサスペンス・ドラマがサブ・プロットになっている。監督に 「バックマン家の人々」のロン・ハワード。製作はリチャード・ルイス、ペン・デンシャム、ジョン・ワトソン。エグゼクティブ・プロデューサーはブライアン・グレイザーと 「砂の惑星」のラファエラ・デ・ラウレンティス、脚本は 「ハイランダー 悪の戦士」のグレゴリー・ワイデン。撮影は 「オールウェイズ」のミカエル・サロモン、音楽は 「パシフィック・ハイツ」など近年売れっ子のハンス・ジマー。特殊効果及びハイロテクニック(爆発と発火効果)はアレン・ホールが担当。


0-18. U−571

監督 ジョナサン・モストウ
出演 マシュー・マコノヒービル・パクストンハーヴェイ・カイテルジョン・ボン・ジョヴィデイヴィッド・キース
2000年・アメリカ、フランス (ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ)

 実際にあった連合軍の暗号機奪取作戦をヒントに、手に汗握るスリリングなアクション・ドラマを創造。絶体絶命の極限状況下での男たちの戦いをダイナミックにつづる。


0-19. 幸せのレシピ

監督 スコット・ヒックス
出演 キャサリン・ゼタ=ジョーンズアーロン・エッカートアビゲイル・ブレスリンパトリシア・クラークソンボブ・バラバン
2007年・アメリカ (ワーナー)

ドイツ映画 「マーサの幸せレシピ」の脚本を基にしたラブ・コメディ。キャサリン・ゼタ=ジョーンズとアーロン・エッカートが、性格の異なる男女の恋愛劇を軽妙に演じている。


0-20. ペイ・フォワード 可能の王国

監督 ミミ・レダー
出演 ケヴィン・スペイシーヘレン・ハントハーレイ・ジョエル・オスメントジェイ・モーアジム・カヴィーゼル
2000年・アメリカ (ワーナー・ブラザース)

ディープ・インパクト」のミミ・レダー監督のもとに、実力派キャストが結集。孤独な少年のアイデアが殺伐とした現代社会に希望の光をもたらす、ドラマティックな感動作。


0-21. レナードの朝

監督 ペニー・マーシャル
出演 ロバート・デ・ニーロロビン・ウィリアムズジュリー・カヴナールース・ネルソンジョン・ハード
1990年・アメリカ (コロムビア・トライスター映画)

30年にわたる昏睡から目覚めた患者と、彼を何とか救おうとする医師の必死の闘病生活を、自らも精神科医のオリヴァー・サックスの実体験による著作を基に描いたヒューマン・ドラマ。 「ビッグ」のペニー・マーシャルがアーン・シュミット、エリオット・アボットと共同でエグゼクティブ・プロデューサlも兼ね、製作はウォルター・F・パークスとローレンス・ラスカー、脚本はスティーヴン・ザイリアン、撮影は 「ガープの世界」のミロスラフ・オンドリチェク、音楽はランディ・ニューマンが担当。出演はロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズほか。


0-22. 眼下の敵

監督 ディック・パウエル
出演 ロバート・ミッチャムクルト・ユルゲンスアル・ヘディソンセオドア・バイケルラッセル・コリンズ
1957年・アメリカ (20世紀フォックス)

イギリス海軍中佐D・A・レイナーが自分の体験にもとづいて書いた処女小説 「水面下の敵」の映画化で、第二次大戦におけるイギリス駆逐艦とドイツ・Uボートとの戦いを描く戦記もの。 「翼よ!あれが巴里の灯だ」の共同脚色者の1人、ウェンデル・メイスが脚色、 「夜の乗合自動車」のディック・パウエルが監督した。撮影は 「悪い種子」のハロルド・ロッソン、音楽は 「気まぐれバス」のリー・ハーライン。主演は 「海の荒くれ」のロバート・ミッチャム、 「素直な悪女」のクルト・ユールゲンス、新人アル・ヘディソン、 「アフリカの女王」のセオドア・バイケル。


0-23. シェーン

監督 ジョージ・スティーヴンス
出演 アラン・ラッドジーン・アーサーヴァン・ヘフリンブランドン・デ・ワイルドジャック・パランス
1953年・アメリカ (パラマウント映画)

「生きるためのもの」のジョージ・スティーヴンスが製作監督に当たった心境的西部劇で1953年の発売。ジャック・シェーファーの小説から 「果てしなき蒼空」の原作者A・B・ガスリー・ジュニアが脚色し、 「腰抜けモロッコ騒動」のジャック・シャーが台辞を追加した。テクニカラー色彩の撮影はロイヤル・グリグス、音楽は 「戦う雷鳥師団」のヴィクター・ヤングの担当である。主演は 「砂漠部隊」のアラン・ラッド、 「西部を駈ける恋」のジーン・アーサー、 「三銃士」のヴァン・ヘフリンで、子役のブランドン・デ・ワイルド、 「突然の恐怖」のジャック・パランス、 「三人の名付け親」のベン・ジョンソン、 「アリゾナの勇者」のエドガー・ブキャナン、エミール・メイヤー 「暗黒の恐怖」、エライシャ・クック・ジュニア 「犯罪王ディリンジャ」、ダグラス・スペンサー 「インディアン征路」、ジョン・ディアクス 「マクベス」、エレン・コービー 「恐怖の一夜」などが共演している。


0-24. エニグマ

監督 マイケル・アプテッド
出演 ダグレイ・スコットケイト・ウィンスレットサフロン・バロウズジェレミー・ノーザムニコライ・コスター・ワルドー
2001年・イギリス (松竹)

ロック界のスーパースター、ミック・ジャガーの記念すべき映画初プロデュース作。国家機密とされてきた暗号解読の実態を、史実をベースに描くスリリングなサスペンスだ。


0-25. シビル・アクション

監督 スティーヴン・ゼイリアン
出演 ジョン・トラヴォルタロバート・デュヴァルトニー・シャローブウィリアム・H・メイシージョン・リスゴー
1999年・アメリカ (UIP)

汚染事故の裁判を通じて正義の心を取り戻していく金満弁護士の姿を描く法廷ドラマ。ジョナサン・ハーの同名ベストセラーの映画化。監督・脚本は 「ボビー・フィッシャーを探して」のスティーヴン・ザイリアン。撮影は同作のコンラッド・ホール。音楽は 「シンプル・プラン」のダニー・エルフマン。出演は 「将軍の娘 エリザベス・キャンベル」のジョン・トラヴォルタ、 「スリング・ブレイド」のロバート・デュヴァルほか。


0-26. ローマの休日

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グレゴリー・ペックオードリー・ヘップバーンエディ・アルバートハートリー・パワーハーコート・ウィリアムス
1953年・アメリカ (パラマウント映画会社)

「偽りの花園」「黄昏」のウィリアム・ワイラーがローマに出向いて製作監督した1953年作品で、王女と新聞記者の恋愛を描くコメディ。原作はアイアン・マクラレン・ハンター、脚色は原作者と 「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のジョン・ダイトンとの共同である。 「ギャングを狙う男」のフランク・プレイナーと 「禁断の木の実」のアンリ・アルカンが協力して撮影監督にあたり、 「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックが音楽を担当した。主演は 「愛の決断」のグレゴリー・ペックと、初主演のこの映画でアカデミー主演女優賞をえたオードリー・ヘップバーンで、これに 「黄昏」のエディ・アルバートがつきあい、以下ハートリー・パワー、ハーコート・ウィリアムス 「36時間」、マーガレット・ローリングス、チュリオ・カルミナチ 「悪魔の美しさ」、パオロ・カルリーニなど英伊の俳優が助演している。なお、 「貴方は若すぎる」の監督ピエロ・ムゼッタが助監督としてスタッフに加っている。


0-27. ウエスト・サイド物語

監督 ジェローム・ロビンス
出演 ナタリー・ウッドリチャード・ベイマーラス・タンブリンリタ・モレノジョージ・チャキリス
1961年・アメリカ (ユナイテッド・アーチスツ映画)

ブロードウェイ・ミュージカルの70ミリによる映画化。 「ロミオとジュリエット」を現代化したラブロマンスを縦系にして現代の青春悲劇をリアルに描いた作品。原作は 「旅情」の作者アーサー・ローレンツ。脚色をアーネスト・リーマンが担当した。監督は 「拳銃の報酬」のロバート・ワイズと振付も兼ねているジェローム・ロビンスの共同。撮影は 「5つの銅貨」のダニエル・L・ファップ。画面構成にタイトルをデザインしたソール・バスが一役加わっている。音楽は 「踊る大紐育」「波止場」のレナード・バーンスタイン。出演者はナタリー・ウッド、リチャード・ベイマー、ラス・タンブリンなど。製作はロバート・ワイズ。


0-28. マスク

監督 チャールズ・ラッセル
出演 ジム・キャリーキャメロン・ディアスピーター・リガートピーター・グリーンエイミー・ヤスベック
1994年・アメリカ (ヒューマックス・ピクチャーズ=ギャガ・コミュニケーションズ)

人間の潜在的欲望を引き出す古代の仮面をつけた青年が、謎の怪人マスクとなって大活躍する姿を描いた、ファンタスティックなアクション・コメディ。ダークホース・コミックス社のマイケル・ファーロンとマーク・ヴァーヘイデンによる同名のカルトコミックを、発想とキャラクターを借りてマイク・ワーブが脚色。監督には 「ブロブ 宇宙からの不明物体」で50年代SF映画の味わいを再現したチャールズ・ラッセルがあたった。製作は 「ショッカー」のボブ・エンゲルマン、エグゼクティヴ・プロデューサーはマイク・リチャードソン、チャールズ・ラッセル、マイケル・デ・ルカ、撮影はジョン・R・レオネッティ、音楽は 「ベートーベン」のランディ・エデルマン。特殊メイクは 「ミセス・ダウト」のグレッグ・キャノン、SFXは 「ジュラシック・パーク」などのILMがそれぞれ担当。主演は初主演作 「エース・ベンチュラ」でスターダムにのし上がったジム・キャリーで、得意の顔面七変化をはじめ、その爆笑パフォーマンスの数々が見もの。共演は、セクシーなヒロイン役にモデル出身で、本作が映画初出演のキャメロン・ディアス、 「ローカルヒーロー 夢に生きた男」のピーター・リーガート、 「ロビン・フッド キング・オブ・タイツ」のエイミー・ヤスベックほか。


0-29. 13デイズ

監督 ロジャー・ドナルドソン
出演 ケヴィン・コスナーブルース・グリーンウッドスティーヴン・カルプディラン・ベイカーマイケル・フェアマン
2000年・アメリカ (日本ヘラルド映画)

 第3次世界大戦の危機をはらんだ、緊迫の13日間をつづる問題作だ。歴史的事件の裏舞台をドキュメンタリー・タッチで克明に描出し、強烈なメッセージを突きつける。


0-30. 世界最速のインディアン

監督 ロジャー・ドナルドソン
出演 アンソニー・ホプキンスダイアン・ラッドポール・ロドリゲスアーロン・マーフィーアニー・ホイットル
2005年・ニュージーランド、アメリカ (ソニー・ピクチャーズ)

「ハンニバル」のアンソニー・ホプキンスが、63歳で世界記録に挑んだ実在のライダーを演じる人間ドラマ。 「リクルート」のロジャー・ドナルドソン監督が1960年代の実話を映画化。


0-31. マイ・フレンド・フォーエバー

監督 ピーター・ホートン
出演 ブラッド・レンフロジョセフ・マゼロアナベラ・シオラダイアナ・スカーウィッドブルース・デイヴィソン
1995年・アメリカ (松竹富士=KUZUIエンタープライズ)

HIV感染者の少年と、彼を助けるべく治療法探しに奔走する少年の友情を描いたヒューマン・ドラマ。「チルドレン・オブ・ザ・コーン」(V) 「シングルス」などで俳優として活躍するかたわら、テレビドラマの演出を手掛けてきたピーター・ホートンの初監督作。脚本はロバート・クーン、製作はマーク・バーグとエリック・アイスナー。撮影はアンドリュー・ディンテンファス、美術はアーミン・ガンツ。音楽は 「トッツィー」「ザ・ファーム 法律事務所」のデーヴ・グルーシンが担当。主演は 「依頼人」のブラッド・レンフロと 「ジュラシック・パーク」「激流」のジョセフ・マゼロ。 「最高の恋人」「蜘蛛女」のアナベラ・シオラと 「サイコ3 怨霊の囁き」のダイアナ・スカーウィッドが少年たちの母親にふんするほか、やはりエイズを題材にした 「ロングタイム・コンパニオン」のブルース・デイヴィソンが医師役で助演している。


0-32. アマデウス

監督 ミロシュ・フォアマン
出演 F・マーリー・エイブラハムトム・ハルスエリザベス・ベリッジサイモン・カロウロイ・ドトリス
1984年・アメリカ (松竹富士)

若くして逝った天才音楽家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトと宮庭音楽家アントニオ・サリエリの対決を通してモーツァルトの謎にみちた生涯を描く。製作はソウル・ゼインツ、監督は 「ラグタイム」のミロシュ・フォアマン。ピーター・シェーファーが舞台のために書いた脚本を自ら映画のために書き直した。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・ハウスマンとバーティル・オールソン、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽監督・指揮はネヴィル・マリナー、美術はカレル・サーニー、衣裳はテオドール・ピステック、編集はネーナ・デーンヴィックとマイケル・チャンドラー、プロダクションデザインはP・フフォン・ブランデンシュタイン、オペラ舞台デザインはヨゼフ・スボボダが担当。出演はF・マーリー・エイブラハム、トム・ハルスなど。日本版字幕は戸田奈津子。ドルビーステレオ、テクニカラー、パナビジョン。1984年作品。


0-33. パルプ・フィクション

監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ジョン・トラヴォルタサミュエル・L・ジャクソンユマ・サーマンハーヴェイ・カイテルティム・ロス
1994年・アメリカ (松竹富士)

アメリカの低級犯罪小説であるパルプマガジン的なストーリーをコンセプトに殺し屋たちの話を3つの物語が交錯するように語られるコメディあり、ヴァイオレンスありのドラマ。監督・脚本は 「レザボア・ドッグス」で監督デビューし、 「トゥルー・ロマンス」やオリヴァー・ストーンの 「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の原案を手がけているクエンティン・タランティーノ。製作は 「レザボア・ドッグス」「キリング・ゾーイ」などのローレンス・ベンダー。撮影はポーランド出身で 「レザボア・ドッグス」でアメリカ映画界に進出したアンジェイ・セクラ。編集は 「天と地」「レザボア・ドッグス」のサリー・メンケ。美術は 「エル・ノルテ 約束の地」でアカデミー賞にノミネートされ、同じく 「レザボア・ドッグス」からのスタッフであるデイヴィッド・ワスコ。主演は 「キャリー」「サタデー・ナイト・フィーバー」「ベイビー・トーク」シリーズのジョン・トラヴォルタ、 「ダイ・ハード」「虚栄のかがり火」のブルース・ウィリス、そして 「危険な関係」「ヘンリー&ジューン 私が愛した男と女」「カウガール・ブルース」のユマ・サーマン。ほかに、 「星の王子ニューヨークに行く」「モ'・ベター・ブルース」「ジュラシック・パーク」のサミュエル・L・ジャクソン、 「コックと泥棒、その妻と愛人」「ゴッホ」「レザボア・ドックス」のティム・ロス、そして 「ミーン・ストリート」「アリスの恋」「レザボア・ドッグス」「ピアノ・レッスン」「バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト」などに出演しているベテラン、ハーヴェイ・カイテル。94年カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞受賞。


0-34. 駅馬車

監督 ジョン・フォード
出演 クレア・トレヴァージョン・ウェインアンディ・デヴァインジョン・キャラダイントーマス・ミッチェル
1939年・アメリカ (ユナイテッド支社)

「台風」「男の敵」「肉弾鬼中隊」のジョン・フォードがウォルター・ウェンジャー・プロで監督した映画で、雑誌コリアース掲載のアーネスト・ヘイコックスス作 「ローズバーグへの駅馬車」に基づき、右記3映画と同じくダドリー・ニコルズが脚本を執筆した。出演者は 「デッド・エンド」「15処女街」のクレア・トレヴァー、 「ビッグ・トレイル」以降西部劇専門のジョン・ウェインを始め、 「翼の人々」のアンディ・デヴァイン、 「サブマリン爆撃隊」「台風」のジョン・キャラダイン、 「コンドル」「台風」のトーマス・ミッチェル、 「北海の子」のルイズ・プラット、 「サブマリン爆撃隊」のジョージ・バンクロフト、 「わが家の楽園」のドナルド・ミーク、 「牧童と貴婦人」のバートン・チャーチル、 「ステラ・ダラス」のティム・ホルト、 「硝煙牧場」のトム・タイラその他である。撮影は 「台風」「虎鮫島脱獄」のバート・グレノンが主宰している。


0-35. ドクトル・ジバゴ

監督 デイヴィッド・リーン
出演 オマー・シャリフジュリー・クリスティジェラルディン・チャップリンロッド・スタイガーアレック・ギネス
1965年・イギリス、アメリカ (MGM)

ボリス・パステルナークの小説を、 「アラビアのロレンス」のロバート・ボルトが脚色、同じく 「アラビアのロレンス」のデイヴィッド・リーンが監督した、ロシア革命を背景に1人の男の生涯を描いた文芸篇。撮影はフレッド・A・ヤング、音楽はモーリス・ジャール、美術監督はテレンス・マーシュとジョン・ボックス、装置はダリオ・シモニ、衣裳デザインはフィリス・ダルトン、特殊効果はエディ・フォーリー、第2班監督はロイ・ロソッティが担当した。出演は 「アラビアのロレンス」のオマー・シャリフ、 「ある晴れた朝突然に」のジェラルディン・チャップリン、 「ダーリング」で38回アカデミー女優主演賞をとったジュリー・クリスティ、 「クロスボー作戦」のトム・コートネイのほかにアレック・ギネス、シオバン・マッケナ、ラルフ・リチャードソン、リタ・トゥシンハムなど。製作は 「クロスボー作戦」のカルロ・ポンティ、製作企画は 「人間の絆」のジョン・ボックス。なおこの作品は、第38回アカデミー賞の、5部門(脚色賞、色彩撮影賞、色彩美術賞、色彩衣裳デザイン、オリジナル作曲賞)で受賞。


0-36. ライトスタッフ

監督 フィリップ・カウフマン
出演 サム・シェパードスコット・グレンエド・ハリスデニス・クエイド, 1983年・アメリカ (ワーナー映画)

アメリカの初期の宇宙開発計画に参加したパイロットとその家族をめぐるドラマ。製作はアーウィン・ウィンクラーとロバート・チャートフ、エグゼクティヴ・プロデューサーはジェームズ・D・ブルベイカー。監督・脚本は 「SF/ボディ・スナッチャー」(78)のフィリップ・カウフマン。原作はトム・ウルフの「ザ・ライト・スタッフ」(中公文庫)。撮影はケイレブ・デシャネル、音楽はビル・コンティ、特殊視覚効果はゲイリー・グティエレツが担当。チャック・イエガーがテクニカル・コンサルタントとして参加し、端役でも出演している。出演はサム・シェパード、スコット・グレン、エド・ハリス、デニス・クエイド、バーバラ・ハーシーなど。アメリカ公開版は3時間12分。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は戸田奈津子。テクニカラー、ビスタサイズ。1983年作品。


0-37. マディソン郡の橋

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドメリル・ストリープアニー・コーリーヴィクター・スレザックジム・ヘイニー
1995年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

たった4日間の恋に永遠を見いだした中年の男女の愛を描いた、大人のラヴストーリー。原作は、世界中でベストセラーになったロバート・ジェームズ・ウォーラーの同名小説(邦訳・文藝春秋刊)。映画化の争奪戦が繰り広げられ、監督や主演者の候補にさまざまな名前が挙がった。一時はスティーヴン・スピルバーグが監督と報じられたが、結局、監督・製作・主演の3役を 「パーフェクト・ワールド」「許されざる者」のクリント・イーストウッドが兼任して映画化(スピルバーグ主宰のアンブリン・エンターテインメントとイーストウッドのマルパソ・プロの共同製作)。相手役には 「愛と精霊の家」「激流」のメリル・ストリープを迎え、二人の共演が見もの。脚本は 「フィッシャー・キング」のリチャード・ラグラヴェネス。製作はイーストウッドと、 「コンゴ」のキャスリーン・ケネディの共同。原作に忠実に、アメリカ・アイオワ州マディソン郡でロケーション敢行した美しい撮影のジャック・N・グリーン、音楽のレニー・ニーハウス、編集のジョエル・コックスは、 「パーフェクト・ワールド」「許されざる者」などにも参加した、イーストウッド作品の常連。美術はジャニーヌ・クラウディア・オップウォール。共演は 「マルコムX」のアニー・コーリー、 「理由」のヴィクター・スレザック、 「アルカトラズからの脱出」「スリープウォーカーズ」のジム・ヘイニーら。キネマ旬報外国映画ベストテン第3位。


0-38. 2001年宇宙の旅

監督 スタンリー・キューブリック
出演 ケア・ダレーゲイリー・ロックウッドウィリアム・シルベスターダグラス・レイン
1968年・アメリカ (MGM)

科学小説作家アーサー・C・クラークと 「博士の異常な愛情」のスタンリー・キューブリックが製作・監督したSF。撮影は 「オセロ」のジョフリー・アンスワース、補助撮影はジョン・オルコットが担当した。なお、特殊撮影効果のすべてはキューブリックの考案、監督のもとに行われた。セットの製作デザインはトニー・マスターズ、ハリー・ラング、アーネスト・アーチャーの3人を中心にデザイナーと製図工35人が動員された。特殊効果監督には、ウォリー・ビーヴァーズ、ダブラス・トランブル、コン・ペダーソン、トム・ハワード、の3人があたり衣裳は、ハーディ・エイミーズが担当した。そして、この映画を科学技術的に正確にするため、キューブリック監督はアメリカ航空宇宙局の多くの科学者、アメリカおよびイギリスの主要な科学研究所や大学と密接な提携をし、撮影中は、3人の一流科学者が技術顧問としてつき添った。それはもと陸軍弾道ミサイル部のフレドリック・J・オーダウェイとハリー・H・C・レンジ、元航空宇宙局の宇宙飛行センター勤務で、今はアラバマ州ハンツビルのジェネラル宇宙飛行研究会社のジョー・C・ジマーシャルである。出演は 「女狐」のキア・デュリア、TVや 「ヤング・ヤング・パレード」のゲイリー・ロックウッド、 「BM15必死の潜行」のウィリアム・シルヴェスター、 「キッスは殺しのサイン」のレナード・ロシター、 「BM15必死の潜行」のマーガレット・タイザック、コンピューターに扮するダグラス・レインである。


0-39. A.I.

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ハーレイ・ジョエル・オスメントジュード・ロウフランシス・オコナーサム・ロバーズジェイク・トーマス
2001年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

鬼才スタンリー・キューブリック監督の未完成作品を、スティーブン・スピルバーグ監督が最新特撮技術を駆使し、映画化。ロボットと人間が共存する近未来を舞台に、人工知能をもつロボットが繰り広げる大冒険を描く。


0-40. 素晴らしき哉、人生!

監督 フランク・キャプラ
出演 ジェームズ・スチュアートドナ・リードライオネル・バリモアトーマス・ミッチェルヘンリー・トラヴァース
1946年・アメリカ (日本RKOラジオ映画)

キャプラ、ワイラー、スティーヴンスの3人が協力して設立したリバ ティ・プロの第1回作品(1946年)で、フランク・キャプラが製作・監督に当ったヒューマニスティック・コメディ。フィリップ・ヴァン・ドレン・スターンの物語を、 「花嫁の父」のコンビ、フランセス・グッドリッチとアルバート・ハケット、それにキャプラが協力して脚色した。撮影はジョゼフ・ウォーカー( 「ジョルスン物語」)、音楽は 「楽園に帰る」のディミトリ・ティオムキンの担当。主演は 「裸の拍車」のジェームズ・スチュアート、 「地上より永遠に」のドナ・リードで、ライオネル・バリモア( 「栄光の星の下に」)、トーマス・ミッチェル( 「真昼の決闘」)、ヘンリイ・トラヴァース、( 「セント・メリイの鐘」)、グロリア・グレアム( 「綱渡りの男」)、ワード・ボンド( 「恋は青空の下」)らが助演する。


0-41. 荒野の七人

監督 ジョン・スタージェス
出演 ユル・ブリンナーイーライ・ウォラックスティーヴ・マックイーンホルスト・ブッフホルツチャールズ・ブロンソン
1960年・アメリカ (日本ユナイテッド・アーチスツ)

黒沢明監督の東宝映画 「七人の侍」をジョン・スタージェス監督が西部劇化した作品。脚本担当はウォルター・ニューマン。撮影に当ったのはチャールズ・ラング。音楽をエルマー・バーンスタインが受けもった。出演するのは 「ソロモンとシバの女王」のユル・ブリンナー、 「死の舟」のホルスト・ブーツホルフなど。製作ジョン・スタージェス。


0-42. アルマゲドン

監督 マイケル・ベイ
出演 ブルース・ウィリスビリー・ボブ・ソーントンリヴ・タイラーベン・アフレックウィル・パットン
1998年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン)

小惑星の接近で滅亡の危機に瀕した地球を救うべく宇宙に旅立つ男たちの死闘を描いたヒューマン・アドベンチャー。監督は 「ザ・ロック」のマイケル・ベイ。脚本は 「ダイ・ハード3」のジョナサン・ヘンスレーとロバート・ロイ・プールの原案を基に、ヘンスレーと 「心の旅」のJ・J・エイブラムズが執筆。製作はベイと 「コン・エアー」のジェリー・ブラッカイマー、 「ターミネーター」のゲイル・アン・ハード。製作総指揮はヘンズレー、チャド・オーマン、ジム・ヴァン・ウィック。撮影は 「ザ・ロック」のジョン・シュワルツマン。音楽は 「イレイザー」のトレヴァー・ラビン。美術は 「エイリアン3」のマイケル・ホワイト。SFX 監修は 「アポロ13」のパット・マックラング。出演は 「マーキュリー・ライジング」のブルース・ウィリス、 「すべてをあなたに」のリヴ・タイラー、 「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のベン・アフレック、 「ビッグ・リボウスキ」のスティーヴ・ブシェーミとピーター・ストーメア、 「ザ・ウィナー」のビリー・ボブ・ソーントン、 「コピーキャット」のウィル・パットンほか。


0-43. ゴッドファーザー PART III

監督 フランシス・フォード・コッポラ
出演 アル・パチーノダイアン・キートンタリア・シャイアアンディ・ガルシアイーライ・ウォラック
1990年・アメリカ (パラマウント=UIP)

マフィア・ファミリーの年代記をつづった、フランシス・フォード・コッポラ監督による壮大な大河ドラマのシリーズ最終章。名優アル・パチーノが、暗黒社会に君臨しつづけるマフィアのドンの苦悩と孤独を、秀逸な演技でにじませる。(リバイバル上映)


0-44. ニューヨーク東8番街の奇跡

監督 マシュー・ロビンス
出演 ジェシカ・タンディヒューム・クローニンフランク・マクレーエリザベス・ペーニャマイケル・カーマイン
1987年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP)

古いアパートから立ち退きを迫られた住人が、宇宙人に助けられる姿を描くSFファンタジー。製作はロナルド・L・シュワリー、監督はマシュー・ロビンス、エグゼクティヴ・プロデュサーはスティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ、原作はミック・ギャリス、脚本はブラッド・バード、マシュー・ロビンス、ブレント・マドック、S・S・ウィルソン、撮影はジョン・マクファーソン、音楽はジェームズ・ホーナー、プロダクション・デザインはテッド・ハワーズ。出演はジェシカ・タンディ、ヒューム・クローニン、フランク・マクレーほか。


0-45. FIVE PENNIES

監督 メルヴィル・シェイヴェルソン
出演 ダニー・ケイバーバラ・ベル・ゲデスルイ・アームストロングボブ・クロスビーハリー・ガーディノ
1959年・アメリカ (パラマウント)

1020年代に一世を風びしたバンド・リーダー、レッド・ニコルズの半生に基づく音楽伝記映画。脚本を 「月夜の出来事」のメルヴィル・シェイヴェルソンとジャック・ローズが書き、監督は同じくメルヴィル・シェイヴェルソン。撮影は 「拳銃の罠」のダニエル・L・ファップ。音楽をリース・スティーヴンスが担当。出演は 「戦場のドン・キホーテ」のダニー・ケイ、 「めまい」のバーバラ・ベル・ゲデスやルイ・アームストロング、ボブ・クロスビー、シェリー・マン、レイ・アンソニーら。“マイ・ブルー・ヘヴン”“ビル・ベイリー”らの往年の流行曲が演奏される。製作はジャック・ローズ。


0-46. 黄昏

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 ローレンス・オリヴィエジェニファー・ジョーンズミリアム・ホプキンスエディ・アルバートベイジル・ルイスディール
1951年・アメリカ (パラマウント日本支社)

ウィリアム・ワイラーが 「探偵物語」に先立って製作・監督した、セオドア・ドライザーの処女小説 「シスター・キャリー」の映画化、1951年の作品である。脚本は 「女相続人」のルース及びオーガスタス・ゲーツ夫妻で、原作の一部を集中的に脚色した。撮影は 「旅愁」のヴィクター・ミルナー、音楽は 「悪人と美女」のデイヴィッド・ラクシンが担当。主演は 「嵐ヶ丘」以来ワイラーと組んだロウレンス・オリヴィエと 「終着駅」のジェニファー・ジョーンズで、以下 「女相続人」のミリアム・ホプキンス、 「ブラザー・ラット」で舞台から映画入りした喜劇俳優エディ・アルバート、ベイジル・ルイスディール、レイ・ティールらが助演する。


0-47. 愛しのシバよ帰れ

監督 ダニエル・マン
出演 バート・ランカスターシャーリー・ブーステリー・ムーアリチャード・ジャッケルフィリップ・オーバー
1952年・アメリカ (パラマウント映画会社)

ウィリアム・インジの舞台劇の映画化で、 「底抜け落下傘舞台」のハル・B・ウォリスが製作にあたった1952年作品。脚色はケッティ・フリングス、監督は舞台の演出を担当したダニエル・マンである。撮影は 「その男を逃すな」のジェイムス・ウォン・ハウ、作曲はフランツ・ワックスマン。主演は舞台と同じシャーリー・ブース(52年アカデミー主演女優賞獲得)と、 「真紅の盗賊」のバート・ランカスターで、テリー・ムーア( 「猿人ジョー・ヤング」)、リチャード・ジャッケル 「暴力帝国」、フィリップ・オーバー、リザ・ゴルム、ウォルター・ケリーらが助演する。


0-48. 美女ありき

監督 アレクサンダー・コルダ
出演 ヴィヴィアン・リーローレンス・オリヴィエアラン・モウブレイサラ・オールグッドグラディス・クーパー
1940年・イギリス (東和=東宝)

現在ロンドン・フィルムの恩師であるアレクサンダー・コルダが、アメリカに渡って自ら製作・監督した1940年作品。 「たそがれの維納」のワルター・ライシュと 「邪魔者は殺せ」のR・C・シェリフの協同脚本により、ネルソンとハミルトン卿夫人の恋が描かれる。撮影は最近監督に転じて 「地球最後の日」などを作っているルドルフ・マテ、音楽は 「白い恐怖」のミクロス・ローザの担当である。 「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーと、 「レベッカ」のローレンス・オリヴィエが結婚直後夫妻共演し、以下 「荒野の決闘」のアラン・モウブレイ、 「わが谷は緑なりき」のサラ・オールグッド、 「レベッカ」のグラディス・クーパー、 「サムソンとデリラ」のヘンリー・ウィルコクスンらが助演する。


0-49. フィラデルフィア物語

監督 ジョージ・キューカー
出演 ケーリー・グラントキャサリン・ヘップバーンジェームズ・スチュアートルース・ハッシージョン・ハワード
1940年・アメリカ ()

キャサリン・ヘプバーンを主役として、シアター・ギルドが上演してヒットしたフィリップ・バリー作の喜劇の映画化で、ヘプバーンがブロードウェイで一年間演じた役をつとめ 「断崖」のケーリー・グラントと 「桃色の店」のジェームズ・スチュアートが共に主演している。 「恋愛手帳」の台詞を書いた劇作家であり、映画脚本家であるドナルド・オグデン・スチュワートが脚色し 「ガス燈」「若草物語」のジョージ・キューカーが監督に当り 「心の旅路」「ガス燈」のジョゼフ・ルッテンバーグが撮影を指揮し、音楽は 「断崖」フランツ・ワックスマンが書いた。助演にはルース・ハッシー、ローランド・ヤング、ジョン・ハワード、ジョン・ホリデイ、メアリー・ナッシュ及び少女俳優ヴァジニア・ウィードラー、ヘンリー・ダニエルと腕利き逹をそろえている。なおヘプバーン主演のキューカー作品には 「素晴らしい休日」「若草物語」「愛の鳴咽」等がある。またこれは1940年作品で、同年度のアカデミー脚本賞、主演男優賞を、両スチュワートが得たものである。


0-50. 地上最大のショウ

監督 セシル・B・デミル
出演 ベティ・ハットンコーネル・ワイルドチャールトン・ヘストンドロシー・ラムーアグロリア・グラハム
1952年・アメリカ (パラマウント映画社)

「サムソンとデリラ」のセシル・B・デミルが1952年に製作・監督したテクニカラーのサーカス映画で、世界最大のサーカスといわれるリングリング・ブラザース=バーナム・アンド・ベイリー一座の協力によるもの。52年度のアカデミー作品賞とデミルにアーヴィング・サルバーグ賞が与えられた。フレドリック・M・フランク 「サムソンとデリラ」、バリー・リンドン 「スピード王」、シオドア・セント・ジョンの3人が書き下ろしたストーリイを、M・フランクとセント・ジョンにフランク・キャヴェット 「ミズーリ横断」が協力して脚色した。撮影は 「サムソンとデリラ」のジョージ・バーンズ、音楽はヴィクター・ヤングの担当。出演者は 「ポーリンの冒険」のベティ・ハットン、 「永遠のアンバー」のコーネル・ワイルド、TVスター、チャールトン・ヘストン、 「南米珍道中」のドロシー・ラムーア、 「渓谷の銃声」のグロリア・グレアム、 「怒りの河」のジェームズ・スチュアート、この作品の製作補佐を兼ねるヘンリイ・ウィルコクスン 「血闘」、ライル・ベトガー 「武装市街」、ローレンス・ティアニイ 「犯罪王ディリンジャ」らである。


0-51. 桑港

監督 W・S・ヴァン・ダイク
出演 クラーク・ゲーブルジャネット・マクドナルドスペンサー・トレイシージャック・ホルトジェシー・ラルフ
1936年・アメリカ ()

「妻と女秘書」「支那海」のクラーク・ゲーブルと 「ローズ・マリイ」「浮かれ姫君」のジャネット・マクドナルドが主演する映画で、 「港に異常なし」のスペンサー・トレイシーと 「征空重爆撃」のジャック・ホルトが共演する。原作はロバート・E・ホプキンスが書き下ろし、 「港に異常なし」に参興したアニタ・ルースが脚色し、 「ローズ・マリイ」「私の行状記」のW・S・ヴァン・ダイクが監督に当たり、 「巨星ジーグフェルド」のオリヴァ・マーシュが撮影した。助演は 「海は桃色」のジェシー・ラルフ、 「高飛び成層圏」のテッド・ヒーリーおよびアル・シーン、新顔のシャーリー・ロス、 「断固戦うべし」のマーガレット・アーヴィング等の面々である。


0-52. 望郷

監督 ジュリアン・デュヴィヴィエ
出演 ジャン・ギャバンガブリエル・ガブリオサテュルナン・ファーブルシャルパンリュカ・グリドゥー
1937年・フランス (東和商事)

2004年フランス映画で活躍したスターたちの代表作をニュープリントで上映する<フランスがいっぱい>にて上映。 「望郷」は、名優ジャン・ギャバンが粋な犯罪者を演じたラブ・ストーリー。


0-53. 山河遥かなり

監督 フレッド・ジンネマン
出演 モンゴメリー・クリフトアリーン・マクマホンヤルミラ・ノヴォトナウェンデル・コーリーメアリー・パットン
1949年・アメリカ (MGM映画会社)

スイス、チューリッヒのプレゼンス・フィルムがMGMに提供した1947年作品で、製作は 「ジープの4人」のラザール・ベクスラー。事実に基づいてリヒアルト・シュヴァイツァ(ジープの4人)とダフィット・ヴェヒスラァが脚本を書き下ろし(48年アカデミー賞)、 「地上より永遠に」のフレッド・ジンネマンが監督した。撮影のエミル・ベルナ、作曲のロバート・ブランは 「ジープの4人」と同じスタフ。出演者は 「地上より永遠に」のモンゴメリー・クリフト、舞台出のアリーン・マクマホン、 「北の狼」のウェンデル・コーリー、メトロポリタン・オペラのスタア、ヤルミラ・ノヴォトナ、この映画のために発見されたチェコの少年イファン・ヤンドル(48年・アカデミー特別賞)、メァリイ・パットンらである。


0-54. 欲望という名の電車

監督 エリア・カザン
出演 ヴィヴィアン・リーマーロン・ブランドキム・ハンターカール・マルデンルディ・ボンド
1951年・アメリカ (ワーナー日本支社)

1948年度のピュリッツア賞を受けたテネシー・ウィリアムズ 「ガラスの動物園」の同名の戯曲の映画化1951年度作品。 「ガラスの動物園」のチャールズ・K・フェルドマンが製作、原作者ウィリアムズが自ら脚本を書き 「暗黒の恐怖」のエリア・カザンが、部隊初演以来の監督を担当する。撮影は 「踊る海賊」のハリー・ストラドリング、音楽はアレックス・ノースの担当。主演はこの舞台劇をロンドンで演じたヴィヴィアン・リー( 「アンナ・カレニナ」)と、ニューヨーク初演以来のマーロン・ブランド( 「兵隊」)で、助演陣も初演以来のキャストを中心にして、キム・ハンター( 「天国への階段」)、カール・マルデン( 「拳銃王」)、ルディ・ボンド、ニック・デニス、ベグ・ヒリアスらが出演する。なおヴィヴィアン・リー、キム・ハンター、カール・マルデン及び美術監督のリチャード・デイ、装置のジョージ・J・ホプキンスは夫々51年度アカデミー賞を受けた。


0-55. アラバマ物語

監督 ロバート・マリガン
出演 グレゴリー・ペックメアリー・バーダムフィリップ・アルフォードジョン・メグナフランク・オバートン
1962年・アメリカ (日本ユニヴァーサル)

ピューリッツア賞を獲得したハーパー・リーの小説「ものまね鳥を殺すには」をホートン・フートが脚色し、 「九月になれば」のロバート・マリガンが監督した社会ドラマ。撮影は 「ポリアンナ」のラッセル・ハーラン、音楽は 「肉体のすきま風」のエルマー・バーンスタイン。出演者は 「悲愁」のグレゴリー・ペック、新人少女メアリー・バーダム、新人少年フィリップ・アルフォード、ジョン・メグナ、フランク・オバートンなど。製作はアラン・J・パクラ。なおこの映画でグレゴリー・ペックは62年度アカデミー最優秀主演男優賞、脚色者のホートン・フートは最優秀脚色賞、セット美術のオリーバー・エマートは最優秀黒白美術賞を受賞した。


0-56. 或る夜の出来事

監督 フランク・キャプラ
出演 クラーク・ゲーブルクローデット・コルベールウォルター・コノリージェームスン・トーマスアラン・ヘイル
1934年・アメリカ ()

「一日だけの淑女」と同じくスタッフ、監督フランク・キャプラ、脚色ロバート・リスキン、撮影ジョセフ・ウォーカー、に余って製作されたサミュエル・ホプキンス・アダムスの原作を映画化したもの。主役は 「夜間飛行」「紅塵」のクラーク・ゲーブルと 「ブルースを唄う女」「恐怖の四人」のクローデット・コルベールで、共演に 「一日だけの淑女」のウォルター・コノリー、 「紅蘭」のジェームスン・トーマス、 「海の荒鷲」のアラン・ヘイル等。


0-57. 自転車泥棒

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
出演 ランベルト・マッジォラーニエンツォ・スタヨーラ
1948年・イタリア (イタリフィルム=松竹)

「靴みがき」に続いて監督のヴィットリオ・デ・シーカと脚本家のチェザーレ・ザヴァッティーニのコンビが発表したネオレアリズムの代表的傑作である。 「靴みがき」同様素人俳優を起用したもので、この二作によりデ・シーカとザヴァッティーニコンビの映画づくりは完成の域に達した。


0-58. 嵐ヶ丘

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 マール・オベロンローレンス・オリヴィエデイヴィッド・ニーヴンドナルド・クリスプヒュー・ウィリアムズ
1939年・アメリカ (大映洋画部)

「孔雀夫人」「デッド・エンド」「我等の生涯の最良の年」等と同じくサミュエル・ゴールドウィン製作、ウィリアム・ワイラー監督になる1939年度作品。英文学史上の名作の1つに数えられるエミリー・ブロンテの小説よりベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー(「生きてるモレア」)のチームが脚色、 「我等の生涯の最良の年」のグレッグ・トーランドが撮影、 「狐の王子」のアルフレッド・ニューマンが音楽を担当している。主演は 「楽聖ショパン」のマール・オベロン、 「ハムレット」のローレンス・オリヴィエ、 「暁の討伐隊」のデイヴィッド・ニーヴンで、 「ゾラの生涯」のドナルド・クリスプ、 「サラトガ本線」のフローラ・ロブソン、英国より招かれたヒュー・ウィリアムズ、 「ラインの監視」のジェラルディン・フィッツジェラルド、レオ・G・キャロル、マイルス・マンダー、セシル・ケラウェイ、レックス・ダウニング、サリタ・ウートン、ダグラス・スコットなどが助演している。


0-59. 紳士協定

監督 エリア・カザン
出演 グレゴリー・ペックドロシー・マクガイアジョン・ガーフィールドセレステ・ホルムアン・リヴェア
1947年・アメリカ (東宝東和)

反ユダヤ主義に対して果敢な挑戦を行なったジャーナリストの姿を通し、アメリカ社会の恥部を描く。1947年度アカデミー作品賞、監督賞、助演女優賞(セレステ・ホルム)を受賞。製作はダリル・F・ザナック、監督は 「ラスト・タイクーン」のエリア・カザン、原作はローラ・Z・ホブスン、脚本はモス・ハート、撮影はアーサー・ミラー、音楽はアルフレッド・ニューマンが担当。出演はグレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールド、セレステ・ホルムなど。


0-60. 我が道を往く

監督 レオ・マッケリー
出演 ビング・クロスビーリーゼ・スティーヴンスバリー・フィッツジェラルドフランク・マクヒュージェームズ・ブラウン
1946年・アメリカ (セントラル・フィルム・エキスチェンジ)

1945年度のアカデミー賞獲得作品である。 「明日は来らず」の監督たるレオ・マッケリーが原作、監督を担当、フランク・バトラーとフランク・キャヴェットとが共同で脚色したもので、撮影監督は新人ライオネル・リンドンである。主演はパ社の音楽映画でおなじみのビング・クロスビーで、彼はこの映画でアカデミー演技賞を与えられたそうである。彼の相手役は未封切の 「チョコレートの兵隊」でネルソン・エディーの相手をしたメトロポリタン・オペラの新進スター、リーゼ・スティーヴンスで、その他にバリー・フィツジェラルド、フランク・マクヒュー、ジーン・ロックハート、ジーン・ヘザー、ポーター・ホール等が共演する。映画の中で唄われる歌はジミー・ヴァン・ヒューゼン作曲、ジョニー・パーク作詞の “Going My Way “Swing on a Star “The Day After Forever の他に、グノーの 「アヴェ・マリア」、カルメンの 「ハバネラ」、 「アデステ・フイデレス」「静かなる夜、聖なる夜」及びジェイ・アール・シャノン作曲作詞になる “Too-Ra-Loo-Ra-Loo-Ral Ral That's an Irsh Lullaby 等がある。


0-61. グランド・ホテル

監督 エドモンド・グールディング
出演 グレタ・ガルボジョーン・クロフォードウォーレス・ビアリージョン・バリモアライオネル・バリモア
1932年・アメリカ (MGM支社)

1本立てで主演映画を作り得るスターを5名集めたキャストの贅沢さで空前のセンセーションを惹き起こした映画で、ヴィッキ・バウム作の同名の小説を女史自ら劇化したものを映画化したもの。ただしこの映画直接の扮本はウィリアム・A・ドレイク翻案の米国における舞台脚本で、監督には 「月世界征服」「夜の天使」のエドモンド・グールディングが当たり、カメラは 「お気に召すまま」「摩天楼の狼」のウィリアム・ダニエルスの担任である。主要俳優は 「お気に召すまま」のグレタ・ガルボ、 「雨」「蜃気楼の女」のジョーン・クローフォード、 「チャンプ」「肉体」のウォーレス・ビアリー、 「アルセーヌ・ルパン」のジョン・バリモアおよび 「男子戦はざる可らず」のルイス・ストーン、 「ビール万歳」のジーン・ハーショルト、この他バーネル・ブラット、ロバート・マクウェード、モーガン・ウォーレス、タリー・マーシャル、フェルディナンド・ゴットシャルク等も出演している。


0-62. 戦場よさらば

監督 フランク・ボーゼージ
出演 ヘレン・ヘイズゲイリー・クーパーアドルフ・マンジュウメアリー・フィリップスジャック・ラルー
1932年・アメリカ (パラマウント支社)

戦争文学として名高いアーネスト・ヘミングウェイ作の同名の小説を映画化したもので、 「夜の看護婦」「世界とその男」のオリヴァー・H・P・ギャレットが 「マタ・ハリ」「明暗二人女」のベンジャミン・グレイザーと共同脚色し、 「バッド・ガール」「ヤング・アメリカ」のフランク・ボーゼージが監督に当り、 「地下の雷鳴」「恋愛百科全書」のチャールズ・ラングが撮影を担当している。主演者は 「マデロンの悲劇」ヘレン・ヘイズ、 「百万円貰ったら」「悪魔と深海」のゲイリー・クーパーで 「モロッコ」「ニュウ・ムーン」「犯罪都市」のアドルフ・マンジュウを始め、 「巴里の丑満時」のジャック・ラルー、メアリー・フィリップス、ブランシュ・フレデリシ、メアリー・フォーブス、ギルバート・エメリー等が助演している。


0-63. ボー・ジェスト

監督 ウィリアム・A・ウェルマン
出演 ゲイリー・クーパーレイ・ミランドロバート・プレストンブライアン・ドンレヴィスーザン・ヘイワード
1939年・アメリカ (パラマウント日本支社)

英国作家パーシヴァル・クリストファー・レンの原作小説(1924年)の再映画化で、アフリカ外国人部隊に身を投じた3人兄弟の愛情を描くもの。 「戦場」のウィリアム・ウェルマンが製作・監督に当たった1939年作品。脚色は 「猛獣と令嬢」のロバート・カースン、撮影はテオドル・スパークールとアーチー・スタウトの担当。出演者は 「誰が為に鐘は鳴る」ノゲイリー・クーパー、 「絶海の嵐」のレイ・ミランド、 「荒野の三悪人」ノロバート・プレストン、 「暴力帝国」のブライアン・ドンレヴィ、 「愛欲の十字路」のスーザン・ヘイワード、 「アニーよ銃をとれ」のJ・キャロル・ナイシュ、 「栄光の星の下に」のブロデリック・クロフォードらである。


0-64. モロッコ

監督 ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演 ゲイリー・クーパーマレーネ・ディートリッヒアドルフ・マンジュウウルリッヒ・ハウプトジュリエット・コンプトン
1930年・アメリカ (パラマウント支社)

ドイツに赴いて 「嘆きの天使」を作ったジョセフ・フォン・スタンバーグが滞欧1ヵ年の後、再び帰米して監督にあたった映画。ベノ・ヴィグニー原作の舞台劇 「エーミー・ジョリイ」より 「女の一生」「非常線」「紐育の波止場」のジュールス・ファースマンが改作脚色し 「煩悩」「彼の捕えし女」のリー・ガームスが撮影した。主なる出演者は 「嘆きの天使」のマルレーネ・デートリッヒ、 「掠奪者」「テキサス無宿」のゲイリー・クーパー 「虎御前」「コンサート」のアドルフ・マンジュウ、 「快走王」「危険なる楽園」のフランシス・マクドナルド 「鉄仮面」「グリーン家の惨劇」のウルリッヒ・ハウプト、ジュリエット・コンプトン、アルバート・コンティ、イヴ・サザーン等で、パ社は本誌の田村幸彦氏をニューヨークに招きその翻訳になる邦文字幕を最初の試みとしてこの映画に挿入している。


0-65. 群衆

監督 フランク・キャプラ
出演 ゲイリー・クーパーバーバラ・スタンウィックエドワード・アーノルドウォルター・ブレナンスプリング・バイントン
1941年・アメリカ (NCC)

「或夜の出来事」「オペラ・ハット」等と同じくフランク・キャプラ=ロバート・リスキンのコンビになる1941年度映画で、製作には監督のキャプラ自身が当たってウォーナー・スタジオで撮影された。リチャード・コネルとロバート・プレスネルの原作からリスキンが脚色、撮影は 「レベッカ」のジョージ・バーンズ、音楽は 「西部の男」のディミトリ・ティオムキン。 「征服されざる人々」のゲイリー・クーパー、 「第二の妻」のバーバラ・スタンウィックを中心に、 「夢みる少女」のエドワード・アーノルド、 「北西への道」のウォルター・ブレナン、 「気まぐれ天使」のジェームズ・グリースン、 「呪われた城」のスプリング・バイントン、 「Gメン対間諜」のジーン・ロックハートらが共演する。


0-66. カサブランカ

監督 マイケル・カーティズ
出演 ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマンポール・ヘンリードクロード・レインズコンラート・ファイト
1942年・アメリカ (セントラル・モーション・ピクチュア・エキスチェンジ)

ウォーナア・ブラザース社ファースト・ナショナル1942年度製作で、43年映画アカデミー作品賞及監督賞を得た作品。マレイ・バネット及ジョアン・アリスン合作舞台劇から、ジュリアス・J及びフィリップ・G両エプスタインとハワアド・コホの3名が共同脚色し、古く欧州映画界から渡米し、ウォーナー・ブラザアス社で大衆的作品に腕を振っていた老練マイケル・カーテイスが監督に当り、これも老巧のアーサア・エディスシが撮影を担当している。出演者は、スウエデン映画界のスタアで、 「間奏楽」によってアメリカ映画界にデビューし、以来、 「アダムには4人の息子があった」「天国の怒り」「ジキル博士とハイド氏」「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」「ガスライト」(アカデミー演技賞獲得) 「サラトガ本線」「セント・メリィ寺院の鐘」「呪縛」等に出演し、今日最高の人気を持つイングリッド・バーグマンと、 「デッド・エンド」等で知られたハンフリー・ボガートと英国の舞台を経てニューヨークの劇壇から映画入りをした新人ポール・ヘンリードの3人が主演し、 「透明人間」等のクロード・レインズ、ドイツ映画界で 「M」等に主演し後渡米して活躍中のピーター・ローレ、最近評判の傍役シドニー・グリーンストリート、ドイツ映画界の名優コンラード・ファイト等が助演するほか、S・サコール、マドレーヌ・ル・ボオ、ドーリー・ウィルソン、ヘルムート・ダンティーン、マルセル・グリオ、カート・ボイス、コリンヌ・ムラ、レオニード・キンスキイ、ジョン・クェーレン等の老練、中堅、新人が顔を並べている。


0-67. 邂逅めぐりあい

監督 レオ・マッケリー
出演 シャルル・ボワイエアイリーン・ダン
1939年・アメリカ ()

レオ・マッケリーが製作監督した恋愛ドラマで、当時原題のLove Affairが風紀上よろしくないというので、わざわざ日本版の題名をSincerityに改題した。なおマッケリーは戦後の1957年にケイリー・グラント、デボラ・カー主演で再映画化し、 「めぐり逢い」の題名で日本でも公開した。


0-68. 終着駅

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
出演 ジェニファー・ジョーンズモンゴメリー・クリフトディック・デイマージーノ・チェルヴィパオロ・ストッパ
1953年・アメリカ (松竹)

「ミラノの奇蹟」のヴィットリオ・デ・シーカがセルズニックと提携して製作にあたり、デ・シーカが監督した米伊合作1953年作品。チェザーレ・ザヴァッティーニのストーリーを、彼自身にルイジ・キャリーニとジォルジオ・プロスペリが協力して脚色し、英語の台詞は米国の作家トルーマン・カポーティが書いた。撮影は 「ミラノの奇蹟」のG・R・アルド、音楽はアレッサンドロ・チコニーニの担当。主演は 「陽のあたる場所」のモンゴメリー・クリフトと 「女狐」のジェニファー・ジョーンズで、子役ディック・ディマー、 「雲の中の散歩」のジーノ・チェルヴィ、 「7つの大罪」のパオロ・ストッパが助演する。


0-69. 魔術の恋

監督 ジョージ・マーシャル
出演 トニー・カーティスジャネット・リートリン・サッチャーアンジェラ・クラークステファン・シュナーベル
1953年・アメリカ (パラマウント映画会社)

1代の魔術王と呼ばれたハリー・フーディニ(1874〜1926)の伝記を劇映画化したもので 「宇宙戦争」のジョージ・パル製作による1953年作品。ハロルド・ケロックの 「フウディニ伝」から 「探偵物語」のフィリップ・ヨーダンが脚色、 「燃える幌馬車」のジョージ・マーシャルが監督した。撮影は 「月蒼くして」のアーネスト・ラズロ、音楽はロイ・ウェッブの担当。フウディニには 「命を賭けて」のトニー・カーティスが扮し、 「裸の拍車」のジャネット・リーが共演、以下 「第17捕虜収容所」のシグ・ルーマン、 「キリマンジャロの雪」のトリン・サッチャー、アンジェラ・クラークらが助演する。


0-70. 巴里のアメリカ人

監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 ジーン・ケリーレスリー・キャロンオスカー・レヴァントジョルジュ・ゲタリーニナ・フォック
1951年・アメリカ (MGM日本支社)

1951年度のアカデミー作品賞をはじめ、8つの部門に受賞したテクニカラーのダンス・ミュージカル映画で、ジョージ・ガーシュウィン作曲の 「巴里のアメリカ人」を主題とした作品。製作は 「ショウ・ボート」のアーサー・フリード、監督は 「若草の頃」「花嫁の父」のヴィンセント・ミネリ、脚本は作曲家出身で、近年M・G・Mと契約 「宮廷結婚式」などのシナリオを書いたアラン・ジェイ・ラーナーのオリジナル。使用歌曲はすべてジョージ・ガーシュウィン作曲、アイラ・ガーシュイン作詞のもので、音楽監督はジョニー・グリーンとソウル・キャプラン。撮影監督はアルフレッド・ギルクス、バレー場面の撮影はジョン・アルトン、美術監督はセドリック・ギボンスとプレストン・エイムズが夫々担当する。主演は 「踊る大紐育」のジーン・ケリー(この作品の舞踏振付けも担当)と彼がフランスで発見したシャンゼリゼ・バレーの踊り子レスリー・キャロンで、それにフランス人歌手ジョルジュ・ゲタリー、ピアニストのオスカー・レヴァント、ニナ・フォック、ユージン・ボーデンらが出演する。


0-71. スイング・ホテル

監督 マーク・サンドリッチ
出演 ビング・クロスビーフレッド・アステアマージョリー・レイノルズヴァージニア・デールルイス・ビーヴァース
1942年・アメリカ ()

我が道を往く」のビング・クロスビーと 「カッスル夫妻」の フレッド・アステアが主演する歌と踊りにつづられた音楽映画。音楽は 「世紀の楽園」のアーヴィング・バーリン作詞作曲し、映画も彼の原案に基づき、劇作家エルマー・ライスが書き上げ、 「トップ・ハット」のマーク・サンドリッチが監督製作したものである。ダンス振付はダニー・デーア、撮影はデイヴィッド・エーベルの担任。助演ではマージョリー・レイノルズ、ヴァージニア・デールの二新人と、 「三銃士」のウオルター・エイベルが活躍する。


0-72. ブロードウェイ・メロディー

監督 ハリー・ボーモン
出演 アニタ・ペイジベッシー・ラブチャールズ・キングジェッド・プラウティーケネス・トンプソン
1929年・アメリカ (MGM)

アンナ・カレーニナ」「三人の踊子」等の監督者エドモンド・グールディング氏が書下ろしたストーリーに基づきサラー・メーソン女史が撮影基本を作り 「踊る娘たち」「本町通り」のハリー・ボーモン氏が監督したもの。主役を演ずるのは 「踊る娘たち」「世界に告ぐ」のアニタ・ペイジ嬢と 「情焔の曲」「人類の破滅」のベシー・ラブ嬢とニューヨークミュージカル・コメディーの俳優チャールズ・キング氏の3人で、他にジェッド・プラウティー氏、ケネス・トンプソン氏、エドワード・ディロン氏、メアリー・ドーラン嬢、エディ・ケーン氏が助演している。カメラは 「風」「活動役者」のジョン・アーノルド氏が担任。


0-73. 踊る大紐育

監督 スタンリー・ドーネン
出演 ジーン・ケリーフランク・シナトラベティ・ギャレットアン・ミラージュールス・マンシュイン
1949年・アメリカ (セントラル)

「踊る海賊」のアーサー・フリードが製作しジーン・ケリイが主演と共同監督を受け持つ1949年度色彩ミュージカル。アドルフ・グリーンとベティ・カムデンの原作音楽劇から原作者が脚色しケリイとともに振付家スタンリー・ドーネンが監督している。撮影は 「大編隊」のハロルド・ロッソン、音楽は舞台におけるレナード・バーンスタインのバレエ音楽からレニイ・ヘイトンが監督している。主演はジーン・ケリイのほか、 「奇蹟の鐘」のフランク・シナトラ、 「イースター・パレード」のアン・ミラア、ベテイ・ガアレット、ヴエラ・エレン、ジュールス・マンシュインらの舞台人が活躍する。


0-74. 誰が為に鐘は鳴る

監督 サム・ウッド
出演 ゲイリー・クーパーイングリッド・バーグマンエイキム・タミロフアルトゥーロ・デ・コルドヴァジョゼフ・キャレイア
1943年・アメリカ (パラマウント日本支社)

アーネスト・ヘミングウェイ( 「破局」)の同名の長篇小説を色彩映画化した1943年作品。B・G・デシルヴァが製作指揮し、 「アパッチ族の最後」のサム・ウッドが製作、監督に当たった。脚色は 「駅馬車」のダドリー・ニコルズ、撮影は 「ネブラスカ魂」のレイ・レナハン、音楽は 「旅愁」のヴィクター・ヤングの担当である。主演派 「ダラス」のゲイリー・クーパーと 「白い恐怖」のイングリッド・バーグマンで、以下エイキム・タミロフ、 「情炎の海」のアルチュロ・デ・コルドヴァ、 「ヴァレンチノ」のジョセフ・カレイア、 「渡洋爆撃隊」のウラジミル・ソコロフ、本作品でアカデミー助演賞を得たカティナ・パクシヌーらが助演する。


0-75. わが家の楽園

監督 フランク・キャプラ
出演 ジーン・アーサーライオネル・バリモアジェームズ・スチュアートエドワード・アーノルドミッシャ・オウア
1938年・アメリカ (コロムビア映画)

「失はれた地平線」に次ぐフランク・キャプラ監督作品で、ジョージ・S・カウフマンとモス・ハートが合作した舞台喜劇を映画化したものである。脚本ロバート・リスキン、音楽ディミトリ・ティオムキン、撮影ジョセフ・ウォーカーその他のスタッフもことごとく 「失はれた地平線」と同じである。出演者は 「オペラ・ハット」「街は春風」のジーン・アーサー、 「噫初恋」「椿姫」のライオネル・バリモア、 「海の若人」「第七天国」のジェームズ・スチュアート、 「街は春風」「富豪一代」のエドワード・アーノルドをはじめ、 「恋のみちぐさ」のミッシャ・オーア 「靴を脱いだ女」のアン・ミラー、 「海賊」のスプリング・バイトン、 「ステージ・ドア」のサミュエル・S・ハインズ、 「富豪一代」のドナルド・ミーク、H・B・ワーナー、ハリウェル・ホッブス、ダッグ・テイラー、メアリー・フォーブスその他の面々である。


0-76. 陽のあたる場所

監督 ジョージ・スティーヴンス
出演 モンゴメリー・クリフトエリザベス・テイラーシェリー・ウィンタースキーフ・ブラッセルフレッド・クラーク
1951年・アメリカ (パラマウント日本支社)

シオドア・ドラーサーの原作小説 「アメリカの悲劇」の映画化(2度目。前作はジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督)で、 「ママの思い出」のジョージ・スティーヴンスが製作及び監督に当たった1951年作品。 「勇者のみ」のハリー・ブラウンとマイケル・ウィルスンが脚色し、撮影はウィリアム・C・メラー( 「シンガポール珍道中」)、作曲はフランツ・ワックスマン 「青いヴェール」の担当。主演は 「赤い河」のモンゴメリー・クリフト、 「緑園の天使」の 「その男を逃すな」のシェリー・ウィンタースの3人で、アン・リヴィア 「永遠のアンバー」、新進キーフ・ブラッセル、フレッド・クラーク、レイモンド・バー、ハーバート・ヘイスらが助演する。なお本作品は、51年度アカデミー監督賞、脚色賞、黒白撮影賞、作曲賞、編集賞、編集賞、黒白衣装デザインと6つのオスカーを獲得した。


0-77. わが谷は緑なりき

監督 ジョン・フォード
出演 ウォルター・ピジョンモーリーン・オハラドナルド・クリスプアンナ・リーロディ・マクドウォール
1941年・アメリカ (セントラル)

ダリル・F・ザナック製作になる1941年度作品で、 「荒野の決闘」「果てなき航路」のジョン・フォードが監督し、同年のアカデミー作品賞、監督賞、撮影賞、男優助演賞、美術賞、装置賞をうけた傑作。リチャード・レウエリンのベスト・セラー小説より、 「ボストン物語」のフィリップ・ダンが脚色し、 「呪われた城」のアーサー・ミラーが撮影、音楽は 「嵐ケ丘」のアルフレッド・ニューマンが書いた。 「奥様武勇伝」のウォルター・ピジョン、 「西部の王者」のモーリン・オハラ、 「嵐ケ丘」のドナルド・クリスプ、 「幽霊と未亡人」のアンナ・リー、 「激闘」のロディ・マクドウォール、 「旧友」のジョン・ローダー、 「果てなき航路」のバリー・フィッツジェラルド、 「凸凹探偵の巻」のパトリック・ノウルズ、 「熱血児」のアーサー・シールズ等が出演している。


0-78. 禁じられた遊び

監督 ルネ・クレマン
出演 ブリジット・フォッセージョルジュ・プージュリーリュシアン・ユベールスザンヌ・クールタルジャック・マラン
1952年・フランス (東和)

「ガラスの城」のルネ・クレマンが監督した一九五二年作品。戦争孤児になった一少女と農家の少年の純心な交情を描くフランソワ・ボワイエの原作小説を、 「肉体の悪魔」のコンビ、ジャン・オーランシュとピエール・ボスト、それにクレマンが共同で脚色した。台詞はオーランシュ、ボスト、原作者ボワイエの三人。撮影は 「ドイツ零年」のロベール・ジュイヤール、音楽はナルシソ・イープスの担当。出演者はクレマンが見出したブリジット・フォッセーとジョルジュ・プージュリーの二人の子役を中心に、リュシアン・ユベール、スザンヌ・クールタル、ジャック・マラン、ローレンス・バディら無名の人たち。なお、この作品は五二年のヴェニス映画祭のグラン・プリとアカデミー外国映画賞を受賞した。


0-79. 百万長者と結婚する方法

監督 ジーン・ネグレスコ
出演 マリリン・モンローベティー・グレイブルローレン・バコールデイヴィッド・ウェインロリー・カルホーン
1953年・アメリカ (20世紀フォックス極東)

聖衣」につぐ20世紀フォックスのシネマスコープ第2回作品(1953年)で、 「砂漠の鬼将軍」のナナリー・ジョンソンが製作に当ったテクニカラーのコメディ。ゾー・エイキンス、デール・ユンソン、カサリーン・アルバート共作の戯曲を製作者ジョンスンが脚色し、 「人生模様(第3話)」のジーン・ネグレスコが監督した。撮影は 「拾った女」のジョー・マクドナルド、音楽は 「聖衣」のアルフレッド・ニューマンの担当。主演は 「紳士は金髪がお好き」のマリリン・モンロウ、 「ロッキーの春風」のベティー・グレイブル、 「キーラーゴ」のローレン・バコールで、デイヴィッド・ウェイン 「わが心に歌えば」、キャメロン・ミッチェル 「綱渡りの男」、ロリー・カルホーン 「わが心に歌えば」、アレクサンダー・ダーシー 「綱渡りの男」、フレッド・クラーク 「陽のあたる場所」、ウィリアム・パウエル 「彼と人魚」らが共演している。


0-80. スタア誕生

監督 ウィリアム・A・ウェルマン
出演 ジャネット・ゲイナーフレドリック・マーチアドルフ・マンジュウメイ・ロブソンアンディ・デヴァイン
1937年・アメリカ ()

「沙漠の花園」に次いでデイヴィッド・O・セルズニックが制作したテクニカラー映画で、色彩デザインもカメラも 「沙漠の花園」同様L・C・ホルデンおよびハワード・グリーンがそれぞれ担当した。主演は 「四つの恋愛」「小都会の女」のジャネット・ゲイナーと 「復活」「ダアク・エンゼル」のフレドリック・マーチで、 「オーケストラの少女」「銀盤の女王」のアドルフ・マンジュウ、 「妻と女秘書」のメイ・ロブソン、 「オペラ・ハット」のライオネル・スタンダー 「ビック・ゲーム」のアンディ・ディバイン、新顔のエリザベス・ジェンス等が助演している。監督は 「小都会の女」「ロビンフッドの復讐」のウィリアム・A・ウェルマンで、ストーリーはウェルマンがロバート・カースンと共作し、脚本はカースンがドロシー・パーカー、アラン・キャンベルと協力して書いた。


0-81. 郵便配達は二度ベルを鳴らす

監督 ルキノ・ヴィスコンティ
出演 マッシモ・ジロッティクララ・カラマイジュアン・デ・ランダエリオ・マルクッツォディーア・クリスターニ
1942年・イタリア (インターナショナル・プロモーション)

ファシスト体制下の社会の底辺でうごめく人々の、反ファシズム性と扇情的な愛の力強さを描く。製作はリベーロ・ソラローリ、監督は 「イノセント」のルキノ・ヴィスコンティ。ジェームズ・ケインの原作をヴィスコンティ、マリオ・アリカータ、ジュゼッペ・デ・サンティス、ジャンニ・プッチーニ、アントニオ・ピエトランジェリが脚色。撮影はアルド・トンティとドメニコ・スカラ、音楽はジョゼッペ・ロサーティが各々担当。出演はマッシモ・ジロッティ、クララ・カマライ、ジュアン・デ・ランダ、エリオ・マルクッツォ、ディーア・クリスターニなど。


0-82. 楽聖ショパン

監督 チャールズ・ヴィダー
出演 ポール・ムニマール・オベロンコーネル・ワイルドスティーブン・ベカッシーニナ・フォック
1945年・アメリカ ()

ショパン伝の色彩映画で 「別れの曲」のエルンスト・マリシュカの原作を、 「幽霊ニューヨークを歩く」のシドニー・バックマンが脚色し、 「再会」「生きてる死骸」のチャールズ・ヴィダーが監督に当たり、 「ゾラの生涯」「恐ろしき結婚」のトニー・ゴーディオと 「西部魂」のアレン・M・デーヴィと共同して撮影を監督した1944年作品である。主演は 「ゾラの生涯」「科学者の道」のポール・ムニ 「誤解」「謎の下宿人」のマール・オベロン 「氷上の花」のコーネル・ワイルドで、 「ラインの監視」のジョージ・コーロリス、新人のニーナ・フォック及びスティーブン・ベカッシー 「春の序曲」のシグ・アーノ其他が助演している。音楽はショパンの曲を 「二重生活」のミクロス・ローザが編曲した。


0-83. ゾラの生涯

監督 ウィリアム・ディターレ
出演 ポール・ムニジョゼフ・シルドクラウトゲイル・ソンダーガードグローリア・ホールデンドナルド・クリスプ
1937年・アメリカ ()

フランスの文豪ゾラの生涯とドレフュス事件を大きく扱った伝記映画で、 「科学者の道」と同じくポール・ムニが主演し、ウィリアム・ディーターレーが監督したものである。マシュウ・ジョセフスンの 「ゾラとその時代」に取材して、ハインツ・ヘラルドとゲザ・ハーゼッグがストーリーを書き、この二人にノーマン・ライリー・レインが加わって脚本を執筆している。主演のムニをめぐって 「桃色の店」のジョセフ・シルドクラウト、 「クリスマスの休暇」のゲイル・ソンダーガード、 「呪いの家」のドナルド・クリスプ、 「どん底」のウラジミル・ソコロフ、 「町の人気者」のヘンリー・オニール、 「アメリカ交響楽」のモーリス・カーノフスキー、グローリア・ホールデン、エリン・オブライエン・ムーア、ルイス・カルハーン、ロバート・パラットらが主要な役を演じている。撮影は 「恋の十日間」のトニー・ゴーディオが指揮した。この映画は1937年度アカデミー賞の作品賞、脚本賞、助演男優賞を得た大作である。


0-84. ハムレット

監督 ローレンス・オリヴィエ
出演 ローレンス・オリヴィエベイジル・シドニーアイリーン・ハーリーノーマン・ウーランドジーン・シモンズ
1947年・イギリス ()

「ヘンリー五世」に次いでローレンス・オリヴィエが製作・監督・主演したシェイクスピア劇映画で、フィリッポ・デル・ジュウディテェが製作指揮に任じた一九四七年作品。装置と衣装は 「ヘンリー五世」の衣装デザイナーのロジャー・ファースがカーメン・ディランの協力を得て担当し、撮影は 「ハングリー・ヒル」のデスモンド・ディキンソン、音楽は 「ヘンリー五世」と同じくウィリアム・ウォルトンが作曲し、演奏はフィルハーモニア・オーケストラである。台本編修も同様アラン・デントが受持っている。オリヴィエのハムレットを囲って 「大いなる遺産」のジーン・シモンズ。シェイクスピア劇俳優のベイジル・シドニー及びノーマン・ウーランド、 「双頭の鷲」の舞台に出演したアイリーン・ハーリー、 「ミスター人類」の舞台にオリヴィエを助演したテレンス・モーガン、 「ヘンリー五世」のフェリックス・エイルマー、ジョン・ローリー、エズモンド・ナイト及びハーコート・ウィリアムス、 「逢びき」のスタンリー・ホロウェイ、その他ピーター・カッシング、アンソニー・クェイル、ラッセル・ソーンダイッ等が出演する。


0-85. ジュリアス・シーザー

監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演 マーロン・ブランドジェームズ・メイソンジョン・ギールグッドルイス・カルハーンエドモンド・オブライエン
1953年・アメリカ (MGM映画会社)

ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ジュリアス・シーザー」の映画化で、 「五本の指」のジョセフ・L・マンキーウィッツが監督に当たった1953年作品。製作は 「悪人と美女」のジョン・ハウスマン。 「愛の決断」のジョセフ・ルッテンバーグが撮影を、 「悲恋の女王エリザベス」のミクロス・ローザが音楽を担当。出演者は 「革命児サパタ」のマーロン・ブランド、 「ゼンダ城の虜」のジェームズ・メイスン、英劇壇のジョン・ギールグッド、 「ゼンダ城の虜」のルイス・カルハーン、 「拳銃無情」のエドモンド・オブライエン、 「愛の決断」のグリア・ガースン、 「地上より永遠に」のデボラ・カー、 「探偵物語」のジョージ・マクレディ、 「血闘」のリチャード・ヘイル、 「悲恋の女王エリザベス」のアラン・ナビア、マイケル・ペイトら。


0-86. グレン・ミラー物語

監督 アンソニー・マン
出演 ジェームズ・スチュアートジューン・アリソンヘンリー・モーガンチャールズ・ドレイクマリオン・ロス
1954年・アメリカ (日本ユニヴァーサル映画会社)

怒りの河」「雷鳴の湾」のトリオ、製作アーロン・ローゼンバ ーグ、監督アンソニー・マン、主演ジェームズ・スチュアートによるテクニカラーの音楽映画1953年作品で、バンド・リーダーとしてまたトロンボーン奏者として高名の故グレン・ミラーの生涯を描く。脚本は 「夫は偽物」のヴァレンタイン・デイヴィース、撮影は 「雷鳴の湾」のウィリアム・ダニエルス、音楽監督はジョセフ・ガーシェンソンの担当。共演者はMGMをはなれたジューン・アリソン、 「白昼の脱獄」のヘンリイ・モーガン、 「ウィンチェスター銃'73」のチャールズ・ドレイク、マリオン・ロス、ジョージ・トビアス、シグ・ルーマンらで、それにルイ・アームストロング、ジーン・クルーパ、ベン・ポラックらのジャズメンが特別出演する。


0-87. 夜も昼も

監督 マイケル・カーティズ
出演 ケーリー・グラントアレクシス・スミスモンティ・ウーリージニー・シムズジェーン・ワイマン
1946年・アメリカ (セントラル)

カサブランカ」「カンサス騎兵隊」のマイケル・カーティズが監督した1946年度作品で、現在アメリカのミュージカル作家として第一流の名声をもつコール・ポーターの半生と作品を主題としたテクニカラー音楽映画。作家のジャック・モフィットの書下しより、 「婿探し百万弗」のチャールズ・ホフマン、 「凸凹西部の巻」のウィリアム・バワーズがレオ・タウンゼントと共同脚本を書き、 「父との生活」のペヴァレル・マーレーがウィリアム・V・スコールと撮影を担当、レイ・ハインドーフがポーターの作品の編曲、追加作曲はマックス・スタイナーが行なった。出演俳優は 「恋はかくの如し」のケーリー・グラント、 「アメリカ交響楽」のアレクシス・スミス、 「浮世はなれて」のモンティ・ウーリイ、 「ジョニー・ベリンダ」のジェーン・ワイマン、 「処女読本」のイヴ・アーデンや歌手のジニー・シムズ、カルロス・ラミレス、それに 「オペレッタの女王」のメアリー・マーティン等である。


0-88. キューリー夫人

監督 マーヴィン・ルロイ
出演 グリア・ガースンウォルター・ピジョンヘンリー・トラヴァースアルバート・バッサーマンロバート・ウォーカー
1943年・アメリカ (セントラル・フィルム・エキスチェンジ)

ラジウムの発見者たるキューリー夫人の伝記は、夫人の娘イヴ・キューリーによって出版され、既に我国にも邦訳があるが、この映画はその伝記に基づいてポール・オスボーンとポール・H・ラモウの2人が脚色し、マーヴィン・ルローイが監督に当たったものである。主役は未紹介の 「ミニヴァー夫人」「さよならチップスさん」「泥中の花」等に主演したグリア・ガースン、 「ミニヴァー夫人」「泥中の花」等に主演したウオルター・ビジョンで、ラジオから映画入りをしたロバート・ウォーカーが初主演するほかアルバート・バッサーマン、C・オープリー・スミス、ヴィクター・フランサン等のヴェテラン及び、最近M・G・M映画で、名子役として売出しているマーガレット・オブライエンが出演する。珍らしいことには 「さよならチップスさん」「失はれた地平線」等の著者たるジェームズ・ヒルトンが映画中で説明をする。カメラは老練ジョセフ・ルッテンバーグ。


0-89. ローマの休日

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グレゴリー・ペックオードリー・ヘップバーンエディ・アルバートハートリー・パワーハーコート・ウィリアムス
1953年・アメリカ (パラマウント映画会社)

「偽りの花園」「黄昏」のウィリアム・ワイラーがローマに出向いて製作監督した1953年作品で、王女と新聞記者の恋愛を描くコメディ。原作はアイアン・マクラレン・ハンター、脚色は原作者と 「死せる恋人に捧ぐる悲歌」のジョン・ダイトンとの共同である。 「ギャングを狙う男」のフランク・プレイナーと 「禁断の木の実」のアンリ・アルカンが協力して撮影監督にあたり、 「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・オーリックが音楽を担当した。主演は 「愛の決断」のグレゴリー・ペックと、初主演のこの映画でアカデミー主演女優賞をえたオードリー・ヘップバーンで、これに 「黄昏」のエディ・アルバートがつきあい、以下ハートリー・パワー、ハーコート・ウィリアムス 「36時間」、マーガレット・ローリングス、チュリオ・カルミナチ 「悪魔の美しさ」、パオロ・カルリーニなど英伊の俳優が助演している。なお、 「貴方は若すぎる」の監督ピエロ・ムゼッタが助監督としてスタッフに加っている。


0-90. 旅愁

監督 ウィリアム・ディターレ
出演 ジョーン・フォンテーンジョゼフ・コットンフランソワーズ・ロゼージェシカ・タンディロバート・アーサー
1950年・アメリカ (パラマウント日本支社)

イタリイを舞台にした恋愛メロドラマ1950年作品で、製作は 「欲望の砂漠」のハル・B・ウォリス、監督は 「ジェニーの肖像」のウィリアム・ディーターレ。フリッツ・ロッターの原作より 「別働隊」のロバート・ソーレンが脚色、撮影は 「囁きの木陰」のチャールズ・ラング・ジュニア、欧州ロケの撮影は 「殺人幻想曲」のヴィクター・ミルナー、作曲は 「テキサス決死隊」のヴィクター・ヤングの担当。主演は 「白昼の決闘」のジョセフ・コットンと 「レベッカ」のジョーン・フォンテーンの初顔合せで、 「女だけの都」「宝石館」などのフランソワーズ・ロゼエ(アメリカ映画初出演)、 「モナリザの微笑」のジェシカ・タンディ、 「頭上の敵機」のロバート・アーサー、ジミー・リンドンらが助演。なお、主題歌 「セプテンバー・ソング」は10年前のブロードウェイ・ショウのヒット・ソングで、故ウォルター・ヒューストンの吹き込み。


0-91. 哀愁

監督 マーヴィン・ルロイ
出演 ヴィヴィアン・リーロバート・テイラールシル・ワトソンヴァージニア・フィールドマリア・オースペンスカヤ
1940年・アメリカ ()

「響け凱歌」で共演した 「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リーと 「椿姫」のロバート・テイラーが顔を合せての主演映画で1941年作品。ロバート・E・シャーワッド作の舞台劇「ウォータルー橋」の2度目の映画化(1度目は 「ウォタルウ橋」'31)で 「征服」のS・N・ベールマン、 「キューリー夫人」のハンス・ラモー及び 「心の旅路」のジョージ・フローシェルが協力脚色し 「心の旅路」「キューリー夫人」のマーヴィン・ルロイが監督した。撮影は 「ガス燈」「心の旅路」のジョゼフ・ルッテンバーグが指揮し、音楽は 「育ち行く年」のハーバート・ストサートが作曲している。 「剃刀の刃」のルシル・ワトソン、 「勝鬨」のヴァージニア・フィールド、 「征服」のマリア・オースペンスカヤ、 「キューリー夫人」のC・オーブリー・スミス等が共演。


0-92. 心の旅路

監督 マーヴィン・ルロイ
出演 ロナルド・コールマングリア・ガースンフィリップ・ドーンスーザン・ピータースヘンリー・トラヴァース
1942年・アメリカ ()

「失はれた地平線」「チップスさん左様なら」のジェームズ・ヒルトン作の小説の映画化で主役は 「キューリー夫人」のグリア・ガースンと 「消え行く灯」のロナルド・コールマンが勤める。 「大地」のクローディン・ウェストが、ジョージ・フローシェル、 「紅はこべ」のアーサー・ウインベリスと協力して脚本を書き 「キューリー夫人」と同じくマーヴィン・ルロイ監督、シドニー・A・フランクリン製作、ジョゼフ・ルッテンバーグ撮影のスタッフによってものにされた。助演は新人フィリップ・ドーン及びスーザン・トラヴァース、レジナルド・オーウェン、ライス・オコナーその他で、ピータースを除けば全部英国俳優のキャストである。


0-93. 風と共に去りぬ

監督 ヴィクター・フレミング
出演 ヴィヴィアン・リークラーク・ゲーブルオリヴィア・デ・ハヴィランドレスリー・ハワードイヴリン・キース
1939年・アメリカ (MGM日本支社)

「白昼の決闘」「ジェニーの肖像」などの製作者デイヴィッド・O・セルズニックが1939年に完成した長編テクニカラー作品(上映時間228分)で、ベストセラーになったマーガレット・ミッチェル原作小説の映画化。監督は 「ジャンヌ・ダーク」のヴィクター・フレミング、脚本はシドニー・ハワードの担当。撮影は 「テレヴィジョンの王様」のアーネスト・ホーラーで、レイ・レナハン( 「白銀の嶺」)とウィルフリッド・M・クライン( 「二人でお茶を」)が色彩撮影に協力している。作曲はマックス・スタイナー、美術監督はリール・ホイラーが当たっている。主演は 「欲望という名の電車」のヴィヴィアン・リーと 「栄光の星の下に」のクラーク・ゲイブルで、 「女相続人」のオリヴィア・デ・ハヴィランド、レスリー・ハワード、イヴリン・キース( 「千一夜物語」)、トーマス・ミッチェル( 「夢見る少女」)、バーバラ・オニール( 「扉の蔭の秘密」)、アン・ルザーフォード( 「虹を掴む男」)、ジョージ・リーヴス、フレッド・クラインらが助演する。なおこの作品は1939年度アカデミー作品賞をはじめ監督、主演女優、助演女優、脚色、色彩撮影、美術監督、編集、サルバーグ記念、特別と10の賞を獲得した。


0-94. 若草物語

監督 マーヴィン・ルロイ
出演 ジューン・アリソンピーター・ローフォードマーガレット・オブライエンエリザベス・テイラージャネット・リー
1949年・アメリカ (MGM=セントラル)

アメリカの家庭小説の名作といわれるルイザ・メイ・オルコットの 「リツル・ウイメン」の映画化で、 「哀愁」「心の旅路」のマーヴィン・ルロイが、テクニカラー色彩映画として製作監督した1949年作品。脚本は、1934年にRKOラジオで映画化された時のサラ・Y・メイソン、ヴィクター・ヒアマンのチームに、アンドルウ・ソルトが協力して執筆、撮影は 「女の顔」のロバート・ブランク、 「悪漢バスコム」のチャールズ・エドガー・シェーンバウム、音楽はアドルフ・ドイッチェの作曲である。主演は 「秘めたる心」のジューン・アリソン、 「下町天国」のピーター・ローフォード、 「悪漢バスコム」のマーガレット・オブライエン、 「暴力行為」のジャネット・リー及びメアリー・アスター、新人エリザベス・テイラー、 「ラ・トスカ」のロッサー・ブラッツイでルシル・ワトソン、C・オーブリー・スミス、ハリー・ダヴェンポート等が助演する。


0-95. 二人でお茶を

監督 デイヴィッド・バトラー
出演 ドリス・デイゴードン・マックレージーン・ネルスンイヴ・アーデンビリー・デ・ウルフ
1950年・アメリカ (ワーナー・ブラザース日本支社)

フランク・マンデル、オットー・ハーバッハ、ヴィンセント・ユーマンス、エミル・ナイトレイの合作による舞台劇 「ノウ・ノウ・ナネット」の3度目の映画化で、1950年製作のテクニカラー・ミュージカル。 「虹の女王」と同じくウィリアム・ジャコブスが製作し、デヴィッド・バトラーが監督した。脚色は 「恋のブラジル」のハリー・クローク、撮影はウィルフリッド・M・クライン、音楽監督は 「破局」のレイ・ハインドーフの担当。主演は人気歌手ドリス・デイ( 「情熱の狂想曲」)と 「虹の女王」ゴードン・マックレー、それに新進ダンサーのジーン・ネルソンで、 「嘘クラブの女王」のイヴ・アーデン、 「恋文騒動」のビリー・デ・ウルフ、 「モンタナ」のS・Z・サコール、ビル・グッドウィンらが助演する。なお使用歌曲はアーヴィング・シーザー作詞ヴィンセント・ユーマンス作曲の“ティ・フォア・トゥ”はじめ全部で9曲である。


0-96. 我等の生涯の最良の年

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 マーナ・ローイフレドリック・マーチテレサ・ライトダナ・アンドリュースヴァージニア・メイヨ
1946年・アメリカ ()

1946年度のアカデミー受賞映画で、製作者サミュエル・ゴードウィンが、テーマを示して小説家マッキンレー・カンターにストーリーを執筆させ 「エイブ・リンカン」のロバート・E・シャーウッドが脚色し 「孔雀夫人」「デッド・エンド」「嵐ヶ丘」と同じくウィリアム・ワイラーの監督、グレッグ・トーランドの撮影になったもの。出演者は 「雨ぞ降る」マーナ・ローイ 「我が道は遠けれど」のフレドリック・マーチ 「疑惑の影」のテレサ・ライト 「影なき殺人」のダナ・アンドリュース、新人のヴァジニア、メイヨおよびキャシー・オドンネル 「脱出」のホギー・カーマイケル、傷い軍人ハロルド・ラッセルで、グラディス・ジョージ、ローマン・ボーネン、スティーヴ・コクラン、ミナ・ゴンベルらが助演する。なお作品賞のほか、ゴールドウィンが製作賞、ワイラーが監督賞、シャーウッドが脚本賞、マーチが主演男優賞、ラッセルが助演男優賞及び特別功労賞を、それぞれ受けている。


0-97. 雨に唄えば

監督 スタンリー・ドーネン
出演 ジーン・ケリードナルド・オコナーデビー・レイノルズジーン・ヘイゲンミラード・ミッチェル
1952年・アメリカ ()

アーサー・フリードが 「巴里のアメリカ人」に次いで製作したテクニカラーのミュージカル(1952年作品)で、製作のフリード、監督ならびに音楽場面振付けのジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン、主題歌 「雨に唄えば」に基づいてシナリオを書いたアドルフ・グリーンとベティ・カムデン、音楽監督のレニー・レイトン、撮影監督のハロルド・ロッソンらは、すべて 「踊る大紐育」と同じスタッフである。歌曲の大部分は作詞が製作者フリード、作曲ネイシオ・H・ブラウンによる。出演者はジーン・ケリーをめぐって新進デビー・レイノルズ、ヴォードヴィル出身のドナルド・オコナー、ジーン・ヘイゲン 「アパッチ族の最後」、ミラード・ミッチェル 「拳銃王」、シド・チャリシー 「闘牛の女王」、ダグラス・フォーリーら。


0-98. 錨を上げて

監督 ジョージ・シドニー
出演 フランク・シナトラキャスリン・グレイソンジーン・ケリーホセ・イタービディーン・ストックウェル
1945年・アメリカ (MGM日本支社)

「歌劇王カルーソ」のジョー・パスターナクが製作し、 「血闘」のジョージ・シドニーが監督したテクニカラーのミュージカル1945年作品。ナタリー・マーシンのストーリーにヒントを得て 「下町天国」のイソベル・レナートが脚本を書き、音楽監督はジョージー・ストール(アカデミー賞獲得)、撮影は 「三銃士」のロバート・プランクとチャールズ・P・ボイルの共同。主演は 「踊る大紐育」のフランク・シナトラ、 「雨に唄えば」のジーン・ケリイ、 「ショウ・ボート」のキャスリン・グレイソンの3人で、ピアニストのホセ・イタービ 「百万人の音楽」、 「印度の放浪児」のディーン・ストックウェル、パメラ・ブリットン(初出演)、“ラグス”・ラグランド、ビリイ・ギルバート、歌手カルロス・ラミレスらが助演。


0-99. 若草の頃

監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 ジュディ・ガーランドマーガレット・オブライエンメアリー・アスタールシル・ブレマートム・ドレイク
1944年・アメリカ (セントラル)

イースター・パレード」のアーサー・フリードが製作、 「ボヴァリー夫人」のヴィンセント・ミネリが監督した1944年度作品のテクニカラー音楽映画。女流作家サリー・ベンソン( 「疑惑の影」の脚色者)の小説を、 「マルクスの二挺拳銃」のアーヴィング・ブレッチャーと 「卵と私」のフレッド・F・フィンクルホフが共同脚色し、 「アダム氏とマダム」のジョージ・フォルシーが撮影、 「姉妹と水兵」のジョージー・ストールが音楽監督を担当する。主演は 「イースター・パレード」のジュディ・ガーランドと 「若草物語」のマーガレット・オブライエンで、同じ 「若草物語」のメアリー・アスター、新人ルシル・ブレマー、 「故郷の丘」のトム・ドレイク、マージョリー・メイン、レオン・エイムスらが助演する。尚、原題名の主題歌を始め、20世紀初期の流行歌曲が十数曲使用されている。


0-100. 奥様は魔女

監督 ルネ・クレール
出演 フレドリック・マーチヴェロニカ・レイクロバート・ベンチリースーザン・ヘイワードセシル・ケラウェイ
1942年・アメリカ (セントラル)

フランスから英国を経て渡米したルネ・クレールの 「焔の女」に次ぐ1942年作品。ユーモア作家ソーン・スミスの原作を、ロバート・ピロッシュとマーク・コネリー( 「スケルトンの映画騒動」)が脚色、 「窓」の監督者テッド・テズラフが撮影をロイ・ウェッブが音楽を担当している。主演は 「我等の生涯の最良の年」のフレドリック・マーチ、 「初恋時代」のヴェロニカ・レイクで、ロバート・ベンチリー、セシル・ケラウェイ、スーザン・ヘイワードらが助演する。


0-101. アニーよ銃をとれ

監督 ジョージ・シドニー
出演 ベティ・ハットンハワード・キールルイス・カルハーンエドワード・アーノルド
1950年・アメリカ (セントラル)

1946年以来ニューヨークで大当りをとった、リチャード・ロジャース=オスカー・ハマースタイン・2世製作の同名のミュージカル・プレイを映画化した、1950年度色彩音楽映画の代表作。原作はハーバート及びドロシー・フィールズ( 「春を手さぐる」)、これを 「イースター・パレード」のシドニー・シェルドンが脚色し、最近音楽劇専門のジョージ・シドニイ( 「赤きダニューブ」)が監督している。作詞作曲は 「イースター・パレード」のアアヴィング・バアリン、ミュージカル・ナンバーは同じく 「イースター・パレード」のロバート・アルトンが担当する。撮影はチャアルズ・ロシャア、音楽監督は 「大雷雨」のアドルフ・ドイッチェ。 「腰抜けと原爆娘」のベティ・ハットンがアニイに扮して活躍の他、相手役はMGM新進のハワード・キール、以下 「赤きダニューブ」のルイス・カルハーン、 「群衆」のエドワード・アーノルド、 「ジャンヌ・ダーク」のJ・キャロル・ナイシュ、 「恋愛放送」のキーナン・ウィンらが共演する。


0-102. 仔鹿物語

監督 クラレンス・ブラウン
出演 グレゴリー・ペックジェーン・ワイマンクロード・ジャーマン・ジュニアチル・ウィルスクレム・ビヴァンス
1946年・アメリカ ()

ピュリッアー賞を得たマージョリー・キナン・ローリングスの小説を映画化したもので 「キューリー夫人」のポール・オスボーンが脚色し、 「愛の調べ」「町の人気者」のクラレンス・ブラウンが監督にあたった1947年作品のテクニカラー色彩映画である。主演は 「王国の鍵」「パラダイン事件」のグレゴリー・ペック 「失われた週末」「高原児」のジェーン・ワイマン、初出演の少年俳優クロード・ジャーマン・ジュニアで 「ブーム・タウン」のチル・ウィルスス、 「旋風大尉」のクレム・ピヴァンス、 「心の旅路」のマーガレット・ウイチャリー、 「ミニヴァー夫人」のヘンリー・テラヴァーす、 「明日への戦い」のフォレスト・タッカーその他が助演している。 「男は神に非ず」のチャールズ・ロシャー、レナード・スミス及びアーサー・E・アーリングが撮影を監督し、音楽は故ハーバート・ストザートが作曲した。なお色彩撮影賞、子役演技賞のオスカーを与えられた。


0-103. 私を野球につれてって

監督 バスビー・バークレー
出演 フランク・シナトラジーン・ケリーエスター・ウィリアムズベティ・ギャレット
1949年・アメリカ


水中レビュー映画スターであったエスター・ウィリアムズは、作家であり振付師であるスターのジーン・ケリーとの映画撮影を快く過ごしていなかった。 この映画に関して「本当に惨めだった」と書かれた彼女の自叙伝では、ジーン・ケリーとスタンリー・ドーネンが彼女を軽視した扱いをし、彼女の費用で悪ふざけをしたと主張する。 ジーン・ケリーが5フィート7インチ、エスター・ウィリアムズが5フィート10インチでジーン・ケリーは身長差が不快だったのだとも主張。 ディレクターのバスビー・バークレイは当初エスター・ウィリアムズのために水中レビューシーンを計画したが、ジーン・ケリーによって拒絶された。 しかしエスター・ウィリアムズはフランク・シナトラとの強い契約を作った。 エスター・ウィリアムズ自身も、彼女が野球チームのオーナーであるK.C.ヒギンズ役の第一候補でないと主張。 当初はジュディ・ガーランドが予定されていたが、薬物乱用問題のため代役となった[1]。 同様にフランク・シナトラ演じるデニス・ライアン役は当初プロ野球選手レオ・ドローチャーを予定していた


0-104. 名犬ラッシー

監督 フレッド・M・ウィルコックス
出演 ロディ・マクドウォールエリザベス・テイラードナルド・クリスプエドマンド・グウェンエルザ・ランチェスター
1951年・アメリカ (セントラル)


ラッシーの良き友、カラクルー家の少年に扮するのはR・マクドウォール。若い人には「猿の惑星」の、と言った方がいいかもしれないが、この人、元々名子役だったのだ。対する侯爵家の娘には若き日の(本当に若いよ)E・テイラー。人間側のドラマもソツなく展開されています。


0-105. ニューオーリンズ

監督 アーサー・ルービン
出演 アルトゥーロ・デ・コルドヴァドロシー・パトリックマージョリー・ロードビリー・ホリデイルイ・アームストロング
1947年・アメリカ (ユナイテッド・アーティスツ)


1947年のミュージカル・ドラマで、歌うメイド役でビリー・ホリデイを、バンドリーダー役でルイ・アームストロングをフィーチャーした映画。助演のプレーヤーたち、ホリデイそれにアームストロングが一堂に共演し、あるカップルが恋に落ちて行くようすを描く。劇中、アームストロングが、ある歌を歌いながら彼のバンドのメンバーを紹介していく。これは、クラシック・ジャズの名手たちの事実上の紳士録となっている。歌いながら紹介されている人物は、トロンボーン奏者のキッド・オリー、ドラマーのズティ・シングルトン(Zutty Singleton)、クラリネット奏者のバーニー・ビガード、ギタリストのバド・スコット(Bud Scott)、ベーシストのジョージ・“レッド”・カレンダー、ピアニストのチャーリー・ビール(Charlie Beal)、同じくピアニストのミード・“ルクス”・ルイス(Meade "Lux" Lewis)である。コルネット奏者のマット・キャリー(Mutt Carey)とバンドリーダーであるウディ・ハーマンも、この映画の中で演奏している。しかしながら、こうした音楽は、むしろ物語をうまく進めるための脇役を務めている。この映画は、アルトゥーロ・デ・コルドヴァ(Arturo de Córdova)とドロシー・パトリック(Dorothy Patrick)が主演、マージョリー・ロード(Marjorie Lord)をフィーチャーした、アーサー・ルービン監督の映画である。


0-106. イヴの総て

監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ
出演 ベティ・デイヴィスアン・バクスタージョージ・サンダースセレステ・ホルムゲイリー・メリル
1950年・アメリカ (セントラル)

1950年度アカデミー賞において、作品賞以下6つのオスカーを獲得した作品で、20世紀フォックスの総帥ダリル・F・ザナックが製作にあたっている。 「他人の家」 のジョセフ・L・マンキーウィッツが脚色及び監督を行い、彼は 「三人の妻への手紙」 に続いて2年連続のオスカア脚色賞、監督賞を得た。撮影は 「他人の家」 のミルトン・クラスナー、音楽は 「廃虚の群盗」 のアルフレッド・ニューマンである。以下のスタッフでは、衣裳監督のチャールズ・ル・メヤと、ベティ・デイヴィスの衣裳デザインのイーディス・ヘッド、録音のW・D・フリックとロジャ・ヒイマンがオスカーを得ている。出演者は 「月光の女」 のベティ・デイヴィス、 「廃墟の群盗」 のアン・バクスター、 「星は輝く」 のセレステ・ホルム、 「天国の怒り」 のジョージ・サンダース(オスカー助演男優賞)、 「頭上の敵機」 のゲイリー・メリル、 「星は輝く」 のヒュー・マーロウらブロードウェイ出身俳優を中心に、 「三人の妻への手紙」 のセルマ・リッター、監督兼俳優のグレゴリイ・ラトフ、 「一ダースなら安くなる」 のバーバラ・ベイツ、マリリン・モンローらが共演する。ブロードウェイ劇界の内幕をついたハイ・ブラウ喜劇で、オスカア以外にも各国各種の映画賞を獲得した50年度の代表的アメリカ映画。


0-107. 地上より永遠に

監督 フレッド・ジンネマン
出演 バート・ランカスターモンゴメリー・クリフトデボラ・カーフランク・シナトラドナ・リード
1953年・アメリカ (コロムビア映画会社) 118分

米国軍隊内部をリアルに描いたジェームズ・ジョーンズの小説(51年)を映画化した1953年作品で、 「情炎の女サロメ」 のバディ・アドラーが製作に当たり 「真昼の決闘」 のフレッド・ジンネマンが監督した。脚色はダニエル・タラダッシュ、撮影はバーネット・ガフィ、音楽は 「情炎の女サロメ」 のモリス・W・ストロフの担当。主演は 「愛しのシバよ帰れ」 のバートランカスター、 「終着駅」 のモンゴメリー・クリフト、 「クオ・ヴァディス」 のデボラ・カー、 「ネバダ決死隊」 のドナ・リード、 「錨を上げて」 のフランク・シナトラで、フィリップ・オーバー、アーネスト・ボーグナイン、ミッキー・ショウネシー、ハリー・ベラバー、ジョン・デニスらが助演する。


0-108. レベッカ

監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ローレンス・オリヴィエジョーン・フォンテーンジョージ・サンダースジュディス・アンダーソンナイジェル・ブルース
1940年・アメリカ (セルズニック東宝)

「情炎の海」 のダフネ・デュ・モーリアの同名の原作から、 「我等の生涯の最良の年」 のロバート・E・シャーウッドがジョーン・シンプソンと協同脚色、英国より渡米したアルフレッド・ヒッチコック( 「汚名」 )が第1回監督した1940年度アカデミイ賞受賞作品。製作は 「風と共に去りぬ」 につづくデイヴィド・O・セルズニック。撮影は 「海賊バラクーダ」 のジョージ・バーンズ、音楽は 「大編隊」 のフランツ・ワックスマンが担当する。 「嵐ケ丘」 のローレンス・オリヴィエ、 「純愛の誓い」 のジョーン・フォンテーン、 「天国の怒り」 のジョージ・サンダース以下、ジュディス・アンダーソン、ナイジェル・ブルースらが助演。


0-109. 戦艦バウンティ号の叛乱

監督 フランク・ロイド
出演 クラーク・ゲーブルチャールズ・ロートンフランチョット・トーン
1935年・アメリカ (MGM) 132分

戦艦バウンティ号の叛乱」(せんかんバウンティごうのはんらん、原題: Mutiny on the Bounty)は、1935年のアメリカ映画。MGM製作。第8回アカデミー賞作品賞を受賞した作品。 1938年に日本でも公開されたが、当時の軍国主義の風潮から「叛乱」という言葉は題名に使えず、検閲が大幅にカットして『南海征服』と改名して、やっと公開できたという、いわく付きの作品である。 『戦艦バウンティ号の叛乱』は18世紀末近く、タヒチ島からジャマイカ島に向かって南海を航行中のイギリス軍艦バウンティ号のプライ艦長に船員たちが反乱を起こした事件をもとにチャールズ・ノードホフとジェームズ・ノーマン・ホールが書いたベストセラー小説の映画化である。海洋ものをしばしば取り上げてきたフランク・ロイドの監督、ブライ艦長役のチャールズ・ロートンと航海士クリスチャン役のクラーク・ゲーブルの顔合わせと両者の共演となった。この反乱を題材にした映画はこの後2度製作されたが、1984年版は本作とは異なる原作の映画化である。


0-110. チップス先生さようなら

監督 サム・ウッド
出演 ロバート・ドーナットグリア・ガースンテリー・キルバーン
1939年・イギリス (メトロ・ゴールドウィン・メイヤー) 114分

本作がグリア・ガースンの記念すべき初出演映画となった。ガースンは後年に「私はチップス夫人がキャリアに与える影響力を完全に過小評価していました。この時ばかりは自分の間違いを嬉しく思います」と述懐している。また、チップスの64年間を当時34歳のロバート・ドーナットが一人で演じている。1936年に亡くなったアーヴィング・タルバーグに敬意を表してクレジットタイトルには彼の名前も表示されている。 ピーター・オトゥールが主演する1969年の映画、BBCテレビが製作した1984年のミニシリーズ(英語版)、マーティン・クルーンズ(英語版)が主演する2002年のテレビ映画と計3回リメイクされている。 チップス先生はイギリスのケンブリッジにあるレイザ学校(英語版)で教師を務めたウィリアム・ヘンリー・バルガーニー(英語版)やジェームズ・ヒルトンの父、ジョン・ヒルトンらがモデルとなった。チップスは退職した後も学校近くに下宿し、訪れたすべての少年にケーキやお茶を振る舞っている。