21-1. ロビンとマリアン
監督 リチャード・レスター
出演 ショーン・コネリー,
オードリー・ヘップバーン,
ロバート・ショウ,
リチャード・ハリス,
ニコル・ウィリアムソン
1976年・イギリス (コロムビア) 106分
解説
悪徳代官に立ち向かうロビン・フッドの恋と戦いを描く。製作総指揮はリチャード・シェファード、製作はデニス・オディール、監督は 「四銃士」 のリチャード・レスター、脚本はジェームズ・ゴールドマン、撮影はデイヴィッド・ワトキン、音楽はジョン・バリー、編集はジョン・ヴィクター・スミス、衣裳デザインはイボンヌ・ブレイクが各々担当。出演はオードリー・ヘップバーン、ショーン・コネリー、ロバート・ショウ、ニコル・ウィリアムソン、ロニー・バーカー、デンホルム・エリオット、イアン・ホルムなど。
ストーリー
ある事情で十字軍の一員としてヨーロッパに渡ったロビン・フッド(S・コネリー)と親友リトル・ジョン(N・ウィリアムソン)の二人は、獅子王(R・ハリス)の死によって、十八年ぶりに故国イギリスに帰ることになった。久しぶりにイギリスに戻った二人を出迎えたのは、緑したたる森と田園、そしてシャーウッドの森の仲間たちだった。すべてが十八年前のままで、ロビン・フッドとリトル・ジョンの心をなごませた。一方、変わっていないといえば、ジョン王(I・ホルム)のもと、イギリス国民はふたたび悪政に苦しんでいたこと、ロビン・フッドの宿敵ノッチンガム(R・ショウ)が未だ権力をふるい、良民を苦しめていたことだった。ただひとつ、ロビン・フッドの美しい恋人マリアン姫(A・ヘップバーン)が、今はカークリーの近くの修道院長になっていたのが思いがけないことだった。しかし、長い歳月の隔りも、二人の深い愛を妨げることはできなかった。しばらくして、マリアンは尼僧たちとともにシャーウッドの森に移り、ロビンとの愛の日々を送るのだった。森林の木もれ陽の下に、小川の流れのほとりに、黄金色に輝く花畑の中に、寄りそったふたりのみちたりた姿があった。だが、その間にも民衆の、ロビン・フッドを待つ声は大きくなる一方だった。そして、村の、町の有志たちが森へやってきた。少年もいた。老人もいた。ロビン・フッドは来るべき日のために、彼らを訓練した。マリアンと尼僧たちにとっても忙しい毎日だった。国王と教会とが正面からぶつかった日、ついにロビン・フッドはマリアン、シャーウッドに集まった人々と共に立ち上った。ジョン王とノッチンガムの軍勢に立ち向かうシャーウッドの男たち。ノッチンガム代官とロビン・フッドの一騎打ちは凄絶だった。両軍の見守る中、ロビン・フッドはついにノッチンガムを倒した。だがロビン・フッドも深手を負ってしまう。マリアンはリトル・ジョンの助けを得て、重傷のロビン・フッドを修道院へ連れ帰った。ロビン・フッドの命が明日をも知れぬことは、マリアンが見ても一目瞭然だった。彼女は意を決した。毒入りのワインをロビン・フッドにふくませたマリアンは自分も一気にそのワインを飲みほした。
21-2. イエスマン “YES”は人生のパスワード
監督 ペイトン・リード
出演 ジム・キャリー,
ズーイー・デシャネル,
ブラッドリー・クーパー,
ジョン・マイケル・ヒギンス,
テレンス・スタンプ
2008年・アメリカ (ワーナー) 104分
解説
人生をポジティブに変えるためのユニークなアイデアを盛り込んだコメディ。ジム・キャリーが“ノー”を封印してすべてを肯定する主人公に扮して笑いを誘う。
ストーリー
ロサンゼルスの銀行に勤務するカール・アレン(ジム・キャリー)の生活は、毎日ほとんど変わりない。ローンの申請を却下し、何かと口実を作って友人からの誘いを拒み、家のソファでひとりテレビを見ている日々。親友の婚約パーティーまですっぽかし、「生き方を変えないかぎりお前はひとりぼっちになる」と脅されたカールは、勇気を振り絞り、とあるセミナーに参加する。セミナーの主催者テレンス・バンドリー(テレンス・スタンプ)は「意味のある人生を送るための唯一のルールは、全てのことに“イエス”と言うだけ」と説く。最初は猜疑心でいっぱいのカールだったが、とりあえずあらゆることにイエスと言ってみようという気になっていった。カールの上司ノーム(リス・ダービー)は、カールが仕事により積極的に取り組み始めただけでなく、ノームが計画するパーティーへも興味を示したことをとても喜ぶ。そんなある日、深夜にガス欠になったカールは車を残し、ガソリン・スタンドへ歩いて向かった。重いガソリン缶を持つ彼に、スクーターで来ていたアリソン(ゾーイ・デシャネル)が「送っていこうか」と声をかけると、カールはもちろん“イエス”と答える。それをきっかけに、アリソンはカールの積極的でユーモアのある人柄に惚れ込んでいくのだった。人が変わったようにますます運気を上げていくカール。だが、全てが好転し始めたとき、思わぬどんでん返しが待っていた……。
21-3. アザーズ
監督 アレハンドロ・アメナーバル
出演 ニコール・キッドマン,
フィオヌラ・フラナガン,
クリストファー・エクルストン,
アラキナ・マン,
ジェームズ・ベントレー
2001年・アメリカ、スペイン、フランス (ギャガ=ヒューマックス(ポニーキャニオン=ギャガ・コミュニケーションズ 提供)) 104分
解説
全米でロングランヒットを記録した本格派ゴシック・ホラーが上陸。正体不明の存在が潜む屋敷を舞台に、家族を命がけで守ろうとする母親の姿をドラマチックにつづる。
ストーリー
1945年、第2次世界大戦末期の英国、チャネル諸島のジャージー島。グレース(ニコール・キッドマン)と、アレルギー体質のため太陽光線を浴びることのできない娘アン(アラキナ・マン)と息子ニコラス(ジェームズ・ベントレー)は、広大な屋敷の中で親子3人の閉ざされた日々を送っていた。そんなある日、ミセス・ミルズ(フィオヌラ・フラナガン)と言葉を喋ることのできないリディア(エレーン・キャシディ)、庭師のミスター・タトル(エリック・サイクス)が、使用人として招き入れられる。まもなく屋敷の中で、他人の足音や話し声が響き渡り、ピアノが独りでに鳴りだすという怪奇現象が頻繁に起き始める。誰かが勝手に侵入していると怯えるグレースに、アンは一枚の絵を描いてみせる。そこには全く見覚えのない、老婆と男の子とその両親が描かれていた。やがて使用人3人が、半世紀以上も前に死んだ幽霊だと判明する。そして実は、グレースとアンとニコラスも幽霊で、彼女らはこの屋敷を守るべく死んだあとも住み着いていたのだった。アンが描いた家族は新しく入居してきた実在の人間たちであり、屋敷の怪しげな気配に恐怖した彼らは去っていくのだった。
21-4. チャンス
監督 ハル・アシュビー
出演 ピーター・セラーズ,
シャーリー・マクレーン,
メルヴィン・ダグラス,
ジャック・ウォーデン,
リチャード・ダイサート
1979年・アメリカ (松竹=富士映画)
解説
数十年間ひたすら庭いじりだけを仕事としてきた俗世間を知らない庭師が、その純真無垢な精神故に知らぬ間に大統領にまでなるという社会諷刺、皮肉を含んだコメディ映画。製作はアンドリュー・ブランスバーグ、監督は 「帰郷」 のハル・アシュビー。イェジー・コジンスキーの原作( 「預言者」 /角川書店刊)を基にコジンスキーが脚色。撮影はカレブ・デシャネル、音楽はジョニー・マンデル、編集はドン・ジンマーマン、美術はジェームズ・L・ショップ、製作デザインはマイケル・ホーラーが各々担当。出演はピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルビン・ダグラス、ジャック・ウォーデン、リチャード・ダイサート、リチャード・ベースハート、ルス・アタウェイなど。
ストーリー
ワシントンの古い屋敷の主人が、ある朝突然死んだ。残されたのは中年の庭師チャンス(ピーター・セラーズ)と黒人のメイドの2人。チャンスは、ここ数十年屋敷の外へは一歩も出たことがなく、読み書きもできず、ひたすら庭いじりとテレビを観る楽しみだけで生きてきた男だ。やがて管財人に屋敷を出て行くように言われたチャンスは、街の喧騒の中に飛び出すことになる。見るもの、出合ううものが珍しく、それらに気をとられていたチャンスは、1台の高級車にぶつけられ、中に乗っていた婦人に手当てを受けるため家に寄って欲しいと言われた。車の中でその美しい貴婦人イブ・ランド(シャーリー・マクレーン)に名を問われ、庭師チャンスと名のるが、彼女はそれをチョンシー・ガーディナーと聞き違えた。やがてその車が着いたのは経済界の大立物ベンジャミン・ランド(メルビン・ダグラス)の邸で、貴婦人は彼の妻だった。ランドは高齢で健康状態もすぐれなかったが、チャンスの子供のような無垢さに接していると気持ちが安らぐのを感じた。数日後、ランドを見舞いにやって来た大統領(ジャック・ウォーデン)は、そこでチャンスと会い、庭の手入れに例えた極めて楽観的な意見に耳を傾けた。大統領はさっそくTV放送のスピーチでチャンスの言葉を引用し、それをきっかけにチョンシー・ガーディナーの名は一躍全米に知れ渡るようになる。それからチャンスのTV出演などの奇妙な生活がはじまるが、彼の本当の正体を知る者はいなかった。やがてランドが大往生を遂げ、その葬儀の際チャンスはイブから愛の告白を受けた。そして大統領の葬送の辞で新大統領候補がチョイシー・ガーディナーであることが明らかにされるのだった。