29-1. ヘラクレス (HERCULES) (吹替)
監督 ブレット・ラトナー
出演 ドゥエイン・ジョンソン,
イアン・マクシェーン,
ジョン・ハート,
ルーファス・シーウェル,
アクセル・ヘニー
2014年・アメリカ (パラマウント ピクチャーズ ジャパン) 99分 (IMAX)
解説
人気アクションスター、ドウェイン・ジョンソンが全能の神ゼウスを父に持つギリシア神話の英雄、ヘラクレスに扮するアクション。5人の仲間たちと放浪するヘラクレスと、冥界の王であるハデスの末裔らとの激しい戦いがダイナミックなアクションで描かれる。監督を務めるのは 「ラッシュアワー」 シリーズのブレット・ラトナー。
ストーリー
全能の神ゼウスと人間の間に生まれた半神半人の男ヘラクレス(ドウェイン・ジョンソン)。神さえも恐れる超人的な怪力と人間の心を併せ持つ彼は、強さと優しさに満ち溢れた人物として世に知られていた。だが、自分の子どもの命を奪ったことで罪の意識に押しつぶされそうになった彼は、苦しみ抜いた末、救いを得るために自らに12の試練を課す。多頭の蛇ヒュドラ、不死身のライオン、巨大なイノシシであるエリュマントスなど、襲い掛かる魔物や悪を、圧倒的な力で倒してゆくヘラクレスだったが……。
29-2. 1941
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ジョン・ベルーシ,
ネッド・ビーティ,
ダン・エイクロイド,
三船敏郎
1980年・アメリカ (東宝) 118分
解説
「ジョーズ」、「未知との遭遇」とヒット作を飛ばしてきたスティーヴン・スピルバーグが「未知との遭遇」に続いて監督した作品。冒頭から「ジョーズ」のオープニングのパロディを用いたり、「サタデー・ナイト・ライブ」のキャストらを使った贅沢な映画だが、興行的に失敗。本作以降、コメディ関係は若手などに監督を任せ、スピルバーグは製作という立場をとることになる。2008年8月にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン(現:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)からDVDが発売された。本作のモチーフとなったのは、伊17によるカリフォルニア州サンタバーバラのエルウッド石油製油所攻撃や、伊26によるカナダのバンクーバー島攻撃など、太平洋戦争中に遂行された日本海軍潜水艦による一連のアメリカ本土砲撃、そして日本軍の攻撃に対するアメリカ人の恐怖が引き起こしたロサンゼルスの戦いである。また1943年のズートスーツ暴動(英語版)もモチーフの1つとされる。
ストーリー
日本海軍による真珠湾攻撃から6日後の1941年12月13日。西海岸の住民は、次は自分たちだという見えない恐怖に包まれていた。やがて南カリフォルニア防衛の任を負う第3軍団司令官にジョセフ・スティルウェル中将が着任し陸軍、海兵隊に動員命令が下される。同時に市民防衛作戦が発令されて、アメリカ国民は南北戦争以来の、母国の"守り"に付くこととなる。そんな中、日本海軍の伊19潜水艦[3]は羅針盤が故障したため、カリフォルニア州沿岸に迷い込んでいた。艦長のミタムラ中佐は現在位置がアメリカ本土に近いことを知ると、「軍事的価値は薄いものの、ハリウッドを攻撃すればアメリカ人の戦闘意欲を喪失させる効果はある」とハリウッド攻撃を計画する。しかし、伊19に同乗するドイツ海軍の観戦武官、フォン・クラインシュミット大佐はミタムラの作戦に懐疑的だ。迎え撃つは、「真珠湾の次はロサンゼルスが標的にされる」と信じて疑わないP-40 トマホーク(戦闘機)の飛行士、沿岸の住宅地に高射砲を据える軍曹、それを見て愛国心を燃やす老人、貧相な民間防衛組織、ダンスと女の子に夢中の青年、爆撃機を見ると欲情する女秘書官、芋畑に敵の秘密飛行場があると確信している大佐、慰問局の開いたダンスパーティにはしゃぐ兵士達、そして、この秋に封切られたアニメ映画『ダンボ』に涙しつつ「この街の住人は変な人ばかり」と嘆く司令官。一方、ハリウッドを目指すためミタムラは忍者や侍の子孫である水兵たちを上陸させ、名前がハリウッドに似たホリー・ウッドという名前の木こりを拉致する。彼の荷物からおもちゃの小さなコンパスを見つけた日本兵は歓喜するが、ホリーはそれを強引に飲み込んでしまう。やがて、空襲警報が鳴り響くロサンゼルス上空に未確認機が襲来し、沿岸では伊19が浮上する。遂にサンタモニカに広がる遊園地をハリウッドの一部と誤認した日本軍の攻撃が発動された。
29-3. 映画 ひつじのショーン〜バック・トゥ・ザ・ホーム〜 (SHAUN THE SHEEP THE MOVIE) (吹替)
監督 リチャード・スターザック
出演
2014年・イギリス フランス (東北新社) 85分
解説
アードマン・アニメーションズによるクレイアニメ 「ウォレスとグルミット」 の人気キャラクターを主人公にしたスピンオフ作で、2015年に生誕20周年を迎えた 「ひつじのショーン」 。同シリーズ初の劇場版長編作は、自ら起こしたトラブルが原因で牧場から都会へ向かうひつじのショーンのユニークな活躍が描かれる。
ストーリー
29-4. 炎の人ゴッホ (Lust for Life)
監督 ヴィンセント・ミネリ
出演 カーク・ダグラス,
アンソニー・クイン,
ジェームズ・ドナルド,
パメラ・ブラウン,
エヴェレット・スローン
1956年・アメリカ (MGM) 122分
解説
後期印象派画家の1人、ヴィンセンと・ヴァン・ゴッホの生涯を描いたアーヴィング・ストーンの同名小説の映画化。 「青いヴェール」 のノーマン・コーウィンが脚色、 「お茶と同情」 のヴィンセント・ミネリが監督した。撮影は 「ボワニー分岐点」 のフレディ・ヤング、 「最後の銃撃」 のラッセル・ハーランの2人、音楽は 「悪人への貢物」 のミクロス・ローザ。主演は 「OK牧場の決斗」 のカーク・ダグラス、 「道」 のアンソニー・クイン。共演は英国の舞台俳優ジェームズ・ドナルド、パメラ・ブラウン、ジャネッタ・ステーキなど。
ストーリー
ブラッセルのベルギー伝道委員会が経営する学校を出たヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(カーク・ダグラス)は、司祭としてボルナージュ地方の炭鉱町に、自ら志願してやって来た。そこで彼は、悲惨な労働者の生活を目撃し、教会で説明することが、いかに空虚なものであるかを痛感した。彼らと同じ貧しさに自ら進んで入り、破門され、病気になった彼を、温かい故郷へ連れて帰ったのは画商として成功した弟のテオ(ジェームズ・ドナルド)である。彼はそこで絵を描くことをはじめ、従妹の寡婦ケイに求婚したが拒否されてしまった。彼女を追ってハーグへ出た彼は、とある酒場で貧しい中年の醜女クリスティーナ(パメラ・ブラウン)と結ばれる。無智で、子持ちで、売春をこととする洗濯女、お互いに傷ついた身から生まれた愛情だったが、結果は女の無理解による破綻だった。再び故郷で、絵に全力を打ち込み、やがてパリにあるテオをたずねてフランスに渡った。パリは当時後期印象派が新勢力をもちはじめ、スーラ、ロートレック、ルノアル、それからゴーガン(アンソニー・クイン)が古いアカデミズムを打破するために、自らの個性をのばそうと競っていた。このグループによって、さらに力を得たゴッホは、明るい太陽の光を求めてアルルへうつり、炎のような真夏の野原を、夢中になって描きまくった。この生活と生まれつきの激情が彼の神経を痛めたのであろうか、それから、ゴーガンとの共同生活が失敗し、孤独が彼を責めたてたためか、遂に発狂した上、自ら耳をナイフで切り取る事件を起こした。驚いてかけつけた弟テオはサン・レミイの精神病院に彼を送り、温かい援助を常におしまなかった。ようやく回復にむかい、パリに近いオーヴェールの病院に移ったが、麦畑の中で群れをなす鳥の不気味な姿を描きながら、「だめだ、描けない」という一言をのこして、ゴッホは、自らの脇腹をピストルで射った。「悲しみは決して終らないだろう」と、駆けつけたテオにゴッホは最後の言葉をつぶやきながら息をひきとった。1890年7月29日、真実の画家ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの37歳の生涯の終わりであった。
29-5. 刑事ジョン・ブック 目撃者 (Witness)
監督 ピーター・ウィアー
出演 ハリソン・フォード,
ケリー・マクギリス,
ジョセフ・ソマー,
ルーカス・ハース,
ヤン・ルーブス
1985年・アメリカ (パラマウント=UIP)
解説
ある事件をきっかけに特殊な生活様式に従って生活するアーミッシュの人々と触れ合うことになる刑事ジョン・ブックの姿を描く。製作はエドワード・S・フェルドマン、監督は 「危険な年」 等のオーストラリア出身のピーター・ウィアー。脚本はウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス、撮影はジョン・シール、音楽はモーリス・ジャール、編集はトム・ノーブルが担当。出演はハリソン・フォード、ケリー・マクギリスなど。
ストーリー
ペンシルヴァニア州の片田舎。文明社会から離れ、厳格な規律に従って今なお17世紀の生活様式で暮らしている信徒一派アーミッシュ(アンマン派信徒)の村で、ジェイコブ・ラップの葬儀が行なわれていた。未亡人となった妻レイチェル(ケリー・マクギリス)と6歳の息子サミュエル(ルーカス・ハース)、そして父親のイーライ(ヤン・ロービッシュ)は、隣人達の助けで、なんとか農場での暮らしを続けることができた。数カ月後、レイチェルは、サミュエルと共に妹の住むボルチモアに旅する決心をした。レイチェルにほのかな慕情を抱くダニエル(アレクサンダー・ゴドノフ)らに見送られ、2人は汽車に乗り込んだ。フィラデルフィア駅で乗り継ぎの列車を待つ間にトイレに入ったサミュエルは、恐ろしい殺人事件を目撃した。フィラデルフィア警察のジョン・ブック警部(ハリソン・フォード)と彼のパートナー、カーター(プレント・ジェニングス)は、サミュエルから事情を聞き出すため、彼ら母子を署に案内し容疑者の確認を求めた。その夜はブックの妹イレーン(パティ・ルポーン)の家で明かしたレイチェルとサミュエル。翌日、1枚の写真がサミュエルの目にとまった。それは、麻薬事件の成績を賛えられた麻薬課長マクフィー(ダニー・グローヴァー)の新聞の切り抜き記事で、サミュエルは彼が犯人だとブックに告げた。早速、そのことを警察副部長シェイファー(ジョセフ・ソマー)に伝えるブック。警察本部から大量の麻薬が消えた事件にもマクフィーが関係していのではないかとも指摘した。自分のアパートに戻ったブックは、マグナム銃を掲げたマクィーに急襲され負傷した。シェイファーもマクフィーの仲間であることに気づいたブックは、傷つきながらイレーンの家に行き、サミュエルとレイチェルに出発の準備を促すとともに、カーターに連絡し、ファイルから親子の名をはずさせ、2人の悪徳警官に気をつけるよう忠告した。ブックは、母子を農場に送り届けたが、その帰り傷が悪化し気を失う。イーライが呼んだ療法師のおかげで数日後、ブックは回復した。同じ頃、フィラデルフィアでは、シェイファー、マクフィー及び仲間のファーシー(アンガス・マッキネス)がブックらの居所を突きとめようと躍起になっていた。しかし、アンマン派信徒達は外界との接触がなく、彼らの許に身を隠しているブックを見つけるのは、殆ど不可能であることを彼らは知った。一方、体力が回復したブックは農場での手伝いを申し出て、牛の乳しぼりに励んだりしていた。そうした日々を送るうちに、ブックはレイチェルと心を通わせるようになり、ある夜、2人はいっしョにダンスを踊つた。しかしレイチェルはブックを好きになるわけにはいかなかった。もしそうなったら、アーミッシュの規律に従い、彼女は教会から追放される運命にあるのだ。村の納屋建設に加わって大工仕事に精を出した日の夜、ブックは入浴中のレイチェルと居合わせるが、ただ立ちつくすだけだった。翌朝、ブックは、カーターが殺されたことを町からかけた電話で知り、シェイファーへの復讐を誓った。その帰り道、チンピラにからまれたダニエルの態度から、彼らの非暴力主義を目の当たりにしたブックは、我慢できずにチンピラを殴ってしまった。この事件から、シェイファーらがブックの所在をつきとめた。ペンシルヴァニアの田舎道にシェイファー、マクフィー、ファーシーらがやって来た。やがて、ブックと彼らとの死闘が開始された。マクフィーとファーシーを倒したブックに、レイチェルを人質にとったシェイファーの悪の手がのびた。がその時、非暴力を訴えるアンマン派信徒たちの無言の力にシェイファーは遂に屈するのだった。(パラマウント映画=UIP配給*1時間53分)
29-6. フィッシャー・キング (THE FISHER KING)
監督 テリー・ギリアム
出演 ロビン・ウィリアムズ,
ジェフ・ブリッジス,
アマンダ・プラマー,
マーセデス・ルール,
マイケル・ジェッター
1991年・アメリカ (コロンビア トライスター映画) 138分
解説
落ちぶれた元人気DJとホームレスの男が、その出会いにより互いの人生を変えてゆくことになる、都会のファンタジー。監督は 「バロン」 のテリー・ギリアム、製作は 「ベビーシッター・アドベンチャー」 のデブラ・ヒルとリンダ・オスト、脚本はリチャード・ラグラヴェネス、撮影は 「バットマン(1989)」 のロジャー・プラット、音楽は 「危険な関係」 のジョージ・フェントンが担当。
ストーリー
過激なトークが売りものの人気DJジャック・ルーカス(ジェフ・ブリッジス)は、幸福の頂点から失意のどん底に落とされた。孤独なリスナーが、「ヤッピーたちを殺せ!」というジャックの言葉を真に受けて、レストランで銃を乱射、7人の犠牲者を出して自らも死に、一躍ジャックの悪影響が報道されたからだ。3年後、落ちぶれたジャックは恋人アン(マーセデス・ルール)の経営する下町のビデオショップで、居候のような生活を送っていた。ある日、泥酔したジャックは暴漢たちに襲われ、危うい所をホームレスの奇妙な男に救われる。彼、ペリー(ロビン・ウィリアムズ)の寝ぐらになっているボイラー室の壁には中世の城と騎士、馬に乗る悪魔の〈赤い騎士〉が描かれていた。ペリーは_聖杯_を探しており、それはニューヨークの大富豪の邸宅にあると言う。そしてジャックこそがその聖杯探しの力になる人物だと興奮して言うのだ。間もなくジャックは、ペリーが昔、大学教授であり、レストランで食事中に銃の乱射により愛妻を殺された過去があることを知る。ペリーもまたジャックを失脚させたあの事件の犠牲者だったのだ。忌わしい罪の意識を思い起こしたジャックは、事件以来すっかり人が変わってしまったというペリーのために何かしてやりたいと考え、ペリーの憧れの女性、リディア・シンクレア(アマンダ・プラマー)との仲をとりもつことにする。何とか2人を引き会わせ、アンと4人で食事をするまでにこぎつけたジャック。ペリーの一途な気持ちに孤独なリディアも心を動かされた。だがその夜、ペリーの目の前に〈悪い騎士〉の悪夢が現れ、逃げるペリーをいつかの暴漢が再び襲う。そうとは知らないジャックは爽快感で一杯、仕事を再開することに。だが、ペリーの事故の知らせを受けて病院に向かうと、そこには包帯でぐるぐる巻きにされ、精神症が再発して空を見つめるだけのペリーの姿が。ペリーの回復のためには、あの聖杯を手に入れるしかないと、ジャックは富豪の屋敷に忍び込む。命からがら、聖杯を手にしたジャックはペリーのもとへ。聖杯を見つけた喜びにペリーは一気に回復、病中も看護を続けたリディアとの愛も叶えられる。やっと人間らしい心を取り戻したジャックは、ペリーとともにニョーヨークの夜空を見上げるのだった。
29-7. 奇跡のシンフォニー (August Rush)
監督 カーステン・シェリダン
出演 フレディ・ハイモア,
ケリー・ラッセル,
ジョナサン・リース・マイヤーズ,
テレンス・ハワード,
ロビン・ウィリアムズ
2007年・アメリカ (東宝東和) 114分
解説
「チャーリーとチョコレート工場」 の名子役フレディ・ハイモア主演の感動ドラマ。両親の行方を追う少年の姿を、クラシック、ロックなどの美しいメロディに乗せてつづる。
ストーリー
絶対音感を持つ11歳のエヴァン・テイラー(フレディ・ハイモア)はニューヨーク州ウォルデンの施設育ち。職員のリチャード(テレンス・ハワード)は養子になることを勧めるが、彼は音楽でつながっていると信じる両親を待ち続けた。11年前、チェリストのライラ(ケリー・ラッセル)とロック・ミュージシャンのルイス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)はニューヨークで出会う。しかしライラの父トマス(ウィリアム・サドラー)は2人の仲を引き裂く。ライラは妊娠していたが、臨月で交通事故に遭う。お腹の子は助からなかったと聞くと、演奏をやめ故郷シカゴに戻る。彼女を失い音楽への情熱をなくしたルイスはバンドを抜け、故郷サンフランシスコで金融ビジネスを始める。ある晩、電線を伝う音に導かれ施設を抜け出したエヴァンは、トラックに拾われマンハッタンへやってくる。街角でギターを奏でる少年アーサーに誘われ、ストリート・パフォーマーの子供たちが暮らす廃墟の劇場へ行く。エヴァンは元締めのウィザード(ロビン・ウィリアムズ)にギターの才能を認められ、オーガスト・ラッシュという芸名で街角に立つようになる。しかし劇場に児童福祉局の手入れが入る。逃げ出したエヴァンはゴスペルの歌声に誘われ教会へ行き、聖歌隊の少女ホープに楽譜の読み方を教わる。彼の才能に気づいた牧師がジュリアード音楽院に推薦し、入学を許可される。そのころ、死の床の父から子供が生きていることを聞いたライラはニューヨークを訪れ、リチャードの助けでそれがエヴァンであることを知る。そして自分の音楽を彼の耳に届けるため演奏依頼を引き受ける。ルイスもまたライラへの思いを曲にし音楽界に復帰するため、かつてのバンド仲間とニューヨークへやってくる。エヴァンは『オーガストのラプソディー』を作曲する。その曲はライラが出演する野外コンサートで演奏されることになるが、ウィザードが彼をストリートに連れ戻してしまう。しかしエヴァンの曲が演奏されると、思いがけない奇跡が起こる。
29-8. レッド・ムーン (The Stalking Moon)
監督 ロバート・マリガン
出演 グレゴリー・ペック,
エヴァ・マリー・セイント,
ノーランド・クレイ,
ロバート・フォスター,
Arussel Thorson
1968年・アメリカ (東和)
解説
劇場用映画製作にのり出してCBS・TV製作部門のひとつのNGP(ナショナル・ジェネラル・ピクチャーズ)の日本公開第1作。セオドア・V・オルセンのベストセラー小説を 「アラバマ物語」 のホートン・フートとアルヴィン・サージェントとが共同で脚色 「下り階段をのぼれ」 のロバート・マリガンが監督した西部劇。撮影は 「暗くなるまで待って」 のチャールズ・ラング、音楽は 「合併結婚」 のフレッド・カーリンが担当している。出演は 「マッケンナの黄金」 のグレゴリー・ペック、 「グラン・プリ」 のエヴァ・マリー・セイント、 「禁じられた情事の森」 のロバート・フォスター、ノーランド・クレイなど。製作は 「下り階段をのぼれ」 のアラン・パクラ。
ストーリー
1881年、アリゾナ。白人に反抗するインディアンもしだいに平定されていったが、たまたま、白人の指定した居留地を嫌ったアパッチの一部に暴動が起こった。鎮圧にむかった1隊の先道に当ったのは、この道15年のベテラン、サム・バーナー(グレゴリー・ペック)である。彼はこの仕事を最後に引退し、彼が育てた混血青年ニックに後事を託し、余生をニューメキシコの牧場で送ることを楽しみにしていた。一行はほどなく、老人や女子供ばかりのアパッチの一団を保護したが、その中に1人の白人女性(エヴァ・マリー・セイント)がいた。彼女は混血の少年を連れており、サラ・カバーと名のるだけで、多くは語ろうとしなかった。彼女は10年ほど前、アパッチに全滅させられた、カーバー隊の隊長の娘だった。一行は、このアパッチの一団を連れてキャンプに戻った。途中、3人の白人の惨殺死体が発見された。その手口から見て、これは凶暴さでその名の高いサルバヘの仕業と見られた。サラは全身に恐怖を表わした。そしてキャンプから1人でニューメキシコへ発とうとするサムに必死で一緒に連れて行ってくれるよう懇願した。やむなくサムは同行を認めた。が、それ以後、サムは執拗なサルバヘの追跡をうけ、数度危機にさらされることになった。サラの連れた子はサルバヘの子供だったのである。いつしか孤独なサラの姿にひかれたサムは、彼女に、求婚した。ニューメキシコへ着き、サムには平和な暮らしが続くはずだった。が、そんなある日ニックが訪ねてきた。サラ母子を求めてサルバヘは復讐の鬼と化し、暴虐の限りをつくしているとのことだった。そしてついに、サルバヘはサムのまわりにしのびよって来た。サラがさらわれかけ、近所のメキシコ人が殺され、彼の愛していた犬も虐殺され…。ついに意を決したサムはニックと陽動作戦を展開した。しかし、機敏なサルバヘにニックは撃たれた。サムとサルバヘの一騎打ちが展開された。銃弾をうけてもサルバヘはなお、サムに向かって来た。が、ついにサムはサルバヘを倒した。サムは疲れきっていた。
29-9. スローターハウス5 (Slaughterhouse-five)
監督 ジョージ・ロイ・ヒル
出演 マイケル・サックス,
ロン・リーブマン,
ユージン・ロッシュ,
シャロン・ガンズ,
ヴァレリー・ペリン
1972年・アメリカ (ユニヴァーサル映画=CIC) 104分
解説
時間から切り離された主人公ビリー・ピルグリム(巡礼者の意)の過去・現在・未来を彷徨する姿を描いたカート・ボネガットの小説の映画化。製作はポール・モナシュ、監督は 「スティング」 のジョージ・ロイ・ヒル、脚本はスティーブン・ゲラー、撮影はミロスラフ・オンドリチェク、音楽はバッハの 「ブランデンブルグ協奏曲」 他6曲を使用。編集はデデ・アレンが各々担当。出演はマイケル・サックス、ロン・リーブマン、ユージン・ロッシェ、ヴァレリー・ペリン、ソーレル・ブーケ、ペリー・キングなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、ビスタサイズ。1972年作品。
ストーリー
ビリー・ビルグリム(マイケル・サックス)は第二次世界大戦で戦い、戦後はアメリカの中産階級の一員として人並みの成功をおさめた平凡な男だが、一つだけ彼には常人と違うところがあった。時間を超越して彼の意志とは関係なく、過去や未来や現在を自由にとびまわるのだ。ある朝、トラルファマドア星にガールフレンドのモンタナ(ヴァレリー・ペリン)といっしょにいたかと思うと、次の瞬間には第二次世界大戦でのドイツ軍陣地に引き戻されている、といった具合なのだ。ビリーはいま、一人我が家でその悩みをタイプに打ちつけていた。家の外では訪ねて来た娘のバーバラが、心配して夫のスタンリーと一緒に彼を呼び続けている。しかしその直後ビリーはベルギー戦線に戻っていた。二人のGI、ラザロ(ロン・リーブマン)とウォーリーに、ドイツ兵と間違えられて捕まってしまったのだ。しかしそのあとで3人ともドイツ軍の捕虜になってしまう。捕まってしまったことからの連想なのだろうか。ビリーは家のベッドでバレンシアに抱きついていた。二人のハネムーンなのだ。再び戦場、ビリーは捕虜たちと歩いていた。ウォーリーの足をふみつけラザロに殴られた彼はドイツ人カメラマンに写真を撮られた。しかしビリーはすぐピルグリム・ビルの開場式という晴れの舞台にいた。混む合う式場が混み合う列車の中に変った。捕虜たちが輸送されているのだ。ビリーはそこでワイルド大佐や老捕虜と知り合った。その列車のなかではウォーリーの足が腐り死にかけていた。ビリーが足をふんだためだという。彼が死ぬと、ラザロは親友のために復讐を誓った。捕虜収容所につくと、ワイルドも老捕虜も死んだ。ラザロに殴られそうになったビリーを中年兵のダービー(ユージン・ロッシェ)が助け、二人は仲良くなった。収容所でビリーは突然気を失い、場面は結婚1年後のビリー夫婦の家に移る。妻は身ごもり、幸福な生活だった。愛犬を連れて湖畔に座っていた彼は空を飛ぶ不思議な物体を見た。トラルファマドア星に行くのはまだ先のことらしい。収容所のアメリカ兵はドレスデンへ移送されることになり、捕虜代表にダービーが選ばれた。ドレスデンでは、彼らはドイツの老将校や若い衛兵たちの指揮下におかれたが、ビリーの意識はイリアム飛行場にとんでいた。義父のマーブル(ソーレル・ブーケ)とモントリオールの会議場へ行くところなのだ。離陸直後にビリーはスキー・マスクをかぶった男たちの幻を見た。それは飛行機の墜落を意味していた。二人の乗った飛行機は離陸直後に墜落した。スキー・マスクの男たちに助けられたのはビリー一人だった。手術のために頭に穴をあけられたビリーが、広島以上の死者を出したといわれるドレスデンの空襲現場に戻る。彼らが地下壕から出るとあたりは一面の廃墟だった。小さな人形を見つけたダービーがポケットに入れたところをドイツ兵に見つかり、その場で射殺された。再び病院。ビリーは助かったものの、バレンシアは半狂乱になって病院にかけつける途中自動車事故で死んだ。家に帰ってみると、グレていた息子(ペリー・キング)が頼もしく成長してベトナムから帰って来ていたが、ビリーの心はもう一つ晴れない。その彼にトラルファマドアから来た不思議な物体が近づき、あっという間に連れて行かれてしまう。その星の家の住居はまるでドームのようだ。そこへあとからモンタナも連れてこられた。トラルファマドアの物体は二人の頼みを何でも聞いてくれるドームで暮しながら二人は次第に愛し合うようになった。ドレスデンでも、飛行機の墜落でも不死身だったビリーに、ついに死が訪れた。フィラデルフィアで演説中に撃たれたのである。犯人はラザロだった。彼は再びトラルファマドアに引き戻される。そこには妊娠した美しいモンタナとの楽しい生活が待っていた。
29-10. ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト (Shine a Light)
監督 マーティン・スコセッシ
出演 ザ・ローリング・ストーンズ,
クリスティーナ・アギレラ,
バディ・ガイ,
ジャック・ホワイト
2008年・アメリカ (東北新社) 122分
解説
40年以上にわたってロック界を牽引し続けている、ザ・ローリング・ストーンズ。彼らがNYで敢行したライブとその舞台裏を、鬼才マーチン・スコセッシがつぶさに捉えた音楽映画。
ストーリー
※本作はコンサート映画のためストーリーはありません。
29-11. フェイク (Donnie Brasco) (吹替)
監督 マイク・ニューウェル
出演 アル・パチーノ,
ジョニー・デップ,
マイケル・マドセン,
ブルーノ・カービー
1997年・アメリカ (東宝東和配給(ポニーキャニオン提供)) 94/126分
解説
FBIの潜入捜査官とマフィアの男、生きる世界の違う2人の男の友情と葛藤を描いた実話に基づく感動の物語。元FBI潜入捜査官だったジョゼフ・ピストーネがリチャード・ウーリーと共同で執筆した回想録 「フェイク/マフィアをはめた男」 (集英社文庫)を、 「クイズ・ショウ」 のポール・アナタシオが脚色。監督には 「フォー・ウェディング」 「恋する予感」 のマイク・ニューウェルが当たった。製作は 「スリーパーズ」 のマーク・ジョンソン、バリー・レヴィンソン、ルイス・ディジアイモ、 「クイズ・ショウ」 のゲイル・マトラックス。製作総指揮はパトリック・マコーミックとアラン・グリーンスパン。撮影は 「ダイナー」 「グッドモーニング,ベトナム」 のピーター・ソーヴァ、音楽は 「いつか晴れた日に」 のパトリック・ドイル、美術はドナルド・グラハム・バート、編集はジョン・グレゴリー、衣裳はオード・ブロンソン=ハワードとデイヴィッド・ロビンソン、メインタイトル・デザインは 「ミッション:インポッシブル」 のカイル・クーパー。主演は 「ヒート」 のアル・パチーノと 「ニック・オブ・タイム」 のジョニー・デップ。共演は 「ボルケーノ」 のアン・ヘッチ、 「フランキー・ザ・フライ」 のマイケル・マドセン、 「スリーパーズ」 のブルーノ・カービー、 「パンサー」 のジェームズ・ルッソほか。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第7位。
ストーリー
78年、ブルックリン。FBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は囮捜査官として、マフィア組織に潜入することを命じられた。彼の潜入名はドニー・ブラスコ。マフィアとの接触を狙っていた彼が最初に近づいたのは、末端の気さくな男レフティ・ルギエーロ(アル・パチーノ)だった。当時、マフィアファミリーは、リトル・イタリーを拠点とするソニー・レッドの組と、ブルックリンを拠点とするソニー・ブラック(マイケル・マドセン)の組と、2つの組が対立して存在していた。後者に属していたレフティは、忠実に仕事はこなすものの運にはまるで見放され、ボスへの上納金に四苦八苦し、出世とは縁がない男だった。そんなシケた暮らしの中に現れたのがドニーで、レフティは聡明で行動力に溢れた彼との出会いに、諦めていた昇進の夢を再び抱くようになる。また、誠実な彼にドラッグに溺れる息子の姿を重ね合わせ、単なる弟分を超えた愛情を感じ始めていた。レフティは、ドニーを組の上層部に紹介したり、ことあるごとにマフィアの掟を教えるなど、親身に世話を焼く。そんなレフティを足掛かりに、ドニーが仕掛けた盗聴器やビデオテープは定期的にFBIに渡され、作戦は着実に成果を挙げていた。一方で、マフィアとして暴力に加担するなど、ドニーとジョーの2人の人間の境界線は少しずつ曖昧になっていく。たまに家に帰っても、娘たちは口をきいてくれず、妻のマギー(アン・ヘッチ)とは口論が絶えない。仕事の重責の中、彼の私生活の歯車は次第に狂い始めていた。FBIから、行き詰まったマイアミの囮捜査の協力を要請されたドニーは、儲け話を持ちかけてソニー・ブラック一行をマイアミへおびき出すことに成功。ソニーは廃れたバーを階層オープンして大金を掴もうとするが、開店当日に警察の手入れが入ってしまう。これらは全てFBIによって仕掛けられた罠だった。レフティは「警察が来るのが早すぎる。この中に裏切り者がいるはずだ」と指摘するが、誰もドニーを疑う者はいなかった。やがて、マイアミのボスを招待した客船が、かつてFBIが囮捜査に使ったものだとレフティに知られてしまう。彼はドニーに詰め寄るが、ドニーはうまく切り抜け、レフティも自分を慕う彼の言葉を素直に信じるしかなかった。2組のマフィア間の抗争は次第に激化し、ドニーの身の危険を感じたFBIは、マフィアからの撤退を勧告した。しかし、今、捜査を抜けることはレフティに死をもたらすことを意味する。自分を信じ、愛してくれるレフティを見殺しにすることは、ドニーにはできなかった。抗争に巻き込まれた彼が、今まさに引き金を引こうとした瞬間、FBIが突入。6年に及ぶドニーとレフティの生活にピリオドが打たれた。死を覚悟したレフティは、ドニーの妻に「彼に伝えてくれ。お前だから許せる」と告げ、夜の闇に消えた。その頃、ジョー・ピストーネはドニー・ブラスコとしての潜入捜査の功績をFBIから表彰されていたが、ついに彼とレフティの人生は交わることはなかった。
29-12. ジャージー・ボーイズ (JERSEY BOYS)
監督 クリント・イーストウッド
出演 ジョン・ロイド・ヤング,
エリック・バーゲン,
マイケル・ロメンダ,
ヴィンセント・ピアッツァ,
クリストファー・ウォーケン
2014年・アメリカ (ワーナー・ブラザース映画) 134分
解説
60年代に数々のヒットを生んだ4人組グループ、ザ・フォー・シーズンズの栄光と挫折を描きトニー賞に輝く大ヒットミュージカルを、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。ニュージャージー州の貧しい地区で育った青年たちが体験する出来事の数々を、大ヒットナンバーに乗せて描き出す。
ストーリー
ニュージャージー州の貧しい地区に生まれたフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)、ボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)、ニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)、トミー・デヴィート(ビンセント・ピアッツァ)。希望のない町に生まれた4人は、自分たちの音楽だけで夢のような成功をつかみ取る。彼らはザ・フォー・シーズンズとして、『シェリー』、『恋はヤセがまん』、『恋のハリキリ・ボーイ』、『悲しき朝焼け』、『悲しきラグ・ドール』、『バイ・バイ・ベイビー』、『愛はまぼろし』、『君の瞳に恋してる』といった数々の名曲をヒットさせ、音楽界に不滅の伝説を打ち立てていく。しかし、そのまばゆいばかりの栄光ゆえに、裏切りと挫折、別離、家族との軋轢といった不幸が彼らを襲う……。
29-13. ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン (Bridesmaids)
監督 ポール・フェイグ
出演 クリステン・ウィグ,
マヤ・ルドルフ,
ローズ・バーン,
クリス・オダウド,
エリー・ケンパー
2011年・アメリカ (東京テアトル) 125分 (R15+)
解説
アラフォー女子の奮闘を描き、第84回アカデミー賞でメリッサ・マッカーシーが助演女優賞、そして脚本賞と2部門でノミネートの快挙となったコメディ。なにをやってもダメなヒロインと花嫁介添人たちの身にふりかかるトラブルの数々を描く。脚本と主演を務めるのは、 「サタデー・ナイト・ライブ」 などで人気のクリステン・ウィグ。
ストーリー
アニー(クリステン・ウィグ)はミルウォーキーに住む30代独身。開業した手作りケーキの店が潰れた上に、恋人にも捨てられるなど不運続き。母親のコネを頼った宝石店の仕事で何とか暮らす彼女の唯一の慰めは、親友リリアン(マーヤ・ルドルフ)の存在だった。ところが、彼女が突然の婚約宣言。ブライズメイド(=花嫁介添人)のまとめ役を依頼されたアニーはショックと寂しさを堪えつつ、大役を引き受ける。他のブライズメイドは、リリアンの従姉妹で3人の息子を持つリタ(ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)、新婚のベッカ(エリー・ケンパー)、花婿の太めの妹メーガン(メリッサ・マッカーシー)、それに花婿の上司の妻ヘレン(ローズ・バーン)の4人。中でも、美人で金持ちのヘレンは何をやっても完璧でソツがない。そして訪れたドレス選びの日にハプニングが発生。リリアンを交えて、アニーお薦めのリーズナブルなブラジル料理店で会食後、ヘレン馴染みの超高級ブライダル・ショップに出かけた一行は食中毒に襲われてしまう。無事だったのは、料理を食べなかったヘレン1人だけ。さらに、ヘレンの提案で“独身最後のパーティー”をラスベガスで行なうことになるが、アニーは金欠の上に飛行機嫌い。ファーストクラスの皆と別れてエコノミー席にしたものの、恐怖心から酒を飲んで大暴れしてしまう。これが原因で、全員が途中で降ろされる羽目に……。ついにまとめ役をクビになったアニーは自己嫌悪に陥り、宝石店も解雇。アパートも追い出されて、母の家に転がり込む。やがて、花嫁に贈り物をする“ブライダル・シャワー”がヘレンの豪邸で行われるが、アニーの心を込めた手作りの品よりも、ヘレンからのパリ旅行に目を輝かせるリリアンにたまりかねたアニーは、ついに彼女と大喧嘩。果たしてアニーは友情を取り戻し、人生をやり直すことができるのか?そして結婚式の行方は……?
29-14. デイ・アフター・トゥモロー (The Day After Tommorow) (吹替)
監督 ローランド・エメリッヒ
出演 デニス・クエイド,
ジェイク・ギレンホール,
エミー・ロッサム,
ダッシュ・ミホク,
ジェイ・O・サンダース
2004年・アメリカ (フォックス) 92/124分
解説
「インデペンデンス・デイ」 のローランド・エメリッヒ監督最新作。地球規模で発生した異常気象の脅威と極限状況下で展開する人間模様を、壮大なスケールで描くパニック大作。
ストーリー
古代の気象を研究する気候学者のジャック・ホール(デニス・クエイド)は、地球の温暖化により、新たな氷河期が到来する不安を察知していた。すぐに手を打たねばいけないとアメリカ政府に警告するジャックだが、副大統領ベッカー(ケネス・ウェルシュ)は、経済コストを盾に彼の主張をいなしてしまう。しかしやがて、南極の氷棚から巨大な氷河が崩落。そこから東京、ハワイ、ニューデリー、ロサンゼルスと、世界中で深刻な異常気象が立て続けに起きていった。そして本当に氷河期がやってくる。その頃、ジャックの17歳の息子サム(ジェイク・ギレンホール)は、友人の女の子ローラ(エミー・ロッサム)たちと参加した高校生学力クイズ大会の開催地であるニューヨークに足止めされていた。南の地への全米規模の大移動が始まる中、あわやというところで公立図書館に逃げ込んだサムたちは、そこにとどまって本を焼いて暖を取り、生き抜こうと必死に試みる。やがて、決死の覚悟でニューヨークにやってきたジャックが救出に駆けつけ、サムたちは無事に保護された。そして死亡した大統領の代わりに新大統領に就任したベッカーは、今までの行いを反省して、世に環境問題の大切さを訴えるのだった。
29-15. 野獣暁に死す (Oggi a Me, Domani a Te!)
監督 トニーノ・チェルヴィ
出演 モンゴメリー・フォード,
仲代達矢,
ウィリアム・バーガー
1968年・イタリア (東宝) 91分
解説
ダリオ・アルジェントの原作を、彼と 「ボッカチオ'70」 「赤い砂漠」 などを製作したトニーノ・チェルヴィが脚色、トニーノ・チェルヴィの監督第一作。撮影は新人セルジオ・ドフィツィ、音楽は 「連鎖の大陸 「苦いパン」」 のフランチェスコ・ラヴァニーノが担当。出演は、 「機動部隊轟沈せよ」 のプレット・ハルゼイがモンゴメリー・フォードと改名して出演、他に、仲代達矢、ウィリアム・バーガーなど。
ストーリー
恋人殺しの汚名をきて、刑務所に入れられていたカイオワ(M・フォード)は、刑期終了以前に、模範囚として釈放された。かつて彼は、幼なじみの友人、フェゴー(仲代達矢)に、恋人を眼前で強姦され、射殺された。その上殴られて気を失っている間に、ピストルをにぎらざれ犯人にしたてあげられてしまったのだった。その、フェゴーは、今、西部に悪名高い残酷非道な強盗団のボスになっていた。出獄したカイオワは忠実な下男がかくしてくれていたドルを森の隠れ家で受取ると、報酬二万ドルで銃の使い手四人を雇いいれた。そして五人は、フェゴーを探し求めて、旅を続け、フェゴーの行動を探知すると、その手下を、次々と倒していった。怒りくるったフェゴーは、一度はカイオワを捕え、半殺しの拷問を加えたが、カイオワはすきをみて逃げた。逃げる五人。追跡するフェゴー一味。いつしか、深い森の中にまぎれこんだカイオワは、計略をたて、一味を森深く誘いこんだ。やがて夜。五人対数十人の血闘がはじまった。機智を生かし、隠密作戦を展開、五人は一人、二人と血祭りにあげていった。明け方、静まりかえった森の中で、手下を殺されてたった一人になったフェゴーの前に、カイオワが、姿をあらわした。長い沈黙が続いた。その静けさをついてカイオワの銃声が響いた。撃たれてなおひるまぬフェゴーは、悪鬼のようであった。
29-16. 裏切りの荒野 (L' Uomo, L' Orgoglio, La Vendetta)
監督 ルイジ・バッツォーニ
出演 フランコ・ネロ,
ティナ・オーモン,
クラウス・キンスキー
1967年・イタリア (ディズニー映画) 97分
解説
ルイジ・バッツォーニとラルフ・セルペの脚本を、ルイジ・バッツォーニが監督した。撮影はカルミネ・バッツオーニ、音楽はカルロ・ルスティケリ。出演は 「キャメロット」 のフランコ・ネロ、 「獲物の分け前」 のティナ・オーモン、クラウス・キンスキーなど。テクニカラー、テクニスコープ。
ストーリー
セビリヤのタバコ工場を警備する軍曹のホセ(F・ネロ)は、女工のジプシー娘カルメン(T・オーモン)の野性的な美しさに心惹かれた。気性の激しいカルメンが仲間と喧嘩、相手を傷つけたので、ホセは彼女を逮捕し、警察に連行した。が、途中、言葉巧みにまるめこまれて、逃げられてしまった。その責任をとわれ、ホセは降等処分をうけた。ある日大佐の別荘でパーティが開かれ、一兵として玄関口で歩哨に立ったホセは、客間で来客にとりまかれフラメンコを踊るカルメンをみつけ、警察につき出すべく、呼び出した。だが、ホセの心をみぬいたカルメンはホセを誘惑、ホセは、彼女の虜となり、自分の立場も忘れた。そしてついに、カルメンの浮気の相手である、自分の上官を殺害、賞金つきの追れる身となった。そんなある日、ホセは、カルメンから、仲間ガルチャらと共に、金貨を運搬する馬車を襲おうともちかけられた。カルメンと二人でアメリカに渡り、出なおそうと夢みるホセは、その資金入手のため、心ならずも強盗団に加わった。金貨の強奪は成功した。だがそのためホセは、いっそうきびしい警察の眼をのがれねばならず、山に逃げた。カルメンが山をおりて、闘牛士のルーカスから、服を調達して来て、二人は一週間後にアメリカに密航できるよう、手はずをととのえてきた。そして、その当日、ホセは、仲間から、カルメンはルーカスに夢中で、ホセと一緒にアメリカに行く気などないのだ、と聞かされた。ホセは、警察に追われる身の危険もかまわず、闘牛場へ走った。ルーカスに派手な投げキスを送るカルメンをみつけたホセは、彼女の不実を責めたが、カルメンは「あなたには倦きたの……」とうそぶくのだった。悲しみと怒りに狂ったホセのナイフが、カルメンの胸をさした。
29-17. ガンマン大連合 (Companeros)
監督 セルジオ・コルブッチ
出演 フランコ・ネロ,
ジャック・パランス,
トマス・ミリアン,
フェルナンド・レイ,
アイリス・バーベン
1970年・イタリア、フランス、ドイツ (20世紀フォックス)
解説
1911年から約十年間断続的に起こったメキシコ革命を背景に民族解放運動に挺身した人々の姿を描く。監督は 「豹/ジャガー」 のセルジオ・コルブッチ、撮影はアレハンドロ・ウローア(アレクサンダー・ウローア)、音楽はエンニオ・モリコーネが各々担当。出演はフランコ・ネロ、トマス・ミリアン、ジャック・パランス、フェルナンド・レイ、アイリス・バーベン。日本語版監修は岡枝慎二。テクニカラー、テクニスコープ。
ストーリー
メキシコ革命時代。ある日、革命軍が占領していたアン・ベルナディノの町にヨド(F・ネロ)がやってきた。彼は革命軍に武器を売りつけようと目論んでいたが革命軍の資金は金庫の中に隠されており、その金庫の開け方を知っているのは、アメリカ軍に人質になっているザントス教授(F・レイ)しかいないということだった。ヨドが教授をつれもどしに行くことを申しでた。これを受け入れたアルバトスは彼を監視させるために部下のチャトー(T・ミリアン)をつけた。二人の作戦は成功し教授を救いだすことができた。帰途、三人は武器密売者ジョン(J・パランス)につかまりそうになったが、うまくかわした。しかし、ヨドとチャトーが争っているうちに教授がジョン一味につかまってしまった。さらにヨドとチャトーはザントス派の人達の捕虜になるが、教授を救いだすことを条件に釈放される。教授は二人の手によって無事救出され、やっと仲間の許に戻ることができたが、彼は仲間を連れてサン・ベルナディノに向う途中、待ち伏せていたアルバレス一味のために殺されてしまう。ヨドは帰国を思い立つが、決心をひるがえし、チャトーらと共に戦うことを誓った。
29-18. ポンペイ (POMPEII) (吹替)
監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演 キット・ハリントン,
キャリー=アン・モス,
エミリー・ブラウニング,
アドウェール・アキノエ=アグバエ,
ジェシカ・ルーカス
2014年・カナダ、ドイツ (ギャガ) 105分 (3D)
解説
ヴェスヴィオ火山の噴火で一瞬にしてすべてが灰に埋もれてしまったイタリアの遺跡ポンペイを舞台にした歴史アクション。火山の噴火で街に危険が迫るなか、復讐に燃える奴隷戦士の戦いと愛が描かれる。監督は 「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」 などアクションに定評のあるポール・W・S・アンダーソン。
ストーリー
奴隷戦士ミロ(キット・ハリントン)は裕福な商人の娘カッシア(エミリー・ブラウニング)と恋に落ちたものの、カッシアには上院議員である婚約者がいた。身分の違いをつきつけられたミロは自由の身となり街を出ようとするが、そのとき、ヴェスヴィオ山が火を噴こうとしていることに気付く。再び捕われの身となりかねないものの、ミロはカッシアを救うために溶岩が襲おうとしている街へ戻っていく……。
29-19. ファミリービジネス (Family Business)
監督 シドニー・ルメット
出演 ショーン・コネリー,
ダスティン・ホフマン,
マシュー・ブロデリック,
ジャネット・キャロル,
ロザンナ・デ・ソート
1989年・アメリカ (日本ヘラルド映画)
解説
犯罪の血で結びついた3代の親子の姿を描くドラマ。エグゼクティヴ・プロデューサーはアーノン・ミルチャンとジェニファー・オグデン、バート・ハリス、製作はローレンス・ゴードン、監督は 「旅立ちの時」 のシドニー・ルメット、原作・脚本はヴィンセント・パトリック、撮影はアンジェイ・バートコウィアク、音楽はサイ・コールマンが担当。出演はショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー・ブロデリックほか。
ストーリー
過越の祭の夜のこと、妻エレーン(ロザンナ・デ・ソートト)と共に彼女の実家を訪ねたヴィトー(ダスティン・ホフマン)は、息子アダム(マシュー・ブロデリック)と久しぶりに再会した。一家が祝いの食卓を囲んでいた時、アダムあてに電話がかかってくる。相手はヴィトーの父ジェシー(ショーン・コネリー)で、留置場に入っているという。父から保釈金を借りて、祖父を迎えに行くアダムは父のヴィトーより、祖父のジェシーを秘かに尊敬していたのだ。そんなジェシーにアダムは、研究開発中の酵素細胞と、そのデータ・ブックを盗み出す泥棒計画を打ち明ける。実はジェシーは、泥棒稼業で生計をたてていたのである。早速ジェシーは孫の計画に乗ることにするが、それを知ったヴィトーは猛烈に反対する。しかし絶対に裏切ることのない人間がもう1人必要、というジェシーの説得に、ヴィトーは息子を守る口実で、泥棒に加わることにした。3人は、問題の酵素細胞を盗み出すことに成功するがデータ・ノートを忘れたことに気づき、アランが取りに戻った。しかし、これが命取りとなり、アランが警察につかまってしまう。そしてヴィトーは、エレーンに促されるまま、事実を警察に告白するのだった。そして裁判の結果、アダムとヴィトーは執行猶予刑を宣告されるが、ジェシーは実刑判決をうけてしまう。息子のために父を売った、とヴィトーを責めるアラン、2人の間には確執が残った。そして、ジェシーは、獄中でその一生を閉じるのだった。ジェシーの葬式の日、彼が生涯を過ごしたヘルズ・キッチンのアパートの屋上から、ニューヨークの街に灰をまくヴィトーとアラン。その時2人は、改めて父と子として新たな第一歩を踏み出すことになる。
29-20. あの頃ペニー・レインと (Almost Famous)
監督 キャメロン・クロウ
出演 ビリー・クラダップ,
フランシス・マクドーマンド,
ケイト・ハドソン,
パトリック・フュジット,
ジェイソン・リー
2000年・アメリカ (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) 123分
解説
10代でジャーナリズムの伝説的存在になったキャメロン・クロウ監督の自伝的ストーリーを映画化。音楽ライターをめざす純粋な少年の初恋と成長をみずみずしく描く。
ストーリー
1973年、大学教授の母(フランシス・マクドーマンド)と暮らす知的で陽気な15歳の少年ウィリアム(パトリック・フュジット)は、姉アニタ(ズーイー・デシャネル)が教えたロック音楽の魅力に取り憑かれ、学校新聞などにロック記事を書いていた。やがて、伝説のロック・ライターでクリーム誌の編集長、レスター・バングス(フィリップ・シーモア・ホフマン)に認められ、さらにローリングストーン誌からも声がかかり、ウィリアムが愛する新進バンド、スティルウォーターのツアーに同行取材をすることになる。そして、このバンドを追う少女たちの中にいた、一際美しいペニー・レイン(ケイト・ハドソン)に恋をするのだが、彼女はスティルウォーターのギタリスト、ラッセル(ビリー・クラダップ)と付き合っていた。それでもウィリアムの恋心は変わらず、ツアーの刺激的な毎日を楽しんでいた。しかしやがてペニー・レインは、NYでラッセルの本命の恋人が現われたため、睡眠薬で自殺を図る。ウィリアムの助けで彼女は一命を取り止めるが、それはお祭り騒ぎの終焉を意味していた。そして飛行機事故の危機をなんとか切り抜け、ウィリアムの旅は終わるのだった。
29-21. イースター・パレード (Easter Parade)
監督 チャールズ・ウォルターズ
出演 ジュディ・ガーランド,
フレッド・アステア,
ピーター・ローフォード,
アン・ミラー,
ジュールス・マンシュイン
1948年・アメリカ (セントラル) 103分
解説
「ブルー・スカイ(1946)」 をお名残に引退を声明していたフレッド・アステアを花々しくカムバックさせ、ミュージカル物の大スターにのし上っていたジュディ・ガーランドと組んで主演させた音楽映画で、 「スイング・ホテル」 と同じくアーヴィング・バーリンが作詞作曲している。ストーリーはフランセス・グッドリッチとアルバート・ハケットの夫婦脚本チームが書きおろし、チームが更にシドニー・シェルダンと協力して脚色し、 「グッド・ニュース」 に次いでチャールズ・ウォルターズが監督に当たり、 「愛の調べ」 のハリー・ストラドリングが撮影してテクニカラー色彩映画で、ミュージカル場面はロバート・アルトンが演出している。主役2人を助けて、 「下町天国」 のピーター・ローフォード、 「恋のブラジル」 のアン・ミラー、映画初出演の舞台喜劇俳優ジュールス・マンシュイン、クリントン・サンドバーグ、ジェニー・ルゴン等が出演する。アーサー・フリード製作の1948年作品。
ストーリー
1912年。イースター・サンディを明日に控えた日に、ダンサーのドン・ヒューズはパートナーのナダイン・ヘイルが彼とのパートナーを破って、好条件の契約をしたことを知ると、折柄来合わせた親友ジョナサン・ハーロウの止めるのも聞かず町にとび出してしまった。ドンの後を追ったジョナサンは酒場で苦い酒をのんでいる彼を発見した。ドンは口惜しまぎれに、かつてナダインをコーラス・ガールの中から見つけて自分のパートナーにしてやったように、酒場のどんな踊り子でもナダインくらいのパートナーに、直ぐ仕立ててみせると云って、折柄酒場の舞台に立った踊り手ハンナに彼の名刺を渡した。翌朝、ドンは昨夜のでたらめに後悔したが、ハンナが来たので仕方なく練習を開始した。然しハンナは踊りの基本も知らず、憂欝になってしまったドンが外に出て見ると、町はイースター・パレードで賑っている。カメラマンたちに取りかこまれている女性はナダインだった。それを見たドンは失いかけた闘志を再び揮い起こし、来年のイースターはハンナを必ずプリマドナにして見せると心に誓った。チームを破ってジーグフェルドと契約したナダインは大成功だった。苦労しつつハンナを訓練して、ドンとハンナのチームは遂にうまく行くようになり、2人が踊り歌った「ラグタイム・バンド」は大成功で、ジーグフェルドから契約交渉が来たが、ナダインと一緒に舞台に立つことをいさぎよしとしない彼は断然けった。興行者デリンガムと契約した2人は、ボストン、フィラデルフィヤ等でロード・ショーを行ない、イースター・サンディの前日に、ブロードウェイに進出することになった。ロード・ショーは大成功だった。気づかわれたブロードウェイでもドン・ハンナのチームはうけた。その夜2人がジーグフェルドの宴に臨むと来客は2人に祝福をおくったが、これを見て心動かされたナダインは巧みにドンをハンナから引き離すと彼を独占してしまった。ドンを心から愛するようになったハンナは、かねてからドンがやはりナダインを愛しているのではないかと心を苦しめていたが、此の様を見ると1人アパートへ帰ってしまった。一方やっとナダインから解放されたドンは、愛するハンナを探し廻りアパートに訪ねたが、彼女は鍵をかけて入れなかった。彼は外から誤解を訴えた。初めはナダインを取り返すために君とのチームを始めたんだが、君が一番すばらしい女性であることが判ったんだ。一夜明ればイースターの日曜日、誤解のとけた2人は「イースター・パレード」の歌を合唱して、満都の拍手と喝采をうけた。