10-1. コニャックの男

監督 ジャン=ポール・ラプノー
出演 ジャン・ポール・ベルモンドマルレーヌ・ジョベールラウラ・アントネッリ
1971年・フランス(ヘラルド)

解説
動乱のフランス革命にまきこまれた男と女のコメディ・アクション。製作はアラン・ポワレ、監督は「城の生活」 のジャン・ポール・ラプノー、脚本はラプノーのほか「墓場なき野郎ども」 のクロード・ソーテ、モーリス・クラヴェル、ダニエル・ブーランジェの共同執筆、撮影はクロード・ルノワール、音楽はミシェル・ルグランが各々担当。出演は「暗くなるまでこの恋を」 のシャン・ポール・ベルモンド、「雨の訪問者」 のマルレーヌ・ジョベール、ラウラ・アントネッリ、ミシェル・オークレール、サミー・フレー、ピエール・ブラッスールなど。

ストーリー
一八世紀末、革命の嵐吹き荒れるフランスから密航でアメリカに渡ったニコラ・フィリベール(J・P・ベルモンド)は、5年後の今日、大富豪のアーサー・デビッドソンの一人娘との挙式を迎えた。式中、ニコラの既婚を主張する声が出た。事実彼はフランスで結婚していた。ニコラはデビッドソンの船に穀物をたっぷり積み込み、離婚の承認を得るため、フランスの港へ入った。ニコラの積荷を自軍への救援物質と感違いし革命軍はニコラを英雄扱いしてパーティーを開いた。ドンチャン騒ぎを脱出したニコラは、妻シャルロット(M・ジョベール)の父親ゴスラン(P・ブラッスール)からシャルロットの居所を聞き出した。妻が一緒にいるというゲランド侯爵(S・フレー)の妹ポーリーヌは王党派の女闘士で、ニコラにまるで取りあわない。その夜の革命派パーティーに現われた歌姫を見てニコラは驚いた。ポーリーヌである。革命軍指導者を狙うポーリーヌをとり押えたニコラは、彼女が美人だからと簡単に縄を解き、ニコラまで革命派に追われるはめになった。革命軍の英雄とされていたニコラは王党派に捕えられたが、ポーリーヌの命の恩人ということで、逆に王党派の英雄になってしまった。ポーリーヌの属する一団の指揮者こそ、妻シャルロットを伴っているというゲランド侯爵だった。六年ぶりの再会に驚きのあまりに気絶したシャルロットの寝室に忍んだニコラは外の気配でベッドの下に隠れると、王党派総指揮者の大公がシャルロットの寝室へやって来た。大公はシャルロットに惚れていた。大公の歓迎会パーティーの席上、侯爵がシャルロットとの婚約を発表しようとする先手を打ってポーリーヌがニコラとの結婚の意志表示をした。ポーリーヌを秘かに想う大尉は怒り、侯爵の婚約発表に、大公も不機嫌になり、宴が進むうち酔いのまわった人たちの喧嘩が始まって大騒ぎとなった。上気嫌のシャルロットに真相を打ち明けたニコラは、突然現われた大公に狙われるが、シャルロットは大公との結婚を承諾してニコラを救い、離婚は成立した。ニコラは船でアメリカに戻ろうとしたが、突然、思い直して海へ飛びこんだ。岸に泳ぎついたニコラは、ドイツに向った大公とシャルロットを追って革命軍と王党軍があいまみえる戦場に辿り着いた。またまた革命軍の英雄にまつり上げられたニコラを見て、商人に化けて旅をしていた大公は王党軍の陣に入り、革命軍と激突した。ニコラのめざましい活躍で革命軍は大勝利をおさめた。数年後ニコラはフランス植民地の大公だった。その脇には大公妃としてシャロットがいた。二人は相変らず喧嘩をしていた。




10-2. クリムゾン・タイド

監督 トニー・スコット
出演 デンゼル・ワシントンジーン・ハックマンジョージ・ズンザ
1995年・アメリカ(ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン)

解説
米軍原子力潜水艦を舞台に、全面核戦争の危機を巡って対立する男たちのドラマを描いた、骨太のポリティカル・サスペンス。監督は「トゥルー・ロマンス」 のトニー・スコット。「カラーズ 天使の消えた街」 のマイケル・シファーとリチャード・P・ヘンリックの原案を、シーファーが脚色。製作は「フラッシュダンス」「ビバリーヒルズ・コップ」 などのヒットメーカー・コンビ、ドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマー。撮影は「クロウ 飛翔伝説」「蜘蛛女」 のダリウス・ウォルスキー、音楽は「ライオン・キング」「勇気あるもの」 のハンス・ジマー、美術はマイケル・ホワイト、SFXはドリーム・クエスト・イメージズが担当。主演は「フィラデルフィア」 のデンゼル・ワシントンと「ワイアット・アープ」 のジーン・ハックマン。「氷の微笑」 のジョージ・ズンザ、「カリートの道」 のヴィーゴ・モーテンセン、「ア・フュー・グッドメン」 のマット・クレイヴン、「ターミナル・ベロシティ」 のジェームズ・ギャンドルフィーニらが脇を固める。また、「トゥルー・ロマンス」 のクエンティン・タランティーノが脚本に参加し、ジェイソン・ロバーズがラストシーンに特別出演している(共にノー・クレジット)。

ストーリー
ロシアの過激な国粋主義者が軍の反乱派勢力と結託し、シベリアの核ミサイル基地を占拠した。アメリカと日本が核攻撃の危機にさらされ、米海軍の原潜アラバマに出撃命令が下った。歴戦の叩き上げのフランク・ラムジー艦長(ジーン・ハックマン)と、ハーバード大卒のエリートであるロン・ハンター副官(デンゼル・ワシントン)は、核に対する思想で真っ向から対立する。目的海域に達し、敵潜水艦の影を捉えたアラバマは臨戦体制に突入。ペンタゴン(米国防総省)からの通信が入ったその時、敵の魚雷攻撃が艦をかすめて爆発した。通信は途中で途切れ、ミサイルの発射か中止か、はっきりしない。即時攻撃を主張するラムジーに対し、ハンターは命令の再確認を強く求める。艦内に異常な緊張が漲り、艦長への忠誠心か副官のモラルに与するか、乗組員たちも激しく揺れる。ハンターはラムジーの命令を服務違反として指揮権を剥奪、彼とその一派の将校たちを監禁した。再度、敵艦と交戦したアラバマは損傷し、甚大な被害が出る。ハンターは通信の回復を急がせるが、その隙にラムジー艦長は連絡将校ジマー(マット・クレイヴン)、ハンターの長年の親友で武器将校のウェップス(ヴィーゴ・モーテンセン)らと実力で指揮権を奪回すると、ハンターや艇長のコッブ(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)らを逆に監禁した。だが、ハンターも脱出し、発射を寸前で回避しようとする。ラムジーの銃口がハンターに向けられた時、通信が回復。ラムジーは再確認のため、3分間の猶予を与えたが、命令はミサイル発射の中止だった。かくして核戦争の危機は回避された。




10-3. トラブル・イン・ハリウッド

監督 バリー・レヴィンソン
出演 ロバート・デ・ニーロショーン・ペンキャサリン・キーナー
2008年・アメリカ(フリーマン・オフィス)

解説
映画業界の内幕をシニカルなユーモア満載に描き出すロバート・デ・ニーロ主演の群像ドラマ。ショーン・ペンやブルース・ウィリスら人気俳優が本人役で登場し、1人の映画プロデューサーの身に降りかかる災難の数々がつづられる。監督はアカデミー賞に輝いた「レインマン」 など人間ドラマに定評のある名匠バリー・レビンソン。

ストーリー
ベン(ロバート・デ・ニーロ)はハリウッドで活躍する敏腕プロデューサー。様々な難題が次々と降りかかり、頭の痛い日々が続いていた。とある試写会。ショーン・ペン(ショーン・ペン)主演でカンヌ映画祭のオープニングに決まっている作品が、大不評を買ってしまう。映画会社の女社長ルー(キャサリン・キーナー)は作品の修正を求めるが、監督のジェレミー(マイケル・ウィンスコット)はそれを拒否。最終的な編集権を持つルーは、修正しなければキャリアの終わりだと、ベンに言い放つ。その一方で、プライベートでも問題を抱えるベン。離婚した妻との間の娘ゾーイ(クリステン・スチュワート)はわけもわからず彼の前で泣きはらす。一年前に離婚した二番目の妻ケリー(ロビン・ライトペン)には未練を残したまま、中途半端な関係を保っていた。さらに、彼を悩ませたのは三日後にクランクインを控えた映画。主演のブルース・ウィリス(ブルース・ウィリス)が、役のイメージからかけ離れた髭面にメタボという姿で現場に現れたのだ。出資した映画会社の社長は怒り心頭。撮影現場に向かったベンは、ブルースを説得しようとするが、逆に怒らせてしまう。困り果てたベンは、エージェントのディック(ジョン・タトゥーロ)に説得を頼んで、その場を後にする。翌日、ジェレミーから連絡が。不評だったシーンを再編集したとのことで、なんとかカンヌの上映問題はクリア。一安心するが、まだブルースの件が片付いていない。ディックに状況を問い合わせると、ブルースからエージェント契約を切られたという。そして、ついにクランクイン初日。映画会社のお偉方が顔を揃える中、姿を現すブルース。一瞬ヒヤリとするものの、髭は剃り落され、体もすっきり。それを見て、ようやく安堵の表情を浮かべるベン。1週間後、カンヌ映画祭のオープニング上映。だが、安心しきってスクリーンを見つめるベンの目に飛び込んできたものは……?




10-4. リバー・ランズ・スルー・イット

監督 ロバート・レッドフォード
出演 ブラッド・ピットクレイグ・シェファートム・スケリット
1992年・アメリカ(東宝東和)

解説
1920年代のモンタナを舞台に、フライフィッシングで結ばれた兄弟と父親の家族の絆を描く人間ドラマ。監督・製作は「ミラグロ 奇蹟の地」 のロバート・レッドフォード、共同製作はパトリック・マーキー、エクゼクディヴ・プロデューサーは「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」 のジェイク・ノーマン・マクリーンの自伝的小説「マクリーンの川」(集英社)をもとに、「愛の選択」 のリチャード・フリーデンバーグが脚本を執筆。撮影は「ジャック・サマースビー」 のフィリップ・ルースロ、音楽は「二十日鼠と人間」 のマーク・アイシャムが担当。出演は「ジョニー・スエード」 のブラッド・ピット、「恋しくて」 のクレイグ・シェーファー、「マグノリアの花たち」 のトム・スケリット、「イン・カントリー」 のエミリー・ロイドなど。第65回アカデミー撮影賞受賞。

ストーリー
年老いたノーマン・マクリーン(アーノルド・リチャードソン)は、故郷の川でフライフィッシングをしながら、若き日を回想していた。1912年、アメリカ、モンタナ州ミズーラ。10歳のノーマンと8歳のポールは、父親のマクリーン牧師(トム・スケリット)にフライフィッシングと勉強を教わっていた。ノーマンの夢は牧師かプロボクサーになること、ポールの夢はプロのフライフィッシャーである。19年、ノーマン(クレイグ・シェーファー)は東部のダートマス大学に進学し、7年後、ノーマンがやっとミーズラに戻った時、父は歓迎の言葉のかわりに将来の進路を決めかねているノーマンを批判する。一方ポール(ブラッド・ピット)は地元の大学を卒業し、地方新聞の記者をしている。ノーマンは、弟が酒と賭けポーカーにのめり込んでいるのを知る。兄弟は早速川に入り、釣りをする。ノーマンは、弟のほとんど芸術と化したフライフィッシングを見つめていた。独立記念日のダンス・パーティで、ノーマンはジェシー(エミリー・ロイド)と出逢い、恋に落ちる。ある日ノーマンが家に帰ると警察から電話が入り、ポールが留置所に保護されているというのだ。ポールの哀れな姿を見たノーマンは、彼がトラブルに巻き込まれていることに気づく。どうやらポーカーで莫大な借金を背負っているらしい。ジェシーの兄ニール(スティーブン・シェレン)がハリウッドから帰ってくる。キザな彼をノーマンはひと目で嫌いになるが、釣りに誘う破目になる。ノーマンはニールと別れると、ポールを訪ね、釣りに誘う。そんなある日、ノーマンはシカゴ大学から教授職のオファーを受け取る。彼はジェシーにプロポーズする。ノーマンは酒場でポールに会い、ジェシーのことを話すが、ポールは素直に喜んでくれない。翌朝、フライフィッシングに現れたポールに、ノーマンは一緒にシカゴに行かないかと誘うが、ポールはそれを辞退する。そして川に入り、今まで誰も見たことがないような大物を見事に釣り上げる。ある日ノーマンは、警察に再び呼び出された。彼は家に戻ると、ポールが殺されたことを両親に報告する。そして父にだけはポールがイカサマをして右手を潰されていた事実を告げる。その後も死の様子を詳しく知りたがる父親に、ノーマンが「少なくとも、僕たちの知っているポールは素晴らしいフィッシャーだった。それで充分じゃないか」と言うと、父は「それだけじゃない。ポールは美しかった」と答えるのだった。回想していた老いたノーマンが、黄昏の川でフライフィッシングをしている。彼は今、川の流れのなかに、人生の本質を見るのだった。




10-5. オールド・ルーキー

監督 ジョン・リー・ハンコック
出演 デニス・クエイドレイチェル・グリフィスブライアン・コックス
2002年・アメリカ(ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン)

解説
全米でベストセラーを記録したノンフィクション小説を映画化。35歳でメジャーリーグ・デビューを果たした男の実話を、ドラマチックにつづった心温まる感動作だ。

ストーリー
テキサス州ビッグ・レイク。高校教師のジム・モリス(デニス・クエイド)は35歳。愛する妻ローリー(レイチェル・グリフィス)や子供たちに囲まれ、高校の野球チームの監督をする平穏な日々を送っていたが、不意に豪速球を投げてしまい、若き日に持っていたメジャーリーガーになる夢が再び浮上してくる。ジムは軽い気持ちで、自分の弱小チームが地区大会で優勝したらプロの入団テストを受ける約束を交わす。ところが本当に優勝。そしてジムはテストを受け、見事合格。ローリーはプロ入りに最初反対していたが、8歳の息子ハンター(アンガス・T・ジョーンズ)が父を誇らしげに思うのを見て、心を変える。ジムはマイナーリーグと契約。安い給料のうえ家族と離れる日々に挫けそうになるが、ローリーの励ましにより続行。やがて彼は、メジャーリーグの投手に抜擢。地元テキサスのアーリントンの球場で、家族や仲間に見守られながら素晴らしい球を投げるのだった。




10-6. イエロー・ハンカチーフ

監督 ウダヤン・プラサッド
出演 ウィリアム・ハートマリア・ベロエディ・レッドメイン
2008年・アメリカ(松竹)

解説
山田洋次監督の名作「幸福の黄色いハンカチ」 をリメイクした人間ドラマ。ふとした出会いから一台の車に同乗することになった若い男女と元服役囚の中年男との旅の行方をつづる。

ストーリー
アメリカ南部。鬱屈した気持ちを抱えていた若い娘マーティーン(クリステン・スチュワート)は、変わり者の青年ゴーディ(エディ・レッドメイン)にドライブに誘われ、自暴自棄ぎみにそれに応じる。二人はミシシッピー川のほとりに佇む中年男ブレッド(ウィリアム・ハート)と知り合い、ひょんなことから彼を車に乗せ、共に旅をすることになった。しかし、ブレッドは6年の刑期を終えて出所したばかりで、彼の妻メイ(マリア・ベロ)が暮らすニューオリンズに行って確かめなければならないことがあった……。




10-7. 永遠のマリア・カラス

監督 フランコ・ゼフィレッリ
出演 ファニー・アルダンジェレミー・アイアンズジョーン・プローライト
2002年・イタリア、フランス、イギリス、ルーマニア、スペイン(ギャガ・コミュニケーションズ)

解説
伝説的なオペラ歌手マリア・カラスの晩年を描く感動作。カラスの友人だったフランコ・ゼフィレッリ監督が創作を織り交ぜ、彼女の情熱的な人柄や天才ゆえの苦しみを描き出す。

ストーリー
1977年。パリのアパルトマンで、オペラ界の伝説のスター、マリア・カラス(ファニー・アルダン)は隠遁生活を送っていた。そんなある日、カラスのかつての仕事仲間であるプロモーター、ラリー(ジェレミー・アイアンズ)が、カラスの全盛期の録音を使い、カラス主演のオペラ映画を製作する企画を持ってくる。一度は反発したカラスだったが、苦しい胸中をジャーナリストの友人サラ(ジョーン・プローライト)に打ち明け、やがて承諾する。作品は「カルメン」。たちまちヒロインの役作りにのめり込んでいったカラスは、相手役のドン・ホセに自らマルコ(ガブリエル・マルコ)を選ぶほどの熱の入れよう。だが「カルメン」のテスト試写を見たカラスは動揺し、ラリーに「トスカ」を今の自分の声で歌いたいと提案する。それは却下されたが、やはり口パクの作品を公開することはプライドが許さず、「カルメン」のお蔵入りを要求するのだった。




10-8. ヴィクトリア女王 世紀の愛

監督 ジャン=マルク・ヴァレ
出演 エミリー・ブラントルパート・フレンドポール・ベタニー
2009年・イギリス=アメリカ(ギャガ)

解説
19世紀、18歳で即位しイギリス女王となったヴィクトリアと、その夫アルバートとの絆や愛を描くドラマ。「プラダを着た悪魔」 のエミリー・ブラントがヴィクトリアを熱演。

ストーリー
19世紀のイギリス。ウィリアム国王(ジム・ブロードベント)は、いつ倒れてもおかしくない状態だった。多くの者が、国王の姪で王位継承者のヴィクトリア(エミリー・ブラント)を操り、権力を手に入れようと画策していた。夫の死後、個人秘書ジョン・コンロイと深い仲にあったヴィクトリアの母親ケント公爵夫人(ミランダ・リチャードソン)は、彼の言うままに、娘に摂政政治を認めさせようとする。しかし、母から自由になりたいヴィクトリアは拒否する。ヴィクトリアの叔父でベルギー国王のレオポルドは、甥アルバート(ルパート・フレンド)をドイツから呼び寄せると、次期女王の夫の座を狙ってヴィクトリアの元に送り込む。2人は一目で惹かれ合い、ヴィクトリアは彼が手紙を書くことを許す。国王の誕生パーティで、現首相メルバーン卿(ポール・ベタニー)はヴィクトリアの亡父を褒め、彼女に取り入る。国王は宴のスピーチで、ケント公爵夫人を罵倒する。そして彼女たちからヴィクトリアを引き離し、王位を渡そうとする。メルバーンはヴィクトリアの個人秘書になることを申し出て、自分の地位を固めていく。アルバートはドイツに帰国し、ヴィクトリアからの手紙の返事を待っていた。1837年6月20日、国王が逝去し、ヴィクトリアは女王となる。しかし知識のないヴィクトリアは、メルバーンの言いなりだった。アルバートは戴冠式に出席するためイギリスを訪れ、ヴィクトリアと再会する。女王への求婚は禁止されているため、彼女からの言葉を待つが、ヴィクトリアはアルバートを友人として必要としていた。政権が交代し、メルバーンが失脚する。ピール新首相はメルバーンの息のかかった女官の交代を注進するが、ヴィクトリアは感情的に拒否する。首相を無視したと世論に叩かれたヴィクトリアは、自分を利用しないアルバートの存在に気づき、彼にプロポーズする。2人は結婚し、3日間の幸せな結婚休暇を過ごす。しかし2人の前に、最大の危機が立ちはだかる。




10-9. ダウト 偽りの代償

監督 ピーター・ハイアムズ
出演 マイケル・ダグラスアンバー・タンブリンジェシー・メトカーフ
2009年・アメリカ(劇場未公開)

解説
「ダウト ・偽りの代償・」(ダウト いつわりのだいしょう、原題; Beyond a Reasonable Doubt)は2009年のアメリカ合衆国の映画である。 1956年のフリッツ・ラング監督作品『条理ある疑いの彼方に』のリメイクであるが、主人公が犯人のフリをするという基本プロットが同じだけで、ほぼオリジナルの内容となっている。 日本では劇場未公開だが2010年11月4日にDVDが発売された。

ストーリー
ルイジアナ州、シュリーヴポート。 バイタリティー溢れるローカル・TV局の調査報道リポーター、 C・J・ニコラス(ジェシー・メトカーフ)は、知事のイスを狙う連続 勝訴を続ける地方検事マーク・ハンター(マイケル・ダグラス) ついて調べていた。 C・Jは、ハンターの助手で検事補のエラ・クリスタル(アンバー ・タンブリン)に近づき、 殺人事件の警察尋問のビデオ・テープ を提供してもらえることになる。 ハンターが証拠を捏造していることを確信したC・Jは、上司に その証拠となるビデオ・テープを見せる。 元刑事のハンターは、同僚だったマーチャント警部補(ローレ ンス・P・ベロン)と組んで、裁判に有利になる証拠を捏造して いたというのだ。 しかし、C・Jの熱意は買うものの、上司は視聴率低下を理由 に調査報道班の廃止を言い渡してしまう。 C・Jと愛し合うようになっていたエラは、彼の信念を知り励 ます。 同僚カメラマン、コリー・フィンリー(ジョエル・デヴィッド・ムーア) と共に、移動した部署で仕事をこなしていたC・Jは、 自ら事件 の容疑者となり、ハンターと法廷で対決しようと考える。 協力を要請されたコリーは戸惑うが、C・Jの熱意に負けて、 それに同意し、ある殺人事件現場に彼を誘う。 C・Jは、ベン・ニッカーソン刑事(オーランド・ジョーンズ)から 現場写真と報告書を入手することに成功する。 そして、C・Jとコリーは、その犯人に成りすます準備を始め、 現場にいたはずの”ジャック・ラッセル・テリア”も手に入れる。 飲酒運転で、わざと逮捕されたC・Jは一旦は釈放されるが、 その後、ニッカーソンに殺人容疑で逮捕されてしまう。 しかし、事件は、マーチャント警部補が引き継いで担当するこ とになる。 C・Jの身を案ずるエラは、何とか力になろうとするが、彼が何 かを企んでいることを察しながら状況を見守ることになる。 思い通りハンターが担当する公判となったため、C・Jはエラが 関わることを避けたのだった。 公判は始まり、あらゆる状況証拠でC・Jは不利な立場に立た されるが、マーチャントは、事件後に彼が証拠物を手に入れ ていることを知り、それをハンターに報告する。 ハンターは、切り札となるDNA鑑定の結果、それが犯行現場 の血液と一致したことを証明する。 焦ったコリーは、貸し金庫に保管してあった、無罪を証明する DVDを持参して法廷に向かう。 しかし、コリーを尾行していたマーチャントが、事故死に見せか けて彼を抹殺してしまう。 証言席に座ったC・Jは、ハンターの証拠捏造を暴くために仕組 んだことだったことを語る。 しかし、証拠のDVDもなくなり、事件後の証拠品の購入など が、事件前からそれを持っていなかったことの証明にはなら ないことを、C・Jは認めてしまう。 そして、C・Jは有罪となり、陪審団は薬物投与による極刑が 相当と判断する。 C・Jに無実だと伝えられたエラは、彼が逮捕を仕組むまでの 行動や、ハンターの勝訴の件などの調査を始める。 それをマーチャントが尾行し、ハンターはエラの不審な動きを 警戒する。 事件現場のデジタル写真を入手したエラは、それを画像解析 の専門家に見せ、その写真に証拠品が合成されたことを知る。 その後、エラは駐車場でマーチャントに襲われるが、この件 に不信感を抱き、追っていたニッカーソンが現れ彼女を救う。 ハンターは逮捕されて刑務所に送られ、C・Jの無実は証明さ れて釈放される。 しかしエラは、C・Jが賞をとるためにやらせ番組を作り、それ をばらされるのを恐れて、女性を殺害していた事に気づく。 C・Jは”ダブル・ジョパディー(二重処罰の禁止)”が適用され、 二度と起訴されないと思っていた。 しかし、一事不再理の原則では心理無効が適用されず、 今回は確たる証拠があることを、エラは彼に伝える。 そして、エラは警察に通報し、C・Jを罵倒してその場を去り、 彼は再び逮捕される。




10-10. ソウル・キッチン

監督 ファティ・アキン
出演 アダム・ボウスドウコスモーリッツ・ブライブトロイビロル・ユーネル
2009年・ドイツ=フランス=イタリア(ビターズ・エンド)

解説
09年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞とヤングシネマ賞の2冠に輝いた、ドイツの若き巨匠ファティ・アキン監督による群像ドラマ。ハンブルグにあるレストラン“ソウル・キッチン”を舞台に、さまざまな人間模様が交錯する。ギリシャ系の主人公をはじめ、さまざまな人種が入り乱れる現在のドイツの世相もうかがわせる。

ストーリー
ジノス(アダム・ボウスドウコス)は、レストラン“ソウル・キッチン”の若きオーナー。庶民的な店で、常連客はいるものの、繁盛からはほど遠い。ある日、ジノスはジャーナリスト志望の恋人ナディーン(フェリーネ・ロッガン)とともに訪れた高級レストランでシェフのシェイン(ビロル・ユーネル)がクビにされる現場を目撃。ジノスは彼をスカウトする。だが、シェインの料理は堅苦しくて常連客に受け入れられず、客足は遠のく一方。そこへ学生時代の友人で今は不動産業のノイマン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)がやってきて、店を売れと迫る。さらに税務署が、滞納していた税金の代わりにステレオを差し押さえていく。その上、ノイマンの嫌がらせで、衛生局からは手作りのキッチンを1カ月で改善しないと業務停止するとの脅しを受け、やむなく店は一時休業。悩みを相談したいが、ナディーンは仕事ですでに上海。次から次へとジノスに降りかかる災難。ついにジノスは、ナディーンのいる上海へ行くことを決意する。そんなある時、休業中の店で従業員のルッツがバンドのライブリハーサルを始めると、演奏を目当てに人が集まってくる。そこへ、ジノスの兄イリアス(モーリッツ・ブライプトロイ)が刑務所から仮出所してくる。店に出入りするうちにウェイトレスのルチア(アンナ・ベデルケ)に恋をしたイリアスは、仲間とともにDJセットを盗み出し、店で音楽を流す。賑わいを見せるソウル・キッチン。音楽の力とシェインの料理が評判を呼び、連日大繁盛。ジノスは、店をイリアスに任せてナディーンのいる上海へ向かおうと空港を訪れるが、そこで帰省したナディーンと再会。しかも、彼女の隣には中国人の恋人が寄り添っていた。追い打ちをかけるように、店を訪れたノイマンがイリアスを巧みにギャンブルに誘い、店を奪い取ってしまう。“ソウル・キッチン”存続の危機に、ジノスたちは……。




10-11. イン・アメリカ 三つの小さな願いごと

監督 ジム・シェリダン
出演 サマンサ・モートンパディ・コンシダインジャイモン・ハンスゥ
2003年・アイルランド イギリス(20世紀フォックス映画)

解説
「マイ・レフトフット」 の名匠ジム・シェリダンが自伝的物語を映画化。新天地を目指してアメリカに渡った一家が、苦悩を乗り越え再生していくまでを真摯に見つめた人間ドラマ。

ストーリー
夢を求めてアイルランドからニューヨークにやってきた売れない俳優ジョニー(パディ・コンシダイン)と妻サラ(サマンサ・モートン)は、娘クリスティ(サラ・ボルジャー)とアリエル(エマ・ボルジャー)と共に、ハーレムのボロボロのアパートで新しい生活を始めた。どんなに貧しくても、幼い姉妹にとってニューヨークは新鮮で楽しい街。だがジョニーとサラは、息子フランキーの死という悲劇を忘れられずに苦しんでいた。そんな中、サラは妊娠。ジョニーは娘たちを学校に通わせるため、夜勤のタクシー運転手になった。ハロウィーンの日。仮装したクリスティとアリエルがアパート中の部屋のドアを叩いたことから、同じアパートに住む黒人のアーティスト、マテオ(ジャイモン・フンスー)と、一家は交流するようになる。しかしマテオは、エイズに冒されていた。やがて季節は冬へ向かい、サラは未熟児を出産。赤ん坊の容態は危険だったが、アパートのベッドで死の床にあったマテオが魔法の呪文のような言葉を呟いて亡くなった時、病院では赤ん坊が急に元気な泣き声をあげた。この奇跡で家族に希望が与えられた時、クリスティは両親が死んだフランキーのことを忘れるようにと、願いごとを唱えるのだった。




10-12. 殿方ご免遊ばせ

監督 ミシェル・ボワロン
出演 ブリジット・バルドーシャルル・ボワイエアンリ・ヴィダル
1957年・フランス(東和)

解説
「忘れえぬ慕情」 のアネット・ワドマンと「乙女の館」 のジャン・オーレルの共同原案をオーレルと「遥かなる国から来た男」 のジャック・エマニュエル、それに監督ミシェル・ボワロンの三人が脚色したパリ娘お色気行状記。監督のボワロンはルネ・クレール門下の新鋭。なおワドマンが台詞を担当している。撮影監督は「野性の誘惑」 のマルセル・グリニョン、音楽はいずれも新進のアンリ・クロラ、ユベール・ロスタン、アンドレ・オディールの三人。主演は「素直な悪女」 のブリジット・バルドー、「幸福への招待」 のシャルル・ボワイエ、「リラの門」 のアンリ・ヴィダル。アンドレ・リュゲ、「巴里の不夜城」 のナディア・グレイ、「遥かなる国から来た男」 のマドレーヌ・ルボウ、それにクレール・モーリエなどが助演する。

ストーリー
フランスのローリエ首相(アンドレ・リュゲ)の一人娘ブリジット(ブリジット・バルドー)はブロンドの髪も豊かな美少女である。政界の最高責任者である首相も、この娘には甘い父親でしかない。このブリジット、首相の秘書役である官房長のミシェル(アンリ・ヴィダル)に、ぞっこん惚れこんでいたが、好男子で女友達に事欠かぬミシェルはブリジットなど小娘にしか見えない。てんで相手にしないのだ。業を煮やしたブリジットは、首相主催の野鴨狩りが行われるのを幸い、狩りの場へ父の名をかたりミシェルを秘かに呼寄せた。が、首相は、この日わざとミシェルを呼ばなかった。反対党の党首エルブレエが、かつてミシェルの情婦だったカロリーヌと結婚したばかりで、ミシェルと会わせては、いざこざのもとであり、そうなれば自党の得票数にも影響する……と考えたからだ。ところが、ブリジットが父の名をかたって呼んだためミシェルは狩りに現われて大騒動。その夜、ブリジットは秘かに狩りの行われた森の別荘のミシェルの部屋に忍び込んだが、そこで、まだミシェルに未練たっぷりのカロリーヌと顔を合せてしまったのである。そこへまた浮気な妻を監視していたエルブレエが現れたが、彼がそこに見つけたのはスリップ一枚のブリジット。これを見たのが、またローリエ首相であった。首相はスキャンダルの拡がるのを恐れ、無理矢理ミシェルに娘との結婚を承知させた。楽しい新婚旅行−−が、結婚したもののブリジットは今度はミシェルの女友達に悩まされ始めた。そんなある日、中国のグレタ女王がシャルル公(シャルル・ボワイエ)と同伴で公式に訪問してきた。その歓迎パーティでブリジットはミシェルに、腹いせに、シャルル公と浮気してみせると断言した。ブリジットの手練手管にシャルル公は彼女と意気投合、翌日二人はニースに飛んで、時季はずれの水泳をしたり思いがけぬアヴァンチュールを楽しんだ。一方、ブリジットの広言を信用してもいなかったミシェルも、さすがに妻のことが心配になってきた。妻の姿が見えず、シャルル公も公式会見に欠席している。事情を察したミシェルは大使館へ出かけ公に会見を申込んだ。するとそこへ姿を現わしたのが当のシャルル公。バツの悪い思いで帰宅したミシェルを何喰わぬ顔のブリジットが迎えた。二人は熱烈なキスを交した。グレタ女王、シャルル公、帰国の日が来た。機上の人となろうとする公の口から大きなくしゃみ、すると見送り人の中にいたブリジットも大きなくしゃみ……季節はずれの水泳で、二人は風邪を引いたのだ。が、これは二人だけの秘密。ブリジットは今や最も愛している夫のミシェルの肩に顔をうずめていた。




10-13. 花咲ける騎士道

監督 ジェラール・クラウジック
出演 ヴァンサン・ペレーズペネロペ・クルスエレーヌ・ド・フジュロル
2003年・フランス(アスミック・エース)

解説
ジェラール・フィリップ主演の'52年の名作ロマンスをペネロペ・クルス&バンサン・ペレーズ共演でリメイク。嘘の予言に翻弄される騎士の、恋の一大騒動が遊び心満載で展開。

ストーリー
フランス革命の足音が近づく18世紀。”チューリップの騎士“と呼ばれる恋に遊ぶ男ファンファン(ヴァンサン・ペレーズ)は、強制結婚を言い渡されて窮地に追い込まれていた。そんな彼の前に、”戯れの占い師“と呼ばれる募兵官の娘アドリーヌ(ペネロペ・クルス)が現われて、あなたは王女と結ばれる運命にあるという恋の予言をする。それを真に受けたファンファンは、結婚から逃げ出して入隊。彼を乗せた馬車は、戦いの最前線を目指して山道を走り出す。やがて峠に差し掛かった頃、女性たちが賊に襲われているのを発見。ファンファンは見事な剣さばきで悪漢をやっつけ、たった一人で女性たちを救出する。その中には、なんとアンリエット王女(マグダレナ・ミエルカルツ)と、王室の実権を握るポンパドゥール夫人(エレーヌ・ド・フジュロル)がいた。占い通りの展開に、期待で胸が高鳴るファンファン。一方、彼に恋心を抱いていたアドリーヌの心は動揺。そして、ある陰謀が動き出す。謎のスパイに時の王ルイ十五世(ディディエ・ブルドン)の命が狙われ、その騒乱の中で、アドリーヌが誘拐されてしまったのだ。ファンファンは彼女を救い出す戦いの中で、アドリーヌこそが運命の女性だと気づき、二人はめでたく結婚するのだった。




10-14. ワイルド・スピード MAX

監督 ジャスティン・リン
出演 ヴィン・ディーゼルポール・ウォーカージョーダナ・ブリュースター
2009年・アメリカ(東宝東和)

解説
スピードに魅せられた男たちの極限カー・バトルを描く大人気シリーズ第4作。第1作で主演を務めたビン・ディーゼルやポール・ウォーカーらが再び顔を揃え、驚愕のアクションを披露。

ストーリー
卓越したドライビングテクニックを武器に輸送車強奪事件を繰り返したドミニク(ヴィン・ディーゼル)は指名手配を受け、LAを離れていた。南米ドミニカでも恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)や仲間とともに、タンクローリー襲撃を成功させる。しかし、当局の捜査の手がすぐ近くに迫っていた。レティを巻き込むことを心配したドミニクは、彼女の前から姿を消す。次に彼が現れたのはLA。妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)から衝撃的な事実を耳にしたドミニクは身の危険を知りつつ、ある人物への復讐を誓い、この街に戻ってきたのだ。その頃、ドミニクのライバルで元警察官、今やFBIの捜査官となったブライアン(ポール・ウォーカー)は、凶悪な麻薬組織を追っていた。捜査の過程でニトロ搭載の改造車に行き当たった彼は、その所有者を追って偶然ドミニクと再会。ドミニクの復讐の相手も、同じ改造車に乗っていたのだ。8年ぶりの再会。狙う相手が同じと知った2人だが、FBIに任せろというブライアンに、ドミニクはこの手で復讐する、と言い放つ。手に入れた情報をもとに、麻薬王ブラガが仕切るストリートレースに、愛車ダッジ・チャージャーで出場するドミニク。その目の前に、スカイラインGT-Rで現れるブライアン。このレースは、メキシコからの麻薬の“運び屋”を選ぶレースでもあったのだ。壮絶なデッドヒートを演じるドミニクとブライアン。ブラガの腹心カンポス(ジョン・オーティス)は、それを見て2人を雇う。彼らに与えられた仕事は、メキシコ国境を越える隠しトンネルを走り抜け、国境警備隊に見つからずにヘロインを運び込むこと。冷酷なフェニックス(ラズ・アロンソ)の先導で任務は成功するが、そこに予期せぬ罠が。生き残るために手を組むことになったドミニクとブライアン。姿を見せないブラガの行方は?そして、真の敵の正体は?事件は意外な真実へと突き進んでいく……。




10-15. ワーロック

監督 エドワード・ドミトリク
出演 リチャード・ウィドマークヘンリー・フォンダアンソニー・クイン
1959年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
「若き獅子たち」 のエドワード・ドミトリクがオークレイ・ホールの小説にもとづいて製作・監督した西部劇。脚色をロバート・アーサー、撮影を「秘めたる情事」 のジョー・マクドナルドがそれぞれ担当している。音楽は作曲リー・ハーライン、指揮ライオネル・ニューマン。出演するのは「女優志願」 のヘンリー・フォンダ、「拳銃の罠」 のリチャード・ウィドマーク、「黒い蘭」 のアンソニー・クイン、「翼に賭ける命」 のドロシー・マローン、ドロレス・マイケルズ、トム・ドレイク、フランク・ゴーシン、デフォレスト・ケリー、レジス・トゥーミー等。製作エドワード・ドミトリック。

ストーリー
ワーロックの町ではマックオウンの経営する、サン・パブロ牧場の暴れ者たちが跳梁していた。マックオウンの部下の1人ギャノン(リチャード・ウィドマーク)は、自分たちの行為を嫌っていた。ポニーは散髪屋に難癖をつけて殺した。マックオウンはワーロックの法律は、自分が作るのだと豪語した。翌日、町の人々は集会を開いた。町を自衛するために保安官クライ(ヘンリー・フォンダ)を呼ぶ協議をした。しかし、ジェシー(ドロレス・マイケルズ)はクライが行くところ、かならず賭博師モーガン(アンソニー・クイン)がついてくるので、町に新しい騒動が起こるといって反対した。クライとモーガンがやって来た。モーガンはさっそく酒場を開いた。クライはモーガンは悪人ではないと強調した。マックオウンが町に現われた。クライは彼の前に立ちふさがった。マックオウンは去ったが、家畜は盗まれ、駅馬車は襲われつづけた。ある日、リリー(ドロシー・マローン)が夫でありボブの兄であるベンを殺したクライへの復讐にやって来た。モーガンは山かげに待伏せて、リリーとボブの駅馬車を襲い、マックオウン一味のしわざとみせかけ、ボブを射殺した。モーガンとリリーはかつて恋仲だった。モーガンは今でも彼女を愛していたが、彼女は冷たかった。ギャノンは町の仕事をするようになった。クライは裁判の結果、ギャノンの弟ビリーらを町から追放した。リリーはギャノンを利用してクライを殺そうとした。ギャノンはリリーを愛した。彼女は自分を愛した男はみな無惨な死をとげているので悩んだ。クライとジェシーも相思相愛の仲になっていた。ビリーはクライに決闘を求めた。ビリーの仲間がクライの後方から狙った。が、モーガンの援護でクライは傷つきながら、ビリーを倒した。ビリーはギャノンに抱かれながら死んだ。ギャノンはマックオウンに町から去ってくれと頼んだが、反対に袋だたきにされた。町につくす彼に対する信頼は増していった。ある日、嫉妬に狂ったモーガンはクライにギャノンを殺せといった。その時、ギャノンはマックオウンと対決し、彼を射殺した。ギャノンは町の実権を握った。モーガンはギャノンを狙った。クライはギャノンを牢に入れ、モーガンに退去を命じた。命令をきかぬモーガンはクライに射殺された。クライは町の平和のために、ワーロックを去ることにした。彼を見送るリリーの手から拳銃が落ちた。クライの後を追うジェシーの声が聞えてきた。クライは1度ふりむいただけで、荒野の彼方に姿を消した。




10-16. 恋人たちの予感

監督 ロブ・ライナー
出演 ビリー・クリスタルメグ・ライアンキャリー・フィッシャー
1989年・アメリカ(日本ヘラルド映画)

解説
ある男女の11年にわたる愛と友情の軌跡を描く。製作・監督は「スタンド・バイ・ミー」 のロブ・ライナー、共同製作はアンドリュー・シャインマン、脚本はノーラ・エフロン、撮影はバリー・ソネンフェルド、音楽はハリー・コニツク・ジュニアが担当。出演はビリー・クリスタル、メグ・ライアンなど。

ストーリー
77年のシカゴ、大学を卒業したばかりのハリー・バーンズ(ビリー・クリスタル)とサリー・オルブライト(メグ・ライアン)は、ハリーの恋人がサリーの親友であったことから経費節約のために同じ車でニューヨークに出ることになるが、事あるごとに2人は意見を衝突させ、初めての出会いは最悪のものとなった。それから5年後、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港。出張の見送りに来てくれた恋人ジョンと長いキスを交わしているサリーのもとにハリーが姿を現わした。2人はお互いが相手の名前を覚えていたことに驚くが、飛行機の中で席を替わってもらって隣り合わせになったハリーとサリーはまたしても口論、しかしもうすぐ結婚するというハリーの様子は以前とは違ってみえた。さらに5年後、離婚直前のハリーと、ジョンとの別れから何とか立ち直ろうとしているサリーが再会した。これを機会に2人は友達同士になり、デートを重ねるようになるが、2人の会話はお互いの恋の悩みばかり。ジョンとの恋にケリをつけたと思い込みたいサリーと、妻と離婚した現実を受け入れられないハリーの関係は、しかし時として互いに振りかかってくる相手へのロマンティックな思いを振り払おうとしている。ある日2人はお互いの親友を紹介しあおうとするが、逆にハリーの親友ジェス(ブルーノ・カービー)とサリーの親友マリー(キャリー・フィッシャー)が意気投合し、2人を残してどこかへ消えてしまう。ある夜サリーの泣きじゃくる電話をうけたハリーは、彼女のアパートヘ駆けつける。独身主義者のジョンが自分以外の女と結婚すると聞きショックをうけたサリーを慰めるうちに、どちらともなく2人は互いを求め、ついに一夜を共にしてしまう。それ以来2人の関係は、変に相手を意識しすぎてぎくしゃくしてしまい、ハリーの言い訳が逆に混乱を招いたりもする。しかしニュー・イヤー・イヴの夜、相手への愛を確信したハリーとサリーは、様々な紆余曲折の末に自然な恋人関係を築きあげるのだった。




10-17. 未来を生きる君たちへ

監督 スサンネ・ビア
出演 ミカエル・バーシュブラントトリーネ・ディアホルムウルリク・トムセン
2010年・デンマーク=スウェーデン(ロングライド)

解説
第83回アカデミー賞、第68回ゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞をダブル受賞した話題作。世界で高い評価を受け、「悲しみが乾くまで」でハリウッド進出を果たしたデンマーク出身のスサンネ・ビア監督が、デンマークとアフリカの難民キャンプを舞台に、善と悪、愛と憎しみの線上で揺れ動く主人公たちが苦悩する姿を映し出す。

ストーリー
デンマークに家を持つ医師のアントン(ミカエル・パーシュブラント)は、アフリカの地に赴任し、キャンプに避難している人々の治療を行っている。様々な患者の中には妊婦の腹を切り裂く悪党“ビッグマン”の犠牲者もいた。母マリアン(トリーネ・ディアホルム)と幼い弟のモーテンと暮らしているエリアス(マークス・リーゴード)は、毎日学校で執拗なイジメにあっていた。父親のアントンが大好きなエリアスはその帰国を喜ぶが、両親は別居中である。ある日、母親の葬式を終えたクリスチャン(ヴィリアム・ユンク・ニールセン)が、エリアスのクラスに転校してくる。その放課後、イジメっ子のソフスにエリアスは絡まれ、クリスチャンも巻き添えを食らう。翌日、クリスチャンはソフスを殴り倒し仕返しをする。ソフスの怪我が表沙汰になり、呼び出された父親クラウス(ウルリッヒ・トムセン)は、報復にはきりがないと諭すがクリスチャンはやり返さなきゃだめだと口応えする。帰国したアントンが、子供たちとクリスチャンを連れて出掛けた帰り、モーテンがよその子と公園でケンカになった。割って入ったアントンだが、駆け寄って来た相手の子の父親に、理由も訊かれずに殴られてしまう。翌日、クリスチャンとエリアスが自分を殴った男ラース(キム・ボドニア)の職場を割り出したことを聞いたアントンは、子供たちとラースの職場を訪れる。殴った理由を問いただすアントンを、ラースは再び殴るが、アントンは決して手を出すことなく、屈しない姿を子供たちに見せた。帰り道、殴るしか能のない愚か者だとラースを評するアントンに、エリアスとモーテンは同調するが、クリスチャンは報復しなかったアントンに納得がいかない。アントンがアフリカへと戻った後、祖父の作業場で大量の火薬を発見したクリスチャンは、爆弾を作ってラースに復讐しようとエリアスに持ち掛ける。一方、アフリカのキャンプでは脚に怪我を負ったビッグマンがやって来る。アントンは周囲に反対されながらもビッグマンの治療を行うのだが……。




10-18. 明日に向って撃て!

監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 ポール・ニューマンロバート・レッドフォードキャサリン・ロス
1969年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
実在した2人組の強盗を描いた新感覚のモダン・ウェスタン。監督は「モダンミリー」 のジョージ・ロイ・ヒル、脚本はウィリアム・ゴールドマン。撮影は「冷血」 のコンラッド・ホール、音楽は「007/カジノ・ロワイヤル」 のバート・バカラック、衣装をイーディス・ヘッドが担当。製作は「レーサー」 のジョン・フォアマン、総指揮にはポール・モナシュが当たっている。出演は「レーサー」 のポール・ニューマン、「白銀のレーサー」 のロバート・レッドフォード、「卒業」 のキャサリン・ロス、「ワイルドバンチ」 のストロザー・マーティン、「勇気ある追跡」 のジェフ・コーリー、テッド・キャシディなど。デラックスカラー、パナビジョン。1969年作品。

ストーリー
1890年代の西部。家畜泥棒と銀行強盗が稼業の2人組のガンマン、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)とサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、同じ盗人仲間のハーベイ・ローガン(テッド・キャシディ)らの誘いにのって、列車強盗を試み、大金をせしめた。この後ブッチは、銀、錫などの鉱山資源の豊富なボリビアへ行って荒稼ぎしようと、サンダンスを誘う。そして、スペイン語のできるサンダンスのガール・フレンド、女教師のエッタ(キャサリン・ロス)も交えて、彼らはボリビアへ向かう。が、ボリビアはブッチの想像とは異なり大変な貧乏国で、2人はたちまち銀行強盗に戻る。やがて2人はヤンキー泥棒として有名になり、警察も彼らに手ごころを加えた。2人にとってはこれが不満で、とうとう彼らは足を洗い、錫山のガードマンとなった。エッタは2人がカタギになったことを喜ぶが、所詮、泥棒稼業が身についた2人、正業を長続きさせることはできないだろうと考えていた。この不安は的中し、数年後、彼らは鉱山の給料を奪い、再び警官に追われる身となった。捜索には、ボリビア軍隊までも動員され、2人はあえない最期をとげた。(20世紀フォックス配給*1時間50分)




10-19. ダウン・バイ・ロゥ

監督 ジム・ジャームッシュ
出演 トム・ウェイツジョン・ルーリーロベルト・ベニーニ
1986年・アメリカ、西ドイツ(フランス映画社)

解説
獄中で出会った3人の男たちの触れ合いを描く。製作はアラン・クラインバーグ。監督・脚本は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」 のジム・ジヤームッシュ、撮影はロビー・ミュラー、主題歌・主演はトム・ウェイツ、音楽・出演ジョン・ルーリー、編集はメロディ・ロンドンが担当。共演はロベルト・ベニーニなど。

ストーリー
ルイジアナ州ニューオリンズ。ジャック(ジョン・ルーリー)は、チンピラでポンびき。情婦ボビー(ビリー・ニール)にあいそづかしされているところへ、縄ばりをはり合っているギグ(ロケッツ・レッドグレア)に騙されて投獄されてしまう。一方、ザック(トム・ウェイツ)は、リー・ベビー・シムズの名でディスク・ジョッキーとして結構売れていたこともあるが、ジャガーを一時間運転するだけで1000ドルの報酬という話にのって、ワナにかけられて逮捕される。こんな2人が、OPP(オリンズ・パリッシュ・プリジン)の同じ獄房に入れられた。むっつりとしたザックと態度の大きいジャックは、初対面からうまくいかない。そこにロベルト(ロベルト・べニーニ)という変なイタリア人旅行者がぶち込まれてくる。彼はカタコトの英語で2人に話しかけ、3人はスクリーム(叫ぶ)とアイスクリームをかけ合わせたジョークを発しながら騒ぎたてる。ロベルトは殺人で投獄されたのだという。ロベルトの発案で、3人は堂々と脱獄してしまい、川を渡り野や森をぬけてようやくボート小屋にたどりついた。そこでジャックとザックは、これからミシシッピーに向かうかテキサスに向かうかでいがみ合う。翌朝ボートで川をのぼる3人。ボートは、しばらくすると同じ風景に戻ってしまい、浸水して沈んでしまう。先導した奴が悪いと口論が始まり、とっくみ合う彼ら。ザックはDJ調に森の観察をしゃベりつづけ、ジャックは人生をぼやき、ロベルトは母が得意だったといううさぎ料理の話を夢中でする。数日後に蜃気楼のような道に出て、夜ルイジの店と書かれた一軒屋の前に出る3人。偵察に行ったロベルトがなかなか戻ってこない。びくびく近づく2人。中には暖かい料理とワインでもてなされているロベルトの姿があった。彼の前で話を聞いているのは、ニコレッタ(ニコレッタ・ブラスキ)で、ロベルトは彼女に恋をしたと宣言する。彼はここに残ることに決め、翌日、ジャックとザックは、ニコレッタとロベルトを残して、再び出発する。相手が右へ行くといえば自分は左に行くというジャックは、ぴったりと分かれ道で別れそれぞれの道を進むのだった。




10-20. 顔のない天使

監督 メル・ギブソン
出演 メル・ギブソンニック・スタールマーガレット・ウィットン
1993年・アメリカ(日本ヘラルド映画)

解説
将来に不安を抱く少年と、過去の呪縛から逃れられない元教師の理解と友情を描いたヒューマン・ドラマ。「フォーエヴァー・ヤング 時を超えた告白」 の俳優メル・ギブソンが友人のプロデューサー、ブルース・デイヴィと設立したアイコン・プロ第一回作品で、ギブソンが初監督と主演を兼ね、製作をデイヴィーが手がけている。イザベル・ホランドの小説を、本作が初の劇場映画のマルコム・マクラーリーが脚色。撮影は「パトリオット・ゲーム」 のドナルド・マッカルバイン。音楽は「心の扉」 のジェームズ・ホーナー。特殊メイクは「フック」 のグレッグ・キャノンが担当。共演は本作で映画デビューの子役ニック・スタール、「メジャーリーグ」 のマーガレット・ウィットン、「めぐり逢えたら」 のギャビー・ホフマン、「デッドフォール」 のジョフリー・ルイスら。

ストーリー
1968年の夏、メイン州の高級避暑地にノースタッド家が恒例のバカンスにやって来た。姉と妹とはそれぞれ父親が違うという複雑な家庭に育った12歳の少年チャック(ニック・スタール)の夢は、名門ホリフィールド士官学校に入学すること。家族から孤立している彼は、朝鮮戦争で死んだという父のわずかな記憶だけを心のよりどころにしていた。避暑地には事故で顔半分にやけどを負い、人目を避けるように暮らす、元教師のジャスティン・マクラド(メル・ギブソン)がいた。チャックは彼に自分の個人教師になってほしいと頼むが、マクラウドは誰も教える気はないと断る。だが、いつしか2人は心を通い合わせ、友情が芽生える。勉強に打ち込むうちに、2人は教えること、学ぶことの喜びを取り戻していった。チャックはマクラウドの事故のことを聞き出そうとしたが、彼は決して語ろうとしなかった。ある時セックスの現場をチャックに見られた姉は怒りから、彼の父の本当の死因を明かす。父はアルコール依存症で、精神病院で悲惨な最後を遂げたと聞かされたチャックは、雨の中をマクラウドの元にかけつける。彼は動揺するチャックを家に泊める。母親の連絡を受けてマクラウドの家を訪れた保安官は下着姿のチャックを見つけて母親の元に連れて帰るばかりか、以後は彼に会うことを禁じてしまう。マクラウドは10年前、教え子を乗せた車で事故を起こして死なせたばかりか、その時、車内で性的虐待を行っていたかどで投獄されていたというのだ。自分とマクラウドの間には何もなかったと言っても町の人々は信じてくれない。町を発つ日、チャックは母の目を盗んでマクラウドに会い、事故当時の真相を聞く。「真実は自分が信じることにある」と言う彼の姿に無実を確信したチャックは、士官学校の入試に向けて旅立った。みごと合格したチャックはマクラウドの家を訪れるが、そこには誰もいなかった。4年の歳月が過ぎ、チャックは卒業式を迎えた。人込みの彼方には懐かしいあの後ろ姿が。その後ろ姿はゆっくりと振り向くと、うれしそうに手を振った。




10-21. 勇者たちの戦場

監督 アーウィン・ウィンクラー
出演 サミュエル・L・ジャクソンジェシカ・ビールカーティス・ジャクソン
2006年・アメリカ(日活)

解説
イラク戦争から帰還した兵士たちが、戦争で受けた傷あとから逃れられず、苦難に直面する姿を描く問題作。サミュエル・L・ジャクソンら実力派俳優陣の熱演に注目。

ストーリー
アメリカ占領下のイラク。米軍前線基地デルタの軍医ウィル・マーシュ(サミュエル・L・ジャクソン)は母国アメリカへの帰還が近いことを知らされる。ウィルと同じワシントン州スポケーン出身のトミー・イエーツ(ブライアン・プレスリー)、その親友ジョーダン・オーウェンズ(チャド・マイケル・マーレイ)とジャマール・アイケン(カーティス・ジャクソン)、そしてヴァネッサ・プライス(ジェシカ・ビール)といった若い州兵たちも帰国の日を心待ちにしていた。彼らが最後の任務に就いたその日、部隊が現地に到着すると武装勢力が急襲。ヴァネッサは路上に仕掛けられた爆弾によって重症を負い、ジャマールは暗がりにいた非武装の女性に発砲してしまう。そして、逃走する敵を追いかけていたジョーダンはトミーの眼前で狙撃される…。間もなくウィル、トミー、ジャマールはスポケーンに帰郷、ジョーダンの葬儀に参列する。ウィルは我が家で妻子に再会を果たし、医師として病院に勤務することになるが、戦地での忌まわしい記憶が時折甦るのだった。トミーはジョーダンの恋人サラ(クリスティーナ・リッチ)に会い、ふたりは深い悲しみに暮れる。故郷での生活に順応できないトミーは、集団カウンセリングに通うようになり、そこでジャマールと再会する。彼もまた民間人を射殺したという事実が心的外傷となっていた。そんな中、治療を終えたヴァネッサが帰還、幼い息子が彼女を迎える。高校教師に復職したものの、右手を失い義手を着けて生活することはヴァネッサにとって辛い日々であった。ウィルはイラク戦争反対の意思を示す息子と口論になり、そんな彼に妻も不満をぶつける。家族間のすれ違いが日々大きくなる中、ウィルはアルコールに依存するようになる。一方、精神状態が極限に達したジャマールは拳銃を手に、恋人が勤めるカフェに立てこもる。そこへトミーが姿を現し、ジャマールの説得にあたるが……。




10-22. ニューヨークの恋人

監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 メグ・ライアンヒュー・ジャックマンリーヴ・シュレイバー
2001年・アメリカ(ギャガ=ヒューマックス)

解説
メグ・ライアン&ヒュー・ジャックマン共演による時を超えたラブ・ストーリー。現代のキャリアウーマンと19世紀の貴族のめぐり逢いと恋のゆくえをロマンチックにつづる。

ストーリー
1876年、ニューヨーク。レオポルド公爵(ヒュー・ジャックマン)は、愛する女性とめぐり逢えないまま、結婚相手を決めざるをえない状況にあった。そんな時、彼はブルックリン・ブリッジから落ちてしまい、現代のニューヨークにタイムスリップ。仕事にも恋にも疲れた広告会社で働くキャリアウーマンのケイト(メグ・ライアン)は、元ボーイフレンドであるスチュアート(リーヴ・シュレイバー)のところに転がり込んできたレオポルドと知り合い、彼の奇妙なふるまいにとまどいつつも、徐々に親しくなっていく。そしてケイトは、バッグをひったくられたのをレオポルドが馬に乗って助けてくれたことから、彼に恋心を抱きはじめる。そんなある夜、ケイトは会社重役のJ.J.(ブラッドリー・ウィットフォード)に食事に誘われる。ケイトを愛しはじめていたレオポルドは二人が食事しているレストランに乗り込み、J.J.の俗物ぶりを痛烈に暴きだす。怒り傷ついたケイトが翌朝レオポルドから受け取ったのは、誠意にあふれた美しい手紙。ケイトとレオポルドは恋仲になるが、やがてレオポルドは19世紀に帰ってしまう。そしてある令嬢との結婚の準備を進めるが、そこに、せっかく手に入れた重役のイスを捨て、ケイトがタイムスリップしてやってくる。かくして2人は19世紀でめでたく結ばれるのだった。




10-23. 私の中のあなた

監督 ニック・カサヴェテス
出演 アビゲイル・ブレスリンソフィア・ヴァジリーヴァキャメロン・ディアス
2009年・アメリカ(ギャガ・コミュニケーションズ)

解説
ベストセラー小説が原作の感動ストーリー。女優として15年のキャリアを持つキャメロン・ディアスが母親役に初挑戦し、実の娘に訴えられるという難役を見事に演じている。

ストーリー
弁護士のサラ・フィッツジェラルド(キャメロン・ディアス)は、夫・ブライアン(ジェイソン・パトリック)と長男ジェシー、長女ケイトとの4人暮らし。だが、2歳のケイトが白血病に侵されていることが分かり、家族の生活は一変してしまう。両親に残された希望はただひとつ。ケイトの生命を救う、ドナーにぴったりの新たな子供を遺伝子操作で作ることだった。そうして次女のアナは生まれてきた……。抜群の成功率を誇る弁護士キャンベル・アレグザンダー(アレック・ボールドウィン)の事務所に、ある日、意外な客が訪れる。テレビのコマーシャルを見て彼を知ったというその11歳の少女アナ(アビゲイル・ブレスリン)は、真剣な表情で両親を訴えたいと言う。白血病の姉ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)の治療のために、腎臓をひとつ提供することを要求されているというのだ。しかも彼女にとって、これは初めてではなく、これまでにアナは何度も姉のために手術台の上に乗ってきた。自分の体は自分で守りたい、とアナはアレグザンダーに告白をする。アナの突然の起訴に驚きを隠せないサラとブライアン。サラは激怒してアナを叱り飛ばすが、アナの意思は固く変わらなかった。そんなアナの身勝手な行動を理解できないサラは、裁判所へと自ら出向きアナと戦うことを決意する。しかし、法廷での裁判が続くにつれ、サラはアナの様子がどこかおかしいことに気付く。アナは何を隠しているのか。何故、アナは突然自分の役目を降りて、大好きな姉を見殺しにするような選択をしたのか。やがて、アナの口から真実が告げられ、アナの家族は衝撃の事実を耳にすることとなる……。




10-24. 捜索者

監督 ジョン・フォード
出演 ジョン・ウェインジェフリー・ハンターヴェラ・マイルズ
1956年・アメリカ

解説
久方ぶりにジョン・フォードが取組む西部の叙事詩。廣野を背景に、深い愛情を呵責ない非情で包む西部男の物語。サタデー・イヴニング・ポスト誌連載、アラン・ルメイ原作“復讐するテキサス人”を「ミスタア・ロバーツ」 のフランク・S・ニュージェントが脚色、「ミスタア・ロバーツ」 に続きジョン・フォードが監督、ウィントン・C・ホックが撮影を担当。主演は「中共脱出」 のジョン・ウェイン、「白い羽根」 のジェフリー・ハンター、「フェザー河の襲撃」 のヴェラ・マイルズ、「理由なき反抗」 のナタリー・ウッド、他にフォード一家のワード・ボンド、ハリー・ケイリー・ジュニア、ジョン・ウェインの息子パトリック・ウェイン等が助演。

ストーリー
南北戦争に従軍したイーサン・エドワーズ(ジョン・ウェイン)は終戦を迎えて3年後、テキサスで牧場を営む弟アーロンの許に戻る。彼を出迎えたのはアーロン始めその妻マーサ、18の娘ルシイ、14になる息子ベン、9歳の娘デビー。他にチェロキー族との混血で、一家がコマンチ族に皆殺しにされたため引取られた血気な若者マーティン・ボウレイ(ジェフリー・ハンター)の姿。だがイーサンハはハーフのマーティンに好感を持たないらしい。翌日、牧師も兼ねるテキサス警備隊隊長サム・クレイトン大尉(ワード・ボンド)の一行がやって来る。隣人の牧場主ジョーゲンセンの牛がインディアンに盗まれたので追跡するのだという。イーサンとマーティンは隊に加わる。マーティンに別れの接吻をするジョーゼンセン家の一人娘ローリイ(ヴェラ・マイルズ)。出発した捜索隊は途中、白人男子を家から誘い出すためのコマンチ族の仕業と知り、二隊に別れて引返す。だが時遅く、エドワーズ一家は皆殺し、ルシイとデビーは誘拐されていた。犯行はコマンチ酋長スカーと部下の仕業と判る。捜索隊はコマンチ族を追跡したが劣勢のため退却。復讐の念に燃えるイーサン、マーティンそしてルシイと愛し合っていた20歳になるブラッド・ジョーゲンセン(ハリー・ケイリー・ジュニア)の3人だけ追跡を続けることになった。数ヵ月後、3人はコマンチ族に追いつき、イーサンはルシイの死体を発見したが祕かに埋葬。だがインディアン幕営地近くでそれを知ったブラッドは狂気のようにコマンチ族目掛けて馬を飛ばせ不運な最後を遂げた。イーサンの敵慨心は更に硬直。やがて捜索2年目も過ぎイーサンは、デビーと血縁もないマーティンに平和な生活へ戻れとすすめたが、彼はきき入れない。その頃、交易所を経営するファタマンから、報酬と引換えにデビーの居所を教えるといってくる。イーサンは単身、交易所へ。マーティンも引止めるローリイの手を振り切って後を追う。デビーは酋長スカーと北方の保留地に向ったと聞いた二人は謝礼を払い直ちに出発。だがその夜露営先に子分を連れたファタマンが襲来。予期していたイーサンは逆に一味を射殺して死体から謝礼金を取戻す。やがてコマンチ族の交易所に立寄った時、マーティンはコマンチ娘ルックに惚れ込まれてしまい、珍妙な夫婦ができ上る。だがスカーの居所を知るらしいルックをイーサンは詰問、姿を消したルックは軍隊に襲撃された集落で死体となって発見。デビーを逃がそうとしてスカーに殺されたらしい。アメリカ西南部を踏破した二人は、ニュー・メキシコ地帯でメキシコ人エミリオの案内から遂に目指すスカーの許に着いた。白人を憎悪するスカー。その天幕には一人前の娘に成長したデビー(ナタリー・ウッド)の姿。だが彼女は二人に気づかない。怖気づいたエミリオは、スカーは全部知っているのだと言い立去る。二人が去りあぐんでいる処に駆けよったデビーは「私は今ではコマンチです。帰って下さい」と言う。血縁の名折れと拳銃を手にしたイーサンはコマンチの狙撃に傷つき、マーティンの助けで辛うじて牧場へ戻る。折しも牧場では、警備隊員チャーリイとローリイの結婚式。怒ったマーティンは花婿と拳銃の応酬。結婚式は流産となる。やがてクレイトン指揮の警備隊はスカーのキャンプを急襲。単身潜入したマーティンはデビーを救いスカーを射殺した。長年コマンチの許で暮したため白人に敵意を持つようになったデビーをイーサンは殺そうと決意、制止するマーティンを殴りつけ、デビーを追いつめて銃口を向けたが無邪気な表情に射つのを止め、馬上に抱き上げてジョーゲンセンの牧場に帰りつく。総ては終った。愛するマーティンを迎えるローリイ。ジョーゲンセン夫人の胸にすがるデビー。6年間の使命を果したイーサンは、満足気に一人去って行った。




10-25. キングダム・オブ・ヘブン

監督 リドリー・スコット
出演 オーランド・ブルームエヴァ・グリーンジェレミー・アイアンズ
2005年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
グラディエーター」 の巨匠、リドリー・スコット&オーランド・ブルーム主演による歴史大作。中世ヨーロッパの十字軍遠征を背景に、ある青年の波乱に満ちた愛と闘いを描出。

ストーリー
12世紀、中世時代のフランス。若く美しい鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)は、自分が実は勇敢な騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)の息子であることを知る。<キングダム・オブ・ヘブン(天国の王国)>を作りたいという亡き実父の理想を受け継ぐべく、バリアンはエルサレム王に忠誠を誓い、十字軍の騎士としてフランスから遠く離れたエルサレムへ向けて、戦いの旅に参じることになる。数々の苦難を乗り越え、騎士として少しずつ成長していくバリアンは、絶望的な運命を背負ったエルサレム王ボードワン4世(エドワード・ノートン)を助け、やがて美しい王女シビラ(エヴァ・グリーン)と禁じられた恋に落ちる。しかし、父から託された使命と誓いを一途に守ろうとするバリアンは、エルサレム王の勧めにもかかわらず、シビラを妻とすることを拒否する。まさにその時、城門の外にはサラセン帝国の大軍が迫っていた。そして、シビラの夫で権力を狙うテンプル騎士団の騎士・ギー(マートン・ソーカス)の反乱。都を守ることができるのは、バリアンとほんのわずかな騎士のみ。エルサレムの人々と愛するシビラの命を守るために、バリアンは戦いなど知らない住民たちと共に立ち上がるのだった。




10-26. 弾を噛め

監督 リチャード・ブルックス
出演 ジーン・ハックマンキャンディス・バーゲンジェームズ・コバーン
1975年・アメリカ(コロムビア映画)

解説
人と馬による命を賭した踏破距離700マイルの死のレースに参加した8人の男女の冒険を描く。題名の「弾丸を噛め」 とは、アメリカ開拓時代、負傷した男が麻薬のかわりに弾丸を噛んで手術の苦しみに耐えたという故事に起因し、“苦しみに耐えてやりぬけ”という意味に使われる。製作・監督・脚本はリチャード・ブルックス、撮影はハリー・ストラドリング・ジュニア、音楽はアレックス・ノース、編集はジョージ・グレンヴィルが各々担当。出演はジーン・ハックマン、キャンディス・バーゲン、ジェームズ・コバーン、ベン・ジョンソン、イアン・バネン、ジャン・マイケル・ヴィンセント、マリオ・アルテアガ、ロバート・ドンナー、ロバート・ホイなど。日本語版監修は野中重雄。テクニカラー、パナビジョン。1975年作品。

ストーリー
1908年の西部。デンバー・ポスト新聞の主催による過酷なレースが始まろうとしていた。それは、人間と馬による、踏破距離700マイル、賞金2 000ドル、馬を乗りかえることは出来ず、行く手には山あり谷あり砂漠ありという定められたコースを6日半で踏破する死のレースだった。馬を乗りつぶしたり事故にあったりしたら生きては帰れない。出場者8人が各地から集まった。カウボーイのサム・クレイトン(ジーン・ハックマン)、皮肉屋の賞金稼ぎルーク・マシューズ(ジェームズ・コバーン)、ミスターと呼ばれるカウボーイ(ベン・ジョンソン)、名声に憧れる若者カーボ(ジャン・マイケル・ヴィンセント)、乗馬を愛する英国紳士ノーフォーク卿(イアン・バネン)、メキシコ人(マリオ・アルテアガ)、馬術家リー・クリスティー(ロバート・ホイ)、いずれもひとくせもふたくせもありそうな男ばかりのなかの紅一点、ミス・ジョーンズ(キャンディス・バーゲン)も参加していた。8人の冒険者たちは毎晩定められたチェック・ポイントに立ちより、獣医によって厳しい馬の検査を受けなければならない。このレースはアメリカ中で注目され、何百万ドルという賭金が動いた。最初のペース・メーカーは向こうみずな若者カーボだった。出発後間もなくメキシコ人が歯痛のために脱落しそうになったがサムとミス・ジョーンズによって弾丸を歯冠がわりにかぶせられ、再びレースに戻ることが出来た。幾日目かの夜、河を渡ろうとした老カウボーイ、ミスターは馬と共に急流に飲まれ、やっとのことで這い上がったが、心身ともに衰弱しサムにみとられながら、あえない最後をとげた。それは危険な旅の第1の犠牲者だった。翌日には、8時間もかかるという砂漠を横断しなければならなかった。この最大の難関での脱落者は、馬を酷使しすぎたカーボだった。さらにノーフォーク卿の馬は足の骨を折り、自ら愛馬を銃殺しなければならなかった。残るは5人だけだった。だが最後のチェック・ポイントを通過した後、事件が起こった。定められたコースで数人の囚人たちが作業しており、その監督官にミス・ジョーンズが拳銃をつきつけたのだ。それはとらわれの愛人を脱獄させるためにレースに参加した彼女の予定の行動だったのだ。そのために、後からきた4人の馬は奪われ、メキシコ人が殺された。馬を取り戻すために、サムとルークは、このレースの監視者のオートバイを借りうけ囚人たちのあとを追った。カーボの手助けもあり、激しい銃撃戦の末馬は無事助けられ、レースは再び開始された。ゴールまであと数十メートルに迫ったが、人馬共に疲れ果てていた。ゴール前に張られたテープは、サムとルークが同時に切りおとし、長い死のレースは終わった。(コロムビア映画配給2時間7分)




10-27. 近距離恋愛

監督 ポール・ウェイランド
出演 パトリック・デンプシーミシェル・モナハンケヴィン・マクギッド
2008年・アメリカ(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

解説
ひそかに思いを寄せていた親友の結婚を阻止しようと奔走する男の姿を描くラブ・コメディ。「魔法にかけられて」 のパトリック・デンプシーが恋に鈍感な主人公を好演。

ストーリー
スターバックスのカップで火傷しないためのカバー“スリーブ”を発明しリッチな生活を送るトム(パトリック・デンプシー)は、結婚離婚を繰り返す父トーマス(シドニー・ポラック)の影響で結婚を信じられず、恋愛ゲームを楽しんでいた。そんな彼が大切にしているのは、親友ハンナ(ミシェル・モナハン)と過ごす日曜日。ハンナはメトロポリタン美術館に勤める堅実な努力家。仲の良い両親に育てられ、父が亡くなった今、母ジョーン(キャスリーン・クインラン)と親友のような信頼で結ばれている。そんな彼女は結婚を大切なイベントととらえ、運命の人を待ち続けていた。2人が出会ったのは10年前の大学時代、トムが寮の他の女の子と間違えてハンナのベッドに潜入したときだった。お互いの共通点“正直さ”から意気投合し、友情を育んできたが、ある日、ハンナが名画の買い付けのため6週間のスコットランド出張に行くことに。トムはガールフレンドと日曜日を過ごすがしっくりこない。ハンナへの恋心に気付いたトムは、彼女と結婚はせずに一緒に暮らしたいと願うようになる。しかし、スコットランドから戻ってきたハンナの隣にはスコットランドのデカイ男コリン(ケヴィン・マクキッド)がいた。2人は婚約を済ませ、2週間後にスコットランドで挙式するという。ハンナから普通は花嫁の女友達が担当する花嫁付添い人を依頼されたトムに、男友達は、付添い人として花嫁の傍にいる間に彼女の気を変えさせろと助言する。しかし、スコッチの名門メーカーの御曹司で公爵の称号を持ち、スポーツ万能でインテリでセクシーなコリンに、ハンナを心変わりさせる要素は微塵もなかった。トムは婚前祝いパーティを自宅で開き、下品な余興で顰蹙を買いハンナを傷つける。そこで付添い人を完璧にこなし、結婚を大切にする男に変わったとアピール。しかし付添い人の務めを果たすほど、他の男と結ばれる彼女を見る辛さに直面する。そして、スコットランドに旅立つ日がやってくる。




10-28. フローズンリバー

監督 コートニー・ハント
出演 メリッサ・レオミスティ・アップハムチャーリー・マクダーモット
2008年・アメリカ(アステア)

解説
2008年のサンダンス映画祭でグランプリに輝くなど、数々の映画祭で評判となった感動作。家族のために危険な仕事に手を染める人種も境遇も異なる2人の母親の姿を描き出す。

ストーリー
カナダとの国境に面するニューヨーク州最北部の町。ここにはモホーク族の保留地がある。2人の息子を育てながら、1ドルショップで働く白人女性レイ・エディ(メリッサ・レオ)は、新居を買うための金をギャンブル依存症の夫に持ち逃げされる。夫を探しに行ったレイはビンゴ会場の駐車場で、モホーク族の女が夫の車を運転しているのを見つける。女はライラ・リトルウルフ(ミスティ・アップハム)と名乗り、車は拾ったと主張する。彼女は事故で夫を失い、義母に奪われた子供を取り戻したいと願っていた。まとまった金を手に入れるため、凍った川を車で渡り、アジアの不法移民をカナダからアメリカに密入国させる仕事をしていた。そのため車が必要な彼女は、儲けの山分けを条件にレイをパートナーに引き入れる。成功に味をしめた2人は、クリスマス・イブの夜、再びペアを組む。今回の移民がパキスタンから来た夫婦だと知ったレイは、預かった鞄の中身を爆弾だと思い、道端に捨てる。しかし引き渡し場所に着いた2人は、バックの中身が夫婦の赤ん坊だと知らされる。慌てて引き返し鞄を取り戻すが、赤ん坊は息をしていなかった。しかし、引き渡し場所へ着くまでに、車内の暖房とライラの体のぬくもりで赤ん坊は息を吹き返す。赤ん坊の神秘的な生命力に触れたライラは、自分勝手な生き方を反省し、まともな職に就こうとする。一方、子供たちのために新居を諦められないレイはライラを説得し、最後の国境越えをする。しかしその夜、報酬金を巡る発砲騒ぎに巻き込まれ、カナダ、アメリカ両方の警察から追われてしまう。氷が融けかかった川で立ち往生した2人は、車を脱出して保留地内に逃げ込む。保留地内は治外法権のため、警官は外で待つしかない。モホーク族の部族議会は会議を開き、1人を警察に引き渡し、事態を丸く収めるという結論に達する。レイとライラはどちらが警察に行くか、究極の選択を迫られる。




10-29. キューティ・ブロンド

監督 ロバート・ルケティック
出演 リース・ウィザースプーンルーク・ウィルソンセルマ・ブレア
2001年・アメリカ(20世紀フォックス映画)

解説
全米で大ヒットを記録し、すでに続編の製作も決定している青春コメディ。一見、軽薄で頭も悪そうなブロンド少女の、以外な根性を発揮する奮闘ぶりが愉快・痛快!

ストーリー
裕福な家庭のもとに育ったエル・ウッズ(リーズ・ウィザースプーン)は、学校一の人気者。だが婚約寸前までいった恋人のワーナー(マシュー・デイヴィス)に、髪がブロンドすぎて政治家を目指す自分の妻にふさわしくないという理由でふられてしまう。納得のいかないエルは、猛勉強を開始してワーナーの通うハーバードのロー・スクールに入学した。しかし再会したワーナーはすでに婚約者、ヴィヴィアン(セルマ・ブレア)を見つけており、彼女はエルを学園の邪魔者扱いする。それが逆にエルのやる気に火をつけ、成績はどんどんアップ。やがてキャラハン教授(ヴィクター・ガーバー)が担当する殺人事件弁護の助手を、ワーナーやヴィヴィアンと共に務めることになる。そこで鋭い洞察を発揮したエルはキャラハンに評価されるが、彼は彼女のスカートに手をのばしてきた。激怒したエルは弁護チームも学校もやめて故郷に帰ろうとするが、エルを暖かく見守るチームの新鋭弁護士エメット(ルーク・ウィルソン)の手配で、キャラハンは今回の弁護を解任。代わりに弁護士として雇われたのはエルであり、彼女は見事この裁判に勝利して、優秀な法律家への道を進むのだった。




10-30. キューティ・ブロンド ハッピーMAX

監督 チャールズ・ハーマン・ワームフェルド
出演 リース・ウィザースプーンサリー・フィールドレジーナ・キング
2003年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
コメディ映画の女王、リース・ウィザースプーン主演によるヒット・コメディの続編。動物愛護のために、政界に乗り込んだブロンドの女性弁護士の痛快な活躍劇が展開する。

ストーリー
ハーバード・ロー・スクールを優秀な成績で卒業し、大手法律事務所の一員となったエル・ウッズ。仕事もプライベートも絶好調の彼女は、3ヵ月後に控えたエメットとの結婚に向けて忙しい日々を送っていた。結婚式に愛犬ブルーザーの家族も招待しようと思い立ったエルは、探偵を雇ってブルーザーのルーツを調査。ブルーザーの母親の居場所をつきとめ訪ねてみると…、ブルーザーのママは、動物実験施設のモルモットにされていた。怒ったエルは、事務所の会議で動物実験を止めさせるために、その化粧品会社と戦うことを提案する。しかし相手が事務所のクライアントだったため、逆にエルがクビを宣告されてしまう……。




10-31. ネバー・エンディング・ストーリー

監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ノア・ハサウェイバレット・オリヴァータミー・ストロナッハ
1984年・西ドイツ(東宝東和)

解説
幻想の国が無に襲われ危機に瀕するというファンタジーと、その物語に読みふける少年を並行して描く。ベルント・アイヒンガーとディーター・ガイスラーがノイエ・コンスタンチンのために製作。アメリカのWBが配給会社PSOを通じて製作費を出資している。エグゼキュティヴ・プロデューサーはマーク・デーモン(PSO社長)とジョン・ハイド。監督は「U・ボート」 のヴォルフガング・ペーターゼン。ミヒァエル・エンデの「はてしない物語」(岩波書店)に基づいてペーターゼンとヘルマン・ヴァイゲルが脚本を執筆。ただし、原作者は映画の出来に不満で、法廷に訴えて自分の名前をクレジットから削らせている。撮影はヨスト・ヴァカーノ、音楽はクラウス・ドルディンガー、特殊効果はブライアン・ジョンソンが担当。主題歌をリマールが歌っている。出演はノア・ハサウェイ、バレット・オリヴァーなど。本国での題名は “Die Unendliche Geschichte”ドルビー・ステレオ。テクノヴィジョンで撮影。

ストーリー
バスチアン(バレット・オリヴァー)は、悪ガキ三人に追いかけられて、古本屋に逃げこんだ。そこで『はてしない物語』という本を見つけるが、主人のコレアンダー氏(トーマス・ヒル)は意地悪く売ってくれそうもない。コレアンダー氏が電話に出ているすきに、バスチアンは本をつかむと店を出て学校の屋根裏部屋へ行き、本を読み始めた。−−夜の闇に包まれたハウレの森には、とんがり鼻の夜魔(タイロ・プリュックナー)と赤いシルク・ハットに赤い服のティーニー・ウィーニー(ディープ・ロイ)がいた。あとから岩を喰う巨人もやって来た。ファンタージェンという名のこの国で、誰の目にも見えぬ何者かが、嵐とともに襲来しすべてを無に変えていた。彼らはこの異変を女王に報告しに行く途中だった。この国を治める女王(タミー・ストロナッハ)は、もう何千万年も生きているのに今でも子供の姿のまま、象牙の塔に住んでいた。女王は原因不明の病いにおかされており、その病いを治せるのは、勇士アトレーユだけだという。召されてきたアトレーユ(ノア・ハサウェイ)は、幼い少年であった。女王の命を救うため、アトレーユは、危険な旅に出て巨大な亀のモーラから「女王が今でも子供の姿のままなのは新しい名前を次々ともらっていたからだ、次に新しい名前をさしあげられる者を知りたければ南のお告げ所ウユララに行き尋ねてみろ」と教えられた。白い竜のフッフールに助けられて、アトレーユは南のお告げ所へ行く。お告げは人間の子供だけが新しい名前を授けられるというものだった。無はすさまじい勢いで広がり、白い竜に乗ったアトレーユは荒海へ落下した。気がつくと彼は海辺にいた。ここも無に侵触されており、廃墟と化した町の一角で、アトレーユは無の手先である人狼のグモルクと対決しグモルクを倒す。人間は見つからなかったと報告するアトレーユに、女王は「もうそこまで来てます」といい、「バスチアン」と叫ぶ。とファンタージェンは爆発し、新しい国が生まれる。バスチアンは白い竜に乗って悪ガキ三人組に復讐するのだった。




10-32. ホームアローン

監督 クリス・コロンバス
出演 マコーレー・カルキンジョー・ペシダニエル・スターン
1990年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
クリスマス休暇、慌て者の家族たちに置き去りにされた8歳の少年が、2人組の強盗から家を守るためにアイディアを駆使して戦う、ジョン・ヒューズ製作・脚本のファミリー・コメディー。監督は「ベビーシッター・アドベンチャー」 のクリス・コロンバス、撮影は「デッドフォール」 のジュリオ・マカット、音楽は「オールウェイズ」 のジョン・ウィリアムス(2)が担当。出演はマコーレー・カルキン、ジョー・ペシ、ダニエル・スターン、ジョン・ハードほか。

ストーリー
ケビン(マコーレー・カルキン)の家では、伯父さんの転勤にともない、パパ(ジョン・ハード)にママ(キャサリン・オハラ)、姉2人兄2人と一緒に、パリに招待されて大忙し。いとこたちも含めて総勢15人と、大騒ぎだ。出発の朝、慌ただしく家をあとにした一家は、飛行機の中でケビンを1人家に置き忘れて来たことに気付いた。大慌ての両親はすぐに家に引き返そうとしたが、あいにくクリスマス休暇で飛行機は満席、ママたちはや...




10-33. ホームアローン2

監督 クリス・コロンバス
出演 マコーレー・カルキンジョー・ペシダニエル・スターン
1992年・アメリカ

解説
91年に公開され大ヒットとなった「ホーム・アローン」 の続編。ニューヨークで迷子になったケヴィン少年の冒険を描く。監督は「オンリー・ザ・ロンリー」 のクリス・コロンバス、製作・脚本は「あぶない週末」 のジョン・ヒューズ、エグゼクティヴ・プロデューサーはマーク・ラドクリフとダンカン・ヘンダーソンとリチャード・ヴェイン、撮影はジュリオ・マカット、音楽はジョン・ウィリアムス(2)が担当。

ストーリー
マカリスター一家は、クリスマス休暇をフロリダで過ごすことになるが、空港でパパ(ジョン・ハード)と同じコートを着た人についていったケヴィン(マコーレー・カルキン)は、ニューヨーク行きの飛行機に乗ってしまう。憧れの街に来たケヴィンは、ママ(キャサリン・オハラ)の鞄に入っていたクレジット・カードと現金で一流ホテルに宿泊し、リッチな気分。一方フロリダ空港では、ケヴィンがいないことに気づいた家族が警察に捜査を依頼するが、とりあえずカードの盗難届けを出して連絡を待つことになる。翌日、リムジンを借りダンカン・トイ・ストアという玩具デパートへ出かけたケヴィンは、去年彼の家へ強盗に入った泥棒コンビ、ハリー(ジョー・ペシ)とマーヴ(ダニエル・スターン)を発見し、持っていたウォークマンに2人の会話を録音した。2人はデパート強盗を計画していた。ホテルに戻ったケヴィンは、盗難カードを使ったという理由でホテルマンに追われ、セントラル・パークの方へ逃げる。ママのアドレス帳から叔父の家を探し当てるが、改築中のため誰もいない。セントラル・パークのホームレスのおばさん(ブレンダ・フリッカー)と仲良しになったケヴィンだが、彼は泥棒撃退作戦を叔父の家で練り始めた。ケヴィンはデパートに侵入し、レジの金を漁る2人を写真に撮り、デパート内での大追跡が展開されるが、泥棒たちを叔父の家へおびき寄せることに成功する。階上からレンガを落としたり、ペンキを全身に浴びせたりして泥棒2人組をやっつけ、セントラル・パークに逃げ込むが、追ってきた2人組に捕まってしまう。一方、ニューヨークへ来たママはケヴィンの写真を手に探しまわっている。ホームレスのおばさんの蒔いたハトのエサで2人組がハトに襲われている隙にケヴィンは逃げ出し、ロックフェラー・センターのクリスマスツリーの前でママと会うことができた。




10-34. ホームアローン3

監督 ラジャ・ゴズネル
出演 アレックス・ディー・リンツオレック・クルパリヤ・キールステッド
1997年・アメリカ(20世紀フォックス映画)

解説
泥棒をあの手この手で撃退するいたずらっ子の活躍を描く人気コメディシリーズの第3作。主演には前2作のマコーレー・カルキンから交代して、「素晴らしき日」 のアレックス・D・リンツが起用された。製作(「すてきな片想い」 のヒルトン・グリーンと共同)・脚本は前2作を手掛けたジョン・ヒューズで、監督には前2作のクリス・コロンバス監督の下、編集者をつとめたラジャ・ゴズネルが起用され、本作で長編劇映画デビューを飾った。製作総指揮は「フラバー」 のリカルド・メストレス。撮影は前2作に続きジュリオ・マカット。音楽は「クール・ランニング」「ザ・ロック」 のニック・グレニー=スミス。美術は「真夜中のサバナ」 などのヴェテラン、ヘンリー・バムステッド。編集は「フェノミナン」 のブルース・グリーンと「リッチー・リッチ」 のマルコム・キャンベルの共同。共演は「フェア・ゲーム」 のオレック・クルパ、「ルトガー・ハウアー 処刑脱獄」 のリア・キルステッド、「すてきな片想い」 のハヴィランド・モリス、「スウィッチ 素敵な彼女?」 のケヴィン・キルナー、舞台のヴェテラン女優のマリアン・セルテス、「シーズ・ソー・ラヴリー」 のデイヴィッド・ソーントン、「エレクトリック・ドリーム」 のレニー・フォン・ドーレンほか。

ストーリー
アメリカ国防省の機密を収めたマイクロ・チップが盗まれ、犯人の国際的ハイテク犯罪者四人組は、チップをリモコン・カーの中に隠した。ところが、それはひょんなことでメカ好きのアレックス少年(アレックス・D・リンツ)の手にわたってしまった。ペーター・オープリ(オレック・クルパ)、アリス(リア・キルステッド)、アンガー(デイヴィッド・ソーントン)、ジャーニガン(レニー・フォン・ドーレン)の四人組はチップを追って、アレックスにリモコン・カーを渡した向かいの老婦人ミセス・ヘス(マリアン・セルデス)の家へやってくる。屋根裏部屋の科学実験室から近所を偵察していたアレックスは泥棒を見つけて警察に連絡するが、証拠がないので誰も信じてくれない。嘘つきの狼少年扱いされたアレックスは一大決心、泥棒の撃退作戦に乗り出した。ママのカレン(ハヴィランド・モリス)以下、アレックス以外誰もいない家にリモコン・カーのありかをかぎつけてやってきた四人組は、思いもよらないアレックスが仕掛けた罠にかかってきりきり舞い。かくしてアレックスは犯人一味を見事撃退してしまうのだった。




10-35. しあわせの隠れ場所

監督 ジョン・リー・ハンコック
出演 サンドラ・ブロックティム・マッグロウクイントン・アーロン
2009年・アメリカ(ワーナー・ブラザース映画)

解説
NFLで活躍するマイケル・オアー選手の実話を元にした感動ドラマ。裕福な家庭の養子となったホームレスの少年がアメフト選手として成長していく姿や、家族の心の絆を描く。

ストーリー
父親の顔も知らず、母親とも引き離された10代の黒人の少年マイケル・オアー(クイントン・アーロン)は、家も寝るところなく、ホームレス同然の生活をしていた。ある真冬の夜、Tシャツと短パン姿で歩いていた彼に、白人女性リー・アン・テューイ(サンドラ・ブロック)が声をかける。マイケルが娘のクラスメートだと知った彼女は、夫ショーン(ティム・マッグロウ)、娘コリンズ(リリー・コリンズ)、息子S・J(ジェイ・ヘッド)と暮らす豪華な邸宅にマイケルを招き入れる。最初は憐れみから一夜の宿を貸しただけだったが、リー・アンはマイケルの瞳に特別な輝きを見出す。初めての愛に溢れた家族の暮らしに喜ぶマイケルの姿に、テューイ家の人々は、何事にも感謝しながら生きる幸せを学ぶ。マイケルの後見人になったリー・アンは、学校の成績はよくないマイケルに、ある才能が隠されているのを発見する。マイケルの大きいけれど敏捷な肉体と、仲間を守る保護本能に秀でた心は、アメリカン・フットボールの選手にぴったりだった。家族の応援のもと、マイケルは注目の選手となり、あらゆる有名大学からスカウトが来る。しかし進路をめぐり、リー・アンが自分を引き取った理由に疑問を持ったマイケルは、言い争いの末、家を出ていってしまう。




10-36. リオグランデの砦

監督 ジョン・フォード
出演 ジョン・ウェインモーリーン・オハラベン・ジョンソン
1950年・アメリカ(NCC)

解説
ジョン・フォードが「黄色いリボン」 に次いで製作、監督した1950年度西部劇で、彼とメリアン・C・クーパーの協同製作になるアーゴシイ・プロ作品。サタデイ・イヴニング・ポスト誌所載のジェイムズ・ウォーナア・ベラの原作をジェイムズ・ケヴィン・マクギネスが脚色、撮影は「駅馬車(1939)」 のバート・グレノン、音楽監督はヴィクター・ヤングが担当する。主演は「黄色いリボン」 のジョン・ウェインとベン・ジョンソン、「わが谷は緑なりき」 のモーリン・オハラのほか、「仔鹿物語」 のクロード・ジャーマン・ジュニア、「タルサ」 のチル・ウィルス、「血と砂(1941)」 のJ・キャロル・ナイシュ、「黄色いリボン」 のハリイ・ケリイ・ジュニアとヴィクター・マクラグレンらが出演。リパブリック日本支社開設第1回作品。

ストーリー
カービー・ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)は、南北戦争でシェリダン将軍(J・キャロル・ナイシュ)の率いる北軍に参加し、シェナンド谷の妻(モーリン・オハラ)の親族の所有地を焼いたので、怒った妻は1人息子ジェフ(クロード・ジャーマン・ジュニア)を連れて別居してしまった。ヨークは西部でインディアン討伐戦に従っていたが、横暴なアパッチ族は西部を荒らしてはメキシコへ逃れるので、米軍は追うこともならず切歯扼腕するばかりであった。シェリダン将軍は彼の砦へ視察に来たが、その部下に一兵卒として息子のジェフが居り、更にそれを追って妻もついて来た。妻は息子の除隊を願ったがそれは許されず、彼女も砦に居すわることになってしまった。この時アパッチ族の大挙襲撃がありついに将軍はヨークに越境の内諾を与えた。彼を待つものが軍法会議であることを知りつつ、彼は敢然部下を指揮して長駆メキシコへ突入、アパッチの本拠を覆滅した。平和が甦り、ワシントンの軍法会議の判決を待ったヨークには、ついに何らの罰もくだらなかった。




10-37. フレンチ・コネクション

監督 ウィリアム・フリードキン
出演 ジーン・ハックマンフェルナンド・レイロイ・シャイダー
1971年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
この映画にも出演している実在の刑事エディ・イーガンとソニー・グロッソーが麻薬担当官として示した実績をもとに、その彼らを主人公にした大がかりな麻薬密輸事件を描いたロビン・ムーアの原作小説を、「黒いジャガー」 のアーネスト・タイディマンが脚色した作品。製作は「ブリット」 のフィリップ・ダントニ、監督は「真夜中のパーティー」 のウィリアム・フリードキン、撮影はオーウェン・ロイズマン、音楽はドン・エリス、編集はジェリー・グリーンバーグが各々担当。出演は「俺たちに明日はない」 のジーン・ハックマン、「コールガール」 のロイ・シェイダー、「哀しみのトリスターナ」 のフェルナンド・レイ、トニー・ロー・ビアンコ、「Z」 のマルセル・ボザッフィ、フレデリック・ド・パスカルなど。

ストーリー
フランスのマルセイユで刑事が1人殺された。同じ頃、ニューヨークのブルックリンでは、通称ポパイと呼ばれるドイル刑事(ジーン・ハックマン)と相棒のラソー刑事(ロイ・シェイダー)が、麻薬の売人狩りに躍起になっていた。2人は、とあるクラブで金使いのあらい男を見つけ、クサイとにらんだ。そのイタリア人の男はサル・ボカ(トニー・ロー・ビアンコ)といい、やはり麻薬ルートとつながりを持っていた。一方、マルセイユの港では刑事を射殺した殺し屋ニコリ(マルセル・ボザッフィ)が、フランスの実業家シャルニエ(フェルナンド・レイ)と密談していた。シャルニエはテレビ・スターのアンリ(フレデリック・ド・パスカル)を使って、アメリカの麻薬ルートとのコネクションを図っていた。ドイルとラソーは、サルを洗っていくうちに仇敵の麻薬商人のワインストックと、シャルニエを捜査線上に描き出していた。それから、ドイルたちのシャルニエに対する執拗な尾行が始められた。しかし、ドイルはシャルニエの悪知恵にまんまとまかれてしまった。ドイルの上官のシモンソンは、本格的な尾行活動に先だって、連邦警察官のマルデリッグとクラインの2人を、ドイルとラソーに組ませたが、彼らの間には絶えず険悪な空気が流れていた。そうした頃、アンリがはるばるフランスから船で運んできたリンカーン車が、ニューヨークの港に着いた。数日後、ドイルはビルの屋上から何者かに狙撃された。それは殺し屋のニコリだった。狙撃に失敗したニコリは高架線の地下鉄で逃走を図った。ドイルは手近の車を徴発して、ニコリを追った。高架線の上と下で、暴走する地下鉄と自動車のすさまじい競走が繰り広げられた。そして数十分後、他の電車に激突した車両から出てきたニコリの体をドイルの執念の銃弾が貫いた。更にアンリの車が怪しいとにらんだドイルは、車を押収し解体して、大量のヘロインを発見、それを元通り復元してアンリに戻し、罠を張った。そうとは知らぬシャルニエとワインストック、サルの一派は、ワード島で取引を行なった。しかしその時には、ドイルたちに率いられた警官隊が周囲を包囲していた。やがて激しい銃撃戦が展開され、サルは射殺され、ワインストックは逮捕された。また、廃墟に逃げ込んだシャルニエを追ったドイルは、誤って仲間を1人射ってしまったが、うろたえるラソーに一瞥をくれただけでひるまずにシャルニエを追い詰めていった。やがて、その廃墟に、銃声が一発響いて消えた。




10-38. フレンチ・コネクション2

監督 ジョン・フランケンハイマー
出演 ジーン・ハックマンフェルナンド・レイベルナール・フレッソン
1975年・アメリカ(20世紀フォックス映画)

解説
前作「フレンチ・コネクション」 で、ニューヨークに乗り込んで来たフランスの麻薬密売組織のボスを捕り逃がしたポパイ刑事が、今回はフランスのマルセイユに飛び犯人を追う。製作はロバート・L・ローゼン、監督は「ホースメン」 のジョン・フランケンハイマー、脚本はアレクサンダー・ジェイコブス、ロバート・ディロン、ローリー・ディロンの共同、音楽はドン・エリス、撮影はクロード・ルノワール、美術監督はジェラール・ビアール、ジョルジュ・グロン、編集はトム・ロルフが各々担当。出演はジーン・ハックマン、フェルナンド・レイ、ベルナール・フレッソン、キャスリーン・ネスビット、ジャン・ピエール・カスタルディなど。

ストーリー
アメリカ東海岸の麻薬常用者の75パーセントがヘロインを用いていると言われているが、その大半はフランスのマルセイユから船で送られてきており、そのルートはフレンチ・コネクションと呼ばれていた。ニューヨーク警察の刑事“ポパイ”ことドイル(ジーン・ハックマン)がマルセイユに現れた。目的は、マルセイユ警察のバルテルミー警部(ベルナール・フレッソン)と協力し、ニューヨークで捕り逃がした麻薬密売組織のボス、シャルニエ(フェルナンド・レイ)をとらえ、抜本的にフレンチ・コネクションを潰すことにあった。ある夜、バルテルミーは部下のラオール(ジャン=ピエール・カスタルディ)とミレットを率い、アジトと思われる場所を手入れした。ドイルもついていたが、短気な彼の行動によってめちゃめちゃになってしまった。それから間もなく、ドイルは外出中に2人の男に不意に襲われて誘拐された。連れて行かれた安ホテルには、シャルニエと第一の子分ジャックがいて、その日からドイルはヘロインを打たれ続けた。ドイルはしだいにヘロイン中毒患者になりつつあった。朦朧とした意識の中でやはり中毒患者の薄気味の悪い雑役婦の老婆(キャスリーン・ネスビット)に腕時計をとられたのも気づかぬほどだった。一方、バルテルミーたちも必死でドイルの行方を追っていたが捜し出せぬまま3週間たち、その間ドイルは完全なヘロイン中毒となった。頃合いを見はからっていたシャルニエは、ドイルに最後の強い注射をうち警察の前庭に意識を失った彼をほおり投げた。警察で応急手当を受けたドイルはあやういところで一命をとりとめ、隔離された部屋でバルテルミーの看護と監視をうけた。中毒患者独特の苦悶にさいなまれながらも、ドイルはタフな肉体と負けん気で克服していった。体がすっかり元通りになったドイルはマルセイユを歩き廻り、監禁されていたホテルを発見、ガソリンを片手に単身そのホテルに焼き打ちをかけた。火のついたホテルから飛び出してきた一人の男をとらえたドイルは、徹底的にしめあげ、ヘロインの原料の取引き場所をはかせた。それは巨大な乾ドックの中で行われていた。ドイルはバルテルミーと彼の部下と共に急襲した。しかし、警官の人数があまりにも少なかったために失敗に終わった。やがてドイルが強制送還される日がきた。フランスの警察は彼を囮として利用したにすぎなかったのだ。捜査に目鼻がつくと、無軌道なドイルが邪魔になり始めたのだ。だがドイルは、シャルニエをふんずかまえるまでは絶対に帰らないと主張した。その機会はまもなくやってきた。シャルニエの本拠地をつきとめたのだ。ドイルは秘密工場から逃げるシャルニエを追った。トロールバスに乗って何とかかわそうとするシャルニエ、走ってバスを追うドイル。だがある停留所でシャルニエの姿を見失った。ドイルはあきらめなかった。そのとき、一艘のヨットに乗り込もうとしているシャルニエの後姿を発見した。大急ぎで湾の出入口に先廻りしたドイルは、右足首のホルスターから拳銃を抜きとると、甲板に出てきていたシャルニエに照準を合わせた。「シャルニエ!」という声と共にドイルは引金を引いた。シャルニエは体を折るようにして甲板に倒れた。




10-39. 007/カジノ・ロワイヤル (吹替)

監督 マーティン・キャンベル
出演 ダニエル・クレイグエヴァ・グリーンマッツ・ミケルセン
2006年・アメリカ、イギリス(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

解説
6代目ジェームズ・ボンドに選ばれたダニエル・クレイグ主演のシリーズ最新作。今回は、ボンドが“殺しのライセンス”をMI6から受け、007になったばかりの時代を描いている。

ストーリー
英国の諜報機関MI6の殺しのライセンスを得た若きジェームズ・ボンドは、テロリストへの資金供給ネットワークを捜査していた。捜査線上に浮かんだのはテロ組織の資金運用をするファウンダー=ル・シッフル。彼は株価操作の為に企業への破壊工作を計画していたが、ボンドの妨害によって失敗し、1億ドル以上の損失を被った。テロ組織から資金の返還を迫られるル・シッフル。MI6は、ル・シッフルが損失挽回の為にカジノ・ロワイヤルでのポーカー勝負に乗り出したという情報を得た。彼が勝てば最大1億5000万ドルがテロリストの手に渡ってしまう。それを阻止すべくボンドがポーカー勝負に派遣される。ボンドのパートナーとして財務省から派遣されたヴェスパー。彼女は、他人をあてにせず思い上がりの強いボンドの性格を見抜き、軽蔑の言葉を浴びせる。ル・シッフルとのポーカー勝負に臨むボンド。しかし巧みに仕掛けられたブラフに引っかかり大敗を喫してしまった。傲慢さ故に負けたのだとボンドを叱咤するヴェスパー。再び勝負に望もうとするボンド。ル・シッフルに毒を盛られてしまうが、窮地をヴェスパーに助けられ九死に一生を得た。生還したボンドは最後の大勝負で勝ちをおさめ、ル・シッフルを破産させる事に成功した。自分の力ではなく、ヴェスパーのおかげで勝負に勝てたのだと悟ったボンドは、彼女に惹かれ始めていた。逢瀬を重ねる2人。ル・シッフルから勝ち取った1億5000万ドルを財務省に送金したヴェスパーとボンド。2人はMI6を辞めて新たな生活を始めようと約束する。ボンドの誠実さを知り強く惹かれるヴェスパーだが、ボンドの前から突如姿をくらませた。ボンドにMI6から連絡が入る。財務省に送金されたはずの勝ち金はヴェスパーによって横領されていた。ヴェスパーを追跡するボンド。彼女はル・シッフルを雇っていたテロリストグループと接触していた。ボンドは銃撃戦の末にヴェスパーを奪還するが、彼女はボンドに許しを請いつつも自分を責め、自殺してしまった。彼女はテロ組織に恋人を人質にとられ、脅迫されていたのだった。彼女の遺品を引き取ったボンドは、携帯電話に残されていた通話記録からヴェスパーを脅迫していた黒幕を探り当て、復讐を果たす。




10-40. 007/慰めの報酬 (吹替)

監督 マーク・フォースター
出演 ダニエル・クレイグオルガ・キュリレンコマチュー・アマルリック
2008年・イギリス、アメリカ(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

解説
ダニエル・クレイグが“6代目ジェームズ・ボンド”を演じる人気スパイ・シリーズの最新作。前作で愛する女性を失った英国諜報員ボンドが、憎き敵に戦いを挑む!

ストーリー
007となったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。彼は、ミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)をトランクに詰めたアストンマーチンで追っ手たちを振り切って、上司であるM(ジュディ・デンチ)が待つMI6本部に帰還した。ミスター・ホワイトは、初めてボンドが愛した女性ヴェスパーを死に追いやった憎むべき存在だった。しかし、MI6の内部にも裏切り者がいた。想像以上に巨大な組織が背後にあることをボンドは知る。捜査のためにハイチに飛んだボンドは、奇しくも知り合った美女カミーユ(オルガ・キュリレンコ)を通じて、慈善団体グリーン・プラネットのドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)に接近する。表向きは環境保護を訴えるグリーンは、実は組織の幹部であり、豊富な天然資源を持つボリビアでのクーデターを企てていた。そのために、かつてはボリビアの独裁者であり、新政権によって失脚したメドラーノ将軍(ホアキン・コシオ)と手を組もうとしていた。そんなメドラーノ将軍に両親と姉を殺され、家を燃やされたのがカミーユだった。復讐を果たそうとする彼女に、自身のヴェスパーへの思いを重ねるボンド。ボンドはボリビア駐在の諜報員フィールズ(ジェマ・アータートン)やMI6を引退したマティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)の手を借りて、グリーンを追いつめようとする。しかし、私的な感情でエスカレートしてゆくボンドの行動はMのみならず首相までを激怒させ、さらにはCIAからも追われる身となってしまう。フィールズやマティスも殺された。怒りを爆発させるボンドとカミーユは、グリーンとメドラーノ将軍が契約を交わすホテルへの潜入に成功する。最後の対決で、カミーユはメドラーノ将軍を倒す。逃亡するグリーンを追いかけるボンドは、彼を砂漠の真っただ中に置き去りにした。それが、ボンドとカミーユの手に入れた慰めの報酬だった。




10-41. トミー

監督 ケン・ラッセル
出演 ロジャー・ダルトリーアン・マーグレットオリヴァー・リード
1975年・イギリス(東宝東和)

解説
ロック・オペラ「トミー」 の映画化作品。製作はロバート・スティグウッドとケン・ラッセル、監督・脚本は「ボーイフレンド」 のケン・ラッセル、撮影はディック・ブッシュとロニー・テイラー、音楽監督はピート・タウンゼンド、衣裳はシャーリー・ラッセルが各々担当。出演はロジャー・ダルトリー、アン・マーグレット、オリヴァー・リード、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナー、ジャック・ニコルソンなど。

ストーリー
第二次大戦が終結しようとしていた頃、トミー(B・ウィンチ)は生まれた。父ウォーカー大佐・(ロバート・パウエル)は戦死し、母親のノラ(アン・マーグレット)はやがてフランク(オリヴァー・リード)と愛し合うようになり再婚した。三人は結構仲よく暮し始めた。ある晩、事件が起きた。戦死したと思っていたウォーカー大佐が奇跡的に助かり家に帰って来たのだ。フランクは重いランプのスタンドで力いっぱいウォーカーの頭をぶん殴り即死させた。彼はそれを目撃していたトミーに“お前は何も見なかったんだ、何もきかなかったんだ”といった。その日からトミーは耳も聞こえない口もきけない少年になった。“ぼくにさわって、ぼくを見てて、ぼくを感じて、ぼくを治して!”可哀そうなトミーの頭の中のその叫びを誰も聞くことはできない。トミー(R・ダルトリー)は青年になった。ノラやフランクは何とかトミーを治そうと、霊験あらたかな教祖やセクシーな麻薬の女王(ティナ・ターナー)に拝謁させるが、トミーは治らない。そのかわりサディストのいとこや男色家のアーニーおじさん(キース・ムーン)が母親のいない間にさんざんトミーをもて遊んだが、彼は何も感じない。ただトミーは居間の鏡にうつっている自分の姿だけは見ることができた。あるときトミーは鏡の中の自分が逃げようとするのを見て後を追った。いつの間にか廃車の捨て場にきたトミーは、そこで捨てられていたピンボールの台を本能的にたたき始めた。トミーの才能が花開き、その台はたちまち五彩の色に輝いた。トミーはピンボールのチャンピオン(エルトン・ジョン)を打ち負かし、世界の花形選手となった。彼は大富豪になり、ノラもフランクもその金で大邸宅に住み、ぜいたくざんまいの生活を送るようになった。だがトミーは世界最高の専門医(ジャック・ニコルソン)にかかったが、やはり無駄だった。ある日、ノラは豪華な居間に立つ鏡の中の我が子をみつめた。絶望がノラを襲い彼女はトミーを鏡の方へつきとばした。すると鏡が破裂し、津波が鏡の中から噴き出し、二人をのみ込んだ。−−こうしてトミーの耳と眼は再び戻ってきた。そこに十五年以上の歳月が経っていた。この奇跡で、トミーは自分こそ救世主だと悟った。何千という信者の列がトミーの家をとりまくようになったのはそれから間もなく後のことだった。信者は世界中にひろがリ、ノラとフランクは救世主トミーを利用して巨万の富を信者から吸い上げた。信者たちは眼かくしをし、耳に栓をつめ、口にコルクをくわえてピンボールをはじいた。そうすることによってトミーの到達した心の内面の世界へ近づこうとする。しかしあまりにも抑圧されすぎた信者たちはとうとう爆発してしまった。彼らはピンボールの台をたたき壊し、猛り狂って暴れだした。ノラとフランクは暴徒と化した信者たちに惨殺された。生き残ったトミーは再び孤独になった。しかし、今やトミーは自由だった。彼は新しく生まれ変わったような力強さと希望が身体の中から湧き上がってくるのを感じていた。




10-42. この愛のために撃て

監督 フレッド・カヴァイエ
出演 ジル・ルルーシュエレナ・アナヤロシュディ・ゼム
2010年・フランス(ブロードメディア・スタジオ)

解説
誘拐された妻を救うため、犯人と警察の両方を敵に回した主人公がパリの街を駆けずり回る。監督デビュー作「すべて彼女のために」で脚光を浴びたフレッド・カヴァイエが放つ、注目の新世代フレンチ・ノワール。地下鉄の人混みをかきわけての銃撃戦など手に汗握るアクションがテンポよく繰り出され、最後まで目が離せない。

ストーリー
パリ市内の病院に勤務する看護助手のサミュエル(ジル・ルルーシュ)と、出産間近の妻ナディア(エレナ・アナヤ)は慎ましくも愛情にあふれた毎日を過ごしていた。ところがある日、サミュエルが帰宅すると謎の侵入者に突然殴られ気を失ってしまう。携帯電話の音で目覚めると、電話の向こうから妻の泣き声とともに「今から3時間以内にお前が勤める病院から警察の監視下にある男を連れ出せ。さもなければ妻を殺す」という脅迫の声が。その男とは、昨夜交通事故により意識不明の重体で病院に運ばれた指名手配中の強盗殺人犯サルテだった。妻が誘拐された理由も分からぬうちに、必死の覚悟で犯人の要求に従うサミュエルは、やがて警察からも追われる羽目に。誰一人味方のいない絶望的な状況下で、妻を救うためにサミュエルは全てを懸けて走り続ける……。




10-43. すばらしき哉、人生

監督 フランク・キャプラ
出演 ジェームズ・スチュアートドナ・リードライオネル・バリモア
1946年・アメリカ(日本RKOラジオ映画)

解説
キャプラ、ワイラー、スティーヴンスの3人が協力して設立したリバ ティ・プロの第1回作品(1946年)で、フランク・キャプラが製作・監督に当ったヒューマニスティック・コメディ。フィリップ・ヴァン・ドレン・スターンの物語を、「花嫁の父」 のコンビ、フランセス・グッドリッチとアルバート・ハケット、それにキャプラが協力して脚色した。撮影はジョゼフ・ウォーカー(「ジョルスン物語」 )、音楽は「楽園に帰る(1953)」 のディミトリ・ティオムキンの担当。主演は「裸の拍車」 のジェームズ・スチュアート、「地上より永遠に」 のドナ・リードで、ライオネル・バリモア(「栄光の星の下に」 )、トーマス・ミッチェル(「真昼の決闘」 )、ヘンリイ・トラヴァース、(「セント・メリイの鐘」 )、グロリア・グレアム(「綱渡りの男」 )、ワード・ボンド(「恋は青空の下」 )らが助演する。

ストーリー
ジョージ・ベイリイ(ジェームズ・スチュアート)は子供のころ から、生まれ故郷の小さなベタフォードの町を飛び出し、世界一周旅行をしたいという望を抱いていた。彼の父は住宅金融会社を経営し、町の貧しい人々に低利で住宅を提供して尊敬を集めていたが、町のボス、銀行家のポッター(ライオネル・バリモア)はこれを目の仇にして事毎に圧迫を加えた。大都会のカレッジを卒業したジョージは懸案の海外旅行に出ようと思ったが、突然、彼の父が過労のため世を去った。ジョージは、株主会議で後継社長に推され、承諾せねばならぬ羽目となり、弟が大学を卒業したら会社を譲ることにして、一時海外旅行もおあずけになった。ところが4年たって大学を卒業した弟は、大工場主の娘と結婚しており、その工場を継ぐことになっていた。ジョージの夢は全く破れ去った。やがてジョージは幼馴染みのメリイ(ドナ・リード)と結婚した。そして豪勢な新婚旅行に出発しようとした時、世界を襲った経済恐慌のため、ジョージの会社にも取付さわぎが起こった。ジョージは旅費として持っていた5000ドルを貧しい預金者たちに払い戻してやり、急場をしのいだ。そのため新婚旅行は出来なくなったが、2人は幸福な結婚生活に入り、次々と4人の子供に恵まれた。住宅会社の業績も着々と上り、それに恐れをなしたポッターはジョージ懐柔策に出たが、彼は断固拒絶した。第2次大戦が起こり、海軍飛行将校として従軍したジョージの弟は、殊勲をたてて大統領に表彰された。だがその喜びの騒ぎにとりまぎれて、会社の金8000ドルが紛失した。実はその金はポッターの手に入ったのだが、彼はそれを秘してジョージを苦しめ脅迫さえした。そのうえ会社には会計検査官もやって来る仕末。絶望したジョージは橋の上から身投げしようとした。と、それより一瞬早く奇妙な老人が彼のそばで身投げした。ジョージは夢中になってその老人を救った。老人はクラレンスといい、自分は2級天使で翼をもらうためジョージを救ったのだと語った。自棄になったジョージが、この世に生まれなければ良かったと洩らすと、クラレンスは彼を望みどおりジョージの生まれて来なかった幻の世界に連れて行った。そこは人情も道徳もない幻滅の世界であった。ジョージはたまらなくなって元の世界へ戻してくれと絶叫した。再び現実に戻ったジョージは、クリスマス・イヴの祝いを待つ我が家に駆けもどった。そこへジョージの窮状を知った町中の人々が、寄付金をもって彼の家に押しかけて来た。ジョージは今さらながら人の心の温かさを知り、妻や子供たちを抱きしめて、人生の幸福を沁々感じた。




10-44. 幸せのボーレート

監督 トーマス・ベズーチャ
出演 クレア・デインズダイアン・キートンレイチェル・マクアダムス
2005年・アメリカ(20世紀フォックス)

解説
全米で大ヒットを記録した感動ドラマ。恋人一家と接し、結婚や家族に対する理想と現実の違いを知る女性の戸惑いと成長を、温かな笑いを交えて紡ぎ出す。

ストーリー
ニューヨークで働くキャリア・ウーマン、メレディス (サラ・ジェシカ・パーカー)は、理想的な恋人エヴェレット・ストーン(ダーモット・マローニー)に、初めて彼の実家に招かれる。大学教授の父ケリー(クレイグ・T・ネルソン)と家族の中心的な存在である母シビル(ダイアン・キートン)が暮らすストーン家に、年に一度の休暇を過ごすために家族が次々と集まってくる。スーツを着こなし神経質そうに咳払いするメレディスを見て家族の顔が一様に曇る。自由奔放で何でもオープンに話し合うストーン家の人々にとって、お堅いメレディスは異質な存在だった。翌日、メレディスからSOSを受けた妹のジュリー(クレア・デインズ)がやってきた。ジュリーは、軽く話しかけて家族の中に溶け込んでいくが、メレディスが浮いていることに変わりはない。無神経な発言をしてしまい、メレディスは落ち込んで家を飛び出す。そんな彼女の後を追ったのは次男のベン(ルーク・ウィルソン)だった。メレディスを慰めるベン。一方、二人を探しながらエヴェレットとジュリーは心を通わせる。台所ではシビルがエヴェレットに祖母の指輪を渡していた。いつも完璧を目指して理想を追うあまり、本当に追い求めているものに気付かない息子のことを、シビルは心配する。エヴェレットは彼女への思いを託すように、祖母の指輪をジュリーの指にはめてみた。ピッタリはまった指輪は、いくら引っ張っても抜けない。そこへ、ベンの寝室で目覚めたメレディスが現れる。昨晩どこにいたかを互いに問い詰め、真相に気付く二人。さらに、昨夜、酔っ払った勢いでメレディスが呼んだ、次女エイミー(レイチェル・マクアダムス)の元恋人までがやってくる。




10-45. E.T.

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ディー・ウォーレスヘンリー・トーマスピーター・コヨーテ
1982年・アメリカ(ユニヴァーサル=CIC)

解説
宇宙人と地球の子供たちの交流を描くSFファンタジー。スティーブン・スピルバーグとキャスリーン・ケネディが製作に当り、スティーブン・スピルバーグが監督。脚本は「マジック・ボーイ」 のメリッサ・マシソン、撮影はアレン・ダヴュー、音楽はジョン・ウィリアムス、E・T創造はカルロ・ランバルディ、視覚効果はデニス・ミュレンの監修によりILMが担当。出演はディー・ウォーレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモアなど。

ストーリー
アメリカ杉の森に、球形の宇宙船が着地し、なかから小さな宇宙人が数人出てきた。彼らは地球の植物を観察し、サンプルを採集する。1人だけ宇宙船から遠く離れた宇宙人が、崖の上から光の海を見て驚く。それは郊外の住宅地の灯だった。突然、物音がした。宇宙船の着陸を知った人間たちが、宇宙船に向かってきたのだ。宇宙船は危険を察知して離陸する。先ほどの宇宙人1人は、地上にとり残された。その頃、住宅地の1軒では、少年たちがカード遊びをしていた。10歳のエリオット(ヘンリー・卜ーマス)は、小さいという理由から、兄マイケル(ロバート・マクノートン)らの仲間にいれてもらえず、くさっていた。ピッツアの出前を受け取りに外へ出たエリオットは、物置小屋で音がしたことに気付いて、みんなを呼びよせた。しかし、中には誰もいなかった。深夜、エリオットはトウモロコシ畑で、宇宙人を目撃。翌日、夕食をたべながら、エリオットは宇宙人を見たことを話すが、誰も信じない。「パパなら…」というエリオットの言葉に、母のメリー(ディー・ウォーレス)は動揺する。パパは愛人とメキシコに行っているのだ。その夜もふけ、エリオットがポーチで見張っていると、宇宙人が彼の前に姿を現わす。エリオットは宇宙人を部屋に隠した。翌日、エリオットは仮病をつかって学校を休み、宇宙人とのコミニュケーションを試みた。そして帰宅した兄、妹ガーティ(ドリュー・バリモア)に紹介する。宇宙人は太陽系を遠く離れた星からやって来たことを、超能力でボールを宙に浮上させて説明した。次の朝、エリオットにマイケルの友達が、「怪物がいたか」と尋ね、宇宙人だと聞かされると、「ではエキストラ・テレストリアルだな」という。こうして宇宙人は以後、エキストラ・テレストリアルを略してE・Tを呼ぱれることになる。学校で授業をうけるエリオットと家にいるE・Tとの間に心が通いあい、E・Tが冷蔵庫からビールを取り出して飲むと、学校のエリオットも酔っぱらう。E・TがTVで「静かなる男」を見て、ジョン・ウェインとモーリン・オハラのキスシーンに見とれていると、学校でエリオットがかわいい女の子にキスをする。E・TはTVの「セサミストリート」を見ながら、英語を覚え、家に電話したいといい出す。E・Tはノコギリや傘を使って通信器を作る。ハロウィーンの夜、子供たちはE・Tに白い布をかぶせて森に連れ出し、E・Tは故郷の星に連絡をとる。翌朝、E・Tは瀕死の状態となり、エリオットが彼を家に運ぶ。E・Tを始めて見て、驚くメリー。突然、宇宙服を着た科学者たちが家にやって来た。NASAの科学者キース(ピーター・コヨーテ)がエリオットに「私も10歳の時からE・Tを待っていた」と話しかける。E・Tは死亡し、最後のお別れをエリオットがしていると、E・Tの胸が赤くなる。彼は死んでいなかったのだ。エリオットは兄妹、兄の友人グレッグ、スティーブ、タイラーの協力を得て、E・Tを森に運ぶ。後を必死に追う科学者の一団。森の空地に着地した宇宙船に乗り込むE・T。宇宙船が消えたあと、空に美しい虹がかかった。




10-46. ノッティングヒルの恋人

監督 ロジャー・ミッチェル
出演 ジュリア・ロバーツヒュー・グラントリス・エヴァンス
1999年・アメリカ(松竹=ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ)

解説
アメリカのスター女優としがない本屋の店主の、偶然から生まれたラブストーリー。監督はロジャー・ミッチェル。脚本は「ビーン」 のリチャード・カーティス。製作は「フォー・ウェディング」 のダンカン・ケンワージ。製作総指揮はリチャード・カーティス、「エリザベス」 のティム・ビーバンとエリック・フェルナー。撮影は「フェアリー・テイル」 のマイケル・コールター。音楽は「マイ・フレンド・メモリー」 のトレヴァー・ジョーンズ。美術は「イングリッシュ・ペイシェント」 のスチュアート・クレイグ。編集は「スカートの翼ひろげて」 のニック・ムーア。衣裳は「スカートの翼ひろげて」 のシューナ・ハーウッド。出演は「グッドナイトムーン」 のジュリア・ロバーツ、「ボディ・バンク」 のヒュー・グラントほか。

ストーリー
アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)はハリウッドの大女優。そんな彼女がロンドンのノッティングヒルにある書店に足を運ぶ。店主のウィリアム(ヒュー・グラント)は突然のことにびっくり。さらに彼は買物の帰りに偶然アナとぶつかり、ジュースをかけてしまう。慌てた彼は服を乾かすよう申し出て、アナを家に招く。何とか彼女を送り出して間もなく、彼女が戻って来てウィリアムにキスをして立ち去る。夢のような時が過ぎて数日後、ウィリアムに電話があったとルームメイトのスパイク(リス・エヴァンス)から聞かされる。早速アナが宿泊しているホテルに向かい、雑誌記者と偽り部屋に入る。ウィリアムは妹の誕生日パーティーにアナを誘い、彼女も誘いに応じる。その後もデートを重ねる二人。ところがある晩二人がアナの部屋に行くと、有名俳優の恋人が彼女の帰りを待ち構えていた。彼氏の存在にショックを受けたウィリアム。そして半年後。マスコミのほとぼりが冷めるまで家に置いて欲しいとアナが突然やって来る。だがそれも同居人スパイクが口を滑らせたことでマスコミが殺到。アナは二度と会わないと言い残し、雑踏の中へ消える。一年後。アナの撮影現場を訪れたウィリアムは気持ちを伝えられない。彼女が店に来てもつれない態度を取ってしまう。それを見かねた友人たちは一丸となってウィリアムをホテルに送り届ける。記者会見場にもぐりこんだ彼は、再び記者になりすまし彼女に告白。アナもプロポーズに応え、会場は結婚会見に早代わり。二人はロンドンでゆったりと時を過ごすのだった。




10-47. 人生万歳

監督 ウディ・アレン
出演 ラリー・デヴィッドエヴァン・レイチェル・ウッドパトリシア・クラークソン
2010年・アメリカ(アルバトロス・フィルム(提供 ニューセレクト))

解説
ウディ・アレンの監督40作目となるロマンチック・コメディ。ニューヨークで暮らす偏屈な物理学者と彼の元に居ついてしまった田舎育ちのおバカな娘が繰り広げる恋愛騒動。人気コメディアン、ラリー・デヴィッドが監督の分身ともいえる主人公ボリスを軽妙に演じ、エヴァン・レイチェル・ウッドが監督の新たなミューズに扮する。

ストーリー
ボリス(ラリー・デヴィッド)は、かつてはノーベル賞候補になりながら、今ではすっかり落ちぶれてしまった物理学者。ある夜、アパートに帰ろうとしたボリスは、南部の田舎町から家出してきた若い女性、メロディ(エヴァン・レイチェルウッド)に声をかけられる。寒さで凍える彼女を気の毒に思ったボリスは、数晩だけという約束で泊めてやることにするが、世間知らずのメロディは冴えない中年男のボリスと暮らすうちに、彼こそ“運命の相手”だとすっかり勘違いしてしまう。さらに、愛する娘の後を追ってメロディの両親が相次いで上京したことから、事態はますますややこしくなっていく。年齢も知能指数もかけ離れた二人の“ありえない”恋の行方は果たしていかに……。




10-48. バグジー

監督 バリー・レヴィンソン
出演 ウォーレン・ベイティアネット・ベニングハーヴェイ・カイテル
1991年・アメリカ(コロンビア トライスター)

解説
実在のギャング、ベンジャミン・バグジー・シーゲルをモデルに、愛する女のためにラスベガスを築くまでの野望を描くドラマ。監督・製作は「わが心のボルチモア」 のバリー・レヴィンソン、製作はマーク・ジョンソンとウォーレン・ベイティ、脚本は「ピックアップ・アーチスト」 のジェームズ・トバック、撮影は「太陽の帝国」 のアレン・ダヴュー、音楽は「ハムレット」 のエンニオ・モリコーネが担当。

ストーリー
30年代、ニューヨーク。ベンジャミン・バグジー・シーゲル(ウォーレン・ベイティ)はその甘いマスクとダンディな身のこなしからは想像もつかない冷酷なギャングだった。兄貴分のマイヤー・ランスキー(ベン・キングスレイ)から縄張り拡張の命令を受けてハリウッドに乗り込み、幼馴染みの映画スター、ジョージ・ラフト(ジョー・マンティーニャ)を通じてハリウッドの社交界に出入りするようになったバグジーは、そこで新人女優バージニア・ヒル(アネット・ベニング)と出会う。互いに気性の激しい2人は反発もし合うが、次第に激しい恋に落ちていった。ある日仕事でラスベガスを訪れたバグジーは、ここにアメリカ最大のカジノつきホテルを建設しようと思いつく。早速ランスキーらの承認を得て、百万ドルの予算でこの壮大な計画はスタートした。途中、組織を裏切った友人ハリー(エリオット・グールド)殺害の罪で逮捕されるなど障害もあったが、一匹狼のヤクザ、ミッキー・コーエン(ハーヴェイ・カイテル)の協力もあってホテルは着々と完成に近づいてくる。バージニアのニックネームにちなんで、バグジーはホテルに_フラミンゴ_と名づけるが、費用が600万ドルにも達するに及んでランスキーからクレームがつく。組織の幹部会も秘かに開かれ、バージニアが金を横領していることも報告されていた_。やがてホテルが完成する。オープン初日の人気はさんざんだったが、一旦は金を奪ったバージニアも彼のもとへ戻ってくる。幹部会に呼ばれてひとり、LAの自宅に戻ったバグジーは、背後からの銃弾で頭を貫かれるのだった。