16-1. ブラックホーク・ダウン

監督 リドリー・スコット
出演 ジョシュ・ハートネットユアン・マクレガートム・サイズモアエリック・バナウィリアム・フィクナー
2001年・アメリカ (東宝東和)

解説
実際にソマリアで起こった15時間に及ぶ壮絶な激闘を、映像派監督リドリー・スコットが映画化。敵地に取り残された兵士たちの姿を、圧倒的な臨場感で描き出す戦争映画だ。

ストーリー
1993年10月3日。東アフリカ、ソマリアの首都モガディシオのダウンタウンに、100名の米軍特殊部隊の兵士たちが舞い降りた。彼らの任務は、現地の独裁者アイディード将軍の副官2名を捕らえること。当初、作戦は1時間足らずで終了するはずだったが、ブラックホーク・ヘリが撃墜されたことから、兵士たちの運命は一変。スティール大尉(ジェイソン・アイザックス)から無線で知らせを受けたエヴァーズマン軍曹(ジョシュ・ハートネット)は、ネルソン(ユエン・ブレンナー)ら数名の部下に現場の保守を命じ、残りの部下を連れて墜落地点へ移動。スティール大尉やサンダーソン軍曹(ウィリアム・フィシュナー)、マクナイト中佐(トム・サイズモア)の部隊も墜落地点に向かうが、市内で迷走状態となり、地獄の戦闘を余儀なくされる。まもなく、さらに一機のブラックホーク・ヘリが墜落し、事態はますます悪化してしまう。第一墜落地点の付近には、エヴァーズマンの班に加え、サンダーソン、デスクワーク専門だった特技下士官グライムズ(ユアン・マクレガー)、ネルソンらが集結していたが、やがて重傷を負ったスミス(チャーリー・ホーフハイマー)が看病むなしく死んでしまう。彼らに脱出の道が開けたのはそれから12時間後のことだったが、結局この戦いでアメリカ兵は19名死亡。同時に大量のソマリア人犠牲者を出したのだった。




16-2. フォー・ウェディング

監督 マイク・ニューウェル
出演 ヒュー・グラントアンディ・マクドウェルクリスティン・スコット・トーマスサイモン・カロウジェームズ・フリート
1994年・イギリス (東宝東和) 分

解説
4つの結婚式と一つの葬式をモチーフに、真実の愛を見つける男女の姿をコミカルかつロマンティックに描いたラヴ・ストーリー。ロンドンでの豪華な式、カントリーサイドでの自然の中での式、スコットランドでのトラディショナルな式など、イギリス各地でロケーション撮影された、数々の英国式結婚式の風景が見もの。監督は 「白馬の伝説」 のマイク・ニューウェル。脚本とエクゼクティヴ・プロデューサーは 「彼女がステキな理由」 のリチャード・カーティスで、11年間に65回もの友人の結婚式に出席した経験に基づき、 「これまで無駄にした土曜日への腹いせに」 脚本を執筆したという。製作は 「ダーククリスタル」 などでジム・ヘンソンのパートナーを務めたダンカン・ケンウォーシー。撮影はマイケル・コールター、美術はマギー・グレイ。音楽はオリジナル・スコアをリチャード・ロドニー・ベネットが書き、ウェット・ウェット・ウェットの主題歌 「愛にすべてを」ほか、エルトン・ジョンなどの挿入歌が全編を彩る。主演は「日の名残り」 のヒュー・グラントと、 「バッド・ガールズ」 「ショート・カッツ」 と出演作が相次ぐアンディ・マクドウェル。

ストーリー
チャールズ(ヒュー・グラント)は生粋のイギリス人気質が災いして、自分の気持ちを素直に表現することの苦手な32歳の独身男性。ハンサムでリッチで、女性にもモテるのに、隣にいる女性が本当に生涯を共にする相手なのか自信が持てず、結婚となると逃げ腰になってしまう。ある日、友人の結婚式に招かれた彼は、アメリカ人女性キャリー(アンディ・マクドウェル)と出会う。才色兼美でチャーミングな彼女の魅力にまいった彼は、ひと目で恋に落ちる。さっそく果敢にアタックし、幸運にも彼女とベッドを共にした。翌日、彼女は帰国する。チャールズは再び友人の結婚式でキャリーと再会したのを喜んだのも束の間、彼女からフィアンセを紹介される。愕然とする彼に追い打ちをかけるように、結婚を迫られて別れたばかりのヘンリエッタ(アンナ・チャンセラー)に泣きつかれたのをはじめ、パーティは悪夢と化す。キャリーの誘いでパーティを抜け出した彼は、再び彼女とベッドインする。しばらく後、街で偶然、キャリーに再会した彼は、彼女のウェディングドレス選びに付き合わされる。2人はお互いの恋愛観を語り、チャールズは初めて彼女に愛を告白するが、全ては手遅れだった。キャリーの結婚式の当日、年長の友人ガレス(サイモン・カラウ)が突如倒れた。葬式の席で、同性愛の恋人マシュー(ジョン・ハンナ)の弔辞が響く。それはこの世で結婚を許されなかった彼の、愛の誓いだった。チャールズは、結婚とは何だろうと思い悩む。彼は迷いを捨てて、ヘンリエッタとの結婚を選んだ。ところが、式の当日5分前に現われたキャリーが、彼に離婚したと告げた事から、チャールズの心は再び激しく惑わされる。とうとう彼は式の席上で、結婚の誓いを破棄してしまい、チャールズはヘンリエッタに殴られて式は閉幕。彼はキャリーに今度こそ結婚を申込むと彼女も承諾し、2人の結婚式が執り行われた。




16-3. おばあちゃんの夢中恋人

監督 北村豊晴シャオ・リーショウ
出演 ラン・ジェンロンアン・シンヤワン・ボージエ
2013年・台湾 124分

解説
第9回大阪アジアン映画祭ABC賞受賞作品
この映画は、台湾の台湾語映画の黄金時代を舞台にした作品である。
台湾語映画の黄金時代と呼ばれた時期は、 だいたい 1950 年代半ばから 1960 年代半ばまでの時期である。
この頃は、国民党政権が大陸から逃げてきて公用語として国語(北京語)が使われたものの、 日本語教育の影響が残っていて、台湾語と日本語しか話せない人も多かった。 そんな人々に熱狂的に歓迎されたのが台湾語映画だった。
1960 年代後半になると、政府の「講国語運動(国語を話そう運動)」もあって、 国語映画に台湾語映画は取って代わられ、急速に制作本数を減少させていく。 ただ、戦後の台湾で映画産業がほぼ崩壊してしまっていたなかで、 映画産業の復興という意味で、台湾語映画の果たした意味は大きかった。

物語の舞台は1960年代の台湾。かつて"台湾ハリウッド"と呼ばれた温泉地・北投(ベイトウ)で台湾語の映画作りに夢をかけた映画人たちの青春の日々を描いた作品。
病院に運ばれた映画脚本家の祖父に、18歳の孫が女優だった祖母とのなれそめを聞くところから物語は始まる。時代はさかのぼり、1960年代。“台湾のハリウッド”と呼ばれた温泉地・北投(ベイトウ)で、台湾語の映画作りに夢をかけた人々がいた。古き良き時代の映画人たちの青春の日々を、笑いと涙たっぷりに描くコメディ! 台湾で活躍する日本人監督と若手台湾人監督によるコラボレーション作品。





16-4. L.A.大捜査線 狼たちの街

監督 ウィリアム・フリードキン
出演 ウィリアム・ピーターセンウィレム・デフォージョン・パンコウデブラ・フューアージョン・タトゥーロ
1985年・アメリカ (ユナイト映画=UIP) 分

解説
偽札犯に殺された同僚の仇を討つべく悪戦苦闘するシークレット・サービス捜査官の姿を描く。製作はアーヴィング・H・レヴィン、監督はウィリアム・フリードキン、ジェラルド・ペティーヴィッチの原作(「LA捜査線」ハヤカワ文庫)をペティーヴィッチ自身とフリードキンが共同で脚色、撮影はロビー・ミュラー、音楽はウォン・チュンが担当。出演はウィリアム・ピーターセン、ウィレム・ダフォーなど。ドルビー・ステレオ。

ストーリー
アメリカ合衆国秘密捜査官のチャンス(ウィリアム・ピーターセン)とその相棒ジミー(マイクル・グリーン)はよく息が合うコンビだったが、定年退職を2日後に控えたある冬の日、ジミーは射殺死体で発見された。長年追い続けた偽札犯人エリック(ウィレム・ダフォー)を追いつめた結果の惨劇だった。命がけの仕事の上では最高の相棒、そして私的にも親友であったジミーの死体を前に、チャンスはエリックへの復讐を誓った。新しく相棒になったジョン(ジョン・パンコウ)と行動を再開したチャンスは、手始めに空港で偽札を使用した男を捕まえたところ、名をカール(ジョン・タトゥーロ)といい、偽札の運び屋でアタッシュケースには1000万ドルの現金が詰まっていた。刑務所に収容されたカールを訪ねたエリックはいつ自白するとも知れぬカールの様子に不安を抱き、弁護士のマックス・ワックスマン(クリストファー・アルポート)にカール保釈の相談にいく。同じ頃チャンスは仮釈中の女情報屋から、ワックスマンが偽札をさばいていることを聞きだし、彼を追いはじめた。ワックスマンの事務所を見張り始めて3日目、エリックの愛人のビアンカ(デブラ・フューアー)が事務所を訪ねてきて、ワックスマンを誘惑する。その時、突然、エリックが現われ、金庫から金を奪うとワックスマンを殺して逃げた。事情を察知したチャンスは事務所に飛び込み、偽札の取り引きの暗号が記されているメモを入手した。再び女情報屋から、盗品のダイヤを買うために5万ドルを持ってバイヤーがロスに来ると聞いたチャンスは、エリックに依頼した偽札の前金3万ドルをそれに当てようとバイヤーを襲撃したが、実は彼はFBIの囮捜査員で、追跡してきた謎の取り引き相手に殺されてしまう。相棒のジョンはチャンスの強引なやり方を強く責めるが、エリック逮捕に燃えるチャンスは聞く耳をもたなかった。彼はチャンスのスキに乗じて逃げていたカールを捕え、エリックの工場の場所を聞き出す。その上でチャンスはジョンと共に偽札を受け取るため前金を持ってエリックに会いに出かけた。その時、逮捕しようとしたチャンスらと壮絶な撃ち合いになった。チャンスは射殺され、ジョンはエリックを追って偽札工場へ。そして、エリックを追いつめたジョンは怨みの全てを込めて、エリックに向かって発砲した。




16-5. 水曜日のエミリア

監督 ドン・ルース
出演 ナタリー・ポートマンスコット・コーエンチャーリー・ターハーンローレン・アンブローズリサ・クドロー
2009年・アメリカ (日活) 102分

解説
ブラック・スワン」 でアカデミー賞主演女優賞に輝いた、ナタリー・ポートマンが製作総指揮、主演を務める人間ドラマ。妻子ある男性に恋をし、結婚を果たした女性が、自分に心を開かない彼の子どもと向き合い、次第に心を通わせてゆく。自身も婚約、妊娠を発表し、女性としての人生の転機を迎えたナタリーの意欲作だ。

ストーリー
新人弁護士のエミリア(ナタリー・ポートマン)は、毎週水曜日が来るのが少し憂鬱だった。その理由は、8歳になる夫ジャック(スコット・コーエン)の息子ウィリアム(チャーリー・タハン)。ウィリアムはジャックと前妻キャロリン(リサ・クドロー)の間の子どもで、別れた両親の家を行き来しており、毎週水曜日になると泊まりに来る。学校まで彼を迎えに行くのがエミリアの役目なのだが、両親の離婚の原因であるエミリアには、決して打ち解けようとしないのだ。さらには、小児科のエリート医師であるキャロリンが、育児のあれこれを事細かに指示してくることにもプレッシャーを感じていた。そして、ジャックが帰宅すれば、あれこれと彼女の行動に対するウィリアムの告げ口が始まる。ジャックは、エミリアが新人弁護士として勤め始めた事務所の上司だった。妻子あるジャックと恋に落ちたエミリアはやがて妊娠。ジャックの離婚成立を待って再婚したものの、“イザベル”と名付けた赤ん坊は生後3日で突然、亡くなってしまった。それ以後、エミリアの人生は、次から次へとトラブル続き。彼女を悩ませる問題は、ウィリアムやキャロリンに関することばかりではなかった。離婚した両親が復縁すると知って、エミリアは長年浮気を続けた父にも、そんな父を許す母にも、怒りをぶつけてしまう。あれほど愛し合っていたはずのジャックとも心は離れていくばかり。幸せな未来を見失ったエミリアは、イザベルの死にまつわる“ある秘密”をジャックに告白してしまう。傷ついた心を抱え、家を出るエミリア。ある日、独りで生きていくことを決意したエミリアに、1本の電話が。それは全く予期しない意外な人物からの呼び出しだった……。




16-6. 刑事マディガン

監督 ドン・シーゲル
出演 リチャード・ウィドマークヘンリー・フォンダインガー・スティーヴンスハリー・ガーディノジェームズ・ホイットモア
1967年・アメリカ (ユニヴァーサル) 分

解説
リチャード・ダワティの小説 「コミッショナー」を、ヘンリー・シムーンとエイブラハム・ポロンスキーが脚色、「殺人者たち」 のドン・シーゲルが監督したハードボイルド・アクション。撮影は 「誇り高き戦場」 のラッセル・メティ、音楽は 「ジェリコ」 のドン・コスタが担当した。出演は 「大西部への道」 のリチャード・ウィドマーク、 「テキサスの五人の仲間」 のヘンリー・フォンダ、 「プレイラブ48章」 のインガー・スティーヴンス、カナダ生まれの新星スーザン・クラークほか。製作はフランク・P・ローゼンバーグ。

ストーリー
マディガン(リチャード・ウィドマーク)とロコ・ボナーロは、スパニッシュ・ハーレム地区第23分署の敏腕刑事である。ある日2人は、ブルックリン地区の、名うてのやくざ、ベネシュのアパートに踏みこんだが、ちょっとしたすきに逃げられてしまい、そのあげく、拳銃をも、奪われてしまった。署に帰った2人は、逃げたペネシュが殺人容疑者だと聞かされ驚いたが、それ以上に気になったのは、奪った拳銃を使ってベネシュが第2、第3の殺人を続けやしないか、ということだった。ところでマディガン刑事は、常に仕事第1の男で、そのために妻のジュリア(インガー・スティーヴンス)は、いつも不満だらけだった。一方、警視総監のラッセル(ヘンリー・フォンダ)は、マディガンの失敗に頭をかかえたものの、自分にも、いろいろと面倒な問題がふりかかっていた。というのは、彼の親友ケイン警部が売春汚職にまきこまれたり、関係をもつ上流夫人から別れ話を持ち出されたり、黒人指導で高名な牧師から抗議されるなど、悩みはつきなかった。マディガンと、ロコは、72時間以内にベネシュを逮捕せよ、との厳命を受けた。2人は躍起になって聞きこみを始めた。妻ジュリアの不満が爆発点に達していると悟ったマディガンは勤務中ではあったが、彼女を連れて警察官のパーティーに行った。だが、それとほとんど時を同じくして、街頭でベネシュを発見した2人の警官が彼に射たれた。1人は即死、もう1人は重傷だった。しかもベネシュの凶器はマディガンから奪ったものだった。必死の聞きこみでベネシュの隠れ家が分かった。多数の警官が非常線をはり、マディガンとロコが踏みこんだ。体当たりで室内に入ろうとした時、マディガンはベネシュの弾をうけて倒れた。その時ロコの拳銃がベネシュの胸へ。ベネシュが倒れたことを聞いたマディガンは救急車の中で息をひきとった。彼は最後まで妻のジュリアに心を残していた。ラッセル総監が彼女を慰めようとしたが、彼女は総監を人殺しと呼んで痛罵し、夫のマディガンを返せ、と叫ぶのだった。





16-7. 卒業白書

監督 ポール・ブリックマン
出演 トム・クルーズレベッカ・デモーネイカーティス・アームストロングブロンソン・ピンチョットラファエル・スバージ
1983年・アメリカ (ワーナー映画) 分

解説
大学入試をひかえた豊かな中産階級育ちの主人公が両親の留守中にひき起こすお金目あての乱痴気パーティーの顛末と高級コールガールとの恋を描く青春映画。ゲフェン・カンパニー作品。製作はジョン・アヴネットとスティーヴ・ティッシュ、監督・脚本はこの作品がデビュー作に当るポール・ブリックマン。撮影はレイナルド・ヴィラロボスとブルース・サーティーズ、音楽作曲・演奏はタンジェリン・ドリーム、製作デザインはウィリアム・J・キャシディが各々担当。出演はトム・クルーズ、レベッカ・デモーネイ、カーティス・アームストロング、ブロンソン・ピンチョット、ラファエル・スバージ、ジョー・パントリアーノ、ニコラス・プライア、ジャネット・キャロル、シェラ・ダーネスなど。日本版字幕は岡枝慎二、テクニカラー、パナビジョン、1983年作品。

ストーリー
17歳のジョエル(トム・クルーズ)は、シカゴ郊外のハイスクールの3年生。自由企業研究会に属して、大学でも経営学専攻を目ざす彼は、一流大学に入り一流企業で働きたいと望んでいたが、成績はいまひとつパッとしない。若いエネルギーが、勉強することよりも他のことに興味をかきたてさせるのだ。彼はいつもモヤモヤした気分で、白日夢ばかり見ていた。そんな時、両親(ニコラス・プライア)(ジャネット・キャロル)が、休暇旅行に出ることになり、留守をまかされることになった。広い屋敷の中で、父親のステレオでロックをがんがんかけて酒を飲み、父親の大切にしているポルシェを東り回すジョエル。ところが秀才ですでにハーバード大学行きが決まっているマイルズ(カーティス・アームストロング)が、勝手に電話で出前サービスの娼婦を頼んでしまい、その夜、ゲイの黒人がジョエルを訪れた。あり金の75ドルで何とか引き取ってもらったものの、その黒人がメモに残していったお勧めだという女性ラナ(レベッカ・デ・モーネイ)に、つい電話してしまった。現われた女性は夢かと疑ってしまう程のすばらしさ。快感に酔いしれたジョエルは、そのまま朝を迎えた。しかし、彼女が要求した金額は何と300ドル。仕方なしに、銀行に行き、おばあちゃんからプレゼントされた大事な国債を現金に換えて家に戻った。すると、家にはラナはおらず、同時に母親の宝であるクリスタルの置物も消えていた。あわてた彼はなんとか彼女の居所を調べ、マイルズと共にあるホテルで彼女に会った。しかし彼女は、ポン引きのグイド(ジョー・パントリアーノ)と言い争いをはじめ、グイドから逃げ出しジョエルのポルシェに乗り込んできた。一大チェイスの末、結局再び彼の家で一夜を過ごすラナ。翌日、家に残したラナが再び何かを盗むのではないかと気が気ではない彼は、授業も身に入らず急いで家に帰るが、彼女は何と友だちの娼婦を家に引っぱり込んで商売をしていた。その娼婦ら3人を乗せポルシェでドライブに出たジョエルは、桟橋から、あやまってポルシェをミシガン湖に沈めてしまった。車の修理費が600ドル。途方に暮れる彼にラナが提案した。金持ちお坊ちゃんたちを集めて大乱痴気パーティーを開いたら、というのだ。しぶしぶうなずいて催してみると、パーティーは大成功。ジョエルの家には続々と坊ちゃん達が集まって来た。そんな客と一緒にやって来たのが、彼が進学を望んでいるプリンストン大学の調査員。はじめは、バカ騒ぎに呆れた表情を見せるが、可愛い娼婦たちに歓待されてニコニコ顔に変貌。その日の明け方近く、ラナに地下鉄でのスリリングな愛に誘われたジョエルは言われるままにラナに従い、めくるめくような悦楽を味わった。しかし、その間に家の中の家具が全て盗まれていた。ヒモのグイドの仕業だ。その日は両親が帰ってくる日だ。慌てた彼は、稼いだ8 000ドルの金をすべてはたいてグイドから、家具を買い取った。両親が家に着くまでには何とか間に合った。しかし、クリスタルの置物にひびがあることを母親にとがめられガックリくるジョエル。そんな彼に、父親が告げた。「今プリントン大学からお前の入学を望んでいると連絡があった」と。(ワーナー映画配給*一時間四〇分)





16-8. 逃亡者

監督 アンドリュー・デイヴィス
出演 ハリソン・フォードトミー・リー・ジョーンズジュリアン・ムーアジェローン・クラッペジョー・パントリアーノ
1993年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 分

解説
妻殺しの汚名を着せられた医師が、無実を晴らすために逃亡生活を送る姿を描いて1960年代に大ヒットしたテレビドラマの映画化。監督は 「沈黙の戦艦」 のアンドリュー・デイヴィス。製作は 「フォーリング・ダウン」 のアーノルド・コペルソン。エグゼクティヴ・プロデューサー、原案は、数々の人気テレビドラマを製作してきたロイ・ハギンスと 「バトルランナー」 のジェブ・スチュアートと 「ワーロック(1989)」 のデイヴッド・トゥーヒー。撮影は 「レイジング・ブル」 のマイケル・チャップマン。音楽は 「生きてこそ」 のジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。主演は 「パトリオット・ゲーム」 のハリソン・フォード。他に 「JFK」 のトミー・リー・ジョンズ、 「ゆりかごを揺らす手」 のジュリアン・ムーア、 「ノー・マーシイ 非情の愛」 のジェローン・クラッベらが共演。

ストーリー
シカゴの著名な外科医リチャード・キンブル博士(ハリソン・フォード)は、富と名声に恵まれた順風満帆の人生を送っていた。ある夜緊急手術を終えて帰宅してみると、家から見知らぬ片腕の男が飛び出して行き、中では妻ヘレン(セーラ・ウォード)が倒れていた。虫の息の彼女はキンブルの腕の中で息絶えた。キンブルは妻殺しの容疑で逮捕され起訴された。片腕の男(アンドレアス・カツラス)を見たというキンブルの主張も空しく、次々と不利な状況証拠を突きつけられたこともあって死刑判決が下った。州立刑務所へ身柄を移送される途中護送車が列車と衝突する事故が起き、かろうじて助かったキンブルはその場から脱出した。こうして身の潔白を証明するために片腕の男を探し求めるキンブルの逃走の旅が始まった。一方キンブルの逃走を察知した官憲は、ジェラード連邦保安官補(トミー・リー・ジョーンズ)を捜査の最前線に配置して、キンブルを追跡する。ジェラードはキンブルを巨大ダムの排水口に追いつめるが、キンブルはそこから決死のダイビングを試みる。九死に一生を得たキンブルはシカゴに戻り、元同僚のアン・イーストマン医師(ジュリアン・ムーア)の協力で、病院の中にある義手を持つ人のリストを調べあげ、遂に片腕の男の居所をつきとめる。彼の家に忍びこんだキンブルは、事件の黒幕が親友のニコルス博士(ジェローン・クラッベ)であることを知り、彼の業績をたたえるパーティの会場に乗りこんでいく。キンブルとニコルスは大乱闘となるが、駆けつけたジェラードによってニコルスは真犯人として逮捕されるのだった。




16-9. 狼たちの午後

監督 シドニー・ルメット
出演 アル・パチーノペニー・アレンサリー・ボイヤージョン・カザールBeulah Garrick
1975年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 分

解説
焼けつくような白昼のブルックリンの街の銀行を襲った2人組の強盗と警察の対決を描く。製作はマーティン・ブレグマンとマーティン・エルファンド、共同製作はロバート・グリーン・ハット、監督は 「オリエント急行殺人事件」 のシドニー・ルメット、脚本はフランク・R・ピアソン、撮影はビクター・J・ケンバー、編集はデデ・アレンが各々担当。出演はアル・パシーノ、ジョン・カザール、ペニー・アレン、サリー・ボイヤー、ジェームズ・ブロデリック、チャールズ・ダーニングなど。

ストーリー
1972年8月22日。ニューヨークは36度といううだるような暑さだった。その日の2時57分、ブルックリン三番街のチェイス・マンハッタン銀行支店に3人の強盗が押し入った。強盗は10分もあれば済むはずだった。だが3人の1人、ロビーがおじけづき、仲間をぬけた。しかし、ソニー(アル・パチーノ)とサル(ジョン・カザール)にとってそれ以上に予想外だったのは、銀行の収入金が既に本社に送られた後だったことだ。残された1100ドルの金を前に途方に暮れるソニーのもとに突然、警察から電話が入った。銀行は完全に包囲されているから、武器を捨てて出てこいというのだ。事態は急変した。警官とFBI捜査官250人を超す大包囲網の中で、追いつめられた平凡な2人の男は牙をむいた。銀行員9人を人質としたのだ。3時10分を少し廻ったところだ。つめかけるヤジ馬、報道陣の中でモレッティ刑事(チャールズ・ダーニング)の必死の説得が行われた。だが時間は無駄に流れていった。ソニーたちの説得に昇進をかけるモレッティの心をよそに、すべて2人の言いなりになければならない警察側とTV報道のインタビューに応える狂人側という状態で、次第にソニーとサルは群衆たちから英雄視され始めた。周りがどっぷり夕闇につかった頃、銀行内では犯人と人質たちとの間に奇妙な連帯感のようなものが芽ばえてきた。ついに今まで静観していたFBIのシェルドン(ジェームズ・ブロデリック)が動き出した。モレッティとは対照的に冷静な態度でソニーに近づき、犯罪者の心理を見すかしたように優しく、そして時には力強い口調でソニーに投降を勧めてきた。ソニーとしてもこの説得に心が動かなかったわけではなかったが、一途に成功か死かのいずれかしかないと信じ込んでいるサルを裏切ることは出来なかった。ソニーの母と妻と愛人たちによる説得工作もすべて失敗に終わった警察側は、ついにソニーたちの要求通り国外逃亡用のジェット機を用意せざるをえなかった。銀行から空港まで、息づまるような緊張に充ちた移動が開始される。警官が運転するマイクロバスが空港に到着し、拳銃を持ったサルが降りようとしたとき、一瞬のスキを狙って警官が発砲した銃弾はサルのひたいを撃ち抜いた。−−そして現在、捕えられたソニーは20年の刑を受け、服役中である。




16-10. オンリー・ユー

監督 ノーマン・ジュイソン
出演 マリサ・トメイロバート・ダウニー・Jr.ボニー・ハントジョアキム・デ・アルメイダフィッシャー・スティーヴンス
1994年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 115分

解説
古都ローマを舞台に、運命の糸に結ばれた男女の恋を描く、ロマンティックなラヴ・ストーリー。 「ローマの休日」 など古き良き恋愛映画をアレンジした“おとぎ話”風のテイストが特色。古都イタリアに11週間のロケを敢行し、ローマ、ベニス市内などの景観も見どころの一つ。監督は 「夜の大捜査線」 「華麗なる賭け」 「月の輝く夜に」 など幅広いジャンルで活躍するノーマン・ジュイソン。脚本はシドニー・ポラック・プロの副社長から単身し、これが処女作となるダイアン・ドレイクのオリジナル。製作はジュイソン、ケアリー・ウッズ、ロバート・N・フライド、チャールズ・B・マルヴェヒルの共同。撮影は 「めぐり逢えたら」 の名手スヴェン・ニクヴィスト、美術はルチアーナ・アリジが担当。音楽は 「妹の恋人」 「ジョイ・ラック・クラブ」 のレイチェル・ポートマンがスコアを書き、ルイ・アームストロングの表題曲 「オンリー・ユー」で幕を開け、マイケル・ボルトンの「Once in a Lifetime」が効果的に締めくくる。主演は「チャーリー」 に続いての共演となるマリサ・トメイとロバート・ダウニー・ジュニア 。共演は 「ベートーベン」 シリーズのボニー・ハント、 「今そこにある危機」 のジョアキム・デ・アルメイダ、 「山猫は眠らない」 のビリー・ゼインら。

ストーリー
ピッツバーグの教師フェイス(マリサ・トメイ)は、子供の頃の占いゲームと、ジプシーの占い師に告げられた“運命の人”の存在を今も信じているロマンチスト。だが、そんな彼女も青年医師との結婚を間近に控えていた。そこへ婚約者の友人と名乗る男から電話が入る。彼の名はあの“運命の人”デイモン・ブラッドリー。驚くフェイスは親友で兄ラリー(フィッシャー・スティーヴンス)の妻ケイト(ボニー・ハント)の助けを借り、ウェティング・ドレスのままでデイモンの旅行先であるイタリアへ旅立つ。ベニスではひと足遅れとなり、次の目的地ローマでフェイスはデイモンと名乗る男性とついに対面し、気を失う。だが、男は自分の名はピーター(ロバート・ダウニー・ジュニア)だと告白。ボストンの靴セールスマンである彼は、フェイスへの一目惚れから咄嗟に嘘をついたのだった。傷心の彼女は帰国を決意するが、今や彼女のことが好きでたまらないピーターは必死でなだめる。一方、ケイトは親切にしてくれた高級皮革店の主人ジョヴァンニ(ジョアキム・デ・アルメイダ)といい雰囲気に。ピーターは本物のデイモンがいる場所を捜し当てたと言い、フェイスはそのリゾート地に向かう。ついに本物を捜し当てたかに見えたが、その男(ビリー・ゼイン)は彼女の関心を引こうとしてピーターが仕組んだ偽物だった。一方、愛するケイトを追ってイタリアまでやって来たラリーの告白で、占いゲームのデイモン・ブラッドリーは存在せず、ジプシー占いはラリーの友達の名をかたったものだと分かった。岐路に着くフェイスは空港でのロビーで、偶然、デイモン・ブラッドリーという男と出会う。だが、自分の本当の“運命の人”に気づいたフェイスはピーターの後を追ってボストン行きの飛行機に乗り込み、彼の胸に抱かれた。




16-11. シティ・オブ・エンジェル (吹替)

監督 ブラッド・シルバーリング
出演 ニコラス・ケイジメグ・ライアンアンドレ・ブラウアーデニス・フランツコルム・フィオール
1998年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 114分

解説
地上の女性と恋に落ち、人間になることを決めた天使の姿を描いたラヴ・ストーリー。ヴィム・ヴェンダース監督の 「ベルリン・天使の詩」 のハリウッド版リメイクで、舞台をベルリンからロサンジェルスに移し、監督には 「キャスパー」 のブラッド・シルバーリングがあたった。脚本は同作をベースに 「ブリンク 瞳が忘れない」 のデイナ・スティーヴンスが執筆。製作は 「悪魔を憐れむ歌」 「どんな時も」 のドーン・スティールとチャールズ・ローヴェン。製作総指揮は 「コンフィデンシャル」 のアーノン・ミルチャン、 「フェノミナン」 のチャールズ・ニューワース、 「悪魔を憐れむ歌」 のロバート・カヴァロ。撮影は 「イングリッシュ・ペイシェント」 「ジャック」 のジョン・シール。音楽は 「イングリッシュ・ペイシェント」 のガブリエル・ヤレド。美術は 「クルーシブル」 のリリー・キルヴァート。編集は 「マチルダ」 のリンジー・クリングマン。衣裳は 「クローンズ」 のシェイ・カンリフ。主演は 「フェイス/オフ」 のニコラス・ケイジと 「恋におぼれて」 のメグ・ライアン。共演は 「ダイ・ハード2」 「NYPDブルー」のデニス・フランツ、「ホミサイド 殺人捜査課」のアンドレ・ブラウアー、「デンジャラス・マインド 卒業の日まで」 のロビン・バートレットほか。

ストーリー
ロサンジェルス。天使のセス(ニコラス・ケイジ)は、心臓病の患者を救えずに悔やむ外科医マギー(メグ・ライアン)を見初めて恋に落ちる。セスは天使の掟を破って彼女の前に姿を現す。しかし、天使のままでは彼女を本当に感じて愛することはできない。悩むセスは、そんなある日、マギーの患者である中年男メッシンジャー(デニス・フランツ)と知り合う。メッシンジャーはセスの正体を言い当てて、自分も元天使だと打ち明ける。そして、「天使もその気になれば人間になれる」とセスに教える。決意したセスは永遠の命に別れを告げ、建築中のビルから身を投げ、ついに人間になった。恋人の同僚の医師ジョーダン(コーム・フォオレ)から求婚され心揺れながらも、セスを忘れられなかったマギーは、別荘まで尋ねてきたセスを受け入れた。その夜、ふたりは結ばれ、セスはマギーを通じて人間としての喜びを知った。だが、翌日、自転車で買い物に出たマギーは帰り道、事故に遭ってあえなく命を落とした。悲しみに沈むセスだが、尋ねてきた仲間の天使カシエル(アンドレ・ブラウアー)に、たとえ一夜でも人として生きられたことの幸せを語り、地上で生きて行くことを誓うのだった。




16-12. THE BIG BANG ザ☆ビッグバン!! (吹替)

監督 トニー・クランツ
出演 アントニオ・バンデラストーマス・クレッチマンウィリアム・フィクナーシエンナ・ギロリーオータム・リーサー
2010年・アメリカ (AMGエンタテインメント) 101分

解説
人捜しを依頼された中年探偵を待ち受ける奇妙な出来事の数々を描く、アントニオ・バンデラス主演のサスペンス・アクション。シンプルな探偵ものに、宇宙の起源の謎や真実の愛の探求といった異色のテーマを織り交ぜた物語が繰り広げられる。 「24 TWENTY FOUR」で製作総指揮を務めたトニー・クランツの監督の第2作となる。

ストーリー
ロサンゼルス。ある夜、疲れ果てた中年探偵ネッド(アントニオ・バンデラス)は、元ボクサーのロシア人、アントン(ロバート・メイレット)から仕事の依頼を受ける。それは、服役中に刑務所で文通を続け、愛を育んだ恋人レクシー(シエンナ・ギロリー)が、仮釈放で出所してみたら失踪していたので、居所を捜して欲しいというものだった。早速、聞き込みを開始するネッドだったが、その道は死屍累々。謎めいた関係者たちは次々に奇怪な死を遂げ、彼の身にも危険が迫る。やがて、アントンが八百長試合で殺人を犯したこと、そしてその報酬の三千万ドルのダイヤの行方も消えていたことが明らかになる。様々な難関を乗り越えて、手紙の送付元を突き止めるネッド。辿り着いたその先にいたのは、誇大妄想狂の大富豪カストロだった。彼は私的に保有する兵器で、27時間後にニューメキシコの砂漠の地下でビッグバンを起こすという壮大な計画を立てていた……。次第に複雑に絡み合う事象の数々が紐解かれてゆき、レクシーの命が危機に瀕していることを知るネッド。しかし、全てが明らかになったその時、ネッドは連続殺人の容疑者として警察に囚われてしまう……。




16-13. ターザン

監督 ケヴィン・リマ
出演 トニー・ゴールドウィンミニ・ドライヴァーブライアン・ブレスドグレン・クローズナイジェル・ホーソーン
1999年・アメリカ (ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン)

解説
エドガー・ライス・バローズの名作「類人猿ターザン」の初のアニメ化。監督は「グ−フィー・ムービー ホリデーは最高!」 のケビン・リマ、クリス・バック。脚本は「ノートルダムの鐘」 のボニー・アーノルドほか。音楽はフィル・コリンズと「コン・エアー」 のマーク・マンシーナ。声の出演は「レッサ−・エヴィル」 のトニー・ゴールドウィン、「フラッド」 のミニー・ドライヴァー、「エアフォース・ワン」 のグレン・クローズ「英国万歳!」 のナイジェル・ホーソーン、「デッドマン」 のランス・ヘンリクセンほか。

ストーリー
嵐にもまれた難破船から、若い英国貴族の夫婦とひとりの赤ん坊が脱出。彼らはアフリカの密林にたどりつき、小屋を建てて生活を始めるが、夫婦はすぐにヒョウのサボーに殺された。同じ頃、子供をサボーに殺された母ゴリラのカーラ(グレン・クローズ)は小屋にいた赤ん坊を連れ帰り、群れの長・カーチャック(ランス・ヘンリクセン)の反対を押し切り、「ターザン」と名づけて育てた。成長したターザン(トニー・ゴールドウィン)は、群れを脅かすサボーを殺す。その頃、密林にはポーター教授(ナイジェル・ホーソーン)とその娘ジェーン(ミニー・ドライヴァー)、冒険家のクレイトンがやってきた。自分とそっくりの姿形を持つジェーンに興味を示したターザンは、彼女によって言葉を覚える。ジェーンたちが英国に帰る日、ターザンは文明社会に帰ることを決意。が、策略家のクレイトンはターザンを閉じ込め、私欲のためにゴリラたちを捕獲。仲間のゾウに救出されたターザンはクレイトンと手下の船員たちを倒し、ゴリラたちを助けるが、カーチャックは銃に傷つき死んでいった。群れを守るために密林に残るターザン。ジェーンは一度は船に乗るが、ターザンを愛していることに気づき、密林に残るのだった。





16-14. プレステージ

監督 クリストファー・ノーラン
出演 ヒュー・ジャックマンクリスチャン・ベイルマイケル・ケインスカーレット・ヨハンソンパイパー・ペラーボ
2006年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ) 130分

解説
メメント」 のC・ノーラン監督による奇想天外なミステリー。ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが演じる2人の人気マジシャンが、難解なトリック合戦を展開する。

ストーリー
19世紀末のロンドン。二人の天才マジシャン、華麗なパフォーマンスを得意とする“グレート・ダントン”ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と、卓越した想像力を持つ“THE プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)は、お互いを尊敬するライバル同士。彼らは情熱のすべてを注いで、イリュージョンの腕を競い合っていた。しかしある日、アンジャーの愛妻であり助手のジュリア(パイパー・ペラーボ)が、脱出マジックの失敗で死亡してしまう。トリック中にほどけるはずだった縄を結んだのはボーデンだった。アンジャーは妻を死に導いたボーデンに復讐を誓った。まもなくボーデンはサラ(レベッカ・ホール)と出会い結婚。アンジャーのもとには助手志願の美しい娘オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が現れるが、彼の怒りは癒されなかった。やがてアンジャーは、ボーデンが開発した瞬間移動のトリックを探るべく、オリヴィアをスパイに使って、トリックの手掛かりをつかむ。どうやら、天才科学者ニコラ・テスラ(デイヴィッド・ボウイ)の開発した電気技術が大きく関与しているらしい。アンジャーはテスラに瞬間移動装置の制作を依頼し、舞台上演を開始する。その上演中にアンジャーは、舞台で壮絶な溺死に至ってしまう。翌日、アンジャー殺しの犯人として逮捕されたのは、ライバルの死を目の当たりにしたボーデンだった。目撃者として証言台に立ったのは、マジックの考案者でアンジャーの協力者だったカッター(マイケル・ケイン)。実はその死の公開ショーは、ボーデンへの復讐を果たすためにアンジャーが仕掛けたトリックであった。




16-15. グッバイ、マザー

監督 チョン・ギフン
出演 チェ・ガンヒキム・ヨンエペ・スビンチェ・イルファチャン・ヨンナム
2009年・韓国 (エスピーオー) 110分

解説
長年いがみ合ってきた気の強い母娘が、母親の病をきっかけに、とまどいながらも少しずつ歩み寄っていく姿を感動的に綴るヒューマンドラマ。監督は今作がデビュー作となるチョン・ギフン。出演はチェ・ガンヒ(TV 「マイ スウィート ソウル」)、キム・ヨンエ(TV「ファン・ジニ」)。2010年8月21日よりシネマート新宿/シネマート心斎橋にて開催された「韓流シネマ・フェスティバル2010〜新しい風〜」 にて上映。

ストーリー
幼い頃に父親を亡くし、母親ヨンヒ(キム・ヨンエ)に女手ひとつで育てられたエジャ(チェ・ガンヒ)。個性的な性格で、トラブルメーカーの彼女は、気の強い母とはぶつかってばかりいる。そんなエジャの夢は小説家になること。29歳になった今でも、定職に就かず結婚もせず夢を追い続けている彼女に母は厳しく当たり、ふたりの溝は広がるばかりだった。だがある日、突然母が倒れ…。




16-16. ミスティック・リバー

監督 クリント・イーストウッド
出演 ショーン・ペンティム・ロビンスケヴィン・ベーコンローレンス・フィッシュバーンマーシャ・ゲイ・ハーデン
2003年・アメリカ (ワーナー) 138分

解説
名匠クリント・イーストウッド監督が、デニス・ルヘインの同名ミステリー小説を映画化。再会した幼なじみ3人の心の闇を、濃密な映像と緊張感あふれる演技合戦で描く珠玉作だ。

ストーリー
一度は犯罪社会に身を置きながら今は雑貨店を経営しているジミー(ショーン・ペン)、平凡な家庭人であるデイヴ(ティム・ロビンス)、刑事のショーン(ケヴィン・ベーコン)の3人は、ボストンのイーストバッキンガム地区で少年時代を共に過ごした幼なじみ。しかし彼らが11歳の時、ある男にデイヴだけが誘拐されて性的な凌辱を受け、その日を境に3人は離れ離れになった。それから25年後の現在、ジミーの娘が何者かに殺される殺人事件が勃発。捜査にあたることになったのはショーンと、相棒のホワイティー(ローレンス・フィッシュバーン)であり、容疑者として浮かび上がってきたのは、なんとデイヴだった。今も少年時代のトラウマに悩まされているデイヴ。そして、事件当夜に血まみれで帰宅した彼に、妻のセレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は不安を隠しきれず、ジミーに夫が犯人だと思うと心中を告白した。ジミーは自らの手で娘の復讐を果たすべく、デイヴを呼び出す。少年に悪戯をしていた男を殴り殺して血まみれになったと主張するデイヴに圧力をかけたジミーは、娘を殺したと言わせてしまう。ジミーはデイヴを殺害し、川に沈める。しかし一方、ショーンは真犯人を逮捕していた。それは殺された娘のボーイフレンドの弟と、その友人だった。まもなく、デイヴが殴り殺した男の死体も発見される。事の真相をショーンから聞いたジミーは、激しい悔恨の念に打ち震えるのだった。




16-17. ケイン号の叛乱

監督 エドワード・ドミトリク
出演 ハンフリー・ボガートホセ・フェラーヴァン・ジョンソンフレッド・マクマレイロバート・フランシス
1954年・アメリカ (コロムビア映画会社) 124分

解説
世界的なベストセラーでピュリツァ賞を受けたハーマン・ウークの同名小説の映画化。 「乱暴者」 のスタンリー・クレイマーの製作になる。 「セールスマンの死」 のスタンリー・ロバーツが脚色し、 「コンクリートの中の男」 のエドワード・ドミトリクが監督にあたった。テクニカラー色彩撮影は 「ローマの休日」 のフランク・プラナー、音楽は 「勇魂よ永遠に」 のマックス・スタイナー。出演者は 「悪魔をやっつけろ」 のハンフリー・ボガート、 「雨に濡れた欲情」 のホセ・フェラー、 「二世部隊」 のヴァン・ジョンソン、 「深夜の告白」 のフレッド・マクマレイ、新人ロバート・フランシスおよびメイ・ウィン、アーサー・フランツ、トム・タリー、E・G・マーシャル、アーサー・フランツ、リー・マーヴィンなど。

ストーリー
1943年、プリンストン大学を卒業したウィリー・キース(ロバート・フランシス)は、ナイトクラブの歌手をしている恋人メイ・ウィン(メイ・ウィン)に別れを告げ、海軍少尉候補生として駆逐艦ケイン号に乗りこんだ。ケイン号では艦を切り回しているのは艦長デヴリースではなく、むしろ副官のマリク大尉(ヴァン・ジョンソン)であったが、間もなく艦長更迭が行われ、新艦長のクィーグ中佐(ハンフリー・ボガート)が着任した。ウィリーはクィーグのデヴリースとは正反対なキビキビした態度に感心した。魚雷の曳航演習中、クィーグが1人の水兵を叱責することに夢中になって指揮を忘れたため魚雷の曳航綱が切れてしまうという事件が起きた。この事故の説明のため、ケイン号はサンフランシスコに入港し、ウィリーはメイとともに休暇を過ごした。休暇が終わって艦に帰った乗組員たちは艦長が事件の責任を部下一同になすりつけたことを知った。クィーグへの信頼は一挙に失われた。ケイン号は直ちに機動部隊に加ってクェゼリン群島に向かったが、この上陸作戦でクィーグは満足に任務が遂行できず、大変な臆病者であることを暴露してしまった。インテリのキーファー大尉(フレッド・マクマレイ)は彼を偏執狂だといった。事実、クィーグは冷蔵庫の苺が紛失したといって乗り組員の身体検査をする有様だった。そんな矢先、艦は猛烈な颱風に遭遇し、艦長に指揮を委せていたら沈没も免れぬと思ったマリクは決然クィーグに反抗して艦の指揮をとり、皆の応援を得て艦を救った。艦はサンフランシスコに帰港し、マリクとウィリーは反逆罪で軍法会議に附されることになった。体勢は明らかにマリクたちに不利だったが、弁護人バーニー・グリーンウォルド中尉(ホセ・フェラー)は巧妙な質問でクィーグが偏執狂であることを証明し、2人は無罪の判決を受けた。ウィリーはメイと結婚し、颯爽と新しい艦に乗りこんだ。その艦長はケイン号の前艦長デヴリースであった。





16-18. ラスベガスをぶっつぶせ

監督 ロバート・ルケティック
出演 ジム・スタージェスケイト・ボスワースアーロン・ヨーライザ・ラピラジェイコブ・ピッツ
2008年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 122分

解説
実話に基づく、ベストセラー・ノンフィクションを映画化した異色サスペンス。頭脳明晰な大学生チームが、理論と数式を武器にラスベガスのカジノで荒稼ぎを繰り広げる。

ストーリー
マサチューセッツ工科大学で優秀な成績を収める学生ベン・キャンベル(ジム・スタージェス)。彼は優秀な成績を収めて親友たちとロボットコンテスト用の工学ロボットの研究をする一方、バーではスポーツ系サークルの集まりを遠巻きに眺めるオタク系学生だった。彼の夢は、卒業後にハーバード大学医学部に進学して医師になること。それには、学費30万ドルが必要だったが、奨学生試験に失敗し、資金繰りに頭を悩ませていた。ある日、ベンはミッキー・ローザ教授(ケヴィン・スペイシー)に声を掛けられる。ローザ教授はベンの数学の才能に気付き、自分が主宰するブラックジャック必勝法の研究グループに誘ってきたのだった。一度は誘いを断ったベンだったが、進学のための資金稼ぎと、研究メンバーの一人に以前から憧れていた女性ジル(ケイト・ボスワース)がいたことで、参加を決意する。持って生まれた才能をフルに発揮して、必勝法“カード・カウンティング”を習得していくベン。メンバーの中でもずば抜けたセンスを発揮した彼は、仲間とともに週末のラスベガスに乗り込み大勝ち。こうして週末にラスベガスで贅沢を謳歌するセレブと、ボストンで普通の学生として過ごす平日という二重生活が始まる。ジルとの仲も親密になるが、ラスベガスでの生活に慣れるにつれ、次第に地味な学生生活に物足りなさを覚えてくる。一方、カジノ側は勝ち続けるベンたちに目をつけていた。ルール違反者を取り締まるコール(ローレンス・フィッシュバーン)は彼らの手口を見抜き、カジノからの追放を画策。さらに、チーム内での仲間割れ、ボストンの友人たちとの不和、ジルとの間に生じる微妙な心のズレなど、不穏な事態が立て続けに発生。周囲に立ち込める暗雲に気付かぬまま、いつものようにラスベガスへ乗り込んでいくベン。そして、チームは史上最悪の事態に巻き込まれてしまう……。




16-19. バーレスク

監督 スティーヴン・アンティン
出演 クリスティーナ・アギレラシェールクリステン・ベルキャム・ギガンデットスタンリー・トゥッチ
2010年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 119分

解説
クリスティーナ・アギレラ&シェールというグラミー賞に輝き、世界中を魅了する新旧歌姫の共演によるミュージカル・ドラマ。歌手になる夢を胸に、LAにやってきた女性と、老舗クラブの女性経営者との物語がつづられる。女優として映画初出演のクリスティーナ・アギレラの歌唱力とダンスが観る者を圧倒する。

ストーリー
歌手になる夢を追いかけているアリ(クリスティーナ・アギレラ)は、ロサンゼルスにあるバーレスク・クラブで働き始める。そこは、セクシーなダンサーが毎夜ゴージャスなショーを繰り広げる、大人のためのエンターテインメント・クラブである。女性オーナーのテス(シェール)のもと才能を開花させたアリは、その抜群の歌唱力と突出したダンスの才能で人気を博し、クラブも大盛況を極めていく。




16-20. ツイスター

監督 ヤン・デ・ボン
出演 ヘレン・ハントビル・パクストンジャミー・ガーツケアリー・エルウィスロイス・スミス
1996年・アメリカ (UIP) 113分

解説
巨大なトルネード(竜巻)の脅威と、それに立ち向かう人々の姿を描いたパニック・スペクタクル超大作。 「ジュラシック・パーク」 「フォレスト・ガンプ 一期一会」 などの世界最高のSFX工房I.L.M.がCGIを駆使して手掛けた、竜巻の映像と音響の迫力が圧巻。監督は 「スピード」 のヤン・デ・ボン。脚本は 「ジュラシック・パーク」 「コンゴ」 などの原作者でもある作家のマイケル・クライトンが妻のアン=マリー・クライトンと共同で執筆。製作は 「マディソン郡の橋」 のキャスリーン・ケネディ、イアン・ブライス、クライトンの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは、アンブリン・エンターテインメントの総帥スティーヴン・スピルバーグ、ウォルター・パークス、ローリー・マクドナルド、ジェラルド・R・モーレン。撮影は 「マディソン郡の橋」 のジャック・N・グリーン、音楽は 「マネートレイン」 のマーク・マンチーナ、美術は 「パトリオット・ゲーム」 のジョゼフ・ネメック3世、編集は 「太陽の帝国」 などスピルバーク作品の常連マイケル・カーンが担当。出演は 「死の接吻」 のヘレン・ハント、 「アポロ13」 の、 「マージョリーの告白」 のジャミー・ガーツ、 「ジャングル・ブック」 のケーリー・エルウェスほか。

ストーリー
竜巻を追う観測チームを率いる女性、ジョー・ハーディング(ヘレン・ハント)は、幼い頃に父親をすさまじい竜巻によって亡くしていた。その彼女を夫のビル(ビル・パクストン)が恋人のメリッサ(ジャミー・ガーツ)を連れ、離婚届けにサインを貰うために訪ねて来た。だが、ジョーに「ドロシー」と名付けられた竜巻観測機を見せられると、ビルの心は騒いだ。それはかつて、彼がジョーたちと同じ竜巻観測者だった頃に考案した機械で、軽い金属球を竜巻の中心に放出し、いまだ知られていない竜巻の内部の動きを調べるものだった。彼が研究半ばでうっちゃったものを、ジョーたちが完成させたのだ。ビルは成り行きからジョーたちのチームに同行することに。竜巻を追うのは彼らだけではなく、彼らの昔の仲間だったジョーナス(ケーリー・エルウェス)も豊富な資金にものを言わせ、ビルのアイディアを盗用した観測機を持って追っていた。自慢げに観測機をマスコミに披露する彼に、ビルは闘志を燃やした。2つのチームは激しい競り合いを演じたが、竜巻の追跡には天性の才能を持つビルたちが一歩先んじていた。小道を走るジョーとビルを、進路を変えた竜巻が襲う。2人は小さな橋の下に身をかがめて難を避けたが、「ドロシー」は車とも竜巻の餌食に。残りは3台。ジョーとビルはメリッサの車に移り、なおも竜巻を追う。湖水の水を吸い上げ、牛をも巻き込む竜巻は、合体してさらに巨大化していく。一行はワキタの町のジョーの叔母メグ(ロイス・スミス)を訪ねてしばしの憩いをとった。ビルは既に本来の目的を忘れ、竜巻チェイスに熱中していた。彼らの追跡はさらに続く。だが、その必死の努力をあざ笑うかのように、竜巻は「ドロシー」を叩き壊していく。氷雨の中、絶望に囚われそうになるジョーを励ますビル。その夜、ジョーは離婚届けにサインすることを決意した。だが一行が泊まった街にも竜巻は襲いかかってきた。ドライブイン・シアターのガレージで難を避けたジョーたちに、さらに恐ろしい報せが届いた。ワキタが竜巻に襲われたというのだ。メグの救出に向かおうとするビルに、メリッサはこれ以上ついていけない、と別れを告げる。ワキタの街は廃墟と化し、メグの家は崩壊寸前だった。ジョーとビルは、間一髪のところで中からメグを救出した。苦しい息の下からメグはジョーに、激励の言葉を送った。ジョーは、メグの家にあった風車の羽をヒントに、「ドロシー」に対する有効なアイディアを思いつく。アルミ缶を切って加工した羽を観測球に付けるのだ。一行は、今や最大級に成長した竜巻に挑んでいった。ジョーナスも後を追うが、ビルたちの助言も聞かずに突っ込み、犠牲となった。ビルとジョーは竜巻の進路に先回りし、「ドロシー」が中心部に来るように設置した。ジョーのアイディアは成功し、データが次々と送られてきた。だが、逃げ遅れた2人を竜巻が襲う。彼らは暴風の中、農家の小屋に体を縛りつけて竜巻が通過するのを待ち、九死に一生を得た。




16-21. ディパーテッド (吹替)

監督 マーティン・スコセッシ
出演 レオナルド・ディカプリオマット・デイモンジャック・ニコルソンマーク・ウォールバーグマーティン・シーン
2006年・アメリカ (ワーナー) 152分

解説
香港の犯罪ドラマ 「インファナル・アフェア」 をマーチン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオ&マット・デイモン主演でリメイク。警察とマフィア、それぞれの組織に潜入した2人の男の運命を描く。

ストーリー
貧困と犯罪が渦巻く都市ボストン。犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志したビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)。ボストン南部一帯を牛耳るマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に育てられ、“内通者”として警察に送り込まれたコリン・サリバン(マット・デイモン)。同じ警察学校に学び優秀な成績を収めた二人は、お互いの存在を知らないまま、それぞれの道を歩き出す。コリンが配属されたのは、エラービー警部率いるエリート集団「SIU」。マフィア撲滅の最前線に立ち、有能な警察官を装いながら警察の動きをコステロに逐一知らせるコリン。一方、ビリーに命じられたのはマフィアへの極秘潜入捜査だった。その任務を知る者は、クイーナン警部(マーティン・シーン)とディグナム刑事(マーク・ウォールバーグ)のみ。コステロのもとへ身を寄せたビリーは危険と背中合わせの日々で、カウンセリングで出会った精神科医のマドリンといる時だけ、心が安らぐ。しかし彼女は、コリンの恋人だった。やがてマフィアと警察の双方でスパイ探しが始まり、二人は次第に窮地に追いつめられる。クイーナン警部がコステロの部下に殺され、遺された携帯電話からコリンはビリーに接触。協力してコステロ一味を壊滅するが、ビリーはコリンこそがマフィアの内通者であったことを知る。自分の正体がビリーにばれたことを悟ったコリンは、警察のコンピュータからビリーのデータを抹消。だがビリーは、コステロがコリンとの会話を録音していたCDを使ってコリンを呼び出し、自分の身分を回復するよう迫る。観念したコリンだが、そこへもう一人のマフィアから警察への潜入者だった同僚が現れ、ビリーを射殺。コリンはその潜入者も殺し、自由の身となる。しかしコリンの正体を知ったマドリンは彼の元を離れ、やはりコリンがスパイと気づいたディグナムは帰宅した彼を待ち構え、射殺するのだった。




16-22. 花嫁と角砂糖

監督 レザ・ミルキャリミ
出演 サイド・プールサミミナガール・ジャワヘリアンソヘイラ・ラザウィ
2011年・イラン ()
解説
2006年の第7回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映され評判を呼んだ「こんなに近く、こんなに遠く」のレザ・ミルキャリミ監督最新作。多くの登場人物の会話と心理を丁寧に描写していくストーリーとカメラワークが見どころ。イランでの劇場公開初日は2011年10月12日。

ストーリー
砂漠近くのイランの古都。静かで平和に暮らす家庭がにわかに騒々しくなる。末娘パサントの結婚準備が始まり、姉たちと家族は祝いの宴をしつらえるのに大忙し。親せきが大勢集まってくるが、皆さまざまな事情を抱えている。そんな中、予想もしなかったある事態がおこり状況は一変。イランの人々の日常と非日常が展開していく。





16-23. 風の音、愛のうた

監督 ピーラサック・サックシリ
出演 パッチャイ・パックディースースックソムチャイ・サックディクンラリター・パンヨーパートx White
2011年・タイ () 101分

解説
3人の新進監督が共同で作り上げた作品。3つの家族の物語が描かれる。日常的な生活のなかで忘れがちな「愛」や「思いやり」など、大切なことに気付かせてくれる作品。 音楽学校の生徒を演じるのはタイの人気ポップロックグループ Potato のパップ。軍人の妻はメロドラマのスター、ラリター・パンヨーパートが演じている。タイの劇場公開は2011年5月。

ストーリー
☆ 才能はあるが傲慢な音楽学校の学生ジョイ。オーケストラから放り出され、風変わりな音楽教授のフィールドワークを手伝うことになる。自然の音を録音する旅に自閉症の妹もついてくる。
☆ 甘やかされて育ったわがまま女子大生ムアイ。中国系タイ人の祖父が営む靴工房を手伝うことになる。しかし、祖父の靴工房を大量生産で大きく発展させた父と祖父は経営の方針を巡って対立している。
☆ 軍医である夫に従い、テロが頻発するタイ深南部にやってきた女性。 故郷のバンコクに帰りたいと思っている。幼い息子は仏教徒として育てられたが、南部に多いイスラム教徒の友達も増え、バンコクに戻りたくないと言い出す。夫は何も言わず、母子によりそうだけ。複雑な思いの彼女だが……。





16-24. フリー・ウィリー (吹替)

監督 サイモン・ウィンサー
出演 ジェーソン・ジェームズ・リクターロリ・ペティジェーン・アトキンソンマイケル・マドセンマイケル・アイアンサイド
1993年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 112分

解説
家族からむりやり引き離されたシャチと、母親に捨てられた少年。互いに孤独な境遇の両者が友情を深め、成長していく姿を美しい自然描写の中に描いた感動編。俳優でもあるキース・ウォーカーの原案を、彼とコーリー・ブレックマンが脚色、 「ハーレーダビッドソン&マルボロマン」 のサイモン・ウィンサーが監督して映画化。製作は 「リーサル・ウェポン」 シリーズのジェニー・ルー・トゥジェンドと 「デーヴ」 のローレン・シュラー・ドナー。エグゼクティヴ・プロデューサーは 「天と地」 のアーノン・ミルチャンと 「ロストボーイ」 のリチャード・ドナー。撮影はロビー・グリーンバーグ。音楽は 「ロボコップ」 のバジル・ポールドゥリスで、主題歌 「ウィル・ビー・ユア・ゼア」をマイケル・ジャクソンが歌う。主演はオーイディションで4千人から選ばれたジェーソン・ジェームズ・リクター。共演は「レザボア・ドッグス」 のマイケル・マドセンほか。

ストーリー
孤児院から脱走してストリートキッズとなったジェシー(ジェーソン・ジェームズ・リクター)はある日、警察に追われて海岸沿いのさびれた水族館に逃げ込む。彼はそこで、水槽の中で泳ぐシャチのウィリーと出会う。警察に捕まり孤児院に連れ戻されたジェシーの身柄は里親のグレン(マイケル・マドセン)とアニー(ジェーン・アトキンソン)夫妻の元へ送られた。夫妻はなんとかジェシーの気を引こうとするが、6年前に彼を捨てた母親がきっと迎えに来ると信じるジェシーは決して心を開かなかった。罰則として水族館のペンキ落としの作業を命じられたジェシーはウィリーと再会する。誰にもなつかないウィリーは、ジェシーの吹くハーモニカだけに優しい表情を見せた。やがてジェシーとの信頼と友情を深めたウィリーは、彼の指導の下、ダイビングや跳躍をはじめ、さまざまな芸を身に付けていく。水族館のオーナーのダイアル(マイケル・アイアンサイド)と支配人のウェイド(リチャード・リール)は金もうけになると考えて、彼らのショーを開く。だが、大観衆の前で神経質になったウィリーは、ジェシーの笛の音にも反応しなかった。その夜、ジェシーはダイアルたちが巨額の保険金を手に入れるため、ウィリーを殺そうとする所に出くわす。ジェシーは機転を利かせてウィリーを助け、大海原に返してやるのだった。




16-25. 夕陽に立つ保安官

監督 バート・ケネディ
出演 ジェームズ・ガーナージョーン・ハケットウォルター・ブレナンハリー・モーガンジャック・イーラム
1968年・アメリカ (ユナイト) 分

解説
製作も手がけている 「腰抜け二挺拳銃」 のウィリアム・バワーズの脚本を 「続荒野の七人」 のバート・ケネディが監督したユーモラスな西部劇。撮影は、ハリー・ストラドリング・ジュニア、音楽をジェフ・アレクサンダーが担当している。出演は 「グラン・ブリ」 のジェームズ・ガーナー、 「ウィル・ペニー」 のジョーン・ハケット、 「西部開拓史」 のウォルター・ブレナン、 「六番目の男」 のハリー・モーガンなど。

ストーリー
ありきたりの開拓村カレンダーも、金が発見されてからゴールドラッシュの渦にまきこまれけんか、リンチ、果たし合いなどが続き、町の空気は乱れる一方。そこで町長オリーは保安官募集の広告を出した。応募してきたのは、ジェイソン・マッカラー(ジェームズ・ガーナー)というヌーボーとしたガンマン。この男、強いのか弱いのか、利口なのか馬鹿なのか見当がつかない。保安官事務所はあるものの留置所にはまだ鉄格子がはまっていないという、その留置所にこの地方で横暴の限りをつくしているダンビー一家の息子ジョーが第一の客として来た。マッカラーの面前で人を撃ち殺したのである。おやじのダンビー(ウォルター・ブレナン)は息子奪還にすごんできたが、保安官はのんびり、鉄格子のない留置所で息子は神妙にしている。気味が悪くなってひき返した。一方町長の娘プルーディ(ジョーン・ハケット)は手のつけられないじゃじゃ馬だが、どうやら美丈夫のマッカラーにまいってしまった様子である。陣容をたてなおしたダンビーはジョーを奪い返そうと留置場を襲ったが、時すでに遅く、留置場には堅固な鉄格子がはまっていた。怒ったダンビーは次々と凄腕のガンマンを送ったが、すべてマッカラーは撃退。ついてダンビーは狩り集めたガンマンたちをひき連れて、町にのりくむことにした。町の人々はふるえあがった。ダンビー一家の殴り込みに対するのは、マッカラーと助手のジェイクとプルーディの3人。戦いは火ぶたを切った。が、気がつくと、捕らわれのジョーが広場に飾ってある大砲の筒先に縛りつけられ、マッカラーが火縄と葉巻を持って立っていた。勝負はついた。ダンビー一家は一網打尽である。マッカラーはプルーディと結婚、この町に腰を落ち着け、州知事となり、助手のジェイクが2代目保安官として睨みをきかせていた。




16-26. ショーシャンクの空に

監督 フランク・ダラボン
出演 ティム・ロビンスモーガン・フリーマンウィリアム・サドラーボブ・ガントンジェームズ・ホイットモア
1994年・アメリカ (松竹富士(松竹=アスミック 提供)) 143分

解説
20年近くの刑務所生活の中でもおのれを見失わず、ついには脱獄に成功した男の奇妙な逸話の数々と、その親友の囚人をめぐるヒューマン・ドラマ。ホラー小説の大家、スティーブン・キングの非ホラー小説の傑作といわれた中編 「刑務所のリタ・ヘイワース」(邦訳は新潮文庫「ゴールデンボーイ」に所収)を、「フランケンシュタイン(1994)」 の脚本家、フランク・ダラボンが初監督と脚色を手掛けて映画化。製作はニキ・マーヴィン、撮影は 「未来は今」 のロジャー・ディーキンス、音楽は 「ザ・プレイヤー」 のトーマス・ニューマン、美術は 「ドクトル・ジバゴ」 「オリバー!」 で2度アカデミー賞を受賞したテレンス・マーシュがそれぞれ担当。主演は 「星に想いを」 のティム・ロビンスと 「アウトブレイク」 のモーガン・フリーマン。共演は 「トレスパス」 のウィリアム・サドラー、 「デモリションマン」 のボブ・ガントン、 「ナッツ」 などのベテラン、ジェームズ・ウィットモアほか。95年度キネマ旬報外国映画ベスト・ワン作品。

ストーリー
47年、ショーシャンク刑務所。銀行の若き副頭取、アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻と間男を殺した罪で刑に服した。誰とも話さなかった彼が1ヶ月後、“調達係 ”のレッド(モーガン・フリーマン)に、鉱物採集の趣味を復活させたいと言い、ロックハンマーを注文する。一方あらくれのボグズ一派に性的行為を強要され常に抵抗したアンディは、2年間生傷が耐えなかった。49年、アンディは屋根の修理作業に駆り出された時、監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が死んだ弟の遺産相続問題で愚痴をこぼしているのを聞き、解決策を助言する。彼は作業中の仲間たちへのビールを報酬に、必要な書類作成を申し出た。取り引きは成立して囚人たちはビールにありつき、彼らはアンディに一目置くようになる。アンディがレッドに女優リタ・ヘイワースの大判ポスターを注文した頃、彼を叩きのめしたボグズはハドレーに半殺しにされ病院送りにされた。ノートン所長(ボブ・ガントン)はアンディを図書係に回すが、これは看守たちの資産運用や税金対策の書類作成をやらせるためだった。アンディは州議会に図書予算請求の手紙を毎週一通ずつ書き始める。6年目に、ついに200ドルの予算を約束する返事と中古図書が送られてきた。アンディはその中にあった『フィガロの結婚』のレコードを所内に流し、囚人たちは心なごんだ。63年、図書室の設備は見違えるように充実していた。所長は、囚人たちの野外奉仕計画を利用して、地元の土建業者たちからワイロを手に入れ、アンディにその金を“洗濯”させていた。65年、ケチなコソ泥で入所したトミー(ギル・ベロウズ)が、以前いた刑務所で同じ房にいた男が「アンディの妻と浮気相手を殺した真犯人は俺だ」と話したと言う。アンディは20年目にやって来た無罪証明の機会に色めきたつが、再審請求を所長は求める彼を相手にしない。所長はアンディが釈放されると、今まで彼にやらせてきた不正の事実が明らかになるのを恐れていた。アンディは懲罰房に入れられ、その間にトミーはハドレーに撃たれて死んだ。その後のある定期検査の日。アンディの房は無人だった。マリリン・モンローからラクエル・ウェルチへ代替わりしていたポスターを剥がすと、その壁には深い穴が開いていた。アンディはあのハンマーで19年間かかって穴を堀り、嵐の晩に脱獄に成功したのだ。アンディは所長たちの不正の事実を明るみにさらし、ハドレーは逮捕され、観念した所長は自殺した。やがてレッドは仮釈放になるが、外の生活に順応できない。彼はアンディの手紙を読み、意を決して今はメキシコで成功している彼の元を訪ねるのだった。




16-27. ガリバー旅行記 (吹替)

監督 ロブ・レターマン
出演 ジャック・ブラックエミリー・ブラントアマンダ・ピートジェイソン・シーゲルT.J.ミラー
2010年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 85分

解説
ジョナサン・スウィフトの古典文学を、 「スクール・オブ・ロック」 の人気コメディ俳優、ジャック・ブラック主演で映画化。原作を大胆に翻案、小人の国に流れ着いた旅行記者ガリバーが繰り広げる爆笑ファンタジー・アドベンチャーに仕上げた。ジャック・ブラックならではの、体を張ったギャグの数々に注目だ。

ストーリー
ニューヨークの新聞社に勤める郵便仕分け事務員レミュエル・ガリバー(ジャック・ブラック)。小心者で冴えない毎日を送る彼は、密かにジャーナリストになりたいという野心を抱いていた。そんなある日、お得意の口から出まかせのハッタリで、謎のバミューダ三角地帯取材という大仕事を手にする。意気揚々と航海の旅に出たガリバーだったが、突然発生した大嵐に巻き込まれてしまう。意識を取り戻した彼が目にしたものは、限りなく小さな小人たちが住む美しい国、リリパット王国。この小人の国で彼は、運命を大きく変える途方もない大冒険を繰り広げることになる。中世さながらのこの国で、彼らよりも大きな体を生かして国王の危機を救ったガリバーは、ハッタリと現代文明の知識を生かして小人たちから崇められる存在に。しかし、根が小心者の彼は、予想外の敵の出現を前にして、臆病風に吹かれて醜態を晒してしまう。これによって、王国の人々を危機に陥れ、信頼を失ってしまうガリバー。果たして彼は、敵の侵略から王国を救い、信頼を取り戻して本物のヒーローになれるのだろうか……。




16-28. マイライフ・アズ・ア・ドッグ

監督 ラッセ・ハルストレム
出演 アントン・グランセリウスマンフレド・セルナルアンキ・リデントーマス・フォン・ブレムセンKicki Rundgren
1985年・スウェーデン (フランス映画社) 分
50年代末のスウェーデンの海辺の小さな町と山間のガラス工場の村を舞台に、人々との出会いと別れを通して人生に目覚めてゆく少年の姿を描く。製作はヴァルデマール・ベリエンダール、監督は 「アバ ザ・ムービー」 のラッセ・ハルストレム、レイダル・イェンソンの同名小説を基に彼自身とハルストレム、そしてブラッセ・ブレンストレム、ペール・ベルイルントが脚色、撮影はヨルゲン・ペルソン、音楽はビヨルン・イスフェルトが担当。出演はアントン・グランセリウス、メリンダ・キンナマンほか。

ストーリー
12歳の少年イングマル(アントン・グランセリウス)は58年の出来事をひとり夏のあずま屋で星に話しかけている……。人工衛星に乗せられて地球最初の宇宙旅行生物になったライカ犬の運命を思えば、兄エリク(マンフレド・セルナル)にいじめられても、彼の不器用なドジをママ(アンキ・リデン)が嘆き悲しんでも、南洋の海からパパが帰ってこなくても、ちっとも不幸な事ではない。しかし夏になりママの病状が悪化して、兄さんは祖母の、イングマルはグンネル叔父さん(トーマス・フォン・ブレム)のところで暮らすことになった。彼は愛犬シッカンが心配だが犬の保育所が預かってくれるらしい。大きなガラス工場のある小さな村スモールランドのオーフェルシュ村。イングマルはここで、都会では出会えないような人たちばかり目にし、中でも村のガキ大将サガ(メリンダ・キンナマン)の存在は彼の心に爽やかに焼きついた。そして、サガは少年じゃない事実は、イングマルの心をさらに揺すぶった。秋になり、兄さんとともに久しぶりに会ったママは元気こそなかったが、今までになく優しかった。しかしそれは、イングマルがママと話した最後になってしまう。冬になってギリシャ人移民が間借りし、家は狭くなった。イングマルは叔父さんに引っ越しを頼まれ、シッカンと一緒なら、と同意する。しかし、ふとしたことからサガに、あの犬は死んだ、と言われショックをうけた彼は、叔父さんのあずま屋に立てこもる。真実を言って聞かせる叔父さん、激しく泣きじゃくるイングマル。夏、スウェーデンの名ボクシング選手ヨハンソンが不敗のチャンピオン、パターソンを破る番狂わせに人々が熱狂する中、少年イングマルは少女となったサガとすやすやと眠っている……。




16-29. 愛のメモリー

監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 クリフ・ロバートソンジュヌヴィエーヴ・ビジョルドワンダ・ブラックマンジョン・リスゴーシルヴィア・クーンバ・ウィリアムス
1976年・アメリカ (ジョイパックフィルム) 分

解説
最愛の妻と娘を亡くし、その幸せだった想い出のみに生きていた男の前に突然襲いかかって来た出来事を描くサスペンス・ロマン作品。製作総指揮はロバート・S・ブレムソン、製作はジョージ・リットーとハリー・N・ブラム、監督は 「キャリー」 のブライアン・デ・パルマ、脚本は 「タクシー・ドライバー」 のポール・シュレイダー、原案はB・D・パルマとP・シュレイダー、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はバーナード・ハーマン、美術はジャック・センター、絵画はバートン・デ・パルマ、編集はポール・ハーシュが各々担当。出演はクリフ・ロバートソン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ワンダ・ブラックマン、ジョン・リスゴー、シルヴィア・ 「タクシー・ドライバー」 のポール・シュレイダー、原案はB・D・パルマとP・シュレイダー、撮影はヴィルモス・ジグモンド、音楽はバーナード・ハーマン、美術はジャック・センター、絵画はバートン・デ・パルマ、編集はポール・ハーシュが各々担当。出演はクリフ・ロバートソン、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ワンダ・ブラックマン、ジョン・リスゴー、シルヴィア・「クーンバ」・ウィリアムス、ストッカー・フォントリュー、スタンリー・J・レイス、トーマス・カー、ネラ・シモンチーニ・バルビエリなど。

ストーリー
1959年、緑濃いニューオリンズの夜。マイケル(C・ロバートソン)家では、結婚10周年記念パーティが行なわれていた。彼の親友達は、彼を、妻エリザベス(G・ビュジョルド)を、そして娘エミー(W・ブラックマン)を祝福する。やがてパーティも終わり、夫婦水いらずの夜をすごそうとした矢先、2階よりエミーの呼ぶ声が……。エリザベスは娘を寝かせに上がって行くが、一向に戻って来ない。2人が居ない!マイケルが2階に上がっていくと、娘のベッドの柱に脅迫文が貼られてあった。「現金50万ドルと引きかえに妻娘を返す」と……。マイケルは、親友でもあり自分の経営する会社の共同経営者でもあるロバート(C・リスゴウ)を呼び相談する。そして翌朝、警察も呼び、ブリー警部(S・J・レイス)の言う通り、白紙の見送金を犯人側に渡した。やがて警察は犯人の車の後を追う。だが車は大型タンクローリーと激突、川中に……。その後の捜査にもかかわらず、妻と娘の姿は発見出来なかった。悲しみにくれるマイケル−−。やがて、16年が経った。マイケルはロバートと共にフローレンスに出張する。ここ、フローレンスは、マイケルがエリザベスと知り合った土地でもあったのだ。その夜のうちに仕事を済ませ、翌日、マイケルはエリザベスと出逢った思い出の教会に行く。そしてそこで彼の見たものは……。まさか!マイケルは我が眼をうたがった。エリザベスとうり二つの娘がいるではないか。以来マイケルは、ロバートを先にアメリカに帰し、その娘サンドラ(G・ビュジョルド)に夢中になる。2人の仲は急速に発展していった。そしてニューオリンズに戻って、2人は結婚することになる。あのエリザベスが今サンドラとして帰ってくる。マイケルは幸せだった。しかし、ロバート達、会社の人間は心配する。やがて、翌日が結婚式となったその夜、マイケルは昔の悪夢にうなされ、目ざめる。そして、胸騒ぎがしてサンドラの部屋に行くと……、そこにはあの事件の新聞の切り抜きが、ベッドの柱に貼られていた。そしてサンドラがいない。マイケルは今度こそ16年前のあやまちをくりかえさないためにも、事を自らの手で解決しようと、ロバートの所に翌早朝、50万ドルをかりに行った。だが、ロバートは不機嫌。マイケルはかりるかわりに経営権を渡す事を約束。この際、サンドラさえ無事ならば……。マイケルはロバートと共に銀行に行き50万ドルを手に入れ、あの事件の時と同じ所に金をもっていった。だが、いくら待っても犯人からの連絡はない。一体どうしたのだ。彼は金を置いた所へもどってみるとそこには、風に吹かれ飛び散る白紙が……。すべてロバートが……。怒るマイケルはロバートの所にのりこんだ。今回のそしてあの16年前の事件もすべてロバートが、会社を乗っとるためにしくんだことを、マイケルは知った。「バカヤロウ」とののしるロバートは、50万ドル入ったケースをマイケルに手渡し、サンドラも共犯だと語る。しかも、サンドラこそ、あの娘エミーだと。マイケルは怒り、ロバートを殺し、サンドラの後を追って空港へ……。「サンドラ!」とドル紙幣がまき上がる中、マイケルは走る。「お金を持って来てくれたのネ」と彼の胸に飛びこむサンドラ。今、ようやく、2人の中に、16年間の深淵はうまり、幸せが、父と娘としての幸せが訪れてくるのであった−−。




16-30. そんな彼なら捨てちゃえば?

監督 ケン・クワピス
出演 ベン・アフレックジェニファー・アニストンドリュー・バリモアジェニファー・コネリーケヴィン・コナリー
2009年・アメリカ (ワーナー) 129分

解説
全米ベストセラーの“恋愛バイブル”を人気女優の共演で映画化。男の本音を都合よく受け取る女たちの恋愛模様をせつなくもコミカルに描き出す。多彩なエピソードに共感必至!

ストーリー
同じ会社に勤めるジジ(ジニファー・グッドウィン)、ジャニーン(ジェニファー・コネリー)、ベス(ジェニファー・アニストン)の3人は、プライベート・ライフについても相談し合う仲だった。何度失恋を繰り返しても恋に前向きなジジは、ジャニーンに紹介された不動産の仲介業者のコナー(ケビン・コノリー)に一目惚れをする。しかし初デート後、コナーから連絡はない。コナーの友人・アレックス(ジャスティン・ロング)は、男の心理を理解しない女の勘違いが原因だと指摘する。ジジは、これまで男の行動を自分に都合よく解釈していたせいで、失敗を繰り返していたのだと気づく。彼女の変化は周囲にも影響を与える。恋人のニール(ベン・アフレック)と同棲7年目のベスは、いつか結婚できると期待していた。しかし例外は滅多にないというジジの結論に共感し、ニールに別れを告げる。結婚しているジャニーンは新居の完成を間近にひかえ、まったく問題ないように思えていた。しかし夫・ベン(ブラッドリー・クーパー)が、アンナ(スカーレット・ヨハンソン)と浮気していることが発覚する。勇気を出して男の本音に向き合い、最高のパートナーを見つけようと模索する彼女たちは、本当の幸せをつかむために奥の手を使う。




16-31. 荒鷲の要塞

監督 ブライアン・G・ハットン
出演 リチャード・バートンクリント・イーストウッドメアリー・ユーアマイケル・ホーダーンパトリック・ワイマーク
1968年・アメリカ (MGM) 分

解説
ナバロンの要塞」 の作家アリステア・マクリーンのオリジナル・シナリオ(彼はのちに、この脚本を小説化している)を、俳優から転じた 「追いつめて殺せ!」 のブライアン・G・ハットンが監督したアクション篇。撮影は 「暗殺! 5時12分」 のアーサー・イベットソンで、ロケ地はオーストリア・アルプスのザルツブルグ地方である。音楽は 「クロスボー作戦」 のロン・グッドウィンが担当した。出演は 「危険な旅路」 のリチャード・バートン、 「夕陽のガンマン」 シリーズのクリント・イーストウッド、 「カスター将軍」 のメアリー・ユーア、 「ジョーカー野郎」 のマイケル・ホーダーンほか。製作は 「今宵限りの恋」 のジェリー・ガーシュインとエリオット・カストナーのコンビ。

ストーリー
第2次大戦で連合軍が、ようやく反撃に移ろうとしている頃。鷲の城と呼ばれるドイツ情報本部に、アメリカのカーナビー将軍が捕われの身となっていた。彼を救出すべくジョン・スミス(リチャード・バートン)をはじめとする6人のイギリス軍情報部の諜報員と、アメリカのレンジャー部隊員シャファー中尉(クリント・イーストウッド)らが乗り込んだ。彼らは、情報部のターナー大佐の命令でこの大仕事に取り組んだのだ。だが何故かスミスは、ほかの部員とは内密に女性諜報部員メアリー(メアリー・ユーア)と連絡をとっていた。そしてドイツ兵士が集まる酒場に彼女を連れて行き、そこで働くスパイ仲間のミス・ハイディに引きあわせる。ハイディの口ききで、メアリーは鷲の城の中に仕事口を見つけて潜入する。その直後、酒場に一斉手入れがあり、スミスは逮捕される。情報が筒抜けであるので、二重スパイがいるのかもしれない…。やがてスミスは逃亡し、シャファーと2人で城内に潜入してメアリーと連絡し、カーナビー将軍が城外に連れ去られることを防ぐ。カーナビー将軍の取り調べが始まろうとしており、そこにはスミスらと一緒に来た3人のイギリスのスパイが捕らわれていた。そこへ現れたスミスは意外なことを言い出す。「このカーナビー将軍は偽物だ! そして、この3人のスパイたちも、実はイギリス側ではなくドイツ側だ!」。そしてスミスはメアリー、シャファーらとともに城内を破壊し、アメリカの俳優が扮している偽将軍を連れて脱出。やがてターナー大佐の飛行機で救出される。では何故スミスは、こんなことをしたのか? 実は、かねがねターナー大佐の行動が怪しいと、にらんでいた男がいた。イギリス軍情報部のローランド海軍提督である。彼はそれを証明するために、偽将軍が捕らわれる状況を作り、救出作戦を立てた。そして救出部員の人選をターナーにまかせたのである。案の定、ターナーは裏切り者のスパイたちを作戦に加えたのだった。事実を知っていたのはスミス1人。間もなくして、ターナーは自決して果てるのだった。




16-32. 群盗荒野を裂く

監督 ダミアーノ・ダミアーニ
出演 ジャン・マリア・ヴォロンテクラウス・キンスキーマルティーヌ・ベズウィックルー・カステルイェイム・フェルナンデス
1967年・イタリア (東京第一フィルム)

解説
サルバトーレ・ラウリーニの脚本を 「禁じられた恋の島」 のダミアーノ・ダミアーニが監督したメキシコ革命を背景にしたアクション篇。撮影はトニ・セッチ、音楽は 「続荒野の用心棒」 のルイス・エンリケス・バカロフが担当している。なお 「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」 のエンニオ・モリコーネが音楽監修者として名をつらねている。出演は 「夕陽のガンマン」 のジャン・マリア・ヴォロンテ、 「007/サンダーボール作戦」 のマルティーヌ・ベズウィックほか。製作はビアンコ・マニアーニ。テクニカラー、テクニスコープ。

ストーリー
メキシコ革命のさなか。各地に革命軍の火の手はつぎつぎとあがり、政府軍との交戦が日ましに激しくなっていた時代である。エル・チュンチョ(G・M・ヴォロンテ)を首領とするゲリラ隊は、政府軍を襲っては武器、弾薬を掠奪し、革命軍のエリアス将軍に売りつけていた。ある日のこと、アメリカ青年ビルが仲間に加わった。ところでこのゲリラ隊は、革命軍の勝利を心から願うチュンチョと弟のサントのほかは、紅一点のアデリータ(M・ベズウィック)と、金だけが目的の男たちだった。やがてチュンチョは、サンミゲルの町が革命軍の手で解放されたのを知ると、みんなをつれて町にやってきた。しかし政府軍が明日にも攻めてくるかもしれない。チュンチョとサントは町にとどまろうとしたがビルが反対した。そしてビルは仲間をひきつれて、武器を売るためにエリアス将軍のもとへ急いだ。町民に戦闘方法を教えたチュンチョはサントがとめるのもきかず後を追った。途中一行は政府軍の襲撃に会い、仲間はチュンチョとビルだけになってしまった。二人の間には男どうしの友情らしきものが芽ばえた。やがてエリアス将軍の所についたとき、二人は一行が発った直後にサンミゲルの町が襲撃されたと知らされた。チュンチョは自分のとった行動を後悔し、すすんで処刑を受けたいといった。サンミゲルの町のただひとりの生き残りサントが銃殺刑を行なうことになり、二人は陣営のはずれに歩いた。そのとき二発の銃声。一発はエリアス将軍に、一発はサントに。犯人はビルだった。彼は実は賞金稼ぎで、最初からエリアス将軍を狙っていたのだった。その後ホテルでチュンチョとビルは出会った。チュンチョはピストルに手をかけたが、ビルは相手にしない。賞金を半分やるからアメリカで気軽に暮そうという。ビルの友情らしきものを知るうちにチュンチョには殺意がなくなってしまった。二人は汽車に乗った。しかし、チュンチョはどうしてもビルを許せなかった。発車まぎわ、チュンチョはビルを射殺し、いずこともなく逃走していった。




16-33. ザ・バンク 堕ちた巨像

監督 トム・ティクヴァ
出演 クライヴ・オーウェンナオミ・ワッツアーミン・ミューラー=スタールブライアン・F・オバーン
2009年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 117分

解説
「パフューム ある人殺しの物語」 の鬼才トム・ティクヴァ監督の最新作。欧米各地を舞台にした壮大なスケールで、国際銀行の悪行に立ち向かう捜査官の苦闘を描く。

ストーリー
国際メガバンクIBBCの違法行為を捜査するインターポール捜査官ルイ・サリンジャー(クライヴ・オーウェン)は、ベルリンで検事補エレノア・ホイットマン(ナオミ・ワッツ)と出会う。協同で捜査を進める2人だったが、警察からドイツ国内での活動を禁じられてしまう。インターポール本部に戻ったサリンジャーはIBBCの頭取に関する報告に矛盾を発見、ルクセンブルグのIBBC本部に乗り込む。頭取との面会は断られるが、ホイットマンからIBBCの犯罪を知る重要人物の情報が入る。それは、欧州最大の軍事メーカー社長で次期イタリア大統領候補のカルビーニ。彼との面会でIBBCが企てる世界を裏で支配する取引の情報を得る2人。その直後、カルビーニが暗殺され、サリンジャーたちもミラノからの退去が命じられる。だが、空港で暗殺者の手がかりを掴んだ2人は、後を追ってニューヨークへ。特徴的な義足の足跡から暗殺者コンサルタント(ブライアン・F・オバーン)を発見。その後を追うと、グッゲンハイム美術館で彼を待っていたのはIBBC本部で目にした頭取の側近ウェクスラー(アーミン・ミューラー=スタール)だった。そこに響く銃声。コンサルタントの口を封じるためのIBBCの差し金だった。激しい銃撃戦の中、コンサルタントは死亡。またもや真実への手がかりを失ったサリンジャーを、ホイットマンがある場所へ案内する。そこにいたのは、美術館で捕らえたウェクスラー。サリンジャーの説得に、ウェクスラーは捜査への協力を約束。残り少ない人生、彼も正義を取り戻したかったのだ。しかし、政府、多国籍企業、犯罪組織などあらゆる組織に関与するIBBCの裏を暴くことは、法の枠を越えることを意味していた。家族の命が狙われる危険のあるホイットマンを残し、1人で立ち向かう決意をするサリンジャー。そして彼は、最終取引の地トルコのイスタンブールに向かう……。




16-34. フルメタル・ジャケット

監督 スタンリー・キューブリック
出演 マシュー・モディンアダム・ボールドウィンヴィンセント・ドノフリオR・リー・アーメイドリアン・ヘアウッド
1987年・アメリカ (ワーナー映画)

解説
ヴェトナム戦争を舞台に、新兵の厳しい訓練と彼らが赴いた戦場での体験を描く。 「シャイニング」 以来7年ぶりのスタンリー・キューブリック製作・監督作品。エグゼクティヴ・プロデューサーはヤン・ハーラン、共同製作にフィリップ・ホブス。グスタフ・ハスフォードの原作をハスフォード自らとキューブリックおよびマイケル・ハーが脚色。撮影はダグラス・ミルサム、プロダクション・デザイナーはアントン・ファースト、音楽はアビゲイル・ミード、編集はマーティン・ハンター、録音はエドワード・タイズが担当。出演は 「ビジョン・クエスト 青春の賭け」 のマシュー・モディン、 「地獄の黙示録」 のリー・アーメイ、 「俺達の明日」 のアダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオほか。

ストーリー
南カロライナ州の合衆国海兵隊新兵訓練基地。ヴェトナム戦争のさなかの今日も、これから8週間の地獄の特訓を受ける新兵たちが入隊してきた。ジョーカー(マシュー・モディン)、パイル(ヴィンセント・ドノフリオ)、カウボーイ(アーリス・ハワード)といった面々だ。彼らは早速頭を丸刈りされ、整列させられて、鬼のような訓練教官ハートマン(リー・アーメイ)からウジ虫呼ばわりされ、厳しい訓示を受ける。実際訓練は苛酷で厳しいもので、しかもハートマンは容赦なく彼らをシゴく。特に何をやらせてもノロマで不器用なデブのパイルはシゴきの対象とされ、あげくはパイルのミスのとばっちりが他の訓練兵に及び、仲間からもリンチにあう。そんなパイルをジョーカーは精一杯かばうのだが、パイルは徐々に精神に異常をきたし、目つきも変わってくる。遂に卒業前夜にトイレで狂気が爆発、ハートマンを撃ち殺し、自らも銃をくわえて絶命する。時が過ぎた。新兵たちも一人前の海兵隊員としてそれぞれの部隊に配属されており、ヴェトナム戦線も終盤に近づいた1968年1月、ジョーカーはダナン基地において報道隊員として比較的のんびりとした生活を送っていた。だが北ヴェトナム軍の激烈なテト(旧正月)攻撃が始まり、ジョーカーは純真なカメラマンのラフターマン(ケヴィン・メジャー・ハワード)とともに最前線のフエ市へ向かう。そこではタッチダウン軍曹(エド・オーロス)の指揮のもと、自らを殺人機械として自負するアニマル・マザー(アダム・ボールドウィン)や黒人のエイトボール(ドリアン・ヘアウッド)、クレイジー・アール(キアソン・ジェキニス)といった兵隊たちが集まっていたが、そこでジョーカーはカウボーイと感動の再会をする。それもつかの間、彼らは銃火の真っ只中に。前線を偵察中、対面の廃ビルにひそむ凄腕の敵の狙撃兵にやられ、エイトボールやドク(ジョン・スタフォード)が撃たれ、カウボーイも撃ち殺される。決死の復讐を誓ったアニマル・マザーやジョーカーは廃ビルに侵入、狙撃兵を撃って瀕死の重傷をおわせるがまだ年端もいかぬ少女兵であることを知って呆然とする。「私を…撃って」と嘆願する少女兵を狙って、ジョーカーは震える指先で銃の引き金を引き、とどめを刺す。夕焼けの戦場。兵士たちはミッキーマウス・クラブの歌を唱和しながら前進を続ける。ジョーカーの独白が重なる。“俺はまだこのクソ地獄にいる。しかし、生きている。除隊も近いだろう……”と。




16-35. 容疑者 (吹替)

監督 マイケル・ケイトン・ジョーンズ
出演 ロバート・デ・ニーロフランシス・マクドーマンドジェームズ・フランコエリザ・ドゥシュクウィリアム・フォーサイス
2002年・アメリカ (ギャガ=ヒューマックス) 108分

解説
名優ロバート・デ・ニーロが暗い過去をもつ刑事に扮したサスペンス。息子が関わった殺人事件を捜査する男の苦闘をとおして、父子の絆というヒューマンなテーマを問う。

ストーリー
N.Y. 市警の敏腕刑事ビンセントは、殺されたドラッグ・ディーラーの事件を追っていた。調べるうちに、事件はロングアイランドで起きたことを突き詰める。そこは自分の生まれ故郷であり、14年前に家族を捨てて出た街だ。そこで実の父親が、幼児誘拐殺人犯として電気椅子で処刑されたのだった。久々に故郷に戻ったビンセントに、有力な容疑者の知らせが入る。それは、まだ幼い頃に妻と共に置き去りにした息子ジョーイだった。




16-36. ラウンド・ミッドナイト

監督 ベルトラン・タヴェルニエ
出演 デクスター・ゴードンフランソワ・クリュゼガブリエル・アケルSandra Reaves Phillipsロネット・マッキー
1986年・アメリカ (ワーナー映画) 133分

解説
1940年代、50年代の代表的ジャズプレイヤーと、彼を神のように尊敬する若者の交流を描く。製作はアーウィン・ウィンクラー、監督は 「田舎の日曜日」 のベルトラン・タヴェルニエ、脚本はタヴェルニエとデイヴィッド・レイフィール、撮影はブルーノ・ディ・カイゼル、音楽はハービー・ハンコック、編集はアルマン・ペスニー、衣裳はジャクリーヌ・モローが担当。出演はデクスター・ゴードン、フランソワ・クルゼなど。

ストーリー
パリ、1959年。アメリカのテナー・サックス奏者デイル・ターナー(デクスター・ゴードン)がクラブブルーノートに出演するためにやって来た。盛りを過ぎたとはいえ長年、サックスの巨人として君臨してきたデイルの来仏は、パリのジャズ・ファンの心をときめかした。デイルを迎えたのはクラブの音楽監督でピアニストのエディ・ウェイン(ハービー・ハンコック)やヴァイブのエース(ボビー・ハッチャーソン)といった気心の知れた仲間たち、それにクラブのオーナー、ベン(ジョン・ベリー)らであった。クラブは久々に大物の来場で湧き返った。その音を、クラブの外で雨にうたれながらじっと聴いている若者がいた。貧しいグラフィック・デザイナーのフランシス・ボリエ(フランンワ・クリューゼ)で、彼はみすばらしいアパートで待っていた9歳の娘ベランジェール(ガブリエル・アケル)にその感激を語って聞かせた。「彼は神のように素晴らしかった!」フランシスは妻(クリスチーヌ・パスカル)と別れ、男手ひとつで娘を育てていたのだ。やがてデイルとフランシスは意気投合−−英語が分からないベランジェールもデイルに親しんだ。しかし、フランシスには不安もあった。デイルはアル中で、酒が入ると姿をくらませてしまうのだ。フランシスはデイルを家に引き取り、面倒を見ることにした。数ヵ月後、ついに別れの時がやって来た。デイルがニューヨークヘ帰る日が来たのだ。パリ在住のジャズメンを招いての賑やかなファミリー・パーティ、待望のスタジオ録音、リヨンへの旅など数々の思い出を残して…別れ難いフランシスはデイルについてアメリカに行く決心をかためた。だがアメリカでのデイルの演奏は若い聴衆には受け入れられず、失意の日々が続いた。フラスシスはそれが耐えられず、今度こそ本当に別れを告げ、パリに旅立った。




16-37. ギルバート・グレイプ 

監督 ラッセ・ハルストレム
出演 ジョニー・デップジュリエット・ルイスメアリー・スティーンバージェンレオナルド・ディカプリオダーレーン・ケイツ
1993年・アメリカ (シネセゾン) 117分

解説
肉体的、精神的に傷つきやすい家族を守って生きる青年の姿を通して、家族の絆、兄弟の愛憎、青春の痛み、そして未来への希望を描いた心優しきヒューマン・ドラマ。劇作家ピーター・ヘッジス初の小説を自身が脚色し、 「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」 「ワンス・アラウンド」(V)などで知られるスウェーデン出身のラッセ・ハルストレムが監督。製作はメイア・テペル、バーティル・オールソン、デイヴィッド・マタロンの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーはハルストレムと「真実の瞬間」 のアラン・C・ブロンクィスト。撮影はイングマール・ベルイマン監督とのコンビや 「めぐり逢えたら」 で知られる名手スヴェン・ニクヴィスト、音楽はアラン・パーカーとビョルン・イスファルトが担当。出演は 「アリゾナ・ドリーム」 のジョニー・デップ、 「カリフォルニア(1993)」 のジュリエット・ルイス、 「ボーイズ・ライフ」 のレオナルド・ディカプリオ、原作者に見いだされ、これが映画初出演のダーレーン・ケイツ、 「フィラデルフィア」 のメアリー・スティーンバージェンら。

ストーリー
人口千人ほどの田舎町、アイオワ州エンドーラ。24歳のギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)は、大型スーパーの進出ではやらなくなった食料品店に勤めている。日々の生活は退屈なものだったが、彼には町を離れられない理由があった。知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)は彼が身の回りの世話を焼き、常に監視していないとすぐに町の給水塔に登るなどの大騒ぎを起こすやんちゃ坊主。母のボニー(ダーレーン・ケイツ)は夫が17年前に突然、首吊り自殺を遂げて以来、外出もせず一日中食べ続けたあげく、鯨のように太ってしまった。ギルバートはそんな彼らの面倒を、姉のエイミー(ローラ・ハリントン)、妹のエレン(メリー・ケイト・シェルバート)とともに見なければなれなかった。彼は店のお客で、中年の夫人ベティ・カーヴァー(メアリー・スティーンバージェン)と不倫を重ねていたが、夫(ケヴィン・タイ)は気づいている。ある日、ギルバートは沿道にキャンプを張っている美少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)と知り合い、2人の仲は急速に深まる。だが、家族を捨てて彼女と町を出ていくことはできなかった。そんな時、ベティの夫が死亡し、彼女は子供たちと町を出た。一方、アーニーの18歳の誕生パーティの前日、ギルバートは弟を風呂へ入れさせようとした時、いらだちが爆発して暴力を振るってしまう。いたたまれなくなって家を飛びだした彼の足は、自然にベッキーの元へと向かった。その夜、彼は美しい水辺でベッキーに優しく抱きしめられて眠った。翌日、車の故障が直ったベッキーは出発した。華やかなパーティも終わり、愛するアーニーが18歳を迎えた安堵からか、ボニーは2階のベッドで眠るように息を引き取る。母の巨体と葬儀のことを思ったギルバートは「笑い者にはさせない」と決心し、家に火を放つ。一年後、ギルバートはアーニーと、町を訪れたベッキーのトレーラーに乗り込む。姉や妹も自分の人生を歩きだした。アーニーが「僕らはどこへ?」と尋ねると、彼は「どこへでも、どこへでも」と答えた。




16-38. レミーのおいしいレストラン (吹替)

監督 ブラッド・バード
出演 パットン・オズワルトルー・ロマーノイアン・ホルムジャニーヌ・ギャロファロブラッド・ギャレット
2007年・アメリカ (ブエナ ビスタ) 120分

解説
ファインディング・ニモ」 のピクサーが生み出した新作CGアニメ。パリで一番のシェフになりたいネズミと、料理下手な見習いシェフのコンビが主人公の感動ファンタジー。

ストーリー
フランスの片田舎。ネズミのレミー(声=パットン・オズワルト)は天才的な嗅覚と味覚を持ち、いつの日かシェフになることを夢見ていた。もちろん、それが叶わぬ夢と知りつつ。人間のキッチンにとって、ネズミは最も嫌われる存在だからだ。しかしある日、古巣を追われた家族と逃亡の途中ではぐれてしまったレミーの前に、彼が最も尊敬する亡き天才シェフ、グストー(声=ブラッド・ギャレット)のゴーストが現れる。グストーはレミーを、パリにある自分が経営していたレストランにまで導いた。ちょうどその頃、グストーの店では、シェフ見習いのリングイニ(声=ルー・ロマーノ)がヘマをしてスープを台無しにしていた。その様子を見ていたレミーは、思わずキッチンに乗り込んで見事にスープを作り直すが、それをリングイニに目撃されてしまう。しかし料理の才能がないことを自覚していたリングイニは、レミーを帽子の中に隠して、彼の指示通りに料理することを思いつく。こうしてレミーとリングイニのコンビの料理はパリのグルメたちを魅了し始めるが、陰険な料理長のスキナー(声=イアン・ホルム)は彼らに疑いの目を向けていた。やがてリングイニは同僚の女性コレット(声=ジャニーン・ガロファロー)と恋に落ち、高まる店の評判とは逆に、リングイニとレミーの仲は次第にぎくしゃくしていった。やがてリングイニの心ない言葉に傷ついたレミーは店を飛び出すが、反省したリングイニのもとにまた戻ってくる。だが、ネズミが料理していた真相が周囲にバレてしまった。そして店には、かつてグストーを酷評した辛口評論家のイーゴ(声=ピーター・オトゥール)がやってくる。彼はレミーの料理に心底感動し、ネズミが料理していると知りながら、リスクを冒して絶賛の記事を書く。このことでイーゴは権威ある評論家の地位を追われるのだが、レミーがリングイニやコレットと新しく開いた店で、おいしい料理を堪能するのだった。




16-39. セックス・アンド・ザ・シティ (吹替)

監督 マイケル・パトリック・キング
出演 サラ・ジェシカ・パーカーキム・キャトラルクリスティン・デイヴィスシンシア・ニクソンクリス・ノス
2008年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ) 145分

解説
日本でも絶大な人気を博した、大ヒット・テレビドラマが待望の映画化。NYで恋や仕事に邁進するパワフルな4人の女性が、新たな笑いと友情のドラマを繰り広げていく。

ストーリー
セックス・コラムニストのキャリーは理想の男性ミスター・ビッグと一緒に暮らすため瀟洒なアパートを購入し、次いで結婚も決意する。PR会社社長のサマンサは俳優を目指す恋人スミスを売り込むためにL.A.に引っ越し、再婚したシャーロットは中国から養女を迎え念願の母親に。弁護士のミランダは幼い息子と老いた義母を抱え、てんてこまいの日々を送っていたが、彼女たちはキャリーを祝福し結婚式の準備を進める。




16-40. センチメンタル・アドベンチャー

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドカイル・イーストウッドジョン・マッキンタイアヴァーナ・ブルームマット・クラーク
1982年・アメリカ (ワーナー映画) 分

解説
カントリー歌手をめざしてナッシュヴィルに向かう中年男とその甥の旅を描く。製作・監督・主演はクリント・イーストウッド。クランシー・力ーライルが自作の小説を脚色。撮影はイーストウッドと長年のコンビであるブルース・サーティーズ、音楽はスティーヴ・ドーフが担当。出演はイーストウッドの他に、彼の実子で14歳のカイル・イーストウッド、ジョン・マッキンタイア、マット・クラーク、ヴァーナ・ブルーム、アレクサ・ケニンなど。カリフォルニア州のサクラメント、ソノーラ、ネヴァダ州のカーソン・シティ、テネシー州ナッシュヴィルでロケ撮影された。日本版字幕は岡枝慎ニ。テクニカラー、ビスタサイズ。1982年作品。

ストーリー
レッド・ストヴォール(クリント・イーストウッド)は、大酒飲みのカントリー歌手。その生き方は、この大恐慌時代に彼が作り、いなかの道路ぞいのクラブやバーでうたう歌そのものだった。レッドという男は、うぬぼれ屋をこっぴどくやりこめるほど手ごわく、女の頬に軽く触れていとおしむほどやさしく、老人に「家に帰りな」と教えてやるほど賢く、少年を一人前にしてやれるほど強い、そんな一匹狼だ。ある時、レッドはナッシュヴィルのグランド・オール・オープリーのオーディションを受けてみないかと誘われ、おんぼろ車に古ギターをかかえて旅に出た。カリフォルニアから南下し、オクラホマの妹夫婦を尋ねた。妹のエミリー(ヴァーナ・ブルーム)は夫のヴァージル(マット・クラーク)と一緒に、砂塵で大きな被害をこうむった農場を立て直そうと必死だった。レッドは酒癖が悪くぶしつけだ。おまけに自信がないことから、いつもトラブルに巻き込まれていた。そこで甥のホイット(カイル・イーストウッド)が運転手を買って出る。叔父を無事に目的地まで送り届け、どうにか素面で歌わせようというのだ。もう1人、ホイットのつむじ曲りの祖父(ジョン・マッキンタイア)が、残り少ない人生を故郷のテネシーで送りたいと道づれになる。珍妙な3人連れは、小さな町の売春宿、いなかのクラブ、木賃宿、はては刑務所に至るまで足を踏みいれる。そして、ナッシュヴィルに着くまでに3人が出会ったさまざまな人々ータフな詐欺師、情の濃いウェイトレス、お人好しの男たちに酒の密売人、鉄面皮の弁護士たち、当りのやわらかなジャズ・シンガー、そして夜のレディたち。浮かれた気分と歌を愛するレッド、彼自身、名声と富へのチャンスは二度と訪れないだろうと思っている。一方、1人の男の人生に初めて触れたホイットは、叔父との関係から、世の中を学び、大人になっていく。




16-41. ロング・ライダーズ

監督 ウォルター・ヒル
出演 デイヴィッド・キャラダインキース・キャラダインロバート・キャラダインジェームズ・キーチステイシー・キーチ
1980年・アメリカ (ユナイト映画)

解説
南北戦争直後の西部を舞台に、帰る故郷もなく、無法の荒野に青春を送った若者たちの破天荒な行動を描く西部劇。製作総指揮はジェームズ&ステーシー・キーチ、製作はティム・ジンネマン、監督は 「ウォリアーズ」 のウォルター・ヒル、脚本はビル・ブライデン、スティーヴン・フィリップ・スミス、ステイシー&ジェームズ・キーチ、撮影はリック・ウェイト、音楽はライ・クーダー、編集はデイビッド・ホールデン、美術はピーター・ロメロが各々担当。出演はデイヴィッド、キース、ロバートのキャラダイン3兄弟、ジェームズとステイシーのキーチ兄弟、デニスとランディのクエイド兄弟、ケヴィン・ブロフィー、ハリー・ケーリー・ジュニア、クリストファー・ゲストなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1980年作品。

ストーリー
南北戦争直後の混乱したアメリカ。1866年、史上最大の銀行強盗がミズーリ州リバティを襲った。主犯は元南軍カントレル・ゲリラ隊のフランク(ステイシー・キーチ)とその弟でゲリラ隊“プロディ・ビル”アンダースンの隊にいたジェシー(ジェームズ・キーチ)。それに同じくゲリラの一員だったコール・ヤンガー(デイビッド・キャラダイン)、ボブ(ロバート・キャラダイン)、クレル(ランディ・クエイド)とエド(デニス・クエイド)ら弟らだ。一行のリーダーで南部人ということで養父を殺されたジェシーはその強盗の対象を銀行か鉄道会社等に絞っていたため、人々はジェシーを“西部のロビン・フッド”と呼び喝采を送っていた。だが当の被害者たちは、ピンカートン探偵社に探索を依頼し、ここに西部史上最も長い追跡と逃亡の闘争がスタートするのだった。一味は次々に銀行襲撃を重ね、慌てた鉄道会社の要請で探偵社は必死の追跡を開始するが、彼らの巧みな逃亡には手がつけられなかった。一方、ジェシーは、74年4月、カーネィの町で従妹のゼラルダ(サバンナ・スミス)と結婚。その年、兄フランクもアニー(シェルビィ・レベリントン)と結婚した。そしてジムもコール・ヤンガーも恋人をもち、それぞれが青春を燃焼させていた。75年にジェームズ兄弟の生家が探索隊に襲われ、義理の弟が殺され、母親が重傷を負った。この事件で世間の批判は探偵社側に一層集中し、彼らの追跡をより困難にした。しかし、76年、ミネソタ州ノースフィールドに侵入し銀行を襲撃した一味は、町中の銃火を浴び、市中を逃げ回る羽目におちいった。仲間が2人死に、重傷を負ったクレルとエドも息絶えた。ついにヤンガー兄弟も捕えられ、ジェームズ兄弟のみが何処へと逃げ去った。足を洗って故郷で平和な生活を送ろうとミズーリヘ戻ったジェシーとフランクはしかし、運命に見放された。ボブ(ニコラス・ゲスト)とチャーリー(クリストファー・ゲスト)のフォード兄弟が、探偵社のひとりが企んだ策略である甘い口車にのり、ジェシーを後ろから射ち殺したのだ。1人残された兄のフランクはその年に自首するのだった。(ユナイト映画*1時間39分)





16-42. マイ・ルーム

監督 ジェリー・ザックス
出演 メリル・ストリープレオナルド・ディカプリオダイアン・キートンロバート・デ・ニーロヒューム・クローニン
1996年・アメリカ (松竹富士配給(松竹=アミューズ=デジタル・メディア・ラボ提供)) 99分

解説
白血病で余命いくばくもない女性をめぐり、長年絶縁状態だった妹とその家族の再会と新しい絆を描くヒューマン・ドラマ。舞台演出家スコット・マクファーソンの原作戯曲に惚れ込んだ 「ヒート」 「ザ・ファン」 の俳優ロバート・デ・ニーロ(自身も脇役で出演)が、自身の製作会社トライベッカを中心に、 「ザ・ファーム 法律事務所」 のスコット・ルーディン、 「ブロンクス物語 愛につつまれた街」 のジェーン・ローゼンサルと共同で製作。監督は四度のトニー賞受賞歴を誇るブロードウェイの演出家ジェリー・ザックスで、彼の監督デビュー作。脚本はマクファーソン自身が執筆したが、撮影開始を待たず95年エイズで死去した。撮影はポーランド出身で、クシシュトフ・キェシロフスキ作品で名をあげた 「身代金」 のピョートル・ソボシンスキ、音楽は 「ピノキオ」 のレイチェル・ポートマン、美術はデイヴィッド・グロップマン、編集はジム・クラーク、衣裳は 「12モンキーズ」 のジェリー・ワイスがそれぞれ担当。出演は 「マディソン郡の橋」 「判決前夜 ビフォア・アンド・アフター」 のメリル・ストリープ、 「ゴッドファーザー」 「花嫁のパパ2」 のダイアン・キートン、 「太陽と月に背いて」 のレオナルド・ディカプリオ、 「コクーン」 「カミーラ あなたがいた夏」 のヒューム・クローニン、 「コクーン」 のグウェン・ヴァードンほか。

ストーリー
母子家庭で手に職をつけるため、美容師をめざして美容学校に通うリー(メリル・ストリープ)のもとに、長男ハンク(レオナルド・ディカプリオ)が家に放火して家出したという知らせが入った。ハンクは生活に追われ子供を顧みる余裕のない母親と心を通い合わせることができず、鬱屈した日々を送っており、唯一愛情を感じることができるレーサーだったという父親の写真だけ残して家に火をつけたのだ。ハンクは精神病の施設に入所し、リーと次男チャーリー(ハル・スカーディノ)は修道院に身を寄せる。そこへフロリダに住む姉のベッシー(ダイアン・キートン)から20年ぶりに電話が。自分は白血病に冒されており、親族からの骨髄移植だけが唯一の希望だと言うのだ。リーは反抗的なハンクを施設から連れ出し、家族そろってフロリダへ。ベッシーは結婚もせず、父マーヴィン(ヒューム・クローニン)と母ルース(グウェン・ヴァードン)の面倒を見ていた。父は寝たきりで痴呆状態、そんな家族を見捨てて家出したリーとの間には複雑な感情がある。母を嫌い、反抗的だったハンクだが、ベッシーの誠実な優しさに次第に心を開いていく。最初は骨髄移植の検査を受けることを拒否していた彼は、主治医のウォリー医師(ロバート・デ・ニーロ)の検査で母と弟が不適合だと知り、自分も検査を受ける。リーはベッシーとハンクの信頼関係に嫉妬を感じ、姉妹はお互いの感情をぶつけあうが、やがて打ち解けた。ベッシーは自分の初恋を語り、リーは姉のかつらを洒落た髪形にカットした。一家はディズニー・ワールドへ。リーは感情に任せて、いつまでも母より父を慕うハンクに、彼の父親がハンクを虐待したことが離婚の理由だったと明かしてしまう。ところがベッシーが突然発作に襲われ吐血して倒れる。その晩、ハンクはベッシーに置き手紙を残して家出。母の自分ではなく、姉に宛てられた息子の手紙を見たリーは無力感に襲われながらも、姉に心配をかけまいと手紙を隠す。そこへハンクが帰ってきた。ウォリー医師から電話があり、残念ながらハンクも不適合と告げた。だが死の不安を越えて和解した家族は父の部屋に集まる。ベッシーはいつも父を喜ばせるためにやっているように、鏡に太陽を反射させて壁に光を舞わせる。その光の中で、家族は新しい絆を見つけようとしていた。




16-43. アンノウン

監督 ジャウム・コレット=セラ
出演 リーアム・ニーソンダイアン・クルーガージャニュアリー・ジョーンズエイダン・クインブルーノ・ガンツ
2011年・アメリカ=ドイツ (ワーナー・ブラザース映画) 113分

解説
96時間」のリーアム・ニーソン主演によるサスペンス・アクション。出張先で交通事故に遭い、自分のアイデンティティを何者かに奪われてしまった男が、孤立無援のなか、巨大な陰謀に立ち向かう姿を描き出す。ベルリン市内でロケを敢行し、謎の暗殺者に追われるアクションや緊迫したカーチェイスが繰り広げられる。

ストーリー
植物学者マーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)は、学会に出席するために、妻エリザベス(ジャニュアリー・ジョーンズ)とベルリンへ旅立つ。ホテルに着いたところで忘れ物に気付いたマーティンは、タクシーで空港へと引き返すが、途中で交通事故に遭遇。彼が目を覚ましたのは病院のベッドの上だった。急いでホテルへ向かい、妻の姿を認めて安心したのも束の間、彼女は自分を知らないと言う。そればかりか、自分の名を名乗る見ず知らずの男が彼女の傍らに……。マーティンの所持品は、携帯電話と一冊の本だけ。一方のマーティンを名乗る男(エイダン・クイン)は、パスポートはもちろん、妻との新婚旅行の写真まで持っていた。当然、警察はマーティンの訴えに耳を貸そうとしない。自らの正気を疑い始めるマーティン。だが、何者かに命を狙われたことで、陰謀の存在を確信する。マーティンはタクシー運転手ジーナ(ダイアン・クルーガー)と元秘密警察の男の協力を得て、謎に立ち向かうことになる。果たして彼は、自分の人生を取り戻せるのか……?




16-44. 華氏451

監督 フランソワ・トリュフォー
出演 オスカー・ヴェルナージュリー・クリスティシリル・キューサックアントン・ディフリングジェレミー・スペンサー
1966年・イギリス (ユニヴァーサル=ATG) 分

解説
レイ・ブラッドベリーの同名小説を 「マタ・ハリ(1965)」 のコンビジャン・ルイ・リシャールとフランソワ・トリュフォーが共同で脚色し、フランソワ・トリュフォーが監督したSFもの。撮影はニコラス・ローグ、音楽はベルナール・エルマンが担当している。出演は 「愚か者の船」 のオスカー・ヴェルナー、 「ドクトル・ジバゴ」 のジュリー・クリスティ、それにシリル・キューサック、アントン・ディフリング、ジェレミー・スペンサーなど。製作はルイス・M・アレン。

ストーリー
これは未来の国の物語である。すべてが機械化されたこの時代は、あらゆる知識や情報はすべてテレビによって伝達され、人人はそのとおりに考え、行動していれば平和な生活ができるのである。そこでは読書は禁止されており、反社会的という理由で、本はみつけ次第、消防士たちによって焼きすてられた。モンターグ(O・ヴェルナー)はその消防士の一人でる。ある日彼は妻のリンダ(J・クリスティ)にうりふたつの若い女クラリス(J・クリスティ・二役)と知り合う。テレビのままに動く無気力なリンダの空虚な生活にひきかえ、クラリスは本に熱意を持っていて、モンターグにはとても刺激的だった。そこでモンターグは生まれてはじめて本を読み、その魅力にとりつかれてしまった。それを知ったリンダは、夫が読書をしていることを手紙にかいて密告した。モンターグは消防士を辞職する旨を消防隊の隊長に申し出たが、とにかく今日だけは、ということで出動した。ところがなんと行く先は意外にも彼自身の家だったのである。庭につまれた自分の本を焼きすてるように命じられたモンターグは、本ばかりか家そのものまで焼こうとした。そんな彼を制止し、逮捕しようとした隊長にモンターグは火焔放射器を向け、殺してしまった。殺人犯としておわれたモンターグは逃走し、淋しい空地にたどりついた。そこはいつか、クラリスが話してくれたことのある「本の人々」が住む国だった。そこでは、人々は、すべての本が焼かれても、それを後世に残せるようにと、本を暗記していた。やっと本をよむ自由を得たモンターグはアラン・ポーの暗誦をはじめるのだった。




16-45. 暗殺者

監督 リチャード・ドナー
出演 シルヴェスター・スタローンアントニオ・バンデラスジュリアン・ムーア
1995年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 分

解説
新旧二人の暗殺のプロフェッショナル同士の死闘を、ハードボイルド・タッチで描いたサスペンス・アクション。監督は 「マーヴェリック」 のリチャード・ドナー。本作で一躍脚光を浴びたアンディ・ウォシャウスキーとラリー・ウォシャウスキーの原案を、彼らとブライアン・ヘルゲランドが脚色。製作はドナー、 「ダイ・ハード」 「リッチー・リッチ」 のジョエル・シルヴァー、ブルース・エヴァンス、レイノルド・ギデオン、アンドリュー・ラザー、ジム・ヴァン・ウィックの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは 「フリー・ウィリー1、2」 のローレン・シュラー=ドナーと、 「逃亡者」 のディノ・デ・ラウレンティス。撮影は 「硝子の塔」 のヴィルモス・ジグモンド、音楽は 「バッドボーイズ(1995)」 のマーク・マンシーナ、美術は 「デイズ・オブ・サンダー」 のトム・サンダース、編集は 「ゴッドファーザーPARTII」 のリチャード・マークスがそれぞれ担当。主演は 「スペシャリスト」 「ジャッジ・ドレッド」 のシルヴェスター・スタローン、 「デスペラード」 のアントニオ・バンデラス、 「9か月」 のジュリアン・ムーア。

ストーリー
超一流の暗殺者、ロバート・ラス(シルヴェスター・スタローン)は引退を考えている。正体不明の雇い主《ザ・コントラクター》から電子メールで富豪ブランチの暗殺の指令を受け取った彼はこれが最後の仕事と引き受ける。だが一瞬早く、謎の若い男がブランチを射殺し、警察に逮捕された。男は連行中に逃亡するが、タクシー運転手を装って網を張ったラスは彼を拾う。その男ミゲル・ベイン(アントニオ・バンデラス)は、彼を殺し屋ナンバー1の座から引きずり下ろそうと野心満々で、ラスの過去を研究し尽くしていた。雇い主から次なる指令が届いた。それはヘロインの調合方式を掴んで売り渡そうとする正体不明のハッカーと、それを買おうとするバイヤーを殺害し、方式を収めたディスクを奪うことだった。ハッカーの正体は電子機器を駆使する《監視》のプロ、エレクトラ(ジュリアン・ムーア)という若い女だった。バイヤーから連絡を受けた彼女はホテルの一室にチェックインし、別室の彼らとコンタクトを取ろうとする。ところがここでまたベインが先手を打って出た。別室のバイヤー、実は偽装した国際警察の捜査官たちを抹殺した彼は、エレクトラに接近するが、不審な動きを察知した彼女は部屋を脱出。ベインはディスクを求めてたどり着いた彼女のアパートで住民を虐殺したが、ラスはエレクトラを連れて脱出した。2人は協力してディスクを組織に買い取るよう取り引きし、ラスはプエルト・リコの銀行口座に金を振り込むよう指定した。振り込みの当日、ベインは銀行の向かいのホテル跡の廃墟で待機していた。それは、ラスがかつて同じ場所で、相棒を暗殺した時の再現だった。銀行の中から出てきたラスにベインが銃の照準を合わせたその時、ラスの指図で廃墟に潜入したエレクトラがベインに発砲。駆けつけたラスはベインと対峙、銃撃戦がはじまるがベインを倒したのは突然現れた《ザ・コントラクター》だった。その正体はかつてラスが殺したはずの相棒の殺し屋ニコライで、旧ソ連の工作員だった彼は一度過去を消す必要に迫られて死を偽装したのだった。エレクトラの入手したデータには、今や組織の黒幕となった彼の正体に関するものもあったのだ。ラスは息を吹き返したベインと裏切り者を倒した後、ベインにもとどめをさした。




16-46. 軍用列車

監督 トム・グリース
出演 チャールズ・ブロンソンベン・ジョンソンジル・アイアランドリチャード・クレンナチャールズ・ダーニング
1975年・アメリカ (ユナイト映画) 分

解説
山岳砦救援のため白銀のロッキーを走る軍用列車内で展開するサスペンス・スリラー。製作総指揮はエリオット・カストナー、製作はジェリー・ガーシュイン、監督は 「ブレイクアウト」 のトム・グリース、原作・脚本はアリステア・マクリーン、撮影はルシエン・バラード、音楽はジェリー・ゴールドスミスが各々担当。出演はチャールズ・ブロンソン、ベン・ジョンソン、ジル・アイアランド、リチャード・クレンナ、チャールズ・ダーニング、ロイ・ジェンソン、ケイシー・ティッブス、アーチー・ムーア、ジョー・キャップ、エド・ローター、リード・モーガンなど。

ストーリー
1873年、辺境ネバダの開拓町マートルに1本の臨時列車が止まった。70名の騎兵隊員と軍馬を乗せた合衆国陸軍徴用の軍用列車である。燃料補給を了え、2人の民間人、連邦保安官ネイサン・ピアース(ロイ・ジョンソン)、いかさまカードで彼に捕えられた賭博師ジョン・ディーキン(チャールズ・ブロンソン)が新たに乗り込んで列車は、一路ロッキー山間の要塞フンボルト砦に向けて出発した。列車には、ネバダ州知事フェアチャイルド(リチャード・クレンナ)、フンボルト砦司令官の娘マリカ(ジル・アイアランド)、軍医モリノー、従軍牧師ピーボディ、列車長オブライエン(チャールズ・ダーニング)、機関手バンロン(ロイ・ジェンソン)、火夫ジャクソン(ケイシー・ティッブス)、騎兵隊指揮官クレアモント少佐(エド・ローター)、副官ニューウェル中尉、オークランド大尉、軍曹ベリュー、通信兵ファーガソン、若い隊員ラファティ、料理人カルロス(アーチー・ムーア)、車掌ヘンリー(ジョー・キャップ)らが乗り込んでいた。列車の任務は、ジフテリア菌の蔓延で全滅しかかった砦の救出だという。砦には近くのカムストック鉱山から産出する金・銀が大量に貯蔵されていた。ところが、出発する際、将校2名が失踪したのに続いて雪原を爆走する列車内では不可解な事件が次々に起こった。夜陰に乗じて通信回路を切断し、続いてフェアチャイルドが謎のモールス信号を砦に向けて打った。しかし、砦でその通信を読んでいたのは脱走兵のリーダー、セップ・カルフーンとパイウート族の酋長ホワイト・ハンド。傍らに砦守備隊長スコルビ大佐が捕えられていた。列車が『ブレイクハート・パス』にさしかかった頃、火夫のジャクソンが転落死し、モリノー軍医が車室で死体となって発見された。さらに急坂に達したとき、突然兵士たちを乗せた後部の3輛が連結を解かれ、逆進。誰1人脱出出来ないまま、加速をつけた列車は千仭の谷底へ転落していった。いまはマリカによって自由になったディーキンは機関車の中から2人の将校の死体を発見。彼は砦へ向けて列車内の状況とは全く別の内容の通信を打った。『兵員列車切り離しは失敗』。それを読んだカルフーンは直ちにホワイト・ハンドと彼の戦士たちを峠へ差し向けた。一方、補給車の中へ侵入したディーキンは兵士用の棺、医療箱の中身がすべてレミントン・ライフル、弾薬類で占められていることを知った。突如、背後からカルロスが襲いかかったが、激闘数分後、カルロスは列車から谷へ転落していった。ここへ来てディーキンの推理は動かぬものになった。彼はマリカとクレアモント少佐を呼び、合衆国陸軍情報部員という自らの正体を打ち明けすべては知事、ピアース、オブライエン、カルフーン、パイウート族が結託した砦の金・銀乗取りの大謀略であり、伝染病というのは口実にすぎなかったことを暴露した。そのために、計画の邪魔になる人間は次々に消えていったというわけである。知事、保安官らがディーキンを捜し始めたと同時に、峠の彼方から、パイウート族の大群が襲撃してきた。列車を逆進させるディーキン、これを追うインディアン。スキーを見て雪原に飛び降りたディーキンとクレアモントは一目散に砦に向かい、部下たちを救出した。そしてカルフーンを血祭りにあげ、全速で峠に返した一行は、まずクレアモントがフェアチャイルドを倒し、ピアースとオブライエンがディーキンの銃弾に倒れた。





16-47. ハノーバー・ストリート

監督 ピーター・ハイアムズ
出演 ハリソン・フォードレスリー・アン・ダウンクリストファー・プラマーアレック・マッコーウェンリチャード・メイサー
1979年・アメリカ (コロムビア映画) 分

解説
1943年、戦火のロンドンを舞台に、ふと知り合った男と女の宿命的な愛を描く。製作はポール・N・ラザルス三世、監督・脚本は 「カプリコン・1」 のピーター・ハイアムズ、撮影はデイビッド・ワトキン、音楽はジョン・バリー、編集はジェームズ・ミッチェル、製作デザインはフィリップ・ハリソンが各々担当。出演はハリソン・フォード、レスリー・アン・ダウン、クリストファー・プラマー、アレク・マッコーワン、リチャド・マシュール、マイケル・サックス、パッツィー・ケンジットなど。

ストーリー
1943年のロンドン。戦況は緊迫し、街は灰色一色に包まれていた。その中の唯一の色どりをみせる赤い2階だてのバスに、行列を押しのけて乗ろうとする女がいた。バロラン中尉(ハリソン・フォード)はそんな彼女を押しやると、バスの後部にしがみついた。女はしゃがみ込み、「赤ちゃんが…」と言って顔をゆがめた。ところが、あわてて飛び降りたハロラン中尉に向かって女は笑ってみせた。彼は悲しげな笑いを残すと、片足を引きずりながら歩み去った。女は、ハッとし、自責の念で青ざめた顔であやまるが、そんな彼女の前で、今度はハロランが元気よく飛び上がる。これが、ハロランとマーガレット・セリンジャー(レスリー・アン・ダウン)の宿命的な出会いだった。コーヒーを誘ったハロランに「紅茶なら」といたずらっぽく答えたマーガレットを見て、彼はその美しさに息を呑む。木曜日に会ってくれと願うハロランに、悲しげな表情で名前も告げずに去ろうとしたが、彼女の左手の薬指に光る指輪を見て、全てがわかった。彼女は「もう遅いわ」と叫ぶと、雑踏の中に消えた。ルノアンの北々東にある敵軍貯蔵庫攻撃の旅から帰ったハロランは次の木曜日、ハノーバー・ストリートの約束の場所に向かった。数時間が過ぎ、あきらめて立ち去ろうとするハロランの前にマーガレットが現われた。2人は言葉なしに郊外の静かなホテルに落ち着くと、激しく抱擁し合った。マーガレットの脳裏を、やさしい夫とかわいい娘の姿がよぎったが、ハロランとの逢い引きをやめることは出来なかった。寛容な夫ポール(クリストファー・ブラマー)は、そんな妻の変化をすぐに感じとるが、何も言わず、ひたすらやさしく振舞っていた。そんなある日、ポールは、危険にもドイツ軍の本部に乗り込み、金庫から重要書類を盗むという特殊任務を遂行するため、妻に内緒で旅立った。そして、彼をドイツ軍領内に飛行機で送りこむことになったのは、皮肉にも、ハロランであった。もちろん、2人はお互いを知らなかったが、ドイツ軍に攻撃されて飛行機が炎上した後は思ってもみない助け合いでドイツ軍本部に乗り込むことになってしまった。秘密金庫から重要書類を盗み出すことに成功したが、執拗なドイツ軍の追跡をうけ、2人は死に直面していた。そんな時、この女のために自分は生きたいといってポールがロケットの写真をハロランに見せた。妻だというその女の写真が、自分の最も愛するマーガレットであることを知ったハロランは、その時、悲しみと同時に、1つの決意をする。ドイツ軍の追跡は続き、容赦なく2人に砲火を浴びせた。その集中砲火がポールを射ち抜き、つり橋が2つに引き裂かれた時、落ちる寸前のポールをハロランが必死で助けた。その頃、ハノーバーでは、マーガレットが何も言わずに旅立った夫の安否を気遣いながら、恋人ハロランを待ち暮らしていた。夫が収容された病院でハロランとすれ違ったマーガレットは、夫を助けてくれたことを感謝し、彼に愛していることを告げた。短い会話の後、マーガレットは夫のいる病室に行き、ハロランは、そのまま外に向かい、思い出のハノーバー・ストリートを横ぎろうとしていた。




16-48. スタンピード

監督 アンドリュー・V・マクラグレン
出演 ジェームズ・スチュアートモーリーン・オハラブライアン・キースジュリエット・ミルズドン・ギャロウェイ
1965年・アメリカ (ユニヴァーサル) 分

解説
リック・ハードマンのシナリオから、 「シェナンドー河」 のアンドリュー・V・マクラグレンが監督した西部劇。撮影はウィリアム・H・クローシアが担当。音楽はジョセフ・ガーシェンソン。出演者には 「シェナンドー河」 のジェームズ・スチュアート、 「マクリントック」 のモーリン・オハラ、ヘイリー・ミルズの姉ジュリエット・ミルズ、 「シェーン」 のベン・ジョンソンなど。製作はウィリアム・アランド。

ストーリー
セント・ルイスでの家畜売買に、英国からやって来たマーサー(モーリン・オハラ)とヒラリー(ジュリエット・ミルズ)母娘がいた。母親は英国からハーフォード種の角のない牛を連れて来ていた。アメリカではロングホーン種(角の長い牛)が巾をきかせ、角のない牛は牛同士の生存競争で育たないものとされていた。母娘の雌牛はただの乳牛として買いとられ、ビンジと名づけられた雄牛だけが、ボウエン牧場に2千ドルで買取られた。この輸送を任されたのはサム(ジェームズ・スチュアート)だったが、この牛の優秀さを知るテイラーに、千ドルの金で横奪りを頼まれた。サムは、テイラーの悪辣さを知って、テイラーの牧童で怪我をしているガートとジェフ(ジョセフ・ジョンソン)に千ドルをくれてやるのだった。サムとビンジ、それにビンジが飼育される牧場に向かうマーサーとヒラリー母娘の旅が始まった。ダッジ市から馬と馬車の旅になったが、途中にはボウエン牧場の息子ジェミー(ドン・ギャロウェイ)が出迎えに来ていた。テイラーはサムが裏切ったことを知って、デックとエドに後を追わせていた。だが、2人は牛より母娘の金を狙って一行を襲った。ジェミーは傷を負ったが、2人はサムに倒された。一行はボウエン牧場にビンジを送り込んだ。この旅でジェミーとヒラリーが結ばれ、サムとマーサーの間に愛情が芽生えた。だが牧場主のボウエンもマーサーに愛情を持つようになった。やがて秋が来てビンジは牧地に放された。そして春がやって来て牛集めの季節となった。牧地の各地に散った牛を集めに牧童たちは忙しくなった。牛集めの最中に、サムはハーフォード種の子牛を連れたロングホーンの雌牛を発見した。