29-1. ヘラクレス (HERCULES)  (吹替)

監督 ブレット・ラトナー
出演 ドゥエイン・ジョンソンイアン・マクシェーンジョン・ハートルーファス・シーウェルアクセル・ヘニー
2014年・アメリカ (パラマウント ピクチャーズ ジャパン) 99分  (IMAX)

解説
人気アクションスター、ドウェイン・ジョンソンが全能の神ゼウスを父に持つギリシア神話の英雄、ヘラクレスに扮するアクション。5人の仲間たちと放浪するヘラクレスと、冥界の王であるハデスの末裔らとの激しい戦いがダイナミックなアクションで描かれる。監督を務めるのは 「ラッシュアワー」 シリーズのブレット・ラトナー。

ストーリー
全能の神ゼウスと人間の間に生まれた半神半人の男ヘラクレス(ドウェイン・ジョンソン)。神さえも恐れる超人的な怪力と人間の心を併せ持つ彼は、強さと優しさに満ち溢れた人物として世に知られていた。だが、自分の子どもの命を奪ったことで罪の意識に押しつぶされそうになった彼は、苦しみ抜いた末、救いを得るために自らに12の試練を課す。多頭の蛇ヒュドラ、不死身のライオン、巨大なイノシシであるエリュマントスなど、襲い掛かる魔物や悪を、圧倒的な力で倒してゆくヘラクレスだったが……。





29-2. 1941

監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ジョン・ベルーシネッド・ビーティダン・エイクロイド三船敏郎
1980年・アメリカ (東宝) 118分

解説
ジョーズ」、「未知との遭遇」とヒット作を飛ばしてきたスティーヴン・スピルバーグが「未知との遭遇」に続いて監督した作品。冒頭から「ジョーズ」のオープニングのパロディを用いたり、「サタデー・ナイト・ライブ」のキャストらを使った贅沢な映画だが、興行的に失敗。本作以降、コメディ関係は若手などに監督を任せ、スピルバーグは製作という立場をとることになる。2008年8月にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(現:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)からDVDが発売された。本作のモチーフとなったのは、伊17によるカリフォルニア州サンタバーバラのエルウッド石油製油所攻撃や、伊26によるカナダのバンクーバー島攻撃など、太平洋戦争中に遂行された日本海軍潜水艦による一連のアメリカ本土砲撃、そして日本軍の攻撃に対するアメリカ人の恐怖が引き起こしたロサンゼルスの戦いである。また1943年のズートスーツ暴動(英語版)もモチーフの1つとされる。

ストーリー
日本海軍による真珠湾攻撃から6日後の1941年12月13日。西海岸の住民は、次は自分たちだという見えない恐怖に包まれていた。やがて南カリフォルニア防衛の任を負う第3軍団司令官にジョセフ・スティルウェル中将が着任し陸軍、海兵隊に動員命令が下される。同時に市民防衛作戦が発令されて、アメリカ国民は南北戦争以来の、母国の"守り"に付くこととなる。そんな中、日本海軍の伊19潜水艦[3]は羅針盤が故障したため、カリフォルニア州沿岸に迷い込んでいた。艦長のミタムラ中佐は現在位置がアメリカ本土に近いことを知ると、「軍事的価値は薄いものの、ハリウッドを攻撃すればアメリカ人の戦闘意欲を喪失させる効果はある」とハリウッド攻撃を計画する。しかし、伊19に同乗するドイツ海軍の観戦武官、フォン・クラインシュミット大佐はミタムラの作戦に懐疑的だ。迎え撃つは、「真珠湾の次はロサンゼルスが標的にされる」と信じて疑わないP-40 トマホーク(戦闘機)の飛行士、沿岸の住宅地に高射砲を据える軍曹、それを見て愛国心を燃やす老人、貧相な民間防衛組織、ダンスと女の子に夢中の青年、爆撃機を見ると欲情する女秘書官、芋畑に敵の秘密飛行場があると確信している大佐、慰問局の開いたダンスパーティにはしゃぐ兵士達、そして、この秋に封切られたアニメ映画『ダンボ』に涙しつつ「この街の住人は変な人ばかり」と嘆く司令官。一方、ハリウッドを目指すためミタムラは忍者や侍の子孫である水兵たちを上陸させ、名前がハリウッドに似たホリー・ウッドという名前の木こりを拉致する。彼の荷物からおもちゃの小さなコンパスを見つけた日本兵は歓喜するが、ホリーはそれを強引に飲み込んでしまう。やがて、空襲警報が鳴り響くロサンゼルス上空に未確認機が襲来し、沿岸では伊19が浮上する。遂にサンタモニカに広がる遊園地をハリウッドの一部と誤認した日本軍の攻撃が発動された。





29-3. 映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜 (SHAUN THE SHEEP THE MOVIE)   (吹替)

監督 リチャード・スターザック
出演 
2014年・イギリス フランス (東北新社) 85分

解説
アードマン・アニメーションズによるクレイアニメ 「ウォレスとグルミット」 の人気キャラクターを主人公にしたスピンオフ作で、2015年に生誕20周年を迎えた 「ひつじのショーン」 。同シリーズ初の劇場版長編作は、自ら起こしたトラブルが原因で牧場から都会へ向かうひつじのショーンのユニークな活躍が描かれる。

ストーリー






29-4. 炎の人ゴッホ (Lust for Life)  

監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 カーク・ダグラスアンソニー・クインジェームズ・ドナルドパメラ・ブラウンエヴェレット・スローン
1956年・アメリカ (MGM) 122分

解説
後期印象派画家の1人、ヴィンセンと・ヴァン・ゴッホの生涯を描いたアーヴィング・ストーンの同名小説の映画化。 「青いヴェール」 のノーマン・コーウィンが脚色、 「お茶と同情」 のヴィンセント・ミネリが監督した。撮影は 「ボワニー分岐点」 のフレディ・ヤング、 「最後の銃撃」 のラッセル・ハーランの2人、音楽は 「悪人への貢物」 のミクロス・ローザ。主演は 「OK牧場の決斗」 のカーク・ダグラス、 「」 のアンソニー・クイン。共演は英国の舞台俳優ジェームズ・ドナルド、パメラ・ブラウン、ジャネッタ・ステーキなど。

ストーリー
ブラッセルのベルギー伝道委員会が経営する学校を出たヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(カーク・ダグラス)は、司祭としてボルナージュ地方の炭鉱町に、自ら志願してやって来た。そこで彼は、悲惨な労働者の生活を目撃し、教会で説明することが、いかに空虚なものであるかを痛感した。彼らと同じ貧しさに自ら進んで入り、破門され、病気になった彼を、温かい故郷へ連れて帰ったのは画商として成功した弟のテオ(ジェームズ・ドナルド)である。彼はそこで絵を描くことをはじめ、従妹の寡婦ケイに求婚したが拒否されてしまった。彼女を追ってハーグへ出た彼は、とある酒場で貧しい中年の醜女クリスティーナ(パメラ・ブラウン)と結ばれる。無智で、子持ちで、売春をこととする洗濯女、お互いに傷ついた身から生まれた愛情だったが、結果は女の無理解による破綻だった。再び故郷で、絵に全力を打ち込み、やがてパリにあるテオをたずねてフランスに渡った。パリは当時後期印象派が新勢力をもちはじめ、スーラ、ロートレック、ルノアル、それからゴーガン(アンソニー・クイン)が古いアカデミズムを打破するために、自らの個性をのばそうと競っていた。このグループによって、さらに力を得たゴッホは、明るい太陽の光を求めてアルルへうつり、炎のような真夏の野原を、夢中になって描きまくった。この生活と生まれつきの激情が彼の神経を痛めたのであろうか、それから、ゴーガンとの共同生活が失敗し、孤独が彼を責めたてたためか、遂に発狂した上、自ら耳をナイフで切り取る事件を起こした。驚いてかけつけた弟テオはサン・レミイの精神病院に彼を送り、温かい援助を常におしまなかった。ようやく回復にむかい、パリに近いオーヴェールの病院に移ったが、麦畑の中で群れをなす鳥の不気味な姿を描きながら、「だめだ、描けない」という一言をのこして、ゴッホは、自らの脇腹をピストルで射った。「悲しみは決して終らないだろう」と、駆けつけたテオにゴッホは最後の言葉をつぶやきながら息をひきとった。1890年7月29日、真実の画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの37歳の生涯の終わりであった。





29-5. 刑事ジョン・ブック 目撃者 (Witness)  

監督 ピーター・ウィアー
出演 ハリソン・フォードケリー・マクギリスジョセフ・ソマールーカス・ハースヤン・ルーブス
1985年・アメリカ (パラマウント=UIP)

解説
ある事件をきっかけに特殊な生活様式に従って生活するアーミッシュの人々と触れ合うことになる刑事ジョン・ブックの姿を描く。製作はエドワード・S・フェルドマン、監督は 「危険な年」 等のオーストラリア出身のピーター・ウィアー。脚本はウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス、撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャール、編集はトム・ノーブルが担当。出演はハリソン・フォード、ケリー・マクギリスなど。

ストーリー
ペンシルヴァニア州の片田舎。文明社会から離れ、厳格な規律に従って今なお17世紀の生活様式で暮らしている信徒一派アーミッシュ(アンマン派信徒)の村で、ジェイコブ・ラップの葬儀が行なわれていた。未亡人となった妻レイチェル(ケリー・マクギリス)と6歳の息子サミュエル(ルーカス・ハース)、そして父親のイーライ(ヤン・ロービッシュ)は、隣人達の助けで、なんとか農場での暮らしを続けることができた。数カ月後、レイチェルは、サミュエルと共に妹の住むボルチモアに旅する決心をした。レイチェルにほのかな慕情を抱くダニエル(アレクサンダー・ゴドノフ)らに見送られ、2人は汽車に乗り込んだ。フィラデルフィア駅で乗り継ぎの列車を待つ間にトイレに入ったサミュエルは、恐ろしい殺人事件を目撃した。フィラデルフィア警察のジョン・ブック警部(ハリソン・フォード)と彼のパートナー、カーター(プレント・ジェニングス)は、サミュエルから事情を聞き出すため、彼ら母子を署に案内し容疑者の確認を求めた。その夜はブックの妹イレーン(パティ・ルポーン)の家で明かしたレイチェルとサミュエル。翌日、1枚の写真がサミュエルの目にとまった。それは、麻薬事件の成績を賛えられた麻薬課長マクフィー(ダニー・グローヴァー)の新聞の切り抜き記事で、サミュエルは彼が犯人だとブックに告げた。早速、そのことを警察副部長シェイファー(ジョセフ・ソマー)に伝えるブック。警察本部から大量の麻薬が消えた事件にもマクフィーが関係していのではないかとも指摘した。自分のアパートに戻ったブックは、マグナム銃を掲げたマクィーに急襲され負傷した。シェイファーもマクフィーの仲間であることに気づいたブックは、傷つきながらイレーンの家に行き、サミュエルとレイチェルに出発の準備を促すとともに、カーターに連絡し、ファイルから親子の名をはずさせ、2人の悪徳警官に気をつけるよう忠告した。ブックは、母子を農場に送り届けたが、その帰り傷が悪化し気を失う。イーライが呼んだ療法師のおかげで数日後、ブックは回復した。同じ頃、フィラデルフィアでは、シェイファー、マクフィー及び仲間のファーシー(アンガス・マッキネス)がブックらの居所を突きとめようと躍起になっていた。しかし、アンマン派信徒達は外界との接触がなく、彼らの許に身を隠しているブックを見つけるのは、殆ど不可能であることを彼らは知った。一方、体力が回復したブックは農場での手伝いを申し出て、牛の乳しぼりに励んだりしていた。そうした日々を送るうちに、ブックはレイチェルと心を通わせるようになり、ある夜、2人はいっしョにダンスを踊つた。しかしレイチェルはブックを好きになるわけにはいかなかった。もしそうなったら、アーミッシュの規律に従い、彼女は教会から追放される運命にあるのだ。村の納屋建設に加わって大工仕事に精を出した日の夜、ブックは入浴中のレイチェルと居合わせるが、ただ立ちつくすだけだった。翌朝、ブックは、カーターが殺されたことを町からかけた電話で知り、シェイファーへの復讐を誓った。その帰り道、チンピラにからまれたダニエルの態度から、彼らの非暴力主義を目の当たりにしたブックは、我慢できずにチンピラを殴ってしまった。この事件から、シェイファーらがブックの所在をつきとめた。ペンシルヴァニアの田舎道にシェイファー、マクフィー、ファーシーらがやって来た。やがて、ブックと彼らとの死闘が開始された。マクフィーとファーシーを倒したブックに、レイチェルを人質にとったシェイファーの悪の手がのびた。がその時、非暴力を訴えるアンマン派信徒たちの無言の力にシェイファーは遂に屈するのだった。(パラマウント映画=UIP配給*1時間53分)




29-6. フィッシャー・キング (THE FISHER KING)

監督 テリー・ギリアム
出演 ロビン・ウィリアムズジェフ・ブリッジスアマンダ・プラマーマーセデス・ルールマイケル・ジェッター
1991年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 138分

解説
落ちぶれた元人気DJとホームレスの男が、その出会いにより互いの人生を変えてゆくことになる、都会のファンタジー。監督は 「バロン」 のテリー・ギリアム、製作は 「ベビーシッター・アドベンチャー」 のデブラ・ヒルとリンダ・オスト、脚本はリチャード・ラグラヴェネス、撮影は 「バットマン(1989)」 のロジャー・プラット、音楽は 「危険な関係」 のジョージ・フェントンが担当。

ストーリー
過激なトークが売りものの人気DJジャック・ルーカス(ジェフ・ブリッジス)は、幸福の頂点から失意のどん底に落とされた。孤独なリスナーが、「ヤッピーたちを殺せ!」というジャックの言葉を真に受けて、レストランで銃を乱射、7人の犠牲者を出して自らも死に、一躍ジャックの悪影響が報道されたからだ。3年後、落ちぶれたジャックは恋人アン(マーセデス・ルール)の経営する下町のビデオショップで、居候のような生活を送っていた。ある日、泥酔したジャックは暴漢たちに襲われ、危うい所をホームレスの奇妙な男に救われる。彼、ペリー(ロビン・ウィリアムズ)の寝ぐらになっているボイラー室の壁には中世の城と騎士、馬に乗る悪魔の〈赤い騎士〉が描かれていた。ペリーは_聖杯_を探しており、それはニューヨークの大富豪の邸宅にあると言う。そしてジャックこそがその聖杯探しの力になる人物だと興奮して言うのだ。間もなくジャックは、ペリーが昔、大学教授であり、レストランで食事中に銃の乱射により愛妻を殺された過去があることを知る。ペリーもまたジャックを失脚させたあの事件の犠牲者だったのだ。忌わしい罪の意識を思い起こしたジャックは、事件以来すっかり人が変わってしまったというペリーのために何かしてやりたいと考え、ペリーの憧れの女性、リディア・シンクレア(アマンダ・プラマー)との仲をとりもつことにする。何とか2人を引き会わせ、アンと4人で食事をするまでにこぎつけたジャック。ペリーの一途な気持ちに孤独なリディアも心を動かされた。だがその夜、ペリーの目の前に〈悪い騎士〉の悪夢が現れ、逃げるペリーをいつかの暴漢が再び襲う。そうとは知らないジャックは爽快感で一杯、仕事を再開することに。だが、ペリーの事故の知らせを受けて病院に向かうと、そこには包帯でぐるぐる巻きにされ、精神症が再発して空を見つめるだけのペリーの姿が。ペリーの回復のためには、あの聖杯を手に入れるしかないと、ジャックは富豪の屋敷に忍び込む。命からがら、聖杯を手にしたジャックはペリーのもとへ。聖杯を見つけた喜びにペリーは一気に回復、病中も看護を続けたリディアとの愛も叶えられる。やっと人間らしい心を取り戻したジャックは、ペリーとともにニョーヨークの夜空を見上げるのだった。





29-7. 奇跡のシンフォニー (August Rush)  

監督 カーステン・シェリダン
出演 フレディ・ハイモアケリー・ラッセルジョナサン・リース・マイヤーズテレンス・ハワードロビン・ウィリアムズ
2007年・アメリカ (東宝東和) 114分

解説
チャーリーとチョコレート工場」 の名子役フレディ・ハイモア主演の感動ドラマ。両親の行方を追う少年の姿を、クラシック、ロックなどの美しいメロディに乗せてつづる。

ストーリー
絶対音感を持つ11歳のエヴァン・テイラー(フレディ・ハイモア)はニューヨーク州ウォルデンの施設育ち。職員のリチャード(テレンス・ハワード)は養子になることを勧めるが、彼は音楽でつながっていると信じる両親を待ち続けた。11年前、チェリストのライラ(ケリー・ラッセル)とロック・ミュージシャンのルイス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)はニューヨークで出会う。しかしライラの父トマス(ウィリアム・サドラー)は2人の仲を引き裂く。ライラは妊娠していたが、臨月で交通事故に遭う。お腹の子は助からなかったと聞くと、演奏をやめ故郷シカゴに戻る。彼女を失い音楽への情熱をなくしたルイスはバンドを抜け、故郷サンフランシスコで金融ビジネスを始める。ある晩、電線を伝う音に導かれ施設を抜け出したエヴァンは、トラックに拾われマンハッタンへやってくる。街角でギターを奏でる少年アーサーに誘われ、ストリート・パフォーマーの子供たちが暮らす廃墟の劇場へ行く。エヴァンは元締めのウィザード(ロビン・ウィリアムズ)にギターの才能を認められ、オーガスト・ラッシュという芸名で街角に立つようになる。しかし劇場に児童福祉局の手入れが入る。逃げ出したエヴァンはゴスペルの歌声に誘われ教会へ行き、聖歌隊の少女ホープに楽譜の読み方を教わる。彼の才能に気づいた牧師がジュリアード音楽院に推薦し、入学を許可される。そのころ、死の床の父から子供が生きていることを聞いたライラはニューヨークを訪れ、リチャードの助けでそれがエヴァンであることを知る。そして自分の音楽を彼の耳に届けるため演奏依頼を引き受ける。ルイスもまたライラへの思いを曲にし音楽界に復帰するため、かつてのバンド仲間とニューヨークへやってくる。エヴァンは『オーガストのラプソディー』を作曲する。その曲はライラが出演する野外コンサートで演奏されることになるが、ウィザードが彼をストリートに連れ戻してしまう。しかしエヴァンの曲が演奏されると、思いがけない奇跡が起こる。





29-8. レッド・ムーン (The Stalking Moon)  

監督 ロバート・マリガン
出演 グレゴリー・ペックエヴァ・マリー・セイントノーランド・クレイロバート・フォスターArussel Thorson
1968年・アメリカ (東和)

解説
劇場用映画製作にのり出してCBS・TV製作部門のひとつのNGP(ナショナル・ジェネラル・ピクチャーズ)の日本公開第1作。セオドア・V・オルセンのベストセラー小説を 「アラバマ物語」 のホートン・フートとアルヴィン・サージェントとが共同で脚色 「下り階段をのぼれ」 のロバート・マリガンが監督した西部劇。撮影は 「暗くなるまで待って」 のチャールズ・ラング、音楽は 「合併結婚」 のフレッド・カーリンが担当している。出演は 「マッケンナの黄金」 のグレゴリー・ペック、 「グラン・プリ」 のエヴァ・マリー・セイント、 「禁じられた情事の森」 のロバート・フォスター、ノーランド・クレイなど。製作は 「下り階段をのぼれ」 のアラン・パクラ。

ストーリー
1881年、アリゾナ。白人に反抗するインディアンもしだいに平定されていったが、たまたま、白人の指定した居留地を嫌ったアパッチの一部に暴動が起こった。鎮圧にむかった1隊の先道に当ったのは、この道15年のベテラン、サム・バーナー(グレゴリー・ペック)である。彼はこの仕事を最後に引退し、彼が育てた混血青年ニックに後事を託し、余生をニューメキシコの牧場で送ることを楽しみにしていた。一行はほどなく、老人や女子供ばかりのアパッチの一団を保護したが、その中に1人の白人女性(エヴァ・マリー・セイント)がいた。彼女は混血の少年を連れており、サラ・カバーと名のるだけで、多くは語ろうとしなかった。彼女は10年ほど前、アパッチに全滅させられた、カーバー隊の隊長の娘だった。一行は、このアパッチの一団を連れてキャンプに戻った。途中、3人の白人の惨殺死体が発見された。その手口から見て、これは凶暴さでその名の高いサルバヘの仕業と見られた。サラは全身に恐怖を表わした。そしてキャンプから1人でニューメキシコへ発とうとするサムに必死で一緒に連れて行ってくれるよう懇願した。やむなくサムは同行を認めた。が、それ以後、サムは執拗なサルバヘの追跡をうけ、数度危機にさらされることになった。サラの連れた子はサルバヘの子供だったのである。いつしか孤独なサラの姿にひかれたサムは、彼女に、求婚した。ニューメキシコへ着き、サムには平和な暮らしが続くはずだった。が、そんなある日ニックが訪ねてきた。サラ母子を求めてサルバヘは復讐の鬼と化し、暴虐の限りをつくしているとのことだった。そしてついに、サルバヘはサムのまわりにしのびよって来た。サラがさらわれかけ、近所のメキシコ人が殺され、彼の愛していた犬も虐殺され…。ついに意を決したサムはニックと陽動作戦を展開した。しかし、機敏なサルバヘにニックは撃たれた。サムとサルバヘの一騎打ちが展開された。銃弾をうけてもサルバヘはなお、サムに向かって来た。が、ついにサムはサルバヘを倒した。サムは疲れきっていた。






29-9. スローターハウス5 (Slaughterhouse-five)  

監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 マイケル・サックスロン・リーブマンユージン・ロッシュシャロン・ガンズヴァレリー・ペリン
1972年・アメリカ (ユニヴァーサル映画=CIC) 104分

解説
時間から切り離された主人公ビリー・ピルグリム(巡礼者の意)の過去・現在・未来を彷徨する姿を描いたカート・ボネガットの小説の映画化。製作はポール・モナシュ、監督は 「スティング」 のジョージ・ロイ・ヒル、脚本はスティーブン・ゲラー、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽はバッハの 「ブランデンブルグ協奏曲」 他6曲を使用。編集はデデ・アレンが各々担当。出演はマイケル・サックス、ロン・リーブマン、ユージン・ロッシェ、ヴァレリー・ペリン、ソーレル・ブーケ、ペリー・キングなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1972年作品。

ストーリー
ビリー・ビルグリム(マイケル・サックス)は第二次世界大戦で戦い、戦後はアメリカの中産階級の一員として人並みの成功をおさめた平凡な男だが、一つだけ彼には常人と違うところがあった。時間を超越して彼の意志とは関係なく、過去や未来や現在を自由にとびまわるのだ。ある朝、トラルファマドア星にガールフレンドのモンタナ(ヴァレリー・ペリン)といっしょにいたかと思うと、次の瞬間には第二次世界大戦でのドイツ軍陣地に引き戻されている、といった具合なのだ。ビリーはいま、一人我が家でその悩みをタイプに打ちつけていた。家の外では訪ねて来た娘のバーバラが、心配して夫のスタンリーと一緒に彼を呼び続けている。しかしその直後ビリーはベルギー戦線に戻っていた。二人のGI、ラザロ(ロン・リーブマン)とウォーリーに、ドイツ兵と間違えられて捕まってしまったのだ。しかしそのあとで3人ともドイツ軍の捕虜になってしまう。捕まってしまったことからの連想なのだろうか。ビリーは家のベッドでバレンシアに抱きついていた。二人のハネムーンなのだ。再び戦場、ビリーは捕虜たちと歩いていた。ウォーリーの足をふみつけラザロに殴られた彼はドイツ人カメラマンに写真を撮られた。しかしビリーはすぐピルグリム・ビルの開場式という晴れの舞台にいた。混む合う式場が混み合う列車の中に変った。捕虜たちが輸送されているのだ。ビリーはそこでワイルド大佐や老捕虜と知り合った。その列車のなかではウォーリーの足が腐り死にかけていた。ビリーが足をふんだためだという。彼が死ぬと、ラザロは親友のために復讐を誓った。捕虜収容所につくと、ワイルドも老捕虜も死んだ。ラザロに殴られそうになったビリーを中年兵のダービー(ユージン・ロッシェ)が助け、二人は仲良くなった。収容所でビリーは突然気を失い、場面は結婚1年後のビリー夫婦の家に移る。妻は身ごもり、幸福な生活だった。愛犬を連れて湖畔に座っていた彼は空を飛ぶ不思議な物体を見た。トラルファマドア星に行くのはまだ先のことらしい。収容所のアメリカ兵はドレスデンへ移送されることになり、捕虜代表にダービーが選ばれた。ドレスデンでは、彼らはドイツの老将校や若い衛兵たちの指揮下におかれたが、ビリーの意識はイリアム飛行場にとんでいた。義父のマーブル(ソーレル・ブーケ)とモントリオールの会議場へ行くところなのだ。離陸直後にビリーはスキー・マスクをかぶった男たちの幻を見た。それは飛行機の墜落を意味していた。二人の乗った飛行機は離陸直後に墜落した。スキー・マスクの男たちに助けられたのはビリー一人だった。手術のために頭に穴をあけられたビリーが、広島以上の死者を出したといわれるドレスデンの空襲現場に戻る。彼らが地下壕から出るとあたりは一面の廃墟だった。小さな人形を見つけたダービーがポケットに入れたところをドイツ兵に見つかり、その場で射殺された。再び病院。ビリーは助かったものの、バレンシアは半狂乱になって病院にかけつける途中自動車事故で死んだ。家に帰ってみると、グレていた息子(ペリー・キング)が頼もしく成長してベトナムから帰って来ていたが、ビリーの心はもう一つ晴れない。その彼にトラルファマドアから来た不思議な物体が近づき、あっという間に連れて行かれてしまう。その星の家の住居はまるでドームのようだ。そこへあとからモンタナも連れてこられた。トラルファマドアの物体は二人の頼みを何でも聞いてくれるドームで暮しながら二人は次第に愛し合うようになった。ドレスデンでも、飛行機の墜落でも不死身だったビリーに、ついに死が訪れた。フィラデルフィアで演説中に撃たれたのである。犯人はラザロだった。彼は再びトラルファマドアに引き戻される。そこには妊娠した美しいモンタナとの楽しい生活が待っていた。





29-10. ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト (Shine a Light)  

監督 マーティン・スコセッシ
出演 ザ・ローリング・ストーンズクリスティーナ・アギレラバディ・ガイジャック・ホワイト
2008年・アメリカ (東北新社) 122分

解説
40年以上にわたってロック界を牽引し続けている、ザ・ローリング・ストーンズ。彼らがNYで敢行したライブとその舞台裏を、鬼才マーチン・スコセッシがつぶさに捉えた音楽映画。

ストーリー
※本作はコンサート映画のためストーリーはありません。




29-11. フェイク (Donnie Brasco)  (吹替)

監督 マイク・ニューウェル
出演 アル・パチーノジョニー・デップマイケル・マドセンブルーノ・カービー
1997年・アメリカ (東宝東和配給(ポニーキャニオン提供)) 94/126分

解説
FBIの潜入捜査官とマフィアの男、生きる世界の違う2人の男の友情と葛藤を描いた実話に基づく感動の物語。元FBI潜入捜査官だったジョゼフ・ピストーネがリチャード・ウーリーと共同で執筆した回想録 「フェイク/マフィアをはめた男」 (集英社文庫)を、 「クイズ・ショウ」 のポール・アナタシオが脚色。監督には 「フォー・ウェディング」 「恋する予感」 のマイク・ニューウェルが当たった。製作は 「スリーパーズ」 のマーク・ジョンソン、バリー・レヴィンソン、ルイス・ディジアイモ、 「クイズ・ショウ」 のゲイル・マトラックス。製作総指揮はパトリック・マコーミックとアラン・グリーンスパン。撮影は 「ダイナー」 「グッドモーニング,ベトナム」 のピーター・ソーヴァ、音楽は 「いつか晴れた日に」 のパトリック・ドイル、美術はドナルド・グラハム・バート、編集はジョン・グレゴリー、衣裳はオード・ブロンソン=ハワードとデイヴィッド・ロビンソン、メインタイトル・デザインは 「ミッション:インポッシブル」 のカイル・クーパー。主演は 「ヒート」 のアル・パチーノと 「ニック・オブ・タイム」 のジョニー・デップ。共演は 「ボルケーノ」 のアン・ヘッチ、 「フランキー・ザ・フライ」 のマイケル・マドセン、 「スリーパーズ」 のブルーノ・カービー、 「パンサー」 のジェームズ・ルッソほか。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第7位。

ストーリー
78年、ブルックリン。FBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は囮捜査官として、マフィア組織に潜入することを命じられた。彼の潜入名はドニー・ブラスコ。マフィアとの接触を狙っていた彼が最初に近づいたのは、末端の気さくな男レフティ・ルギエーロ(アル・パチーノ)だった。当時、マフィアファミリーは、リトル・イタリーを拠点とするソニー・レッドの組と、ブルックリンを拠点とするソニー・ブラック(マイケル・マドセン)の組と、2つの組が対立して存在していた。後者に属していたレフティは、忠実に仕事はこなすものの運にはまるで見放され、ボスへの上納金に四苦八苦し、出世とは縁がない男だった。そんなシケた暮らしの中に現れたのがドニーで、レフティは聡明で行動力に溢れた彼との出会いに、諦めていた昇進の夢を再び抱くようになる。また、誠実な彼にドラッグに溺れる息子の姿を重ね合わせ、単なる弟分を超えた愛情を感じ始めていた。レフティは、ドニーを組の上層部に紹介したり、ことあるごとにマフィアの掟を教えるなど、親身に世話を焼く。そんなレフティを足掛かりに、ドニーが仕掛けた盗聴器やビデオテープは定期的にFBIに渡され、作戦は着実に成果を挙げていた。一方で、マフィアとして暴力に加担するなど、ドニーとジョーの2人の人間の境界線は少しずつ曖昧になっていく。たまに家に帰っても、娘たちは口をきいてくれず、妻のマギー(アン・ヘッチ)とは口論が絶えない。仕事の重責の中、彼の私生活の歯車は次第に狂い始めていた。FBIから、行き詰まったマイアミの囮捜査の協力を要請されたドニーは、儲け話を持ちかけてソニー・ブラック一行をマイアミへおびき出すことに成功。ソニーは廃れたバーを階層オープンして大金を掴もうとするが、開店当日に警察の手入れが入ってしまう。これらは全てFBIによって仕掛けられた罠だった。レフティは「警察が来るのが早すぎる。この中に裏切り者がいるはずだ」と指摘するが、誰もドニーを疑う者はいなかった。やがて、マイアミのボスを招待した客船が、かつてFBIが囮捜査に使ったものだとレフティに知られてしまう。彼はドニーに詰め寄るが、ドニーはうまく切り抜け、レフティも自分を慕う彼の言葉を素直に信じるしかなかった。2組のマフィア間の抗争は次第に激化し、ドニーの身の危険を感じたFBIは、マフィアからの撤退を勧告した。しかし、今、捜査を抜けることはレフティに死をもたらすことを意味する。自分を信じ、愛してくれるレフティを見殺しにすることは、ドニーにはできなかった。抗争に巻き込まれた彼が、今まさに引き金を引こうとした瞬間、FBIが突入。6年に及ぶドニーとレフティの生活にピリオドが打たれた。死を覚悟したレフティは、ドニーの妻に「彼に伝えてくれ。お前だから許せる」と告げ、夜の闇に消えた。その頃、ジョー・ピストーネはドニー・ブラスコとしての潜入捜査の功績をFBIから表彰されていたが、ついに彼とレフティの人生は交わることはなかった。




29-12. ジャージー・ボーイズ (JERSEY BOYS)  

監督 クリント・イーストウッド
出演 ジョン・ロイド・ヤングエリック・バーゲンマイケル・ロメンダヴィンセント・ピアッツァクリストファー・ウォーケン
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 134分

解説
60年代に数々のヒットを生んだ4人組グループ、ザ・フォー・シーズンズの栄光と挫折を描きトニー賞に輝く大ヒットミュージカルを、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。ニュージャージー州の貧しい地区で育った青年たちが体験する出来事の数々を、大ヒットナンバーに乗せて描き出す。

ストーリー
ニュージャージー州の貧しい地区に生まれたフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)、ボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)、ニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)、トミー・デヴィート(ビンセント・ピアッツァ)。希望のない町に生まれた4人は、自分たちの音楽だけで夢のような成功をつかみ取る。彼らはザ・フォー・シーズンズとして、『シェリー』、『恋はヤセがまん』、『恋のハリキリ・ボーイ』、『悲しき朝焼け』、『悲しきラグ・ドール』、『バイ・バイ・ベイビー』、『愛はまぼろし』、『君の瞳に恋してる』といった数々の名曲をヒットさせ、音楽界に不滅の伝説を打ち立てていく。しかし、そのまばゆいばかりの栄光ゆえに、裏切りと挫折、別離、家族との軋轢といった不幸が彼らを襲う……。




29-13. ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン (Bridesmaids)  

監督 ポール・フェイグ
出演 クリステン・ウィグマヤ・ルドルフローズ・バーンクリス・オダウドエリー・ケンパー
2011年・アメリカ (東京テアトル) 125分  (R15+)

解説
アラフォー女子の奮闘を描き、第84回アカデミー賞でメリッサ・マッカーシーが助演女優賞、そして脚本賞と2部門でノミネートの快挙となったコメディ。なにをやってもダメなヒロインと花嫁介添人たちの身にふりかかるトラブルの数々を描く。脚本と主演を務めるのは、 「サタデー・ナイト・ライブ」 などで人気のクリステン・ウィグ。

ストーリー
アニー(クリステン・ウィグ)はミルウォーキーに住む30代独身。開業した手作りケーキの店が潰れた上に、恋人にも捨てられるなど不運続き。母親のコネを頼った宝石店の仕事で何とか暮らす彼女の唯一の慰めは、親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)の存在だった。ところが、彼女が突然の婚約宣言。ブライズメイド(=花嫁介添人)のまとめ役を依頼されたアニーはショックと寂しさを堪えつつ、大役を引き受ける。他のブライズメイドは、リリアンの従姉妹で3人の息子を持つリタ(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)、新婚のベッカ(エリー・ケンパー)、花婿の太めの妹メーガン(メリッサ・マッカーシー)、それに花婿の上司の妻ヘレン(ローズ・バーン)の4人。中でも、美人で金持ちのヘレンは何をやっても完璧でソツがない。そして訪れたドレス選びの日にハプニングが発生。リリアンを交えて、アニーお薦めのリーズナブルなブラジル料理店で会食後、ヘレン馴染みの超高級ブライダル・ショップに出かけた一行は食中毒に襲われてしまう。無事だったのは、料理を食べなかったヘレン1人だけ。さらに、ヘレンの提案で“独身最後のパーティー”をラスベガスで行なうことになるが、アニーは金欠の上に飛行機嫌い。ファーストクラスの皆と別れてエコノミー席にしたものの、恐怖心から酒を飲んで大暴れしてしまう。これが原因で、全員が途中で降ろされる羽目に……。ついにまとめ役をクビになったアニーは自己嫌悪に陥り、宝石店も解雇。アパートも追い出されて、母の家に転がり込む。やがて、花嫁に贈り物をする“ブライダル・シャワー”がヘレンの豪邸で行われるが、アニーの心を込めた手作りの品よりも、ヘレンからのパリ旅行に目を輝かせるリリアンにたまりかねたアニーは、ついに彼女と大喧嘩。果たしてアニーは友情を取り戻し、人生をやり直すことができるのか?そして結婚式の行方は……?





29-14. デイ・アフター・トゥモロー (The Day After Tommorow)  (吹替)

監督 ローランド・エメリッヒ
出演 デニス・クエイドジェイク・ギレンホールエミー・ロッサムダッシュ・ミホクジェイ・O・サンダース
2004年・アメリカ (フォックス) 92/124分

解説
インデペンデンス・デイ」 のローランド・エメリッヒ監督最新作。地球規模で発生した異常気象の脅威と極限状況下で展開する人間模様を、壮大なスケールで描くパニック大作。

ストーリー
古代の気象を研究する気候学者のジャック・ホール(デニス・クエイド)は、地球の温暖化により、新たな氷河期が到来する不安を察知していた。すぐに手を打たねばいけないとアメリカ政府に警告するジャックだが、副大統領ベッカー(ケネス・ウェルシュ)は、経済コストを盾に彼の主張をいなしてしまう。しかしやがて、南極の氷棚から巨大な氷河が崩落。そこから東京、ハワイ、ニューデリー、ロサンゼルスと、世界中で深刻な異常気象が立て続けに起きていった。そして本当に氷河期がやってくる。その頃、ジャックの17歳の息子サム(ジェイク・ギレンホール)は、友人の女の子ローラ(エミー・ロッサム)たちと参加した高校生学力クイズ大会の開催地であるニューヨークに足止めされていた。南の地への全米規模の大移動が始まる中、あわやというところで公立図書館に逃げ込んだサムたちは、そこにとどまって本を焼いて暖を取り、生き抜こうと必死に試みる。やがて、決死の覚悟でニューヨークにやってきたジャックが救出に駆けつけ、サムたちは無事に保護された。そして死亡した大統領の代わりに新大統領に就任したベッカーは、今までの行いを反省して、世に環境問題の大切さを訴えるのだった。





29-15. 野獣暁に死す (Oggi a Me, Domani a Te!)  

監督 トニーノ・チェルヴィ
出演 モンゴメリー・フォード仲代達矢ウィリアム・バーガー
1968年・イタリア (東宝) 91分

解説
ダリオ・アルジェントの原作を、彼と 「ボッカチオ'70」 「赤い砂漠」 などを製作したトニーノ・チェルヴィが脚色、トニーノ・チェルヴィの監督第一作。撮影は新人セルジオ・ドフィツィ、音楽は 「連鎖の大陸 「苦いパン」」 のフランチェスコ・ラヴァニーノが担当。出演は、 「機動部隊轟沈せよ」 のプレット・ハルゼイがモンゴメリー・フォードと改名して出演、他に、仲代達矢、ウィリアム・バーガーなど。

ストーリー
恋人殺しの汚名をきて、刑務所に入れられていたカイオワ(M・フォード)は、刑期終了以前に、模範囚として釈放された。かつて彼は、幼なじみの友人、フェゴー(仲代達矢)に、恋人を眼前で強姦され、射殺された。その上殴られて気を失っている間に、ピストルをにぎらざれ犯人にしたてあげられてしまったのだった。その、フェゴーは、今、西部に悪名高い残酷非道な強盗団のボスになっていた。出獄したカイオワは忠実な下男がかくしてくれていたドルを森の隠れ家で受取ると、報酬二万ドルで銃の使い手四人を雇いいれた。そして五人は、フェゴーを探し求めて、旅を続け、フェゴーの行動を探知すると、その手下を、次々と倒していった。怒りくるったフェゴーは、一度はカイオワを捕え、半殺しの拷問を加えたが、カイオワはすきをみて逃げた。逃げる五人。追跡するフェゴー一味。いつしか、深い森の中にまぎれこんだカイオワは、計略をたて、一味を森深く誘いこんだ。やがて夜。五人対数十人の血闘がはじまった。機智を生かし、隠密作戦を展開、五人は一人、二人と血祭りにあげていった。明け方、静まりかえった森の中で、手下を殺されてたった一人になったフェゴーの前に、カイオワが、姿をあらわした。長い沈黙が続いた。その静けさをついてカイオワの銃声が響いた。撃たれてなおひるまぬフェゴーは、悪鬼のようであった。





29-16. 裏切りの荒野 (L' Uomo, L' Orgoglio, La Vendetta)  

監督 ルイジ・バッツォーニ
出演 フランコ・ネロティナ・オーモンクラウス・キンスキー
1967年・イタリア (ディズニー映画) 97分

解説
ルイジ・バッツォーニとラルフ・セルペの脚本を、ルイジ・バッツォーニが監督した。撮影はカルミネ・バッツオーニ、音楽はカルロ・ルスティケリ。出演は 「キャメロット」 のフランコ・ネロ、 「獲物の分け前」 のティナ・オーモン、クラウス・キンスキーなど。テクニカラー、テクニスコープ。

ストーリー
セビリヤのタバコ工場を警備する軍曹のホセ(F・ネロ)は、女工のジプシー娘カルメン(T・オーモン)の野性的な美しさに心惹かれた。気性の激しいカルメンが仲間と喧嘩、相手を傷つけたので、ホセは彼女を逮捕し、警察に連行した。が、途中、言葉巧みにまるめこまれて、逃げられてしまった。その責任をとわれ、ホセは降等処分をうけた。ある日大佐の別荘でパーティが開かれ、一兵として玄関口で歩哨に立ったホセは、客間で来客にとりまかれフラメンコを踊るカルメンをみつけ、警察につき出すべく、呼び出した。だが、ホセの心をみぬいたカルメンはホセを誘惑、ホセは、彼女の虜となり、自分の立場も忘れた。そしてついに、カルメンの浮気の相手である、自分の上官を殺害、賞金つきの追れる身となった。そんなある日、ホセは、カルメンから、仲間ガルチャらと共に、金貨を運搬する馬車を襲おうともちかけられた。カルメンと二人でアメリカに渡り、出なおそうと夢みるホセは、その資金入手のため、心ならずも強盗団に加わった。金貨の強奪は成功した。だがそのためホセは、いっそうきびしい警察の眼をのがれねばならず、山に逃げた。カルメンが山をおりて、闘牛士のルーカスから、服を調達して来て、二人は一週間後にアメリカに密航できるよう、手はずをととのえてきた。そして、その当日、ホセは、仲間から、カルメンはルーカスに夢中で、ホセと一緒にアメリカに行く気などないのだ、と聞かされた。ホセは、警察に追われる身の危険もかまわず、闘牛場へ走った。ルーカスに派手な投げキスを送るカルメンをみつけたホセは、彼女の不実を責めたが、カルメンは「あなたには倦きたの……」とうそぶくのだった。悲しみと怒りに狂ったホセのナイフが、カルメンの胸をさした。





29-17. ガンマン大連合 (Companeros)  

監督 セルジオ・コルブッチ
出演 フランコ・ネロジャック・パランストマス・ミリアンフェルナンド・レイアイリス・バーベン
1970年・イタリア、フランス、ドイツ (20世紀フォックス)

解説
1911年から約十年間断続的に起こったメキシコ革命を背景に民族解放運動に挺身した人々の姿を描く。監督は 「豹/ジャガー」 のセルジオ・コルブッチ、撮影はアレハンドロ・ウローア(アレクサンダー・ウローア)、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演はフランコ・ネロ、トマス・ミリアン、ジャック・パランス、フェルナンド・レイ、アイリス・バーベン。日本語版監修は岡枝慎二。テクニカラー、テクニスコープ。

ストーリー
メキシコ革命時代。ある日、革命軍が占領していたアン・ベルナディノの町にヨド(F・ネロ)がやってきた。彼は革命軍に武器を売りつけようと目論んでいたが革命軍の資金は金庫の中に隠されており、その金庫の開け方を知っているのは、アメリカ軍に人質になっているザントス教授(F・レイ)しかいないということだった。ヨドが教授をつれもどしに行くことを申しでた。これを受け入れたアルバトスは彼を監視させるために部下のチャトー(T・ミリアン)をつけた。二人の作戦は成功し教授を救いだすことができた。帰途、三人は武器密売者ジョン(J・パランス)につかまりそうになったが、うまくかわした。しかし、ヨドとチャトーが争っているうちに教授がジョン一味につかまってしまった。さらにヨドとチャトーはザントス派の人達の捕虜になるが、教授を救いだすことを条件に釈放される。教授は二人の手によって無事救出され、やっと仲間の許に戻ることができたが、彼は仲間を連れてサン・ベルナディノに向う途中、待ち伏せていたアルバレス一味のために殺されてしまう。ヨドは帰国を思い立つが、決心をひるがえし、チャトーらと共に戦うことを誓った。





29-18. ポンペイ (POMPEII)  (吹替)

監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演 キット・ハリントンキャリー=アン・モスエミリー・ブラウニングアドウェール・アキノエ=アグバエジェシカ・ルーカス
2014年・カナダ、ドイツ (ギャガ) 105分  (3D)

解説
ヴェスヴィオ火山の噴火で一瞬にしてすべてが灰に埋もれてしまったイタリアの遺跡ポンペイを舞台にした歴史アクション。火山の噴火で街に危険が迫るなか、復讐に燃える奴隷戦士の戦いと愛が描かれる。監督は 「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」 などアクションに定評のあるポール・W・S・アンダーソン。

ストーリー
奴隷戦士ミロ(キット・ハリントン)は裕福な商人の娘カッシア(エミリー・ブラウニング)と恋に落ちたものの、カッシアには上院議員である婚約者がいた。身分の違いをつきつけられたミロは自由の身となり街を出ようとするが、そのとき、ヴェスヴィオ山が火を噴こうとしていることに気付く。再び捕われの身となりかねないものの、ミロはカッシアを救うために溶岩が襲おうとしている街へ戻っていく……。





29-19. ファミリービジネス (Family Business)

監督 シドニー・ルメット
出演 ショーン・コネリーダスティン・ホフマンマシュー・ブロデリックジャネット・キャロルロザンナ・デ・ソート
1989年・アメリカ (日本ヘラルド映画)

解説
犯罪の血で結びついた3代の親子の姿を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはアーノン・ミルチャンとジェニファー・オグデン、バート・ハリス、製作はローレンス・ゴードン、監督は 「旅立ちの時」 のシドニー・ルメット、原作・脚本はヴィンセント・パトリック、撮影はアンジェイ・バートコウィアク、音楽はサイ・コールマンが担当。出演はショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー・ブロデリックほか。

ストーリー
過越の祭の夜のこと、妻エレーン(ロザンナ・デ・ソートト)と共に彼女の実家を訪ねたヴィトー(ダスティン・ホフマン)は、息子アダム(マシュー・ブロデリック)と久しぶりに再会した。一家が祝いの食卓を囲んでいた時、アダムあてに電話がかかってくる。相手はヴィトーの父ジェシー(ショーン・コネリー)で、留置場に入っているという。父から保釈金を借りて、祖父を迎えに行くアダムは父のヴィトーより、祖父のジェシーを秘かに尊敬していたのだ。そんなジェシーにアダムは、研究開発中の酵素細胞と、そのデータ・ブックを盗み出す泥棒計画を打ち明ける。実はジェシーは、泥棒稼業で生計をたてていたのである。早速ジェシーは孫の計画に乗ることにするが、それを知ったヴィトーは猛烈に反対する。しかし絶対に裏切ることのない人間がもう1人必要、というジェシーの説得に、ヴィトーは息子を守る口実で、泥棒に加わることにした。3人は、問題の酵素細胞を盗み出すことに成功するがデータ・ノートを忘れたことに気づき、アランが取りに戻った。しかし、これが命取りとなり、アランが警察につかまってしまう。そしてヴィトーは、エレーンに促されるまま、事実を警察に告白するのだった。そして裁判の結果、アダムとヴィトーは執行猶予刑を宣告されるが、ジェシーは実刑判決をうけてしまう。息子のために父を売った、とヴィトーを責めるアラン、2人の間には確執が残った。そして、ジェシーは、獄中でその一生を閉じるのだった。ジェシーの葬式の日、彼が生涯を過ごしたヘルズ・キッチンのアパートの屋上から、ニューヨークの街に灰をまくヴィトーとアラン。その時2人は、改めて父と子として新たな第一歩を踏み出すことになる。




29-20. あの頃ペニー・レインと (Almost Famous)  

監督 キャメロン・クロウ
出演 ビリー・クラダップフランシス・マクドーマンドケイト・ハドソンパトリック・フュジットジェイソン・リー
2000年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 123分

解説
10代でジャーナリズムの伝説的存在になったキャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリーを映画化。音楽ライターをめざす純粋な少年の初恋と成長をみずみずしく描く。

ストーリー
1973年、大学教授の母(フランシス・マクドーマンド)と暮らす知的で陽気な15歳の少年ウィリアム(パトリック・フュジット)は、姉アニタ(ズーイー・デシャネル)が教えたロック音楽の魅力に取り憑かれ、学校新聞などにロック記事を書いていた。やがて、伝説のロック・ライターでクリーム誌の編集長、レスター・バングス(フィリップ・シーモア・ホフマン)に認められ、さらにローリングストーン誌からも声がかかり、ウィリアムが愛する新進バンド、スティルウォーターのツアーに同行取材をすることになる。そして、このバンドを追う少女たちの中にいた、一際美しいペニー・レイン(ケイト・ハドソン)に恋をするのだが、彼女はスティルウォーターのギタリスト、ラッセル(ビリー・クラダップ)と付き合っていた。それでもウィリアムの恋心は変わらず、ツアーの刺激的な毎日を楽しんでいた。しかしやがてペニー・レインは、NYでラッセルの本命の恋人が現われたため、睡眠薬で自殺を図る。ウィリアムの助けで彼女は一命を取り止めるが、それはお祭り騒ぎの終焉を意味していた。そして飛行機事故の危機をなんとか切り抜け、ウィリアムの旅は終わるのだった。




29-21. イースター・パレード (Easter Parade)  

監督 チャールズ・ウォルターズ
出演 ジュディ・ガーランドフレッド・アステアピーター・ローフォードアン・ミラージュールス・マンシュイン
1948年・アメリカ (セントラル) 103分

解説
「ブルー・スカイ(1946)」 をお名残に引退を声明していたフレッド・アステアを花々しくカムバックさせ、ミュージカル物の大スターにのし上っていたジュディ・ガーランドと組んで主演させた音楽映画で、 「スイング・ホテル」 と同じくアーヴィング・バーリンが作詞作曲している。ストーリーはフランセス・グッドリッチとアルバート・ハケットの夫婦脚本チームが書きおろし、チームが更にシドニー・シェルダンと協力して脚色し、 「グッド・ニュース」 に次いでチャールズ・ウォルターズが監督に当たり、 「愛の調べ」 のハリー・ストラドリングが撮影してテクニカラー色彩映画で、ミュージカル場面はロバート・アルトンが演出している。主役2人を助けて、 「下町天国」 のピーター・ローフォード、 「恋のブラジル」 のアン・ミラー、映画初出演の舞台喜劇俳優ジュールス・マンシュイン、クリントン・サンドバーグ、ジェニー・ルゴン等が出演する。アーサー・フリード製作の1948年作品。

ストーリー
1912年。イースター・サンディを明日に控えた日に、ダンサーのドン・ヒューズはパートナーのナダイン・ヘイルが彼とのパートナーを破って、好条件の契約をしたことを知ると、折柄来合わせた親友ジョナサン・ハーロウの止めるのも聞かず町にとび出してしまった。ドンの後を追ったジョナサンは酒場で苦い酒をのんでいる彼を発見した。ドンは口惜しまぎれに、かつてナダインをコーラス・ガールの中から見つけて自分のパートナーにしてやったように、酒場のどんな踊り子でもナダインくらいのパートナーに、直ぐ仕立ててみせると云って、折柄酒場の舞台に立った踊り手ハンナに彼の名刺を渡した。翌朝、ドンは昨夜のでたらめに後悔したが、ハンナが来たので仕方なく練習を開始した。然しハンナは踊りの基本も知らず、憂欝になってしまったドンが外に出て見ると、町はイースター・パレードで賑っている。カメラマンたちに取りかこまれている女性はナダインだった。それを見たドンは失いかけた闘志を再び揮い起こし、来年のイースターはハンナを必ずプリマドナにして見せると心に誓った。チームを破ってジーグフェルドと契約したナダインは大成功だった。苦労しつつハンナを訓練して、ドンとハンナのチームは遂にうまく行くようになり、2人が踊り歌った「ラグタイム・バンド」は大成功で、ジーグフェルドから契約交渉が来たが、ナダインと一緒に舞台に立つことをいさぎよしとしない彼は断然けった。興行者デリンガムと契約した2人は、ボストン、フィラデルフィヤ等でロード・ショーを行ない、イースター・サンディの前日に、ブロードウェイに進出することになった。ロード・ショーは大成功だった。気づかわれたブロードウェイでもドン・ハンナのチームはうけた。その夜2人がジーグフェルドの宴に臨むと来客は2人に祝福をおくったが、これを見て心動かされたナダインは巧みにドンをハンナから引き離すと彼を独占してしまった。ドンを心から愛するようになったハンナは、かねてからドンがやはりナダインを愛しているのではないかと心を苦しめていたが、此の様を見ると1人アパートへ帰ってしまった。一方やっとナダインから解放されたドンは、愛するハンナを探し廻りアパートに訪ねたが、彼女は鍵をかけて入れなかった。彼は外から誤解を訴えた。初めはナダインを取り返すために君とのチームを始めたんだが、君が一番すばらしい女性であることが判ったんだ。一夜明ればイースターの日曜日、誤解のとけた2人は「イースター・パレード」の歌を合唱して、満都の拍手と喝采をうけた。




29-22. 王になろうとした男 (The Man Who Would Be King)  

監督 ジョン・ヒューストン
出演 ショーン・コネリーマイケル・ケインクリストファー・プラマーサイード・ジャフリードグミ・ラルビ
1975年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
理想郷を追って、あらゆる困難に挑んだ2人の男の冒険を描く。製作はジョン・フォアマン、監督・脚本は 「マッキントッシュの男」 のジョン・ヒューストン、原作はルドヤード・キプリング、撮影はオズワルド・モリス、音楽はモーリス・ジャール、編集はラッセル・ロイドが各々担当。出演はショーン・コネリー、マイケル・ケイン、クリストファ・プラマー、サイード・ジャフリー、シャキーラ・ケインなど。

ストーリー
1880年代のインド・ラホール。英字新聞ノーザン・スターの特派員ルドヤード・キプリング(クリストファー・プラマー) は、深夜のオフィスで独り原稿を書いていた。ふと背後に人の気配を感じ、ふりむくとボロ布をまとった乞食のような男が立っていた。その男はピーチ・カーネハン(マイケル・ケイン)と名のったが、何者なのかしばらくの間、想い出せなかった。そうだ、ピーチだ! しかし、何という変わりようだ。あのハツラツとしたハンサムな青年の面影はどこにもなかった。キプリングのすすめで、ピーチは椅子にかけウィスキーを一杯呑むと、信じられないような物語を語り始めた。??キプリングとピーチが出逢ったのは、ラホール駅でピールがキプリングの懐中時計を失敬したことからだった。その時計にはフリー・メイソンのグランドマスターの紋章が刻まれていた。ピーチは、8日後にマーワー連絡駅を通りかかると、友人の軍曹仲間のダニエル・ドレイボット(ショーン・コネリー)にメッセージを届けてほしいといい残すと、姿を消した。数日後、ドレイボットとピーチはキプリングの前に姿を現わした。2人は驚くべき計画を打ち明けた。カフリスタンにいってそこの王様になろうというのだ。こいつらは気狂いかと、キプリングはあきれかえった。ヒマラヤの奥にあるカフリスタンにはアレキサンダー大王の遠征以来白人が足をふみ入れたことはないのだ。しかし、2人の決心は固く、気狂い行者と召使いに扮して出発した。灼熱の太陽、大雪崩、山賊などと戦いながら奇跡的にカフリスタンのカフィリ族の集落に辿り着いた。集落の中に英語の出来る男ビリー・フィッシュ(サイード・ジャフリー)がいた。彼のおかげで2人は村の賓客として迎えられ、村の男たちに英国式の軍事教練をほどこした。その成果は著しく、村はカフリスタン1の最強の部族となり、次々と他の村を支配下に収めていった。この国には、アレキサンダー大王がいつの日か息子をつかわすと約束したという伝説があり、ドレイボットこそその息子ではないかという噂がまたたく間にひろがった。やがて村人たちを彼を神としてあがめるようになった。そんなある日、シカンダガルの聖なる都から5人の聖者たちが村を訪れ、大司祭が会いたいむねを告げた。大司祭は、ドレイボットが神である証しを示すことを要求し、刃をつきつけた。そのとき、彼の胸にはキプリングのくれたフリー・メイソンの紋章が光っていた。それは、奇しくも寺院の石の祭壇に刻まれた紋章とまったく同じだった。ドレイボットは神となりシカンダガルの王となった。ピーチは総理、ビリーは侍従だ。そして、アレキサンダー大王の遺産である莫大な財宝が与えられた。平穏な日々が続いた。しかしそのうち、ドレイボットはいつか見かけた美しい娘ロクザンヌ(シャキーラ・ケイン)を妻にしたいといい始めた。ピーチは財宝を持って早くこの国を出るべきだと主張したが彼は耳をかそうとしなかった。神が結婚する、しかも平民のむすめをめとる。このニュースは民衆に大きな衝撃を与えた。やがて結婚式の日がきた。盛大な式もすみ、ドレイボットは花嫁にキスをした。おそれおののくロクザンヌは反射的に彼の頬を噛んだ。頬から流れ出る血。それを目撃した聖職者と民衆は、口々に叫んだ。「神じゃない」「インチキだ」。ドレイボット、ピーチ、ビリーは持てるだけの宝物をかかえ、ライフルを射ちながら逃げ出したが、石つぶ、棒が襲い、まずビリーが倒れた。吊橋の上に追われたドレイボットは覚悟した。英国の歌を高らかに歌い、橋とともに深い峡谷に落下していった。英国人として立派に死んでいったのだ。??かろうじて脱出したピーチは、その長い物語を語り終えるとボロ布の中からドレイボットの白骨化した首を取り出した。その頭には純金で出来たカフリスタンの王冠が、かつて王になろうとした男、そして束の間、王であり神であった男の頭上に輝いていた。




29-23. スティーブ・ジョブズ (JOBS)  (吹替)

監督 ジョシュア・マイケル・スターン
出演 アシュトン・カッチャーダーモット・マローニールーカス・ハースJ・K・シモンズレスリー・アン・ウォーレン
2013年・アメリカ (ギャガ) 96/128分

解説
70年代に友人とともにアップル・コンピュータを立ち上げ、後にiPhoneなど数々のデバイスを世に送り出してきたスティーブ・ジョブズ。11年10月に56歳の若さで亡くなった彼の知られざる姿に迫るヒューマンドラマ。デミ・ムーアの元夫としても知られるアシュトン・カッチャーがダイエットに取り組み、ジョブズになりきった熱演を披露。

ストーリー
1976年、スティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)は、自分とよく似たはみ出し者の友人たちと共に自宅のガレージに“アップルコンピュータ”を設立する。次々に発表する新作は大ヒットし、わずか4年で株式を上場、ジョブズは富と名声を手にする。だが、意見が食い違う社員はその場でクビ、ビル・ゲイツには正面からケンカを売り、創立メンバーにも冷遇するなど、己の考えだけを貫くジョブズは次第に孤立していく。やがて数少ない理解者だった創立メンバーのウォズニャックも彼の元を去り、孤独の中、予算を無視して新作の開発にのめり込んだジョブズは、自分の会社から追放されてしまうのだった。人生最大の挫折を迎える中、ジョブズは大胆かつ斬新な“ヴィジョン”を見ながら理想を求め続けていく……。




29-24. ルーキー (The Rookie)  (吹替)

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッドチャーリー・シーンラウル・ジュリアソニア・ブラガトム・スケリット
1990年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 92/120分

解説
新人刑事がベテラン刑事とコンビを組んで自動車窃盗団を追いつめてゆく姿を描くポリス・アクション。主演も兼ねるクリント・イーストウッドの 「ホワイトハンター ブラックハート」 に続く監督第15作。製作はハワード・カザンジャン、スティーヴン・シーバートとデイヴィッド・ヴァルデス、脚本はボアズ・イェーキンとスコット・スピーゲルの共同、撮影はジャック・N・グリーン、音楽はレニー・ニーハウスが担当。出演はほかにチャーリー・シーン等。

ストーリー
上流の家庭に生まれながら幼い頃弟をビルの屋上から転落死させてしまった罪の意識に今でも悩み、父に反発して自らを鞭打つがごとくロス市警の警官となったデイヴィッド・アッカーマン(チャーリー・シーン)は、私服刑事を希望して人気薄の自動車盗難課を志願するが、そこでコンビを組まされたのは荒っぽい捜査で有名なベテラン、ニック・パロヴスキー(クリント・イーストウッド)だった。ニックが追っているのは相棒を殺した自動車窃盗団のボス、ストロム(ラウル・ジュリア)。が、情報を得て捜査を進める彼に対し経験のないデイヴィッドは事あるごとに足でまといになる。そんなデイヴィッドにニックは無言で捜査のイロハを示すのだった。その頃、ストロムは資金繰りに困り、カジノヘ強盗に入り国外逃亡を企てていた。事前に察知したニックとデイヴイッドはカジノに乗り込むが、あと一歩の所でニックが人質に取られストロム一味の逃走を許してしまう。ストロムはニックの身代金を要求し、警察全体が動き始めるが、自分のミスでニックを捕えられてしまったデイヴィッドは独力でニックの居場所をつきとめようとし、父に頭を下げてその身代金を用意してもらう。が、ストロム一味が彼の恋人サラ(ララ・フリン・ボイル)の命を狙っていた。間一髪彼女を助け出したデイヴィッドはストロムらのアジトの自動車工場に乗り込み、ニックを救出、身代金を奪還して逃げたストロムらの後を追って空港へ向かう。空港での死闘の末、2人はストロムらの用意していた小型機を大破させ、ストロムとその情婦リースル(ソニア・ブラガ)を追いつめ殺すことに成功した。翌日、デイヴィッドが出署してみるとニックは課長に昇進していて横には新しい相棒の女刑事が立っていた。




29-25. ミッドナイト・ラン (Midnight Run) 

監督 マーティン・ブレスト
出演 ロバート・デ・ニーロチャールズ・グローディンヤフェット・コットージョン・アシュトンデニス・ファリーナ
1988年・アメリカ (ユニヴァーサル=UIP) 126分

解説
孤独なバウンティ・ハンターと彼に追われる心優しき犯罪者との、逃避行の中で芽生える友情の絆をコミカルに描く。エグゼクティヴ・プロデューサーはウィリアム・S・ギルモア、製作・監督は 「ビバリーヒルズ・コップ」 のマーティン・ブレスト、脚本はジョージ・ギャロ、撮影は 「ゴールデン・チャイルド」 のドナルド・ソーリン、音楽は 「バック・トゥ・スクール」 のダニー・エルフマンが担当。出演は 「アンタッチャブル」 のロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディンほか。

ストーリー
シカゴ警察を退職しロスでバウンティ・ハンターをしているジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)は、保釈金融会社社長エディ(ジョー・パントリアーノ)の依頼でギャングのジミー・セラノ(デニス・ファリナ)の金を横領した経理係のジョナサン・マデューカス(チャールズ・グローディン)の行方を追いかける。そんな彼を、セラノを追う重要な証人であるマデューカスは渡せないとFBI捜査官モーズリ(ヤフェット・コットー)は妨害するが、車の中で彼の身分証を盗んだウォルシュはそれを偽造しニューヨークヘ飛び、モーズリの名をかたり何なくマデューカスを逮捕するが、それによりウォルシュは以後FBIとセラノ一味から追われることになる。マデューカスの飛行機恐怖症のおかげで一路汽車でロスヘと予定を変更したことを知らないエディは、ウォルシュに業を煮やし彼の同業者マーヴィン・ドフラー(ジョン・アシュトン)にマデューカス移送を依頼する。汽車の中で2人を襲うドフラーを殴り倒したらウォルシュは、モーズリの名で彼を警察に引き渡しバスに乗り換えた。バスターミナルで待ち構えるFBIとセラノ一味は、2人がバスから降りるや銃撃戦を展開、その隙にパトカーを奪い2人は逃走する。思いがけず9年振りに別れた妻子のもとを訪ねるウォルシュは、突然の訪問に戸惑う前妻に冷たくあしらわれるが、素直に喜びを表現する娘デニース(ダニエル・デュクロス)に心ほだされた彼女は、ウォルシュに車と金を提供するのだった。セラノ一味とFBlに追われるウォルシュとマデューカスの旅は続く。途中、ドフラーもからみ、セラノ一味のヘリコプターを撃ち墜としたり、激流の中を逃走したり、またFBIをかたり酒場から金を盗んで貨物列車に飛び乗ったりしてゆくうちに、孤独なウォルシュと心優しいマデューカスとの間には奇妙な友情の絆が深まってゆくのだった。しかしついに、ウォルシュはモーズリに、マデューカスはドフラーに捕まり、ドフラーからセラノの手に渡ったマデューカスを救い出すため、ウォルシュはモーズリを説得し、セラノ一味を陥し入れるある賭けを試みた。そしてそれは思いがけない成功を収め、自由の身となったマデューカスーは友情の証し、と隠し持っていた金をウォルシュに差し出し、2人は、またそれぞれの道を歩むべく別れてゆくのだった。




29-26. カルテット!人生のオペラハウス (QUARTET)  

監督 ダスティン・ホフマン
出演 マギー・スミストム・コートネイビリー・コノリーポーリン・コリンズマイケル・ガンボン
2012年・イギリス (ギャガ) 99分

解説
現役を引退し、老人ホームで暮らす音楽家たちがホームの存続をかけたコンサートに挑む姿を、笑いや涙を交えて描くヒューマンドラマ。マギー・スミス、トム・コートネイら名優たちが元オペラ歌手役に扮し、歌声を披露する。アカデミー賞主演男優賞に2度輝く名優ダスティン・ホフマンが75歳にして初めて監督に挑戦した。

ストーリー
イギリスの田園風景が広がる中にあるビーチャム・ハウス。そこは引退した音楽家たちが身を寄せるホームだった。資金難のため存続の危機にあるビーチャム・ハウスのためにコンサートを開催しようと準備が進められていた。愛には見向きもせず音楽の普及に心血を注ぐレジー(トム・コートネイ)、キュートさはそのままに痴ほう症がはじまったシシー(ポーリーン・コリンズ)、ホームでも女性を追いかけているウィルフ(ビリー・コノリー)に、ある日、激震が走る。かつて彼らとともにオペラのカルテット(四重唱)を組んでいたが野心とエゴで皆を傷つけ去っていったプリマドンナのジーン(マギー・スミス)が入居してきたのだ。特に9時間だけジーンと結婚していたレジーは心中穏やかではない。ジーンは過去の栄光にすがり、今では人前では歌えない状態にあった。かつて英国史上最高のカルテットと謳われながらも決裂した4人は、ホームを救うためにコンサートへと臨む……。




29-27. マリーゴールド・ホテルで会いましょう (THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL)  

監督 ジョン・マッデン
出演 ジュディ・デンチビル・ナイペネロープ・ウィルトンデヴ・パテルセリア・イムリー
2011年・イギリス、アメリカ、アラブ首長国連邦 (20世紀フォックス映画) 124分

解説
優雅なひとときを夢見て、それぞれの事情を抱え、インドの豪華リゾートホテルを訪れた7人の男女の身に起きる出来事を描く、ユーモア満載のヒューマンドラマ。アカデミー賞作品賞に輝いた 「恋におちたシェイクスピア」 のジョン・マッデンがメガホンを握り、同作で助演女優賞を受賞したジュデイ・デンチが主演を務める。

ストーリー
40 年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)は、多額の負債を返済するために家を売却。そして、同居を勧める息子の誘いを断り、インドの高級リゾート“マリーゴールド・ホテル”での一人暮らしを決意する。彼女の他、このホテルに申し込んでいたのは6 人の男女。イギリスに家を買うはずだったが、退職金を貸した娘が事業に失敗してインドにやってきたダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦。股関節の手術を受けようとしたミュリエル(マギー・スミス)は、イギリスの病院では半年待ちと言われ、渋々インドへ。独身者ノーマン(ロナルド・ピックアップ)の悲願は、異国の地での最後のロマンス。結婚と離婚を繰り返すマッジ(セリア・イムリー)の目的は、“お金持ちの夫探し”。以前この地に住んでいた元判事のグレアム(トム・ウィルキンソン)は、数10年ぶりに知人に会いに来たのだが、ある事情があり、迷っていた。彼らが想像していた優雅な生活は、実際のホテルを目にして砕け散る。改装中というそのホテルを亡き父から譲り受けた若い支配人ソニー(デヴ・パテル)は、やる気だけは人一倍ながら経験不足。電話は使えず、ドアのない部屋もある。だが、既に前金を支払った7 人に選択の余地はなかった。ジャイプールの街に溢れる音と色彩、喧騒と人の数、そして暑さに圧倒されながらも、それぞれの生活を踏み出す。様々な悩みを抱えながらも、この地で過ごす時間が長くなり、互いの交流が深まるにつれて、少しずつ前に進んでゆく7人。その一方で、ホテルを復活させるために、ソニーは地元の投資家に援助を依頼。しかし、ホテルを一緒に相続した2人の兄と母親は売却するつもりでいた。こうして、インドに来て45 日が過ぎた頃、母親の説得に負けたソニーがホテルを閉鎖すると言い出す。再び人生の岐路に立ったイヴリンが巡り逢った、意外な運命とは……?




29-28. ペギー・スーの結婚 (Peggy Sue Got Married)  

監督 フランシス・フォード・コッポラ
出演 ヘレン・ハントソフィア・コッポラキャスリーン・ターナーニコラス・ケイジバリー・ミラー
1986年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
25年前のハイスクール時代にタイム・スリップした主婦の数奇な体験を描く。製作はポール・R・グリアン、エグゼクティヴ・プロデューサーはバリー・M・オズボーン、監督は 「コットンクラブ」 のフランシス・フォード・コッポラ、脚本はジェリー・レイクトリング、アーレン・サーナー、撮影はジョーダン・クローネンウェス、音楽はジョン・バリー、編集はバリー・マルキンが担当。出演はキャスリーン・ターナー、ニコラス・ケイジほか。

ストーリー
アメリカ中西部。ブキャナン・ハイスクールを25年前に卒業したペギー・スー(キャスリン・ターナー)は、チャーリー・ボデル(ニコラス・ケイジ)と結婚して2児に恵まれたものの、夫は家業の電気屋に忙しく外に女を作って別居中である。そんなころ、同窓会が開かれることになった。会場には、キャロル(キャサリン・ヒックス)を始め懐かしい顔がいっぱいだ。ペギーにとっては一気に青春の日々に引きこまれる思いだった。その夜のハイライトとしてクイーンとキングが選ばれることになり、キングには科学者のリチャード(バリー・ミラー)、クイーンにはペギーが選ばれた。が、興奮した彼女は、その場で卒倒してしまった。気がつくと、ペギーの視野には、25年前の学校内の有様が広がった。彼女は25年も前にタイム・スリップしてしまったのだ。家に帰るとママ(バーバラ・ハリス)とパパ(ドン・マレー)、妹(ソフィア・コッポラ)がいる。TVでは“ディック・クラーク・ショー”をやっている。彼女は自分が過去に戻ってしまったことを知った。そして、失われた青春をやり直そうと考えた。学校で、彼女はまだステディのチャーリーと会う。このまま行けば、2人の破局は目に見えている。同じ轍を踏むまいと、彼女はチャーリーをさけた。一方、子供たちのことが気になり、未来へ戻らなければと焦るペギーは、リチャードにタイム・トラヴェルの可能性を打診したりした。孤独な文学青年マイケル(ケヴィン・J・オコナー)と一夜を過ごし、将来の夢について語り合ったこともある。祖父母に会いに行き、祖父たちの時間旅行の儀式で未来へもどろうとした。雷鳴がとどろくなか、彼女はチャーリーに連れ出されて納屋で抱き合う。気がつくと病院のベッドの中でチャーリーが見守っていた。心を入れ変えるよという夫、それを見て喜ぶ娘。同窓生からの励ましの花にまじって、マイケルから贈られた処女作があった。





29-29. 誘う女 (To Die For)  

監督 ガス・ヴァン・サント
出演 ニコール・キッドマンマット・ディロンフォアキン・フェニックスケイシー・アフレックアリソン・フォランド
1995年・アメリカ (ギャガ・コミュニケーションズズ=ヒューマックス(ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス=ケイエスエス=テレビ東京=アイ アンド エス提供))

解説
TVで有名になるという野望に向かって突き進み、ついには夫を亡き者にした悪女の姿を通して、マス・メディアの危険なパワーを痛烈に諷刺したブラック・コメディ風のサスペンス。ヒロインはもとより様々な関係者たちによる証言で物語を再構成する語り口も斬新。90年5月に起こった、22歳の女性教師が15歳の少年をそそのかして夫を殺害させた事件に材を取った、女性作家ジョイス・メナードの長編小説 「誘惑」 を、俳優のかたわら 「卒業」 や 「天国から来たチャンピオン」 の脚本を手掛けたバック・ヘンリーが脚色。監督には 「ドラッグストア・カウボーイ」 「マイ・プライベート・アイダホ」 「カウガール・ブルース」 のガス・ヴァン・サントが当たった。製作は 「靴をなくした天使」 のローラ・ジスキン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジョナサン・タプランとジョセフ・M・カラチオロ。撮影のエリック・アラン・エドワーズ、美術のミッシー・スチュワート、編集のカーティス・クレイトンはサント組の常連。音楽は 「バットマン(1989)」 「黙秘」 のダニー・エルフマンが担当。主演は、ヒロインさながらの売り込みの末に役を獲得したという 「バットマン・フォーエヴァー」 のニコール・キッドマンで、彼女の美貌と熱演ぶりが見もの。共演は 「フランキー・スターライト 世界でいちばん素敵な恋」 のマット・ディロン、故リヴァー・フェニックスの弟で 「バックマン家の人々」 のフォアキン・フェニックス、 「サーチ&デストロイ」 のイレーナ・ダグラス、本作でデビューしたアリソン・フォランド、 「M(エム)バタフライ」 の監督であるデイヴィッド・クローネンバーグほか。

ストーリー
ニューハンプシャー。物心がつくと同時に「TVに出て有名になる」という決意を持っていたスザーン・ストーン(ニコール・キッドマン)は、大学(専攻はTV報道)を卒業すると、父親の経営する地元のイタリアン・レストランで働くラリー・マレット(マット・ディロン)と結婚する。彼の姉ジャニス(イレーナ・ダグラス)はスザーンのことを冷たい女と言って結婚に反対するが、彼女にベタ惚れのラリーは耳を貸さない。ハネムーン先はフロリダだったが、現地のホテルでTV界の大物たちが会合を開くと聞いたからだ。夫の目を盗んで、熱心に売り込みを始めるスザーンはハネムーンから帰ると、フロリダで仕入れた情報を元に地元のTV局に就職する。雑用係のつもりで彼女を雇ったボスのエド(ウェイン・ナイト)に次々と企画書を提出するスザーン。とうとう根負けしたエドは渋々ながら彼女をお天気キャスターに採用した。ラリーはそんな妻を自慢に思い、全面的に応援する。お天気キャスターでは飽き足らないスザーンは、さらにエドを説得して、高校生たちの実態を描くドキュメンタリーを制作する許可を得た。彼女は恰好の素材として落ちこぼれの3人組、ジミー(フォアキン・フェニックス)、ラッセル(ケイシー・アフレック)、リディア(アリソン・フォランド)と出会う。一緒にハリウッドへ行こうと夢を語る彼女に上昇指向を刺激され、反抗的だった3人も次第に心を開いていく。ラリーは彼女が何をするにも深い理解と愛情を示していたが、仕事に夢中になり家庭を省みないスザーンに、とうとう「いつかは子供を持ち、将来はレストラン経営を手伝ってほしい」と持ちかける。夫の言葉は彼女にショックを与え、彼は目的達成の邪魔になると考えたスザーンは一計を案じてジミーを誘惑し、彼を官能的なセックスで虜にした。リディアも彼女を崇拝し、今では彼らはスザーンの言いなりだ。彼女は夫が暴力を振るうと訴え、ラリーの殺害をほのめかす。結婚1年目の記念日。リディアが持ち出した銃を使って、ジミーとラッセルはラリーの殺害を実行した。番組を終え、帰宅したスザーンは、嘆き悲しむ悲劇のヒロインを演じる。かけつけた報道陣のカメラの行列に自分が注目される瞬間に、スザーンの顔にうっすらと恍惚にも似た表情が宿る。3人は素人犯行を見破られ、スザーンにも殺人教唆の容疑がかかる。だが、裁判で彼女は無罪となり、死人に口なしとばかりに取材陣の前で、夫は麻薬中毒だったと発言。やがてマスコミの前から姿を消したスザーンは、念願だったハリウッドのプロデューサーに会う。しかし、それは息子の死を無念に思うラリーの父親が依頼したマフィアの殺し屋(デイヴィッド・クローネンバーグ)で、スザーンの死体は湖の厚い氷の下に沈められた。





29-30. 真昼の用心棒 (Massacre Time)

監督 ルチオ・フルチ
出演 フランコ・ネロニーノ・カステルヌオーボジョージ・ヒルトンジュゼッペ・アドバッティ
1966年・イタリア (東和)

解説
フェルナンド・ディ・レオの脚本をルチオ・フルチが監督した西部劇。撮影はリカルド・パロッティーニ、音楽はラロ・ゴリが担当した。出演は 「続荒野の用心棒」 のフランコ・ネロ、 「シェルブールの雨傘」 のニーノ・カステルヌオーボのほかジョージ・ヒルトン、ジョン・マクダグラスなど。イーストマンカラー、クロモスコープ。

ストーリー
トム・コーベット(F・ネロ)は“用心棒”が稼業だ。彼はある日、生れ故郷の友人から、村に帰ってきて欲しい、と訴える手紙を受け取った。母親に死なれて、その村を出たきり今まで一度も故郷に足を踏み入れていない彼の村は、昔と全く趣を異にしていた。彼の兄スリム(G・ヒルトン)の牧場はボスのスコット(J・マクダグラス)に奪われ、村の銀行も彼の支配下にあった。スコットは残酷な男で、息子のスコット・ジュニア(N・カステルヌオーボ)のぬかりない手伝いをうけて悪業の数々を働いていた。村がそんな状況だったから、スリムはトムにすぐ出て行くよう勧めた。しかしトムは事態の真相をつきとめようと決心し、スコットの牧場へ行った。そこで彼は鞭使いの名手スコット・ジュニアに決闘を挑まれて破れ、みじめな姿でスリムの家に帰りついた。これを見た年老いたスリムの乳母は、これまでのいきさつを語ろうとしてスコット一味のために射ち殺されてしまった。憤ったスリムは今までスコットの横暴に無抵抗だった自分の生き方の非を悟り、トムを助けてスコット一味と闘うことを誓った。トムとスコットは復讐に燃えて牧場に向った。だがトムはそこでスコットがトムの父という意外な事実を知らされた。トムは複雑な気持でスコットと話し合った。その時父親の財産を一人占めしようとしたスコット・ジュニアが、スコットを射殺してしまった。トムとスリムは、スコット一味が待ち構える牧場へ襲いかかった。多くの人の血が流れた結果、スリムはスコットに横領されていた牧場を再び自分のものにした。トムは牧場の平和を喜ぶと、懐かしい故郷の村を後に、再び放浪の旅に出て行くのだった。





29-31. トランスポーター イグニション (THE TRANSPORTER REFUELED)  (吹替)  

監督 カミーユ・デラマール
出演 エド・スクラインレイ・スティーヴンソンロアン・シャバノルガブリエラ・ライトタティアナ・バイコヴィッチ
2015年・フランス (アスミック・エース) 96分  (IMAX)

解説
“名前を聞かない”、“契約厳守”、“依頼品は開けない”という独自のルールで危険な依頼を引き受けるプロの運び屋の活躍を描く、リュック・ベッソン製作の人気シリーズの第4弾。前3作のジェイソン・ステイサムに変わり、エド・スクレインが2代目フランク・マーティンを演じ、天才的なドライビングテクニックを見せつける。

ストーリー
プロの運び屋フランク・マーティン(エド・スクレイン)のもとに、妖艶な美女アンナから依頼が入る。時間通りにフランクが到着すると、3人の美女が彼の愛車アウディS8に乗り込んだ。そして銃を突き付けられ、人質に取られ猛毒がまわり命の期限が 12 時間に迫った父親の映像を目にする。ルールを侵され怒るフランクだが、アンナたちはフランクの特殊部隊時代のライバルだったカラソフ率いる巨大売春カルテルに命を狙われていた。流儀や使命、命が脅かされている父の間で揺らぎながら、愛車を駆るフランク。そんな彼に、裏切りが待ち受ける……。




29-32. ベイマックス (BIG HERO 6)  (吹替)

監督 クリス・ウィリアムズ
出演 ライアン・ポッタースコット・アツィットT.J.ミラージェイミー・チャンデイモン・ウェイアンズ・Jr
2014年・アメリカ (ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン) 108分  (3D)

解説
近未来の架空の都市を舞台に、兄を失い心を閉ざした少年と癒し系ロボットとの心の交流を描くディズニーアニメ。鈴をイメージしたつぶらな瞳を持つケア・ロボット、ベイマックスのデザインをはじめ、サンフランシスコと東京が融合したかのような都市など、日本の文化から多大な影響を受けたファンタジー。

ストーリー
技術分野最先端の頭脳が集まる都市サンフランソーキョーに住む14歳の少年ヒロは、たった一人の身内である兄タダシを謎の事故で失う。心を閉ざし悲しみに暮れるヒロの前に、突如ベイマックスというロボットが現れる。空気で大きくふくらみゆったりと動くベイマックスは、タダシが開発した、人の身や心の健康を守るケア・ロボットだった。ベイマックスの優しさに触れ、次第にヒロの孤独な心は癒され元気を取り戻していく。そんな中タダシの死に疑問を持ち調べていくうちに、恐るべき陰謀に気付く。ヒロはこれに立ち向かおうとするが、唯一の味方であるベイマックスはケア・ロボットであるため戦う意欲すらない。実はベイマックスは、タダシからある使命を託されていた……。




29-33. オール・ユー・ニード・イズ・キル 

監督 ダグ・リーマン
出演 トム・クルーズエミリー・ブラントビル・パクストンキック・ガリードラゴミール・ムルジッチ
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 113分  (IMAX)

解説
桜坂洋のライトノベルをトム・クルーズ主演で映画化したSFアクション。近未来の地球を舞台に、謎の侵略者との戦闘に挑んでは戦死するという不条理な世界に囚われ、同じ出来事を永遠に繰り返す男が同じ境遇にいる女性兵士と出会い、現状を打破しようと奮闘する姿が描かれる。監督を務めるのは 「ボーン・アイデンティティー」 のダグ・リーマン。

ストーリー
近未来。地球は謎の侵略者からの攻撃を受け、そのあまりの戦闘力の高さに人類はなすすべもなかった。ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は決死の任務にあたるが、敵にダメージを負わせることなく戦死。しかし気付くと時は出撃前に戻っていた。少佐はタイムループに巻き込まれていた。幾度となく出撃と戦闘、死を繰り返すうちに、特殊部隊の軍人リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)が彼と同様にタイムループに巻き込まれていることを知る。戦いを繰り返しながら少佐は戦闘技術を磨いていき、二人はこのタイムループから抜け出す糸口を探る……。






29-34. 俺たちは天使じゃない (We're No Angels)  (吹替)

監督 ニール・ジョーダン
出演 ロバート・デ・ニーロショーン・ペンデミ・ムーアホイト・アクストンブルーノ・カービー
1989年・アメリカ (UIP)

解説
刑務所を脱走した2人の男が巻き起こす騒動を描くアクション・コメディ。マイケル・カーティス監督による55年製作の同名作品のリメイク版で、エグゼクティヴ・プロデューサーは主演のロバート・デ・ニーロ、製作はアート・リンソン、監督は 「プランケット城への招待状」 のニール・ジョーダン。戯曲を脚本化したロナルド・マクドゥゲルのオリジナルを基に、脚色はデイヴィッド・マメット、撮影はフィリップ・ルースロ、音楽はジョージ・フェントンが担当。出演はほかにショーン・ペン、デミ・ムーアなど。

ストーリー
35年、アメリカ。カナダ国境近くの州刑務所に服役していたネッド(ロバート・デ・ニーロ)とジム(ショーン・ペン)のふたりは、ある日殺人犯ボビー(ジェームズ・ルッソー)の死刑執行に立ち会った際に、彼の脱獄計画に巻き込まれ、心ならずも刑務所を脱走し、ニューイングランドの小さな町に逃げ込んだ。しかし国境を越えるために身分を神父と偽ったふたりは、折からふたりの神父が来るはずだった教会に送り込まれてしまい、そのまま修道院での生活を始めるのだった。その間にもふたりは、隙をみては国境越えの機会をうかがうが、結局はうまくゆかず、そのうちにネッドは、町に住む聾唖者の娘を抱えたモリー(デミ・ムーア)という美しい女性に夢中になってゆくのだった。やがてネッド達を追う刑務所長の一行が、この町にもやって来た。そんな時ネッドは、祭りの日にカナダの姉妹関係にある教会まで行列する話を聞き参加を希望するが、障害者を同伴しなくてはならないという。ネッドはモリーの娘を頭に思い浮かべるが、モリーはなかなか承知しない。そのさ中、町で脱獄犯が射たれたというのでかけつけたネッドは、そこにボビーの姿をみた。重傷のボビーは、自分も連れて行かねばネッドたちの正体をバラす、と脅迫する。混乱の中で、偶然祭りの説教者に選ばれたジムのとっさの説教に感動したモリーが、ネッドに娘の同行を許可し、こうして行列は始まった。ところが国境への橋の上で山車に身を隠したボビーの姿が発見され、警官隊の銃の発砲で倒れたボビーの勢いに巻き込まれ、モリーの娘がダムの待つ川の中へ転落してしまう。それを見たネッドは娘を追うように川へ飛び込み、彼女の一命を救うのだった。その時、娘は口がきけるようになっていた。そして祭りは終わった。教会での生活に馴れたジムはここに残る決意をし、モリーたちとともにカナダヘ渡るネッドを見送るのだった。




29-35. バニシング IN 60” (Gone in 60 Seconds)

監督 H・B・ハリッキー
出演 H・B・ハリッキーマリオン・ブシアジェリー・ダウギルダジェームズ・マッキンタイアジョージ・コール
1974年・アメリカ (松竹・富士映画) 98分

解説
高級車ばかり狙う6人組のプロ・ドライバーが披露するカーチェイス・アクション。製作・監督・原案・脚本はH・B・ハリッキー、撮影はジョン・ヴァセク、音楽はフィリップ・ハチャトリアン,編集はワーナー・E・レートン、スタントはブッチ・ストックトン、フィル・ウッズが各々担当。出演はH・B・ハリッキー、マリオン・ブシア、ジェリー・ダウギルダ、ジェームズ・マッキンタイア、ジョージ・コールなど。

ストーリー
メインドリアン・ペース(H・B・ハリッキー)は、表向きは保険会社の調査員で依頼された盗難車の調査をする〈チェイス・ラボラトリー〉を経営していたが、実は高級車だけを盗むプロの泥棒だった。仲間は臆病者のユージーン(ジェリー・ダウンギルダ)、その妹パムプキン(マリオン・ブシア)、ペースの弟コーリス、ユージーンの弟スタンリー(ジェームズ・マッキンタイア)ら全部で6人。ある日、ユージーンの結婚式のため、ロサンゼルスからニューヨーク州ダンカークに来ていたペースのもとに、盗み出した車が40万ドルで売れるという契約がとび込んできた。ペースは夢中になった。だがこれは全員が力をあわせなければ遂行できない。そのことをユージーンに告げると彼は、新婚旅行を理由に反対した。ペースはユージーン抜きで決行することを決めた。契約履行のために何台かの高級車を5日間で盗んで港まで届けなければならない。ロサンゼルスに戻ったペースたちは、その見事な手口でロールスロイス、キャデラック、リンカーン、ダッジ・チャレンジャー、オリー・ブロンコを含め、52台もの高級車を盗むことに成功した。しかし“エレナー”というコードネームがつけられた黄色い73年型ムスタング・マッハだけが他の車に較べなぜか手間どった。この“エレナー”を港まで運べば40万ドルが手に入る。ペースは必死だったが、“エレナー”を盗むのは至難の技だった。彼はやっとのことでロング・ビーチで“エレナー”をとらえたが、ペースにうらみを持つユージーンが警察に密告、パトカーが待ち伏せていた。ペースの運転さばきは絶妙だった。ロング・ビーチからカーソン、トーランスなど5都市を時速150キロのスピードで突っ走り、その後には48台のパトカーが“エレナー”を追っている。高速道路では追跡戦に捲き込まれた車が4重、5重衝突した。ペースは追跡してくるパトカーを尻目に港へ向かった。そしてついに“エレナー”を獲得した。




29-36. カンニング・モンキー 天中拳 (一招半式闖江湖 Half a Loaf of Kung Fu)

監督 チェン・チー・ホワ
出演 ジャッキー・チェン金正蘭クム・コンジェームズ・ティエン李海龍
1978年・香港 (東映)

解説
何をやっても半人前の男が、一人前のカンフー使いになってゆくまでをコミカルに描く。製作は羅維(ロー・ウェイ)と許麗華(シュー・リー・ウォア)。監督は 「蛇鶴八拳」 の陳誌華(チェン・チー・ホワ)。撮影は陳青渠、編集は湯明智、武術指導は陳元龍(ジャッキー・チェンの旧芸名)。出演は成龍(ジャッキー・チェン)、金正蘭(クム・チン・ラン)、金剛(クム・コン)、田俊(ジェームズ・ティエン)、秀海龍、石天など。

ストーリー
幼い時に両親を亡くしたコウ(成龍)は、読み書きはダメだが、身体が丈夫なのがトリエ。職を探してうろついたあげく杏春楼の雑役に雇われた。だが、ここの美人楼主ミャオは神州警備保障長官ファンが持つ秘楽を狙う五毒党の女ボスだったのだ。あわてて逃げだしたコウは、森の奥深く入り込んだところ、暴行殺人鬼スズとムチの名人リュウが決闘している場に出くわした。結果、二人は相討ちで倒れ、コウはリュウのムチを拾い、スズの死体を県に届けた。ところが、そのムチからコウはリュウと間違えられ、一躍英雄にまつりあげられ、コウも悪い気がせず英雄気どり。そこへ、ミャオが現われ危機一髪のところを救けてくれたのが枕術の名人マオ大人。感激したコウは弟子にしてくれと頼むと、ファンに金のひょうたんを届けてくれと言う。ファンを探し歩くコウは、ある料理屋でファンとその娘ファン・リーの一行と、そして彼らをつけ狙う鉄腕ルウの一味と出会った。ファン・リーに一目惚れして近づこうとしたコウだが、襲いかかるルウ一味の前では逆に足手まといになってしまう。余りのコウの弱さに見かねたマオ大人の一番弟子が、コウにクンフーの特訓をしてくれた。一方、秘楽を狙う悪漢たちは、ファンと長官一行が福山峠へ向かったことをつきとめる。五毒党、ルウなどが福山峠で待ちぶせ、コウもかけつけ、一大クンフー合戦が始まる。防戦一方のファン一行とコウ。だが、そこへマオ大人が駆けつけてきた。マオ大人の持つ秘伝書をカンニングしたコウは、必殺の“天中拳”で見事にルウ達を倒し、見事に秘薬を守り切ったのだった。




29-37. きのうの夜は… (About Last Night)  

監督 エドワード・ズウィック
出演 ロブ・ロウデミ・ムーアジェームズ・ベルーシエリザベス・パーキンスジョージ・ディセンゾ
1986年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
束縛されない自由な恋愛を望む若い男女の姿を描く。製作はジェイソン・ブレットとスチュアート・オーケン。エグゼクティヴ・プロデューサーはアーノルド・スティフェル。監督はこれが長編第1作のエドワード・ズウィック。デイヴィッド・マメットの戯曲を基にティム・カズリンスキーとデニース・デクルーが脚色。撮影はアンドリユー・ディンテンファス、音楽はマイケル・グッドマン、編集はハリー・ケラミダスが担当。出演はロブ・ロウ、デミ・ムーアなど。



ストーリー
シカゴで食器食材会社に勤務しているダニー(ロブ・ロウ)は、24歳の営業マン。同僚で悪友のバーニー(ジム・べルーシ)とは、いつも昨夜の恋の成果を語り合っている。2人ともプレイボーイだが、バーニーに比べて、今一歩恋に不器用なダニー。彼は恋で自由を束縛されるのは避けたいと思っている。そんなダニーが、草野球の最中に目をつけたのがデビー(デミ・ムーア)。ハスキーボイスの美人だ。勤め先の上司との不倫の関係にフラストレーションがたまっていた彼女は、ダニーの積極的な誘いに大いにのって、その日のうちにデート。早速、結婚を意識しないフリーな共同生活を始めることにする2人。デビーの親友で幼稚園の先生をしているジョーン(エリザベス・パーキンス)は、こんな2人に懐疑的だった。やはり問題は生じた。セックス・ライフには満足できても、スペースの共有の問題、相手の仕事の問題、お互いの精神的な部分への順応度等が問題になった。結局は、“カップル”を望んだデビーの言い分をきいて共同生活は同棲へと変わってゆく。そんな頃、ダニーは長い付き合いのレストランとの取り引きをとりやめようとする会社の方針に腹を立て上司と大ゲンカ、休職状態になってしまう。このことがデビーとの間にも支障をきたすことになる。大晦日の夜、2人だけの食事の席で浮かぬ顔のダニー。そこヘバーニーから年忘れパーティへの誘いの電話が入り、2人は出かけた。付き合っていた恋人が実は妻帯者であったことで落ち込んでいたジョーンのことで、デビーは、ダニーと激しく対立した。そこで2人の同居は消滅した。相変わらずガールハントを続けているバーニーと、以前の生活に戻るダニー。しかし、気分は晴れない。何をやっても空しい。また草野球の日。ダニーは、土手の上をジョーンと自転車に乗ったデビーを見つける。まるで初対面のように見つめ合う2人だった。





29-38. ロミオ・マスト・ダイ (Romeo Must Die)  (吹替)

監督 アンジェイ・バートコウィアク
出演 ジェット・リーアリーヤイサイア・ワシントンラッセル・ウォンデルロイ・リンド
2000年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 91/115分

解説
 カメラマンとして豊富な経験を持つA・バートコウィアクが監督デビュー。カンフー・アクションとヒップホップを融合した、独特のリズム感の映像世界がキレ味上々!

ストーリー
オークランド。抗争を続ける黒人と中国系マフィアの二大組織。中国系マフィアの長チューの息子ポーが殺された。彼の実兄の元刑事ハン(ジェット・リー)はマフィアだった父の罪を背負って獄中にいたが、この知らせを聞くやすぐさま脱獄、アメリカへやってきた。黒人マフィアの長オデール(デルロイ・リンド)のひとり娘トリッシュ(アリーヤ)とひょんなことで知り合ったハンは、彼女の協力を得ながら事件の真相を探る。真犯人は双方の組織の組頭であるマック(イザイア・ワシントン)とカイ(ラッセル・ウォン)だった。カイがポーを殺し、マックはトリッシュの兄を殺していたが、カイの殺しを黙認したのはオデールの縄張りを狙うチュー自身だった。かくしてハンは単身彼らに闘いを挑んで倒し、父には自ら始末をつけさせ、弟の復讐を遂げるのだった。






29-39. クリエイター (Creator)  

監督 
出演 ピーター・オトゥールヴィンセント・スパーノマリエル・ヘミングウェイヴァージニア・マドセンデイヴィッド・オグデン・スティアーズ
1985年・アメリカ (東宝東和)

解説
亡き最愛の妻をバイオ・テクノロジーの力により甦らせようとする科学者の物語。製作はスティーブン・フリードマン、監督はアイヴァン・パサー、原作・脚色はジェレミー・レヴェン、撮影はロビー・グリーンバーグ、音楽はシルヴェスター・リヴェイが担当。出演はピーター・オトゥール、マリエル・へミングウェイほか。

ストーリー
ノーベル賞受賞科学者ハリー博士(ピーター・オトゥール)は、自宅裏の秘密研究所で、亡妻の細胞を培養し、彼女を蘇らせようとしていた。ハリーの実験に必要な若い女性の卵子を提供することになったのは、メリ(マリエル・ヘミングウェイ)。一方、ハリーのライヴァルのシド博士(デイヴィッド・オグデン・スティアーズ)は、ハリーの行動に不審をいだき、身辺調査を開始し、結果、ハリーは大学を追われることになる。その頃、バイト学生ボリス(ヴィンセント・スパーノ)の婚約者バーバラ(ヴァージニア・マドセン)が事故で植物人間となるが、ハリーの力で元に戻った。かくて、いつしか目芽えたメリの愛に応えるハリーは、亡妻との愛は胸に刻み込むにとどめるのだった。




29-40. 愛しのロクサーヌ (Roxanne)  

監督 フレッド・スケピシ
出演 スティーヴ・マーティンダリル・ハンナシェリー・デュヴァルジョン・カペロスフレッド・ウィラード
1987年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
人並はずれた大きな鼻をもつ消防署長が美人天文学者に恋をするというラヴ・ストーリー。製作はマイケル・ラックミルとダニエル・メルニック、エグゼクテイヴ・プロデューサーは主演・脚本も兼ねるスティーヴ・マーティン、監督は 「プレンティ」 のフレッド・スケピシ。原作はエドモンド・ロスタン( 「シラノ・ド・ベルジュラック」 )、撮影はイアン・べーカー、音楽はブルース・スミートン、編集はジョン・スコットが担当。出演はスティーヴ・マーティンとダリル・ハンナほか。

ストーリー
ワシントン州、ネルソン。平和なこの町の消防団長として、人々から愛されているC・D・ベイラズ(スティーヴ・マーティン)は、大きなコンプレックスをもっていた。鼻が異常に大きく上を向いているのだ。すれ違うスキー客などもついふき出してしまうくらいだった。このネルソンの町に、オフ・シーズンを利用して彗星の研究をしに美人天文学者のロクサーヌ(ダリル・ハンナ)がやって来た。家の鍵がしまってしまい消防団の助けを求めた彼女に、C・Dがかけつけ、その件を機会にC・Dはロクサーヌに恋心を寄せるようになった。しかし大きな鼻の彼はそれを言い出せない。そんな頃、町に若い消防士クリス(リック・ロソヴィッチ)が町の助っ人としてやって来た。若くハンサムな彼もまた、ロクサーヌに一目惚れ。そのことを知ったC・Dが、クリスのために恋のはしわたしの役を引きうけることになった。知性に欠けるクリスのために手紙を代筆したり、初デートの日に、口下手の彼に替って遠隔操作で甘くささやく言葉を発したり。しかし、その操作が混乱して、ロクサーヌは怒って帰ってしまった。諦めず、クリスを励まし、ロクサーヌへの接近を手伝っていたC・Dは、しかし、自分のやっていることに疑問を感じるようになる。これほどまでに好きな彼女に真実を伝えられないとは…。本当のことを告げる日がやってきた。そして、ロクサーヌも、これまでのクリスの手紙や甘い言葉の主がC・Dであったことを知り、その気持ちを喜んで受け入れるのだった。




f29-41. サンクタム

監督 アリスター・グリアソン
出演 リチャード・ロクスバーグリース・ウェイクフィールドヨアン・グリフィズアリス・パーキンソンダン・ワイリー
2010年・アメリカ (東宝東和) 103分  (3D)

解説
アバター」 のジェームズ・キャメロン製作総指揮の3Dアドベンチャー。厳しい環境下にも対応できるように改良された 「アバター」 向け3Dカメラシステムを活用し、人類未踏の大洞窟からの脱出劇をリアルに描く。 「ムーラン・ルージュ」 のリチャード・ロクスバーグ、 「キング・アーサー」 のヨアン・グリフィズら演技派が共演。

ストーリー
神秘的な自然が広がるパプアニューギニアの密林地帯。ケープ・ダイビングに長けたベテラン探検家フランク・マクガイア(リチャード・ロクスバーグ)は、この地にある世界最大の洞窟体系エサ・アラの洞窟に潜り、全体像を解き明かす調査チームを率いていた。チームのスポンサー、大富豪の実業家カール・ハーリー(ヨアン・グリフィズ)の援助で潤沢な資金を得てハイテクの装備を駆使しても、複雑に入り組んだトンネルがどこに通じているかは一向に掴めず、メンバーは苛立っていた。特にフランクの17歳の息子ジョシュ(リース・ウェイクフィールド)は、父によって強引に探検に参加させられた上、重労働を強いられる日々にうんざりしていた。ある日、カールが登山家の恋人ヴィクトリア(アリス・パーキンソン)を連れて洞窟へやって来る。ジョシュは、2人をチームの前線基地まで案内する。そのころフランクは、“悪魔のくびき”と呼ばれる地点から続くトンネルを発見する。しかしバディを組んでいたジュード(アリソン・クラッチリー)にエア漏れが発生し、彼の懸命の救出もむなしく、彼女は帰らぬ人となる。チームのフランクへの不信感は高まり、地上との通信状態の悪化もあり、フランクは前線基地からの撤退を決断する。彼らが撤退の準備をする間もなく、突如巨大サイクロンが上陸し、逆流した川の鉄砲水が洞窟内に流れ込んでくる。フランク、ジョシュ、カール、ヴィクトリア、フランクの盟友クレイジー・ジョージ(ダン・ワイリー)は洪水から逃れるが、唯一の出口は塞がれ、通信手段も絶たれる。5人は、フランクが見つけた未知のトンネルが海へ通じている可能性を信じて、洞窟の先を進む。





29-42. ダンディー少佐 (Major Dundee)  

監督 サム・ペキンパー
出演 チャールトン・ヘストンリチャード・ハリスジム・ハットンジェームズ・コバーンマイケル・アンダーソン・ジュニア
1964年・アメリカ (コロムビア) 136分

解説
ハリー・ジュリアン・フィンクの原作を、彼と 「昼下がりの決斗」 のサム・ペキンパー、オスカー・ソウルが共同で脚色、サム・ペキンパーが監督した西部劇。撮影は 「野望の系列」 のサム・リーヴィット、音楽はダニエル・アンフィシアトロフ、主題曲“ダンディー少佐のマーチ”をミッチ・ミラー合唱団が担当している。出演は 「北京の55日」 のチャールトン・ヘストン、 「戦艦バウンティ」 のリチャード・ハリスのほかにジム・ハットン、ジェームズ・コバーン、マイケル・アンダーソン・ジュニアなど。製作はジェリー・ブレスラー。

ストーリー
1864年、第五騎兵隊B中隊は伝令に出たライアンを残して、狂暴なアパッチの酋長チャリバの奇襲を受けて全滅した。本部ベンリン砦では、ダンディー少佐(チャールトン・ヘストン)が腹心の部下グレアム中尉と、チャリバ討伐の志願兵を募っていた。その中には南軍の捕虜や脱走兵もまじっていた。捕虜の中のタイリーン大尉(リチャード・ハリス)とダンディーは士官学校の同期生であり、親友だったが、その友情も今は憎しみに変わっていた。しかし大尉は、チャリバを討伐するまでという約束で隊に加わった。チャリバがメキシコの奥地に入ったという報告を受けたダンディーは出発した。しかし、戦闘で3分の1の隊員を失い、その上チャリバを逃してしまった。その当時メキシコでは、フランス軍とファレス派の自由メキシコ軍が戦っていた。ダンディはフランス軍を襲い、武器や馬を奪った。だがその日から騎兵隊は、フランス軍の大部隊の追撃を受けることになった。ある日ダンディーは足を負傷し、酒びたりの毎日から彼を救ったのはタイリーンだった。そしてタイリーンは約束をはたしたら、この手でダンディーを殺すというのだった。リオ・ブラボー近くの谷で、ついにチャリバを倒した。ダンディーとタイリーンが対決した時、フランス軍が追ってきた。ダンディーは、リオ・グランデへの退却を命じた。河をわたればデキサスだが、そこにも敵が待ちうけていた。ダンディーとタイリーンは再び手を結び、フランス軍と戦った。河は血に染まり、星条旗はフランス軍に奪われた。タイリーンは旗を奪い返した。しかし彼が高々と星条旗をかかげた時、敵弾が彼の胸を射た。そして背後に迫った敵の只中に単身躍りこみ、壮烈な戦死をとげた。生き残った11名の男たちは、星条旗と南軍の旗をかかげテキサスへと向かった。





29-43. ある愛の詩 (Love Story)  

監督 アーサー・ヒラー
出演 アリ・マッグローライアン・オニールレイ・ミランドキャサリン・バルフォアジョン・マーレイ
1970年・アメリカ (CIC)

解説
環境のまったく異なった世界に育った男と女の愛の物語。製作はハワード・G・ミンスキー、監督は 「おかしな夫婦」 のアーサー・ヒラー、脚本は 「イエロー・サブマリン」 のエリック・シーガル、撮影はリチャード・クラティナ、音楽は 「ハロー・グッドバイ」 のフランシス・レイ、美術はロバート・ガンドラックがそれぞれ担当。出演は 「さよならコロンバス」 のアリ・マッグロー、 「栄光への賭け」 のライアン・オニール、レイ・ミランド、ジョン・マーレイ、キャサリン・バルフォア、ラッセル・ナイプなど。カラー、ビスタビジョン。1970年作品。

ストーリー
オリバー(ライアン・オニール)はニューヨークのセントラル・パーク・スケート場の観覧席で1人想いに沈んでいた。彼は若い弁護士で、少し前に医者から、妻のジェニー(アリ・マッグロー)に死期が迫っていると聞かされたばかりだった。初めてジェニーに会ったのは大学の図書館だった。ジェニーはそこの館員で、彼を“坊や”と呼ぶ小ナマイキなところがあったが、結局、一緒にお茶を飲みにいく仲になった。とり合わせとしては不釣合いな2人だった。オリバーは高名な良家の4世で、アイス・ホッケーだけが趣味の世間知らず、ジェニーはイタリア移民の菓子屋の娘で、バロック音楽好きという共通点のない2人だったが、そのあまりの身分の差が、かえって2人をひきつけたのだ。オリバーがジェニーのハープシコードの演奏を聴きにいって、モーツァルトやバッハの名を口にするようになって、ふと気がつくと2人はもう恋の虜になっていた。ある日、ジェニーは突然、フランスへ行くと言い出した。フランスで勉強したいというのだった。彼女は今の幸福が束の間のものであり、実らないであろう恋の悲しみから逃げようと考えたのだ。ロード・アイランド出の貧しい娘と富豪の息子では、あまりに身分が違いすぎるのだ。しかし、オリバーは問題にしなかった。そして結婚を申し込んだ。オリバーは両親にジェニーを会わせた。彼と父(レイ・ミランド)との間には深いミゾがあった。母(キャサリン・バルフォア)は息子と夫との間に入ってとりなそうとするが、オリバーは父を軽蔑しきり、父も彼の身勝手さをなじるため、うまくゆかず、父の、送金を中止するという脅しも蹴ってしまう。2人はロード・アイランドにいるジェニーの父(ジョン・マーレイ)に会いに行った。彼は2人を歓迎しながらも、前途を心配した。そして2人は結婚した。学費や生活費のためジェニーは働き、オリバーは学長トンプソン(ラッセル・ナイプ)に奨学金を申し込むが、名にしおうバートレット家の御曹司が…と、全然相手にもされなかった。生活は貧しかったが、愛し合う彼らは幸福だった。やがて、オリバーが優秀な成績で卒業し、2人はニューヨークのアパートを借り、オリバーは法律事務所へ勤めることになった。そんな新しい生活が始まったばかりのところだったのだ。オリバーはジェニーに医者の言葉を伝えなかったが、ジェニーはそれを知っていた。ジェニーの望みでオリバーはスケート場に連れていった。オリバーが滑るのを見ていたジェニーは、やがて苦しみ出す。病状は悪化し入院することになった。息子との仲直りを願っていたオリバーの父が、小切手を届けてきた。が、もはや金でジェニーの命が買い戻せる時ではなかった。ジェニーは父に見守られ、愛するオリバーに抱かれて死んだ…。今日も、セントラル・パークのスケート場の観覧席に腰を下ろして、じっと動かぬオリバーの姿があった。(CIC配給*1時間48分)




29-44. プレイス・イン・ザ・ハート (Places in the Heart)  

監督 ロバート・ベントン
出演 サリー・フィールドリンゼイ・クローズエド・ハリスエイミー・マディガンジョン・マルコヴィッチ
1984年・アメリカ (コロムビア映画)

解説
夫を殺された妻が家族を守るためにひたむきに闘う姿を描く。製作はアーレン・ドノヴァン、監督・脚本は 「クレイマー、クレイマー」 のロバート・ベントン、エグゼクティヴ・プロデューサーはマイケル・ハウスマン、撮影はネストール・アルメンドロス、編集はキャロル・リトルトン、音楽と作曲・編曲はジョン・カンダー、衣装はアン・ロス、プロダクション・デザイナーはジーン・キャラハンが担当。出演はサリー・フィールド、リンゼイ・クルーズなど。日本版字幕は戸田奈津子。カラー・ビスタサイズ。1984年作品。

ストーリー
1935年、テキサス州ワクサハチの朝。エドナ・スポルディング(サリー・フィールド)は、先ほど送り出した保安官の夫ロイス(レイ・ベイカー)が死体となって戻って来たのを知って、あまりのショックに口がきけなかった。銀行の預金残高は116ドル、借金3681ドル、とりあえず数カ月後に銀行に返さなければならない返済分が240ドル、エドナにできることといえば子供の世話と家事だけだ。美容院を経営している姉のマーガレット(リンゼイ・クルーズ)も親身に心配してくれるが、金銭面では無力だった。葬儀が済むと銀行は、この家を売り借金をゼロにして、子供を親戚に預けて働いたらと勧める。しかし、夫のにおいが染みたこの家と2人の子供フランク(ヤンクトン・ハットン)とポッサン(ジェニー・ジェームズ)なしに生きていくことはできない。数日後、流れ者の黒人モーゼス(ダニー・グローヴァー)がやってきて仕事をくれと申し出たが、断わった。その夜、保安官に連れられたモーゼスが再びエレナの家にやってきた。スポルディング家の銀器を盗んだので逮捕されたのだ。エレナはウソの口実でモーゼスを助けてやつた。その日から、彼は一家には欠かせぬ働き手として綿畑を耕した。同じ頃、銀行員は厄介払いするように眼の不自由な彼の弟ウイル(ジョン・マルコヴィッチ)を下宿人として押しつけてきた。エドナとモーゼスは綿作りに励んだ。一家を守るにはそれしか方法がないのだ。しかし、テキサス特有の大竜巻は小さな町の建物をあらかた破壊しスポルディング家にも甚大な被害をもたらした。姉の夫ウエイン(エド・ハリス)と親友の妻ビオラ(エイミー・マディガン)との情事も、この大竜巻によって終りを告げた。10月が近づき綿の収穫の時期になった。収穫一番のりに対する100ドルの賞金を得るために、エドナとモーゼスはもとより、フランク、ポッサム、マーガレットまで畑に出て綿つみに精出した。賞金がもらえなければ一家は離散してしまうのだ。盲目のウイルが料理を受けもった。皆、綿の木の針で指を刺され、曲げっきりの腰がのばせないほど働いた。出荷の日の朝が明けた。エドナが一番のりだった。綿つみの後のダンスパーティの夜、フランクは一人前の男として母エドナにダンスを申し込み、マーガレットも夫の情事を許す気になった。が、モーゼスはK・K・Kの一団に襲われて町を出ていくよう脅迫される。エドナに危害の及ぶことを恐れたモーゼスは、翌朝町を離れた。「あなたが最高の綿つみだってことを忘れないで」、モーゼスを送るエドナの言葉には愛する家族を失う悲しみが充ち充ちていた。(コロムビア映画配給*1時間51分)




29-45. 十戒 (The Ten Commandments)  

監督 セシル・B・デミル
出演 チャールトン・ヘストンユル・ブリンナーアン・バクスターエドワード・G・ロビンソンイヴォンヌ・デ・カーロ
1957年・アメリカ (パラマウント)

解説
1923年、今回と同様セシル・B・デミルが監督した 「十誡(1923)」 の再映画化で、製作費1350万ドルを費やしたというスペクタクル宗教史劇、イーニアス・マッケンジー、ジェン・L・ラスキー・ジュニア、ジャック・ガリス、フレドリック・M・フランクの4人が脚本を書き、 「胸に輝く星」 のロイヤル・グリグスが撮影監督をつとめた。特殊撮影を受け持ったジョン・P・フルトンは1957年度アカデミー賞を受賞した。音楽は 「最前線」 のエルマー・バーンスタイン。主演は 「三人のあらくれ者」 のチャールトン・ヘストン、アン・バクスター、 「追想」 のユル・ブリンナー、 「地獄の埠頭」 のエドワード・G・ロビンソン、 「勇者カイヤム」 のデブラ・パジェット、そのほか 「裸の天使」 のジョン・デレク、 「重役室」 のニナ・フォック、 「南部の反逆者」 のイヴォンヌ・デ・カーロ、 「放浪の王者(1956)」 のサー・セドリック・ハードウィック、 「サヨナラ」 のマーサ・スコット。

ストーリー
エジプト王ラメシス一世は、新しく生まれるヘブライの男子をことごとく殺すという命を発した。生まれたモーゼ(チャールトン・へストン)も母親の手でナイルの大河へゆりかごに隠されて流された。だが幸運にも小さな箱船は王女の足もとへただよい着いた。王女はその赤児をあわれに思い、引きとって立派に育てた。成長したモーゼがエジプト王子として勢力を得て来た頃、宮廷には彼のほかに実の王子ラメシス(ユル・ブリンナー)が権力をふるっていた。2人は王位と王女ネフレテリ(アン・バクスター)の争奪を始める。ネフレテリは“世襲王女”であったから、王座を継ぐものは彼女と結婚しなければならないからだ。ある日、モーゼは奴隷であるヘブライ人が重労働を課せられているのを見、そして1人のエジプト人が、ヘブライ人を打ちすえたところを目撃した。だが、この現場を同胞を食いものにしている奴隷頭デイサン(エドワート・G・ロビンソン)が見ていた。これがラメシスの耳に入り、ヘブライ人であることが暴露されたモーゼは砂漠に追放された。荒野をさまようモーゼを救ったのは、ジェスローだった。やがてモーゼはジェスローの長女セフォラ(イヴォンヌ・デ・カーロ)と結婚した。彼はここで平和な生活を送っていたが、ある日シナイ山で神の声を聞いた。モーゼは解放者に選ばれたのだ。ここにモーゼとラメシスの争闘が始まった。疫病がエジプトを襲った。数千の奴隷は脱出して紅海の畔までたどり着いた。ラメシスは戦車をかり出した。だが、モーゼがひとたび叫ぶと、焔が立ちラメシスの軍勢を防いだ。海は陸地となり、水は2つにわれるという奇跡が起こったのだ。エジプトの軍勢は海底に没した。勝利者モーゼは、シナイ山頂に立ち、神の指が褐色の岩に十戒を1つずつきざんで行くたびに、顔を聖なる光に輝かせ、耳にすさまじい雷鳴を聞いていた。デイサンは、最後の力をふりしぼって人々をモーゼに立ち向かわせようとした。が、モーゼが投げた石の板がくだけ、火が燃え上がり悪しき者を焼きつくした。やがて、人々はヨルダン河の畔のネボ山の麓にたどりついた。モーゼは唯1人、神の前に行くべくネボの山を登っていった。





29-46. ロボコップ (1987) (吹替)

監督 ポール・バーホーベン
出演 ピーター・ウェラーナンシー・アレンダニエル・オハーリーロニー・コックスカートウッド・スミス
1987年・アメリカ (ワーナー映画) 103分

解説
殉職した警官が“ロボコップ”として甦り、コングロマリットと熾烈な戦いを展開するというSF・アクション・アドベンチャー。製作はアーン・シュミット、監督はこれが日本初公開作品となるポール・ヴァーホーヴェン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジョン・デイヴィソン、脚本はエドワード・ニューマイヤーとマイケル・マイナー、撮影はジョスト・ヴァカノ、音楽はバジル・ポールドゥリス、編集はフランク・J・ユリオスト、ロボコップ・デザイン&クリエイトはロブ・ボーティンが担当。出演はピーター・ウェラー、ナンシー・アレンほか。

ストーリー
近未来。世界は混乱の極みに達し、叛乱鎮圧のため核爆弾が使われる時代だった。デトロイトでは旧市街が犯罪の巣窟と化し、警察経営を民間企業のOCP(オムニ・コンシューマー・プロダクツ)が請け負っていた。OCPは市街再開発のため、犯罪一掃をめざし、社長のオールドマン(ダニエル・オハーリー)が重役会議を召集した。保安担当のジョーンズ(ロニー・コックス)は巨大な警察ロボットEDー209を披露するが、公開実験は失敗に終わった。若いモートン(ミゲル・フェラー)は、サイボーグ警官ロボコップのアイディアを売り込み社長の承認を得た。リード(ロバート・ドキイ)が指揮をとる南署へ、マーフィ(ピーター・ウェラー)が配属され、タフな美人刑事ルイス(ナンシー・アレン)とコンビを組むことになった。ピストルをくるくる廻す仕草を指摘され「息子の好きなTVヒーローの真似なんだ」と答えるマーフィ。強盗一味を追跡して廃工場ヘ二人は潜入した。だが逆に一味にやられてしまう。一味のリーダーであるクラレンス(カートウッド・スミス)は悪辣な男で、マーフィをなぶり殺しにする。モートンはマーフィの身体を土台にロボコップを作りあげ、南署に配属した。ピストルをくるくるまわす仕草に、ロボコップがマーフィと気付くルイス。しかし、彼に過去の記憶はなかった。犯罪者を続々とつかまえてヒーローとなったロボコップだが、クラレンス一味に射たれる悪夢に悩まされて勝手に行動を始めた。ロボコップはコンピュータから自分の正体を知った。モートンはジョーンズを馬鹿にして怒らせてしまう。モートン宅をクラレンスが爆破。クラレンスとジョーンズは手を結んでいたのだ。ロボコップは麻薬取引の現場に踏み込み、クラレンスを痛めつけ、ジョーンズが黒幕ということを知って、OCPのビルに行く。だが、ロボコップはOCPの重役に危害を加えてはならないとプログラムされているので手も出ない。EDー209に襲われ、さらに市警に囲まれてしまう。ルイスの助けで、廃工場へ隠れた。ジョーンズの命でクラレンス一味が襲撃してきた。死闘の末に一味を射殺するが、ルイスが頻死の重傷を負う。彼女に「OCPがあとはやってくれるよ」と言って、OCPビルヘ。重役会議に乱入して、ジョーンズの悪業を糾弾した。オールドマンが彼に首を宣告した途端にロボコップの銃が火を吹いた。




29-47. ロボコップ2 (吹替)

監督 アーヴィン・カーシュナー
出演 ピーター・ウェラーナンシー・アレンダニエル・オハーリーベリンダ・バウアートム・ヌーナン
1990年・アメリカ (オライオン映画=ワーナー・ブラザース映画) 117分

解説
半分は人間、半分はメカの警察官ロボコップの活躍を描くアクション・シリーズ第2弾。エグゼクティヴ・プロデューサーはパトリック・クロウリー、製作はジョン・デイヴィソン、監督は 「ネバーセイ・ネバーアゲイン」 のアーヴィン・カーシュナー。フランク・ミラーの原作を基に、脚本はミラーとウォーロン・グリーンの共同、撮影はマーク・アーウィン、音楽はレナード・ローゼンマンが担当。出演はピーター・ウェラー、ナンシー・アレンほか。

ストーリー
近未来。街は、“ヌーク”という麻薬の登場による凶悪犯罪で荒廃していた。オムニ社の本拠であるデトロイトの街もその例外ではなく、市はオムニ社から融資を受ける有様だった。警察はストの最中で、街を守るのはロボコップ(ピーター・ウェラー)ただひとり。彼は相棒のルイス(ナンシー・アレン)と共に、“ヌーク”を持ち込んだギャング団のボス、ケイン(トミー・ヌーナン)の検挙に熱を入れていた。その頃オムニ社では、デトロイト市の乗っ取りを画策する会長のオールドマン(ダニエル・オハーリー)が、新進の美人学者ファックス博士(ベリンダ・バウアー)に命じて、人間的感情のあるロボコップよりもっとプログラムに忠実なロボコップ2号を開発させていた。ある日ヌークの工場を急襲したロボコップは、逆にケインの手下でメカに強い12歳の少年のホブ(ガブリエル・デーモン)の手によってバラバラに解体されてしまう。ファックス博士はこの機会を利用してロボコップのプログラムを一新させ、彼を制御不能の混乱状態に陥れる。しかしロボコップは、自らの体に電気ショックを与えることで、その窮地を脱出し、ケインを倒す。ところがファックス博士は、重体のケインを殺し、その死体でロボコップ2号を誕生させる。しかしそのロボコップ2号は、記者会見の席で突然暴れだし、大混乱の中、ロボコップによって退治される。そして市もオムニ社の乗っ取りから免れるのだった。





29-48. ロボコップ3 (Robocop 3)  (吹替)

監督 フレッド・デッカー
出演 ロバート・ジョン・バークナンシー・アレンジル・ヘネシーレミー・ライアンブルース・ロック
1993年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 104分

解説
近未来のデトロイトを舞台に、驚異的な能力を持つサイボーグ警官ロボコップの活躍を描くSFアクション。監督・脚本は 「ドラキュリアン」 のフレッド・デッカー、製作はパトリック・クロウリー、共同脚本はDCコミックの人気作家で 「ロボコップ2」 のフランク・ミラー、撮影は 「ゼイリブ」 のゲイリー・B・キッビ、音楽は 「イントルーダー 怒りの翼」 のバジル・ポールドゥリスが担当。出演は、前作までのピーター・ウェラーに続く2枚目ロボコップに 「シンプルメン」 のロバート・バーク、 「ポルターガイスト3 少女の霊に捧ぐ…」 のナンシー・アレン、 「戦慄の絆」 のジル・ヘネシー、 「ブラック・レイン」 のブルース・ロックなど。

ストーリー
近未来のデトロイト。長年のプランである超未来都市デルタ・シティの建設のために、市政を牛耳る巨大コングロマリットのオムニ社が旧市街の土地の強制収容に乗り出し、家を失った市民たちは地下に潜りゲリラ化していた。今夜も家を失った人々を隊長マクダゲット(ジョン・キャッスル)率いるオムニの私兵リバップが容赦なく蹴散らしていた。その中に両親とはぐれた10才の天才コンピュータ少女ニコ(レミー・ライアン)がいた。最近オムニ社は日経企業カネミツの傘下に組み入れられていた。計画を順調に進められないオムニ社専務(リップ・トーン)に業を煮やしたカネミツ(マコ)は、秘蔵のスーパーサイボーグ、オートモ(ブルース・ロック)の出動を決定した。市街地で騒乱が発生し、ロボコップ=マーフィー(ロバート・バーク)と相棒ルイス(ナンシー・アレン)が出動した。教会に立てこもるホームレスの人々を、リハッブが一層しようとしていた。それを阻止しようとしたルイスは狙撃され、「オムニに逆らえない」とインプットされたマーフィーは反撃できない。息絶えたルイスを前にして傷ついたマーフィーは反乱市民軍のリーダー、バーサ(C・C・H・パウンダー)とニコに助けられ、反乱軍のメンバーが修理しようとするが手に追えない。ニコが探してきたロボコップのメンテナンスを受け持つラザラス博士(ジル・ヘネシー)の手でやっと機能が回復し、オムニへの従順機能が解除され、飛行用ジェットパックが取り付けられてパワー・アップしたマーフィー。しかし内部からの裏切りでバーサが死に、ニコとラザラスが敵に捕らえられた。そんな状況の中、警察官たちがオムニに反旗を翻し戦場と化した街の上空にロボコップが飛来した。オムニの戦車を破壊したマーフィーは、ニコと博士を助けたオムニ社に向かった。オートモと戦い、倒したマーフィーは2人を助けると、警官たちを助けに街に戻った。そこには、「話しあおう」とおじぎするカネミツの姿があった。