28-1. マラヴィータ (Malavita)  

監督 リュック・ベッソン
出演 ロバート・デ・ニーロミシェル・ファイファートミー・リー・ジョーンズディアナ・アグロンジョン・ディレオ
2013年・アメリカ、フランス (ブロードメディア・スタジオ(提供 ブロードメディア・スタジオ=ハピネット)) 111分  (PG12)

解説
マーティン・スコセッシ製作総指揮、リュック・ベッソン監督によるユーモアあふれるドラマ。FBIの証人保護プログラムで世界各地を転々とするマフィアとその家族が行く先々でトラブルを巻き起こすさまを描く。一家の主をロバート・デ・ニーロ、妻役をミシェル・ファイファー、FBI捜査官をトミー・リー・ジョーンズが演じるなど豪華キャストが共演。

ストーリー
フランス・ノルマンディー地方。のどかな田舎町に、ある一家が引っ越してくる。FBI証人保護プログラム下に置かれている元マフィアのフレッド(ロバート・デ・ニーロ)を筆頭に、妻マギー(ミシェル・ファイファー)や二人の子供も曲者揃いであるこのブレイク一家は、ノルマンディーで事あるごとにトラブルを起こしてしまう。さらにフレッドに怨恨を抱く現役マフィアの首領が殺し屋軍団をよこしてきて、派手なバトルを繰り広げる……。





28-2. ゴースト ニューヨークの幻 (Ghost)  

監督 ジェリー・ザッカー
出演 パトリック・スウェイジデミ・ムーアウーピー・ゴールドバーグトニー・ゴールドウィン
1990年・アメリカ (パラマウント=UIP) 127分

解説
幽霊となっても愛する人を守ろうとする男の姿を描くファンタジックなラブ・ストーリー。エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴン・チャールズ・ジャフィ、製作はリサ・ウェインスタイン、監督は 「殺したい女」 のジェリー・ザッカー、脚本はブルース・ジョエル・ルービン、撮影はアダム・グリーンバーグ、音楽はモーリス・ジャールが担当。出演はパトリック・スウェイジ、デミ・ムーアほか。

ストーリー
銀行員のサム・ウィート(パトリック・スウェイジ)は恋人のモリー・ジャンセン(デミ・ムーア)と一緒に幸福な共同生活を始める。しかしモリーがサムにプロポーズした晩、2人を暴漢が襲い、モリーを守ろうとしたサムは撃ち殺されてしまう。地上を離れたサムの魂は天国へ行くことを拒否し、モリーをいつまでも見守ることを選ぶが、彼女に声をかけることさえできないのだった。ある日、サムは自分を殺した男を目撃し、その男がウィリー・ロペス(リック・アビルス)という名であることを知るが、それを伝える術もなく途方に暮れている所に、霊媒師オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ)に出会う。オダ・メイは詐欺まがいの行為で客の金を巻き上げるような女だったが、サムの言葉に反応した。そこでサムは彼女を説得し、モリーとの伝令役を引き受けてもらう。最初半信半疑だったモリーだが、オダ・メイがサムしか知らないはずのことを語るので信用し、そのことをサムの親友のカール・ブルーナー(トニー・ゴールドウィン)に相談した。ウィリーの家に向かうカールの後をつけたサムはそこで、カールが、不当な金を銀行を経由させることで正当な金に見せかけるマネー・ロンダリングに関わっている事をサムに気づかれたと思い、ウィリーと共謀して自分を殺したことを知る。そしてサムがオダ・メイの手によってカールの秘密口座を解約したことで、サムが生きているのではないかと疑い始めたカールはウィリーと共に、モリーに襲いかかるが、サムとオダ・メイの助けによって救われ、カールはガラス窓に突っ込み死ぬ。モリーを助けるという使命も終わり、サムはモリーに愛を告げ天国に昇っていった。




f28-3. U・ボート

監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ユルゲン・プロホノフヘルベルト・グリューネマイヤークラウス・ヴェンネマンマルティン・ゼメルロッゲベルント・タウバー
1981年・西ドイツ (日本ヘラルド映画) 135分

解説
第2次大戦を舞台にドイツ軍潜水艦の乗組員たちの行動を描く戦争人間ドラマ。製作はギュンター・ロールバッハ、監督は 「昼と夜のような黒と白」 のヴォルフガング・ペーターゼン、ロタール・ギュンター・ブッフハイムの原作を基にペーターゼン自らが脚色。撮影はヨスト・ヴァカーノ、音楽はクラウス・ドルディンガー、編集はハンネス・ニーケル、美術はゲート・ヴァイトラー、製作デザインはロルフ・ツェートバウアーが各々担当。出演はユルゲン・プロホノフ、ヘルベルト・グリューネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン、マルティン・ゼメルロッゲ、ベルント・タウバー、マルティン・マイ、エルウィン・レーダー、クロード・オリヴァー・ルドルフなど。

ストーリー
1941年、ナチス占領下のフランスの港町ラ・ロシェルの酒場。ドイツ兵たちで賑わうその中に陸での最後の夜を楽しむUボートの乗組員たちがいた。最年長の30歳である艦長(ユルゲン・プロホノフ)をはじめ、乗組員たちは皆20代前半。初めてUボートに乗り込む報道部記者ヴェルナー(ヘルベルト・グリューネマイヤー)は22歳の若さだ。翌日の早朝U96で出発した乗組員は、艦長を含めて総勢43名。艦長は、まずこのU96が水深何メートルまで可能かをテストした。水深計は160メートルを指した。夜、ヴェルナーは興奮さめないまままに乗組員たちの話に耳を傾けていた。そんな日々が何日か過ぎた。そして、やっと攻撃命令が来た。敵の艦隊を攻撃するため、U96潜航を開始。緊張したムードが艦内に溢れる。乗組員たちは肉体的にも精神的にも限界にまで達する。魚雷が発射し、駆遂艦が姿を現わす。敵の爆弾で艦内に破片が飛ぶ。そして、水深230メートルに達した時プレッシャーバルブが力尺きた。しかし150メートルまで浮上し、発射した魚雷が敵方を壊滅した。そしていよいよ難関ジブラルタル海峡通過。予想通りU96は致命的な攻撃を受け、砲台は飛ばされ、状況は最悪となった。皆が息をのんでみつめる中、水深は230、260……と沈んでいった。遂に280メートルの海底に達し、皆の失望の表情が艦内に満ちた。艦長は、しかしなおも希望を捨てず、修復作業を命じる。そしてU96は見事浮上した。翌朝、死線を乗りきった乗組員たちの眼前にラ・ロシェルの港が見えてきた。乗組員たちの出迎えのパレードが行なわれる。しかし、その時、上空に敵方の爆撃機が近づき攻撃をはじめ、一瞬の間にそこは修羅場と化した。艦長は、U96が沈んでゆくのを見とどけると、そのまま息をひきとるのだった。






28-4. ロード・オブ・ドッグタウン (Lords of Dogtown)  

監督 キャサリン・ハードウィック
出演 エミール・ハーシュジョン・ロビンソンヴィクター・ラサックマイケル・アンガラノニッキー・リード
2005年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ) 107分

解説
'70年代に実在したスケートボード・チーム“Z-BOYS”の青春劇。貧しい街から飛び出した若者たちの友情と葛藤を、躍動感あふれるスケーティング満載で描く。

ストーリー
1975年、カリフォルニア州ヴェニスビーチ。通称ドッグタウンと呼ばれている街で、ステイシー・ペラルタ(ジョン・ロビンソン)、ジェイ・アダムズ(エミール・ハーシュ)、トニー・アルヴァ(ヴィクター・ラサック)の3人の少年は、日々サーフィンやスケートボードに夢中になっていた。そんなある日、皆の溜り場になっているサーフ・ショップの経営者であるスキップ(ヒース・レジャー)は、新製品のボードを売るためにスケート・チームを結成することを思いつく。こうして”Z・BOYS“が誕生したが、そのメンバーに、真面目にアルバイトをしているステイシーは入れてもらえなかった。しかし、チームお披露目の全国競技会で、個人参加したステイシーはフリースタイルで優勝し、スキップに認められて晴れて”Z・BOYS“入りを果たす。やがて斬新なスケーティング・スタイルを見せる彼らにマスコミの注目が集まり、3人はスター選手になっていく。だがそれとは裏腹にシビアな現実が彼らを苛み、トニーは大物プロモーターのトッパー・バークス(ジョニー・ノックスヴィル)と契約して街を去る。ステイシーも大企業と契約。大人たちのエゴに利用されることを嫌ったジェイだけが街に残った。別々の道を歩む3人が久しぶりに顔を合わせたのは、77年の世界プロ選手権の会場だった。そしてまもなく、かつてスキップのサーフ・ショップで雑用係をしていたシド(マイケル・アンガラノ)が、脳腫瘍の手術を受けたことが分かる。見舞いに行ったシドの家で、また3人は顔を合わせ、一緒に空っぽのプールでスケートを滑るのだった。




28-5. ブレイブ ワン (The Brave One)  (吹替)

監督 ニール・ジョーダン
出演 ジョディ・フォスターテレンス・ハワードナヴィーン・アンドリュースニッキー・カットメアリー・スティーンバージェン
2007年・アメリカ (ワーナー・ブラザース) 96/122分  (R-15)

解説
アカデミー賞主演女優賞に2度輝いたジョディ・フォスターが、暴漢への復讐を図るDJを演じたサスペンス。被害者が一転、狂気を宿した加害者になっていくさまを緻密に表現。

ストーリー
エリカ・ベイン(ジョディ・フォスター)は、ニューヨークでラジオ番組を担当するパーソナリティ。その番組で流すために、街の喧騒を録音してまわるのが日常だった。プライベートでは婚約者もいて、ささやかな幸福な日々を過ごしていた。しかしその幸福は突然、破られる。ある夜、婚約者と犬の散歩をしていたところ、暴漢によって襲われたのだ。婚約者は帰らぬ人となり、エリカもまた重傷を受ける。大都会の持つ危険な側面を、彼女は自身の肌で知った。肉体的な傷は癒えても、精神が受けたダメージは大きかった。これまで親しみ、世界でも最も安全だと信じていたニューヨークの街並みがまったく違うものに見えてくる彼女は、護身用の銃を携帯するようになる。そしてある日、コンビニエンスストアで殺人現場に出くわした彼女は、その犯人に向けて発砲する。エリカは殺人者となり、戻れない一歩を踏み出してしまった。その後、地下鉄で遭遇した二人組のチンピラも狙撃してしまったエリカ。謎の「処刑人」の存在は、ニューヨーク中の噂となった。エリカのラジオ番組でも、その「処刑人」がリスナーの話題となる。一方、事件を捜査する黒人刑事のショーン(テレンス・ハワード)は、ふとしたことからエリカと知りあった。そして、捜査を進めていくうちに、「処刑人」とエリカの姿が重なっていくのを感じていた。ショーンとの会話で、法では裁けない悪人の存在を知ったエリカは、その男を追いつめる。その場に、ショーンも現れた。「自分の拳銃は使うな!」と助言するショーンは、エリカを庇うために自身も肩を撃たれる。偽装工作が成立して、エリカはひとり逃亡した。それでも、殺人を繰り返してしまった苦悩と自責からは一生、逃れられないということをエリカは感じていた。





28-6. ブルース・ブラザース2000 (Blues Brothers 2000)  

監督 ジョン・ランディス
出演 ダン・エイクロイドジョン・グッドマンジョー・モートンジェイ・ウエヴァン・ボニファントアレサ・フランクリン
1998年・アメリカ (UIP) 124分

解説
名コメディアン、故ジョン・ベルーシとダン・エイクロイド主演による81年のコメディ 「ブルース・ブラザース」 の18年ぶりの続編。エイクロイドが、同作の監督のジョン・ランディス( 「ジョン・ランディスのステューピッド おばかっち地球防衛軍」 )と共同で、製作・原案・脚本をつとめて自ら映画化。ジェームズ・ブラウン、B・B・キング、アレサ・フランクリン、エリック・クラプトンなど豪華なゲスト陣と全編を彩るリズム&ブルースが楽しい。製作はエイクロイド、ランディス、ランディスとコンビを組むレスリー・ベルツバーグ。撮影はデイヴィッド・ヘリントン。音楽は前作に続きポール・シェイファー。美術はビル・ブロディー。編集はデイル・ベルディン。衣裳は前作に続きデボラ・ナドゥールマン。共演は 「フリントストーン モダン石器時代」 のジョン・グッドマン、 「スピード2」 のジョー・モートン、TVドラマの人気子役J・エヴァン・ボニファントほか。

ストーリー
シカゴ。エルウッド(ダン・エイクロイド)は18年ぶりに出所。相棒のジェイクは世を去っていたが、エルウッドはバンド再結成へ向けて再び大騒動。恩師のマザー・メアリー(キャサリン・フリーマン)からあずかった孤児で問題児のバスター(J・エヴァン・ボニファント)、歌手志望のバーテン、マイティ・マック(ジョン・グッドマン)の新たなメンバーに、かつてのバンド仲間もそろって、南部はルイジアナのブードゥーの妖女クィーン・ムセット(エリカ・バドゥ)が開催する勝ち抜きバンド合戦に出演するため、旅に出る。そんな彼らをエルウッドの育ての親カーティスの私生児で警察の本部長ケイブル(ジョー・モートン)率いる警官隊、それにロシアンマフィア、右翼の民兵が加わり追ってくる。ところがケイブルは途中、ジェームズ牧師(ジェームズ・ブラウン)の伝導集会で神の啓示を受けて大変心、バンドに加わってしまった。当日の会場。ブルース・ブラザース・バンドは、強敵ルイジアナ・ゲーター・ボーイズとステージに立ち、お互いに譲らない熱い演奏を展開。そこへ追ってきた警官隊とマフィア、右翼が鉢合わせするが、クィーンの魔法で万事解決。かくしてバンドは熱い演奏を続け、エルウッドはバスターと警官隊に追われて再び旅立つのだった。




28-7. タイトロープ (Tightrope)  (吹替)

監督 リチャード・タッグル
出演 クリント・イーストウッドジュヌヴィエーヴ・ビジョルドダン・ヘダヤアリソン・イーストウッドJennifer Beck
1984年・アメリカ (ワーナー映画)

解説
美女連続殺人事件の犯人を追う刑事の捜査活動を描く。製作はクリント・イーストウッドとフリッツ・マーネイズ。監督・脚本は 「アルカトラズからの脱出」 (79)の脚本を書いてイーストウッドに認められたリチャード・タッグル。撮影はブルース・サーティーズ、音楽はレニー・ニーハウスが担当。出演はイーストウッドの他に、ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド、ダン・ヘダヤ、クリントの12歳の実娘アリソン・イーストウッドなど。日本版字幕は岡枝慎二。テクニカラー、ビスタサイズ。1984年作品。

ストーリー
ニューオリンズ。夜の歓楽街フレンチ・クォーターで働く赤毛の娼婦が殺された。市警のウェス・ブロック刑事(クリント・イーストウッド)は署から呼び出しをうけて現場に赴く。彼は妻と離婚し、アマンダ(アリソン・イーストウッド)とペニーという2人の娘と暮らしていた。その夜は、娘たちとフットボールの試合を見に行く約束をしていたのだが…。娼婦は手錠をはめられ、前後から犯された上、赤いリボンで首をしめられていた。美女連続殺人事件の2人目の犠牲者であった。その後、ブロックはレイプ・センターのベリル(ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド)という女性から面会を求められて捜査の手ぬるさをなじられた。夜、聞き込み捜査を再開し、ある娼婦の挑発にのり身をゆだねる。ネクタイを忘れて店から出てきた彼を、スニーカーをはいた男が見つめていた。第3の犠牲者が発見された。ブロックは聞き込み先の娼婦に手錠をかけてセックスし、快感を覚えるようになった。第4の犠牲者、それはブロックが関係した娼婦であった。アスレチック・クラブでベリルに再会したブロックは、ミシシッピ川をゆく遊覧船で食事をともにし、互いに心が通じあうのを感じる。署に犯人からの殺人予告がきた。予告のタイプされた名刺をたよりに彼はサムの店へ行き、そこからプラリーヌの店へ行った。近寄ってきたゲイの1人から倉庫で犯人と会うということを聞き出した。彼は約束の時間に倉庫に行き、ゲイの死体を発見した。つづいて2人の犠牲者が出た。第7の犠牲者の近くにはブロックのネクタイがあった。次の夜、ブロックは娘2人、べリルと一緒にカーニヴァルを楽しむ。そんな4人を、スニーカーをはいたピエロ姿の風船売りがじっと見つめていた。犯人像がしぼられ、ビール工場勤務者というところまで判明する。夜、ブロックが帰宅すると家政婦が殺され、アマンダは両手に手錠をはめられ犯されていた。彼の背後から犯人が襲いかかってくる。必死に抵抗すると、犯人は逃げ出した。ビール工場につとめるロルフという男が浮かびあがってきた。彼は元警官で、2人の少女をレイプしてブロックに逮捕された男だった。警察はベリルの家を見張るが、ロルフは見張りの警官を殺して侵入しベリルを殺そうとする。ブロックが駆けつけ、ロルフを長い追跡の末に鉄道線路でつかまえ手錠をかけた。ロルフはなおも暴れ、そこへ列車が通過。ブロックが立ちあがると、ロルフの手首だけが残っていた。(ワーナー映画配給亨一時間五四分)





28-8. 西部開拓史 (How the West was Won)  

監督 ジョージ・マーシャル
出演 キャロル・ベイカーリー・J・コッブヘンリー・フォンダキャロリン・ジョーンズカール・マルデン
1962年・アメリカ (東宝) 162分

解説
1830年から80年代に至る50年間に、ある開拓一家が3代にわたって経験した西部開拓の物語でシネラマ劇映画第1作である。ライフ誌に連載された絵物語にヒントを得たジェームズ・R・ウェッブが195冊の歴史書をもとに脚本を書いた。監督は第1、第2、第5話が 「アラスカ魂(1960)」 のヘンリー・ハサウェイ、第3話が 「リバティ・バランスを射った男」 のジョン・フォード、第4話を 「嬉し泣き」 のジョージ・マーシャルが担当。出演は 「太陽にかける橋」 のキャロル・ベイカー、 「ママは二挺拳銃」 のデビー・レイノルズ、 「ロープ」 のジェームズ・スチュアート、 「恐怖の岬」 のグレゴリー・ペック、 「ハタリ!」 のジョン・ウェイン、 「ティファニーで朝食を」 のジョージ・ペパード、 「フロッグメン」 のリチャード・ウィドマーク、 「怒りの葡萄」 のヘンリー・フォンダ、 「終身犯」 のカール・マルデン、同じくセルマ・リッターなど。撮影は 「黙示録の四騎士(1961)」 のミルトン・クラスナー、 「硫黄島の英雄」 のジョセフ・ラシェル、 「ブルー・ハワイ」 のチャールズ・ラング、 「九月になれば」 のウィリアム・ダニエルスの4人が担当。音楽は 「偽の売国奴」 のアルフレッド・ニューマンである。 「エルマー・ガントリー 魅せられた男」 のバーナード・スミスが製作した。

ストーリー
第1話 1830年代の終わり頃、アメリカ東部の人々は、オハイオ川流域の肥沃な土地の開拓に乗り出そうとしていた。ニューイングランドの農民ゼブロン・プレスコット(カール・マルデン)も妻レベッカ(アグネス・ムーアヘッド)、長女イーブ(キャロル・ベイカー)、次女リリス(デビー・レイノルズ)、それに2人の息子の一家を連れてイリー運河を通過し、オハイオ川にいかだを組んで未開の荒野に踏みこんだ。一家が川岸にキャンプを張ったある夜、鹿皮服を着た毛皮売りのライナス(ジェームズ・スチュアート)がカヌーで近づき、プレスコット一家と夕食を供にして西部の事情を話した。野性的で親しみやすい彼をイーブは一目で恋した。翌朝ライナスが既に立ち去ったのを知っても彼女の心は変わらなかった。一家が下流に向かう間、ライナスは上流に行き、川岸の天幕の店を見つけたが、ホーキンズ大佐と名のる主人は実は河賊で、ライナスも欺されて荷物をとられ、ナイフで刺された。しかし丸太にまたがって川を下ったライナスは、プレスコット家を襲おうとしていた河賊たちを、開拓民と力を合わせてやっつけた。一家がいかだで急流を下る時、激流は両親を呑んだ。両親の亡くなった土地に農園を建てようというイーブに、ライナスは開拓生活を誓った。しかし、蒸気船の汽笛は、リリスを新しい町セントルイスに誘った。
第2話 10年後、リリスはセントルイスのキャバレーの歌手だった。常連の中に賭博師クリーブ・バン・ベイレン(グレゴリー・ペック)がいた。ある日、リリスはほとんど忘れていたパトロンの金鉱相続人になったことを知らされた。これを盗み聞いたベイレンは金鉱を自分のものにしようと計画した。彼女の乗った幌馬車隊が西へ出発して間もなくベイレンが馬で現れた。彼女を愛する隊長モーガンは素性を見抜いたが護衛として雇った。インディアンの急襲でベイレンが傷ついた時、リリスは我を忘れて彼を抱きしめた。ところが金鉱がすっかり掘り尽くされて何の価値もなくなったのを知ったベイレンは、彼女を捨てて元の賭博生活に入った。しかし川蒸気船のサロンで、キャンプショウの歌手になっていたリリスの声を聞いたベイレンは、勝っていたカードを捨てて彼女に近づいた。改めて愛を誓い合った2人は新しい都市サンフランシスコで運を試してみようと決心した。
第3話 南北戦争が始まった。ライナスとの間に息子2人をもうけたイーブの一家にも戦火は及び、ライナスは最初の志願兵として戦場にあった。長男ゼブ(ジョージ・ペパード)も母親の反対を押し切って志願し、銃火の中で父の死を知った。気を落とした彼は戦争の意味を行き会った南軍の脱走兵と話し合い、自分も逃走しようと考えた。2人の傍にシャーマン将軍(ジョン・ウェイン)とグラント将軍がいるのに気づいた南軍兵は引き金を引こうとしたが、ゼブはとっさに銃剣で南軍兵を刺殺した。悲劇的な戦争は終わった。父の後を追うように母も死んだ。ゼブは農場を弟に譲り、自分は騎兵隊にとどまる決心をした。
第4話 1860年代の終り頃、ユニオン・パシフィック鉄道の大陸横断工事をインディアンの襲撃から守る騎兵隊を指揮するのは、中尉となったゼブである。建設所長のマイク(リチャード・ウィドマーク)は新しいタイプの鉄道第一主義者で長年インディアンと生活を共にした野牛狩りの男ジェスロ(ヘンリー・フォンダ)に反対して最短距離をとるために、インディアンの食糧供給路を通るのを主張した。ゼブは間に入って一時的な条約を結んだがマイクは鉄道で狩人を送りこみインディアンの食料を乱獲したので遂にインディアンは怒り、野牛の大群を放った。彼らを欺すのに一役買ったことに気づいたゼブは退役して、さらに西へと向かった。
第5話 1880年代の終わり頃、未亡人となったリリスは借金のため豪華な邸を売ってアリゾナ州に移住した。保安官になった甥のゼブや妻ジュリーたちとの再会を喜ぶ間もなく、ゼブはギャングのチャーリー・ガント(イーライ・ウォラック)の企てた列車襲撃を討伐しに向かった。激しい撃ち合いが続いたが、正義は勝った。法律と秩序が西部にもたらされ、ついに西部はかちとられたのである。







28-9. マーキュリー・ライジング (Mercury Rising)  (吹替)

監督 ハロルド・ベッカー
出演 ブルース・ウィリスアレック・ボールドウィンマイコ・ヒューズチィ・マクブライドキム・ディケンス
1998年・アメリカ (UIP) 112分

解説
偶然政府の機密情報システムを解読する暗号を解いた少年を命がけで守るFBI捜査官の闘いを描いたサスペンス。監督は 「訣別の街」 のハロルド・ベッカー。脚本はライン・ダグラス・ピアソンの原作 「Simple Simon」 を基にローレンス・コナーとマーク・ローザンタールが脚本を執筆。製作は 「身代金」 のブライアン・グレイザーとカレン・ケヘラ。製作総指揮はジョゼフ・M・シンガー、リック・キドニー。撮影はアラン・パーカー作品で知られるマイケル・セレシン。音楽は 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」 の名匠ジョン・バリー。美術はパトリツィア・フォン・ブランデンスタイン。編集は 「L.A.コンフィデンシャル」 のピーター・ホーネス。衣裳は 「パルプ・フィクション」 のベッツィ・ハイマン。主演は 「ジャッカル」 のブルース・ウィリス。共演は 「アポロ13」 の子役マイコ・ヒューズ、 「ゲッタウェイ」 のアレック・ボールドウィン、 「さまよう魂たち」 のチ・マクブライド、 「北京のふたり」 のロバート・スタントン、 「GODZILLA ゴジラ」 のボッジ・パイン・エルフマン、 「ファーゴ」 のジョン・キャロル・リンチとピーター・ストーメア、 「大いなる遺産」 のキム・ディケンズほか。

ストーリー
FBIのヴェテラン囮捜査官アート・ジェフリーズ(ブルース・ウィリス)は潜入捜査の際、強硬な突入で一味の少年を殺した上司といさかいを起こし左遷された。そんなある日。自閉症ながらパズルには天才的な才能を見せる9歳の少年サイモン(マイコ・ヒューズ)は、マニアックなパズル雑誌に掲載された暗号を偶然解読してある場所に電話。彼は理解していなかったが、それは米国の全世界のスパイ網を保護する国家安全保安局の機密情報システムマーキュリーを解読する極秘コードだったのだ。責任者のクドロー中佐(アレック・ボールドウィン)は機密保持のため配下にサイモンの抹殺を命令、無理心中に見せかけて彼の両親を殺す。事件の捜査の応援に派遣されたアートは、押し入れの奥に隠れていたサイモンを見つけた。アートはサイモンの父親(ジョン・キャロル・リンチ)の死体の手に残された銃に不審を抱き、事件が仕組まれたものと疑い、サイモンに護衛をつけさせるが、はたしてふたりを殺し屋が襲う。通常のコミュニケーションがとれないサイモンに手を焼きながらも危地を脱したアートは、同僚のビッツィ(チ・マクブライド)の助けを得て敵の正体を探り出そうとする。アートに接触を図った暗号プログラマーのレオ(ボッジ・パイン・エルフマン)とディーン(ロバート・スタントン)はあえなく殺された。だが、ディーンが生前に残した真実を記した告発状をアートは入手、クドローにサイモンの身の安全を保証するため、真実の公表を迫る。クドローは罠をかけてサイモンとアートの抹殺を図るが、事件の真相を知ったFBIが急行してふたりの命を救い、クドローは銃弾に倒れるのだった。




28-10. シンデレラ (CINDERELLA)  (吹替)

監督 ケネス・ブラナー
出演 リリー・ジェームズケイト・ブランシェットヘレナ・ボナム=カーターリチャード・マッデンソフィー・マクシェラ
2015年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 105分  (日本語吹き替え版)

解説
ガラスの靴やカボチャの馬車といったアイテムなどで知られ、魔法の力で運命の人と結ばれるヒロインの姿を描く、ディズニーの不朽の名作を基にしたラブストーリー。新鋭リリー・ジェームズが自らの勇気とやさしさで奇跡を巻き起こすヒロインのエラを演じるほか、継母役のケイト・ブランシェットなど実力派が脇を固める。

ストーリー
幼くして母(ヘイリー・アトウェル)を亡くしたエラ(リリー・ジェームズ)は、悲しみにくれながらも母の「辛いことがあっても勇気と優しさを忘れないで」という教えを守り、ピュアな心を持つ女性へと成長していた。ある日、仕事で家を留守にすることが多い貿易商の父(ベン・チャップリン)はエラのためを思い再婚を決意。エラは継母(ケイト・ブランシェット)とその連れ子の娘、ドリゼラ(ソフィー・マクシェラ)とアナスタシア(ホリデイ・グレインジャー)を快く迎え入れる。だが継母は夫がエラにかける愛情に嫉妬し、エラの若さや美しさを不愉快に思っていた。そんな折、エラの父が事故で突然帰らぬ人となる。継母と娘姉妹はエラに山のような仕事を言いつけ、屋根裏部屋に追いやられたエラは召使い同然の扱いを受ける。寒さに耐えきれず居間の暖炉の前で眠り、翌朝、顔に灰をつけたまま働くエラを姉妹は“灰まみれのエラ=シンデレラ”と呼んで大笑い。それまでじっと耐えてきたエラは溢れる涙を抑えきれず、家を飛び出し、森へと馬を走らせる。そんなエラに声をかけたのは“キット”と名乗る青年(リチャード・マッデン)だった。城で働いているという彼と話すうちにエラはいつのまにか笑顔を取り戻し、初めて自分を理解してくれる人に出会えたエラはキットに好意を抱き始める……。一方、国王(デレク・ジャコビ)は城で息子のキットを待ち構えていた。国と息子の将来を案じた王は政略結婚を勧めるが、キットはエラのことが忘れられない。そこでエラを探すために国中のあらゆる未婚女子を招待して舞踏会を開き、そこから妃を選ぶことを約束する。招待状はエラの家にも届き、ドリゼラとアナスタシアは有頂天。エラは、亡き母のドレスを着て自分も連れて行ってほしいと頼むが、継母と姉妹はエラのドレスを引きちぎり、彼女を置いて舞踏会へ出かけていく。エラが希望を捨てかけたその時、みすぼらしい身なりをした老女が現れ、エラが優しくミルクを差し出すと、老女は妖精に姿を変える。彼女は夢を叶えてくれるフェアリー・ゴッドマザー(ヘレナ・ボナム=カーター)であった。魔法の杖を振るいカボチャを馬車に、ネズミを馬に、トカゲを御者に仕立て、エラの破れたドレスを美しいドレス変え、光り輝くガラスの靴を与える。「魔法が続くのは12時まで。さぁ、楽しんでおいで……」城に到着したエラは、そこで初めてキットが王子であることを知る。夢のようなひとときを過ごし、お互いの気持ちを確かめ合う二人だったが、そのとき12時を告げる鐘の音が……。





28-11. ダウンタウン物語 (Bugsy Malone)  

監督 アラン・パーカー
出演 スコット・バイオジョディ・フォスターフロリー・ダガージョン・カッシージマーティン・レブ
1976年・イギリス (東宝東和) 94分

解説
主演者すべて平均年齢十二歳のアッと驚くチビッ子ギャングのミュージカル。製作はアラン・マーシャルとデイヴィッド・パトナム、監督・脚本はこれがデビュー作で 「小さな恋のメロディ」 の脚本家アラン・パーカー(ノヴェライゼーンョン・評論社刊)、作詩・作曲はロック・ミュージシャンのポール・ウィリアムス、美術はジェフリー・カークランド、振付はギリアン・グレゴリーが各々担当。出演はスコット・バイオ、ジョディ・フォスター、フロリー・ダガー、ジョン・カッシージ、マーティン・レブ、ポール・マーフィ、“ハンプティ”アルビン・ジェンキンスなど。

ストーリー
時代は禁酒法下のニューヨーク。ここダウンタウンはリトル・イタリアに根をおろした二組のギャング団。肥っちょサム(ジョン・カッシージ)一派と新興ボスでおしゃれのダン(マーティン・レブ)一派は今決戦の時を迎えていた。ハンサムなバグジー(スコット・バイオ)が三流歌手のブラウジー(フロリー・ダガー)と出会ったのは、ダン一味がサムの秘密酒場を襲った夜だった。売り込みに失敗し、しょんぼりしたブラウジーを気に入ったバグジー。さて、所変ってサムの店。手下を大量に殺られたサムは浮かない顔。情婦のタルーラ(ジョディ・フォスター)がなぐさめても彼の頭にはダンの持ってるマシンガンの事しかない。さらに密告電話にダマされ、サム一派は壊滅状態。やがてやって来たダンとの会談の日、手下一人のサムはタルーラの誘惑ですっかりブラウジーの信用を落しているバグシーを連れて会場へ。しかし敵もさるもの、ズラリ並んだマシンガン。ここで頑張ったヒーロー・バクシーの働きでサムは命びろい。ごほうび200ドルを手にしたバグシーは、愛しのブラウジーの元へ。「ハリウッドへ行こう」、優しい言葉に機嫌を直したブラウジー。でも喜びも束の間、チンピラ一味に襲われ、彼は元通りのスカンピン。どうやら警察を丸め込んだダン一派は日に日に乱暴になり、サムの密売工場は襲われ、彼の酒場は青息吐息。ブラウジーを歌手に採用しても、痛手は隠しきれない。残るサムの頼みの網はバグジー唯一人。400ドルの大金を積まれ、彼はダンのマシンガン強奪を企てる。チビをおとりに人海戦術は大勝利。さてダン一派の復讐に準備万端のサムは上機嫌、新米ギャングを手下に忙しい。やがて大決戦の時が来た。派手な車を乗りつけるダン一派と、迎え撃つサム一派。マシンガンからシックイが飛び交い、パイ・クリームが飛ぶ。サムの酒場はいつしか純白のクリームの海に。そして真っ白になった皆の顔には楽しげな笑いが。かくしてサムとダンの決戦はめでたく大団円を迎えたのでありました。




28-12. インデペンデンス・デイ

監督 ローランド・エメリッヒ
出演 ウィル・スミスビル・プルマンジェフ・ゴールドブラムメアリー・マクドネルジャド・ハーシュ
1996年・アメリカ (20世紀フォックス映画)

解説
地球を侵略せんとする異星人と人類の3日間の攻防を描き、世界各地で大ヒットしたSFパニック超大作。ミニチュア・ワークをはじめとする伝統的な手法と最新のデジタル技術を組み合わせたSFXを駆使し、数千人のエキストラを動員したスペクタクル場面の迫力が圧巻。古典的なプロットを現代に再生したのは、「ユニバーサル・ソルジャー」「スターゲイト」 の監督ローランド・エメリッヒと製作ディーン・デヴリンのコンビで、脚本も2人の共同。エグゼクティヴ・プロデューサーはエメリッヒ、彼の実妹ウテ・エメリッヒ、「ハンテッド」 のウィリアム・フェイ。撮影のウォルター・リンデンローブ、美術のオリヴァー・スコールとパトリック・タトポロス、音楽のデイヴィッド・アーノルド、衣裳のジョゼフ・ポロは前作「スターゲイト」 に続いての参加。世界各国の混成チームのSFX陣をまとめた視覚効果監修は、ドイツ時代からのエメリッヒの盟友で「MOON<ムーン>44」「ユニバーサル・ソルジャー」 を手掛けたフォルカー・エンゲルと、「バットマン・フォーエヴァー」 のダグラス・スミス。出演は「バッドボーイズ」 のウィル・スミス、「あなたが寝てる間に…」 のビル・プルマン、「9か月」 のジェフ・ゴールドブラム、「スニーカーズ」 のメアリー・マクドネル、「旅立ちの時」 のジャド・ハーシュ、「アイ・ラブ・トラブル」 のロバート・ロッジア、「ラストダンス」 のランディ・クエイド、テレビ・シリーズ「新スタートレック」でのアンドロイドのデータ役で知られる「ジェネレーションズ」 のブレント・スパイナー、「コピーキャット」 のハリー・コニック・ジュニアほか多彩な顔ぶれ。

ストーリー
7月2日。ホワイトハウスのホイットモア大統領(ビル・プルマン)は、国防総省参謀本部長グレイ将軍(ロバート・ロッジア)らと異常な巨大物体接近の報告を受ける。物体は異星人の宇宙空母であることが判明、数時間後には十数隻の宇宙船が大気圏に突入した。N.Y.では天才的なコンピューター技師のデイヴィッド(ジェフ・ゴールドブラム)が、宇宙船から発信される電波にあるパターンがあり、一種のカウントダウンの役目をしていることに気づく。シルヴァーレイクでは5歳のディランが宇宙船を発見、ダンサーの母ジャスミン(ヴィヴィカ・フォックス)に知らせた。彼女は恋人で休暇中の空軍パイロットのヒラー大尉(ウィル・スミス)と一緒にいたが、彼はエドワード空軍基地に戻った。L.A.郊外では17歳のミゲル(ジェームズ・デュヴァル)が糖尿病の11歳の弟トロイの世話をしていた。14歳の妹アリシア(リサ・ジャクブ)もいたが、父ラッセル(ランディ・クエイド)は妻を亡くしてからアル中になり、宇宙人にさらわれたことがあると言っては、農薬散布の仕事にも熱中せず、ミゲルは父に怒りをぶちまけていた。デイヴィッドは老いた父ジュリアス(ジャド・ハーシュ)を連れ、ホワイトハウスに向かい、元妻の大統領補佐官コンスタンス(マーガレット・コリン)を通じて、大統領にカウントダウンまであと45分しかないことを告げる。だが、時すでに遅く、宇宙船から発射された怪光線によってL.A.やN.Y.は大爆発が起こり、市全体がたちまちのうちに破壊された。7月3日。ジャスミンは息子を連れ、トラックで廃墟の街を逃れてヒラーのいる基地へ向かう。途中、重傷の女性を助けるが、何とそれは大統領夫人マリリン(メアリー・マクドネル)だった。その頃、ヒラーと親友ジミー(ハリー・コニック・ジュニア)は宇宙船攻撃の選抜隊で指揮を取っていた。空中戦でただ一人生き残ったヒラーは、グランド・キャニオンで敵機を出し抜き、異星人パイロットの捕獲に成功した。彼は荒野で避難民のトレーラー・キャンプと遭遇し、ラッセル一家と出会う。ヒラーはネヴァダ州の秘密基地エリア51に向かうようミゲルに指示した。一方、大統領は国防長官からエリア51に宇宙船が極秘に隠されていることを聞かされて驚愕。デイヴィッドやコンスタンスらも専用機で現地に同行する。変人の管理者ドクター・オークン(ブレント・スパイナー)の案内で、地下の基地で40年間も保管されていた小型宇宙船と異星人の死体が披露された。そこへスティーヴンが生きた捕虜の異星人を連れてきたので、オークンは狂喜する。だが、意識を取り戻した異星人が彼ら数人の科学者を殺し、基地内は騒然。異星人は射殺されたが、この時、彼らのテレパシーを感知した大統領は、はっきりと異星人の目的が地球侵略であることを知った。大統領はヒューストン上空の宇宙船への核攻撃を決断するが、攻撃は失敗に終わる。全滅したエドワード空軍基地跡で野営したジャスミンは、ヒラーも死んだものと思い悲しみに暮れるが、そこへ軍用ヘリに乗って現れた彼と感激の再会を果たす。だが、重症の大統領夫人は間もなく亡くなった。7月4日。一時は絶望的になったデイヴィッドだが、父の言葉から異星人撃退のヒントを得る。月の辺りを周回する異星人の母艦にコンピューター・ウイルスを侵入させれば、敵機のシールドが弱まり、彼らの防衛システムを約30秒間停止することができ、そのわずかな時間に攻撃を加えるというのだ。パイロット経験のある大統領やラッセルらも名乗りを挙げ、戦闘機に乗り込む。大統領は壮行演説会で「今日から7月4日はアメリカ一国だけではなく、人類全体の独立記念日だ」と宣言。ヒラーとデイヴィッドの乗った小型機は大気圏を飛び出すと、計画どおり母艦に収容された。ウイルスが放射されて敵機のシールドは消え、同時に地上軍の攻撃が開始された。無数の攻撃機の前に苦戦するが、ラッセルが死と引き換えに攻撃方法を残してくれた。地球軍の猛反撃が開始され、宇宙船は次々と墜落・爆発する。ヒラーとデイヴィッドも脱出に成功。全世界の残存兵力も後に続き、ついには各地で勝利の凱歌が上がった。




28-13. 電話で抱きしめて (Hanging Up)

監督 ダイアン・キートン
出演 メグ・ライアンダイアン・キートンリサ・クドローウォルター・マッソーアダム・アーキン
2000年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 94分

解説
 M・ライアンをはじめ実力派女優が競演。性格の異なる3姉妹と老いた父親が電話を通じておりなす人間模様と、家族の絆をビビッドに描写した感動のファミリー・ドラマ。

ストーリー
女性誌の編集長ジョージア、テレビ・プロデューサーの夫とひとり息子と暮すイヴ、昼メロ女優マディは3姉妹。遠く離れて住む3人を結びつけているのは電話でのお喋り。そんな電話中毒は、妻と離婚して以来、アル中となったお騒がせパパの影響。ある時、パパが老人性痴呆症で入院することになり…。




28-14. サハラ 死の砂漠を脱出せよ

監督 ブレック・アイズナー
出演 マシュー・マコノヒーペネロペ・クルススティーヴ・ザーンウィリアム・H・メイシーランベール・ウィルソン
2005年・アメリカ (ギャガ)

解説
人気冒険小説を映画化したアクション。米国の特殊機関NUMAのエージェントにして冒険家のタフ・ガイが、サハラ砂漠で巨大な陰謀に挑む姿をテンポよく描出。

ストーリー
西アフリカ。ナイジェリアとマリ共和国の国境付近で発見された一枚の金貨に、ダーク・ピット(マシュー・マコノヒー)は魅せられた。今でも輝きを失わないその金貨は、ピットに、南北戦争時に莫大な財宝とともに姿を消した甲鉄艦テキサスの存在を確信させる。幻と呼ばれていたテキサスは、間違いなくその地の近くに眠っている。冒険家としてのピットの心に火がともった。一方ナイジェリアには、その頃奇妙な疫病が流行っていた。感染した者は助かる術はなく、ただ訪れる死を受け入れるしかなかった。WHO(世界保健機関)のエヴァ・ロハス(ペネロペ・クルス)は、その感染源がマリにあると判断し、その地へ向かおうとするが、マリでは内紛が勃発。圧倒的権力をもつカジム将軍が、国境を封鎖しているという。通常のルートではマリに入国できないことを知ったエヴァの頭に浮かんだのは、NUMA(国立海中海洋機関)だった。海洋の保全に務める特殊機関であるNUMAなら、水路を使いマリへ案内してもらえるかも知れない。そして、NUMAのサンデッカー提督(ウィリアム・H・メイシー)は現在、ナイジェリアの近くに滞在しているのだった。事情を聞いたサンデッカーは、現地の人間にも顔が利く実業家イヴ・マサード(ランベール・ウィルソン)を、エヴァに紹介する。だが、マサードはエヴァの手助けをすることに難色を示す。そしてサンデッカーも2日後にこの地を離れざるを得ず、エヴァに協力することは出来ないと言う。マリへ入る手立てはない、と絶望しかけた彼女を助けたのはピットだった。NUMAのエージェントであるピットは金貨が発見されたマリ国境へと向かうため、サンデッカーからボートを借り受け、準備を着々と進めていた。エヴァはボートに同乗させてもらうようピットに頼み込み、ピットの相棒のアル(スティーヴ・ザーン)、ルディ(レイン・ウィルソン)と共に出発することになる。目的が異なるピットとエヴァは、ニジェール川のほとりにある小さな町アヨロウで別れるが、その直後ピットもまた疫病の脅威を感じ取り、また何者かがエヴァの命を狙っていることを知る。甲鉄艦テキサスの探索を一度保留にしたピットは、疫病の感染源を追跡し始め、やがてエヴァと合流する。そして運命は、彼らを死のサハラ砂漠へと導いた。そこで次々と彼らに襲い掛かる絶体絶命の危機の中で、ピットは人類の未来さえも脅かす恐ろしい陰謀を知る。生き延びて、この世界を救わなければならない。絶望的な状況の中、ピットの前に現れたものは?




28-15. ベートーベン 1&2 (Beethoven)   (吹替)

監督 ブライアン・レヴァント
出演 チャールズ・グローディンボニー・ハントディーン・ジョーンズニコール・トムクリストファー・キャスティール
1992年・アメリカ (ユニヴァーサル映画=UIP) 83 & 84分

解説
犬嫌いの父親がいる一家に住みついたセントバーナードの活躍を描く動物コメディ。監督はブライアン・レヴァント & ロッド・ダニエル、製作はジョー・メジャックとマイケル・C・グロス、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「キンダガートン・コップ」 のアイヴァン・ライトマン、脚本は 「ミスティック・ピザ」 のエイミー・ホールデン・ジョーンズとエドモンド・ダンテス & レン・ブラム、撮影は 「狼たちの午後」 のヴィクター・J・ケンパー、音楽はランディ・エデルマンが担当。

ストーリー
ベートーベン 1
ペット・ショップを襲った泥棒の手から逃け出したセントバーナードの子犬が、ニュートン家に飛び込んでくる。清潔好きで犬嫌いのパパ、ジョージ(チャールズ・グローディン)は、妻アリス(ボニー・ハント)や3人の子供たちに哀願され、しぶしぶ子犬を飼うことを承知する。音楽好きで、ベートーヴェンと名付けられた子犬は、日に日に大きくなっていく。やんちゃな彼の所業に怒ったパパは、裏庭に柵を作って隔離するが、ベートーヴェンは地下道を掘って、自由に町を闊歩する。逃亡仲間のブルテリアの世話を焼いたり、長女ライス(ニコール・トム)の恋の仲介をしたり、弟のテッド(クリストファー・キャスティール)のガードマンを務めたりと、大忙しのベートーヴェン。予防注射の日、パパは、獣医バーニック(ディーン・ジョーンズ)から、セントバーナードに流行っている奇病の話を聞き驚くが、実はバーニックはペット泥棒の親玉で、実験動物としてベートーヴェンに目を付け、ありもしない話を吹き込んだのった。パパの会社の事業拡大のため、ママも会社に出勤することになり、ベビー・シッターが雇われるが、彼女が目を離したスキに、末っ子のエミリー(サラ・ローズ・カー)がプールに落ち、ベートーヴェンが助ける。その日の午後、出資者と称し、会社を乗っ取ろうと企てる夫婦がニュートン家を訪れるが、ベートーヴェンが邪魔して契約をぶち壊す。そこへバーニックがやって来て、ベートーヴェンを挑発し、襲われたように見せかけ、彼の言葉を信じたパパはベートーヴェンを彼の手に渡す。バーニックの陰媒に気づいたパパは、ベートーヴェンを救うため、一味の秘密倉庫に向かった。仲間のブルテリアが実験に連れていかれそうになり、ベートーヴェンはバーニックに襲いかかる。その時、パパが屋根を突き破って乱入する。同時にママたちが乗った車も突っ込んで来て、衝撃のために宙を舞った注射器がバーニックの胸に刺さり、ダウン。解放された犬たちとベートーヴェンは、一緒にニュートン家で暮らすのであった。
ベートーベン 2
ベートーベンはある日、美しいメスのセントバーナード、ミッシーにひと目ぼれする。彼女の飼主ブリロは離婚騒動の真っ最中で、意地悪な妻レジーナ(デビー・マザール)は、ミッシーをアパートの部屋に監禁する。ベートーベンはミッシーを解放し、2匹は至福の時を迎えた。やがて彼らの間には、4匹の子犬が生まれる。長女ライス(ニコール・トム)、弟のテッド(クリストファー・キャスティール)、妹のエミリー(サラ・ローズ・カー)のニュートン家の3人の子供たちは、4匹の面倒をみる。休暇でパパのジョージ(チャールズ・グローディン)、ママのアリス(ボニー・ハント)と共に、犬たちを連れてサンセット・レイクに出かけた子供たちはそこで、ミッシーをペットショップに売り渡そうとしていたレジーナに出くわす。おまけに子犬たちを彼女のアパート界隈からこっそり連れ去ったことがばれ、子犬たちは彼女の手に渡ってしまう。ジョージは犬たちを買い戻したいが、そんな大金はない。だがベートーベンは店のガラスを破り、ミッシーと子犬たちを逃がす。ニュートン家の子供たちは嵐の中を捜し、3人と6匹は九死に一生を得た。子犬たちも正式に取り戻すことができ、ベートーベンは再びミッシーと幸せな時を過ごせるようになった。






28-16. ある日どこかで (Somewhere in Time)  

監督 ヤノット・シュワルツ
出演 クリストファー・リーヴジェーン・シーモアクリストファー・プラマーテレサ・ライトビル・アーウィン
1980年・アメリカ (ユニヴァーサル=CIC) 103分

解説
1980年に生きる若者が、70年近くの時空間をタイム・トラベルし、その時代の女優と恋に陥るというSF的なラブ・ストーリー。製作はスティーブン・ドイッチ、監督は 「ジョーズ2」 のジャノー・シュワーク、原作・脚色はリチャード・マシスン、撮影はイシドア・マンコフスキー、音楽はジョン・バリー、編集はジェフ・ガーソン、美術はシーモア・クレイトが各々担当。出演はクリストファー・リーヴ、ジェーン・シーモア、クリストファー・プラマー、テレサ・ライト、ビル・アーウィンなど。

ストーリー
1972年。劇作家を志すミルフォード大学の学生リチャード(クリストファー・リーヴ)の処女作が初演され大成功をおさめた後のパーティで、彼は見知らぬ老婦人から声をかけられた。彼女はリチャードに美しい金時計を渡し「私のところへ戻って来て」と告げるとその場を去り、大学から近いグランド・ホテルに帰って行った。それから8年の歳月が流れ、劇作家として名を成したリチャードはスランプに陥っており、気ばらしにあてのない旅に出た。いつの間にか懐しいミルフォードに来ていた彼は、グランド・ホテルに宿をとった。アーサー(ビル・アーウィン)という年老いたボーイの案内で部屋に落ちついた彼はホテルの史料展示室を見物し、そこで1枚の美しい女性のポートレートに目を奪われる。アーサーからその女性がエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)という当時の人気女優であることを聞き出したリチャードは、町の図書館で彼女についての記録を見つけ、彼女が8年前の老婦人であることを確認する。エリーズの秘書ローラ(テレサ・ライト)を訪れたリチャードは、ローラから金時計がエリーズの宝物であったこと、8年前に彼女が亡くなったことなどを聞く。ローラの保存する遺品の中から「タイム・トラベル」という時間次元を超越する超心理学の本を見つけたリチャードは、その本の著者を訪ね、タイム・トラベルの可能性を聞き出した。ホテルの部屋で、いっさいの状況を今世紀初頭に変えたリチャードは服装も当時のものを着こみ、1912年に入りこもうと自分に暗示をかけた。数度の試みの末、やっとタイム・トラベルに成功した彼は、1912年の過去で目を覚ます。そして、ロビーで幼いアーサーを見かけ、ホテルに滞在している筈の劇団を訪ね、エリーズを探した。やがて湖畔でエリーズと出会ったリチャードは、彼女の美しさに目を奪われるが、彼女の方もリチャードの出現に何故か驚きの表情を見せるのだった。しかし、2人が接近しようとした時、エリーズのマネージャーのロビンソン(クリストファー・プラマー)が現われ、無理矢理エリーズを連れ去る。同じ午後、エリーズを散歩に誘うことに成功したリチャードは、打ちとけて会話するのだった。そして初めてのキス。出会った瞬間からリチャードが自分にとって大切な男性であると直感したというエリーズは、後の再会を約束して舞台へと戻っていった。2人の接近に不安を感じたロビンソンは、舞台を観にきていたリチャードを呼びだし、軟禁する。彼が自由の身になったのは公演を終え劇団がホテルを去った後だったが、うなだれる彼の前に、劇団と別れホテルに残っていたエリーズが現われる。2人は固く抱き合い永遠の愛を誓った。しかし、結婚の約束をかわした直後、彼が背広にあったコインを取り出した時、全てが終りを告げた。コインに刻まれた1972年という文字を見た瞬間、リチャードは残酷にも現在に引き戻された。過去に戻ろうと必死になるリチャード。何日かたち、アーサーが部屋をこじあけると、衰弱しきったリチャードの姿があった。しかし、瀕死の彼の顔にはかすかな笑みが浮かび、あたかも再びエリーズと結ばれるかのようだった。





28-17. ディープ・インパクト

監督 ミミ・レダー
出演 ロバート・デュヴァルティア・レオーニイライジャ・ウッドリリー・ソビエスキーヴァネッサ・レッドグレイヴ
1998年・アメリカ (UIP) 121分

解説
巨大彗星の衝突によって大破局を迎えた地球の最後の日々の人間模様を描いたパニック大作。監督は 「ピースメーカー」 のミミ・レダーで、彼女の監督第2作。脚本は 「ザ・プレイヤー」 「ニュー・エイジ」 (監督も)のマイケル・トルキンと 「ゴースト ニューヨークの幻」 のブルース・ジョエル・ルービン。製作総指揮はドリームワークスの総帥である 「アミスタッド」 のスティーヴン・スピルバーグと、 「コンタクト」 のジョアン・ブラッドショーと 「ピースメーカー」 のウォルター・パークス。製作は 「ドライビング・Missデイジー」 の名製作者リチャード・D・ザナックとデイヴィッド・ブラウンのコンビ。撮影のディートリッヒ・ローマン(遺作となった本作は彼に捧げられている)、美術のレスリー・ディリー、編集のデイヴィッド・ローゼンブルームは 「ピースメーカー」 に続く参加。音楽は 「タイタニック」 のジェームズ・ホーナー。特殊視覚効果はスピルバーグの一連の作品で名を馳せるILM。出演は 「フェノミナン」 のロバート・デュヴァル、 「アミスタッド」 のモーガン・フリーマン、 「アメリカの災難」 のティア・レオーニ、 「フリッパー」 のイライジャ・ウッド、 「ジャングル2ジャングル」 のリリー・ソビエスキー、 「ミッション:インポッシブル」 のヴァネッサ・レッドグレイヴ、 「17 セブンティーン」 のマキシミリアン・シェルほか、新旧多彩な布陣。

ストーリー
新進ニュースレポーターのジェニー・ラーナー(ティア・レオーニ)は大統領ベック(モーガン・フリーマン)の元側近アラン(ジェームズ・クロムウェル)の辞任の謎のスクープを追う渦中、なんと大統領その人と極秘に会見。その2日後、大統領は巨大彗星が地球に接近しており、衝突まであと1年しかないという、全世界を震撼させる記者会見を行った。米国政府は百万人を収容する巨大なシェルターを建設。一方で、彗星を軌道から逸らすべく、宇宙飛行士チームがメサイア号と命名された宇宙船で出撃。指揮官である往年の宇宙飛行士スパージャン・タナー(ロバート・デュヴァル)以下、メンバーの決死の努力も空しく、彗星はふたつに破壊されただけで、地球に接近を続けた。地球上で人々は、大破局を迎える運命の時をおのおのが待ち受ける。彗星の発見者であるリオ(イライジャ・ウッド)は家族とシェルター入りが決まっていたが、恋人のサラ(リリー・ソビエスキー)の元へ戻った。世紀のスクープをなしとげたジェニーは、母ロビン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を捨てて再婚したため仲違いしていた父ジェイソン(マキシミリアン・シェル)への愛を取り戻し、海辺の生家へ帰り、父と抱擁を交わす。運命の日。大西洋に落下した彗星は大津波を引き起こし、大地と人々を呑み込んだ。しかしここで奇跡が。タナーの提案で、メサイア号はもうひとつの彗星に核ミサイルと共に特攻したのだ。かくして彗星は破壊され、人類は生き延びることができたのだった。




28-18. ヒッチコックのファミリー・プロット (Family Plot)  

監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 カレン・ブラックブルース・ダーンバーバラ・ハリスウィリアム・ディヴェインエド・ローター
1976年・アメリカ (ユニヴァーサル=CIC)

解説
監督生活50年を迎えるアルフレッド・ヒッチコック監督の53作目の作品で、手数料目当てに資産家の遺産相続人を捜す若い男女と、ダイヤモンドを狙う誘拐犯の男女、の2組が織りなすサスペンス映画。監督は 「フレンジー」 のアルフレッド・ヒッチコック、脚本はアーネスト・リーマン、原作はビクター・カニング、撮影はレナード・J・サウス、美術はヘンリー・バムステッド、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、衣裳デザインはイーディス・ヘッド、編集はJ・テリー・ウィリアムスがそれぞれ担当。出演はカレン・ブラック、ブルース・ダーン、バーバラ・ハリス、ウィリアム・ディベイン、エド・ローター、キャスリーン・ネスビット、キャサリン・ヘルモンドなど。

ストーリー
アメリカのある大都市の高級住宅地。ジュリア・レインバード(キャスリーン・ネスビット)という金持の老嬢の邸に、降霊術師ブランチ・タイラー(バーバラ・ハリス)が呼ばれた。ジュリア・レインバードは、40年前、彼女の妹のハリエットが生んだ父なし子の男児を、見知らぬ他人のもとへやってしまった。だが、ハリエットが死に、血のつながった身内が、この甥1人になってしまった現在、何とかしてこの甥を探し出し、自分の財産を譲ってやりたいと思い、ブランチに甥を見つけ出してほしい、と依頼したのだった。レインバート邸を辞したブランチをタクシーが待ちうけていた。その運転手ジョージ・ラムレイ(ブルース・ダーン)は、ブランチの情夫であり、しかも、彼女の霊のお告げというのは、すべてジョージが探偵もどきにかき集めた情報で、ブランチはその情報を神がかり的演技で言っているにすぎないのであった。2人を乗せた車が、危うく若い女を轢きかけた。この女、フラン(カレン・ブラック)は、警察のパイロット養成所に入り、1粒のダイヤモンドを受け取ると、警察に準備させたヘリコプターに乗って、とあるゴルフ場に着陸させた。ここで彼女を待っていたのはアーサー・アダムソン(ウィリアム・ディヴェイン)で、ダイヤが本物であることを確認すると、車で逃亡した。この2人、実は億万長者を誘拐し、その身代金としてダイヤを受け取ったのだった。市内の隠れ家に戻って来た2人は、ダイヤをクリスタルのシャンデリアの中に隠した。一方、ジョージは、ジュリア・レインバードの甥を養子にしたという夫婦の消息を追って、バーロー・クリークという田舎町にやって来た。だが夫婦子供とも既に死んでおり、確かに墓まで建てられていた。しかし、息子??リチャードの墓石が新しいことに気づいたジョージは、墓石屋からジョージの墓の下には何も埋まっていないことを聞き出し、さらに役場にリチャードの死亡証明書を申請したマロニー(エド・ローター)といううらぶれたガソリン・スタンドの経営者に目をつけた。そのマロニーが、色々と嗅ぎまわっているジョージのことを報告した相手は、表向きは宝石店を経営しているアダムソンだった。その頃、ジョージとブランチは子供に洗礼を授けた牧師に会うべく教会に行った。ところが、突然飛び出したフランとアダムソンが、大勢の信者の目前で牧師を誘拐してしまった。そしてアダムソンは、マロニーにブチンチとジョージを殺すように命令した。マロニーは2人を郊外のドライブインへ誘い、隙を見て車のブレーキに細工を加えた。急な山道でブレーキのきかない車に乗って危機一髪の目にあったブランチとジョージだったが、車ごと崖から墜落したのはマロニー自身だった。ついにブランチは遺産相続人がアダムソンであることを調べ、彼の家を訪ねた。アダムソンはそこで初めて、ブランチとジョージが自分を捜し求めていた理由が、自分にとって不利な事どころか大金がころがり込んでくる話であるのを知ったのだが、丁度、車に積んでいた牧師をブランチに見られてしまい、やむなく彼女を捕まえて監禁した。一方、ジョージもブランチの伝言によってアダムソンの家を訪ね、戻らないブランチを不審に思って家に忍び込んだ。そして、ブランチを助け出すとともに、人質の牧師と交換してダイヤを受け取り、意気揚々として戻ってきたフランとアダムソンを掴まえたのだった。




28-19. アフター・アース (AFTER EARTH)  

監督 M.ナイト・シャマラン
出演 ウィル・スミスジェイデン・スミスイザベル・ファーマンゾーイ・クラヴィッツクリストファー・ヒヴュ
2013年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 100分  (IMAX)

解説
ウィル・スミスと息子ジェイデン・スミスが、ジェイデンのデビュー作だった 「幸せのちから」 以来2度目の親子共演を果たしたSFアドベンチャー。人類が放棄し、動物たちが支配するかつての地球に不時着した親子が過酷なサバイバルを強いられる姿を描く。監督は 「シックス・センス」 の鬼才、M・ナイト・シャマラン。

ストーリー
人類が地球を捨て去り、別の惑星に移住してから1000年後。伝説の兵士サイファ(ウィル・スミス)とその息子キタイ(ジェイデン・スミス)を乗せた宇宙船が帰還中、トラブルに巻き込まれてしまう。機体は大破し、緊急シグナル“トーチ”を載せた尾翼部が見知らぬ惑星に落下。それを追ってなんとかその惑星に機体を不時着させるが、生存者はサイファとキタイの二人だけであった。サイファは大怪我を負い、自分たちが住む星に帰るため、一人でトーチを探しに行こうとするキタイにサイファは言う。「ここは“最上級危険惑星”、人類が捨てた地球だ……」そこには人間の姿はどこにもなく、大自然だけが広がり、見たことのない様々な野生動物たちが生息していた。ずっと父親のような兵士になることだけを夢みていたキタイは、今、そのチャンスが巡ってきたのだと信じ、荒れ果てた土地に足を踏み入れる。だがそんなキタイの前に、人類抹消のために進化した惑星の予期せぬ危機が次から次へと襲い掛かるのだった……。





28-20. チザム

監督 アンドリュー・V・マクラグレン
出演 ジョン・ウェインフォレスト・タッカークリストファー・ジョージベン・ジョンソングレン・コーベット
1970年・アメリカ (ワーナー)

解説
西部開拓史に残るリンカン郡の死闘を背景に、英雄チザムと無法者ビリー・ザ・キッドの活躍を描いた西部劇。製作指揮はマイケル・A・ウェイン、製作・脚本はアンドリュー・J・フェナディ、監督は「大いなる男たち」 のアンドリュー・V・マクラグレン。撮影は「大いなる男たち」 のウィリアム・H・クローシア、美術はカール・アンダーソン、音楽はドミニク・フロンティア、編集はロバート・シンプソンがそれぞれ担当。出演は「大いなる男たち」 のジョン・ウェイン、それにベン・ジョンソン、ブルース・キャボット、「鷲と鷹(1970)」 のフォレスト・タッカー、「エル・ドラド」 のクリストファー・ジョージ、「シェナンドー河」 のグレン・コーベット、「特攻大作戦」 のリチャード・ジャッケル。他に、パトリック・ノウルズ、アンドリュー・プライン、リンダ・デイ、ジョフリー・デュエル、パメラ・マクマイラーなど。テクニカラー、パナビジョン。1970年作品。

ストーリー
時は1878年。ニューメキシコに広大な牧畜王国を築き、“ペコスの王者”とあだ名されるジョン・シンプソン・チザム(ジョン・ウェイン)は、その日、相棒のペパー(ベン・ジョンソン)とともに、東部からやってくる姪のサリー(パメラ・マクマイラー)を駅馬車の駅で待っていた。その留守を狙ってか、牧場はメキシコの盗賊たちにおそわれた。そうとは知らぬチザムは、町で新興勢力の中心人物ローレンス・マーフィー(フォレスト・タッカー)と会っていた。マーフィーは以前からこの辺りに目をつけていて、数々の悪辣な手段をもって、縄張りの拡大を続けていた。盗賊を追って、チザムが英人牧場主タンストール(パトリック・ノウルズ)、ビリー・ザ・キッドの異名をとるボニー(ジョフリー・デュエル)たちと遠出した後で、マーフィーの弁護士マクスイーン(アンドリュー・プライン)と妻スー(リンダ・デイ)たちと同じ駅馬車でサリーが到着した。その夜パーティーが開かれ、彼女は若いビリーに心をうばわれたが、チザムはそれを許さなかった。その後、パット・ギャレット(グレン・コーベット)という男が町に入って来た。また、マクスイーン弁護士は、悪徳保安官たちとぐるになって無法を働くマーフィ一派に愛想をつかし、チザム側に身を投じた。その頃、チザムの使いに出たビリーが、エバンス(リチャード・ジャッケル)に襲われ、傷ついた。サリーは一睡もせず、彼を看病した。悪どい妨害に怒ったタンストールは、州知事に直訴に向かったが、その途中で殺されてしまった。チザムはさっそく犯人の保安官助手2人をとらえ、裁判にかけようとしたが、復讐心にはやるビリーは助手と保安官のブラディを射殺し、山中に逃げ込んでしまった。マーフィはまた、悪知恵を働かし、殺し屋のノディーン(クリストファー・ジョージ)を保安官に任命、ビリーの逮捕を命じた。サリーはようやくビリーの狂暴な血をさとり、ギャレットに心魅かれていった。一方、ビリーは仲間と強盗に押入り、ノディーンと対決した。マクスイーン夫人はこの急を告げるべくチザムの家へ走ったが、この銃撃戦の中で、夫はノディーンの銃弾に倒れた。建物にとじこもったビリーたちを引きずり出すため、マーフィは町に火を放った。その紅蓮の炎の中へ、チザムは牛の大群を暴走させて乗り込んできた。戦いはクライマックスに達した。チザムは逃げるマーフィの息の根をとめ、ビリーも宿敵のエバンスを倒した。戦いは終わったが、血に狂ったビリーは、ギャレット新保安官の制止もきかず、ノディーンを追って町を去った。硝煙と血の匂いのただよう町。チザムはその町を見おろすように、ひとり丘の上に立っていた。(ワーナー配給*1時間51分)




28-21. ナイト・アンド・ザ・シティ (Night and the City)  

監督 アーウィン・ウィンクラー
出演 ロバート・デ・ニーロジェシカ・ラングクリフ・ゴーマンアラン・キングAl Grossman
1992年・アメリカ (松竹富士) 105分

解説
都会の片隅で、しがない商売をしている男が、夢の実現のために情熱をそそぎ、そして挫折するまでを描く人間ドラマ。1950年に発表された、赤狩りでハリウッドを追われたジュールズ・ダッシン監督の 「町の野獣」 のリメイクだが、舞台をロンドンから現代のニューヨークへ置き換えている。監督・製作は 「レイジング・ブル」 「グッドフェローズ」 などで知られる映画プロデューサーで、91年に初監督作 「真実の瞬間」 を発表したアーウィン・ウィンクラー。共同製作はジェーン・ローゼンサール、エグゼクティヴ・プロデューサーは 「星の流れる果て」 のハリー・J・アフランドとメアリー・ジェーン・アフランド、脚本は 「シー・オブ・ラブ」 のリチャード・プライス、撮影は 「羊たちの沈黙」 のタク・フジモト、音楽は 「プリティ・ウーマン」 のジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。なお、製作のトライベッカ・プロは、主演のロバート・デ・ニーロ自らの企画・製作会社である。

ストーリー
マンハッタンの一匹狼の弁護士ハリー(ロバート・デ・ニーロ)は、訴訟問題の最中に触れたボクシングの世界に魅かれ、小さな会場を借りて古き良き時代のボクシング試合を復活させるというアイデアを思いつく。興行免許は取れたが、2万5千ドルほどの資金のエグ 面はそう簡単にできそうもない。ボクシング・プロモーターで、ギャングのブーン・ブーン・グロスマン(アラン・キング)に、裁判で敗北したハリーは、彼を見返してやろうと決意し、成功への欲望も膨れあがっていった。ブーン・ブーンの兄で、往年の名ボクサー、アル・グロスマン(ジャック・ウォーデン)を仲間にしたハリーは、バーボクサーズのオーナー、フィル(クリフ・ゴーマン)に1万5千ドルの借金を申し込むが、半額を3日以内に、自力で調達することになってしまうが、金策は難航し、あえなく期限切れの夜を迎えるが、ハリーの愛人で、フィルの女房のヘレン(ジェシカ・ラング)の助けで切り抜ける。準備を進めるハリーだが、ブーン・ブーンの策略で、ヘレンとの仲がフィルに知られて金脈を断たれてしまい、そのうえ、試合直前にアルが心臓発作で急死してしまう。ヘレンと共にカルフォルニアへ逃げようとするハリーだが、ブーン・ブーンの刺客によって袋小路に追いつめられ、必死の思いでなんとかごまかそうとするが、銃で射たれてしまい、ヘレンの腕の中で息絶えるのだった。




28-22. 美女と野獣(2014) (LA BELLE ET LA BETE)  (吹替)

監督 クリストフ・ガンズ
出演 レア・セドゥヴァンサン・カッセルアンドレ・デュソリエエドゥアルド・ノリエガミリアム・シャルラン
2014年・フランス=ドイツ (ギャガ(提供 アミューズソフトエンタテインメント=ギャガ)) 93/113分

解説
ディズニーによるアニメ映画などで知られる、フランス民話を基にしたファンタジー。父の代わりに野獣の城に囚われた美しい娘が、野獣に隠された秘密に迫っていく姿を描く。 「ブラック・スワン」 のヴァンサン・カッセルが野獣に、 「アデル、ブルーは熱い色」 のレア・セドゥが娘役に扮するなど、フランス映画界の実力派の共演が見どころ。

ストーリー
裕福な商人だった父が財宝を積んだ船を嵐で失い破産、娘のベル(レア・セドゥ)たちは都会の贅沢な暮らしに別れを告げ、田舎へと引っ越すことになった。母亡き後、わがままに育てられた3人の兄と2人の姉は田舎暮らしに不満を募らせるが、ベルは家族が一緒にいるだけで幸せだった。そんなある日、船が一隻だけ見つかったという報せが入り、父は喜び勇んで街へ駆けつけるが、借金のカタに船を奪われてしまう。失意の帰り道、吹雪に見舞われ死に瀕した彼は森の奥にたたずむ古城を発見。城の中に入ると、豪華な食事やワイン、そして家族が望んでいたドレスや宝飾品の山がそこにあった。主人の姿が見えない謎めいた城に命を助けられた男は、愛しい末娘ベルが土産にと望んだ薔薇を庭に見つけ、思わず一輪折った途端、黒く大きな影が襲い掛かる。「俺のいちばん大切なものを盗んだな」と怒りに燃え叫ぶのは、見るも恐ろしい野獣(ヴァンサン・カッセル)であった。野獣は薔薇の代償に男の命を要求、1日だけ猶予を与えるが戻らなければ家族を順番に殺すと宣告する。帰宅後、父からその一部始終を打ち明けられたベルは、翌朝、自分のせいでパパまで失いたくないと意を決し、野獣が父に教えたという呪文を馬に囁く。すると森の木々が道を開き、馬に乗ったベルは城へと導かれるのだった。用意されたドレスに身を包み、ディナーの席に着くと背後から野獣が忍び寄る。ベルは命を差し出す覚悟だったが、野獣が求めたのは夜の7時に必ず食卓に着くことだけだった。その夜、何かに誘われるように、ベルは全盛期を誇った頃の城と一人のプリンセスの夢を見る。翌朝、好奇心が恐怖に打ち勝ち、果てしなく広い領地を探検するベル。薔薇の庭にある哀しげな女性の彫像、それは夢に出てきたプリンセスでどうやら彼女は若くして亡くなったらしい。野獣の秘密を解き明かそうと決意したベルは、城の過去を紐解くにつれてプリンセスと彼女の最愛の王子との驚くべき運命の物語に夢中になり、一方で、横柄な態度で命令する野獣が時折見せる悲しい瞳に心を惹かれ始めていく。果たして野獣は何者なのか。その真相が明かされる時、ベルと野獣は思わぬ運命に直面するのだった……。




28-23. すてきな片想い (Sixteen Candles)  

監督 ジョン・ヒューズ
出演 モリー・リングウォルドアンソニー・マイケル・ホールマイケル・ショーフリングジャスティン・ヘンリーリアーヌ・カーティス
1984年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP)

解説
多感な少女が迎えた16歳の誕生日を綴った青春映画。製作はヒルトン・A・グリーン、エグゼクティヴ・プロデューサーはネッド・タネン、監督・脚本は 「ミスター・マム」 の脚本を手がけたジョン・ヒューズ、撮影はボビー・バーン、庁楽はアイラ・ニューボーンが担当。出演はモリー・リングウォルド、ジャスティン・ヘンリーなど。

ストーリー
サマンサ(モリー・リングウォルド)は、16歳の誕生日を迎えた。大人への第一歩という意味でも朝から胸がワクワクしている。しかし両親は、姉ジニー(ブランチ・ベーカー)の明日の結婚式に夢中で、サマンサの誕生日のことは忘れている。弟のマイク(ジャスティン・ヘンリー)も気がついている様子もない。学校へ行ったサマンサは、生徒身上調査で、最上級生のハンサム・ボーイ、ジェイク(マイケル・ショーフリング)となら交際したいと告白した。ところが、その用紙がなんとジェイクの手に渡ってしまった。その夜、学校ではダンス・パーティが開かれた。誰も祝ってくれない誕生日を、彼女は自分1人で祝おうとしていた。しかし、思いがけない事が起こってしまった。シーク(アンンニー・マイケル・ホール)という感じの悪い男の子につきまとわれてしまったのだ。その上、祖父が姉の結婚式のために連れて来たロン(ゲディ・ワタナベ)という中国人留学生を、ダンス・パーティーに連れてきた。ジークがしつこくつきまとうのを、ジェイクが追いはらってくれた。喜んだのもつかの間、ジークのいやがらせでジェイクの誤解を呼んでしまった。真夜中、悲しみに沈むサマンサの許に、パパのジム(ボール・ドゥーリー)が誕生日のお祝いを言いにやって来た。そして、翌日、ジニーの結婚式が始まった。ジニーが変な薬を飲んでいて式はメロメロ。やっと無事に式が終わり、別れの儀式が始まった。その時、教会の向いに真っ赤なスポーツカーが止まった。乗っているのはジェイクだった。サマンサの目に涙が…。





28-24. ときめきサイエンス (Weird Science)

監督 ジョン・ヒューズ
出演 アンソニー・マイケル・ホールケリー・ルブロックイラン・ミッチェル・スミスビル・パクストンスザンネ・スナイダー
1985年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP) 93分

解説
2人の高校生がコンピューターでグラマー美女を創造したことからおきる珍騒動を描くSFコメディ。製作は 「コマンドー」 のジョエル・シルヴァー。監督・脚本は 「すてきな片想い」 のジョン・ヒューズ。撮影はマシュー・F・レオネッティ、音楽はアイラ・ニューボーン、特殊効果はヘンリー・メラーが担当。出演はアンソニー・マイケル・ホール、ケリー・ルブロックほか。

ストーリー
高校生のゲイリー(アンソニー・マイケル・ホール)とワイアット(イラン・ミッチェル=スミス)は、女の子に相手にされぬ冴えない2人組。ゲイリーの部屋のTVで「フランケンシュタイン」を見ていたワイアットが、フランケンシュタインのように人間を作ろうと言い出した。早速、理想のグラマー美人のデータをパソコンにインプットした。その時、にわかに雷が鳴り、稲妻が家へおちて完壁なグラマー美人(ケリー・ルブロック)が出現した。都合のいいことに両親は月曜までいないし、今日はまだ金曜だ。この美女はあらゆる能力を持つスーパーガールで、ボロ車を新車に変えたりは朝食前。2人はリサと名付けて街へ出た。みんな彼女にみとれている。ゲイリーがバーボンを飲みすぎて、ワイアットの家へ泊りに行くと、人の弱みにつけ込むワイアットの兄チェット(ビル・パクストン)が脅迫し、金をむしり取った。疲れきったゲイリーにリサが夢のようなキス。行く先々で馬鹿にされている主人を見かねたリサは、ワイアットの家でパーティを開くことにした。だいたい友達が来てくれるだろうか、という2人の心配は杞憂だった。ぞろぞろ現われた若者達で、家は大混雑。ふと孫を訪ねてきた祖父母はぶるぶる怒ったが、リサの魔力で押入れにとじ込められた。暴走族が家に乱入した。ついに2人は暴走族にたちむかい、追いかえすことに成功。彼らを見る人の目が違ってきた。2人はかわい子ちゃんと仲良くなることに成功した。翌朝、チェットがまたいやがらせをしようとして、リサのおかげで、奇怪な怪物に変身させられ、改心を約束した。そして、自信を得た2人をあとにリサは去っていった。






28-25. 大空港 (Airport)  

監督 ジョージ・シートン
出演 バート・ランカスターディーン・マーティンジーン・セバーグジャクリーン・ビセットジョージ・ケネディ
1970年・アメリカ (ユニヴァーサル) 137分

解説
猛吹雪の国際空港と旅客機の中でくりひろげられる人間模様と恐怖のアクシデント。製作は 「モダンミリー」 のロス・ハンター、監督は 「36時間」 のジョージ・シートン、アーサー・ヘイリーの原作を 「三十四丁目の奇跡(1947)」 「喝采」 のシナリオで2度のオスカーに輝くジョージ・シートンが脚色。撮影は 「愚か者の船」 のアーネスト・ラズロ、美術はアレクサンダー・ゴリッツェンとE・プレストン・エイムズ、セット装飾はジャック・D・ムーアとミッキー・S・マイケルズ、音楽を 「キャメロット」 の故アルフレッド・ニューマン、衣装を 「イヴの総て」 でオスカーを得たイーディス・ヘッドがそれぞれ担当。出演は 「泳ぐひと」 のバート・ランカスター、 「5枚のカード」 ディーン・マーティン、 「ペンチャー・ワゴン」 のジーン・セバーグ、 「経験(1969)」 のジャクリーン・ビセット、 「暴力脱獄」 のジョージ・ケネディ、 「追想」 のヘレン・ヘイズ、 「駅馬車(1965)」 のヴァン・ヘフリン、 「経験(1969)」 のバーバラ・ヘイル、 「白昼の死刑台」 のダナ・ウィンター、それに舞台の名優バリー・ネルソン、モーリン・スティプルトンなど。テクニカラー、トッド・AO・70ミリ。1970年作品。

ストーリー
アメリカ中西部地方を襲った30年来の猛吹雪のため、リンカーン国際空港は痛烈な打撃をうけていた。空港のジェネラル・マネージャーのベーカースフェルド(バート・ランカスター)は、トランス・グローバル航空旅客係のタニア(ジーン・セバーグ)の援助をうけ、空港の機能維持のため狂奔していた。このとき着陸に失敗した大型ジェット旅客機が主要滑走路に胴体を横たえてしまった。この致命的な事故の処理を、ベーカースフェルドは、トランス・ワールド航空の保安係主任パトローニ(ジョージ・ケネディ)に依頼した。このような事件の過程で、ベーカースフェルドは、派手好きな妻シンディ(ダナ・ウィンター)のいる冷たい家庭からの慰めをタニアに求めるようになっていた。一方、この空港からいましもボーイング707 機が飛び立とうとしていた。機長のデマレスト(ディーン・マーティン)と副機長のハリス(バリー・ネルソン)は、ともにベテランのパイロットだったが、主要滑走路がふさがれていることを非常に心配していた。デマレストはベーカースフェルドとは義理の兄弟であったが、強情な2人はそれぞれの立場を譲らず、事故機の処理について激しく言い合うのだった。このデマレストには、現在他人に言えない悩み事があった。妻のサラ(バーバラ・ヘイル)がいるにもかかわらず、スチュワーデスのグエン(ジャクリーン・ビセット)と恋仲になり、彼女に子供までできてしまったのである。そうこうしているうちに、いよいよローマ行きボーイング707 機が離陸することになった。このとき、ベーカースフェルドとタニアが気づいたにもかかわらず、密航常習の老婦人クオンセット(ヘレン・ヘイズ)が、まんまとこれに乗り込んでしまった。吹雪をついて機が離陸したあと、大変な問題が明るみに出た。イネス(モーリン・スティプルトン)という女が、彼女の夫D・O・ゲレロ(ヴァン・ヘフリン)が、彼女に生命保険金を残すため、爆弾を抱いたまま飛行機に搭乗したと告げてきたのだ。ゲレロは戦争中の傷のため精神に異常をきたしていたのだ。この恐怖の事実は、ただちに無電でボーイング707 に知らされた。機内はものすごい恐慌状態に襲われ、一度はクオンセット老夫人とグエンの働きで爆弾の入ったアタッシェ・ケースを奪い取ったが、すぐそれはゲレロの手に渡ってしまった。機長のデマレストは必死の説得にかかったが、突然トイレに駆け込んだゲレロは、爆弾を爆発させてしまった。その結果、ゲレロは惨死、グエンは重傷を負い、機体には大きな破損箇所ができてしまった。そして、機内の気圧は急速に低下、乗客たちは酸素不足に苦しみはじめた。デマレスト達は、ただちにリンカーン空港に引き返す処置を取り、遭難信号を受けた空港側も万全の準備体制を整えた。いまや陸と空との緊密なチームワークによる、救難作業が開始された。そして、パトローニが指揮する作業員たちの活躍で、事故旅客機が滑走路から除かれ、その一瞬後に、ボーイング707 機は、無事その巨体を空港に着陸させた。おのおのの生活背景の翳りをみせながらも、関係者たちの顔には、人生におけるひとつの苦しいドラマを終えたという、安堵感が一様に表われていた。(ユニヴァーサル配給*2時間17分)




28-26. パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 (PARKLAND)  (吹替)

監督 ピーター・ランデズマン
出演 ザック・エフロンビリー・ボブ・ソーントンポール・ジアマッティジャッキー・ウィーヴァージェームズ・バッジ・デール
2013年・アメリカ (ファントム・フィルム(カルチュア・パブリッシャーズ=WOWOW=ファントム・フィルムズ)) 93分

解説
全世界に衝撃を与えた、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディの暗殺事件。いまもなお多くの謎が残るケネディ大統領と容疑者とされるオズワルドの暗殺の真相に迫る社会派ドラマ。長年、ジャーナリストとして活躍してきたピーター・ランデズマンが、まったく新しい視点から事件の裏側に迫っていく。

ストーリー
1963年11月22日、アメリカ大統領ジョン・F・ケネディがジャクリーン夫人とジョンソン副大統領とともにテキサス州ダラスを訪れるということで、街は熱気に包まれていた。エイブラハム・ザプルーダー(ポール・ジアマッティ)はパレードを撮影しようと、所有する8ミリカメラを携えディーリー・プラザへと向かう。大統領夫妻を乗せたリンカーン・コンティネンタルが見えてきたそのとき、銃声が鳴り響いた。凶弾に倒れたケネディ大統領は市内のパークランド病院に搬送され、懸命な救命措置を受けたものの、帰らぬ人となる。突然の悲劇に、街は混乱し、全世界に衝撃が走った。急遽大統領職を委任されたジョンソン副大統領、警備にあたっていたシークレット・サービス、リー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者を別件でマークしていたFBI捜査官、そしてオズワルドの家族は、この事件を境に運命を大きく変えていく。2日後、リー・ハーヴェイ・オズワルドが銃撃され、奇しくもケネディ大統領と同じくパークランド病院に搬送されてくる……。




28-27. カサンドラ・クロス (The Cassandra Crossing)  

監督 ジョージ・P・コスマトス
出演 バート・ランカスターソフィア・ローレンリチャード・ハリスエヴァ・ガードナーマーティン・シーン
1976年・イタリア、イギリス (日本ヘラルド映画)

解説
アメリカが極秘に研究していた細菌を浴びて逃走したゲリラを、CIAが彼の乗った列車ごと抹殺しようとする作戦を描いたサスペンス映画。製作はカルロ・ポンティ、監督はジョルジュ・パン・コスマトス、撮影は 「ブラザー・サン、シスター・ムーン」 のエンニオ・グァルニエリ、脚本はコスマトス、ロバート・カッツ、トム・マンキーウィッツ、音楽はジェリー・ゴールドスミスなと。出演はバート・ランカスター、ソフィア・ローレン、リチャード・ハリス、エヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、イングリッド・チューリン、リー・ストラスバーグ、ジョン・フィリップ・ロー、アン・ターケル、O・J・シンプソン、レイモンド・ラヴロックなど。

ストーリー
ジュネーブにあるI・H・0(インターナショナル・ヘルス・オーガニゼーション=国際保健機構)に、3人のスウェーデンの過激派ゲリラが乗り込みアメリカの秘密生物研究セクションを爆破しようとした。しかし、ガードマンと射撃戦になり、一人は射殺され、残る二人は、様々な細菌類が研究開発されている“危険な”部屋に逃げこんだ。そして一人か射たれて倒れた拍子に、薬のビンを割ってしまい、中の液体が飛び散り、無傷の男の方が一人逃走した……。残されたゲリラを診察したスイス人女医エレナ(イングリッド・チューリン)は、割れたビンにアメリカが秘密裡に研究していた伝染性の細菌が入っていたことをつきとめた。緊急事態の発生で、アメリカ陸軍情報部のマッケンジー大佐(バート・ランカスター)が乗り出し、感染して逃げたゲリラが、ストックホルム=ジュネーブ間の大陸縦断列車に乗り込んでいることを、つきとめた。その乗客リストの中に、著名な医師チェンバレン(リチャード・ハリス)の名があるのを見つけたマッケンジーは、無線電話で彼を呼び出し、事件の概略を説明するとともに車内に潜んでいるゲリラを捜させた。そして、千人の乗客を検疫収容させるために、ポイントを切り換え、列車をポーランドのヤノフへ向かわせた。そこには、30年近くも使用されていない“カサンドラ・クロス”と呼ばれる鉄橋がかかっているのだが……。マッケンジーは、ニュールンベルグで、一旦列車を止め警備隊と医療班を乗りこませ、出入口、窓、通気孔を密閉して、車内に酸素を送り込むように命じた。列車は再び発車し、事態を知らされた乗客たちは騒然となったが、すでに感染者か現われ始めた。チェンバレンは感染者を一つのコンパートメントに集めた。チェンバレンの先妻で、作家のジェニファー(ソフィア・ローレン)も、彼の献身的な活躍に協力した。乗客の一人、ユダヤ人のキャプラン(リー・ストラスバーグ)は、“カサンドラ・クロス”が、終戦とともに使用されていないことを、チェンバレンに伝えた。チェンバレンは、マッケンジーに鉄橋前で列車を停止するように交渉したが、マッケンジーは、それを黙殺した。一方、エレナは高濃度酸素によって発病を防止できることを発見、列車を停めるようにマッケンジーに申し出るが、すでに列車の無線機が破壊されてしまっていた。鉄橋が迫ってきた。チェンバレンや乗客の有志たちが、警備隊と対決し、列車と機関車を切りはなす決死の行動に移った。やがて、鉄橋にさしかかり、半分の車輛と一部の乗客だけを残して、谷底に落下していった。マッケンジー大佐は、官制室で、列車の赤ランプか消えたのを確認した後、上司に電話で報告した。「悲劇的な事故が発生しまして、列車の全乗客が死亡しました」……。




28-28. 天使と悪魔 (ANGELS & DEMONS)  

監督 ロン・ハワード
出演 トム・ハンクスユアン・マクレガーアイェレット・ゾラーステラン・スカルスガルドピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
2009年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 140分  (日本語吹き替え版)

解説
トム・ハンクス主演、歴史に隠された謎に挑むサスペンス・ミステリー 「ダ・ヴィンチ・コード」 シリーズの第2弾。今回はバチカンを狙う秘密結社の陰謀に立ち向かう。

ストーリー
ヴァチカンの教皇が逝去した。新たな教皇を決めるコンクラーベ(教皇選挙)を前に、有力な候補である4人の枢機卿が誘拐される。その陰には、かつてガリレオを中心とした科学者たちによる秘密組織イルミナティの姿があった。科学を信仰するイルミナティは、宗教を第一義とするヴァチカンからの弾圧によって消滅を余儀なくされた組織だった。しかし彼らの残党は、科学の先端技術によって欧州原子核研究機構が生成することに成功し驚異的な破壊力を持つ「反物質」も盗み出して、ヴァチカン全体の破壊をも計画していた。ヴァチカンからの使者の依頼を受けて、ハーバート大学の宗教象徴学者であるロバート・ラングドン教授(トム・ハンクス)はローマへと向かう。眼球をくり抜かれて殺害された「反物質」の発明者の娘であるヴェトラ(アイェレット・ゾラー)や前教皇の侍従カメルレンゴ(ユアン・マクレガー)と共に、事件の解明に乗り出すラングドンだが、誘拐された枢機卿たちは「土」「空気」「火」「水」のキイワードのまま、ひとりずつ予告殺害されていく。ラングトンもまた、資料室に閉じ込められて生命の危機に晒されるが、なんとか脱出に成功する。イルミナティの拠点は、ネクロポリスにあった。そこに向かって暗殺者を倒したラングドンたちは、爆発寸前の「反物質」を発見する。すでに解除は不可能な状態にある「反物質」を手にしたカメルレンゴは、ヘリコプターに乗って空中高く舞い上がる。自動操縦に切り替えて、パラシュートで脱出するカメルレンゴ。そして、「反物質」は大爆発した。彼の英雄的行為は、ヴァチカンからも高い評価を得て、次期教皇としてその名が急遽浮上するが……。全てはカメルレンゴの策略であったことをラングトンは明らかにする。事件は解決して、ラングドンは枢機卿からガリレオの著書を受け取る。この世に必要なものは、宗教だけでも科学だけでもなく、天使とも悪魔ともなりうる両方の融合だった。




28-29. シェフ 三ツ星フードトラック始めました (CHEF)  

監督 ジョン・ファヴロー
出演 ジョン・ファヴロージョン・レグイザモボビー・カナヴェイルエムジェイ・アンソニースカーレット・ヨハンソン
2014年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント) 115分  (PG12)

解説
アイアンマン」 シリーズの監督、ジョン・ファヴローが監督・製作・脚本だけでなく自ら主演を務めた人間ドラマ。一流レストランの総料理長だった男が、オーナーとの対立を機に、フードトラックでサンドウィッチの移動販売を始めるさまを描き出す。ロバート・ダウニーJr.、スカーレット・ヨハンソンら豪華キャストが脇を固める。

ストーリー
ロサンゼルスにある一流レストランで総料理長を務めているカール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)は、メニューに口を出すオーナー(ダスティン・ホフマン)と対立し店を去る。次の仕事について考えなければならない中向かったマイアミで、絶品のキューバサンドイッチと出会う。別れた妻(ソフィア・ベルガラ)や息子(エムジェイ・アンソニー)、友人(ジョン・レグイザモ)、と協力し合い、フードトラックでのキューバサンドウィッチの移動販売を始めるカール。行く先々でサンドウィッチを作りながら、原点に戻り料理や生きる上での情熱を取り戻そうとする……。





28-30. ゲームの規則 (La Regle du Jeu)

監督 ジャン・ルノワール
出演 マルセル・ダリオノラ・グレゴールローラン・トゥータンジャン・ルノワールミラ・パレリー
1939年・フランス (フランス映画社) 106分

解説
狩りに集まった上流階級の恋愛遊戯を描く社会風刺劇。ミュッセの戯曲 「マリアンヌの気まぐれ」 に想を得て、ジャン・ルノワール監督自身が脚本を執筆している。撮影はルノワール映画常連のジャン・バシュレ、音楽はロジェ・デゾルミエール、美術はのちに米英で監督になるユージーン・ローリー、衣裳はココ・シャネルが担当。出演はマルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン、ジャン・ルノワール、ガストン・モドなど。

ストーリー
ブールジェ飛行場に到着した飛行家アンドレ・ジュリユー(ローラン・トゥータン)は、熱狂した群衆に迎えられた。彼は大西洋を23時間で横断したのだ。しかし、彼は差し出されたマイクに「自分がこの冒険に挑んだのはある女性のためだったが、その彼女が出迎えに来ていない」と不満を表明した。その女性、ラ・シェネイ候爵夫人クリスチーヌ(N・グレゴール)は、パリの邸で小間使いのリゼット(ポーレット・デュボー)に着替えを手伝わせながら、そのラジオ放送を聞いていた。夫のロベール(マルセル・ダリオ)を含め、二人の仲は社交界で周知の事実なのだ。ロベールもまた、愛人ジュヌビエーブ(ミラ・パレリー)と秘かに関係を続けていた。アンドレの親友であり、クリスチーヌの相談相手でもあるオクターブ(ジャン・ルノワール)は、クリスチーヌに働きかけ、ラ・シュネイ家の領地コリニエールで催される狩猟の集いにアンドレを招待させる。コリニエールの密猟監視人シュマシェール(ガストン・モド)は妻のリゼツトと別居しているのが不満の種だが、ある日、密猟人のマルソー(ジュリアン・カレット)をつかまえる。そこに通りかかったロベールは、マルソーが気に入り使用人としてやとうことにした。狩猟の日、ジュヌビエーブと別れることにしたロベールは彼女と別れのキスを交す。それを偶然に目撃したクリスチーヌの目には、密会のようにうつった。翌日、クリスチーヌは彼女に愛を打ち明けるサン=オーバン(ピエール・ナイ)と姿を消し、アンドレはサン=オーバンを殴る。台所ではマルソーがリゼットを口説いているのをみて、シュマシェールが追いかけまわす。候爵はクリスチーヌとアンドレが抱き合っているのを見つけ、アンドレを殴り倒した。大混乱のあと、平静を取りもどしたロベールはアンドレと和解し、騒ぎをおこしたシュマシェールとマルソーを解雇した。解雇された二人が庭で話しあっていると、ベランダにオクターブとリゼットの姿が見えた。実はそれはリゼットのマントをはおったクリスチーヌだった。クリスチーヌはオクターブに、自分が本当に愛しているのは貴方だと打ちあけた。二人は一緒に逃げる約束をし、オクターブはコートを取りにもどる。しかし、リゼットにたしなめられ、アンドレに出くわしたオクターブはコートを彼に渡した。嫉妬にかられたシュマシェールの銃が火を吹き、アンドレはその場で息絶えた。ロベールは、この事件を、仕事熱心な密猟監視人が職務に忠実なあまり起した事故として処埋。お客も何事もなかったかのように、それぞれの部屋に引き返すのだった。




28-31. K−9 友情に輝く星 (K-9)  (吹替)

監督 ロッド・ダニエル
出演 ジェームズ・ベルーシメル・ハリスケヴィン・タイエド・オニールジェームズ・ハンディ
1988年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP)

解説
サンディエゴを舞台に、ひとりの刑事と一匹の麻薬捜査犬の、友情と活躍をコミカルに描く刑事アクション。製作は、ローレンス・ゴードンとチャールズ・ゴードン、監督は 「ハモンド家の秘密」 のロッド・ダニエル、脚本はスティーヴン・シーゲルとスコット・マイヤーズの共同、撮影はディーン・セムラー、音楽はマイルス・グッドマンが担当。出演はジェームズ・ベルーシ、メル・ハリスほか。

ストーリー
サンディエゴ警察の麻薬取締官のトーマス・ドゥーリー刑事(ジェームズ・ベルーシ)は、5千万ドルの麻薬を動かす密売人のライマン(ケヴィン・タイ)を追っていた。パートナーを持たないことで上司のバイヤーズ(ジェームズ・ハンディ)からも疎まれる彼は、ライマンの組織の一員であるフレディを捕まえ、港の倉庫に麻薬が入荷されることを知る。彼はブラニガン警部補(エド・オニール)に麻薬捜査犬を貸してくれるように頼み、ジェリー・リーという犬をパートナーとして得る。港でドゥーリーはジェリー・リーの活躍によって、ギリアム(コッター・スミス)という男が麻薬の買人であることをつきとめる。事ここに至って、ドゥーリーはライマンの組織に命を狙われ、そして遂に彼の恋人トレーシー(メル・ハリス)が誘拐されてしまう。ライマンとギリアムの麻薬取り引き場所へと向ったドゥーリーとジェリー・リーは、何とか無事トレーシーを取り戻したものの、激しい銃撃戦の中で、ジェリー・リーが敵の銃弾に倒れる。そして怒りに燃えたドゥーリーはヘリコプターで逃げようとするライマンを倒すのに成功する。一方ジェリー・リーは手術室に運び込まれ、幸い一命を取りとめるのだった。





28-32. 遠すぎた橋

監督 リチャード・アッテンボロー
出演 ロバート・レッドフォードジーン・ハックマンジェームズ・カーンショーン・コネリーライアン・オニール
1977年・イギリス (富士映画) 175分

解説
ノルマンディから3ヵ月後、オランダのアーンエム付近においてくりひろげられた連合軍最大の激戦を描く戦争巨篇。製作はジョセフ・E・レビンとリチャード・P・レヴィン、共同製作はマイケル・スタンリー=エバンス、監督は 「戦争と冒険」 のリチャード・アッテンボロー、脚本はウィリアム・ゴールドマン、原作はコーネリアス・ライアンの 「遙かなる橋」 (早川書房刊)、撮影はジェフリー・アンスワース、特殊効果はジョン・リチャードソン、音楽はジョン・アディソンが各々担当。出演はロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ジェームズ・カーン、ショーン・コネリー、ライアン・オニール、ダーク・ボガード、エリオット・グールド、マイケル・ケイン、ハーディー・クリューガー、マクシミリアン・シェル、アンソニー・ホプキンス、エドワード・フォックス、ローレンス・オリヴィエ、リヴ・ウルマンなど。

ストーリー
1944年9月5日。連合軍のノルマンディ上陸作戦から3ヵ月後、ドイツ軍はオランダよりの撤退を開始した。9月10日、ロンドンのブラウニング中将(ダーク・ボガード)の司令室に、連合軍司令官達が集まった。オランダのアーンエム付近に、空からのマーケット、陸からのガーデン両作戦を遂行し、ネーデル・ライン河からベルリンへ進撃路を開くための大作戦だ。マーケット作戦の総司令官ブラウニングは、小説家デュ・モーリアの夫でもあり、大作戦統率経験はない。アメリカ陸軍准将ギャビン(ライアン・オニール)のアメリカ第82空挺師団は中央高地へ、アーカート少将(ショーン・コネリー)のイギリス第1空挺師団は橋へ、ポーランドのソサボフスキー少将(ジーン・ハックマン)の師団はアーカートと共に作戦を、と命令が下った。だが、ソサボフスキーは、アーンエムの地形の悪さに難色を示した。そのころ、ドイツ司令部はビットリッヒ中将(マクシミリアン・シェル)の第2SS機甲軍団に撤退を命じた。この兵力を偵察したイギリス情報部は、作戦の危険を説いたが、ブラウニングは黙殺する。一方、ベルギーのレオポルズブールでは、ガーデン作戦総司令官のイギリスのホロックス中将(エドワード・フォックス)が、バンドルール中佐(マイケル・ケイン)の近衛機甲師団に進撃を命じた。9月17日、快晴の日曜日。マーケット・ガーデン作戦が決行された。輸送機の大編隊が空をおおい、ドイツ軍の砲撃の中、パラシュートが無数に花開く。ベルギーからは大戦車隊が進撃し、待ちうけていたドイツ軍の攻撃を受け、炎に包まれた戦車に行く手をふさがれていた。ソン橋近くに降下したスタウト大佐(エリオット・グールド)の隊は、ドイツ軍に橋を爆破され、進路をたたれる。一方、アーカートは、同師団のフロスト中佐(アンソニー・ホプキンス)と連絡をとるべくジープを走らせたが、砲弾の中に孤立。作戦開始後2日目の19日、第2次輸送隊は濃霧のためイギリス出発不可能。一方、アイントホーフェンの町にバンドルールとスタウトの部隊が合流した。そして、少し北ではドーハン軍曹(ジェームズ・カーン)が、瀕死の上司をジープで運んでいた。暗くなった頃、スタウトは、今はないソン橋の近くに橋を仮設するが、進撃は36時間の遅れだ。ようやく友軍の攻撃で孤立から脱したアーカートが仮の司令部にたどり着いた時、激戦はまだ続いている。ホルスト夫人(リヴ・ウルマン)の邸宅はアーンエムの近くで、ここをオランダ人医師スパンダー(ローレンス・オリヴィエ)が野戦病院に用いだした。膠着状態のアーンエム橋では、ドイツ軍のビットリッヒが、フロストに降伏を勧告するが、フロストは拒否。かくてドイツ軍の猛攻撃に、フロスト隊は壊滅状態だった。そのころ、ギャビンの師団はナイメーヘン橋突破のため、クック少佐(R・レッドフォード)にボートで渡河作戦をとらせ、戦車隊は激戦の後、橋を占領。一方、イギリスではソサボフスキーの隊は霧のため未だ出発できない。そして、フロスト隊は全滅した。捕虜と化した彼は、ビットリッヒのさしだすイギリスのチョコレートを黙ってかじる。ようやく着いたソサボフスキーの隊も、ドイツ軍の攻撃に前進はまったく不可能。残骸と死体だけの町アーンエム、スパンダーはドイツ軍のルドウィック将軍(ハーディー・クリューガー)に戦闘中止を訴えた。今や生死の問題なのだ。負傷兵の交換は始まるが、連合軍の徹底的壊滅をねらうドイツ軍の攻撃は再開する。ブラウニング、ホロックス、ギャビン、バンドルールら司令官達は、地形やイギリスの霧を呪うが、ソサボフスキーは、男は決断した以上戦い死ぬべきだ、と叫ぶ。豪雨の中、アーカートは生きる屍と化し、彼らの閉じこもる教会に到着した。そしてブラウニングは、モンゴメリー元帥の「この作戦は90パーセント成功した」という伝言を持って来た。そして「我々は遠すぎた橋へ行っただけだ」とも。9日間の戦闘で、連合軍側の戦死、戦傷、行方不明者は1万7000名以上といわれた。




28-33. ダブルチーム (Double Team)

監督 ツイ・ハーク
出演 ジャン=クロード・ヴァン・ダムデニス・ロッドマンミッキー・ロークポール・フリーマンナターシャ・リンディンガー
1997年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 93分

解説
国際的なテロリストと戦う2人の男の活躍を描いたスパイ・アクション。 「ハード・ターゲット」 でジョン・ウーを、 「マキシマム・リスク」 でリンゴ・ラムをハリウッドに招いたジャン=クロード・ヴァン・ダムが、今度は 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」 シリーズなどでおなじみの香港映画界の巨匠ツイ・ハークと組んだ。激しい銃撃戦から大量の火薬を使った爆発シーン、そして肉弾戦まで、アクションの見せ場がふんだんに盛り込まれている。製作は 「マキシマム・リスク」 などでヴァン・ダムのパートナーを務めるモシェ・ディアマント。 「フィラデルフィア・エクスペリメント」 のドン・ジャコビーの原案を、彼とポール・モーンズが脚色。製作総指揮はジャコビーとデイヴィッド・ロジャース。撮影は 「金玉満々/決戦!炎の料理人」 に続いてツイ・ハーク作品は3本目のピーター・パウ、音楽は 「山猫は眠らない」 のゲイリー・チャン、美術は 「ザ・クラフト」 のマレク・ドブロウォルスキー、編集は 「マネートレイン」 のビル・パンコウ、衣裳は 「レオン」 のマガリ・ギダシ。スタント・コーディネーターは 「デモリションマン」 のチャールズ・ピザーニとレミー・ジュリエンヌ、特殊視覚効果監修は 「ザ・クロウ」 のブルーノ・ヴァン・ズィーフブローク。共演はNBAのスーパースターで、これが映画初出演のデニス・ロッドマン、 「ハード・ブレット」 のミッキー・ローク、フランスの新星ナターシャ・リンディンガー、 「レイダース 失われた聖櫃」 のポール・フリーマンほか。

ストーリー
ジャック・クイン(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)は、2年前までCIAの対テロリスト秘密工作員だったが、今は引退して南仏で美しい妻キャサリン(ナターシャ・リンディンガー)と幸せに暮らしていた。だが、そんな時、クインの長年の宿敵であるテロリストのスタヴロス(ミッキー・ローク)が再び動きだした。スタヴロスに仲間を殺されたクインは、今度限りと任務に戻る。ベルギーのアントワープに兵器ディーラーのヤズ(デニス・ロッドマン)を訪ねて武器を調達したクインは、部下たちを率いて遊園地でスタヴロスを待ち伏せるが、彼が幼い息子と一緒にいる姿を見て銃の引き金を引くことを躊躇してしまう。その瞬間、狙われていることを察知したスタヴロスは反撃に転じ、激しい銃撃戦の結果、スタヴロスの息子は命を落とし、彼は逃亡する。重傷を負ったクインは〈コロニー〉と呼ばれる脱出不可能な孤島に収容された。そこは任務に失敗した世界各国の有能な工作員たちを幽閉し、秘密裏にテロリストの情報分析を行うシンクタンクだった。4ケ月後、スタヴロスの行動分析をしていたクインは、事件現場に残されたメッセージから、キャサリンの身に危険が迫っていることを知る。彼は島を脱出するとヤズから武器を手に入れ、南仏の自宅に急ぐ。だが、そこには息子の復讐を誓うスタヴロスの傭兵たちが待ち伏せしていた。銃弾の雨を辛うじてかわし、何とか敵を倒したクインは、身籠もっているキャサリンを人質に取ったスタヴロスの残した指示に従い、ローマに向かった。事情を知ったヤズも協力を約束する。クインは各国の諜報機関にE‐メールを流し、敵の指示したホテルの前で待った。現れたスタヴロスを各国のエージェントたちが一斉に狙うが、一般人を巻き込んだパニック状態の中、彼はまんまと姿をくらました。ヤズはクインをとある修道院に案内する。その地下では驚くべきことに修道士たちがコンピューターを使ってローマの情報収拾を行っていた。そこへ、キャサリンが収容された病院を示す情報が入ってくる。修道士の案内で古い地下道を通って病院に潜入したクインはついにキャサリンと対面するが、生まれたばかりの赤ん坊は連れ去られていた。クインはヤズはスタヴロスの待ち受けるコロシアムに向かう。2人は地雷と虎の二段構えの罠に連携プレイで立ち向かい、地雷を踏んだスタヴロスは爆死し、コロシアムは炎に包まれた。〈コロニー〉から追ってきたゴールドスミス(ポール・フリーマン)は無事に赤ん坊を取り戻したクインを見逃し、クインはキャサリンの元へ帰った。





28-34. ロック・オブ・エイジズ (Rock of Ages)

監督 アダム・シャンクマン
出演 ジュリアン・ハフディエゴ・ボネータトム・クルーズラッセル・ブランドポール・ジアマッティ
2012年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 123分  (PG12)

解説
夢を叶えようと奮闘する若者たちの姿を、80年代のロックナンバーとともに描き、人気を博したロックミュージカルを劇場映画化。トム・クルーズがかつては“ロックの神”と呼ばれ、若者たちの姿に影響されて再起を目指す男、ステイシー・ジャックスを長髪をなびかせて熱演。監督は 「ヘアスプレー」 のアダム・シャンクマン。

ストーリー
1987年のハリウッド。サンセット大通りの一角に、オーナーのデニス(アレック・ボールドウィン)の下、数々のロックスターを世に送り出してきた名門ライブハウス“バーボンルーム”があった。この店で働きながらロックシンガーを目指す青年ドリュー(ディエゴ・ボネータ)は、シンガーを目指してオクラホマから出てきたシェリー(ジュリアン・ハフ)と知り合う。泥棒に遭って無一文になったシェリーは、ドリューの紹介によって店で働くことになり、2人は恋に落ちる。ある日、バーボンルーム出身の大スター、ステイシー・ジャックス(トム・クルーズ)がボーカルを務めるロックバンド“アーセナル”の解散ライブが店で開催される。だが、女性をメロメロにする魅力を持つステイシーも、何年も無節制に生きてきた結果、今では酒浸りになり、堕落し切っていた。一方、ステイシーのマネージャー、ポール(ポール・ジアマッティ)にスカウトされたドリューは、控室でのステイシーとシェリーの関係を誤解し、彼女の前から去ってゆく。傷心のまま店を辞め、ダンサーとして働き始めるシェリー。ところが、ポールのもとで成功を約束されたはずのドリューも、ロックからヒップホップアイドルへの路線変更を余儀なくされ、大きな挫折を味わう。やがて、青少年健全育成のために街からロックを排除しようという市長夫人パトリシア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)率いる抗議団体の運動もあり、資金難に陥るバーボンルーム。店を救うために、ステイシーのソロライブが計画されるが、それは新人グループのプロモーションのためにポールが仕掛けたインチキな代物。ステイシー本人にはライブがあることさえ知らされていなかった。バーボンルームの前では、それを知らないステイシーを待ちわびるファンと、パトリシアの抗議団体が一触即発の状態に。果たして、ステイシーのライブはどうなるのか……?ドリューとシェリーの関係は……?




28-35. バニラ・スカイ (Vanilla Sky)  

監督 キャメロン・クロウ
出演 トム・クルーズペネロペ・クルスキャメロン・ディアスカート・ラッセルジェイソン・リー
2001年・アメリカ (UIP) 137分

解説
トム・クルーズが、スペイン発の異色サスペンス 「オープン・ユア・アイズ」 の映画化権を得て製作・主演を務めた話題作。絶世の美女ソフィア役をペネロペ・クルスが再演。

ストーリー
デイヴィッド(トム・クルーズ)は、NY出版社の若き実力者。ハンサムで裕福な彼はプレイボーイを気取っており、その日もベッドには魅力的な女性ジュリー(キャメロン・ディアス)が。ところがデイヴィッドは、親友の作家ブライアン(ジェイソン・リー)がパーティーに連れてきたガールフレンドのソフィア(ペネロペ・クルス)に一目で心を奪われる。そんなデイヴィッドの心変わりを見抜いたジュリーは、彼をドライヴへと誘い、そのまま無理心中をはかって車ごと崖に突っ込んでいった。ジュリーは死亡、デイヴィッドは一命こそ取りとめたものの、顔が醜く変形してしまう。さらにデイヴィッドは路上で酔い潰れてから先、夢と現実の区別の判断ができなくなる。実はとある会社の手で彼の体は低温保存され、まるで現実のように感じられるリアルな夢を見せられていたのだ。そして彼は夢の世界か、それとも元の世界に戻るかの選択を迫られ、現実の世界を選び飛び込んでいくのだった。




28-36. ミニー&モスコウィッツ (Minnie and Moskowitz)  

監督 ジョン・カサヴェテス
出演 ジーナ・ローランズシーモア・カッセルヴァル・エイヴァリーキャサリン・カサヴェテスエルジー・エイムス
1971年・アメリカ (ビターズ・エンド) 114分

解説
 J・カサベテス監督が自身の結婚経験を盛り込んで作り上げた作品。対照的な人生を生きてきた男と女が出会い、結婚に向かうまでの4日間を心温まるタッチで映し出す。

ストーリー
NYからカリフォルニアへやってきた青年モスコウィッツ(シーモア・カッセル)は、レストランの駐車場でバイトをしていたところ、ミニー(ジーナ・ローランズ)という知的な美女の窮地を偶然救う。美術館勤めの彼女は独身だがもう若くなく、妻子持ちのボーイフレンドのジム(ジョン・カサヴェテス)ともうまくいかない。その日、ミニーは友人がセッティングしたブラインド・デートの相手から逃げようとしていたのだ。気位の高い彼女はモスコウィッツに美術館までトラックで送られながら、気を許そうとはしない。美術館でミニーは息子を連れたジムから別れを告げられた。帰宅したミニーを待っていたのがモスコウィッツ。仕事をクビになったという彼は、ミニーを食事に連れ出すと彼女に一目ぼれしたと突然告白。受け流そうとしたミニーは彼から傲慢な態度を指摘されて傷つく。翌日、再びミニーに会いに行くモスコウィッツ。彼女は前夜のことを謝り、自分の孤独や不安について打ち明ける。映画を見てデートをして親しみを増すふたりだが、ミニーはお互いの違いを理由に、うまくいきそうにないと言う。すったもんだのあげく、彼女への愛を証明しようと髭を剃ってしまったモスコウィッツ。髪まで切ろうとする彼をミニーは制止してお返しに歌う。こうしてモスコウィッツはミニーにプロポーズし、ふたりは出会って4日で結婚するのだった。




28-37. 男性の好きなスポーツ (Man's Favorite Sport?)  

監督 ハワード・ホークス
出演 ロック・ハドソンポーラ・プレンティスマリア・ペルシージョン・マクギバーシャーレン・ホルト
1964年・アメリカ (ユニヴァーサル)

解説
ジョン・フェントン・マレイとスティーヴ・マックニールの共同脚本をハワード・ホークスが演出したスラップスティック・コメディ。撮影はラッセル・ハーラン、音楽は 「シャレード」 のヘンリー・マンシーニが担当。出演者は 「ミサイル空爆戦隊」 のロック・ハドソン、 「渚のデイト」 のポーラ・プレンティス、新人マリア・パーシー、TVからシャーレン・ホルトのほか、ジョン・マクギバー、ロスコー・カーンス、ノーマン・アルデンなど。

ストーリー
ロージャー(ロック・ハドソン)は釣道具の敏腕セールスマンで、彼の著した「釣りの秘訣」はベストセラーになるという当り屋。ある日、ワカプーギー湖で催される競技会にゲストスターになってくれるよう、主催者側のイージー(マリア・パーシー)とアビー(ポーラ・プレンティス)に口説かれ、渋々承諾した。だが、本当は彼、一度も釣の経験がなく、魚は大嫌い。それに美人2人と湖に行くと聞いた婚約者のテックス(シャーレン・ホルト)は嫉妬する。さてワカプーギー湖。3日続きの競技会の始まる前の晩に、もうアビーが彼に言い寄ってきた。上手く言い逃れて小屋に帰ってみると、彼女は彼のベッドでスヤスヤ。翌朝、彼の部屋にテックスが不意に訪れるが、ヘンな誤解をしてカンカン。競技会が始まった。彼の成績はそれでもマグレで2位。その夜、彼はテックスに深く詫び、彼女の心も和らいだが、いざ訪ねて来ると、ロージャーのネクタイがイージーのジッパーにひっかかっている場面にぶつかるという皮肉さ。第2日目は、マグレで1位。その晩、彼とアビーの心がふれあった。第3日目は熊の捕まえた魚を横取りして1位、優勝した。だが、アビーに諭されてトロフィーは辞退した。テックスは新しい婚約者を決めてしまっていた。ロージャーは本気でアビーに愛を求めはじめた。





28-38. ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場 (Heartbreak Ridge) 

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドマーシャ・メイソンエヴァレット・マクギルモーゼス・ガンアイリーン・ヘッカート
1986年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 130分

解説
朝鮮、ヴェトナムで抜群の戦功を重ねたひとりの軍曹が再び古巣の海兵隊に志願し、そこのおちこぼれ集団を鍛え、第三の戦場へ向かう姿を描く。製作・監督・主演はクリント・イーストウッド、エグゼクティヴ・プロデューサーはフリッツ・マーネイズ、脚本はジェームズ・カラバトソス、撮影はジャック・N・グリーン、音楽はレニー・ニーハウス、編集はジョエル・コックスが担当。出演はイーストウッドのほかに、マーシャ・メイソン、エヴェレット・マッギルなど。

ストーリー
砲術軍曹トム・ハイウェイ(クリント・イーストウッド)は、そのすべての軍歴を海兵隊に捧げてきた。タフで飲んだくれでガンコ一徹。祖国と軍隊を愛してやまない彼は、かつて多彩な軍歴をスタートさせた第二海兵隊偵察小隊に再役を志願する。朝鮮戦争で名誉勲章に輝き、ヴェトナムでさらに華々しい戦功をたてた歴戦のつわものを駆りたてたもの、それは、平和時を生きられない闘う男の本能だった。再入隊の手続きの過程で彼は多くの旧知の人間と出会い、感慨を新たにする。そして、別れた妻アギー(マーシャ・メイソン)と再会したハイウェイは彼女とヨリを戻したいと考えた。しかし、彼女は簡単に彼を受け入れなかった。また、彼の再役は司令部将校たちの間でも問題を起こした。大隊を実質的に牛耳るパワーズ少佐(エヴェレット・マッギル)は彼の再役をよく思わず、彼にどうしようもない落ちこぼれ小隊をまかせた。この小隊の若者たちは戦うことの何たるかをまるで把握していない無責任集団だった。例えば、スティッチ(マリオ・ヴァン・ピーブルズ)は軍務そっちのけでロックのスターになるのを夢見る男。アポントは遠く離れた家族の問題で思い悩み、ヨハンソンは営倉生活の方が長いような大男。その他フランゲッティ、キノネス、プロフィル、コリンズら個性の強い連中の寄せ集めだ。そんな連中にとって、ハイウェイの稀有な戦争体験は、百の鉄拳制裁よりきき目があった。翌日から早速、ハイウェイと連中の厳しい訓練が続いた。互いにイガミあう猛訓練の中で新兵たちはハイウェイ軍曹の心情を次第に理解するようになる。そんなある日、小隊にグレナダへの出動命令が下った。小隊はハイウェイの指揮のもと、戦場でも活躍し、堂々の勝利をおさめる。しかし、パワーズ少佐はハイウェイを命令無視として責任を追求するが、本部の司令官は逆にパワーズ少佐の方を作戦ミスを犯したとして叱責するのだった。基地に戻った小隊は大歓迎を受け、その中にはハイウェイを待つマギーの姿もあった。




28-39. マイノリティ・リポート (Mignority Report)  

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 トム・クルーズコリン・ファレルサマンサ・モートンマックス・フォン・シドーロイス・スミス
2002年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 105/145分

解説
SF作家フィリップ・K・ディックの短編を、監督スティーブン・スピルバーグ、主演トム・クルーズで完全映画化。殺人犯のぬれぎぬを着せられた刑事の決死の逃亡劇を描くSFサスペンスだ。

ストーリー
2054年のワシントンD.C.。殺人予知システムのおかげで、殺人事件の存在しない社会。ところが犯罪予防局の犯罪取締チームの主任、ジョン・アンダートン(トム・クルーズ)が、システムにより殺人事件の第一容疑者に挙げられてしまう。彼は自分が事件を起こすことになる36時間後までに、真実を暴かねばならなくなった。ライバルのダニー・ウィットワー(コリン・ファレル)率いる元部下たちの執拗な追跡をかわしながら、都市の探知網をかいくぐって逃げるアンダートン。そして彼は、殺人予知システムを考案したアイリス・ハイネマン博士(ロイス・スミス)から、冤罪のケースがあり得ることを知る。プリコグと呼ばれる予知能力者3人のビジョンが一致しない時、少数報告の方は棄却されてしまうのだ。アンダートンはプリコグの女性アガサ(サマンサ・モートン)を連れ出し、彼女のオリジナル・リポートをダウンロードしようとする。やがて真の犯人が、アンダートンの父親的存在である局長ラマー・バージェス(マックス・フォン・シドー)だと判明。彼は自殺し、犯罪予防システムは廃止。アンダートンは、別居していた妻ララ(キャサリン・モリス)とヨリを戻し、妊娠した彼女と新しい生活を始めるのだった。




28-40. ミニヴァー夫人 (Mrs. Miniver)  

監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グリア・ガースンウォルター・ピジョンテレサ・ライトディム・メイ・ホイッティレジナルド・オーウェン
1941年・アメリカ 135分

解説
我等の生涯の最良の年」 のウィリアム・ワイラーが、今次大戦に従軍する前に監督した映画で、1942年度アカデミー受賞作品である。ジャン・ストルーザーのスケッチを素材として、 「心の旅路」 の共同脚色者ジョージ・フローシェル、アーサー・ウインペリス、クローディン・ウェストと 「心の旅路」 の作者ジェームズ・ヒルトンの4人が脚本を書いた。撮影は 「心の旅路」 「ガス燈」 のジョゼフ・ルッテンバーグが監督した。主演は 「パーキントン夫人」 「キューリー夫人」 と同じくグリア・ガースンとウォルター・ピジョンで 「我等の生涯の最良の年」 「疑惑の影」 のテレサ・ライト、 「永遠の処女」 のディム・メイ・ホイッティ、 「心の旅路」 のレジナルド・オーウェン、 「聖メリーの鐘」 のヘンリー・トラヴァース、 「ボストン物語」 のリチャード・ネイ、 「十字軍」 のヘンリー・ウィルコクスン、 「小麦は縁」 のライス・ウィリアム等が助演している。なおこの映画に関するアカデミー賞は、作品賞のほか、監督賞、脚色賞、撮影賞、主演女優賞、助演女優賞(テレサ・ライト)で、プロデューサーのシドニー・A・フランクリンはアーヴィング・サルヴァーグ記念賞を与えられた。

ストーリー
ロンドンから程遠くないイングランドの小さい町ベルハムに、ミニヴァー夫妻は幸福な家庭をもっていた。ナチが始めた戦争にいつ英国も加わらねばならぬか分からないが、ベルハムは平和で、駅長バラードもバラの花を展覧会に出そうと丹精している。ミニヴァー夫人がロンドンで帽子を買って帰ると、駅長はバラの花に『ミニヴァ夫人』と命名させてくれと頼むのだ。その日クレム・ミニヴァーも身分不相応な自動車を買い、帽子にぜい沢した夫人と共にテレるのであった。ミニヴァー家には小さいトピーとジューディのほか、オクスフォード在学中の長男ヴィンがあった。駅長がバラを出品すると発表したために町は騒ぎ立った。というのは毎年1等賞は町のお邸の老夫人レイディ・ベルドンが取る習慣だからである。翌日、老夫人の孫娘キャロルはミニヴァー夫人を訪れ、祖母を失望させないで頂きたいと頼み込む。大学から帰宅していたヴィンは、下層勤労者階級の生活権について大学研究している折でもあり、ベルドン夫人の封建生を避難して、キャロルと議論したのであるが、それが縁で2人は心をひかれ合う。ダンス会のあった翌日、教会では牧師が英国の参戦と国民の覚悟について説教した。ミニヴァー家のお手伝いグラディスは早速看護婦に志望して出征する。ヴィンも空軍に志願を決意し、キャロルにその事を告げ、愛を告白する。ベルリドン老夫人は孫が中流の平民の息子と親しくするのを好まなかったくらいだったが、戦争は老夫人の心持ちを変えたとみえ、キャロルとヴィンの婚約が発表される。その夜ヴィンには召集令が来た。クレムはダンケルクの危機の報を聞くと、町の人々と共にモーター・ボートでテームズ河を下り、ダンケルク撤退の英兵救出に力添えをした。夫がダンケルクへ行っている留守、不時着して傷ついたナチの飛行士が台所に逃げ込んでいるのに、ミニヴァー夫人は驚いたが、沈着に事を処理して彼女は男を警察に渡す。賜暇で帰ったヴィンはキャロルと結婚し、新婚旅行から帰ると花の展覧会が開かれたところで、ベルドン夫人は1等賞を与えられたが、夫人はそれを駅長に贈った。空襲警報が鳴りヴィンは飛行場へかけつけ、ミニヴァー夫人とキャロルは帰宅の途中、空襲にあった。キャロルは重傷を受け、ミニヴァー邸も倒壊した。ヴィンが帰って来た時にはキャロルは死んでいた。半壊した教会で牧師は、勇気をもって戦えと説くのであった。






28-41. ロビンフッドの冒険 (The Adventures of Robin Hood)  

監督 ウィリアム・ケイリー
出演 エロール・フリンオリヴィア・デ・ハヴィランドベイジル・ラスボーンクロード・レインズイアン・ハンター
1938年・アメリカ (ワーナー支社) 102分

解説
「進め龍騎兵」 「海賊ブラッド」 と同じくエロール・フリンがオリヴィア・デ・ハヴィランドを相手に主演する映画で、ロビンフッド伝説に基づき、 「大森林」 のノーマン・ライリー・レインと 「倒れるまで」 のシートン・I・ミラーが脚本を書卸し、 「進め龍騎兵」 「海賊ブラッド」 のマイケル・カーティズと 「緑の牧場」 「真夏の夜の夢」 のウィリアム・ケイリーとが共同監督し、 「大森林」 「科学者の道」 のトニー・ゴーディオと 「汚れた顔の天使」 「夜はパリで」 のソル・ポリートが撮影を、 「真夏の夜の夢」 「恋のナポリ」 のエリック・ウォルフガング・コーンゴールドが音楽をそれぞれ担当した。助演は 「放浪の王者(1938)」 のバジル・ラスボーン、 「4人の姉妹」 のクロード・レインズ、 「真夏の夜の夢」 のアイアン・ハンター、 「幽霊西へ行く」 のユージーン・パレット、 「結婚スクラム」 のメルヴィル・クーパー及びパトリック・ノウルズ、 「ステラ・ダラス(1937)」 のアラン・ヘール 「座り込み結婚」 のユーナ・オコナー、 「沙漠の朝」 の故ハーバート・マンディン、 「ゼンダ城の虜(1937)」 のモンタギュー・ラヴ等。

ストーリー
リチャード王が十字軍に従軍して出征した後のイギリスは、摂政ジョン公の支配下におかれたが、暴逆非道のジョンは盛んに悪政を行い、ことにサクソン人に対しては、前代未聞の重税を課して苦しめた。この時戦線のリチャード王は異郷で土賊に捕えられ、土賊は巨額の身代金を要求して来た。するとジョン公はその金を作るという名目で更に一層の重税を課してそれを着服し、これにいささかでも従わない者は容赦なく殺害するのであった。この悪政に対して、敢然と起ったのがサクソン貴族第一の快男児たるロビン・フッドであった。彼は天人共に許さざるジョン公と一戦を交えんと同志を募り、シャーウッドの森に立篭って神出鬼没の早業でノルマンの軍勢を悩ました。ジョン公とその腹心のサー・ガイは、ロビン・フッドの傍若無人の活躍に激怒し、ロビン一味の首に莫大な賞金をかけて討伐せんとしたが、ノルマン軍は戦うたびに敗北するのであった。ロビン・フッドはノルマンの貴族を襲って財宝を掠め、その3分の1は貧民たちに分け与え、残りは積立ててリチャード王救出の身代金を作ろうとした。そしてサー・ガイがサクソン人から奪った食料や宝物を山と積んで、ノッティンガムの代官等と行列を作って帰ると知るや、その途中を襲い一行を捕らえ、サー・ガイや代官を散々侮辱して解放した。何とかして彼を捕えんと一計を案じたジョン公とサー・ガイは、日頃から弓の名人として自他共に許しているロビンを誘き寄せるためノッティンガム城内で弓術試合を催す。大胆にも変装したロビン・フッドは、ジョン公の鼻を明さんと城内に乗込み、見事優勝してマリアン姫から黄金の矢を授けられんとした時、サー・ガイに正体を見破られて城門を閉ざされ、無念や捕えられて投獄された。処刑の日が近づいた時、日頃から彼への愛を秘めていたマリアン姫に救われて辛くも逃亡することが出来たが、ジョン公の謀叛の計画を知った姫は、ロビンに知らそうとしてサー・ガイに見つけられ、反逆者として投獄された。その頃土賊の手から逃れ僧に身をやつして帰国せられたリチャード王は、ジョン公の野望と姫の危急を知り部下を集めて出動しようとしているロビン・フッドの忠誠を喜び、初めて身分を明かして軍の戦闘に立たれる。載冠式を挙げんとしていたジョン公と逆臣一味は捕えられて追放された。そしてリチャード王は、ロビン・フッドとマリアン姫の結婚に、心からなる祝福を賜った。





28-42. マグノリアの花たち (Steel Magunolias)

監督 ハーバート・ロス
出演 サリー・フィールドドリー・パートンシャーリー・マクレーンダリル・ハンナオリンピア・デュカキス
1989年・アメリカ (コロムビア/トライスター映画) 118分

解説
ルイジアナ州の小さな町の6人の女性たちの心の交流と友情を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはヴィクトリア・ホワイト、製作はレイ・スターク、監督は 「ダンサー」 のハーバート・ロス、脚本・原作戯曲はロバート・ハーリング、撮影はジョン・A・アロンソ、音楽はジョルジュ・ドルリューが担当。出演はサリー・フィールド、ドリー・パートンほか。

ストーリー
アメリカ、ルイジアナ州の小さな町。イーテントン家の人々は、長女シェルビー(ジュリア・ロバーツ)の結婚式の準備で大わらわだった。シェルビーと母のマリン(サリー・フィールド)は、式の身づくろいのために、偏屈者の未亡人ウィザー(シャーリー・マクレーン)や、町長の未亡人クレリー(オリンピア・デュカキス)など町の女たちの社交場、陽気な女主人トルービィ(ドリー・パートン)の経営する美容室にやってきた。ところがその時、シェルビーが発作に襲われた。実は彼女は結婚しても子供を産んではならない体だった。それでもシェルビーは弁護士のジャクソン(ディラン・マクダーモット)と結婚した。やがてクリスマス。トルービィ美容室の美容師アネル(ダリル・ハンナ)はサミー(ケヴィン・J・オコナー)と恋をしていた。妊娠が分かったシェルビーは、命を賭けても子供を産もうと決心する。そして男子を出産して1年後、内臓の機能が低下したシェルビーのために、マリンは片方の腎臓を提供することになり、手術は無事成功した。ハロウィンの頃、アネルとサミーが結婚したが、その直後シェルビーが倒れた。そして昏睡状態の中で、彼女は帰らぬ人となった。シェルビーの葬式の日、失意のマリンを励ます女たちの絆はさらに深く結ばれた。イースターの頃、今度はアネルが妊娠していた。ウィザーも昔の恋人と愛を再燃させている。こうして時は、生と死を乗り越え、町を流れてゆくのだった。




28-43. インサイド・ヘッド (INSIDE OUT)  (吹替)

監督 ピート・ドクター
出演 竹内結子大竹しのぶ浦山迅小松由佳落合弘治
2015年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 95分  (3D)

解説
カールじいさんの空飛ぶ家」 のピート・ドクター監督が人間の頭の中の世界を描いたディズニー/ピクサーによるユニークな冒険ファンタジーアニメーション。11歳の少女の頭の中にある、喜び、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみという5つの感情の擬人化されたキャラクターたちが、少女の幸せを守るという大事な使命を果たすために奮闘する。

ストーリー
明るく幸せに育った11歳の少女ライリーは、父親の仕事の都合で今まで住んでいた田舎に別れを告げ、大都会サンフランシスコに引っ越してくる。ライリーが新しい生活に慣れようとしていく中、彼女の頭の中にある5つの感情──ジョイ〈喜び(ヨロコビ)〉、アンガー<怒り(イカリ)>、ディスガスト<嫌悪(ムカムカ)>、フィアー<恐れ(ビビリ)>、そしてサッドネス<悲しみ(カナシミ)>、それぞれがライリーの幸せを守ろうとぶつかり合う。やがて彼らの行動はライリー自身の感情となり、予想のつかない大事件を巻き起こしていく……。





28-44. ピンク・キャデラック (Pink Cadillac)  (吹替)

監督 バディ・ヴァン・ホーン
出演 クリント・イーストウッドバーナデット・ピータースティモシー・カーハートジョン・デニス・ジョンストンマイケル・デス・バレス
1989年・アメリカ (ワーナー・プラザース)

解説
逃亡犯追跡の賞金稼ぎがある女を捕えたことで巻き込まれる騒動を描くアクション・コメディ。エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・グラスコフ、製作はデイヴィッド・ヴァルデス、監督は 「ダーティハリー5」 のバディ・ヴァン・ホーン、脚本はジョン・エスコウ、撮影はジャック・N・グリーン、音楽はスティーヴ・ドーフが担当。出演はクリント・イーストウッドほか。

ストーリー
プロの賞金稼ぎトム・ノワック(クリント・イーストウッド)は、ある日ニセ札所持で逮捕され、保釈中の身の上にもかかわらず、生後8カ月の赤ん坊を連れて行方をくらませた人妻ルー・アン・マクグィン(バーナデット・ピータース)を追うことになった。実は彼女の持っていたニセ札というのは、前科者の夫ロイ(ティモシー・カーハート)の所属する狂信的な白人主義組織“純血団〈バース・ライト〉”の援助資金として密造していたもので、ルー・アンは、当局から組織の1人とみなされ、さらに紙幣偽造の汚名をきせられたことで、腹をたててロイの愛車ピンク・キャデラックに飛び乗り、離婚裁判で有名なネバダ州リノにやって来たのだった。しかしその車のトランクの中には、組織が用意した本物の4万ドルが隠されていたのである。それをニセ札と思い込んでいるルー・アンは、リノで大もうけしようとするが、金を使う前にトミーに捕まってしまう。しかしそんな2人を追う純血団のリーダー、アレックス(マイケル・デス・パレス)とその補佐役のウェークロス(ジョン・デニス・ジョンストン)は、彼女の赤ん坊を誘拐し、金を返すように脅迫するのだった。いつのまにかお互いに好意を抱くようになっていたトミーとルー・アンは、純血団のアジトに乗り込み、激しい銃撃戦の末に組織を壊滅、赤ん坊を奪回することにも成功を収め、そして2人は愛を実らせるのだった。





28-45. 草原の輝き (Splendor in the Grass)  

監督 エリア・カザン
出演 ナタリー・ウッドウォーレン・ベイティオードリー・クリスティフレッド・スチュワートパット・ヒングル
1961年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

解説
「階段の上の暗闇」 の原作者であるウィリアム・インジのオリジナル・シナリオを 「群集の中の一つの顔」 のエリア・カザンが監督映画化した青春ドラマ。撮影担当はボリス・カウフマン。音楽はデイヴィッド・アムラム。出演するのはナタリー・ウッド、ウォーレン・ベイティ、オードリー・クリスティ、フレッド・スチュワートなど。製作エリア・カザン。

ストーリー
バッド(ウォーレン・ベイティ)と、ディーン(ナタリー・ウッド)は高校3年生。愛し合っているが、セックスに罪悪感を持つ母親の影響もあってディーンはバッドのすべてを受け入れるに至らない。バッドの父石油業者のエイスは息子がフットボールの選手であることが大自慢で、エール大学に入れたがっているが、バッドには父親の期待が心の負担になっている。それにこの父は、理解あるりに振舞うが本能的には暴君で、姉のジェニーが家出してダラクしてしまい、大学を追われたのも、このような父のいる家庭がたまらなかったからだ。だからバッドの気持ちはひたむきに向かうのだが、彼女はそれを受けとめてくれないのだ。父は気楽な気持ちで他の娘とよろしくやればよいなどという。そんなことでイライラした気持を、バッドは折にふれて乱暴な行動で爆発させたりする。そしてついに彼も同級生でコケティッシュな娘ファニタの誘惑に負ける。青春の悩みに苦しんでいるディーンはこの事件でショックを受け、河に身を投げる。救助に飛び込んだバッドのおかげで死を免れたディーンは精神病院に入院するが、そこでジョニーという若い医師と婚約する。一方、父の希望通りエール大学に入ったバッドは、勉強にも身が入らず、酒ばかり飲み、あげくにアンジェリーナというつまらないイタリア娘と結ばれてしまう。学校は退学寸前のところまでいっている。そこで父のエイスはニューヨークへ出かけようとする。ちょうどそのころ、1929年の大恐慌がやってきた。エイスは大打撃をかくして息子に会い、コーラス・ガールをバッドの寝室に送り込んだりするが、その夜窓から飛びおりて自殺する。やがて退院したディーンは、バッドが田舎へ引込んで牧場をやっていることを知り、訪ねて行く。バッドはアンジェリーナとつつましく暮らしていた。2人は静かな気持ちで再会し、そして別れた。青春は終ったのだ。




28-46. コラテラル (Collateral)  

監督 マイケル・マン
出演 トム・クルーズジェイミー・フォックスジェイダ・ピンケット=スミスマーク・ラファロピーター・バーグ
2004年・アメリカ (UIP) 120分

解説
トム・クルーズが、銀髪で非情なプロの殺し屋に扮した犯罪劇。夜の大都会で、偶然出会った殺し屋とタクシー運転手の葛藤と対決をスタイリッシュに映し出す。

ストーリー
マックス(ジェイミー・フォックス)は、ロサンゼルスのタクシー運転手として、ごく平凡な日々を送ってきた。だが今夜、アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)という女性検事を客に乗せ、心のふれあいを感じたところから、彼の運命は変化し始める。次にマックスのタクシーを拾ったのは、ヴィンセント(トム・クルーズ)というプロの殺し屋。彼は麻薬取引に関わる組織からの依頼で、今夜5人の証人を殺害する任務を授かっていた。ヴィンセントに脅されて、一晩のドライバー役となるマックス。やがて麻薬捜査官のファニング(マーク・ラファロ)が捜査に動き出す。ヴィンセントは計画を一つずつ冷徹に完了させていくが、マックスは次第に、彼に抵抗を示す勇気を手にしていく。ヴィンセントの大事な殺人の指令書を、ハイウェイに投げ捨てるマックス。あわてるヴィンセントだったが、マックスをコントロールし、再び殺害者のデータを手に入れる。そしてとあるクラブ内で、ファニングはあと一歩のところまでヴィンセントを追い詰めるが、結局彼の銃の犠牲になってしまった。いよいよ最後の標的のもとへ向かうヴィンセント。それはあの女性検事アニーだった。マックスは携帯電話でアニーに危険を知らせ、2人でヴィンセントから逃げる。まもなく電車の中で撃ち合いとなるが、マックスの銃弾がヴィンセントの体を撃ち抜く。そしてヴィンセントは席に座って、静かに息絶えるのだった。





28-47. 80日間世界一周 (Around the World in 80 Days)  

監督 マイケル・アンダーソン
出演 デイヴィッド・ニーヴンカンティンフラスロバート・ニュートンシャーリー・マクレーンシャルル・ボワイエ
1956年・アメリカ (ユナイト=松竹) 167分

解説
19世紀末に発表されたジュール・ヴェルヌの同名小説の映画化。 「オクラホマ!」 に続くトッド・AO* の第2作。(日本公開はトッド・AO方式によらずワイド・スクリーンで公開)。登場人物に各国有名スターを総動員しての冒険映画で製作費に700万ドル費やしたという大作。ジェームズ・ポー、ジョン・ファーロウ、S・J・ペレルマンの共同脚本を 「暁の出撃」 のマイケル・アンダーソンが監督した。撮影監督は 「白昼の対決」 のライオネル・リンドン、音楽は故ヴィクター・ヤング。主演は 「陽気のせいデス」 のデイヴィッド・ニーヴン、コメディアンのカンティンフラス、 「画家とモデル(1955)」 のシャーリー・マクレーンの3人。そのほか 「幸福への招待」 のシャルル・ボワイエ、 「歴史は女で作られる」 のマルティーヌ・キャロル、 「ダニー・ケイの黒いキツネ」 のジョン・キャラディン、 「指紋なき男」 のチャールズ・コバーン、 「二重生活」 のロナルド・コールマン 「逢びき」 の原作者のノエル・カワード、 「モンテカルロ物語」 のマレーネ・デイトリッヒ、 「ドン・カミロ頑張る」 のフェルナンデル、 「旅券八二四一の女」 のトレヴァー・ハワード、さらにグリニスジョーンズ、バスター・キートン、イヴリン・キース、ピーター・ローレ、ヴィクター・マクラグレン、ジョージ・ラフト、フランク・シナトラ、レッド・スケルトンなど。なおこの映画は1956年度アカデミー賞のうち作品賞、脚色賞、色彩撮影賞、正劇及び喜劇音楽賞、編集賞を獲得した。
* 幅 70mm のフィルムを使用し、縦横の比率が 1 対 2.13 の映画。


ストーリー
1872年、ヴィクトリア女王治下の英京ロンドン。典型的な英国紳士でリフォーム倶楽部の会員フォッダ氏(デイヴィッド・ニーヴン)は、仲間の会員と80日間で世界一周できるかという賭けをした。掛けの発端は、倶楽部の一員、英蘭銀行の頭取氏が大金を強奪され、そんな大胆な泥棒なら今頃は海外に逃げているとフォッグがいったことにあった。飛行機も汽車もない時代、会員諸公は無謀過ぎだといったが、フォッグ氏はパスパルトー(カンティンフラス)を従者にロンドンを出発、パリからマルセイユへ行った。途中、汽車が止まったため気球に乗って、流されてスペインへ行くという回り道もしたが、主従はやがてスエズに着いた。ところがスエズで英蘭銀行の強盗犯人逮捕で張込み中のスコットランドヤードのフィックス刑事(R・ニュートン)はフォッグ氏を犯人と思い、後をつけてボンベイに着いたところを捕まえようとしたところ逮捕状が未到着、地団駄ふんで口惜しがった。フォッグ氏は大印度鉄道でカルカッタへ。その途中、原住民に殺されようとしていた土侯の妻ウアダ姫(シャーリー・マクレーン)を救い、彼女を加えた3人はシャムから香港へ。魅力的な紳士フォッグ氏にアウダ姫は恋の虜となった。香港に着くと、再びフィックス刑事が待構えていた。香港を離れたらもう英領内では捕まえられぬと考えたフィックスはパスパルトーを誘って協力を頼み、断られるや彼を酒で酔潰した。パスパルトーの謎の失踪のため便船を逃したフォッグ氏はジャンクを傭いアウダ姫とシナ海を渡り横浜に着いた。一方パスパルトーは酔潰れの身を警察の手で汽船に運ばれ1人横浜に上陸したが金はなく腹は空で、ふらりとサーカスへ入るが、そこでサーカス見物のフォッグ氏と涙の再会をした。直ちに3人はサンフランシスコへ。そして汽車でニューヨークへ。途中、壊れかけた鉄橋を辛くも渡りインディアン襲撃で立往生した汽車の代りに上陸ヨットを考案、漸くニューヨークへ着いた。が、港へ行くと定期便はまさに出た後。止むなく外輪船を1隻買い、燃料不足と賭けの期限と戦いながらフォッグ氏一行は英国の港に着いた。ところがロンドンを前に、フォッグ氏は先回りしたフィックス刑事に捕まり、80日目の最後の1秒を豚箱の中で過ごすことになった。翌日真犯人逮捕でフォッグ氏は釈放された。今一歩のところで賭けを失った彼は悄然と家に戻った。が優しく迎えるアウダ姫の求婚に、フォッグ氏は翌日結婚することにした。結婚手続きをするためパスパルトーが出て行ったが間もなく慌ただしく戻ってきた。何と今日が約束の日、途中で日付け変更線を越えたため1日得をしたのを忘れていたというのだ。フォッグ氏は宙を飛んでリフォーム倶楽部へ。時計が約束の8時45分を指そうとした時フォッグ氏は倶楽部に飛込んできた。遂に彼は勝ったのである。




28-48. 超高層プロフェッショナル (Steel)  

監督 スティーヴ・カーヴァー
出演 リー・メジャースジェニファー・オニールアート・カーニージョージ・ケネディハリス・ユーリン
1979年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
ビル建築の超高層化がエスカレートする現在、この危険度の高い仕事に挑む男たちの姿を描くアクション映画。エグゼクティブ・プロデューサーはリー・メジャース、製作はピーター・S・デイビスとウィリアム・N・パンザー、監督は 「ドラム」 のスティーヴ・カーヴァー、脚本はリー・チャップマン、撮影はロジャー・シャーマン、音楽はミシェル・コロンビエ、編集はデイヴィッド・ブリューイットなど。出演はリー.メジャース、ジェニファー・オニール、アート・カーニー、ジョージ・ケネディ、ハリス・ユーリン、レドモンド・グリーソン、ハンター・フォン・リール、テリー・キサール、リチャード・リンチ、ベン・マーレー、ロジャー・モズレー、アルバート・サルミ、ロバート・テッシアなど。

ストーリー
ニューヨーク近郊の小高い丘に、ジャングル・ジムを思わせる鉄骨組立てのビルが、今にも、空にそびえようとしていた。この町の新しい名物となるはずのハイエス・プラザ・ビルである。目下、鉄骨組立てを請負っているのがキャス建築会社。カーキチのボス、ルー・キャシディ(ジョージ・ケネディ)は、いつも運転手を後部座席に座らせ、自らがハンドルを握っていた。鉄材運搬を請負っている弟のエディ(ハリス・ユーリン)は、スキがあれば、この仕事を奪おうと毎日姿を現していた。そんなエディを無視して、荒くれ男どもを指揮するルーは、自ら酸素ボンベを手に熔接を始めた。と、その時、ボンベのメーターが急に上がりボンベが爆発、それが足場に落ちて火災が発生しはじめた。恐怖におののく従業員たちに冷静に指図を送るルーだったが、ある若い作業員を救助用のカゴに移した瞬間、近くのタンクが爆発し、その爆風でルーが46階から落下し、皆の前で即死した。事故か陰謀か葬儀に参列した人々の気持ちは定かではなかったが、そうした悲しみの中で喪主の1人娘キャス(ジェニファー・オニール)にエディが近づいてきた。そんな彼をキャスは無視した。彼女は、今、父の果たせなかった夢を実現させようと決心していた。しかし、あと3週間で9階組み上げなくては、自動的に権利がエディの手に渡ってしまう。ルーが信頼していた鉄骨工のユニオン・チーフ、ピグノーズ(アート・カーニー)は、完成は不可能に近いが、もし、キャットン一家が加わればできるかもしれない、と告げた。マイク・キャットン(リー・メジッース)は、長距離トラックの運転手をしていた。キャスの必死の願いに、はじめはノウをくり返したキャットンだったが、ようやくOKを出し、現場は見違えるように活気づいた。キャットンとキャスのキャットン一家再召集の旅が始まり、チェロキー(ロバート・テッシア)、バレンチノ(テリー・キサール)、ダンサー(リチャード・リンチ)、タンク(アルバート・サルミ)、キッド(ベン・マーレイ)、サーファー(ハンター・フォン・リール)、ライオネル(ロジャー・モズレー)らが集まってきた。作業は、エディの妨害に遭いながらも、急ピッチで進められた。デッドラインが翌正午と迫った日、鉄材を3台のヘリが運ぶ中、エディ一派の暴徒たちが下から鉄骨をよじ登り、実力行使に出たが、暴徒たちがエレベーターに乗り込むのを見とどけたピグノーズが、スイッチをこわした。宙吊りになった彼らの目の前を、最後の鉄材がヘリで運ばれ、今、男たちの努力の結晶が高くそびえ立つのであった。