17-1. ストリート・オブ・ファイヤー

監督 ウォルター・ヒル
出演 マイケル・パレダイアン・レインリック・モラニスエイミー・マディガンウィレム・デフォー
1984年・アメリカ (ユニヴァーサル=CIC) 分

解説
ストリート・ギャングに誘拐されたかつての恋人を救うために故郷に帰ってきたヒーローの活躍を描く。製作はローレンス・ゴードンとジョエル・シルヴァー。エグゼクティヴ・プロデューサーはジーン・レヴィ。監督は 「48時間」 のウォルター・ヒル。脚本はヒルとラリー・グロス、撮影はアンドリュー・ラズロ、音楽はライ・クーダー、プロダクション・デザイナーはジョン・ヴァロン、編集はフリーマン・デイヴィスとマイケル・リップス、衣裳はマリリン・ヴァンス、振付はジェフリー・ホーナディが担当。出演はマイケル・パレ、ダイアン・レイン、リック・モラニス、エイミー・マディガン、ウィレム・デフォー、デボラ・ヴァン・ヴァルケンバーグなど。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は戸田奈津子。テクニカラー、ビスタサイズ。1984年作品。

ストーリー
高架線と路地裏の多い街、リッチモンド。リッチモンド生まれのロック・クイーン、エレン・エイム(ダイアン・レイン)がアタッカーズを引き連れて凱旋して来た。ロック・コンサート会場は熱気に包まれ、ピークに達しようとしていた。その時、ストリートギャングボンバーズのリーダー、レイヴェン(ウィレム・デフォー)が手下を指揮してステージに乱入、エレンを連れ去った。その夜、レストランで働くリーヴァ(デボラ・ヴァルケンバーグ)は弟のトム・コーディ(マイケル・パレ)に手紙を出した。トムはエレンのかつての恋人で、彼女の危機を知れば弟が街に戻ってくることをリーヴァは知っていた。数日後、ロングコートに身を包んだトムが帰ってきた。彼はボンバーズの情報を得るため、かつての馴染みの酒場に出かけていった。そこでトムはマッコイ(エイミー・マディガン)と名のる元陸軍の車輛係をしていた女兵士と出会い、意気投合。その夜、宿無しのマッコイをリーヴァのアパートに泊めてやった。翌日、トムは1人で武器を調達、組立式のウィンチェスター・ライフル、ポンプ式ショット・ガン、それに45口径リボルバーで武装しエレン奪還の準備を整えた。その日の午後、エレンのマネージャー兼恋人のビリー・フィッシュ(リック・モラニス)と会い、救出に成功したらトムとマッコイに賞金1万ドルを出させることを約束させた。3人はボンバーズの根城であるバッテリー地区へ向かった。真夜中、バッテリー地区の根城の中では熱狂のロックが渦巻き、外ではバイクを乗りまわすライダー達がたむろしていた。トムがそのライダーたちのオートバイをウィンチェスター・ライフルで破壊、その間隙をぬってマッコイが単身アジトに侵入しレイヴェンに拳銃をつきつけた。トムとマッコイはエレンを救出、4人は作戦の成功を祝った。だがトムが賞金目当てに自分を救い出しに来たことをビリーから聞いたエレンは、卜ムの心を計りかねた。リッチモンドへの帰路、警察の封鎖を突破するため、ドゥアップ・グループソレルズのバスを乗っ取り、封鎖線を強行突破した。リッチモンドの人々はエレンたちを熱烈に歓迎した。トムが自分を救出してくれたのは金のためではないことを知ったエレンはトムの胸にとび込み、2人の間に昔の愛が甦えった。だが、メンツをつぶされたレイヴェンが黙っているわけがない。彼の仲間を集めトムを倒してエレンを奪おうと全面戦争の準備にとりかかった翌朝、ボンバーズがリッチモンドを取り囲んだ。迎えうつ住民たち。トムとレイヴェンの大型ハンマーによる死闘が始まった。数分後、その場に立っていたのはトムだった。夜、エレンのロック・コンサート会場をあとに、トムとマッコイは街を去った。(ユニヴァーサル映画=CIC配給*1時間33分)




117-2. 真昼の死闘

監督 ドン・シーゲル
出演 シャーリー・マクレーンクリント・イーストウッドジョン・ケリー
1970年・アメリカ (CIC) 分

解説
メキシコが舞台のアクション西部劇。製作はマーティン・ラッキンとキャロル・ケイス、監督は 「マンハッタン無宿」 のドン・シーゲル、脚本はアルバート・マルツ、撮影はガブリエル・フィゲロア、音楽は 「さよならを言わないで」 のエンニオ・モリコーネがそれぞれ担当。出演は 「ペンチャー・ワゴン」 のクリント・イーストウッド、 「スイート・チャリティ」 のシャーリー・マクレーン。その他ジョン・ケリーなど。

ストーリー
メキシコ北部の荒地で3人の男(ジョン・ケリーら)が1人の修道女に暴行を加えようとしていた。順番を決めようとくじ引きをしていると、銃声とともにダイナマイトを持った男ホーガン(クリント・イーストウッド)が現れた。そして、アッという間に3人を射ち殺した。頬はこけ、むさくるしい鬚面だが凄腕だ。女はサラ(シャーリー・マクレーン)と名乗り、姉が売春婦なので、その罪を償うために尼僧となったと言う。それなら尼僧らしく死体を埋葬したらどうだ?と言うと、サラは彼の頬をいやというほどひっぱたいて、シャベルを取った。ヘンな尼僧である。ホーガンは、自分はメキシコの革命ゲリラに雇われている流れ者で、チワワのフランス警備隊を撃滅する作戦に加勢し、成功すればたんまり褒美をもらえるのだと話し、サラは、私はチワワの生まれだと相槌をうつ。一緒に旅を続けるうちに、ホーガンはサラを使ってフランス軍の動きを探ることにした。サンタ・マリアのゲリラを攻撃するという情報をつかみ、列車爆破を企てる。ところが2人が狭い谷間に馬で乗り入れたとき、インディアンの襲撃をうけ、ホーガンは肩に矢を射こまれて失神する。サラの活躍が始まった。橋にダイナマイトを仕掛け、ホーガンの前にライフル銃を据えつける。ウイスキーで目覚めた彼は凄腕を発揮、架橋は爆破されて列車は峡谷に転落した。この事件のためフランス軍は増強された。ホーガンにとってはチャンス到来だ。警備隊の駐留するところへ通じる地下道があるというサラの話に、新戦術を考える。サラの案内で、地下道入口のある家にいくと、サラの正体がバレる。そこが売春宿であり、サラも売春婦だったのだ。サラは懸命に言い訳をした。そん鬚ヅラでは本当の尼僧と言わなかったら何をされたか分かりはしないと。ホーガンたちは地下道の奥の警備隊の居場所の下に、ダイナマイトを仕掛けて、戦術開始である。ホーガンは牧場主に化け、フランス将校を刺してお尋ね者となっているサラを引き渡すといい、警備隊の陣地へ入った。子供や女ゲリラの助けもあり、銃殺一歩手前のサラを救ってホーガンはダイナマイトに火をつけた。大音響とともにゲリラがなだれ込み、もの凄い戦闘が始まった。ゲリラの勝利だった。金を手にしたホーガンはホクホク顔で売春宿へ、入浴中のサラの浴槽に飛び込んだのである。




17-3. 我が大草原の母

監督 ニンツァイ(寧才)
出演 ナーレンホア(娜仁花)トゥメン・バヤル(圖門巴雅爾)ハブリ(哈布日)イリグイ(伊日貴)
2010年・中国 100分

解説
1960年代の中国。飢饉のために親と離れざるを得なかった子供たちが、養子となるため内モンゴルに送られた。シリンゴル草原でつつましく暮らすチチグマは夫の反対を押し切り、ジェンジェンとユーションの2人を家族に迎えた。母の大きな愛に包まれて子供たちはモンゴル遊牧民として育つが、20年後、生みの親が生きていて自分たちを捜していることを知る。文化大革命の時代を背景に、たくましく懸命に生きる母と家族の物語。母親を演ずる娜仁花(ナーレンホア)の好演が印象的。
2010年10月釜山国際映画祭でワールドプレミア。2011年中国映画華表賞優秀女優賞(ナーレンホア)。監督のニンツァイは内モンゴル自治区出身。俳優として「天上草原」などに出演した後、2005年の「白い馬の季節」で監督デビュー。砂漠化が進み、暮らしのありようが変化することに悩む遊牧民を自ら演じた。映画製作会社の代表でもある。


ストーリー
1960年代初頭、中国で深刻な飢饉が発生。 中央政府は、上海の3千人の孤児を内蒙古に送る。 家族と共につましく暮らす女性・其其格瑪は、夫の反対を押し切り珍珍という女児と雨生という男児を養子として引き取り、錫林格勒草原(シリンゴル草原)にちなみそれぞれを錫林高娃、錫林夫と名付け、大切に育てる。 月日は流れ、ふたりとも立派に成長したある日、其其格瑪は、養女・錫林高娃の実母が生きていて娘に会いたがっている事を知る。 彼女は悩みながらも、錫林高娃を実母に引き会わせ、生まれ故郷の上海に送り出す。 しばらくして錫林夫の両親も生きていることが分かり…。






17-4. ワイルド・スピード

監督 ロブ・コーエン
出演 ポール・ウォーカーヴィン・ディーゼルミシェル・ロドリゲスジョーダナ・ブリュースターリック・ユーン
2001年・アメリカ (UIP) 107分

解説
全米のサマー・シーズンを席巻し、初登場1位の座に輝いた話題のカー・アクション。公道レースのスリルに犯罪を解き明かすスリルがからみ、最後まで目が離せない!

ストーリー
ロサンゼルスを車で自在に走り回るドミニク(ヴィン・ディーゼル)は、夜な夜なレースに挑んでくる連中を相手に、一度のレースで一万ドルを稼ぐ凄腕。そんな彼に、謎めいた男ブライアン(ポール・ウォーカー)がレースに挑むことになる。実はブライアンは、トラックの連続ジャック事件を極秘に追う警官だった。容疑者は腕の立つストリート・レーサーたちだったので、潜入捜査を行なっていたのだ。しかし、ドミニクと、チャイニーズ系のジョニー(リック・ユーン)がそれぞれ率いる二大組織の対立が高まりつつある中、ブライアンはドミニク、また彼の妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)との絆を深めていく。果たして、真犯人はドミニクのグループだった。ドミニクは逮捕されそうになるが、彼に友情を感じるようになったブライアンは警察の仕掛けた罠を教え、ドミニクを逃がすのだった。




17-5. ワイルド・スピードX2

監督 ジョン・シングルトン
出演 ポール・ウォーカータイリースエヴァ・メンデスコール・ハウザークリス・リュダクリス・ブリッジズ
2003年・アメリカ (UIP) 108分

解説
全米の若者を熱狂させたカー・アクションの続編。前作に登場した天才ドライバーの警官の、新たな戦いが描かれる。深夜の公道レース、白昼の猛チェイスは迫力満点。

ストーリー
マイアミ。警官の職を失ったブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)は、ストリート・カー・レースで勝利して賞金を手にする。その直後、一斉取締まりで逮捕。しかしそれは、ブライアンを再び囮捜査の任務に就かせようとする警察の意図によるものだった。今回の標的は、貿易商という表の顔を持ちながら、実は国際的なマネー・ロンダリング組織のボスであるカーター(コール・ハウザー)。ブライアンは幼なじみの前科者、ピアース(タイリース)を相棒に指名。ピアースは、捜査が成功すれば前科記録を抹消するという約束で、協力を承諾する。やがて二人は、首尾よくカーターのドライバーとして雇われる。カーターの愛人を演じている囮捜査官のモニカ(エヴァ・メンデス)も加わり、ついに、汚れた金を運ぶ命令がカーターから下った。しかし連邦警察と同様、カーターの組織摘発を狙っていた地元の警察が、実行犯と誤解してブライアンとピアースの追撃を始める。だが二人はみごとに地元の警察をかわし、カーターを逮捕に追い込む。しかもちゃっかり、汚れた金をいくらかくすねているのだった。





17-6. ワイルド・レンジ 最後の銃撃

監督 ケヴィン・コスナー
出演 ロバート・デュヴァルケヴィン・コスナーアネット・ベニングマイケル・ガンボンマイケル・ジェッター
2003年・アメリカ (ヘラルド)

解説
全米で大ヒットを記録した、ケヴィン・コスナー&ロバート・デュバル共演の本格西部劇。悪徳牧場主とカウボーイたちの闘いを、リアルな銃撃戦を交えて描いた人間ドラマだ。

ストーリー
1882年、アメリカ西部のどこか。雄大な大自然の中で、牛を追う4人の男たちがいた。牧場を持たずに草原から草原へと自由気ままに移動しながら牛を育てる“オープン・レンジ”とも“フリー・グレイザー”とも呼ばれる牧畜を行っている男たち。「ボス」と呼ばれるリーダーのスピアマン(ロバート・デュヴァル)、その右腕で銃の名手のチャーリー(ケヴィン・コスナー)、太っちょで気の優しい料理人のモーズ(アブラハム・ベンルビ)、まだ子供のようなメキシコ人の少年バトン(ディエゴ・ルナ)の4人。風が吹けば風を避け、雨が降れば晴れるのを待つ彼らの生活は、自然のルールのみに従うまさに西部流。何者にも邪魔されない男だけの自由な世界だった。ある日、買い物に出かけたモーズが帰ってこないので、ボスとチャーリーは近くの町モーハン郡へ出かける。すると、モーズは商店で暴れたとして留置場に入れられていた。殴られたモーズの顔を見て、2人は保安官に真相を話すよう迫るが、逆に街の顔役である牧場主のバクスター(マイケル・ガンボン)から、町を出て行くよう強要される。もはや“フリー・グレイザー”の時代ではないというのだ。ボスたちは町外れの医院を訪れ、医者と美女スー(アネット・ベニング)にモーズを手当てしてもらった後、キャンプ地に戻り、モーズの回復を待つことにした。そんなある日、遠くから4人の白覆面をつけた男たちが、ボス一行を威嚇する。その夜、ボスとチャーリーは森の中でその男たちを痛めつけるが、キャンプ地に戻るとモーズは撃ち殺され、バトンは重傷を負っていた。バトンを幌馬車に乗せて例の医院に連れてゆき、スーの治療を受けた後、ボスとチャーリーはバクスターとの対決を決意する。町の人々は彼らに同情的だったが、バクスターの言いなりの保安官や手下のガンマンたちの恐怖支配に慣れてしまっていた。雨上がりの朝、襲ってきた保安官たちを逆に縛り上げたボスとチャーリーは、チャーリーに想いを寄せるスーを残し、バクスターに挑戦状を叩きつけた。町の人々が丘の上に避難する中、ボスとチャーリーは初めて互いに本名を名乗り合い、たったふたりで決斗の場へおもむくが……。




17-7. 交渉人 (CM 有り)

監督 F・ゲイリー・グレイ
出演 サミュエル・L・ジャクソンケヴィン・スペイシーデイヴィッド・モースジョン・スペンサージェイ・ティー・ウォルシュ
1998年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

解説
人質交渉人(ネゴシエーター)のふたりの男が、人質犯と彼に指名された交渉人という立場で対峙するサスペンス・アクション。 「ジャック」のジェームズ・デ・モナコとケヴィン・フォックスのオリジナル脚本を、 「セット・イット・オフ」のF・ゲーリー・グレイが監督。製作は 「ジャングル・ジョージ」のデイヴィッド・ホーバーマンと 「コンフィデンシャル」のアーノン・ミルチャン、製作総指揮は 「チカチーロ」のロバート・ストーンとウェブスター・ストーン、 「フラバー」のデイヴィッド・ニックセイ。撮影は 「タイタニック」のラッセル・カーペンター、音楽は 「チャイニーズ・ボックス」のグレアム・レヴェル、美術は 「ブロークン・アロー」のホルガー・グロス、編集は 「フェイス/オフ」の、クリスチャン・ワグナー、衣裳はフランシーヌ・ジェイミソン=タンチャック。主演は 「スフィア」のサミュエル・L・ジャクソンと 「真夜中のサバナ」のケヴィン・スペイシー。共演は 「コンタクト」のデイヴィッド・モース、 「コンフィデンシャル」のロン・リフキン、 「コップランド」のジョン・スペンサー、 「戦火の勇気」のレジーナ・テイラー、そして本作が遺作となった 「ブレーキ・ダウン」のJ・T・ウォルシュほか。

ストーリー
シカゴ警察のトップ人質交渉人ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)は、相棒のネイサン(ポール・ギルフォイル)から警察の年金基金が何者かに盗まれ、内務捜査局の人間が関わっているらしいと聞かされる。呼び出された約束の場所にローマンが行くと、ネイサンは殺されていた。殺人と横領の濡れ衣を着せられた彼は、愛する妻カレン(レジーナ・テイラー)との幸せと生きる権利を取り戻すため最後の手段に出る。連邦政府ビルの20階にある内務局に赴いたローマンは、居合わせたタレ込み屋のルーデイ(ポール・ジャマッティ)や秘書のマギー(シオバーン・ファロン)、フロスト警視(J・T・ウォルシュ)と共にニーバウムを人質にして立て籠もる。警察内部にも裏切り者がいるため、彼は西地区のトップ交渉人セイビアン(ケヴィン・スペイシー)を指名するという大博打に出た。ローマンはトラヴィス署長(ジョン・スペンサー)やSWAT隊長のベック(デイヴィッド・モース)に、真犯人と内偵者を探さないと人質を順に殺すと挑発。セイビアンも次々と手を打ち、トップ交渉人同士の知力と頭脳の限りを尽くした駆け引きが続けられた。だが、鍵を握るニーバウムがSWATの発砲によって死に、警察とFBIはセイビアンを指揮者から解任。ローマンの必死の叫びに無関心でいられないセイビアンは、ビルの内部に潜入して彼と対面する。ふたりはニーバウムのデータを洗うが、横領の証拠は消されていた。セイビアンとローマンは、データのコピーが残されているニーバウムの家に急ぐ。やがてふたりの前にフロストが現れた。横領の黒幕は彼だった。フロストは逮捕され、ローマンの潔白は証明された。





17-8. ゲットバック

監督 サイモン・ウェスト
出演 ニコラス・ケイジジョシュ・ルーカスマリン・アッカーマンサミ・ゲイルダニー・ヒューストン
2012年・アメリカ (日活) 95分

解説
ニコラス・ケイジ主演、サイモン・ウェスト監督という、「コン・エアー」のコンビによるサスペンス・アクション。娘を誘拐された男が、“12時間以内に10億円の身代金を用意せよ”という犯人からの無謀な要求をのんでまで、娘を助け出そうと奔走する姿が描かれる。主人公の娘を演じるのは、期待の新鋭サミ・ゲイル。

ストーリー
全米屈指の銀行強盗ウィル・モンゴメリー(ニコラス・ケイジ)は、長年チームを組む信頼のおける仲間たち、ヴィンセント(ジョシュ・ルーカス)、ライリー(マリン・アッカーマン)、ホイト(M.C.ゲイニー)らとともに夜の銀行に侵入、鮮やかな手口で金庫を破り、1000万ドルの強奪に成功する。だが逃走中に仲間割れが起き、ウィルがヴィンセントに発砲、その様子を見て焦ったホイトの裏切りによって、ウィルは1000万ドルとともに一人路上に取り残される。現場に駆け付けたパトカーを奪取し逃走を図るウィルだったが、警察の執拗な追跡によって最後は逃げ場のない倉庫に追い詰められ、FBI捜査官のハーランド(ダニー・ヒューストン)、フレッチャー(マーク・バレー)らの手によって逮捕される。しかし、盗まれたはずの1000万ドルは跡形もなく消えていた……。8年後。出所したウィルはその足で娘アリソン(サミ・ゲイル)のもとへ向かう。8年ぶりに会う娘に許しを請うウィルだったが、アリソンはひとりタクシーに乗り込み立ち去ってしまう。そんな娘の後ろ姿を茫然と見送るウィル。その直後、突然かかってきた電話の相手はヴィンセントだった。昔の仲間の声に喜ぶウィルであったが、8年前の仲間割れに恨みを持つヴィンセントは「俺の分け前を寄越せ」と怒りをあらわにする。「あの金は燃やした」とウィルは告白するが、それを信じないヴィンセントはアリソンを誘拐したことを告げ、12時間以内に1000万ドルを引き渡すことを要求する。窮地に立たされたウィルは、かつて自分を逮捕したハーランドに助けを求めるが、消えた1000万ドルの件で逆に拘束されそうになったため、護衛の捜査官を打ち倒し逃走。ウィルは警察からも追われる身となる。孤立無援の状況で、警察の捜査網をかい潜り、ヴィンセントと娘の行方を必死に追いながら、同時に身代金のための無謀な銀行強盗を計画するウィル。仲間の裏切り、警察からの追跡、誘拐犯との息詰まる心理戦の中、死に物狂いの父親は最後の賭けに出るのだった……。




17-9. グリース

監督 ランダル・クレイザー
出演 ジョン・トラヴォルタオリヴィア・ニュートン・ジョンストッカード・チャニングジェフ・コナウェイディディ・コン
1978年・アメリカ (パラマウント=CIC) 110分

解説
1950年代のアメリカの若者達の生活を、歌と踊りで綴るミュージカル映画。製作は 「サタデー・ナイト・フィーバー」 のロバート・スティグウッドとアラン・カー、監督はこの作品がデビューのランダル・クレイザー、脚本はブロンテ・ウッダードとアラン・カー、撮影はビル・バトラー、音楽は 「ビージーズ」 のバリー・ギブ、衣裳はアルバート・ウォルスキー、振付はパトリシア・バーチが各々担当。出演は 「サタデー・ナイト・フィーバー」 のジョン・トラヴォルタ、オリヴィア・ニュートン・ジョン、ストッカード・チャニング、ジェフ・コナウェイ、ディディ・コン、ジェミー・ドネリー、ダイナ・マノフ、バリー・パール、マイケル・トゥッチ、ケリー・ワード、スーザン・バックナー、アネット・チャールズなど。

ストーリー
ダニー(ジョン・トラヴォルタ)とサンディ(オリヴィア・ニュートン・ジョン)は夏休みに避暑地の海岸で知り合い、夏中、愛を語り合い、夏が終わる頃、再会を信じながら別れを告げた。新学期と共にダニーはライデル高校の3年生になった。彼はこの高校の”T・バーズ”と呼ばれるグループのリーダーで髪にグリースを塗り黒い革ジャン、スリムなブルージーンでカッコよくきめていた。仲間はケニッキー(ジェフ・コナウェイ)、ドゥーディ(バリー・パール)、ソニー(マイケル・トゥッチ)、パッツィー(ケリー・ワード)。一方オーストラリアヘ帰ったサンディは、父親の仕事の関係でライデル高校に転校することになった。登校早々サンディは女性グループ”ピンク・レディース”のリッツォ(ストッカード・チャニング)、フレンチー(ディディ・コン)、ジャン(ジェミー・ドネリー)、マーティ(ダイナ・マノフ)と知り合った。彼女らはサンディの夏の恋の相手がダニーと聞いてびっくり。そんな夏休み気分のぬけきらない学生たちの間に教務秘書プランチからのニュースが伝わった。それはこのライデル高校が、TV局の主催する全米高校ダンス・コンテストの会場に指名されたというのだ。そんな中、応援団のチア・リーダーに参加したサンディは遂にダニーと再会した。ダニーも嬉しかったが、クールな態度を壊すことはできない。つい冷たい態度をとってしまった。しかし、まもなく元通りの仲にもどりダンス・コンテストではペアを組むことになった。ところが、当日、”T・バーズ”の宿敵グループ”スコーピオンズ”のリーダー、レオのガールフレンド、チャチャは強引に、サンディからダニーを奪ってしまい、優勝はこのダニーとチャチャが獲得した。ダニーを奪われたサンディは涙をこらえることができず、それ以後ダニーとの間はうまくいかない。しかし、ダニーの”スコーピオンズ”とのカー・レースをきっかけに2人の気持ちが離れられないものであることを知る。卒業式の日がやってきた。今は楽しい思い出となった高校生活の最後を飾って若者たちはいつまでも歌い踊った。




17-10. OK牧場の決斗

監督 ジョン・スタージェス
出演 バート・ランカスターカーク・ダグラスロンダ・フレミングジョー・ヴァン・フリートジョン・アイアランド
1956年・アメリカ (パラマウント)

解説
保安官ワイアット・アープが、医者からヤクザに身を持ちくずしたドク・ホリデイの助太刀でOKコラールに仇敵クラントン一家と死闘を交えたという西部の歴史に語り伝えられる事件の映画化で、1946年、ジョン・フォードが「荒野の決闘」 として以来今回が2度目の映画化である。ジョージ・スカリンの原案からレオン・ユーリスが脚本を書き「六番目の男」 のジョン・スタージェスが監督した。撮影監督は「雨を降らす男」 のチャールズ・ラング、作曲指揮は「友情ある説得」 のディミトリ・ティオムキン。主演は「雨を降らす男」 のバート・ランカスター、「赤い砦」 のカーク・ダグラス、「オドンゴ」 のロンダ・フレミング、「ながれ者」 のジョー・ヴァン・フリート、「誇りを汚すな」 のジョン・アイアランド。他に「雨を降らす男」 のアール・ホリマン、「ローンレンジャー」 のライル・ベトガーなど。フランク・フェイレンが主題歌を歌う。

ストーリー
酒と賭博に身をもちくずした元歯科医ドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)はフォート・グリフィンの町で3人組の殺し屋を返り討ちに倒したが、嫌われ者の彼は町民のリンチにかけられようとした。たまたま町に来たドッジ・シティの保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)はドクの情婦ケイト(ジョー・ヴァン・フリート)の頼みで、その危機を救った。ワイアットはドッジ・シティに戻ったが、そこには余り有難くない出来事が待っていた。ワイアットの兄でトゥムストーンの保安官ヴァージルとクラントン一家との確執が激化してきたというのである。クラントンは殺し屋リンゴー・キッド(ジョン・アイランド)を味方にして機会を狙っていた。そんなところへドクがケイトを連れてドッジ・シティにきた。札つきのドクの出現に町の治安を思うワイアットは困惑するが、その上、ローラ(ロンダ・フレミング)という女が現れ御法度の賭博を始めるに及んではワイアットも捨てておけなかった。彼はローラを留置場へ入れた。が、彼女に心ひかれワイアットはドクの口添えもあって間もなく釈放した。ある日、3人の銀行強盗が町に向かったというのでワイアットは不在の代理保安官の代わりにドクを連れて行き、強盗どもを迎え撃った。が、やがてドクは不摂生が祟って前から病んでいた胸の病が悪化、そのため情婦ケイトはリンゴー・キットに鞍替えする始末となった。そんなある夜、ワイアットはローラと恋を囁いていたが、暴れ者シャンハイ・ピアース一味が酒場を荒らしていると聞き、そこへ駆けつけた。が多勢に無勢。そこへドクが現れ機先を制して一味を追出した。ドクはワイアットに、これで借りを返したぜと言ったが、2人は何か離れがたい友情に結ばれた。翌日、ワイアットは、ローラと結婚してカリフォルニアへ行こうと、保安官のバッジを返し旅支度をしていたが、そこへ舞込んだ一通の電報。兄のヴァージルがクラントン一家との危機を告げてきたのだ。ワイアットはローラを置いてトゥムストーンの町へ向かったが、後にはアリゾナへ行くというドクがついてきた。トゥムストーンでは、クラントン一家がアープ家の末弟ジムを射殺、遂に挑戦してきた。アープ家もこれに応じた。決闘の場所はOKコラール。時間は日の出の刻と決められた。クラントン側はアイク、フィン、ビリーのの3兄弟とマクローリー兄弟、それにリンゴー・キッドの6人。アープ側はヴァージル、モーガン、ワイアットの3兄弟である。決闘の夜が明けかかった。OKコラールに向かうアープ兄弟を追って、どうせ死ぬなら1人の友と一緒に、とドクが重病を押して駆けつけた。忽ち始まる決闘。数の劣勢をアープ側は腕と頭でおぎない、激しい戦いの後クラントン一家を撃ち倒した。リンゴーはドクに撃たれた。ワイアットは後を追ってきたローラとカリフォルニアへと旅立った。その2人をドクがいつまでも見送っていた。




17-11. キンダガートン・コップ (吹替)

監督 アイヴァン・ライトマン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガーペネロープ・アン・ミラーパメラ・リードリンダ・ハントリチャード・タイソン
1990年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP)

解説
泣く子も黙るロサンゼルス警察の鬼刑事が、凶悪犯を捕えるために幼稚園の先生になって悪戦苦闘、子供たちに振り回されながらも次第に心を開いてゆく、アイヴァン・ライトマン監督とシュワルツェネッガーが「ツインズ」 に続いて再びコンビを組んだコメディ。製作は「ツインズ」 のアイヴァン・ライトマンと「ドアーズ」 のブライアン・グレイザー、脚本は「ツインズ」 のティモシー・ハリスとハーシェル・ワイングロッド、マーレー・セーレム。撮影は「3人のゴースト」 のマイケル・チャップマン、音楽は「愛と哀しみの旅路」 のランディ・エデルマンが担当。出演はアーノルド・シュワルツェネッガー、ペネロープ・アン・ミラー、パメラ・リードほか。

ストーリー
ロサンゼルス警察のジョン・キンブル刑事(アーノルド・シュワルツェネッガー)は4年の間、麻薬売買め大物クリスブ(リチャード・タイソン)を追っていた。クリスプは息子のカラン・ジュニアを妻のレイチェルに連れ去られて、必死に居所を捜していたが、そのクリスプにレイチェルの情報を持って近付いたダニーという男は、居所を聞き出された後にクリスプに射殺された。キンブルは残されたダニーの恋人シンディに面通しをさせてクリスプを逮捕した後、彼の容疑を固めるため、妻のレイチェルがいるというオレゴン州のアストリアに向かった。アストリアでは、同行した女刑事オハラ(パメラ・リード)が教師として幼稚園にもぐり込み、レイチェルと息子を捜そうというもくろみだったが、オハラが突然、重症の食あたりを起こしてダウン、かわりにキンブルが幼稚園の先生になりすますことに。シュロウスキー園長(リンダ・ハント)に、子供たちと父母に恐怖心をあたえないようにと釘をさされ教室に向かったキンブルだったが、30人の幼稚園児はものすごいパワーのやんちゃぶりで、キンブルは思わず大声で怒鳴り、子供たちを泣かせてしまう。刑事の仕事とは比較にならないほどのハードな毎日に、キンプルはくたくた。しかし、ある夜オハラと食事に出かけたキンブルは、自分のクラスの生徒ドミニク<ジョセフ・カズンズ、クリスチャン・カズンズの双子が2人1役>とその母親で向かいの教室の担任教師ジョイス(ペネロープ・アン・ミラー)に偶然出会い、楽しいひとときを過ごす。ジョイスは思い悩むキンブルに、強気で押すようアドバイス、その言葉に元気づけられたキンブルは体当たりで子供に接し、厳しくも愛情を持ったキンブルの態度に、子供たちは笛の合図で言うことを聞くまでになついていった。ジョイスに心魅かれていくキンブルだったが、あるとき彼女の言葉から、彼女とドミニクがクリスプから逃げているレイチェルとカラン・ジュニアであると直感、さりげなく話を切り出すと、キンブルを刑事とは知らずジョイスもそれを認めた。その頃、クリスプは証拠不十分で出所し母親のエレナー(キャロル・ベイカー)と共にアストリアヘ。やむなく、自分が刑事であると告げたキンブルをジョイスはののしるが、姿の見えなくなったドミニクを捜し出したキンブルはジョイスに愛を告白し、ジョイスも心を開くのだった。クリスプの動きに注意していたキンブルだったが、クリスプは学校に上手く侵入し放火、その騒ぎに乗じてドミニクをさらい学校に立てこもる。キンブルに追いつめられたクリスプはドミニクを人質に逃げおおせようとし、キンブルをエレナーの銃弾が撃つ。しかし駆けつけたオハラがエレナーを撃ち、キンブルもクリスプを撃ちとめた。ジョイスとドミニクを危険から救ったキンブルは、ジョイスと熱いキスをかわすのだった。




17-12. ア・フュー・グッドメン

監督 ロブ・ライナー
出演 トム・クルーズジャック・ニコルソンデミ・ムーアケヴィン・ベーコンキーファー・サザーランド
1992年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 分

解説
キューバ米海軍基地で起った不審な殺人事件の真相を探る若き弁護士の姿を中心に、軍隊内の組織悪を暴く過程での、登場人物たちの人間的成長を描くドラマ。監督は 「ミザリー」 のロブ・ライナー。映画の主要部分を成す法廷場面は、カリフォルニアのカルバー・スタジオに巨大セットを組んで撮影された。製作はライナーと、 「JAWS・ジョーズ」 のデイヴィッド・ブラウン、 「スタンド・バイ・ミー」 のアンドリュー・シェインマン。エグゼクティブ・プロデューサーはウィリアム・S・ギルモアとレイチェル・フェファー。ブロードウェイでロングラン・ヒットとなったアーロン・ソーキンの舞台劇を基に、彼自身が脚色。撮影は 「JFK」 のロバート・リチャードソン、音楽は 「シティ・スリッカーズ」 のマーク・シェイマンが担当。トム・クルーズ、ジャック・ニコルソン、デミ・ムーアなど豪華なスターが競演している。

ストーリー
キューバの米海軍基地で、海兵隊員サンティアゴが就寝中に襲われて死んだ。犯人は同部隊のダウニー一等兵(ジェームズ・マーシャル)とドーソン兵長(ウォルフガング・ボディソン)だった。検察官ロス大尉(ケヴィン・ベーコン)は、2人を殺人罪で起訴する。事件の背景にコードR(規律を乱す者への暴力的制裁)の存在を感じた内部調査部のギャロウェイ少佐(デミ・ムーア)は、被告の弁護を申し出るが、ハーバード出身で法廷経験のないキャフィー中尉(トム・クルーズ)が任命された。キャフィーは偉大な弁護士だった父の影を意識するあまり、担当した事件はすべて検察側との事前取引で処理してきた男だった。キャフィーの助手として同僚のウェインバーグ大尉(ケヴィン・ポラック)が選ばれ、ギャロウェイを中心に調査を開始するが、やはり被告たちは、上官ケンドリック中尉(キーファー・サザーランド)からコードRの命令を受けていた。サンティアゴは訓練に絶えかね、ドーソンによる不法発砲事件の情報提供と引き換えに、基地からの転籍を申し出ていた。それを知った最高指揮官ジェセップ大佐(ジャック・ニコルソン)は激怒し、マーキンソン中佐(J・T・ウォルシュ)の反対も聞かずコードRの実行を示唆したのだった。命令に忠実に従っただけで、殺意は無かったのだという言葉にに心を動かされたキャフィーは、被告の無罪を申し立て、法廷での裁判が始まった。裁判の途中、失踪していたマーキンソンが現れ、真実を証言すると約束したりもするが、直前に自殺してしまい審理は困難を極める。苦悩しつつキャフィーは、ジェセップを証言台に立たせることを決意した。法廷での2人の対決は、キャフィーの巧みな弁舌で、ジェセップの権力への盲信を突き、自らの口からコードRの指令を出したことを白状させる。被告たちは無罪となるが、軍に対する背信により除隊処分となってしまう。ドーソンはキャフィーに、この裁判を通じて、自分が守るべきものは軍の規律ではなく弱者であるサンティアゴだったことを悟ったと語り、2人は互いに尊敬をこめた敬礼を交し合うのだった。




17-13. ラスト・アクション・ヒーロー

監督 ジョン・マクティアナン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガーオースティン・オブライエンチャールズ・ダンスF・マーリー・エイブラハムアート・カーニー
1993年・アメリカ (コロンビア映画)

解説
映画好きな少年が、スクリーンの中のアクション・ヒーローと共に大冒険を繰り広げるファンタジー・アクション。監督・製作は 「ザ・スタンド」 のジョン・マクティアナン、共同製作は 「ファイティング・キッズ」 のスティーヴ・ロス、エクゼクティブ・プロデューサーは本作の主演でもある 「キンダガートン・コップ」 のアーノルド・シュワルツェネッガー。ザック・ペンとアダム・レフの原案をもとに、 「ラスト・ボーイスカウト」 のシェーン・ブラックと、デイヴィッド・アーノットが共同で脚本を執筆。撮影は 「パワー・オブ・ワン」 のディーン・セムラー、音楽は 「リーサル・ウェポン3」 のマイケル・ケイメンが担当。他の出演は、 「バーチャル・ウォーズ」 のオースティン・オブライエン、 「エイリアン3」 のチャールズ・ダンス、 「ローデッド・ウェポン1」 のF・マーリー・エイブラハム、 「モブスターズ 青春の群像」 のアンソニー・クイン、 「フィッシャー・キング」 のマーセデス・ルール、 「炎の少女チャーリー」 のアート・カーニーなど。他にティナ・ターナー、ロバート・パトリック、シャロン・ストーン、ハマー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、チェヴィ・チェイス他がカメオ出演している。

ストーリー
ニューヨークのタイムズ・スクエアにある映画館パンドラ。そのうらぶれた二番館に入りびたっているアクション映画ファンの少年ダニー(オースティン・オブライエン)は、今日もロサンゼルス市警のスーパー・コップ、ジャック・スレイター(アーノルド・シュワルツェネッガー)が活躍するシリーズもの「ジャック・スレイター」に夢中。ウェイトレスの母アイリーン(マーセデス・ルール)と2人暮しの孤独な少年が信じられるのは、映画の中の夢の世界だけだった。ある日ダニーは、映写技師のニック(ロバート・プロスキー)の手伝いで、次回上映作「ジャック・スレイター」のフィルム・チェックに立ち会えることになった。ニックは、ダニーに一枚の光り輝くチケットを与えた。それは別世界へのパスポートだという。ひとり映画館の座席に身を沈めたダニーの前で映画は始まった。南カリフォルニアのギャングの大ボス、ヴィヴァルディの邸宅。そこでジャック・スレイターの又従弟フランク(アート・カーニー)が痛めつけられている。彼の前に組織の殺し屋ベネディクト(チャールズ・ダンス)が不気味な姿を現した。スレイターが現れた時、フランクは虫の息の下から組織の動きを伝えてこと切れた。怒りのスレイターは逃げる殺し屋たちを追撃する。その時、ダニーの魔法のチケットが輝き、ダニーはスクリーンの中の世界に呑みこまれた。突然現れた見知らぬ少年に目を丸くするスレイター。ダニーは凄場面の連続に大喜びする。前後の展開をよく知っているダニーを不思議がるスレイターと上司のデッカー警部補(フランク・マクレー)。デッカーはスレイターに、ダニーと一日パートナーを組むよう命じた。ダニーはスレイターをヴィヴァルディの屋敷へ案内した。出てきたベネディクトと火花を散らす。ヴィヴァルディはベネディクトにスレイターの抹殺を命じた。その頃スレイターはダニーを連れて別れた妻の家へ。そこへ、ベネディクトたちが侵入してきた。ダニーはチケットが入った財布をベネティクトに巻き上げられ、相変わらず大暴れしてしまったスレイターはデッカーに警察バッジを取り上げられてしまう。しかし、ダニーからヴィヴァルディ一味の大虐殺計画の予兆を伝えられたスレイターは超人的な活躍で粉砕。ベネディクトは、ヴィヴァルディを射殺すると、魔法のチケットの力で現実の世界へ逃げこんでしまう。ダニーとスレイターもそれを追うが、ベネティクトは映画の世界から、スレイターの子供を殺したザ・リッパー(トミー・ヌーナン)を連れ出し、スレイターを演じる現実のスター、シュワルツェネッガーを殺してしまおうと、スレイター・シリーズ最新作のブレミア会場へと向かった。ダニーとスレイターも駆けつけ、2人を倒すが、スレイターはベネディクトに撃たれ重傷を負う。ダニーはパンドラの受付に残っていた魔法のチケットの半券を使い、スレイターを映画の世界の中に戻した。そしてスクリーンの中では、スーパー・コップ、ジャック・スレイターの物語は続いていくのだった。




17-14. グリーン・デスティニー

監督 アン・リー
出演 チョウ・ユンファミシェル・ヨーチャン・ツィイーチャン・チェンラン・シャン
2000年・アメリカ、中国 (ソニー・ピクチャーズ) 120分

解説
 カンヌ映画祭で話題を独占した、名匠A・リーによるアクション・ファンタジー。群雄割拠の時代を背景に、秘剣争奪の死闘と2組の男女の愛が熱く激しく絡みあう。C・ユンファら実力派俳優が共演。

ストーリー
天下の名剣グリーン・デスティニー(碧名剣)の使い手として名を轟かせるリー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)は、剣を置く決意をし、瞑想修行を途中で切り上げ女弟子ユー・シューリン(ミシェル・ヨー)の元へやってくる。二人は密かに惹かれ合っていたが、師弟に愛の関係は許されなかった。そんなある日、ユーは貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)に出会う。イェンは両親に名家に嫁ぐことを決められていたが、本当はユーのような剣士になりたがっていた。やがてイェンは、盗賊の青年ロー(チャン・チェン)と砂漠で恋に落ちる。しかし政略結婚が決まっているイェンは、彼に別れを告げた。イェンを諦めきれないロー。彼への想いに揺れるイェン。そんな時、イェンに正しい剣の道を教えようとしていたリーが、長年の敵に毒針で殺されてしまう。死の直前で、初めて愛の告白をするリーとロー。イェンはその姿に接し、家が決めた結婚を捨ててローとの愛を選ぶのだった。




17-15. 狩人と犬、最後の旅 (吹替)

監督 ニコラス・ヴァニエ
出演 ノーマン・ウィンターメイ・ルーアレックス・ヴァン・ビビエケン・ボルトンデニー・デニソン
2004年・フランス、カナダ、ドイツ、スイス、イタリア (ギャガ・コミュニケーションズ) 101分

解説
大自然に生きる狩人と犬の交流を描く感動のドラマ。実際に 「最後の狩人」 として北極圏の原生林に生きるノーマン・ウィンターが本人の役を演じている。監督は現代のジャック・ロンドンと称される冒険家ニコラス・ヴァニエ。

ストーリー
ノーマン・ウィンター(本人)は半世紀にわたってロッキー山脈で罠猟を続けてきた「最後の狩人」。しかし、森林の伐採によって年々動物たちは減少し、ノーマンは今年限りで猟を辞める決心をした。そんな折、犬ぞりのリーダーであるシベリアン・ハスキーのナヌークが命を落としてしまう。それはノーマンにとって大きな痛手だった。ノーマンは雑貨屋の店主からシベリアン・ハスキーの子犬を貰い受ける。しかしその子犬がナヌークの代わりになるとはとても思えなかった。アパッシュと名づけられたそのメス犬は、元々レース用に育てられたためか他の犬とも馴染まず猟に出ても足手まといになるばかりだ。そんなある日、薄氷地帯にそりが入り込んだことから氷が割れ、ノーマンは凍てつく湖水の中にはまり込んでしまう。パニックに陥る犬たちの中でノーマンの呼びかけに応えたのはアパッシュだけだった。アパッシュが他の犬を引き連れてきたお陰で九死に一生を得たノーマン。アパッシュにリーダー犬の素質を認めたノーマンはその教育に力を注いだ……。やがて春。ノーマンはアパッシュとの絆に明るい希望を見出し、今年もまた「最後の狩人」として生きることを心に決めるのだった。




17-16. ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

監督 スティーヴン・ダルドリー
出演 トム・ハンクスサンドラ・ブロックトーマス・ホーンマックス・フォン・シドーヴィオラ・デイヴィス
2011年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 130分

解説
アメリカ同時多発テロで父親を亡くした少年の希望と再生を描いたジョナサン・サフラン・フォアのベストセラーを、「めぐりあう時間たち」のスティーブン・ダルドリー監督で映画化。トム・ハンクス&サンドラ・ブロックのアカデミー賞コンビと、主人公の少年を演じる期待の新星トーマス・ホーンが自然体の演技で感動を誘う。

ストーリー
9.11同時多発テロで父を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)は、父の突然の死を受け入れられずに日々を過ごしていた。そんなある日、彼は父の部屋のクローゼットで、封筒の中に1本の“鍵”を見つける。この鍵は父が残したメッセージかも知れない。オスカーはその鍵の謎を探しに、ニューヨークの街へと飛び出した……。




17-17. ダイヤモンド・イン・パラダイス

監督 ブレット・ラトナー
出演 ピアース・ブロスナンサルマ・ハエックウディ・ハレルソンドン・チードルナオミ・ハリス
2004年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ) 98分

解説
「007」 シリーズのピアース・ブロスナンが天才泥棒に扮する犯罪アクション。秘宝をめぐり、FBI捜査官やギャング、美女が入り乱れて壮絶な攻防戦を繰り広げる。

ストーリー
歴代の大泥棒たちが狙い続けた難攻不落の財宝”ナポレオン・ダイヤモンド“。世界に3つあるそれを2つ盗んだマックス(ピアース・ブロスナン)と恋人のローラ(サルマ・ハエック)は、それを最後に泥棒稼業から引退して、バハマのパラダイス・アイランドで休暇を取っていた。一方、7年間もかけて2人を追いながらも常に翻弄されてきたFBI捜査官のスタン(ウディ・ハレルソン)は、管轄外であるにもかかわらずバハマを訪れる。その島に一時停泊している豪華客船には、”ナポレオン・ダイヤモンド“の最後の1つが展示されていたのだ。マックスとローラをこのまま引退させるわけにいかないスタンは、地元の女刑事ソフィー(ナオミ・ハリス)も仲間に巻き込み、彼らを挑発し始める。やがてパラダイス・アイランドを牛耳るギャングのボス、ムーア(ドン・チードル)もダイヤに興味を抱き、報酬と引き換えにマックスにダイヤを盗むように要求する。だがローラは、泥棒のプライドを刺激されて揺れ始めるマックスに、もし盗んだなら永遠の別れを告げると警告。しかしマックスは結局ダイヤを盗んでしまう。ローラは約束通り彼に別れを告げるが、マックスが彼女を追い掛けてプロポーズし、2人のヨリは戻る。一方で、スタンが巧妙な罠を仕掛けてダイヤを横取りしていた。マックスは負けを認めつつ、スタンが乗った車をリモコン操作して彼をあわてさせるのだった。




17-18. 地平線から来た男

監督 バート・ケネディ
出演 ジェームズ・ガーナースザンヌ・プレシェットジャック・イーラムジョーン・ブロンデルハリー・モーガン
1971年・アメリカ (ユナイト) 分

解説
そのヌーボーとした風采によって凄腕のガンマンと勘違いされ、思わぬ事態が次々と起こる。総製作・監督はバート・ケネディ、製作はビル・フィネガン、脚本はジェームズ・エドワード・グラント、撮影はハリー・ストラドリング、音楽はジャック・エリオット、エリン・ファーガソンがそれぞれ担当。出演は 「夕陽に立つ保安官」 のジェームズ・ガーナー、スザンヌ・プレシェット、チャック・コナーズ、ジョン・デナー、マリー・ウィンザー、ジャック・エラム、ハリー・モーガン、ジョーン・ブロンデルなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。デラックスカラー、ビスタサイズ。1971年作品。

ストーリー
ラティゴ・スミス(ジェームズ・ガーナー)は今や風前の灯。ゴールディ姐御(マリー・ウィンザー)と酔ったあげく結婚の約束をし、今は婚前ハネムーンの列車の中である。何とかしなきゃゴールインだ。ラティゴは姐御がお寝み中にこっそり途中下車した。この町パーガトリーは、ダイナマイトが爆発し、女の子が拳銃をぶっ放しているという殺伐たる光景である。ラティゴが悠々とホテルに投宿すると、ただちに町の有力者テイラー・バートン(ハリー・モーガン)、その息子、駅長のイズ(ヘンリー・ジョーンズ)などのお歴々の大歓迎を受けた。この町の勢力分布は真二つ、バートン一派とエームズ大佐(ジョン・デナー)一派で、鉱山主同志の争いの渦が巻いている。ラティゴはバートン派の用心棒というわけだが、バートンの娘ペイシャンス(スザンヌ・プレシェット)は、この馬鹿げた争いにうんざりして、ニューヨークへ行きたいと荒れ狂っている。しかも、エームズ大佐の用心棒を自分で片づけ、それを恩にきせてニューヨーク行きをOKさせようとやっきである。ようやく状勢を呑み込んだラティゴは、せっかく凄腕ガンマンと誤解されたからにはと5000ドルでバートンと契約した。その5000ドルもルーレットでスッテンテン。その負けっぷりの良さに惚れ込んだ酒場のマダム・ジェニー(ジョーン・ブロンデル)は、豪華な寝室を提供して用心棒も兼ねさせたが、そそっかしいペイシャンスは、さては裏切ったなと彼の寝室に乗り込んだ。が、手もなくひねられ、すっかり毒気を抜かれてしまった。エームズ大佐が自分の用心棒とマネージャーと思っていたのが実はニセ物、スウィフティに呑んべえのジャグ・メイ(ジャック・エラム)を仕立て上げたのがラティゴで、自分はマネージャーになりすましている。が、本物のスウィフティ(チャック・コナーズ)が現れるにおよんで事態は一変したのだ。両派の抗争は熱を帯び、とうとうスウィフティとラティゴの対決となった。ベテラン・ガンマン、スウィフティは相手を見て息を呑んだ。捨て身のラティゴはダイナマイトを抱え込み、ロバに乗ってきたのだ。すっかり怖じ気づいたスウィフティは、簡単にまいってしまった。鉱山問題はバートンとエームズ大佐の妹とのロマンスによって解決し、ラティゴの傍らには急に女らしくなったペイシャンスが寄り添っていた。(ユナイト配給*1時間30分)




17-19. お熱いのがお好き

監督 ビリー・ワイルダー
出演 マリリン・モンロートニー・カーティスジャック・レモンジョージ・ラフトパット・オブライエン
1959年・アメリカ (ユナイテッド・アーチスツ) 120分

解説
昼下りの情事」 のビリー・ワイルダーが製作・監督にあたった喜劇映画。1920年代、禁酒時代のアメリカ風俗を背景に、ギャングやチャールズトン・ダンスなどをからませたウィットに富むドラマが展開する。脚本はワイルダー自身と 「昼下りの情事」 のI・A・L・ダイアモンド。撮影は 「さまよう青春」 のチャールズ・ラング。音楽はマティ・マルネック。出演は 「王子と踊子」 のマリリン・モンロー、 「挑戦者」 のトニー・カーティス、 「媚薬」 のジャック・レモン、 「悪徳警官」 のジョージ・ラフト、パット・オブライエン、ジョー・E・ブラウン、ジョージ・E・ストーン、ジョアン・ショーリーー、ビリー・グレイら。篇中カーティスとレモンは、作品全体の4分の3近くを女装で通すという趣向がこらされている。製作ビリー・ワイルダー。

ストーリー
禁酒時代のシカゴのもぐり酒場。サキソフォンを吹いていたジョー(トニー・カーティス)と、バス・ヴァイオルを弾いていたジェリー(ジャック・レモン)は、酒場に警察の手入れが入って失職した。困った2人は新しい仕事場へ都落ちするため、ガレージに自動車を借りに出かける。ところがそのガレージで、彼らはギャングの殺人を目撃する。折からの聖ヴァレンタインの日を期して、2人がもと働いていた酒場の持ち主スパッツ・コロンボ(ジョージ・ラフト)が、もぐり営業を密告した男に機関銃弾をぶちこんだのである。逃げ出した2人は、コロンボ一味に狙われる身の上となった。生命の危険を感じた2人は、ジョーがジョセフィン、ジェリーがダフニと名を変えて、女装して女性オーケストラ一行にまぎれこみ、マイアミ演奏旅行に出発する。オーケストラの一員に、ウクレレ奏者の金髪娘シュガー(マリリン・モンロー)がいた。ジョーは一目でシュガーに惹かれたが、彼女は過去に6回もサキソフォン吹きとの恋愛に失敗し、今度は成金と結婚しようと狙っている娘だった。それに女を装う身の上では、求愛もできない。一方ジェリーのダフニは、マイアミで年輩の大金持の御曹子オスグッド3世(ジョー・E・ブラウン)に一目惚れされてしまう。そこで一計を案じ、ジョーは男の姿に戻って石油成金と偽り、シュガーをつれ出す。そしてジェリーの誘いで外出したオスグッド3世のヨットを使い、彼女と愛をささやくことに成功。2人の二重生活が進行中のそんなある日、ギャング達の集会がマイアミで開かれ、スパッツ・コロンボが一味をつれてオーケストラ一行と同じホテルにやってきた。びっくりした2人は、正体を見破られかけて逃げ出す仕度をする。ギャングの集会では、勢力拡張を計るコロンボが組織の怒りをかい、集会の席上で突然射殺される事件が起こる。そんな騒ぎのうちに、ジョーは実は自分は男だと打ち明けて、シュガーとともに安全なヨットに逃れる。ヨットに向かう途中、ジェリーもオスグッド3世に、自分が男である身の上を打ち明ける。しかしオスグッド3世は、平然として言った。「誰でも完全な人間なんてありはしない」と。




17-20. 三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演 ローガン・ラーマンオーランド・ブルームミラ・ジョヴォヴィッチクリストフ・ヴァルツレイ・スティーヴンソン
2011年・フランス、アメリカ、 イギリス、ドイツ (ギャガ=テレビ朝日) 110分

解説
バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督がデュマの名作を映画化。 「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督がデュマの名作を映画化。「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のローガン・ラーマンが主人公ダルタニアンを演じるほか、オーランド・ブルームが初の悪役に挑戦。公私ともに監督のパートナーであるミラ・ジョヴォヴィッチも出演。

ストーリー
17世紀。まだ若いルイ13世が王位を継承したフランスでは、リシュリュー枢機卿(クリストフ・ヴァルツ)が、権力掌握のために暗躍していた。その頃、ヴェネチアでは三銃士のアトス(マシュー・マクファディン)、ポルトス(レイ・スティーヴンソン)、アラミス(ルーク・エヴァンス)が、アトスの恋人ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)の裏切りに会い、ある設計図を奪われる。敵国イギリスのバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)のもとへ向かうミレディ。3年後。憧れの銃士になるために南部の田舎からパリに向かった青年ダルタニアン(ローガン・ラーマン)は、道中、身なりのいい眼帯の男から侮辱を受ける。パリに着くと、三銃士とは知らずにアトス、ポルトス、アラミスに決闘を申し込むが、その直後、眼帯の男に再び遭遇。その男はリシュリューの腹心、ロシュフォール隊長(マッツ・ミケルセン)だった。成り行きから協力して戦い、ロシュフォールと護衛隊兵士たちを打ち負かすダルタニアンと三銃士。そしてダルタニアンは、戦いを見守っていたコンスタンス(ガブリエラ・ワイルド)と出会う。彼女はアンヌ王妃(ジュノー・テンプル)の侍女だった。宮殿で再会する2人。宮殿上空には、ヴェネチアで奪った設計図を基に製造したバッキンガム公の飛行船が浮かび、バッキンガム公とリシュリューによる会談が行われていた。その間、ミレディは王妃のダイヤモンドのネックレスを盗み出す。彼女はリシュリューのために働く二重スパイだった。バッキンガム公の宝物庫に奪ったネックレスを収め、王妃とバッキンガム公の不倫をでっち上げて、戦争に導くことがリシュリューの狙い。王妃の無実を証明するためには、5日後の舞踏会で、国王の前でネックレスを身に着けなければならない。王妃の危機を知ったコンスタンスから助けを求められたダルタニアンは、ネックレスの奪回を決意し、三銃士と共に旅立つ……。




17-24. マージン・コール (吹替)

監督 J・C・チャンダー
出演 ケヴィン・スペイシーポール・ベタニージェレミー・アイアンズザカリー・クイントペン・バッジリー
2011年・アメリカ (ビフォア・ザ・ドア・ピクチャーズ) 109分

解説
2011年のアメリカ合衆国のドラマ映画。当初は自主映画として制作された。大手投資銀行(リーマン・ブラザーズをモデルとしている)の24時間を舞台とし、2007年に発生した世界金融危機に焦点を当て、金融危機のあいだに従業員たちが取る行動が描かれる。
2011年1月にサンダンス映画祭で初上映され、10月21日にアメリカ合衆国で劇場公開された。日本では劇場公開されず、2012年2月3日にDVDが発売された。


ストーリー
ウォール街のとある投資銀行。ある日、突然の大量解雇が発表される。リスク管理部門でも多くのスタッフがオフィスからの退去を命じられる中に、リスク管理部門の責任者エリック・デールの姿もあった。彼は「用心しろ」という意味深な言葉とUSBメモリーを部下であるピーター・サリヴァンに手渡した。その晩、残されたデータを分析したピーターは、会社が全資産を超える損失に繋がりかねないリスクを内包した大量の金融商品(不動産担保証券、いわゆるサブプライム商品)を抱えている、という結論に達する。即座に新たに上司となったウィル・エマーソンを呼び出し状況を説明するピーター。既に状況は逼迫しており、明日にもリスクが顕在化する危険があった。ウィルと上司のサム・ロジャースは緊急役員会の招集を進言する。会社の存亡の瀬戸際で役員達が導き出した結論は、市場が気付く前に全ての不良資産を早急に売りさばくことだった。




17-25. ジョーズ 

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ロイ・シャイダーロバート・ショウリチャード・ドレイファスロレイン・ゲイリーマーレイ・ハミルトン
1975年・アメリカ (CIC) 125分

解説
シーズンを迎えようとする平和な海水浴場を恐怖のどん底におとし入れた巨大な人 喰いザメとハンターの死闘を描くサスペンス。製作はリチャード・D・ザナックとデイヴィッド・ブラウン、監督は 「続・激突!カージャック」 のスティーヴン・スピルバーグ、ピーター・ベンチリーの原作をベンチリー自身とカール・ゴットリーブが共同脚色、撮影はウィリアム・バトラー、音楽はジョン・ウィリアムス(2)、特撮はロバート・A・マッティが各々担当。出演はロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス、ロレイン・ゲイリー、マーレイ・ハミルトンなど。日本語監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、パナビジョン。1975年作品。

ストーリー
それは、6月のある夜に始まった。小さな海水浴場アミティの浜辺には、気の早い若者のグループが焚火を囲んでビールを飲んだりギターをかき鳴らしてたわむれていた。その中にクリシーという女子大生がいた。波打際めがけて走り出し、一糸まとわぬ姿でなまぬるい夜の海に飛び込んだ。どんどん沖へ出る。やがて彼女何かが自分の足をひっぱっているような衝撃に襲われた。次の瞬間、水面から身体が浮き上がった。恐怖で声が凍って、クリシーの身体はかき消すように海面から消えた。彼女が最初の犠牲者だった。翌朝、アミティの警察署長ブロディ(ロイ・シャイダー)の家に電話がかかり、溺死者が出たとの報告が入った。浜辺に直行したブロディは、そこに打ちあげられているきりきざまれたような人間の肉体の断片を目撃し、吐き気を慌てて呑み込んだ。署に戻ったブロディは事故報告書の死因欄に“鮫に襲われて死亡”と書いた。ブロディは海岸に遊泳禁止の立て札を立てることを決意したが、アミティ市の市長ボーン(マーレイ・ハミルトン)が顔色を変えてやってきた。アミティは夏の間に海水浴場がおとしていく金で、住民が細々と残り1年の生活を成り立たせているような、典型的な海の町だった。海岸を閉鎖する事は大変な死活問題である。死因は鮫でなく漁船に巻き込まれたかもしれないというのがボーン市長の主張だった。検死官も市長の言葉に追従した。翌日の日曜日、大勢の人が浜辺にでて初夏の太陽を楽しんでいたが、ブロディの心は落ちつかなかった。やがて第二の犠牲者が出た。少年が海中に消えたのだ。少年の母親は復讐のために3千ドルの賞金を出すという新聞広告を出した。同じ日に開かれた市議会では、海岸を閉鎖すべきか否かで激しいやりとりが交わされた。そのとき、会場の後からボソリとした声がした。漁師のクィント(ロバート・ショウ)で、1万ドル出すなら人喰いザメを殺してやろうという申し出だ。やがてブロディに援軍が現われた。若い海洋学者フーパー(リチャード・ドレイファス)だ。クリシーの遺骸をみたフーパーは間違いなく鮫の仕業で、しかも誰も今まで見たことがないような巨大な鮫だという。賞金につられてアミティの沖合いに群がった漁船の一隻が全長4メートル余りの虎鮫をしとめて戻って来た。人々はこれこそ人喰い鮫と騒ぎ立てた。しかしブロディとフーパーはクリシーの遺骸から虎鮫の口蓋が小さすぎると感じた。その夜、虎鮫の腹を切り裂いた二人の前に人間の肉片は発見されなかった。翌7月4日、アミティの海開きだった。早朝から海水浴場が続々アミティからやってきた。武装した見張りがボートに分乗し、ヘリコプターを配置してものものしい雰囲気だったが、その裏をかくように巨大な殺人マシーンは狭い水路をさかのぼり、その先の広い入江に向っていた。ボートに乗っていた若い男がまたたくまに犠牲になり、ブロディの子供もあやうく喰い殺されるところだった。海岸は閉鎖され、クィントは正式にやとわれた。彼の漁船“オーガ号”にブロディとフーパーの3人が乗り込んで、鮫殺しに出発した。数時間後、殺人マシーンが、姿を現わした。全長8メートルという巨大なホオジロザメで、体重は3トンもあろうかという信じられない怪物だ。クィント得意の武器である樽をつけた銛も、今度ばかりはまったく通じなかった。鮫は挑戦するように巨大な体をオーガ号にぶつけてくると、船底はたちまち破られ、水が入ってくる。もはやクィントはお手上げだった。フーパーは最後の手段として金の檻に入り、海中に入った。そこから強烈な毒を撃ち込もうというのだ。しかし、鮫にとって金の檻などマッチ箱にも等しく、たちまち破壊され、フーパーは海底にしずんでいった。オーガ号に対する鮫の本格的な攻撃が開始された。オーガ号は半分沈み、クィントがひとのみで喰われた。船に残されたブロディは、再度襲ってきた鮫に酸素ボンベをくわさせた。オーガ号のマストに登ったブロディはライフルでその酸素ボンベに狙いを定める。ものすごい爆発音がおわると、再び静寂が訪れた。そしてフーパーも船に戻ってきた。船は沈み、二人は木片につかまって岸に向かって泳ぎ出した。(ユニヴァーサル映画=CIC配給*2時間4分)




17-26. once ダブリンの街角で

監督 ジョン・カーニー
出演 グレン・ハンサードマルケタ・イルグロヴァヒュー・ウォルシュゲリー・ヘンドリックアラスター・フォーリー
2006年・アイルランド (ショウゲート) 87分

解説
アイルランドの人気バンド、ザ・フレイムスのグレン・ハンサードが主演した恋愛映画。音楽によって心を通わせ、微妙に揺れ動く男女の思いをいきいきとつづる。

ストーリー
ダブリンの街角で、男(グレン・ハンサード)はストリート・ミュージシャンをしている。しかし、彼の前に足を止める者はいない。そこへ雑誌や花を売っている女(マルケタ・イルグロヴァ)が現れる。矢継ぎ早な質問を疎ましく思いながら、男は昼間の彼の仕事である掃除機の修理を約束させられる。翌日、女が壊れた掃除機を引きずってやってくる。彼は再会に驚きながら、その強引さに押され、彼女がピアノを弾かせてもらうという楽器店に立ち寄る。彼女のピアノの腕を確信した彼は、自分が書いた曲を一緒に演奏してみないかと持ちかける。二人のセッションは予想を遥かに上回り、美しいハーモニーを生み出した。彼はその演奏に喜びを覚え、彼女に惹かれていく。翌日、男は自分の曲が入ったCDとプレイヤーを渡す。彼女の家に寄った彼は、彼女から母親と幼い娘を紹介され、シビアな移民の共同生活を目にする。男は曲に詞を付けてみないかと持ちかけ、女は喜んで心に抱えていた想いを詞にこめる。彼女は家政婦の仕事に追われ、彼も掃除機の修理と父親の世話をし、別れた恋人のビデオを見ながら曲を作る。女は、故郷に夫がいることを告白。夫を愛しているのかと覚えたてのチェコ語で問う男だが、彼女の返事と笑顔の意味はわからない。音楽を通じ、徐々に距離を縮める二人。男はロンドンへ渡る決心をし、最後の週末を一緒に数曲レコーディングしたいと提案。女は積極的に行動し、レコーディングをセッティングする。当日、エンジニアはタイトな演奏と完成された曲に好反応を示し、録音は順調に進んでいく。しかし、書きかけの曲を男の前で弾いた彼女は、突然泣き崩れる。彼女は一人で家族を養っていたのだが、寂しさゆえ男の優しさに心が揺らぎ始めていたのだった。一緒にロンドンへ行き音楽をやろうと彼は誘うが、母を連れて行っていいかとの一言で、二人の間に沈黙が訪れる。完成したCDを受け取る女。別々の道を歩んでいくのか、一時の別れになるのか定かではないが、二人は微笑んで別れるのだった。




17-27. ハート・ロッカー

監督 キャスリン・ビグロー
出演 ジェレミー・レナーアンソニー・マッキーブライアン・ゲラティーレイフ・ファインズガイ・ピアース
2008年・アメリカ (ブロードメディア・スタジオ(提供 ブロードメディア=ポニーキャニオン)) 131分

解説
イラク、バグダッドを舞台に、最前線に送り込まれた爆発物処理班の隊員たちの心境をリアルに描いた戦争ドラマ。緊張感あふれる戦場の描写が数々の映画祭で高い評価を得た。

ストーリー
2004年夏、イラクのバグダッド郊外に駐留するアメリカ軍。そこに所属する爆発物処理班は、死と隣り合わせの前線の中でも、最も死を身近に感じながら爆弾処理を行うスペシャリストたちだった。ある日も、ブラボー中隊はいつものように爆弾処理を行っていたが、退避しようとしたその瞬間に爆弾が爆発。1人が殉職してしまう。その後、新しく中隊のリーダーに就任したのはウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)。だが彼は、基本的な安全対策も行わず、まるで死を恐れないかのように振る舞い、周囲を驚かせる。一瞬の判断ミスが死に直結する爆発物処理班の任務の中、補佐するJ・T・サンボーン軍曹(アンソニー・マッキー)とオーウェン・エルドリッジ技術兵(ブライアン・ジェラディ)は、徐々にジェームズへの不安を募らせていく。彼は、虚勢を張るただの命知らずなのか、それとも勇敢なプロフェッショナルなのか。そんな男たちの思いとは関係なく、激しい戦闘が繰り返される日常は続き、爆弾処理の日々が過ぎていく。ブラボー中隊の任務明けまで、あと38日……。




17-28. イレイザー

監督 チャールズ・ラッセル
出演 アーノルド・シュワルツェネッガージェームズ・カーンヴァネッサ・ウィリアムスジェームズ・コバーンロバート・パストレリ
1996年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 分

解説
重大事件の証人の安全を守るため、彼らの過去を消し去る特殊任務を請け負う政府特別情報局員の活躍を描くサスペンス・アクション。監督は 「マスク」 のチャールズ・ラッセル。本作がデビューとなるトニー・パーイヤーと、 「ワイルドバンチ」 「ロボコップ2」 など男性活劇の名手ワロン・グリーン、TV界で活躍するマイケル・S・チャヌーチンの原案を、パーイヤーとグリーンが脚色。製作は 「セブン」 のアーノルド・コペルソンと妻のアン・コペルソン。エグゼクティヴ・プロデューサーはラッセルと 「ダイ・ハード3」 のマイケル・タッドロス。撮影は 「ターミネーター2」 「勇気あるもの」 のアダム・グリーンバーグ、音楽は 「花嫁のパパ2」 のアラン・シルヴェストリ、美術は 「激流」 のビル・ケニー、編集は 「トゥルー・ロマンス」 のマイケル・トロニックがそれぞれ担当。主演は 「トゥルーライズ」 のアーノルド・シュワルツェネッガー。ヒロイン役と主題歌は、ポップシンガーのヴァネッサ・ウィリアムズ。共演は 「ハネムーン・イン・ベガス」 のジェームズ・カーン、 「マーヴェリック」 のジェームズ・コバーン、 「天使にラブソングを2」 のロバート・パストレリほか。

ストーリー
全米屈指の防衛兵器会社、サイレックス社に勤めるリー・カレン(ヴァネッサ・ウィリアムズ)は、最新鋭のスーパー兵器EMガン、別名“レール・ガン”にまつわる陰謀を知り、証拠物件の入ったディスクを盗み出す。リーの安全確保のため、イレイザーことジョン・クルーガー(アーノルド・シュワルツネッガー)が出動したが、彼女の家を早くも敵が襲撃。クルーガーはリーを救い出すと、彼女の過去を消し、彼しか知らない場所に彼女の身柄を預けた。一方、証人保護プログラム下に置かれた証人たちが次々に殺される事件が発生。どうやら裏切り者がいるらしい。クルーガーは彼の師であるドゥゲラン(ジェームズ・カーン)と共に、湿地帯の隠れ家に保護されている証人の救出に向かうが、敵は倒したものの証人はドゥゲランの手で殺されてしまう。裏切り者はドゥゲランだったのだ。その帰路、ジェット機の中でクルーガーはドゥゲランに睡眠薬を飲まされ、危うく殺されそうになるが、地上1万メートルからパラシュートで降下、からくも脱出。クルーガーはリーと動物園で落ち合うが、追って来たドゥゲラン一味と交戦。ドゥゲランはクルーガーこそ裏切り者だとベラー局長(ジェームズ・コバーン)に主張する。危機を逃れた二人は、クルーガーが以前助けた詐欺師のジョニーC(ロバート・パストレリ)の協力でサイレックス社に潜入。リーがコンピュータを操作すると、サイレックス社と国防省次官が組んで、今夜ロシアン・マフィアのテロリストにレール・ガンを大量密売する計画が明らかに。これが実行されれば、世界の軍事バランスが狂ってしまう。クルーガーらは港に向かい、ジョニーCのいとこの港湾マフィアの力を借り、敵と激しい戦闘を繰り広げる。テロリストたちは倒されたが、ドゥゲランは生き延びた。裁判がはじまったが、ドゥゲラン一味は無罪を主張、情勢は敵に有利だった。その矢先、クルーガーとリーが乗り込んだ車が大爆破。ところがこれは作戦で、二人は無事だった。クルーガーはドゥゲラン一味の乗った車を貨物線の踏切に誘い込み、列車と衝突させて、法で裁けぬ悪人たちを“消去”した。




17-29. バファロー大隊

監督 ジョン・フォード
出演 ジェフリー・ハンターコンスタンス・タワーズビリー・バークウッディ・ストロードファノ・ヘルナンデス
1960年・アメリカ (ワーナー・ブラザース)

解説
「騎兵隊」 に続くジョン・フォード監督の西部劇。ただしおなじみの騎兵隊を描いてはいるが、これは、法廷劇構成の室内劇である。ジェームズ・ワーナー・ベラとウィリス・ゴールドベックが共同で脚本を書き下ろし、撮影担当は「ミシシッピ決死隊」 のバート・グレノン。音楽を受けもったのはハワード・ジャックソン。主題歌”キャプテン・バファロー”をマック・ダビットが作詞し、ジェリー・リビングストンが作曲している。出演するのは「赤い崖」 のジェフリー・ハンター、「騎兵隊」 のコンスタンス・タワーズ、「最後の航海」 の黒人俳優ヴッディ・ストロードら。製作ウィリス・ゴールドベック、パトリック・フォード。

ストーリー
合衆国第9騎兵隊のカントレル中尉(ジェフリー・ハンター)は、南北戦争終了後、軍法会議に付された黒人兵ラトレッジ軍曹(ウッディ・ストロード)の弁護を志願した。優秀な軍歴を誇っていたラトレッジは16歳になるルーシイを強姦、絞殺した上、彼女の父であるダブニイ少佐を射殺した嫌疑によって告訴されていた。最初の証人としてカントレルの恋人メアリー(コンスタンス・タワーズ)が脱走したラトレッジに命を救われたと証言した。砦の軍医エックナーの報告によるとルーシイの死体から黄金の十字架がなくなっており、推定によればダブニイ少佐が娘の襲われている現場を見て、助けようとした途端に犯人に射たれたということだった。カントレルが証言台に立った。彼はインディアンを阻止するために偵察隊を率いて出動しその途中でラトレッジを捕らえたのだ。彼は被害者が死んでしまった以上、黒人兵が何を言っても信じないだろうとだけ打ち明けた。やがて偵察隊はインディアンの手にかかったクリス・ハブルの惨殺体を見つけた。彼は雑貨店の主人チャンドラ・ハブルの息子だった。偵察隊はアパッチに奇襲され、手錠をはずしてもらったラトレッジは大活躍し何度も中尉の命を救った。だが銃を手にしたラトレッジは突然逃げ出した。逃げのびたラトレッジはインディアンのわなを発見し偵察隊までひき返した。インディアンの死体から十字架が発見された。明らかにルーシイの首飾りだった。そのインディアンはまたCHと刻まれているバックスキンをつけていた。これは前に惨殺されたハルブの頭文字だった。アパッチはクリスの死体から十字架を奪ったのに違いなかった。皆の疑いはクリス・ハブルに向けられ、新犯人だということになった。調査の結果、ラトレッジのアリバイも正当防衛も証明された。しかし発見されたバックスキンの上衣はクリス・ハブルの物としては、あまりにも大きく、また十字架も本当にルーシイがつけていた物かという点に疑問をもったカントレルの激しい尋問にチャンドラ・ハブルは自分の犯行を自供した。




17-30. ツリー・オブ・ライフ

監督 テレンス・マリック
出演 ブラッド・ピットショーン・ペンジェシカ・チャステインフィオナ・ショウハンター・マクラケン
2011年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 138分

解説
2011年カンヌ国際映画祭で最高賞にあたるパルムドールに輝いた感動作。寡作で知られる孤高の天才テレンス・マリック監督が6年ぶりにメガホンを握り、荘重で幻想的な映像をふんだんに織り込みながら、数十年にわたる父と息子の葛藤を描く。自ら出演を熱望し製作も兼任したブラッド・ピットとショーン・ペンの豪華共演に注目。

ストーリー
ジャック・オブライエン(ショーン・ペン)は実業家として成功していたが、人生の岐路に立つ。そして深い喪失感のなか、少年時代を回想する。1950年代半ばの中央テキサスの小さな田舎町で、幸せな結婚生活を送るオブライエン夫妻とジャック、2人の弟たち。一見平穏に見える家庭だったが、ジャックにとって心安らぐ場ではなかった。社会的な成功と富を求める父(ブラッド・ピット)は、力こそがすべてだと考える厳格な男で、母(ジェシカ・チャステイン)は自然を愛で、慈愛に満ちた心で子供たちを包み込む優しい女だった。11歳のジャックはそんな両親の狭間で2つに引き裂かれ、葛藤していた。父に反感を抱きながら、父に似た成功への渇望や力への衝動を感じ、暗黒の淵に囚われそうになるジャック。そんな彼を光のさす場所にとどめたのはなんだったのか、数十年の時間を経て思いを巡らすとき、すべてを乗り越えつながり続ける家族の姿に、過去から未来へと受け継がれる生命の連鎖を見出す。




17-31. ララミーから来た男

監督 アンソニー・マン
出演 ジェームズ・スチュアートアーサー・ケネディドナルド・クリスプキャシー・オドネルアレックス・ニコル
1955年・アメリカ (コロムビア映画会社) 104分

解説
「ジェーン・エア」 のウィリアム・ゲーツが1955年に製作した色彩西部劇。トマス・T・フリンの小説から 「暴力団(1955)」 のフィリップ・ヨーダンと 「海賊船長」 のフランク・バートが脚色、 「遠い国」 のアンソニー・マンが監督した。テクニカラー撮影は 「麗しのサブリナ」 のチャールズ・ラング、音楽は 「長い灰色の線」 のジョージ・ダニングである。主演は 「裏窓」 のジェームズ・スチュアートで、以下 「探偵物語」 のキャシー・オドネル、 「赤い山」 のアーサー・ケネディ、 「長い灰色の線」 のドナルド・クリスプ、アレックス・ニコル、アリーン・マクマホン、ウォーレス・フォードらが出演。

ストーリー
ワイオミング州ララミーからニュー・メキシコへ、ウィル(ジェームズ・スチュアート)という男が弟の仇を探してやって来た。弟は連発銃を持ったインディアンに殺された。彼はインディアンに連発銃を売った男を探しているのだ。町へ入った彼は、雑貨店で働くバーバラ(キャシー・オドネル)と知り合った。翌日、近くの鹹湖で塩をとっていたウィルは突然、デイヴやヴィック(アーサー・ケネディ)などバーブ牧場の連中に襲われ、とった塩や馬を焼き払われた。町に帰ったウィルはデイヴをつかまえて殴りつけた。そこへバーブ牧場の主人アレック(ドナルド・クリスプ)が来合せ、ウィルの損害を弁償すると約した。ウィルはバーブ牧場と仲の悪いハーフムーン牧場にやとわれた。翌日ウィルが牧場で働いているとデイヴやヴィック一味が彼を襲い、射ち合いになった。興奮したデイヴは山の上に行ってアパッチに合図した。アパッチを呼んでハーフムーン牧場を片付けさせるつもりなのだ。ヴィックはデイヴが荷馬車にかくした連発銃をアパッチに渡すのではないかと疑い、争ううちにデイヴを殺してしまった。荷馬車が1台足りないことに気づいたアレックはヴィックを追求してかくし場所に案内させたが、途中ヴィックに馬からつき落され、ウィルに救われた。アレックから事情を聞いたウィルはヴィックこそ探している仇ではないかと思い、彼を追って荷馬車のかくし場所に案内させた。仇はヴィックだった。ウィルは荷馬車を崖の下に落とし、折から襲って来るアパッチの前にヴィックを置いて去った。ヴィックはアパッチに殺された。ウィルはバーバラと再会を約してララミーへ帰って行った。




17-32. 殺しのドレス

監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 マイケル・ケインアンジー・ディッキンソンナンシー・アレンキース・ゴードンデニス・フランツ
1980年・アメリカ (日本ヘラルド) 105分

解説
ニューヨークを舞台にあるセクシーな中年の人妻が殺された事件をめぐって展開する心理劇的サスペンス映画。製作はジョージ・リットー、監督・脚本は 「フューリー」 のブライアン・デ・パルマ、撮影はラルフ・ボード、音楽はピノ・ドナジオ、編集はジェリー・グリーンバーグ、衣裳はアン・ロスが各々担当。出演はマイケル・ケイン、アンジー・ディッキンソン、ナンシー・アレン、キース・ゴードン、デニス・フランツ、デイヴィッド・マーグリース、フレッド・ウェバーなど。

ストーリー
マンハッタンにあるアパートの一室。シャワーを浴びている中年女性ケイト(アンジー・ディッキンソン)は、その後、夫のマイク(フレッド・ウェバー)の腕の中で歓びの声をあげた。しかし、マイクがベッドから出ていった後の表情は決して満足したものではなかった。ケイトは時々突然たくましい男に襲われる夢を見ていた。そして精神分析医のエリオット(マイケル・ケイン)のクリニックにかよっていた。彼女にはピーター(キース・ゴードン)という息子がいたが、彼はコンピューターに狂っており、今も科学コンクールに出品するためにその組立てに余念がなかった。翌日、1人で街に出たケイトは、白いコートに白いハンドバッグ、白い手袋という出で立ちでまずエリオットを訪ねた。紳士的な彼は、ケイトの夫のセックスへの不満を聞いてやり、程よい助言を与えた。それからケイトはメトロポリタン美術館へと向かった。医者の助言も彼女には効用はないとみえ、いらいらした気持ちはそのまま美術館の内部までもちこまれた。その中で彼女は1人の男の視点を感じた。男は挑発的にケイトを誘う。彼女は誘われるままにその男とタクシーの中で情事を交わし男のアパートヘ行った。その男の机の中の書類から、男が性病であることを知り急いでその部屋を出たケイトは、途中指輪を忘れて来たことに気づきエレベーターで戻った。が、扉が開いた瞬間、彼女は何者かに襲われナイフで惨殺された。ちょうどエレベーターを待っていた若い女性リズ(ナンシー・アレン)は、死体を発見、犯人らしいブロンドの女性を目撃した。刑事マリノ(デニス・フランツ)の取り調べを受けるリズ。娼婦であるリズにマリノは冷たい。一方、犯人はリズを狙いはじめていた。地下鉄の中で間一髪、犯人に殺されるところをケイトの息子ピーターに助けられるリズ。犯人は性的倒錯者だっためだ。女の心を持った男…。自分の中の男を刺激する対称、つまりケイトのようなセクシーな女は彼の中の女の部分が邪魔とする存在だったのだ。その犯人とは何と精神分析医のエリオットだった。証拠を掴むためにエリオットを挑発するリズ。彼が再び殺人を犯そうとした寸前、かけつけたマリノ刑事がリズを救いエリオットを捕えるのだった。




17-33. 天国から来たチャンピオン

監督 ウォーレン・ベイティ
出演 ウォーレン・ベイティジュリー・クリスティジェームズ・メイソンジャック・ウォーデンチャールズ・グローディン
1978年・アメリカ (パラマウント映画=CIC) 101分

解説
アメリカン・フットボールの選手が、天国の案内人のミスからさまざまな騒動に捲き込まれるコメディ映画。製作は 「シャンプー」 などの俳優、ウォーレン・ベイティ、監督はバック・ヘンリーとウオーレン・ベイティ、脚本はエレイン・メイとウォーレン・ベイティ、原作はハリー・シーガル、撮影はウィリアム・A・フレイカー、音楽はデイブ・グルーシンが各々担当。出演はウォーレン・ベイティ、ジュリー・クリスティ、ジェームズ・メイスン、ジャック・ウォーデン、チャールズ・グローディン、ダイアン・キャノン、バック・ヘンリー、ビンセント・ガーディニア、ジョセフ・メイハーなど。

ストーリー
ロサンゼルス・ラムズのクウォーター・バックのジョー(ウォーレン・ベイティ)は、ひざの傷も直り、次の日曜日の試合に出場することが決まっていた。だが、翌日、自転車事故に遭ってしまい、気がつくと雲の中で、天使(バック・ヘンリー)につきそわれて天国への道を歩んでいた。ところが天使長(ジェームズ・メイスン)が調べたところによると、ジョーには、まだ50年もの寿命が残っていた。ジョーは即刻地上に舞い戻ることになったがすでに彼の肉体は火葬された後だった。かくてジョーと天使長ジョーダンは、ジョーの魂のために新しい住処を物色しはじめ、やがて、レオ(ウォーレン・ベイティ)の邸を訪れた。レオは間もなく妻のジュリア(ダイアン・キャノン)と彼女の情夫でレオの秘書のトニー(チャールズ・・グローディン)の2人に殺される運命にあった。レオの亡骸をもらうことに気が進まないジョーが、ジョーダンと邸を去ろうとした時、1人の美しい女性が現われた。彼女ベティ(ジュリー・・クリスティ)は、レオの会社が英国の田舎町に公害をもたらす、というのでレオに直接抗議をしに来たのであった。ベティの美しさに感銘をうけたジョーはベティを助けるために一時レオの肉体に宿借りすることを承諾した。つまりレオの肉体にはジョーの魂が宿るのだが、他の人間が見れば彼はレオだった。殺したはずのレオが生きていることに驚いたジュリアとトニーはそれでもしつこくレオ殺害を試みることにした。英国での工場建設計画を放棄したジョーにベティーの気持ちは感謝から恋へと変わっていった。中味はフットボールの選手であることから数週間後のプロ・フットボール界最大のイベント『スーパーボウル』でクォーター・バックを務めることを希望し、猛トレーニングで体調を整えていたジョーがベティに結婚を申し込もうとしていた頃、ジョーダンが再び現われ、レオの肉体を明け渡すように言われる。その頃スーパーボウルが行なわれているスタジオではクォーター・バックを務めるトムが怪我をして死を宣告されていた。ジョーは、そのことを知るとトムの肉体に宿り、ラムズのために点数をかせぎまくった。一方、古井戸でレオの死体が発見され、ジュリアとトニーは逮捕されていた。ラムズは見事勝利をおさめ、ジョーはジョーダンから、今後トムとして生きていくことを言い渡される。スタジオにやってきたベティがトムと鉢合わせになり、初体面なのに一目で気持を奪われる。2人は見つめ合い、別れがたい思いにかられる。今はトムであるジョーに誘われ、ベティは肩を並べてスタジオを出てゆくのであった。




17-34. アパッチ

監督 ロバート・アルドリッチ
出演 バート・ランカスタージーン・ピータースジョン・マッキンタイアチャールズ・バチンスキージョン・デナー
1954年・アメリカ (UA日本支社=松竹) 分

解説
「真紅の盗賊」 と同じくバート・ランカスターが主演し、ハロルド・ヘクトが製作にあたった1954年作色彩(テクニカラー)西部劇。ポール・I・ウェルマンの小説を 「語らざる男」 のジェームズ・R・ウェッブが脚色、新人ロバート・アルドリッチが監督した。撮影は 「第17捕虜収容所」 のアーネスト・ラズロ、音楽は 「悪人と美女」 のデイヴィッド・ラクシン。共演に 「拾った女」 のジーン・ピータース、以下 「アスファルト・ジャングル」 のジョン・マッキンタイア、チャールズ・バチンスキー、ジョン・デナー、ポール・ギルフォイルなどが出演する。

ストーリー
アパッチ族は酋長ジェロニモ以下が合衆国に降伏して捕らえられたが、その中の1人マサイ(バート・ランカスター)は列車護送中に脱走し、故郷の西部アパッチへ帰りついた。しかし、彼のいない間に故郷はすっかり変貌し、マサイの恋人ナリンリ(ジーン・ピータース)の父サントス(ポール・ギルフォイル)が、名前だけの酋長にまつりあげられていた。マサイはアパッチ族が自立するには青年たちの意欲を農業に向かわせなければならないと主張したが、サントスに裏切られて再び敵に捕らえられる。だが、マサイはまたもや護送中に脱走、ただ1人山中に隠れて、合衆国と裏切者に対する復讐に燃え立った。そしてある日、ナリンリを誘拐して隠れ家の廃鉱へ連れてきた。最初は2人とも互いに打ちとけなかったが、次第に愛情を抱き合うようになり、冬が来る頃には結婚して小さな小屋を営んだ。春が訪れた頃、ナリンリは身篭っていた。あるとき彼女が村へ下って食糧を盗んできたことから足がつき、2人の小屋は合衆国軍に包囲された。マサイは1人敢然と敵に立ち向かったが衆寡敵せず重傷を負う。マサイが最後の力をふりしぼって敵に向かおうとしたとき、突如赤ん坊の産声が一際高く聞こえた。声の方をふりむくマサイを撃とうとする合衆国兵士は、誰ひとりとしていなかった。かくて、マサイは農夫となって一生を送り、アパッチ帰順の先覚といわれるようになったのである。




17-35. ジェロニモ

監督 ウォルター・ヒル
出演 ジェイソン・パトリックジーン・ハックマンロバート・デュヴァルウェス・ステューディマット・デイモン
1993年・アメリカ (コロンビア・トライスター映画) 115分

解説
合衆国騎兵隊を相手に抵抗した伝説のアパッチ族の戦士ジェロニモの人間像を描き、アメリカの歴史の暗部に光を投げかけた西部劇。名作 「駅馬車(1939)」 をはじめ、過去16作で描かれてきたジェロニモ像と異なり、誇り高く時に猛々しい戦士として描いた点が注目される。 「ビッグ・ウェンズデー」 などの監督作で知られるジョン・ミリアスの原案を彼自身とラリー・グロスが脚色し、 「トレスパス」 のウォルター・ヒルが監督。製作はヒルとニール・カントン。撮影にロイド・エイハーン、音楽に監督と8度目のコンビとなるライ・クーダー、編集にフリーマン・デイヴィス、衣装にダン・ムーアと、ヒル作品の常連スタッフ揃い。出演は 「ラスト・オブ・モヒカン」 のウェス・ステューディ、 「アフター・ダーク」 のジェイソン・パトリック、 「青春の輝き」 のマット・ダモンらに加え、ロバート・デュヴァルとジーン・ハックマンのベテラン勢が共演。

ストーリー
1885年。合衆国陸軍に抵抗していた最後のアパッチ族が降伏し、リーダーのジェロニモ(ウェス・ステューディ)をゲイトウッド中尉(ジェイソン・パトリック)と士官学校を出たてのデイヴィス少尉(マット・ダモン)が護送した。彼らは砂漠を旅するうちに、威厳と誇りに満ちたジェロニモに対して理解と友情を覚える。途中、アパッチの身柄引き渡しを要求する警察の一隊を追い払ったゲイトウッドは、ジェロニモと友情の証として双眼鏡とトルコ石を交換する。20年近くに渡り、アパッチとの戦いの指揮をとってきたクルック准将(ジーン・ハックマン)は、礼節をもってジェロニモを迎えた。500人のアパッチ族が軍の保護・監視の下に、保留地で農耕生活を送るようになった。半年後、些細な事から軍が武力で制圧しようとし、暴動が発生。騒ぎの中、ジェロニモは仲間たちと逃走する。ジェロニモは古老の要求を受け入れてクルックと会見したが、白人に故郷を奪われる理不尽を訴え、徹底抗戦を主張する。クルックは責任をとり辞任する。後任のマイルズ准将(ケヴィン・タイ)は、ゲイトウッドに空手形の約束で交渉に当たるよう命じる。彼はデイヴィスや、長年ジェロニモ追撃に執念を燃やしてきたベテラン偵察隊長のシーバー(ロバート・デュヴァル)、アパッチ族のチャト(スティーヴ・リーヴス)らを伴って追撃する。途中、アパッチを惨殺していた賞金稼ぎの一団と遭遇し、シーバーは皮肉にもアパッチのチャトを救おうとして命を落とす。ゲイトウッドはメキシコでジェロニモと会い、彼の要求を飲んで34人のアパッチは降伏した。だが、ゲイトウッドは僻地に左遷され、デイヴィスは国家に幻滅して除隊する。収容所に移送されるジェロニモは、民族が今滅びようとしていることを知った。




17-36. 戦火の馬

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ジェレミー・アーヴァインエミリー・ワトソンデイヴィッド・シューリスピーター・ミュランニエル・アレストラップ
2011年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 147分

解説
第一次世界大戦を舞台に、少年と馬の絆を描いた、スティーヴン・スピルバーグ監督による感動ドラマ。原作は、1982年にイギリスで出版された小説を基に、トニー賞5部門に輝いた傑作舞台劇。スピルバーグが主人公の少年アルバートに抜擢したのは、イギリス出身の無名の新人、ジェレミー・アーヴァイン。

ストーリー
第一次世界大戦前夜のイギリスの農村で、1頭の美しい馬が貧しい農家にひきとられる。この家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結ぶ。しかし戦争が始まると、ジョーイは英国軍の軍馬として売られ、フランスの戦地に送られる。アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かう。ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟、両親を失ったフランスの少女らと巡り合う。過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返しなら、やがてジョーイは彼らの希望となり、“奇跡の馬”と呼ばれる。




17-37. 戦略大作戦

監督 ブライアン・G・ハットン
出演 クリント・イーストウッドテリー・サヴァラスドン・ピックルズドナルド・サザーランドキャロル・オコナー
1970年・アメリカ (MGM) 144分

解説
アメリカの無頼の英雄兵士たちがフランス戦線で、ドイツ軍相手に活躍する戦争アクション。製作はガブリエル・カツカとシドニー・ベッカーマン、監督は 「荒鷲の要塞」 のブライアン・G・ハットン。脚本は 「ミニミニ大作戦」 のトロイ・ケネディ・マーティン。撮影は 「逃亡者」 のガブリエル・フィゲロア、音楽はラロ・シフリン、美術はジョナサン・バリーが担当。編集はジョン・ジンプソン。出演は 「ペンチャー・ワゴン」 のクリント・イーストウッド、 「女王陛下の007」 のテリー・サヴァラス、 「深く静かに潜航せよ」 のドン・ピックルズ、 「M★A★S★H(マッシュ)」 のドナルド・サザーランド、 「ガンファイターの最後」 のキャロル・オコナー、 「コマンド戦略」 のトム・トゥループ、 「暴力脱獄」 のディック・ダバロス。他にハル・バックリー、スチュアート・マーゴリンなど。テクニカラー、パナビジョン。1970年作品。

ストーリー
ケリー(クリント・イーストウッド)とガトコウスキー(ディック・ダバロス)は、激戦中に捕虜にした敵軍の大佐をつれ、ビッグ・ジョー(テリー・サヴァラス)、リットル・ジョー(スチュアート・マーゴリン)、ジョッブ伍長(トム・トゥループ)らが待つ、納屋へ戻ってきた。彼らはその捕虜に酒を振舞い、ドイツ占領区内の小さなフランス銀行に、千数百万ドルの金の延べ棒が保管されていることを聞きだした。折りも折り、彼らに3日間の休暇が与えられた。メイトランド大尉(ハル・バックリー)から酒と女はご法度と釘をさされたものの、いまや彼らは、金の延べ棒をいただく戦略に夢中だった。ケリーはまず、計画を練る天才のクラップゲーム(ドン・ピックルズ)と戦車隊の生き残りオッドボール(ドナルド・サザーランド)を仲間に引き入れた。オッドボールは戦車の調達をひきうけた。夜、ケリーたちは戦線を突破し、一路、黄金をめざして進んでいった。一方、司令部では、空中写真が紛失し、コルト将軍(キャロル・オコナー)の雷が落ちていた。ところが現在その地図はオッドボールの手もとにおさめられていた。彼はこれを拡げ、作戦を立てていたのだ。ケリーのグループは奇襲作戦を展開し、敵陣深く進んでいった。その間、仲間も次第に少なくなっていたが、やがてオッドボールの戦車と落ち合うことができた。その夜半、コルト将軍は思いがけず、上司からおほめの電話をもらい、中将進級を約束された。そして、これがケリーたちの活躍のたまものと知ると、さっそく彼らに、英雄の勲章を贈ることを決定した。黄金はタイガー戦車3台に守られ、厳重に保管されていた。最後の戦闘は激烈をきわめたが、ケリーたちは、多くの犠牲を出しながらも見事に金の延べ棒を手中にした。コルト将軍が大部隊を引き連れ応援にかけつけ、一般人の歓呼をうけている時、ケリー、ビッグ・ジョー、オッドボールたちは、延べ棒をもってゆうゆうとトラックで引き上げていった。(MGM配給*2時間28分)




17-38. グランド・キャニオンの対決

監督 ドン・シーゲル
出演 コーネル・ワイルドヴィクトリア・ショウミッキー・ショーネシーライアン・ガリックエドガー・ブキャナン
1959年・アメリカ (コロムビア映画) 分

解説
グランド・キャニオンの断崖に発生した謎の殺人事件を追求するハイウェイ・パトロールの活躍を描いたアクション・ドラマ。ベン・マークソンとナット・スウェンソンのオリジナル・ストーリーをリチャード・コリンズとスウェンソンが共同で脚色、 「殺し屋ネルソン」 のドン・シーゲルが監督した。撮影は 「コルドラへの道」 のバーネット・ガフィ、音楽をダニエル・アムヒシートロフが担当。出演は 「マラカイボ」 のコーネル・ワイルド、 「愛情物語」 のヴィクトリア・ショウ、ほかにミッキー・ショーネシー、エドガー・ブキャナン、ライアン・ガリックなど。製作ケンドリック・スウィート。

ストーリー
アリゾナ州グランド・キャニオン。1万フィートの断崖にはケンドン鉱業会社の金鉱石運搬用のケーブルがかかっていた。断崖の上の街道に1台の自動車がやって来た。特徴のある洋服を着た紳士が降りた。その時、1人の男が車を暴走させ紳士を殺そうとした。間一髪、紳士は身をかわし、男は車とともに谷底へ落ちた。鉱区管理人エリの小屋で、見知らぬ男が倒れていた。彼の知らせで、付近のキングマンから警官レス(コーネル・ワイルド)がやって来た。途中で、スピード違反のジャニース(ヴィクトリア・ショウ)を取り調べた。彼女は鉱業会社の前社長の娘だった。レスが小屋に着くと、男は死んでいた。調査によると、彼は例の紳士だった。レスは峡谷からの帰途、スコッティの経営する酒場に寄った。そこには酔っぱらったボブがいた。彼はジャニースの弟で、何かスコッティと不審な関係があるらしかった。リチャードの死体が谷底で発見された。彼は多額の金を持っていた。エリが小屋で何者かに殺された。レスは州検事局から事件の解決を督促された。ジャニースは何かとレスを励ました。彼女は殺された紳士の服を見て、それがかつて、彼女がニューヨークで勉強中、ある教授が着ていたものと同型なのを思い出した。早速洋服屋が調べられ、死んだ紳士が鉱業会社の副社長ランダルと判明した。ジャニースは弟の挙動が不審なので、彼に会いに行った。ボブは彼女を避けて飛行場に行った。レスも彼女の後を追った。1人の男がボブを待っていた。彼は鉱石と一緒に逃亡を企んでいた。この男こそリチャードと組んだ事件の張本人のスコッティだった。彼はボブを射殺し、そこに来たジャニースの車で逃げた。レスはパトロール・カー、ヘリコプターを動員して追跡した。追いつめられたスコッティはケーブルのバケットに乗り、対岸に逃げた。レスも後を追った。1万フィートの上空に死闘が展開した。力尽きたスコッティは遂に谷底に落ちた。




17-39. クレアモントホテル

監督 ダン・アイルランド
出演 ジョーン・プロウライトルパート・フレンドアンナ・マッシーロバート・ラングゾーイ・タッパー
2005年・アメリカ、イギリス (クレストインターナショナル(提供 朝日新聞社=クレストインターナショナル)) 108分

解説
ロンドンにある古くて小さなホテルを舞台に、初老の未亡人とひとりの青年との心の交流をつづる人間ドラマ。20世紀のジェイン・オースティンと称される英国の作家エリザベス・テイラーの小説を、米国シアトル映画祭の創始者でもあるダン・アイアランド監督が映画化。温かな視点がジワリと胸に迫る。

ストーリー
英国ロンドン。クレアモントホテルの前に、老婦人サラ・パルフリー(ジョーン・プロウライト)がやってくる。最愛の夫に先立たれ、娘エリザベス(アンナ・カートレット)から自立した生活を送るため、この長期滞在型のホテルに単身やってきたのだ。想像とはかけ離れたホテルに落胆しつつ、ドレスアップした夫人がダイニングルームへ入ると、滞在客たちが無言のまま注目している。居心地の悪さを感じているところへ、アーバスノット夫人(アンナ・マッセイ)が声をかけてくれる。翌日、朝食の席で、パルフリー夫人がロンドンに住む孫デズモンドのことを話すと、皆、俄然と興味を示す。ここでは、訪問客とかかってくる電話が一番の関心事なのだ。早速、パルフリー夫人は、デズモンド(ローカン・オトゥール)へ電話をかけるが留守電になってしまい、その後も彼から電話がかかってくることはなかった。誰も訪ねてこない言い訳も底をついた頃、夫人は外出先でつまずいて転倒、偶然それを目にした青年ルードヴィック・メイヤー(ルパート・フレンド)に助けられる。作家志望の彼は、孫と同じ26歳の青年だった。パルフリー夫人は、お礼に彼をホテルでの夕食へ招待する。ホテルに戻り近く来客があることを伝えると、皆はついにデズモンドが訪ねてくるのだと勘違いする。困った夫人は、そのことをルードヴィックに話すと、ならば自分がデズモンドのふりをしようと提案する。こうして謎の孫デズモンドの初来訪がセッティングされた。やってきたそのハンサムな青年に、ホテルの住人は興味津々。一方、ルードヴィックはこの偶然の出会いが小説の題材になる予感を感じていた。その後も夫人とルードヴィックは頻繁に会うようになり、お互いの孤独な生活の中で本音を語りあうようになる。だが、ある朝、突然ホテルに本物のデズモンドが現れる。パルフリー夫人は慌てて追い返し、ホテルの皆には会計士だとウソをつくのだが……。




17-40. マッチスティック・メン (吹替)

監督 リドリー・スコット
出演 ニコラス・ケイジサム・ロックウェルアリソン・ローマンブルース・アルトマンブルース・マッギル
2003年・アメリカ (ワーナー・ブラザース) 116分

解説
名匠リドリー・スコット監督&演技派ニコラス・ケイジがコンビを組んだ犯罪ドラマ。潔癖症の中年詐欺師と、14歳の娘が織り成す父娘関係をコミカルかつ温かなまなざしで描く。

ストーリー
詐欺師のロイ(ニコラス・ケイジ)は相棒フランク(サム・ロックウェル)と共に順調に仕事をこなしていたが、一方で病的な潔癖症という問題を抱えていた。ロイはフランクの勧めで、精神分析医のクライン(ブルース・アルトマン)に助けを求める。その過程で、ロイは別れた前妻との間に生まれた娘がいるかもしれないと思い始める。そしてその娘だという14歳のアンジェラ(アリソン・ローマン)と会い、彼女は彼の生活に侵入し始める。最初はとまどうロイだったが、徐々に心が解放され、苦悩の影が消え始めた。やがてアンジェラはロイの仕事に興味を示し、ロイは父親としての自覚に困惑しながらも詐欺の方法を教示する。折しもロイとフランクは、金持ちのチャック・フレシェット(ブルース・マッギル)を相手に、大金をせしめる大計画を始動させていた。そこにアンジェラが半ば強引に参加することになるが、彼女の詰めが甘く、計画は失敗に終わった。しかし、すべてはフランクがロイに仕掛けた罠だったのだ。一年後、足を洗ったロイが店員として勤める店に、お客の青年の恋人としてアンジェラが訪れ、二人は偶然の再会を複雑な気持ちで噛みしめるのだった。




17-41. 激突! (吹替)

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 デニス・ウィーバーキャリー・ロフティンエディ・ファイアストーンルー・フリッゼルルシル・ベンソン
1971年・アメリカ (ユニバーサル) 90分

解説
リチャード・マシスンの短編小説を映像化した、1971年製作のアメリカ合衆国のテレビ映画。運転中に追い抜いたトレーラーから執拗に追跡されるセールスマンの恐怖を描く。1973年に第1回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した。
無名時代のスティーブン・スピルバーグが演出し、その名前はこの作品の成功によって業界内に知れ渡った。劇中で、主人公の車や、電話ボックスのガラスにスピルバーグの姿が映っていたことでも知られる。劇中に登場するトレーラーの運転手は、各州で同じ手口でドライバーを狙う殺人トラック運転手という設定がある。トラックのフロントバンパーに付けてある各州数枚のナンバープレートは犯行時に自分が付けていた州ごとのナンバーであり、犯行の証である。

ストーリー
平凡なセールスマンであるデイヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)は、借金取り立てのため車でカリフォルニアへ向かう途中、ハイウェイにて道を阻んだ大型トレーラータンクローリーに腹を立て、強引に追い抜く。するとその直後から、大型トレーラーはマンの命を執拗につけ狙ってきた。




17-42. シャイアン

監督 ジョン・フォード
出演 リチャード・ウィドマークキャロル・ベイカーカール・マルデンサル・ミネオドロレス・デル・リオ
1964年・アメリカ (ワーナー・ブラザース)

解説
マリ・サンドスの同名小説をジェームズ・R・ウェッブが脚色、「リバティ・バランスを射った男」 のジョン・フォードが演出した西部劇。撮影はウィリアム・H・クローシア、音楽はアレックス・ノースが担当した。出演は「西部開拓史」 のジェームズ・スチュアート、同じくキャロル・ベイカー、「7人の愚連隊」 のエドワード・G・ロビンソン、「誰が私を殺したか?」 のカール・マルデン、「アラビアのロレンス」 のアーサー・ケネディ、「栄光への脱出」 のサル・ミネオ、「長い船団」 のリチャード・ウィドマーク、「ビッグ・サーカス」 のギルバート・ローランドなど。製作はバーナード・スミス。

ストーリー
故郷イエローストーンから、荒涼たるインディアン居留地に移されたシャイアン族は、病気と飢えのため約3分の2が死んでいった。酋長達は相談の上、生き残った同胞をつれて故郷に帰ることにした。一行の中には、子供達に読み書きを教えているデボラ(キャロル・ベイカー)という白人の娘が加わっていた。脱出の報に合衆国警備隊は追跡を開始。その中には、デボラを妻にと望んでいるアーチャー大尉(リチャード・ウィドマーク)がいた。シャイアンに同情をよせながらも、任務のため非情な追跡をせねばならなかったのだ。酋長達の努力にもかかわらず、仲間割れが原因でついに戦いは始められた。ニュースは誇大宣伝され内務長官は鎮圧しなければ、自分の政治的生命も危ないと悟った。ダッジ・シティでは市民軍が結成され、隊長には名保安官ワイアット・アープ(ジェームズ・スチュアート)が選出された。アープの努力にもかかわらず、両軍は大混乱をおこす始末。やがて冬になり、寒さと飢えがシャイアンを苦しめた。アーチャー大尉とデボラの説得で、酋長の1人は降伏したが、白人達の苛酷な態度に再び戦う決心をした。洞窟に身を隠したシャイアン達に、合衆国陸軍は大砲で攻撃した。もはや時間の問題と思われた時、騎馬隊が現れ、その先頭にいたのは内務長官とアーチャー大尉であった。シャイアンの生命を救うため、政治的生命を捨ててやってきたのだ。うららかな春の日、シャイアン達がアーチャー大尉の部隊に護られてイエローストーンに到着した。愛しながらも、シャイアンを苦しめたアーチャー大尉を許すことができなかったデボラは、初めて彼と喜こびをわかちあった。




17-43. トゥームレイダー

監督 サイモン・ウェスト
出演 アンジェリーナ・ジョリージョン・ヴォイトイアン・グレンノア・テイラーダニエル・クレイグ
2001年・アメリカ (東宝東和(ミューチュアル・フィルム・カンパニー=丸紅=エムスリイエンタテインメント=東宝東和)) 101分

解説
コン・エアー」 の監督サイモン・ウエストが、人気ゲームを映画化したアクション・アドベンチャー。パワフルでセクシーなヒロイン・ララを人気女優アンジェリーナ・ジョリーが好演。

ストーリー
トレジャー・ハンターのタフな女性、ララ(アンジェリーナ・ジョリー)は、20年前に失踪した父(ジョン・ヴォイト)の隠し部屋から不思議な時計を発見する。それは、5000年に一度のグランド・クロス=惑星直列によって巨大な力を発揮するという、古代の秘宝への手掛かりだった。彼女は人類の運命を変えるという父の遺志を継ぎ、相棒の天才プログラマー、ブライス(ノア・テイラー)や、アレックス(ダニエル・クレイグ)、執事のヒラリー(クリス・バリー)と共に謎解きにとりかかる。しかし、ララや彼女の父の宿敵であるマンフレッド・パウエル(イアン・グレン)もまたこの機会を狙っていた。完全な日蝕が始まり、グランド・クロスまであと48時間。その間にララたちはロンドンの地下迷宮からアンコールワットの遺跡、そしてアイスランドへと世界中を駆け巡り、やがて謎を解き明かすのだった。




17-44. ダーティハリー

監督 ドン・シーゲル
出演 クリント・イーストウッドハリー・ガーディノアンディ・ロビンソンレニ・サントーニジョン・ヴァーノン
1971年・アメリカ (ワーナー)

解説
冷酷非情な殺人狂を追う、敏腕刑事の渇いた執念を描く。製作総指揮はロバート・デイリー、製作・監督は 「真昼の死闘」 のドン・シーゲル、脚本はハリー・ジュリアン・フィンク、リタ・M・フィンク、ディーン・ライズナーの共同、撮影はブルース・サーティーズ、編集はカール・ピンジトアが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ、レニ・サントーニ、アンディ・ロビンソン、ジョン・ヴァーノンなど。翻訳は高瀬鎮夫。

ストーリー
ビルの屋上からプールサイドの女が銃撃され、その後、犯人からの脅迫の手紙がサンフランシスコ警察に届いた。10万ドルの要求に応じなければ、次の犠牲者を同じ手口で殺す、狙うのは牧師か黒人だ、とあり“サソリ座の男”とサインされてあった。シスコ市警殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、少し前に強盗との銃撃戦で脚に重傷を負っていたが、事件を知ると、上司のブレスラー(ハリー・ガーディノ)や市長(ジョン・ヴァーノン)らの意向を無視して、犯人追跡に向かった。ハリーの意志に反して付けられた相棒のチコ(レニ・サントーニ)は快活な青年で、何事にも反抗的なハリーをいぶかしく思ったりした。またしても第2の犠牲者に屋上から照準を合わせている犯人(アンディ・ロビンソン)を警察のヘリコプターが発見したが取り逃がし、ハリーとチコも犯人らしい男を尾行したが、逆に町の与太者たちに袋だたきにあってしまった。再び犠牲者が出た。“サソリ座の男”の予言どおり黒人であった。ハリーは、犯罪者心理から、犯人はもう一度現場に現れるとにらんで屋上で待ち伏せを開始した。案の定、現れた犯人と激しい銃弾の応酬となった、が、うまく逃げられてしまった。再び警察に脅迫状が舞い込んだ。14歳の少女を誘拐して生き埋めにし、少量の酸素を送り込んでいる。すぐ20万ドルの身代金をよこさないと殺す、としたためてあった。ハリーは20万ドルを持って、犯人の指定したマリーナへ急ぎ、ひそかにチコを背後につけさせた。突然、毛糸のマスクをした犯人から声をかけられたハリーは、銃を奪われ、いきなり脳天を一撃され、更に蹴りあげられて、殺されそうになった。草むらから飛び出したチコはピストルを乱射してハリーを助けたが、犯人との銃撃戦で負傷した。しかしハリーの飛びだしナイフは犯人の太ももを傷つけた。重傷にもめげず、必死に逃げる犯人をケザー・スタジアムで捕らえたハリーは、犯人に拷問をかけた。これが、思いがけなくハリーを窮地に追い込んだ。傷を負っている男をきびしく拷問したとして地方検事から告発されてしまったのである。更に、すぐに釈放された犯人の狂言でハリーは訴えられ、遂に市長とブレスラーから謹慎を命じられた。やがて犯人は、更に大胆な犯行に移った。スクール・バスを襲い、乗っていた6人の子供と女の運転手ともども空港へ直行し、不敵にも警察へ、逃走用の飛行機を、燃料満載、操縦士付きで用意するよう命じてきた。謹慎の命を無視して先回りしたハリーは、空港へ近づくバスに鉄道の陸橋から飛び降りた。運転手が失神してバスは採石会社の構内へ突っ込んだ。遂に犯人を追い詰めたと思った時、犯人は卑怯にも、そばで釣りをしていた少年を楯にとって逃げ延びようとした。間髪をいれずハリーの必殺の銃口が火を吹いた。狙いたがわず、弾は少年の頭をかすめ、犯人の肩に食い込んだ。犯人は泥沼の中に転倒した。ハリーは近づくパトカーのサイレンをよそに、胸のポケットから警察のバッジを取り出して水中に投げ捨てると、ゆっくり歩き出した。




17-45. ダーティハリー2

監督 テッド・ポスト
出演 クリント・イーストウッドハル・ホルブルックミッチェル・ライアンデイヴィッド・ソウルフェルトン・ペリー
1973年・アメリカ (ワーナー映画)

解説
自ら暴力を持って悪を制するハリー・キャラハン刑事が主人公の「ダーティハリー」 シリーズ第2作目。製作はロバート・デイリー、監督は「続・猿の惑星」 のテッド・ポスト、ジョン・ミリアスの原案をミリアス自身とマイケル・チミノが脚色、撮影はフランク・スタンレー、音楽はラロ・シフリン、編集はフェリス・ウェブスターが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ハル・ホルブルック、ミッチェル・ライアン、デイヴィッド・ソウル、フェルトン・ペリー、ロバート・ユーリック、キップ・ニーヴェン、ティム・マティソン、クリスティーヌ・ホワイト、リチャード・デヴォンなど。

ストーリー
ダーティハリーことハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)は忙しかった。ハイジャック事件を片づけると次は4人組の武装警官による容疑者事件に取り組まなければならなくなった。数日後、今度は山の手の別荘地で殺人事件が起こった。殺されたのは法の盲点をついてのし上がってきた悪党だったが、家族、友人たちと一緒にプールで遊んでいた所を例の謎の警官が、マシンガンで皆殺しという残虐さである。さらに第3、第4の犠牲者が出た。売春組織と麻薬組織の大物だった。そしてパトロール中のハリーの友人チャーリー・マッコイ(ミッチェル・ライアン)も射殺された。親友マッコイの仇をを討つためにも、ハリーは捜査に全力をあげた。そしてとうとうその尻尾を掴んだ。犯人はベン・デービス(デイヴィッド・ソウル)、ジョン・グライムス(ロバート・ウィック)、フィル・スイート(ティム・マティソン)、レッド・アストラカン(キップ・ニーヴェン)の4人の新米警官だった。だが、彼らは何ら悪びれた所はなく、自分たちはナマぬるい法律にかわって悪を裁いただけだと主張し、逆にハリーを脅しにかかった。犯人たちはハリーの証拠固めを妨害し、彼のアパートに爆弾を仕掛けた。間一髪でハリーは助かったが、相棒の黒人警官アーリー・スミス(フェルトン・ペリー)は即死だった。怒り心頭に達したハリーは上司のブリッグス(ハル・ホルブルック)に全ての証拠が揃ったことを連絡した。早速やってきたブリッグスの車で本署に向かおうとしたが、意外にもブリッグスは若者グループのリーダーだった。拳銃を取り上げられたハリーの後からは死刑執行人たちがつけてくる。一瞬のスキに乗じたハリーはブリッグスを叩きのめしハンドルを奪った・シスコの急坂で猛烈な追撃戦が始まった。ハリーは造船所に廃棄されていた空母の中へ逃げ込んだ。彼は血みどろに傷つきながらもついに一味をやっつけた。





17-46. ダーティハリー3

監督 ジェームズ・ファーゴ
出演 クリント・イーストウッドハリー・ガーディノブラッドフォード・ディルマンジョン・ミッチャムデヴァレン・ブックウォルター
1976年・アメリカ (ワーナー映画) 1時間37分

解説
ダーティハリー」シリーズ第3作目。サンフランシスコの行動派刑事、ハリー・キャラハンを主人公にしたアクション映画。製作はロバート・デイリー、監督はイーストウッドの監督・主演作の助監督を勤めた新人ジェームズ・ファーゴ、脚本は「タワーリング・インフェルノ」のスターリング・シリファントとディーン・リスナー、撮影はチャールズ・ショート、音楽はジェリー・フィールディング、編集はフェリーズ・ウェブスター、美術はアレン・E・スミスが各々担当。出演はクリント・イーストウッド、ハリー・ガーディノ、ブラッドフォード・ディルマン、タイン・デイリー、ジョン・ミッチャム、デヴァレン・ブックウォルター、アルバート・ポップウェルなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。デラックスカラー、パナビジョン。1976年作品。

ストーリー
サンフランシスコ市警殺人課のハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)は、相棒のフランク(ジョン・ミッチャム)と市内をパトロール中、酒屋に押し入った強盗事件に駆り出された。現場に直行したハリーは強盗一味の要求の一つである車に乗るやいなや、そのまま店の中に突っ込み、慌てふためいている犯人たちにハリーの愛銃マグナム44を見舞った。ところが、ハリーの事件処理の仕方が乱暴だということで刑事課長(ブラッドフォード・ディルマン)に怒鳴られ、人事課に配属されてしまった。そんなある日、ボビー・マックスウェル(デヴァレン・ブックウォルター)をリーダーとする若い過激派グループが、陸軍の兵器庫に押し入り、ダイナマイト、自動小銃、新型バズーカ砲を盗み出した。しかも、パトロール中に異常に気付いたフランクに重傷を負わせ、そのまま逃走した。フランクを病院に見舞ったハリーは、息を引き取る寸前まで、犯人たちの逮捕を頼んでいったフランクの姿に、犯人たちへの激しい怒りを燃やすのだった。殺人課に戻ったハリーのフランクに替わる相棒として、刑事に昇進したばかりの女性、ムーアが付けられた。過激派の行動は意外に早く開始された。それも、警察署のトイレが爆破されたのだ。その直後、ハリーは不審な黒人を発見、大追跡の後に、ムーアの協力も得て逮捕した。黒人の過激派が絡んでいるとにらんだハリーは、スラムの指導者ムスターファの棲家へ乗り込んだが、彼は事件に無関係であることが判った。だが、ハリーが帰った後、刑事課長が指揮する警察隊が、ムスターファを首謀者として逮捕。この迅速な犯人逮捕によって、ハリーとムーア、そして刑事課長は、市長から表彰されることになったが、ムスターファが主犯でないと確信しているハリーは、表彰されるのを拒否し、課長に警察手帖を渡すと、会場を去り、独自の調査を開始した。しばらくして、過激派グループは、白昼、市長を誘拐し、莫大な活動資金を要求した。何の手がかりも得られぬまま、捜査にあせりを感じてきたハリーに、彼のおかげで釈放されたムスターファが、犯人たちの情報を提供した。ムスターファによると、犯人は、ベトナム帰りの殺人狂ボビー・マックスウェルをリーダーとする過激派グループで、彼らは今、その昔、アル・カポネも送り込まれ、脱獄不可能の刑務所として恐れられた〈アルカトラス刑務所〉の廃墟にたてこもっている、というのだ。ハリーは早速、ムーア刑事とともに、市長救出と、犯人逮捕のために〈アルカトラス〉へ乗り込んだ。過激派グループとの激しい銃撃戦が始まり、ハリーは、1人、2人と殺していき、その間に、ムーアは、市長を無事救出に成功した。そして、ついにハリーはボビーを追いつめたと思った瞬間、ムーアと市長が飛び出し、ムーアはボビーに射殺されてしまった。ボビーは市長を人質に、島の海岸添いに建てられた塔に登った。ムーアの死に怒りが爆発したハリーは、ボビーが落としていったバズーカ砲を塔へ向けて構えた。バズーカ砲を向けられていると知ったボビーは、恐ろしさのあまり、市長を塔の途中で離し、屋上で泣き叫んだ。瞬間、ハリーのバズーカ砲が火を吹き、ボビーもろとも、塔の上半分が吹っ飛んだ……。




17-47. ダーティハリー4

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドソンドラ・ロックパット・ヒングルブラッドフォード・ディルマンポール・ドレーク
1984年・アメリカ (ワーナー映画)

解説
悪に対して法律すれすれの荒っぽい手段で敢然と挑む、サンフランシスコ警察の孤独な一匹狼ダーティハリーことハリー・キャラハン刑事の活躍を描くシリーズ第4弾。製作・監督・主演は 「センチメンタル・アドベンチャー」 のクリント・イーストウッドで、これが彼の10作目の監督作品である。アール・E・スミスとチャールズ・B・ピアースの原案を基にジョセフ・C・スティンソンが脚本を執筆。撮影はブルース・サーティーズ、音楽はラロ・シフリン。主題歌をロバータ・フラックが歌っている。出演はイーストウッドの他に、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ブラッドフォード・ディルマン、ポール・ドレークなど。

ストーリー
サンフランシスコのゴールデン・ゲートを望む丘の上で、カーセックスの最中、女(ソンドラ・ロック)が突然、男の急所を射ち抜いた。現場検証に来たハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)は、手掛かりをつかめぬまま、以前に挙げた殺人犯の判決が下る州裁判所へ向かう。裁判で、犯人は無罪釈放となった上、逆にハリーの捜査の行き過ぎに警告を発するという結果になった。釈然としない気持ちで行きつけのコーヒー・ショップに立ち寄ったハリーは、強盗団に遭遇、激しい銃撃戦の末、事件を片づけた。その夜、ハリーは同僚たちが張り込んでいたマフィアのボスの孫娘の結婚式場に単身のり込み、ニセの証拠をつきつけて脅すと、ボスは心臓麻痺で倒れた。重ね重ねのハリーの無謀な捜査に批難の声が上がったため、北カリフォルニア沿岸の町サン・パウロヘ彼は出張を命じられる。シスコの連続殺人事件の犠牲者の1人がサン・パウロ出身だったからというのが表向きの理由だった。到着早々、銀行強盗の事件を片づけたハリーは、この街でもシスコの連続殺人事件と同じ手口で殺人が行なわれていることを知る。そんな時、彼は画家であるジェニファーと知り合い心引かれていく。ハリーが連続殺人事件を追ううちに意外な事実が浮かんできた。一連の事件は数年前のレイプ事件に端を発しており、その被害者がジェニファーと妹で、襲った犯人たちが次々に殺されているというのだ。レイプ事件の主謀者であるミック(ポール・ドレーク)はジェニファーと事件を追うハリーを片づけようと、仲間のクルーガー等と共にハリーを襲い、海に突き落とす。一命をとりとめたハリーが常宿としていたモーテルに戻ると、彼を尋ねてきた同僚のホレース刑事が殺され、彼が以前にくれた愛犬も傷つけられていた。怒りに燃えたハリーは新型の44オートマグナムを持って、ミックらがジェニファーを殺そうとしている遊園地に向かった。ハリーの銃弾に、またたく間に2人の仲間を失ったミックは、ジェニファーを人質にして逃げようとする。ジェットコースターの軌道の上を逃げようとするミックが、ジェニファーの手を離した瞬間、ハリーのマグナムが炸裂し、ミックは息絶えた。涙ながらに罪の許しを乞い哀訴するジェニファーにハリーは事件の犯人を彼女にすることなく解決することを優しく約束するのだった。




17-48. ダーティハリー5

監督 バディ・ヴァン・ホーン
出演 クリント・イーストウッドパトリシア・クラークソンリーアム・ニーソンエヴァン・C・キムデイヴィッド・ハント
1988年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画)

解説
自らも標的にされた連続殺人事件に立ち向かうハリー・キャラハン刑事の活躍を描く。 「ダーティハリー」 シリーズ4年ぶりの続編。製作はデイヴィッド・ヴァルデス、監督は 「ダーティファイター 燃えよ鉄拳」 のバディ・ヴァン・ホーン。スティーヴ・シャロン、ダーク・ピアソン、サンデイ・ショウの共同による原作をもとに、スティーヴ・シャロンが脚色。撮影は 「ハモンド家の秘密」 のジャック・N・グリーン、音楽は 「ブラックライダー(1986)」 のラロ・シフリンが担当。出演は 「ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場」 のクリント・イーストウッド、 「アンタッチャブル」 のパトリシア・クラークソン、 「容疑者(1987)」 のリーアム・ニーソンほか。

ストーリー
サンフランシスコ市警察の“ダーティハリー”ことハリー・キャラハン(クリント・イーストウッド)刑事は、シスコ随一の賭博の元締ルー・ジァネロ(アンソニー・シャルノタ)を、持ち前の強引な方法によって逮捕したところであった。その模様はテレビを通じて報道され、ハリーは一躍市民の間で有名人となった。そのテレビをじっと見つめる人物がいた。そして、「死亡予想」と記された人物リストに、ハリーの名を書き込むのであった。ハリーはその夜、ジァネロの部下に襲撃されるが愛用のマグナムであっさり片付ける。翌日、その西部劇まがいの銃撃戦を上司のドネリー部長(マイケル・カリー)やアッカーマン課長(ダーウィン・グッドウィン)は非難するが、彼の新しい相棒として中国人のクワン(エヴァン・キム)をつけることにした。早速殺人事件が起こった。殺されたのは低予算の恐怖映画に出演中の人気ロック・アーティストで、致死量の麻薬を打たれていた。現場検証にクワンと駆けつけたハリーは、そこで以前から彼の捜査方法に興味を持っていたという女性レポーターのサマンサ(パトリシア・クラークソン)に出会う。だが捜査には収穫はなかった。ハリーとクワンは聞きこみにまわったチャイナ・タウンのレストランで4人のチンピラによる強盗事件に遭遇するが、見事に倒す。だがチンピラの流れ弾に1人の男が当たり死んでしまった。その男は死んだロック・アーティストが出演していた映画の経理を担当していた男だった。しかも、男は手に「死亡予想」と書かれたリストを持っており、ロック・アーティストの名ばかりかハリーの名も書かれていた。ハリーは、その映画の監督のピーター・スワン(リーアム・ニーソン)をマークするようになる。その間にも女流映画批評家のフィッシャーやテレビ司会者ノーランドら、いずれもリストに書かれた人物が殺されていった。遂に犯人の魔の手はハリーに及び、クワンと乗った車が爆薬を積んだリモコン・カーに追われ、クワンが重傷を追う。やがて犯人は、監督のスワンではなく、彼の狂信的なファンで分裂症と診断されたハーラン・ロック(デイヴィッド・ハント)であることが分かるが、ハリーたちが彼のアパートに駆けつけた時には、ロックは既に次の標的、サマンサをおびき寄せていた。ハリーはサマンサが連れ去られたらしい映画のロケ現場に向かい、遂に狂信犯ロックと対面する。サマンサを助けるためにマグナム44を手放したハリーだが、息づまる死闘のすえ、最後は大きなモリを使ってハリーは犯人を倒すのだった。