f22-1. ポリス・ストーリー レジェンド (吹替)

監督 ディン・シェン
出演 ジャッキー・チェンリィウ・イエジン・チェングーリー・ナーザーリュウ・ハイロン
2013年・香港 (ブロードメディア・スタジオ) 110分

解説
アジアを代表するアクション・スター、ジャッキー・チェンの代表作 「ポリス・ストーリー」 シリーズ。10年ぶりとなる本作では、何者かの仕業で脱出不可能な要塞となってしまったナイトクラブに閉じ込められた親子のドラマが描かれる。ジャッキーならではのアクロバティックなアクションはもちろん、ミステリアスな物語も見どころ。

ストーリー
ベテラン刑事ジョン(ジャッキー・チェン)は、一人娘のミャオ(ジン・ティエン)に会うため、約束の場所として指定された繁華街にある怪しげな雰囲気のナイトクラブにやってくる。父娘は半年ぶりに対面するが、突然ジョンは何者かに殴り倒され、そのまま拘束されてしまう。気が付くとクラブの出入口は封鎖され、ジョン親子を含む十数人の客が閉じ込められていた。事態は警察も手が出せない大量人質籠城事件へと発展。犯人であるクラブのオーナー・ウー(リウ・イエ)の要求は、ある囚人の解放だった……




22-2. ブロンド・ライフ

監督 スティーブン・ヘレク
出演 アンジェリーナ・ジョリーエドワード・バーンズトニー・シャルーブクリスチャン・ケインジェームズ・ギャモン
2002年・アメリカ (フォックス) 104分

解説
人気女優アンジェリーナ・ジョリーが、ブロンドヘアでゴージャスな魅力をふりまく恋愛劇。テレビ業界で理想の人生を歩んでいたはずの女性が、恋と仕事のトラブルに奮闘する姿を描く。

ストーリー
レイニー(アンジェリーナ・ジョリー)は、シアトルのテレビ局の花形リポーター。仕事、住まい、ファッション、恋人、自分の人生は完璧だと思っていた。しかし預言者ジャックから「お前はあと1週間で死ぬだろう」と告げられ、彼女の“完璧な人生”は崩れ去る。人生で最も大切なものは何だろう、とレイニーは自問するようになるのだった……。




22-3. キング・アーサー

監督 アントワン・フークア
出演 クライヴ・オーウェンキーラ・ナイトレイヨアン・グリフィスステファン・ディラーヌステラン・スカルスゲールド
2004年・アメリカ (ブエナ ビスタ)

解説
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」 のジェリー・ブラッカイマー製作による歴史大作。西洋史上に輝くアーサー王と“円卓の騎士”の伝説を活写する。

ストーリー
西暦415年。ローマ帝国軍の司令官アーサー(クライヴ・オーウェン)は、無敵を誇る円卓の騎士たちと共に、ブリトン人の反乱軍ウォードと、ブリトンの侵略を狙うサクソン軍の双方に包囲されたハドリアヌスの城壁の北の地から、ローマ人貴族マリウスの一家を救出するという最後の使命を受けた。しかし館に到着すると、マリウスはローマ教会の考えに従わない者を拷問にかけていた。怒りに震えつつもアーサーたちは、祖国ブリトンへの愛を持つ女性グウィネヴィア(キーラ・ナイトレイ)らを救出し、迫りくるサクソン軍から逃げるべくマリウス一家を連れて出発する。アーサーたち一行は必死の逃走を続けるが、ついにサクソン軍に追いつかれる。アーサーは氷結した湖を死地に選び、親友のランスロット(ヨアン・グリフィズ)ら6人の円卓の騎士と、弓の名手であるグウィネヴィアだけで、数百の軍勢と対決。アーサーの巧みな戦略により、サクソン軍は湖に沈むが、仲間のダゴネット(レイ・スティーヴンソン)は命を落とした。一行はハドリアヌスの城壁に帰還。アーサーとグウィネヴィアの間には、激しい愛が芽生え始めていた。一方、円卓の騎士たちは故郷に旅立とうとしていたが、アーサーはブリトンに残ることに。まもなく兵力を増強したサクソン軍が、ついにハドリアヌスの城壁に到達する。ローマ帝国軍は撤退するが、マーリン(スティーヴン・ディレイン)の率いるウォード軍と合流したアーサーは、グウィネヴィアと共に戦闘態勢に入る。一度帰国の途についたはずの円卓の騎士たちも戻ってきた。戦いの中でランスロットは死亡するが、アーサーたちは勝利する。そしてアーサーとグウィネヴィアの結婚式が行なわれるのだった。




f22-4. ヒッチコック

監督 サーシャ・ガバシ
出演 アンソニー・ホプキンスヘレン・ミレンスカーレット・ヨハンソントニ・コレットダニー・ヒューストン
2012年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 99分

解説
映画監督として数々の名作を生み出し、“サスペンス映画の神”とも称されるアルフレッド・ヒッチコック。賞レースから嫌われ、無冠の帝王だった彼の心の葛藤と、そんなヒッチコックを脚本家としても支えた妻との知られざる姿に迫るヒューマンドラマ。名優アンソニー・ホプキンスが特殊メイクを施し、ヒッチコックを熱演する。

ストーリー
「レベッカ」や「白い恐怖」などサスペンス映画を世に送り出したアルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)。1959年、彼は新作「サイコ」の製作に向かっていたが、演出の面でも技術面でもあまりにも斬新な手法を用いるため、資金難などの壁に当たる。さらには彼にとって最大の理解者である妻アルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン)との関係もぎくしゃくしだす。映画製作に情熱を注ぐヒッチコック。様々な思いを抱えるアルマ・レヴィル。映画史に残る不朽の名作の裏側とは……。





f22-5. いつか、また

監督 ハン・ハン
出演 ウィリアム・フォンチェン・ボーリンウォレス・チョンジョー・チェンワン・ルオダン
2014年・中国 (ファインフィルムズ) 104分

解説
中国の人気若手小説家ハン・ハンによる初監督作品。男三人の中国大陸横断の旅を描く青春ロードムービー。音楽は、 「愛と誠」 の小林武史。出演は、ドラマ 「蘭陵王」 のウィリアム・フォン、 「藍色夏恋」 のチェン・ボーリン、 「ドラッグ・ウォー 毒戦」 のウォレス・チョン。第51回台北金馬奨最優秀オリジナル楽曲賞受賞。

ストーリー
中国の最も東にある小さな島に生まれ育った幼なじみの三人(ウィリアム・フォン、チェン・ボーリン、ウォレス・チョン)は、とあるきっかけで中国大陸横断の旅に出る。その旅の途中で、幼なじみの女性、長年の文通相手、コールガール、バイカーなどと出会った三人が、西の最果てにたどり着いて見たものとは……。




22-6. ライジング・ドラゴン (吹替)

監督 ジャッキー・チェン
出演 ジャッキー・チェンクォン・サンウジャン・ランシンヤオ・シントンリアオ・ファン
2012年・香港=中国 (角川映画) 124分

解説
中国清王朝の伝説の秘宝を巡り、世界中を駆け巡るトレジャー・ハンターの活躍を描くアクション・アドベンチャー。ジャッキー・チェンが監督・製作・脚本を担当し、自ら主演を務め、おなじみの華麗なカンフーアクションから、危険なカーチェイスアクションも披露するなど、ジャッキーの魅力が詰まった集大成的な一作だ。

ストーリー
19世紀、イギリス・フランス軍が中国に侵攻した際、十二支の動物にまつわる清王朝時代の国宝が持ち出された。全12体のうち、現在行方不明の数体を求め、アンティークディーラーのマックス・プロフィット社は“アジアの鷹”と呼ばれ、世界を股にかけるトレジャー・ハンターのJC(ジャッキー・チェン)を雇う。JCが結成した特殊チームは伝説の秘宝を追って、パリ、南太平洋、中国など世界各国を駆け巡るが、行く先々で彼らを阻む敵が現れる。そんな中、JCはこの秘宝に大きな陰謀が隠されていることを知る……。




22-7. セレンディピティ

監督 ピーター・チェルソム
出演 ジョン・キューザックケイト・ベッキンセールジェレミー・ピーヴンモリー・シャノンブリジット・モイナハン
2001年・アメリカ (アミューズピクチャーズ(テレビ東京=博報堂=TOSHIBA=アミューズピクチャーズ 提供)) 91分

解説
旬の個性派、ジョン・キューザック&ケイト・ベッキンセール共演の都会派ラブ・ストーリー。偶然から生まれた運命の恋のゆくえを、ユーモアを交えてスタイリッシュに描く。

ストーリー
クリスマス5日前のニューヨーク。デパートで、一組しかない黒いカシミアの手袋を取り合うことで知り合ったジョナサン(ジョン・キューザック)と、英国女性サラ(ケイト・ベッキンセール)は、楽しくロマンティックなひとときを過ごす。別れを惜しむジョナサンに、サラはある提案をする。ジョナサンは5ドル札に、サラは持っていた本に連絡先を書き、それを古本屋に売る。そしていつの日かその連絡先を見つけることができたなら、運命の扉は開くであろうと。数年後。TV番組のディレクターになっていたジョナサンは、恋人ハリー(ブリジット・モイナハン)と婚約していたが、心の底ではサラを忘れられず、彼女を探そうとする。一方、サンフランシスコで心理カウンセラーとして働いていたサラは、恋人で人気ミュージシャンのラース(ジョン・コーベット)から求婚されるが、彼女もジョナサンを忘れられず、彼を探す旅に出る。やがてジョナサンはサラの連絡先が書かれた本を見つけ、サラの自宅を訪ねるが、彼女の妹のベッドシーンを彼女だと勘違いして見てしまい、ガッカリして帰路へ。結婚の準備を進める。だがサラも、ジョナサンの5ドル札を発見。彼の結婚式の会場へ乗り込もうとするが、会うことはできなかった。ところが思い出のスケートリンクで偶然再会。2人の恋はめでたく成就するのだった。





f22-8. オーバー・ザ・トップ (吹替)

監督 メナヘム・ゴーラン
出演 シルヴェスター・スタローンデイヴィッド・メンデンホールロバート・ロギアスーザン・ブレイクリーテリー・ファンク
1987年・アメリカ (東宝東和) 94分

解説
愛する息子のために腕相撲(アーム・レスリング)大会のチャンピオンを目ざすトラッカーを描く。製作・監督は 「デルタ・フォース」 のメナヘム・ゴーラン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジェームズ・D・ブルベイカー、脚本は主演のシルヴェスター・スタローンとスターリング・シリファントの共同執筆、撮影はニック・マクリーンが担当。出演はスタローン、デイヴィッド・メンデンホール、ロバート・ロッジア、スーザン・ブレイクリーほか。

ストーリー
リンカーン・ホーク(シルヴェスター・スタローン)は放浪のコンボイ・トラッカー。彼は10年前、義父ジェイソン(ロバート・ロッジア)との確執から追い出されるように家を出た。彼の心には常に妻クリスティーナ(スーザン・ブレイクリー)と息子マイケル(デイヴィッド・メンデンホール)の姿が焼き付いている。行く先々で得意のアームレスリングの賭けゲームに熱中するだけが、彼の孤独をまぎらわす唯一の手段だった。そのホークが陸軍幼年学校を卒業した12歳になるマイケルをトラックで迎えに行った。クリスティーナが重病で入院し、彼女のたっての願いでマイケルとともに病院に来てほしいというのだ。マイケルは教養もなく野卑な父に拒否反応を示し、なつかない。だが、アームレスリングで圧倒的な強さを誇る父を見、ラスヴェガスの世界大会で優勝して、その賞金でトラック会社を設立、親子3人で暮らす夢を話す父に、徐々に心を開いていった。その2人に、義父ジェイソンが孫のマイケル奪回のために雇った男たちが襲いかかる。ついに2人は病院にたどり着いた。だが、父子を待っていたのは母の死だった。マイケルはショックのあまりジェイソンの元へ戻っていった。ホークはジェイソンの屋敷にトラックごと突っ込んでマイケルの名を呼ぶがマイケルは顔を見せず、逆に留置場に入れられたあげく、息子を手放すことを条件に州外に追放された。ホークは世界アムーレスリング選手権大会が行なわれるラスヴェガスに乗り込んだ。世界中から集まった強敵たち。次々と相手を打ち負かすホーク。いよいよ決勝。その時、マイケルが会場に姿を現わした。「ぼくが悪かった。ぼくはパパのものだ!」……。息子の声がホークにファイトを甦らせ、死闘の末、勝利を得るのだった。





22-9. ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人

監督 佐々木芽生
出演 ハーバート・ヴォーケルドロシー・ヴォーケルチャック・クロースロバート・マンゴールドリンダ・ベングリス
2008年・アメリカ (ファイン・ライン・メディア=TSUMUGU(配給協力 クレストインターナショナル)) 87分

解説
92年に普通の夫婦が美術館に2000点あまりものアート作品を寄贈し、衝撃を呼んだ。その当事者であるヴォーゲル夫妻の姿を収め、全米の映画賞を席捲しているドキュメンタリー。アートの収集を生活の中心に据える驚くべき夫婦の姿を追うのは、ニューヨークを拠点に活動する日本人監督の佐々木芽生。

ストーリー
ニューヨークで暮らす郵便局員のハーブと図書館司書のドロシーのヴォーゲル夫妻。2人の共通の楽しみは、現代アートのコレクション。彼らがコレクションを選ぶ基準は2つ。“1.自分たちの給料で買える値段であること。”、“2.1LDKのアパートに収まるサイズであること。”つつましい生活の中で約30年の歳月をかけてコツコツと買い集めた作品の数々。その数はいつしか4000点を越え、気が付けば20世紀のアート史に残る作家の名作だらけに。だが2人は、最初から手に入れた作品が名作になることを予想していたわけではなかった。あくまでも、自分たちの気に入ったものを揃えていただけに過ぎなかった。そんな2人に、アメリカ国立美術館から寄贈の依頼が舞い込む……。




f22-10. ソルト

監督 フィリップ・ノイス
出演 アンジェリーナ・ジョリーリーヴ・シュレイバーキウェテル・イジョフォーゾー・リスター・ジョーンズヴィクター・スレザック
2010年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 100分

解説
ある日突然、ロシアスパイの疑いをかけられたCIA局員の女性の逃亡劇を描くアンジェリーナ・ジョリー主演のサスペンス・アクション。何が真実なのか、二転三転する物語に混乱必至!

ストーリー
アメリカCIA本部で、ロシアからやってきた謎の密告者オルロフが捕えられる。そしてオルロフの告白は、一同に衝撃を与える。それは、大統領を暗殺するために、今日、ロシアからのスパイが送り込まれるというものだった。さらに、そのスパイの名は“ソルト”だと告げられる。そのため、オルロフの尋問を担当していたCIA女性職員イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)に嫌疑がかかる。ソルト何者かによる罠であると主張し、夫に会わせるよう懇願するが、同僚であるCIAから追われる身となってしまう。やむを得ず彼女は金髪を黒髪に染め、変装して逃亡する。翌日、ソルトは、アメリカ副大統領の葬儀が行われている会場に姿を現す。厳重な警備が敷かれているその場所で、彼女はあっさりCIAの同僚に捕えられ、警察に連行される。しかし残された者たちは、彼女がスパイなら、なぜ自分たちを撃たなかったのかと違和感を覚える。そんな中、ソルトは連行中のパトカーから脱出し、行方をくらましてしまう。その数日後、ソルトはホワイトハウスの内部に現れる。しかし、彼女は以前とは全く異なる姿をしていた。





f22-11. ロジャー・ラビット

監督 ロバート・ゼメキス
出演 ボブ・ホスキンスクリストファー・ロイドジョアンナ・キャシディスタッビー・ケイアラン・ティルバン
1988年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 104分

解説
アニメーションの登場人物の住む町・トゥーンタウンを守るため立ち上がった町の人気キャラクター・ロジャーと人間である探偵エディの活躍を、実写とアニメーションの合成で描いてゆく。エグゼクティヴ・プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグとキャスリーン・ケネディ、製作はロバート・ワッツとフランク・マーシャル、監督は 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 のロバート・ゼメキス、アニメーション監督はリチャード・ウィリアムス、ゲーリー・K・ウルフの原作を基にジェフリー・プライスとピーター・シーマンが脚本、撮影はディーン・カンディ、音楽はアラン・シルヴェストリが担当。出演はボブ・ホスキンス、クリストファー・ロイド、声の出演はチャールズ・フライシャー、キャスリーン・ターナーほか。

ストーリー
時は1947年のハリウッド。ロサンゼルスの東部のどこかにアニメーションの登場人物の住む町トゥーンタウンがあった。この町の人気者ロジャー(声=チャールズ・フライシャー)はある仕事に失敗し、ぼんやりして仕事に身の入らない状態になってきた。心配した社長のマルーン(アラン・ティルヴァーン)は、探偵のエディ・ヴァリアント(ボブ・ホスキンス)を雇い、ロジャーの妻で官能釣なジェシカ(声=キャスリーン・ターナー/エイミー・アーヴィング)を尾行させる。彼はインク・アンド・ペイント・クラブに行き、ジェシカと彼女の愛人だという噂のマーヴィン・アクメ(スタッビー・ケイ)の2人の信用をおとすような写真を撮る。ところがそのマーヴィンが何者かによって殺されてしまい、ロジャーが第1容疑者にされてしまう。ロジャーはエディに助けを求め、事のなりゆきから彼もロジャーをかくまわざるを得なくなり、エディの恋人ドロレス(ジョアンナ・キャシディ)も彼に力を貸すが、ドゥーム判事(クリストファー・ロイド)の悪意の追求は甘くなかった。トゥーンを殺すためのテレピン油と薬品を混ぜた液体を武器に確実に迫ってきていた。逃げる2人も事件がもっと複雑になっていることに気づき、ついに彼らの陰謀に巻き込まれトゥーンタウンを守るための人質になってしまうのだった…。





22-12. ツイン・ドラゴン

監督 ツイ・ハーク
出演 ジャッキー・チェンマギー・チャンテディー・ロビンニナ・リー
1991年・香港 (東宝東和) 100分

解説
赤ん坊の時に生き別れた双子が再会、マフィアを相手に戦いながら繰り広げられる恋のさやあてを描いたアクション・コメディ。監督は 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」 のツイ・ハークと 「スペクターX」 のリンゴ・ラム、製作はウー・セイエン、音楽はローウェル・ローが担当。2014年4月5日より、ツインの配給にてシネマート六本木で<春のプチ香港・中国エンターテイメント映画まつり>の1作品として再上映された。

ストーリー
香港のある病院から、生まれたばかりの双子の弟がさらわれた。彼はホステスに拾われ、香港の暗黒街で育つ。一方、兄のほうは両親とともにアメリカに渡り、裕福に暮らしていた。28年後、新進指揮者として活躍するマー(ジャッキー・チェン)は演奏旅行で香港に戻り、チンピラになっていたジャッキー(ジャッキー‥二役)と偶然再会。ジャッキーは、兄弟分のターザン(テディー・ロビン)が惚れ込んだバーバラ(マギー・チャン)のためにギャングともめていた。マーの世話係のサリー(ニナ・リー)は、ジャッキーをマーと間違えたうえ、彼のたくましさに夢中になる。一方、バーバラもマーをジャッキーと勘違い、2人は恋に落ちる。そこへギャングが現れ、これも間違えてマーを誘拐。ジャッキーはマーになりすまして見事演奏会を終え、逃げ出してきたマーとともに、人質になっていたターザンを救い出しに行く。壮絶な戦いの末、ギャングを倒した2人は、バーバラとサリーとめでたく結ばれるのだった。




22-13. ナイト&デイ (吹替)

監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 トム・クルーズキャメロン・ディアスピーター・サースガードポール・ダノマーク・ブルカス
2010年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 110分

解説
トム・クルーズとキャメロン・ディアスの共演によるロマンティック・アクション。キュートで平凡な娘と正体不明の元スパイが、恋の予感とスリルに満ちた逃亡劇を繰り広げる。アメリカをはじめ、オーストリア、スペイン、大西洋の孤島などでロケーションを敢行。銃撃戦やカーチェイスなど、スピーディなアクション描写にも大興奮!

ストーリー
理想の男性との出会いを夢見る平凡な女性ジューン(キャメロン・ディアス)は、妹エイプリル(マギー・グレイス)の結婚式に出席するために乗ったボストンへと向かう飛行機で、ロイ・ミラー(トム・クルーズ)と名乗る謎の男性と出会う。だが、その男は1週間前までCIAエージェントだったことが判明。ロイと出会って以来、ことあるごとに危険な目に遭うジューンだったが、いくつもの危機を助けられ、次第に彼に惹かれていく。しかし、ミステリアスなロイの背後に巨大な陰謀の影が忍び寄り、ロイと行動を共にすることだけが、ジューンにとって生き延びる唯一の方法となっていく……。




22-14. 卒業

監督 マイク・ニコルズ
出演 アン・バンクロフトダスティン・ホフマンキャサリン・ロスウィリアム・ダニエルズマーレイ・ハミルトン
1967年・アメリカ (ユナイト) 106分

解説
チャールズ・ウェッブの原作を、カルダー・ウィリンガムとバック・ヘンリーが脚色、 「バージニア・ウルフなんかこわくない」 のマイク・ニコルズが監督した悲喜劇。この作品で、マイク・ニコルズは、67年アカデミー監督賞を獲得している。撮影はロバート・サーティース、主題曲をポール・サイモン、そのほかの音楽を、デーヴ・グルーシンが、担当している。出演は、 「奇跡の人(1962)」 のアン・バンクロフト、ブロードウェイ出身のダスティン・ホフマン、TV出身で 「シェナンドー河」 など、2、3の作品に出演しているキャサリン・ロス、他にウィリアム・ダニエルス、マーレイ・ハミルトンなど。

ストーリー
学問でもスポーツでも、賞という賞を獲得して、ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は大学を卒業したが、それがなんのためなのか、彼は疑問を感じ、将来に対する不安でいらだっていた。だが、そんなベンジャミンの心も知らず両親は盛大なパーティーを催した。口先だけのお世辞やへつらいにいたたまれず部屋に逃げこんだベンジャミンを、ロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が追いかけてきた。彼女は、強引にベンジャミンを家まで送らせ、決して誘惑してはいないなどと口ではいいながら彼の前で裸になって、彼を挑発した。ちょうどそこへ、ロビンソン氏が帰ってきたので、その場は何事もなかったが、この誘惑はベンジャミンにとって強い刺激となり、数日後、彼は自分の方からデートを申し込んだ。こうして2人は、しばしばホテルで会うようになった。だが、この2人の関係は、ロビンソンの娘エレーヌ(キャサリン・ロス)が学校休みで戻ってから、大きくくずれていった。両親の勧めで、初めはいやいやながらエレーヌとつき合ったベンジャミンだが、その可憐さ、清純さに次第に本気で愛するようになった。娘の恋に嫉妬したロビンソン夫人は、ベンジャミンに娘とつき合ったら、自分との関係をバラすと脅迫した。しかし、この脅迫も、ベンジャミンをさらに激しい恋にかりたてるばかり。ついにロビンソン夫人は捨身の妨害に出て、ベンジャミンとの関係を明らかにした。ショックを受けたエレーヌは、学校へ戻った。そのエレーヌをベンジャミンは追った。だがそこは、ロビンソン夫妻が娘と結婚させようとしているカールという青年がいた。それでもベンジャミンは、エレーヌを追ったが、とうとうエレーヌとカールの結婚式が挙行されることになった。式は進み、クライマックスに達した時、ベンジャミンが飛び込んできた。両親や参列者を押しのけると、彼は花嫁を盗み出し、通りかかったバスに飛び乗った。バスは永遠なる結婚の幸福へと走り去った。




f22-15. ペーパー・ムーン

監督 ピーター・ボグダノヴィッチ
出演 ライアン・オニールテイタム・オニールマデリーン・カーンジョン・ヒラーマン
1973年・アメリカ (パラマウント映画=CIC)

解説
1930年代の禁酒法時代、本当の親娘かどうか判らない男と少女の陽気なペテン旅行を描く。製作・監督は 「ラスト・ショー」 のピーター・ボグダノヴィッチ、脚本はアルヴィン・サージェント、原作はジョー・デイヴィッド・ブラウンの 「アディー・プレイ」 、撮影はヴェルナ・フィールズ、が各々担当。出演はライアン・オニール、その実娘テイタム・オニール、、マデリーン・カーン、ジョン・ヒラーマン、P・J・ジョンソン、ジェシー・リー・フルトン、ジム・ハーレル、リラ・ワータース、ノベル・ウィリンガムなど。

ストーリー
アディ(テイタム・オニール)は9つ。母親が自動車事故で亡くなった今、身寄りはミズーリにいる叔母だけだった。形ばかりの埋葬の場で、モーゼ(ライアン・オニール)は、牧師夫婦からアディを叔母の家に届けるように頼まれてしまった。アディの母は、酒場づとめをしていて、モーゼと深い関係にあったのだ。ついミズーリへ聖書のセールスに行くといってしまった手前、渋々引き受けざるをえなかった。しかし、彼は転んでもただで起きる男ではない。交通事故を起こした男の兄を訪ね、示談金200ドルをせしめ、その金でいままで乗っていたボロの30年型フォードを新車に買い替え、邪魔っけになったアディを汽車に乗せてポイしようとした。ところが、アディは眼から鼻に抜けるという言葉がぴったりのお利口さん。モーゼが200ドルカモるのを立ち聞きして、私のお金だから返してと主張する。返してくれなければ汽車に乗らないと。会ったこともない叔母の家へ行っても冷たくされるかもしれないし、それ以上になんとなく、このモーゼという男が気に入っていたのだ。近所のカミさん連中から、あんたのパパはモーゼかもしれないと聞かされたこともある。そういえば、アゴの線がそっくりだ。モーゼにしてみれば、いきなり母なし子の父にされてはたまらないけれども、金を使ってしまった以上、方法がない、子連れセールスといくよりしかたない。彼の聖書の売り方は、新聞の死亡記事を見て、未亡人を訪ね、彼女の名前を金文字で入れた聖書を見せて、亡くなったご主人に注文されて参上したとまくしたてる。ついホロッときた未亡人から、まんまと小金をせしめる、というやり方だった。やがて、車の中からこの方法を見ていたアディが口をはさむようになる。相手が金持ちとみればふっかけ、貧乏人とみればタダ、ヤバイとみればモーゼの手を引いてドロンという寸法だ。モーゼは彼女の才覚を見直した。父と娘のふりをすれば仕事もやりやすくなるというものだ。その結果、ボロかせぎはできたのだが、サギ道中で金廻りがよくなるとモーゼの浮気虫が動き出す。トリクシー(マデリーン・カーン)というストリッパーにのぼせ上がり旅の道連れにしたから大変だ。アディは、トリクシーの黒人のメイドと示し合わせ、手の込んだ作戦でトリクシーが別の男と寝るようにしむけ、それをモーゼに目撃させてキッパリとあきらめさせる。また2人きりの旅が始まった。次のカモは酒の密造屋だった。作戦はみごとに成功し、620ドルのあぶく銭を手にしたものの、執念深く追ってきた保安官たちに見つかってぶちのめされ、有り金を残らず巻き上げられてしまう。無一文ではどうしようもない。モーゼは今では別れがたくなっているアディを、近くの叔母の家に届けることにした。それは思っていたより優しい叔母や叔父だったが、でもアディは、モーゼと過ごした楽しい日々が忘れられなくなっている。思わず荷物をつかむと表へ飛び出した。道のずっと向こうにモーゼのオンボロ車が止まっている。「モーゼ!まだ200ドル貸したままよ。」モーゼがアディの荷物を受け取った。2人の行手には、白い道がどこまでも続いていた。




22-16. レッドブル (吹替)

監督 ウォルター・ヒル
出演 アーノルド・シュワルツェネッガージェームズ・ベルーシピーター・ボイルエド・オーロスリチャード・ブライト
1988年・アメリカ (東宝東和) 105分

解説
モスクワの市警察警務大尉が麻薬犯を追ってアメリカのシカゴにやって来、現地の刑事と力を合わせる姿を描く。製作総指導はマリオ・カサールとアンドリュー・ヴァイナ、製作・監督・原作・脚本は 「ダブルボーダー」 のウォルター・ヒル、共同製作はゴードン・キャロル、共同脚本はハリー・クライナーとトロイ・ケネディ・マーティン、撮影は 「ダブルボーダー」 のマシュー・F・レオネティー、音楽は 「ウィロー」 のジェームズ・ホーナーが担当。出演は 「バトルランナー」 のアーノルド・シュワルツェネッガー、 「暴力教室 '88」 のジェームズ・ベルーシ、 「ハメット」 のピーター・ボイルほか。

ストーリー
頑強者ぞろいのモスクワ警察特捜部の中でも、超人的な体力と無慈悲なまでに徹底した捜査を行なうことで知られるイワン・ダンコー(アーノルド・シュワルツェネッガー)刑事。ある雪の日、彼は相棒と共に、米ソにまたがる麻薬密売ルートの大ボス、ビクター・ロスタビリ(エド・オーロス)を追いつめていた。だが一瞬の隙にビクターは相棒を殺して逃亡する。半年後、ビクターがシカゴの刑務所にいるとの情報が入り、身柄引き取りのため、ダンコーはひとりで西側最大の犯罪都市シカゴへと向かった。彼を迎えたのは、面倒な規則などものともしない、シカゴ市警のはみだし刑事アート・リジック(ジェームズ・ベルーシ)だった。ダンコーがビクターを連れ、早々とモスクワに帰ろうとしたその時、ガードマンに変装した一団に急襲され、ビクターは所持品の鍵1つを残してあっという間に連れ去られてしまった。信じられない失敗をおかしたダンコーは、モスクワからの帰国命令を無視し、鍵の謎を解きビクターを再び捕えるまでシカゴに残ることを決意した。リジックは上司から煙たがられてダンコーの世話をまかされる。初めは絶えず衝突する2人だったが、いつしか友情らしきものが芽生えていった。やがて、金のために請われてビクターと結婚したというキャット(ジーナ・ガーション)の協力もあって、ビクターと犯罪シンジケートの関係が明らかになってきた。だがダンコーが持っていた鍵は、ダンコーの部屋を襲ったシンジケート一味との銃撃戦の隙に、まんまとビクターに奪われる。麻薬と金を一人占めしたビクターはモントリオール行きのバスを奪って逃げ、ダンコーとリジックもバスで追った。2台のバスは向き合い、お互いにぶつかりそうになるが、ダンコーの握るハンドルをリジックが切ってダンコーのバスは横転。ビクターのバスは列車に激突し、炎上した。何とかそこから抜け出したビクターに向けて、リジックから借りたダンコーのマグナム44が火を吹いた。ようやく敵を倒したダンコーは、今や真の友となったリジックに見送られて、モクスワへの帰途についた。




f22-17. ヴァンパイア

監督 岩井俊二
出演 ケヴィン・ゼガーズケイシャ・キャッスル・ヒューズ蒼井優アデレイド・クレメンスアマンダ・プラマー
2011年・日本=カナダ (ポニーキャニオン) 119分  (PG12)

解説
岩井俊二が 「花とアリス」 以来8年ぶりに手がけた長編劇映画は、ヴァンパイアである高校教師と自殺サイトに集う少女たちの不思議な関係を描くラブストーリー。 「トランスアメリカ」 のケビン・ゼガーズをはじめ、フレッシュなキャストを揃え、カナダを舞台に全編英語で撮り下ろした。自殺願望を抱く留学生に蒼井優が扮する。

ストーリー
アルツハイマーを患う母親ヘルガ(アマンダ・プラマー)と二人で暮らしているサイモン・ウィリアムズ(ケヴィン・ゼガーズ)。高校で生物学を教えており、生徒の一人・ミナ(蒼井優)が自殺を考えていると知ると、死んではいけないと諭す真面目な教師だ。しかしひとたび職を離れると、自殺サイトで血を抜き取る協力者を探し、自殺志願者の間では“ブラッドスティーラー”や“ヴァンパイア”と呼ばれていた。集めた血を飲もうとするが吐いてしまったり、他の殺人犯が女性を殺すところを見て大慌てしたりと、気の弱い面もある。ある日、血を抜き取ることを目的に“ラピスラズリ”という女性に近づくが、集団自殺に巻き込まれそうになる。“レディバード”(アデレイド・クレメンス)という女性とかろうじて迷いの森を脱出したサイモンは、道すがら、自分がヴァンパイアだと話す。それからしばらく経って後、再度自殺を願うレディバードから血の提供の申し出を受けるサイモン。同じ頃、教え子のミナも自殺を企てていた。それは、サイモンにとって最も長い一日の始まりだった……。




f22-18. サン・ロレンツォの夜

監督 ヴィットリオ・タヴィアーニ
出演 オメロ・アントヌッティマルガリータ・ロサーノミコル・グイデッリノルマ・マルテッリクラウディオ・ビガリ
1982年・イタリア (フランス映画社)

解説
第二次大戦も終わりに近い1944年のイタリア中部、トスカーナ地方を舞台に、連合軍を求めての脱出の旅に命を賭ける村人たちの姿を描く。製作はジュリアーニ・G・デ・ネグリ、製作主任はルチアーノ・バルドゥッチ、監督は 「父 パードレ・パドローネ」 のパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟、脚本はタヴィアーニ兄第とジュリアーニ、脚本協力はトニーノ・グエッラ、撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽はニコラ・ピオヴァーニ、編集はロベルト・ペルピニャーニ、美術はジャンニ・ズバッラが担当。出演はオメロ・アントヌッティ、マルガリータ・ロサーノ、ミコル・グイデッリ、ノルマ・マルテッリ、クラウディオ・ビガリ、ミリアム・グイデッリ、レナータ・ザメンゴ、マッシモ・ボネッティ、サビーナ・ヴァヌッキなど。

ストーリー
イタリア中部のトスカーナ地方では、8月10日、聖ロレンツォの日の夜は、愛する人のために流れ星に願いをかけると叶うという言い伝えがあり、この夜も、チュチリアは、愛するわが子に、自分が6歳の時に体験した出来事を聞きとどめてくれることを願って回想するのだった。それは、第二次大戦も終わりに近づいた1944年の夏にさかのぼる。ドイツ軍の占領とファシスト支配が続く中部では、連合軍の北上が待たれていた。この地方の小さな村、サン・マルティーノの郊外の教会では、徴兵を拒否したコラード(クラウディオ・ビガリ)と、すでに身重のペリンディア(ミリアム・グイデッリ)のささやかな結婚式が行なわれていた。そのころパルチザンのニコラ(マッシモ・ボネッテイ)が、仲間のブルーノ(M・スバッリーノ)とフィレンツェから帰ってきた。傷ついたニコラを送り届けたブルーノは、自分の村へと帰っていった。ドイツ軍司令部は人家を爆破することを決定し、村人の全員を教会に集合させる。村の司教からそのことを聞いた人々は、大聖堂に向かうが、ガルヴァーノ(オメロ・アントヌッティ)は、ドイツ軍の罠かもしれないと考え、この村を脱出して連合軍を探しに行こうと決意する。ガルヴァーノと彼に従う一行は日没を待って出発した。チェチリア(ミコル・グイデッリ)も母のイヴァーナ(N・マルテッリ)と一緒にそれに加わった。一方、脱出した一行がいると知ったファシストは、追跡を開始した。ベリンディアの陣痛がはじまり、彼女は母親と村に戻ってゆく。そしておじけずいた者たちが大聖堂ヘと戻っていった。居残り組と戻って来た者たちで、大聖堂ではミサが行なわれた。突然、大爆音が轟き、多くの人々が傷つき、ベリンディアは息絶えた。ガルヴァーノ達は、米軍の居場所を知っているというダンテ(M・モンニ)という人物が率いるパルチザンを求めてアルノ川沿いを進んだ。小麦畑でダンテとその一行に出会ったガルヴァーノらは、彼らと行動を共にする。 翌朝、早起きして友だちと畑に行ったチェチリアは、そこで、二人の米兵にあい、ガムをもらう。一団に戻ったチェチリアは、米軍がいたことを知らせ、人々は喜々としてその場に急ぐが、すでに米兵は姿を消していた。そして人々は、そこにファシストの一団が来ていることを知る。激しい銃撃戦が始まった。チェチリアは仲間たちが次々に死んでゆくのを目のあたりにした。そしてファシストの親子も死んでいった。その夜、ガルヴァーノたちは、サン・タンジェロの村に行き疲れを癒した。ガァルヴァーノはコンチェッタ(マルガリータ・ロサーノ)と同室することになり、彼女に、幼い頃から想いを寄せていたことを告白した。そして二人は結ばれた。翌朝、米軍の第五師団が、この地方の町や村を解放したという知らせが入った。サン・マルティーノに帰る準備をする人々。しかし、ガルヴァーノは、ただ一人この村に残るのだった。話し終えたチェチリアの部室の窓の外では、流れ星が光った。





f22-19. ターミネーター

監督 ジェームズ・キャメロン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガーマイケル・ビーンリンダ・ハミルトンポール・ウィンフィールドランス・ヘンリクセン
1984年・アメリカ (オライオン=ワーナー) 108分

解説
未来からやって来た殺人機械に生命を狙われる女性、彼女を助けようとする戦士を描くSFアクション。ヘムデール提供。製作はゲイル・アン・ハード。エグゼクティヴ・プロデューサーはジョン・デイリーとデレク・ギブソン(ヘムデールの社長と副社長)。監督は 「殺人魚 フライングキラー」 (82)のジュームス・キャメロン。脚本はキャメロンとハードが執筆。撮影はアダム・グリーンバーグ、音楽はブラッド・フィーデル、特別ターミネーター効果はスタン・ウィンストンが担当。出演はアーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マイケル・ビーンなど。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は岡枝槙二。デラックスカラー、ビスタサイズ。1984年作品。

ストーリー
1984年のLA。閃光とともに、全裸の男が出現した。彼こそ2029年の未来からやってきた殺人機械ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)であった。ちんぴらを襲って服を奪い、銃砲店で銃を調達したターミネーターは、電話帳でサラ・コナーの載ったぺージを引き裂き、サラ・コナーという名の女性を2人射殺。ウェイトレスのサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)は恐くなり、テクノワールなるディスコから警察に電話を入れる。一方、家ではルーム・メイトのジンジャー(ベス・マータ)が男友達のマット(リック・ロッソヴィッチ)とセックスをしていた。そこへ、ターミネーターが侵入して2人を射殺。サラからの電話を聞いてターミネーターはテクノワールに行く。サラはあやうく殺されそうになるが、リース(マイケル・ビーン)に救助された。逃げ出す途中、リースが説明する。「今から数年後、核戦争が勃発し世界は壊滅。コンピューターが権力を握り、人間はほとんど全滅しかかっている。だが、ジョン・コナーという男がリーダーとなって人間側が優勢になった。機械側は殺人機械を作り、ジョンの誕生を阻止するため、タイム・マシーンで1984年に送り出した。僕はジョンの母親の貴女を助けるために来た」。リースとサラをターミネーターが執拗に追ってきた。カイルとサラは警官隊に囲まれ、署に連行された。トラクスラー警部(ポール・ウィンフィールド)とヴコヴィッチ刑事(ランス・ヘンリクセン)は、リースの話を信じようとしない。そこヘターミネーターが襲撃して来た。必死でリースとサラは逃亡し、とあるモテルにとまる。リースは「ジョンから君の写真をもらい、君に恋した。だから、この作戦に志願したんだ」という。2人は抱きあった。ターミネーターがここにもやってきた。また2人は逃げ出す。倒されても倒れても起きあがってくる夕ーミネーター。2人は工場に逃げ込んだ。リースはついに力つき死亡。サラは圧延機でターミネーターを押しつぶした。リースの子をみごもったサラは、やがて生まれてくるジョンのため組織作りのやり方、戦法を学ぼうと思うのだった。(オライオン=ワーナー配給*1時間35分)




22-20. エンド・オブ・ザ・ワールド

監督 ローリーン・スカファリア
出演 スティーヴ・カレルキーラ・ナイトレイコニー・ブリットンアダム・ブロディロブ・コードリー
2012年・アメリカ (ミッドシップ=ツイン) 101分

解説
小惑星の衝突による人類滅亡の危機が迫る中、かつての恋人に会いに行こうとする中年男と隣人女性の奇妙な旅をユーモアに包んだ温かなタッチで描く。出演は 「ラブ・アゲイン」 のスティーヴ・カレル、 「危険なメソッド」 のキーラ・ナイトレイ。監督は、 「キミに逢えたら!」 などの脚本も手掛ける女優のローリーン・スカファリア。

ストーリー
小惑星マチルダが地球に接近。衝突を回避するための破壊作戦が実行されたものの、失敗に終わり、人類の滅亡が避けられないと判ったその日。保険セールスマン、ドッジ(スティーヴ・カレル)の妻は何も告げずに去っていった。小惑星衝突まであと3週間。周囲の人間が酒やドラックに溺れる中、普段と変わらない生活を送るドッジは、隣に暮らす奔放な女性ペニー(キーラ・ナイトレイ)と初めて言葉を交わす。“イギリスにいる両親に2度と会えなくなってしまった”と嘆くペニーから、彼女のもとに誤配達された自分宛の手紙を渡されたドッジは、その中に、かつて心ならずも別れた最愛の女性オリヴィアの名前を見つける。暴動が起きた夜、ペニーを救出したドッジは、2人で街を脱出し、人生の最後にオリヴィアを探す旅に出る……。





f22-21. 第七の封印

監督 イングマール・ベルイマン
出演 マックス・フォン・シドーグンナール・ビヨルンストランドビビ・アンデショーンニルス・ポッペベント・エケロート
1957年・スウェーデン (東和) 96分

解説
野いちご」 「処女の泉」 のイングマール・ベルイマンの生と死の問題を鋭く追究した思想ドラマ。題名はヨハネ黙士録からとったという。撮影はグンナル・フィッシェル、音楽はエリク・ノルドグレンら、ベルイマンの協力達、主演は 「処女の泉」 のマックス・フォン・シドー、 「野いちご」 のグンナール・ビヨルンストランド、同じくビビ・アンデショーン、舞台俳優ベント・エーケロート、スェーデンのコメディアン、ニルス・ポッペなど。一九五七年カンヌ映画祭で 「審査員特別賞」 を受賞している。

ストーリー
騎士アントニウス(マックス・フォン・シドー)は十字軍の遠征を終え、従者ヨンス(グンナール・ビエンストランド)を従えて、十年もの苦戦と長旅に憔悴していた。懐疑的になっていた彼に死神が訪問する。死期が迫っていることを悟るが、死神にチェスの試合をいどみ、勝負がつくまで生命の猶予を乞うた。彼等の行く手には、疫病がはびこり、邪教は跳染していた。彼は神の存在というもの、啓示を求めたが、祭壇にひざまづく度に死神に邪魔された。帰途につく彼等の前に、手品師の夫婦ヨフ(ニルス・ポッペ)とミア(ビビ・アンデショーン)が現われたとき、アントニウスは彼等の素朴さの中に生への希望を見た。途中アントニウスは魔女の処刑を目撃し、またも懐疑的になった。そして、死神というものが、“悪”に対して、“善”のものよりも、より残酷に積極性を示すことを知り、ようやく生と死の意味を多少とも知ることが出来た。森のはずれで、死神とのチェスの試合はつづく。だが、手品師夫婦の命を狙っていると知った騎士は、駒を乱して死神の気をそらし、助けてやった。夜道は嵐になり、すさまじい風の唸りとともに死の影が通りすぎた。一行はアントニウスの家にたどりつき、一同のささやかな食卓を囲んで祈りを始める。「而して小羊、第七の封印を解き給いたれば……」そのとき、音もなく死神が現れた。彼らは思い思いに死の意味を悟り、その訪れを敬虔に迎え入れた。死神に導かれて手をつなぎ踊りながら昇っていく騎士達の姿をヨフは眼のあたりにみた。





22-22. きみがくれた未来

監督 バー・スティアーズ
出演 ザック・エフロンアマンダ・クルーチャーリー・ターハーンキム・ベイシンガーレイ・リオッタ
2010年・アメリカ (東宝東和) 99分

解説
「ハイスクール・ミュージカル」 の人気スター、ザック・エフロン主演のファンタジー。固い絆で結ばれた弟を亡くし、苦悩する青年が弟のゴーストと出会い、自らの人生を見つめ直す姿が描かれる。兄弟の母親役に扮したキム・ベイシンガーや、レイ・リオッタといった往年の名スターが脇を固める。

ストーリー
チャーリー・セント・クラウド(ザック・エフロン)は、女手一つで家計を支える母のクレア(キム・ベイシンガー)、自分を慕う11歳の弟サム(チャーリー・ターハン)とともに暮らす高校生。ヨットの才能に恵まれた彼は、スポーツ奨学金を得て大学進学が決まっていた。だが、卒業式の夜が運命を変えた。大規模な自動車事故に遭遇した彼は、奇跡的に命を取り留めるが、同乗していたサムは帰らぬ人となる。弟を守れなかったことに強い罪悪感を覚えるチャーリー。葬儀の最中、いたたまれなくなった彼は、逃げるように墓地の裏手の森へ駆け込む。かつて2人は、ここで一緒に野球の練習をすることが日課となっていた。だが今はもう、キャッチボールの相手はいない……。その時、目の前に赤いジャンパーを着たサムが現れる。驚きながらも弟との再会を喜ぶチャーリー。2人はこれから毎日、夕暮れの時間に何があってもこの場所で練習を続けるという約束を交わすのだった。そして5年後。進学もヨットも諦めたチャーリーは、約束を守るため、サムを埋葬した墓地の管理人として暮らしていた。ところが、高校の同級生で、ヨットレースのライバルだったテス(アマンダ・クルー)が故郷へ戻ってきたことを知り、彼の心は揺れ動く。自分が失った夢を追い続けている彼女に、眩しさと羨ましさを覚えるチャーリー。心の中で、日増しにテスのウェイトが重くなっていく。そんな兄の変化を敏感に感じ取るサム。テスと一緒にいると、サムが遠くなってしまう。弟を失いたくない気持ちと、テスへの想いの間で揺れ動く。やがて訪れる選択の時。嵐の海でテスが遭難。捜索が難航する中、チャーリーは迷うことなく救出に向かう。事故以来、出ることのなかった海へ。テスを捜し続けるチャーリー。サムとの約束の時間が過ぎてゆく。“ごめん、約束を破るよ”チャーリーが森で待ち続けるサムにそう呼びかけた時、想像もしなかった奇跡が起こる……。





22-23. 父親たちの星条旗  

監督 クリント・イーストウッド
出演 ライアン・フィリップジェシ・ブラッドフォードアダム・ビーチバリー・ペッパージョン・ベンジャミン・ヒッキー
2006年・アメリカ (ワーナー・ブラザース) 132分

解説
2度のアカデミー賞監督賞を受賞したクリント・イーストウッドが、スピルバーグを製作に迎えた戦争映画。太平洋戦争の激戦地・硫黄島をアメリカ側の視点から描いている。

ストーリー
一人の老人が最期の時を迎えようとしている。ジョン・“ドク”ブラッドリー。1945年、衛生兵として硫黄島の戦いに赴き、そこで撮られた一枚の写真によって英雄と讃えられた男だった。しかし彼は戦争について、写真について沈黙を守り通した。それは何故だったのか?彼の息子が今、真実を辿り始める……。硫黄島に上陸したアメリカ軍は予想をはるかに上回る日本軍の反撃に遭い、苦戦を強いられていた。そんな中、山の頂上に翻った星条旗。その一枚の写真がアメリカ中を熱狂させ、旗を掲げている六人の兵士たちを英雄に祭り上げた。しかし戦闘から生還できたのは三人だけだった。ドク(ライアン・フィリップ)、アイラ(アダム・ビーチ)、そしてレイニー(ジェシー・ブラッドフォード)だ。祖国に帰った三人は政府の戦時国債キャンペーンに担ぎ出される。熱狂的な歓迎を受ける三人。しかし英雄扱いされればされるほど彼らの苦悩は深くなっていった。凄惨な戦場体験とのギャップ、例の写真が英雄的行為とは程遠いものであったという真実、そして実際に写っている兵士と英雄視された兵士の取り違え。特に感情的なアイラは酒に溺れていった。見かねた上官はアイラを戦場に送り返してしまう。レイニーも結婚を機にキャンペーンから外れ、最後にはドク一人が残った。この体験は三人のその後の人生にも深い影響を残した。アイラは不安定な生活を送り続け、ある日酔いつぶれた状態で死亡していた。レイニーはキャンペーンの伝を頼って就職しようとしたが既に過去の存在と見なされ、うだつの上がらぬままに一生を終えた。ドクは地道に葬儀屋を営み、残りの人生を家族に捧げた。そして今、その息子が硫黄島と写真にまつわる事実を調べ上げた。臨終の床で父は、一人の忘れられない兵士の話をした。その兵士の一番の思い出、それは束の間の平和な時、仲間たちで海に入り少年に戻ったようにはしゃぎまわった時の幸福な記憶だった。





f22-24. ローラーガールズ・ダイアリー

監督 ドリュー・バリモア
出演 エレン・ペイジマーシャ・ゲイ・ハーデンクリステン・ウィグドリュー・バリモアジュリエット・ルイス
2009年・アメリカ (ギャガ) 112分  (PG12)

解説
女優ドリュー・バリモアの監督デビュー作。あるスポーツとの出会いから、青春を謳歌するようになる少女の姿をさわやかに描き出す。主演は 「JUNO ジュノ」 のエレン・ペイジ。

ストーリー
17歳の女子高校生ブリス・キャベンダー(エレン・ペイジ)は、テキサスの退屈な田舎町ボディーンで生まれ育った。母親ブルック(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は美人コンテストにハマっており、かつて自分が出場したミス・ブルーボンネット大会で優勝することだけが娘の人生の成功だと信じていた。そんな生活に違和感を覚えるブリスは親友パシュ(アリア・ショウカット)と、少し都会の隣町オースティンに出かける。そこでローラーゲームと出会ったブリスは、女性らしさとは無縁でワイルドにぶつかり合い、個性を称え合うローラーゲームの世界にすっかり魅了される。ブリスは家族に内緒で年齢を偽り、負けん気は強いが勝利の少ないチーム、ハール・スカウツの新人発掘トライアルに参加する。天性のスピードで入団を認められたブリスは、昼は学校とダイナーでのウェイトレスのバイト、夜はローラーゲームの練習というめまぐるしい日々を送り始める。敵対するチーム、ホリー・ローラーズのアイアン・メイビン(ジュリエット・ルイス)のような凄まじいライバルとも臆することなく対峙したり、バンドマンのオリヴァー(ランドン・ピッグ)と恋におちたりしながら、ブリスは新しい世界でヒロインになりつつあった。しかし彼女の活躍は、内緒にしていた家族の耳に届いてしまう。




f22-25. ヨーク軍曹

監督 ハワード・ホークス
出演 ゲイリー・クーパーウォルター・ブレナンジョーン・レスリーワード・ボンドマーガレット・ウィチャリー
1941年・アメリカ

解説
第一次世界大戦で活躍したヨーク軍曹の伝記映画。脚本はエイベム・フィンケルとハリー・チャンドリー、ハワード・コッチ、ジョン・ヒューストンが共同で執筆。製作はジェシー・L・ラスキー、ハル・B・ウォリス、監督はハワード・ホークス、撮影はソル・ポリート、音楽はマックス・スタイナー、レオ・F・フォーブステイン、編集はウィリアム・ホームズが担当。出演はゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、ジョーン・レスリー、ワード・ボンド、マーガレット・ウィチェリーなど。

ストーリー






f22-26. レ・ミゼラブル (吹替)

監督 ビレ・アウグスト
出演 リーアム・ニーソンジェフリー・ラッシュユマ・サーマンクレア・デインズハンス・マセソン
1997年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 133分

解説
ジャン・バルジャンの波乱万丈の人生を描いた大河ロマン。ビクトル・ユーゴーの名作 「ああ無情」 の映画化。監督は 「ペレ」 「愛と精霊の家」 の名匠ビレ・アウグスト。脚本は 「死と乙女」 のラファエル・イグレシアス。製作は 「マイ・ビューティフル・ランドレット」 のサラ・ラドクリフと、 「山猫は眠らない」 のジェームズ・ゴーマン。撮影のイェルゲン・ぺーション、編集のヤヌス・ビレスコフ=ヤンセン、美術のアンナ・アスプはアウグスト作品の常連。衣裳は 「エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事」 のガブリエラ・ペスクッチ。出演は 「マイケル・コリンズ」 のリーアム・ニーソン、 「シャイン」 のジョフリー・ラッシュ、 「ガタカ」 のユマ・サーマン、 「レインメーカー」 のクレア・デーンズほか。

ストーリー
1812年のフランス。仮出獄したジャン・バルジャン(リーアム・ニーソン)は老司教(ピーター・ボーン)のところから銀食器を盗み警察に捕まるが、この出来事でバルジャンの心は変化する。9年後。バルジャンは市長になっていた。そこへかつて彼に鞭をふるったジャベール警部(ジェフリー・ラッシュ)が赴任してきた。その頃、職を追われたファンテーヌ(ユマ・サーマン)は娼婦となったが、いさかいで逮捕されてしまう。事情を知ったバルジャンは病身の彼女を手厚く看護する。同じ頃、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、自分が本物のバルジャンだと名乗り出る。再び追われる身となった彼は死の淵のファンテーヌに娘を引き取ることを誓う。彼女の娘コゼットを連れ出しパリへ潜入し、修道院の庭師として働くことになった。10年後、二人は俗世界に居を構える。そこでコゼット(クレア・デーンズ)は青年革命家のリーダー、マリユス(ハンス・マセソン)と愛し合うようになる。市街戦が起こり、マリユスらに囚われたジャベールをバルジャンは解放する。だが今度は負傷したマリユスを背負ったバルジャンをジャベールが逮捕する。死を決意したバルジャンが目にしたものは、自ら川に身を投げるジャベールであった。





f22-27. 人生の特等席

監督 ロバート・ロレンツ
出演 クリント・イーストウッドエイミー・アダムスジャスティン・ティンバーレイクジョン・グッドマンマシュー・リラード
2012年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 111分

解説
クリント・イーストウッドの 「グラン・トリノ」 以来4年ぶりの主演作となるハートウォーミング・ストーリー。年老いたメジャーリーグのスカウトマンと、わだかまりを感じつつも父親の最後の旅に同行することになったひとり娘との絆を描く。娘役を演じるのは、アカデミー賞で3度のノミネート歴があるエイミー・アダムス。

ストーリー
家庭を顧みず、メジャーリーグ・スカウトマンとして生きてきたガス(クリント・イーストウッド)は長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたが、ここのところ年のせいで視力が衰えてきていた。彼の最後のスカウトの旅に手を貸したのは、父との間にわだかまりを感じ続けてきたひとり娘のミッキー(エイミー・アダムス)だった。妻を亡くし、男手ひとつで育てようとして育てられなかった父娘の旅の最後にそれぞれが見つけた人生の特等席とは……。




22-28. WHO AM I? (吹替)

監督 ベニー・チャン
出演 ジャッキー・チェンミシェル・フェレ山本未來ロン・スメルチャクエド・ネルソン
1998年・香港 (松竹) 120分

解説
記憶を失った特殊工作員の奮戦を描くアクション。監督・脚本・アクション指導・主題歌はジャッキー・チェン(共同監督はベニー・チャン)。製作のバービー・タン、製作総指揮のレナード・ホーはジャッキー作品の常連。撮影はブーン・ハンサン。共演は本作でジャッキーに抜擢されて映画デビューを果たした 「CNNヘッドライン」 の元パーソナリティのミシェル・フェレ、 「不夜城」 の山本未来ほか。

ストーリー
某国特殊工作員ジャッキー(ジャッキー・チェン)は、オーストラリアで驚異のパワーを秘めた隕石とその研究者の拉致に成功。ところがアフリカ奥地での任務終了後、工作員たちが乗ったヘリは墜落、ジャッキーだけを残して全員が死亡した。原住民によって命を救われたジャッキーは記憶の一切を失い、つい発した「フー・アム・アイ?(僕は誰だ?)」の言葉から“フーアムアイ”と名付けられ、部族の一員として迎えられた。そんなある日、サファリの彼方にロードラリーを目撃したジャッキーは文明社会に戻るため旅立つ。ラリー途中で事故に遭ったユキ(山本未来)ら日本人兄妹を驚くべき手並みで助けたジャッキーはゴールにたどりつくと病院に直行、そこでフランスの新聞記者クリスティーン(ミシェル・フェレ)に会う。いっぽう、黒幕の隕石で超強力兵器を製造して一財産を築こうとした黒幕のシャーマン将軍(エド・ネルソン)とその配下でCIAエージェントのモーガン(ロン・スメルザック)は、始末したはずのジャッキーの生存を知るや、ジャッキーの抹殺を画策。ジャッキーはユキとクリスティーンの助けで難を逃れ、敵との戦いで得た部隊の暗号コードをクリスティーンが解読、敵はアムステルダムにいると知り、ふたりは同地へ。ところがクリスティーンは自分は彼の味方のCIAの一員だと告白。誰も信用できなくなった彼は単身モーガンらがいる敵の本拠地に踏み込む。そこで彼はシャーマンとマフィアの頭目との取引の現場を目撃、ようやく自分たち工作員が利用された真相を知る。ジャッキーはすきをついて兵器のデータの入ったディスクを奪って孤軍奮闘、モーガンは助けに駆けつけたクリスティーンによって捕らえられるのだった。




f22-29. CHAOS カオス (吹替)

監督 トニー・ジグリオ
出演 ジェイソン・ステイサムライアン・フィリップウェズリー・スナイプスヘンリー・ツァーニージャスティーン・ワデル
2005年・カナダ、イギリス、アメリカ (アートポート) 107分

解説
トランスポーター」 のジェーソン・ステイサムら個性派俳優たちが火花を散らすクライム・アクション。強盗犯と刑事の息づまる駆け引きを、予測不可能なストーリー展開で描き出す。

ストーリー
武装した黒づくめの5人の強盗団がシアトル・グローバル銀行を襲撃した。従業員らを人質に立てこもる彼らだが、警官隊が到着、完全に包囲されてしまう。冷静沈着なリーダー、ローレンツ(ウェズリー・スナイブス)は警察に対し、交渉人として、以前パール橋事件で人質を死なせてしまい謹慎処分中であるコナーズ刑事(ジェイスン・ステイサム)を指名。コナーズの上司であるジェンキンス(ヘンリー・ツェーニー)は、謹慎を解く代わりに新人のデッカー(ライアン・フィリップ)を組ませることを提案。早速交渉を始めるコナーズに対し、ローレンツは“混沌<カオス>の中にも秩序はある”という謎めいた言葉を発した。コナーズは慎重に銀行に乗り込もうと計画。だが、SWATチームの身勝手な行動から予定外の爆破が起きる。人質の大半は混乱の中から救助されたが、強盗たちは逃亡。不思議なことに、銀行からは何も盗まれなかった。コナーズはTVカメラマンが撮影したテープをチェックし、過去に犯罪歴のあるリチャーズ(タイ・オルソン)の姿を発見。デッカーは銃撃戦の末、リチャーズを逮捕する。その際、別の事件で押収され署の証拠保管室にあるべき5万ドルを発見し、コナーズは警察に内通者がいると推理する。その後、2人が容疑者である汚職刑事カーロ(ジョン・カッシーニ)の自宅へ行くと、彼は殺害されていた。そこに、「お前はクビを免れた。俺が罰する」という、ローレンツからコナーズへ挑戦状が叩きつけられる。さらに、ローレンツのもとに共犯者が集まるというリチャーズの情報を得たコナーズとデッカーに、大きな罠が襲い掛かる。そして、強盗団の真の目的とローレンツの正体が徐々に明らかになる……。




f22-30. 花様年華

監督 ウォン・カーウァイ
出演 トニー・レオンマギー・チャンレベッカ・パンライ・チンスー・ピンラン
2000年・香港 (松竹) 98分

解説
鬼才ウォン・カーウェイがトニー・レオン&マギー・チャン共演でおくる珠玉のラブ・ストーリー。家庭を持つ貞淑な男女の禁断の愛と葛藤を、匂いたつような情感たっぷりにつづる。

ストーリー
1962年、香港。新聞記者のチャウ(トニー・レオン)と、商社で秘書として働くチャン(マギー・チャン)は、同じ日に同じアパートへと越してきて隣人となった。大家のスーエン夫人(レベッカ・パン)の仲立ちもあり親しくなる二人だが、ある日、一緒に昼食を取った際、お互いの伴侶が不倫関係にあることを知ってしまう。それ以来、二人は頻繁に密会するようになり、やがて愛が芽生える。しかしそれを禁じられた愛とする彼らの間には重苦しい空気が漂いはじめ、まもなくチャウはシンガポールへと旅立つ。1966年。息子を連れたチャンがスーエン夫人に会いにくる。同じ頃、チャウも香港を訪れるが、すれ違いに終わった。そしてカンボジア。仕事で当地を訪れていたチャウは、アンコールワットの壁の穴に自らの秘めた思いをつぶやいて去っていくのだった。




22-31. 小さな恋のメロディ

監督 ワリス・フセイン
出演 ジャック・ワイルドマーク・レスタートレイシー・ハイドシーラ・スティーフェルジェームズ・カズンス
1971年・イギリス (ヘラルド) 分

解説
恋をした十一歳の男の子と女の子を中心に子供たちの純粋な行動が周囲の大人たちをとまどわせ、困らす数々の事件を起こしていく。製作はデイヴィッド・パトナム、監督はワリス・フセイン、脚本はアラン・パーカー、音楽はビージーズが〈メロディ・フェア〉〈ファースト・オブ・メイ〉〈イン・ザ・モーニング〉を、クロスビー・スティルズ・ナッシュ・アンド・ヤングが〈ティチ・ユア・チルドレン〉を演奏している。出演は 「オリバー!」 のマーク・レスター、ジャック・ワイルド、トレイシー・ハイド、他にシーラ・スティーフェル、ジェームズ・カズンス、ケイト・ウィリアムスなど。

ストーリー
少年軍の帰り、ダニエル・ラティマー(M・レスター)を迎えに来た母親(S・スティーフェル)の車に勝手に乗り込んだのがトム・オーンショー(J・ワイルド)だった。二人は同級生。イギリス国教のコチコチ神父が校長(J・カズンス)の学校だが、生徒はのびのびとし、彼らの世界は生き生きとしていた。オーンショーは中でもガキ大将である。ダニエルは気の弱い美少年だが、なぜか気の合う二人は学校の帰りバスに乗って繁華街に遊びに行き、街中駈けめぐって楽しい時を通した。二人は互いに心の友を持ち合った気がした。夕方、遊びに夢中で遅くなったと気づいた時、ダニエルは料金が高いタクシーを呼び止めトムもやむなく乗った。金持ちの家に育ったダニエルに、トムは嫉妬を感じるが、ダニエルにはよく呑み込めない。ある日、学校で女子生徒がバレエの練習をしているのをのぞき見して見つかるが、その中に素敵な女の子を発見し、ダニエルは魅せられてしまう。それ以来、ダニエルは勉強も手につかず、おまけに運動会では、彼女の顔を思い浮べ夢中に走って一等になってしまったりの毎日が続いた。彼女の名はメロディ(T・ハイド)。ダニエルはいつもメロディの後からついて歩いていき、メロディも友達からダニエルの恋心を知らされ、次第にダニエルの優しさに魅かれていった。宿題を忘れたダニエルとトムは放課後先生からお尻をしたたか殴られるが、泣き顔で先生の部屋から出てきたダニエルをメロディが待っていた。トムは嫉妬を感じて引き止めようとするがダニエルとメロディは駆け出して行った。墓地で語りあう二人は互いに愛を感じて楽しい時を持った。翌日、学校を休んで二人は海岸へ遊びに行き夏の太陽と潮風を思い切り浴びた。「結婚してくれるかい?」「いつかね。でもどうして大人は結婚するとダメになるのかしら?」「きっと、わかりすぎるからだ」「全部わかっちゃうからね」翌日、学校で校長にお説教されるが、そこで二人は宣言する。「ほくたち結婚します」教室に戻ったダニエルをトムを筆頭としてクラスメートが、からかった。怒ったダニエルはトムととっくみあいの喧嘩となったが、先生に引きわけられたとき、トムはダニエルに謝った。そして二人を結婚させてやろうと思った。昼休みが済んでも生徒たちは教室に戻らなかった。ダニエルの母親から「ダニエルが駈け落ちした」と電話があり、校長が調べてみると、二人の結婚式だと言うのだ。先生たちとダニエルの母親はあわてて式の会場の線路下の廃墟へとんで行った。線路下ではトムが牧師の役で厳粛な式が行なわれていた。「先生たちがきたぞ!」という声に生徒たちは逃げ出した。つかまえようとする先生たちと大騒ぎとなったが多勢に無勢、とうとう疲れ果てた先生たちはあきらめて引きあげていった。トムとダニエルとメロディはトロッコの置いてある野原にやってきた。トムは二人を乗せ、笑って送り出した。トロッコは花咲く美しい野原をどこまでも走っていった。




f22-32. コマンドー (吹替)

監督 マーク・L・レスター
出演 アーノルド・シュワルツェネッガーレイ・ドーン・チョンダン・ヘダヤヴァーノン・ウェルズジェームズ・オルソン
1985年・アメリカ (20世紀フォックス) 92分

解説
娘を誘拐された元コマンドー隊員の超人的活躍を描くアクション映画。製作はジョエル・シルヴァー。監督は 「炎の少女チャーリー」 (84)のマーク・L・レスター。ジョゼフ・ローブIII世、マシュー・ワイズマン、スティーヴン・E・デ・スーザの原案に基づいてスティーヴン・E・デ・スーザが脚本を執筆。撮影はマシュー・F・レオネッティ、音楽はジェームズ・ホーナーが担当。出演はアーノルド・シュワルツェネッガー他。ドルビー・ステレオ。

ストーリー
かつてコマンドーのリーダーとしてならしたジョン・メイトリックス(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、11歳の娘ジェニー(アリッサ・ミラノ)と山荘にひき込もり静かな生活をおくっていた。ある日上司だったカービー将軍(ジェームズ・オルスン)が来て、最近メイトリックスの部下だった者が次々に殺されていることを告げ、2人の兵を護衛として残して去った。間もなく、敵が山荘を襲い、ジェニーをさらっていった。後を追ったメイトリックスはつかまり、麻酔弾を射ち込まれた。気がつくと、南米バル・ベルデの元大統領アリアス(ダン・ヘダヤ)がいた。かつてコマンドーは独裁者だった彼を追放し、民主的に選ばれた大統領を政権につける工作をしたことがあった。アリアスのそばにベネツト(ヴァーノン・ウェルズ)がいた。彼もコマンドー隊員だったが、あまりに人を殺しすぎるので、メイトリックスに追われ、復讐の機会を狙っていたのだ。アリアスはジェニーの生命と引き換えに、現大統領の暗殺を命じた。メイトリックスはサリー(デイヴィッド・パトリック・ケリー)につれられて、バル・ベルデ行きの飛行機に乗せられたが、黒人用心棒の首をひねり、離陸直後の飛行機から飛びおりた。飛行機がつくまでの11時間内に救出しなければ、娘の生命はない。黒人スチュワーデスのシンディ(レイ・ドーン・チョン)を脅して、彼女の車でサリーを尾行、ショッピング・センターで大乱闘をやったあと、サリーの服からモテルの鍵を見つけた。そのモテルで黒人殺し屋クック(ビル・デューク)を待ち伏せて殺害。クックの車から飛行機の給油の請求書を見つけて、給油所に行く。ここのオフィスで海図を見つけ、サンタ・バーバラ近くの島があやしいということが判明。軍用品放出店に侵入し武器を調達していて警察につかまるが、シンディのおかげで脱出に成功した。シンディ操縦の水上飛行機で、メイトリックスは島に行き、時限爆破装置を兵舎にしかける。次々に兵舎は爆発。敵兵の発射する弾丸の嵐の中をメイトリックスは鬼神の如き形相で走り抜け、敵兵数百名を抹殺し、アリアスも射殺。ジェニーはとじ込められている部屋を逃げ出し、ボイラー室に隠れるが、ベネットにつかまってしまう。メイトリックスは1対1の勝負を挑む。死闘の末に、鉄パイプがベネットの腹を貫き、先端から湯気が出た。ヘリコプターでやって来たカービー将軍のカムバック要請を断ったメイトリックスは、娘を抱きしめながら、シンディとともに水上飛行機で島を後にする。





f22-33. バンド・ワゴン

監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 フレッド・アステアシド・チャリシーオスカー・レヴァントジャック・ブキャナンジェームズ・ミッチェル
1953年・アメリカ (MGM映画会社) 112分

解説
巴里のアメリカ人」 のコンビ、製作アーサー・フリード、監督 ヴィンセント・ミネリの手になるテクニカラーのミュージカル1953年作品である。主演は 「イースター・パレード」 のフレッド・アステアと 「雨に唄えば」 のシッド・シャリッシという新チーム。オリジナル・シナリオは 「雨に唄えば」 のライター・チーム、ベティ・カムデン=アドルフ・グリーンの共作で、音楽監督は、 「ショウ・ボート(1951)」 のアドルフ・ドイッチェ、撮影は 「彼女は2挺拳銃」 のハリイ・ジャクスンの担当。歌曲はハワード・ディーツ作詞、アーサー・シュワルツ作曲で、ミュージカル場面の振付にはマイケル・キッドがあたった。アステア、チャリッシをめぐって、オスカー・レヴァント( 「巴里のアメリカ人」 )、ブロードウェイのミュージカル・スタア、ナネット・ファブレイ、ジャック・ブキャナンらが助演。

ストーリー
ダンス映画でその名を謳われたトニイ・ハンター(フレッド・アステア )も、いまや自分の人気が下り坂になったことを悟らねばならなかった。そこへブロードウェイ時代からの親友レスター(オスカー・レヴァント)とリリー(ナネット・ファブレイ)のマートン夫妻が、とくにトニイのためにミュージカル・コメディを書きあげたからといって、しきりに誘いをかけて来た。トニイは舞台に自信がもてずためらったが、やはりニュー・ヨークへ行く決心をした。マートン夫妻の新作は、「バンド・ワゴン」といったが、かれらの売り込みに乗って来たのは、高尚な芸術を目指すジェフリイ・コードヴァ(ジャック・ブキャナン)という男で、彼は「バンド・ワゴン」を「ファウスト」の近代的音楽劇化に折込もうとした。これを知ってトニイやマートン夫妻はがっかりしたが、ジェフリイが説得上手のうえに金蔓もにぎっているので、彼のアイディアをそのまま受け入れることにした。ジェフリイはトニイの相手役に意表をついてクラシック・バレエの新星ガブリエル“ギャビイ”・ジェラード(シド・チャリシー)を選んだ。トニイとギャビイは新しい仕事への不安で、初めから喧嘩をしたが、ある夜、2人だけで語り合い、お互いの誤解やわだかまりもすっかり解けた。いよいよ芸術的「バンド・ワゴン」はニュー・ヘヴンで幕をあけたが、ジェフリイのあまりにも現代ばなれしたアイディアのため、興行は惨々な失敗に終った。だがトニイやマートン夫妻は自分たちの「バンド・ワゴン」をあきらめなかった。トニイは今度の失敗はジェフリイが楽しさを盛り込むことを忘れたためだと考え、踊りや歌に明るく楽しい創意を加えたショウに作りあげた。そして公演のために、トニイは自分の秘蔵の絵画をみんな売り払った。自分の非をみとめたジェフリイもこの新しいショウに参加することになった。トニイたちはニューヨーク公演に大事をとって、まず地方都市を打って回った。この巡業中、トニイのビャビイを愛する気持ちは次第につのっていったが、彼はこれを自分の胸一つにおさめ、淋しくあきらめていた。しかし、ギャビイも心秘かにトニイを愛していたのだ。ブロードウェイの披露公演は大成功だった。そのお祝いのパーティで、ギャビイはトニイに愛を打ち明け、トニイの喜びは絶頂に達した。




f22-34. P.S.アイラヴユー

監督 リチャード・ラグラヴェネーズ
出演 ヒラリー・スワンクジェラルド・バトラーリサ・クドローハリー・コニック・ジュニアジーナ・ガーション
2007年・アメリカ (ムービーアイ=東宝東和) 126分

解説
若手作家セシリア・アハーンが21歳の時に発表した純愛小説を、人気スター共演で映画化。亡き夫からの手紙に励まされ、生きる希望を取り戻していく女性の姿を描く感動ドラマだ。

ストーリー
ニューヨークに住むホリー(ヒラリー・スワンク)とジェリー(ジェラルド・バトラー)は、時に喧嘩をしつつも幸せな日々を送る夫婦だった。だが、二人を突然の悲劇が襲う。ジェリーが脳腫瘍に冒され、亡くなってしまったのだ。陽気で情熱的、歌好きなアイリッシュの夫を失ったホリーは失意のどん底に突き落とされ、家に引きこもってしまう。ホリーの30歳の誕生日。心配して訪れた母親パトリシア(キャシー・ベイツ)が目にしたのは、荒んだ生活を送るホリーの姿だった。そこへ突然、贈り物が届けられる。その箱に入っていたのは、ジェリーが残したメッセージ入りのテープレコーダーとバースデーケーキだった。思わぬ贈り物に喜びと驚きを隠せないホリー。彼女は、“友達と誕生日を祝ってくるように”というジェリーからのメッセージに従って夜の街へ繰り出すのだった。翌日、二日酔いのホリーのもとへジェリーからの手紙が届く。それは、前夜のメッセージにあった“これからいろんな方法で僕から手紙が届く”という約束どおりだった。以後、様々な方法でジェリーから消印のない手紙が次々と届く。その手紙の最後は、必ず“P.S.アイラヴユー”という言葉で締められていた。元気を取り戻したホリーは手紙に従って、二人が初めて出会ったジェリーの故郷アイルランドを訪れる。親友とともに釣りを楽しみ、バーを訪れるホリー。だが、そこで知り合ったウィリアム(ジェフリー・ディーン・モーガン)が“ゴールウェイ・ガール”を歌い出したとたん、店を飛び出してしまう。それは、ジェリーと出会ったときの思い出の曲だったのだ。現実に引き戻され、突然の孤独感に襲われたホリーは、どうしようもない寂しさをパトリシアにぶつける。そして、ついに届いた最後の手紙。だが、そこからが彼女の本当の人生の幕開けだった……。




f22-35. ブラック・スワン (吹替)

監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ナタリー・ポートマンヴァンサン・カッセルミラ・クニスバーバラ・ハーシーウィノナ・ライダー
2010年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 108分  (R15+)

解説
「レスラー」 のダーレン・アロノフスキー監督が、ナタリー・ポートマンを主演に迎えて描く心理サスペンス。踊ることに全身全霊をかけているニューヨークのバレエ団のバレリーナが、プリマ・バレリーナの座を巡る争いの中で次第に精神的苦痛を募らせていく姿を描き、各国の映画祭で高い評価を受けている。

ストーリー
ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、元ダンサーの母親・エリカ(バーバラ・ハーシー)の寵愛のもと、人生の全てをバレエに捧げていた。そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。だが純真な白鳥の女王だけでなく、邪悪で官能的な黒鳥も演じねばならないこの難役は、優等生タイプのニナにとってハードルの高すぎる挑戦であった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー、リリー(ミラ・クニス)の出現も、ニナを精神的に追いつめていく。やがて役作りに没頭するあまり極度の混乱に陥ったニナは、現実と悪夢の狭間をさまよい、自らの心の闇に囚われていくのだった……。





22-36. ポセイドン

監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 カート・ラッセルジョシュ・ルーカスリチャード・ドレイファスエミー・ロッサムジャシンダ・バレット
2006年・アメリカ (ワーナー・ブラザース) 98分  (x">IMAX指定)

解説
海洋パニック・アクションの名作 「ポセイドン・アドベンチャー」 をカート・ラッセルら豪華キャストでリメイク。惨事に見舞われた豪華客船の乗員たちのサバイバルを描く。

ストーリー
大晦日の夜。北大西洋を航海中の豪華客船ポセイドン号ではパーティーが始まっていた。ダンスホールに集った乗客たちは、ブラッドフォード船長(アンドレ・ブラウアー)の乾杯の音頭でシャンパン・グラスを上げる。だが宴が最高潮に達した頃、ブリッジでは航海士が異変を感じ取っていた。まもなく船はとてつもない大波に襲われ、完全に転覆。船内はパニック状態となり、とりあえず生き延びた数百人は、水面下にあるダンスホールに固まることに。船長は、ここで全員救助を待つべきだと主張する。だがプロのギャンブラー、ディラン・ジョーンズ(ジョシュ・ルーカス)はその指示に従わず、脱出方法を見つけるためにダンスホールを出て行くことにする。そして少年コナー(ジミー・ベネット)とその母親マギー(ジャシンダ・バレット)、元ニューヨーク市長のロバート・ラムジー(カート・ラッセル)もディランのあとに続いた。ロバートは、見失った娘のジェニファー(エミー・ロッサム)とその婚約者のクリスチャン(マイク・ボーゲル)をどうしても捜し出したかったのだ。ここに内気な密航者の女エレナ(ミア・マエストロ)、自殺願望があった初老の建築技師リチャード(リチャード・ドレイファス)、船内を熟知している若きウェイターのマルコ(フレディー・ロドリゲス)も加わり、一行はディランをリーダーに船内を進んで行く。まもなくジャニファーとクリスチャンも無事合流した。そして船が沈み続ける中、彼らは急速に絆を深めつつ、数々の危険に直面しながら海面にたどり着こうとする。だがエレナが負傷し、そのまま帰らぬ人に。やがて一行は脱出までもう一息のところにたどり着く。しかしスクリューのスイッチを切り替えるために、ロバートが決死の覚悟で水中に潜って死亡してしまう。だが彼のおかげで、残った面々は無事脱出に成功するのだった。




f22-37. 星の王子ニューヨークへ行く (吹替)

監督 ジョン・ランディス
出演 エディ・マーフィアセニオ・ホールジェームズ・アール・ジョーンズマッジ・シンクレアシャーリー・ヘッドリー
1988年・アメリカ (UIP) 116分

解説
理想の花嫁を求めてニューヨークへやってきたアフリカのとある王国のプリンスの巻き起こす一大騒動を描くコメディ映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはレスリー・ベルツバーグとマーク・リプスキー、製作はロバート・D・ワックスとジョージ・フォルシー・ジュニア、監督は 「サボテン・ブラザース」 のジョン・ランディス、原案・主演はエディ・マーフィ、脚本はデイヴィッド・シェフィールドとバリー・W・ブラウステイン、撮影はウディ・オーメンズ、音楽はナイル・ロジャースが担当。共演はアーセニオ・ホールほか。日本版字幕は戸田奈津子、監修は景山民夫。カラー、ビスタサイズ。1988年作品。

ストーリー
アフリカのザムンダ王国の王子アキーム(エディ・マーフィ)は、自分の婚約式を間近に控えながら今なお父王ジャッフェ・ジョッファ(ジェームズ・アール・ジョーンズ)に、王子としてではなく、男としての自分を愛してくれる花嫁が欲しい、と訴える。さて婚約式の席で彼の前に姿を現わした花嫁となる美しい娘イマニ(ヴァネッサ・ベル)は、彼の予想通り徹底した花嫁教育をうけていて、すっかりアキームをうんざりさせる。父王もついに彼に折れ、式まで全く自由な40日間の猶予をアキームに与える。早速彼は、世話係のセミ(アーセニオ・ホール)を引き連れてアメリカへと向かう。ニューヨークのクイーンズに到着した2人は、ダウンタウンの怪し気なアパートに部屋を借り、身分を隠しての花嫁探しが始まった。ところがイカれた女ばかりのニューヨークに落胆する2人は、ある日ハンバーガー屋マクドーウェル家が主催する慈善イヴェントに参加し、マクドーウェル(ジョン・エイモス)の美しい娘リサ(シャリ・ヘッドリー)に、アキームはすっかり魅了される。2人はアフリカの留学生というふれこみで、ハンバーガー・イン“マクドーウェル”で働き始めるが、彼女には整髪メーカーの御曹子で何かと金に物言わせるダリル(エリク・ラサール)という婚約者がいた。しかしリサの心は、次第に親の決めた結婚話に強く反抗するようになり、同じ境遇にいる、という誠実なアキームに次第に傾いてゆくのだった。その頃アキームのアメリカでの暮らしぶりを知るためにニューヨークへやって来た父王一行は、庶民の娘に入れあげているアキームを知リマクドーウェル家に乗り込む。そしてアキームとのデートから帰ってきたばかりのリサに父王は、彼には婚約者がいる、と知らせる。悲しみにくれた彼女はひとり雨の街へ飛び出してゆく。一足違いで事の成り行きを知ったアキームは、慌ててリサを追いかけ、雨降る中、自ら真実の思いを打ち明けるのだった……。果たしてリサは、花嫁としてザムンダ王国にやってきた、アキームの妻となって。(UIP配給*1時間57分)





f22-38. ベルリン・天使の詩

監督 ヴィム・ヴェンダース
出演 ブルーノ・ガンツソルヴェイグ・ドマルタンオットー・ザンダークルト・ボウワピーター・フォーク
1987年・西ドイツ、フランス (フランス映画社) 128分

解説
ベルリンを舞台に人間の女性に恋した天使が人間になる姿を描く。製作・監督・脚本は 「アメリカの友人」 のヴィム・ヴェンダース、共同製作はアナトール・ドーマン、エグゼキュティヴ・プロデューサーはイングリート・ヴィンディッシュ。原作・共同脚本はペーター・ハントケ、撮影はアンリ・アルカン、音楽はユルゲン・クニーパーが担当。出演はブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタンほか。

ストーリー
ベルリンの街。廃墟の上から人々を見守っている天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)がいる。天使の耳には、地上の人々の内心の声が聞こえる。天使の姿は子供たちには見える。コロンボ刑事役で親しまれているアメリカの映画スター、ピーター・フォーク(本人)がこれからベルリンで撮影に入る映画の脚本を読んでいる。街の中のさまざまな人々の肉声。ダミエルは、親友の天使カシエル(オットー・ザンダー)と、今日見た自然や人々の様子について情報交換し、永遠の霊であり続けながら人間ではない自分にいや気がさしている。図書館は天使たちの憩いの場だ。老詩人ホメロス(クルト・ボウワ)が失われた物語を探している。サーカスに迷いこんだダミアンは、空中ブランコを練習中の美女マリオン(ソルヴェイグ・ドマルタン)を見て一目惚れをする。橋のたもとで起こった交通事故で死にかけている男に息をふきかえさせるダミエル。カシエルは、ホメロスにつき添ってポツダム広場を歩いている。ピーター・フォークの出演しているスタジオには様々な人がいる。ダミエルはカシエルを呼んでサーカスの公演を見にゆく。マリオンを見つめるダミエル。最後の公演を前に死の怖れを語るマリオンの肉声。ロック・コンサートで踊るマリオンの手にふれるダミエル。夜明け、ピーター・フォークはダミエルに人間になることをすすめる。壁をこえてノーマンズランドを散策するダミエルは、マリオンへの愛をカシエルに告白する。人間に恋すると天使は死ぬ。彼はカシエルの腕の中で死んだ。西ベルリン側の壁のそばで目をさましたダミエルの目の前は、モノクロから色彩の世界に変わっているのだった。




f22-39. ラストマン・スタンディング (吹替)

監督 ウォルター・ヒル
出演 ブルース・ウィリスクリストファー・ウォーケンブルース・ダーンカリーナ・ロンバードデイヴィッド・パトリック・ケリー
1996年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ) 101分

解説
対立する二組のギャング組織の抗争の渦中に飛び込んだ男の活躍を描く、ハードボイルド・アクション。黒澤明監督、三船敏郎主演による時代劇の名作 「用心棒」 (61)を、禁酒法時代の西部の町に舞台を置き換えて忠実にリメイクしている。監督・脚本は 「用心棒」 に多大な影響を受けたという、 「ウォリアーズ」 「ジェロニモ」 のウォルター・ヒルがあたり、もう一人の敬愛する映画監督サム・ペキンパーにオマージュを捧げたアクション演出が印象的。製作はヒルと 「あなたが寝てる間に…」 のアーサー・サルキシアン、製作総指揮はサラ・ライシャー、マイケル・デ・ルカ。撮影はロイド・アハーン、美術はゲイリー・ウィスナー、編集はフリーマン・デイヴィス、衣裳はダン・ムーア。ボトルネック・ギターを基調にした音楽は、ヒルの長年のパートナーであるライ・クーダーが担当。主演は 「12モンキーズ」 のブルース・ウィリス。共演は 「ニック・オブ・タイム」 のクリストファー・ウォーケン、 「潜望鏡を上げろ」 のブルース・ダーン、 「レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い」 のカリーナ・ロンバード、 「ライジング・サン」 のアレクサンドラ・パワーズ、 「クロウ/飛翔伝説」 のデイヴィッド・パトリック・ケリー、 「エア・アメリカ」 のネッド・アイゼンバーグほか。

ストーリー
荒涼とした西部の町ジェリコ。この町に立ち寄った正体不明の男ジョン・スミス(ブルース・ウィリス)は、偶然見かけた美しい女、フェリーナ(カリーナ・ロンバード)に心奪われる。この町はアイルランド系のボスのドイル(デイヴィッド・パトリック・ケリー)と、イタリア系のボスのストロッジ(ネッド・アイゼンバーグ)にそれぞれ率いられた2組のギャングが縄張り争いで対立していた。保安官のエドも彼らには手出しをしない。金になると踏んだスミスは早速動き出す。自分の車を壊したストロッジの手下をあっさり血祭りに上げたスミスの拳銃の腕前を買ったストロッジは、用心棒として彼を雇う。だが、スミスの真意はストロッジの情婦ルーシー(アレクサンドラ・パワーズ)に近づき、町の内部事情を探ることにあった。一方、ドイルもまたスミスの腕を買っており、さらに高い報酬で彼を雇おうとする。ドイルには用心棒としてマシンガンの名手ヒッキー(クリストファー・ウォーケン)がいた。ドイルに寝返ったスミスは、聖女フェリーナに再会し、彼女をメキシコに逃がした。一方、密輸酒の取引に端を発したドイルとストロッジの抗争はエスカレート。最初は間をうまく立ち回ったはずのスミスだったが、ヒッキーたちのリンチを受け、半死半生の目に遇う。攻勢に転じたドイル一味はストロッジたちを皆殺しにし、街の支配権を手中にした。スミスの心意気に惚れた悪徳保安官のエド(ブルース・ダーン)や酒場の主人に匿われ、英気を養ったスミスは快復の時を待つ。スミスは敵地に赴くと、ドイルたち一味を次々と倒してゆく。一人生き残ったヒッキーを倒し、スミスは悪党どもが一掃された街を去った。





22-40. さらば愛しきひと

監督 ディック・リチャーズ
出演 ロバート・ミッチャムシャーロット・ランプリングジョン・アイアランドシルヴィア・ミルズアンソニー・ザーブ
1975年・アメリカ (ユナイト映画) 95分

解説
謎の女を追って、気だるく澱んだロスの街を徘徊する私立探偵フィリップ・マーロウの行動を描く。製作総指揮はエリオット・カストナーとジェリー・ビック、製作はジョージ・パパスとジェリー・ブラックハイマー、監督は 「ブルージーンズ ジャーニー」 のディック・リチャーズ。レイモンド・チャンドラーの原作をデイビッド・Z・グッドマンが脚本化。撮影はジョン・A・アロンゾ、音楽はデイビッド・シャイアが各々担当。出演はロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング、ジョン・アイアランド、シルビア・マイルズ、アンソニー・ザーブ、ハリー・ディーン・スタントン、ジャック・オハローラン、ジョー・スピネルなど。

ストーリー
ロサンゼルス、1941年。ヤンキースのディマジオが56試合連続安打と記録をのばし、ヒトラーがロシアに進攻を開始、砂糖1ポンドが6セントに高騰していた頃……。今や警察に追われる身となった私立探偵フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム)は、安宿の一室から電話で、ロス市警のナルティ警部補(ジル・アイアランド)に7つもの仏がとび出した今日の事件の経過を説明していた。??ある日、雲をつくような大男ムース・マロイ(ジャック・オハローラン)から、ベルという女を捜し出すことを依頼された。マロイは7年前、恋人ベルマ・バレントと銀行強盗のヤマを踏み、たった今、刑務所から出てきたところだという。そのとき突然通りの車から2人めがけて拳銃が乱射された。しかしマロイは顔色ひとつ変えない。そんな彼に興味をひかれたマーロウは、依頼を引き受けた。その昔、ベルマが歌手としてつとめていた『フロリアンの店』を訪ねた2人は、第1の殺人に出っくわす。黒人バーテンを尋問したマロイが力あまって締め殺してしまったのだ。マーロウは情報屋のジョージーを連絡場所として、マロイを逃がした。マーロウはかつてフロリアンの店でバンドマンをやっていたトミー・レイの口から、フロリアンの持主で未亡人のジェシー(サラ・マイルズ)の家を訪ねたが何の手がかりも得られなかった。オフィスに戻ったマーロウを、遊び人風の男リンゼイ・マリオが待っていた。ある重要人物が盗まれた宝石の回収現場に立ち合ってほしいという。マーロウはキナ臭いものを感じたが、仕事がないよりはましだった。夜、取引相手を待つマーロウは突然何者かに後頭部を殴られ気絶した。気がついたとき、傍にマリオの血まみれの死体が転がっていた。宝石の線から、コレクターとして知られる市の実力者ロックリッジ・グレイルの邸宅を訪ねたマーロウは、悩ましい曲線で迫るグレイルの若妻ヘレン(シャーロット・ランプリング)と出逢い、その美しさに眼をみはる。彼女がマーロウに依頼したのは宝石のことではなく、ボーイフレンドだったマリオを殺した犯人を挙げることだった。マロイからの連絡を期待しながらオフィスへ戻ったマーロウを3人の暴漢が襲った。気がついたところは女郎屋アムサーの店だった。羽がいじめされたマーロウに、マロイの居所を白状させようと迫る怪女アムサー。監禁されたマーロウは、そこにトミー・レイの惨殺死体を見つけた。マーロウはふらつく意識をおして脱出を試みた。そのとき、アムサーが内輪のトラブルであっけなく死んだ。ジョージーの家で休息していたマーロウのところにグレイル夫人からパーティ招待の呼び出し電話がかかった。出席したマーロウに、暗黒街の顔役レアード・ブルネット(アンソニー・ザーブ)からマロイに会いたいと話が持ちかけられた。数日後、ジェシーから連絡が入った。ベルマがマロイに会いたいという。約束した場所へ乗り込んだマーロウとマロイに殺し屋たちの機関銃の乱射が浴びせられた。辛くも危機を脱した2人。それから間もなくジェシー・フロリアンも殺された。事件のカギがブルネットのトバク船にあると推理したマーロウは、マロイと乗り込むことにした。ナルティ警部補もその後を追った。激しい銃撃戦の末、ブルネットの船室に乱入した2人は、そこにヘレン・グレイルの姿をみた。「ベルマ…!」思わずつぶやくマロイ。グレイル夫人こそ、マロイが6年間も獄中で想い続けた可愛い女だった。素性の卑しい女が玉の輿に乗った。一時、愛を語らい、共に犯罪を犯した相棒が出所して自分を捜し始めたとき、女は自らの過去を知る関係者たちを次々消さなければならなかった。ヘレンと、彼女を利用して立身を計るブルネットこそ真の犯人だった。突如、グレイル夫人がマーロウを消すようにマロイをけしかけた。操られるようにマロイが近づいた時、その背後で銃弾が炸裂した。ナルティだった。マロイが倒れたせつな、マーロウの拳銃が火を吹きグレイル夫人の胸を血に染めた。




22-41. コルドラへの道

監督 ロバート・ロッセン
出演 ゲイリー・クーパーリタ・ヘイワースヴァン・ヘフリンリチャード・コンテタブ・ハンター
1959年・アメリカ (コロムビア)

解説
「アレクサンダー大王」 のロバート・ロッセンが監督したメキシコ革命を背景とするドラマ。 「縛り首の木」 のゲイリー・クーパーをはじめ、リタ・ヘイワース、ヴァン・ヘフリン、タブ・ハンターらが顔を合せている。原作はグレンドン・スウォースアウト。アイヴァン・モファットとロバート・ロッセンが脚色にあたり、撮影はバーネット・ガフィ。音楽はモリス・W・ストロフ。製作ウィリアム・ゲーツ。

ストーリー
1910年に起ったメキシコのパンチョ・ビラ将軍の動乱は、1916年になってテキサス、ニュー・メキシコ地方へと拡大した。アメリカ陸軍は鎮圧のためパーシング将軍を派遣した。この戦闘に参加したソーン少佐(ゲイリー・クーパー)は、戦線で銃弾を避けるため橋の陰に身を隠した。この行為が罪に問われ、卑怯者として後方勤務に左遷された。その頃、革命軍の逆襲を受けたロジャース大佐の部隊を、第12騎兵隊の分遺隊員5人が救った。この戦闘を観ていたソーンは、彼らを名誉賞受賞者に推薦し、後方のコルドラ基地に移すことを考えた。同時に革命軍に加担した牧場の娘アデレイデ(リタ・ヘイワース)も護送することになった。一行は途中で革命軍の襲撃を受け、乗馬を奪われた。彼等は荒野を徒歩で進んだ。一行のトルビー大尉(R・コンテ)はロジャース大佐に侮辱され、彼をうらんでいた。チョーク軍曹(ヴァン・ヘフリン)はスペイン人を憎悪していた。ホウラー中尉(タブ・ハンター)は護身のために闘い、レンチーハウゼン1等兵(D・ヨーク)は何もせず、ヘザーリントン1等兵(M・カラン)は重傷を負っていた。彼らは勇気などなく、偶然が彼らを英雄にしたのが真実だった。彼らは名誉賞をもらうことで、自分達の名前が出るのを喜ばなかった。ソーンは不審に思った。日が経つにつれて彼等は狂暴になり、すきあらばアデレイデの肉体を狙った。ソーンはそんな男から彼女を守り、彼らの反感を買った。卑怯者でないソーンにアデレイデは惹かれた。彼女は寝ているソーンを殺そうとしたチョークに、自分の体を与えて救った。手押し車が故障し、ソーンは疲労で倒れた。チョーク達はソーンを殺そうとした。その時、担架の上のザーリントンが今までのソーンの立派な態度を指摘して彼らを制した。ソーンは立ち上がり一同に“さあ行こう”と声をかけた。行手にコルドラの町がみえた。




f22-42. 革命児サパタ

監督 エリア・カザン
出演 マーロン・ブランドジーン・ピータースアンソニー・クインジョゼフ・ワイズマンアーノルド・モス
1951年・アメリカ (フォックス極東)

解説
1911年のメキシコ革命に活躍したエミリアノ・サパタの半生記で、ダリル・F・ザナック製作になる1951年作品。 「怒りの葡萄」 のジョン・スタインベックが脚本を書き下ろし、 「欲望という名の電車」 のエリア・カザンが監督した。撮影は 「暗黒の恐怖」 のジョー・マクドナルド、音楽は 「欲望という名の電車」 のアレックス・ノースの担当である。主演は 「欲望という名の電車」 のマーロン・ブランド、 「失はれた地平線」 のマーゴ、 「征服への道」 のジーン・ピータースで、以下 「血と砂(1941)」 のアンソニー・クイン、 「探偵物語」 のジョセフ・ワイズマン、 「セールスマンの死」 のミルドレッド・ダンノックらが助演する。

ストーリー
1911年、ダイアス大統領の圧政に苦しんでいたメキシコ農民の中に、エミリアノ・サパタ(マーロン・ブランド)という青年がいた。彼は土地問題でお尋ね者となったため、兄ユーフェミオ(アンソニー・クイン)、友人パブロとその女ソルダデラ(マーゴ)を連れて山に隠れたところ、ある日フェルナンドという男からテキサスに住む革命家マデロのことを聞かされた。サパタは自分から革命に乗り出す気こそなかったが、マデロには惹かれるものを感じてパブロをテキサスに送ることにした。サパタはかねて町の豪商の娘ホセファ(ジーン・ピータース)と相愛の仲であったが職のないお尋ね者では女の親が許すはずもなく、彼は歓心を買うため金持ちの牧場に雇われることになった。この働きが賞でられて、やがて彼は警察の追求も解けた。ホセファとも対等の立場に立つようになった頃、パブロの手引きで彼はマデロと会見した。フェルナンドの計画によるとサパタとマデロが南北呼応して立てば革命は成就するはずだったが、サパタは固く断った。しかし、偶然の事故から彼は再びお尋ね者となり、官憲に捕らわれた。兄やパブロらが民衆の助けで彼を救ったことが革命の口火となり、ついにサパタは同志の協力を得て南部一帯を征圧した。北からはマデロが首都に攻め入った。メキシコが民衆の手に帰した時、サパタはホセファと結婚した。平和主義者のマデロの意向によりサパタは武装を解除したが、その隙を見てフェタ将軍が裏切りを行ない、マデロは暗殺された。サパタはフェタ将軍を倒したものの、この事件はパブロとマデロが自分をおとしいれる罠であったと邪推し、パブロを殺害した。彼は大統領に推されたが、兄ユーフェミオは権力に敗れ非業の死をとげた。かねてサパタを亡きものにしようとしていたフェルナンドは、彼の留守中サパタ討伐軍を起こし、卑怯にもある屋敷の中庭に彼をおびき出し、伏兵の一斉射撃はついにこの一世の革命児の命を奪った。





f22-43. シャーロック・ホームズ

監督 ガイ・リッチー
出演 ロバート・ダウニー・Jr.ジュード・ロウレイチェル・マクアダムスマーク・ストロングケリー・ライリー
2009年・アメリカ、ドイツ (ワーナー・ブラザース映画) 128分  (日本語吹き替え版)

解説
コナン・ドイルが世に送り出した名探偵シャーロック・ホームズを主人公に、社会を混乱に陥れる事件の謎を描く超大作。ロバート・ダウニー・ジュニアとジュード・ロウが共演。

ストーリー
1891年のロンドン。名探偵シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は、相棒のジョン・ワトソン(ジュード・ロウ)とともに新たな難事件に挑むことになる。それは、貴族でありながら秘密結社を結成し、魔術で世界を操ろうと企むブラックウッド卿(マーク・ストロング)を捜し出して捕まえるというものだった。だが、非情な野心とずば抜けた頭脳を持つブラックウッド卿は、ホームズとワトソンにとって恐るべき相手であった……。




f22-44. アルゴ

監督 ベン・アフレック
出演 ベン・アフレックアラン・アーキンジョン・グッドマンブライアン・クランストンスクート・マクネイリー
2012年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 120分

解説
1979年にイランで起きたアメリカ大使館人質事件を、ベン・アフレックが監督・製作・主演を務めて映画化した衝撃のサスペンス。大使館から脱出した6人のアメリカ人を救出しようとする特殊部隊の活躍がユニークに展開する。アラン・アーキンをはじめ、演技力に定評のあるベテランが顔を揃えた力作だ。

ストーリー
1979年11月4日、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠する。混乱の中6人が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込むが、残った52人の大使館員は人質となる。イラン側は、癌の治療のために渡米した前国王パーレビの引き渡しを要求する。大使館員の写真つき名簿は襲撃前にシュレッダーにかけていたが、名簿が復元されれば脱出者がばれ、捕まれば処刑される。国務省はCIAに応援を要請し、人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれる。トニーは、6人をニセ映画のロケハンに来たカナダの映画クルーに仕立て上げて出国させるという作戦を閃く。トニーの知人で特殊メイクの第一人者、ジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)は協力を快諾する。チームに参加した大物プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)は、自宅で山積みになっているボツ脚本から、イランでの撮影に相応しいSFアドベンチャー『アルゴ』を選び出す。事務所を立ち上げ、大々的な記者発表を開き、本物さながらのプロジェクトが始まる。一方、イランでは200人以上の民兵が空港を監視していた。1980年1月25日、プロデューサー補に扮したトニーはイランへと向かい、文化・イスラム指導省で撮影許可を申請した後、カナダ大使邸に入る。6人は計画に反発するが、それぞれの役柄を暗記する。翌日、ロケハンを許可した指導省が、バザールで担当者と面会するよう要求してくる。トニーは怖気づく大使館員を説得して連れ出し、何とか乗り切る。しかし翌日、トニーの上司オドネル(ブライアン・クランストン)から緊急電話で、計画の中止が告げられる。軍による人質奪還作戦が決定したのだ。航空券は取り消され、ハリウッドの事務所は閉鎖される。トニーは6人に黙ったままホテルに帰る。翌朝、トニーは電話で、6人を出国させると上司に宣言する。しかし作戦の復活には、カーター大統領の承認が必要だった。一方、大使館名簿の復元もあと数分に迫っていた……。




f22-45. スペース・カウボーイ

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドトミー・リー・ジョーンズドナルド・サザーランドジェームズ・ガーナーウィリアム・ディヴェイン
2000年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 130分

解説
 C・イーストウッド監督・主演のアドベンチャー・ドラマ。70歳になる男たちが老体にムチ打って宇宙への夢に挑む姿を、ドラマティックに描いた痛快作。渋さが魅力のベテラン男優陣の共演も話題だ。

ストーリー
かつてアメリカ空軍にチーム・ダイダロスという伝説的なテストパイロット・チームがあった。彼らは宇宙探索の実験旅行のために待機していた。しかし土壇場になってNASAが介入。1958年、初めてロケットで宇宙に行ったのは彼らではなくチンパンジーになってしまった。それから40年。チーム・ダイダロスの一員だったフランク・コービン(クリント・イーストウッド)に、NASAから要請が入る。ロシアの旧式の宇宙衛星アイコンを修理してほしいというものだった。彼は宇宙での作業をチーム・ダイダロスで行うなら、との条件付きで承諾。かくして昔のメンバー、ウィリアム・ホーキンス(トミー・リー・ジョーンズ)、ジェリー・オニール(ドナルド・サザーランド)、タンク・サリバン(ジェームズ・ガーナーほ)が召集され、健康診断のあと、宇宙へ旅立った。しかしウィリアムは、実はガンだった。彼だけが作業の犠牲を自ら申し出て、月に向かって突っ込んでいく。残りの3人は無事地球に帰還するのだった。




f22-46. パリ、テキサス

監督 ヴィム・ヴェンダース
出演 ハリー・ディーン・スタントンナスターシャ・キンスキーディーン・ストックウェルオロール・クレマンハンター・カーソン
1984年・西ドイツ、フランス (フランス映画社) 147分

解説
テキサスを舞台にひとり放浪していた男が妻子と再会するがまた再び去ってゆく姿を描く。製作はクリス・ジーヴァニッヒ、エグゼキュティヴ・プロデューサーはアナトール・ドーマン、監督は 「ことの次第」 のヴィム・ヴェンダース、脚本は 「カントリー」 等で役者として知られるサム・シェパード、脚色はL・M・キット・カーソン、撮影はロビー・ミュラー、音楽はライ・クーダー、編集はペーター・プルツィゴッダが担当。出演はハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキーなど。

ストーリー
テキサスの原野。一人の男(ハリー・ディーン・スタントン)が思いつめたように歩いている。彼はガソリン・スタンドに入り、水を飲むと、そのまま倒れた。病院にかつぎこまれた彼は、身分証明もなく、医者(ベルンハルト・ヴィッキ)は一枚の名刺から男の弟ウォルト(ディーン・ストックウェル)に電話することができた。男はトラヴィスといい、4年前に失踪したままになっていたのだ。病院から逃げ出したトラヴィスをウォルトが追うが、トラヴィスは記憶を喪失している様子だった。トラヴィスは口をきかず飛行機に乗ることも拒む。車の中でウォルトは、さりげなく、妻ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)のこと、ウォルトと妻のアンヌ(オーロール・クレマン)が預かっている息子ハンター(ハンター・カーソン)のことを聞くが、何も答えない。ただ、〈パリ、テキサス〉という、自分がかつて買った地所のことを呟いた。そこは、砂しかないテキサスの荒地だが、父と母が初めて愛をかわした所だとトラヴィスは説明した。ロサンゼルスのウォルト家に着いたトラヴィスを、アンヌと7歳に成長したハンターが迎えた。ハンターとトラヴィスの再会はぎこちなく、お互いのわだかまりが感じられた。しかし、数日経つうちにうちとけだした二人。彼らに複雑な思いを感じるウォルトとアンヌ。実の息子同然にこれまで育ててきたのだから……。トラヴィスの記憶が戻るようになりはじめたある日、5年前に撮った8ミリ映画をみなで見た。幸福そのものだった自分の家庭のフィルムを見て、必死に何かをこらえるトラヴィス。父親らしい服装でハンターを迎えに学校へ行ったトラヴィスはその日の夜、ジェーンがヒューストンの銀行から毎月ハンターのためにわずかながら送金を続けていることを、アンヌから聞いた。トラヴィスは、中古のフォード・ランチェロ58を買い、ハンターにジェーンを探しに行くと告げた。それを聞いて、ハンターは自分も行きたいと言い、そのまま共にヒューストンに旅立った。ヒューストンの銀行からジェーンらしき人物が乗った赤い車が出てゆくのを見た二人は車を追って、ある不思議な建物に辿りつき、ハンターを車に残して、トラヴィスは建物の中に入った。そこはキー・ホール・クラブで、階下の個室は、客の側からだけ、ブースの中の女の姿が見えるマジック・ミラーを設けた一種のピープ・ショーになっていた。ジェーンを呼んで部屋に入ったトラヴィスに、客の姿が見えないジェーンが話しかけるが、トラヴィスは何も告げずに出て行った。ヒューストンを離れ、途中のさびれた町で酒をのみながら、ハンターに自分の母のことを話すトラヴィス。翌日、もう一度ジェーンに会う決心をしたトラヴィスは、ハンターに別れを告げてキー・ホール・クラブへ行った。再びジェーンを呼び、自分の気持ちを語るトラヴィス。やがて、姿を見なくてもそれがトラヴィスであることを知ったジェーンも、涙ながらに、自分の気持ちを語った。最後に、ハンターのいるホテルのルーム・ナンバーを告げて、トラヴィスは去った。ホテルで一人でいるハンターの前に、ジェーンが現われた。二人が寄りそう影を窓に確認すると、トラヴィスは車でその場を去るのだった。





f22-47. リンカーン

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ダニエル・デイ=ルイスサリー・フィールドデヴィッド・ストラザーンジョゼフ・ゴードン=レヴィットジェームズ・スペイダー
2012年・アメリカ (20世紀フォックス映画) 150分

解説
19世紀のアメリカで奴隷解放に尽力した、第16代大統領、エイブラハム・リンカーンの知られざる苦悩に迫る、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督によるヒューマン・ドラマ。本作で3度目のアカデミー賞主演男優賞に輝いたダニエル・デイ=ルイスがリンカーン役を熱演する。

ストーリー
貧しい家に生まれ、学校にもろくに通えない中、苦学を重ねてアメリカ合衆国第16代大統領となったエイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)。当時アメリカ南部ではまだ奴隷制が認められていたが、リンカーンはこれに反対していた。リンカーンの大統領当選を受けて、奴隷制存続を訴える南部の複数の州が合衆国から離脱しアメリカは分裂、さらに南北戦争へと発展する。自らの理想のために戦火が広がり若い命が散っていくことに苦悩するリンカーン。しかしついに彼は、合衆国大統領として、そして一人の父親として、ある決断をくだす……。






f22-48. 台北に舞う雪

監督 フォ・ジェンチイ
出演 チェン・ボーリントン・ヤオトニー・ヤンモー・ズーイージャネル・ツァイ
2009年・中国、日本、香港、台湾 (ゴー・シネマ) 103分

解説
山の郵便配達」 のフォ・ジェンチイ監督が中国&台湾の若手を主演に据えたラブ・ストーリー。台湾の小さな町を舞台に、まったく異なる環境で生きてきた男女の恋が描かれる。

ストーリー
台湾北部の渓谷沿いを走るローカル線の終点、菁桐で孤児として育ったモウ(チェン・ボーリン)は、幼い頃に出奔した母親がいつか帰ってくるのを待ちながら、町中の雑用をこなす忙しい毎日を送っている。モウにとって町のために働くことは、彼の成長を温かく見守ってきた町の人々に対する恩返しだった。そんなある日、モウの前にメイ(トン・ヤオ)と名乗る女性が現れる。メイは大型新人として売り出し中の歌手だったが新作発表の直前に声が出なくなり、誰にも行き先を告げずに台北を飛び出してきたのだった。モウは、カフェで酔いつぶれていた彼女を宿に送り届けたことがきっかけで、部屋探しなどを手伝うようになる。モウの馴染みの食堂で働き始めたメイは、明るい笑顔を見せるようになり、漢方医のマーさんが処方してくれた薬の効果もあってか、喉の調子も少しずつ良くなっていく。故郷の青島に降る雪のことを懐かしそうに語るメイ。彼女はずっとここにいるわけではない、と自分に言い聞かせながらも、モウは恋心を募らせる。しかし、メイはプロデューサーのレイ(トニー・ヤン)への想いを断ち切れずにいた。年の暮れも迫ったある日、芸能記者のジャック(モー・ズー・イー)がメイを探しに町へやって来る。ジャックは町のカフェの看板娘・ウェンディ(テレサ・チー)を通してメイを見つけ、やがて彼女の居場所は台北のレイとレイのアシスタントのリサ(ジャネル・ツァイ)の知るところとなる。新年の祭りの日。モウたちが作った野外ステージに、メイの歌声が響きわたる。聞き惚れる群集の中には、台北から彼女を迎えに来たレイとリサの姿もあった。レイにとびきりの笑顔を向けるメイを見て、モウは自分の気持ちを言い出すことができない。願いごとを書いた天灯を一緒に空に放つ約束をしていた小正月が来る前に、メイは町を去った。だが、歌手として再スタートを切ったメイは、やがてモウの優しさに気付き始める……。