20-1. 相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断
監督 橋本一
出演 水谷豊,
反町隆史,
鈴木杏樹,
川原和久,
山中崇史
2017年 (東映) 120分
解説
水谷豊主演の人気刑事ドラマの劇場版第4作。国際犯罪組織 「バーズ」 のメンバーと彼らを追う国連犯罪情報事務局の元理事らを巻き込んだ事件の行方が描かれる。水谷演じる右京の4代目相棒をSeason14から務める反町隆史が劇場版で初出演。そのほか、鹿賀丈史、北村一輝らが出演する。監督は 「相棒シリーズ X DAY」 の橋本一。
ストーリー
7年前、イギリスで起きた日本領事館関係者集団毒殺事件。当時、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織によって誘拐されたが、駐英大使と日本政府は高度な政治的判断によって、その誘拐事件を闇に葬っていた……。それから7年。国際犯罪組織バーズのリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局元理事のマーク・リュウ(鹿賀丈史)が、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、社美彌子(仲間由紀恵)からの指示で、案内役としてリュウに同行する。その矢先、リュウの部下が「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”(北村一輝)に殺害される。外務省のホームページをハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女・鷺沢瑛里佳(山口まゆ)の現在の姿を動画で公開。「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと共に約9億円の身代金を要求する。誘拐事件の全貌が明らかになり、騒然とするマスコミ。特命係の二人は捜査一課の面々、元鑑識の米沢守(六角精児)、警察庁の神戸尊(及川光博)らを巻き込みながら、事件解決へと独自に動き出す。そんななか、東京では世界の要人を招いて国際平和会議が開かれようとしていた。国際社会に向けて“テロに屈しない国家”であることを示さなければいけない日本政府。今回の要求も無視されることになれば、国から二度棄てられることになる少女。様々な思惑が交錯しながら、杉下右京は犯人グループの真の標的に近づきつつあった。しかし、異物混入事件の物証から、犯行グループが50万人分の致死量の毒物を所有していることが判明。あの犯行声明は、東京・銀座に50万人以上の見物客が集まる世界スポーツ競技大会の日本選手団凱旋パレードへの無差別大量テロであった。日本中が歓喜に包まれる凱旋パレードの真っ只中、遂に杉下右京は真犯人を追い詰める。だがその先には誰も想像してなかった真相と未来が待ち受けていた……。
20-2. 蠢動
監督 三上康雄
出演 三上康雄,
西田良,
汐路章,
玉生司郎,
古川京子
1982年 (その他) 102分
解説
“時代劇を追求し続ける自主映画作家”として注目を集める三上康雄監督が、プロの協力を得て完成した。封建制度の中での義を主題に、雪中を走る、斬るの時代劇。雪に覆われた鳥取砂丘での殺陣もある。出演は西田良、汐路章、玉生司朗、古川京子といったプロの役者の他、映画評論家の松田政男、監督の三上康雄など。撮影はTVドキュメンタリーを撮り続ける岩井銀二、編集は 「蔵の中」 の木村幸雄、録音は 「水戸黄門」 の中川清が担当している。
ストーリー
享保17年。飢餓の状態におかれていた山陰の因幡藩の財政は破綻寸前であった。それにつけ込み幕府は無理難題を押しつけ改易を目論む。そして幕府の使者が視察に来る前夜、幕府から遣わされていた剣術師範・松宮が弟子の香川廣樹に殺害される。翌朝城代家老は討伐隊を結成し、香川を討ち取るように命じる。討伐隊隊長に選ばれた原田をはじめ隊の面々は香川とは知己の仲であった。香川、討伐隊、城代家老が、それぞれに正義を主張しながらの壮絶な戦いがはじまる…。
20-3. HANA−BI
監督 北野武
出演 北野武,
岸本加世子,
大杉漣,
寺島進,
白竜
1997年 (オフィス北野=日本ヘラルド映画) 103分
解説
妻や同僚の生と死を目の当たりにした、孤独な刑事の生き様を描いたドラマ。監督・脚本は 「キッズ・リターン」 の北野武。撮影を 「岸和田少年愚連隊血煙り純情篇」 の山本英夫が担当している。主演は 「GONIN2」 のビートたけし。97年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、サンパウロ映画祭バンデイラ・パウリスタ賞、ヨーロピアン・アカデミー賞スクリーン・インターナショナル賞受賞。
ストーリー
凶悪犯の張り込みの最中に親友で同僚の堀部の好意に甘え、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻・美幸を病院に見舞った西は、そこで妻が不治の病で助からないことを聞かされる。ショックを受ける西。だがそんな彼に、更に堀部が犯人の凶弾に倒れたとの連絡が入った。その後、犯人は別の場所で発見されるも、逮捕へのあせりから西は失態を演じ、後輩の田中が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ、職を辞す西。彼は、下半身不随となり車椅子の生活を送る堀部に画材道具を贈る為、また田中の妻や余命幾ばくもない美幸との生活資金を工面する為、ヤクザから借金を重ねるようになる。しかし、その返済に首が回らなくなり、思い余って銀行強盗を決行。盗んだ金を堀部や田中の妻に送り、ヤクザに借金を返済すると、残った金を持って美幸と共に旅に出るのだった。だが、そんな西をヤクザたちは利子が足りないと言って執拗に追いかけてきた。妻との残り少ない時間を誰にも邪魔されたくない。西は、追ってきたヤクザたちを次々に殺害していく。やがて、後輩の刑事の中村が西の身を案じて駆けつけてきた。しかし、西は彼にもう少し時間をくれと頼む。静かな砂浜、妻をそっと抱き寄せた西は、自ら自分たちの人生に幕を引く。
20-4. 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
監督 金子文紀
出演 岡田准一,
櫻井翔,
酒井若菜,
岡田義徳,
佐藤隆太
2006年 (アスミック・エース)
解説
テレビ・ドラマで人気を博した、コメディタッチの青春ドラマ。劇場版・完結編の今回も岡田准一ら“キャッツ”メンバー5人が顔を揃えるほか、栗山千明が新キャラを演じている。
ストーリー
ぶっさん(岡田准一)の死から3年後。遺された木更津キャッツの4人は、別々の道を歩き始め、木更津から離れていった。バンビ(櫻井翔)だけは木更津にとどまり、市役所に就職した。木更津は激しい市長選挙中で、バンビも現市長の選挙カーで走り回っている。ある日、バンビは空から「If you build it, he will come(それを作れば彼がやって来る)」という声を聞く。一方、アニ(塚本高史)とマスター(佐藤隆太)は、つまらないことでケンカ別れしていた。2人は責任をなすりつけ合ったまま、マスターは大阪に“野球狂の詩2号店”を開店する。アニは秋葉原をぶらついていた。2人の下を訪れたバンビは、ぶっさんと話したことを告げるが、真剣に取り合わない彼らに「ぶっさんにちゃんと“ばいばい”言ってねえじゃん」と、強く言う。そして3人は、木更津に舞い戻る。その頃、うっちー(岡田義徳)は美人教官・杉本文子に一目惚れして自衛隊に入隊していたが、鬼教官の彼女から、殴る蹴るの強烈なしごきに耐えかね、駐屯地を脱走する。その時、自分の荷物と間違え、とんでもないモノを持ち出してしまうのだった。ぶっさんが言う「それを作れば彼らがやって来る」の“それ”とは何かを、バンビ、アニ、マスターの3人は必死に考える。偶然にもうっちーと再会できた彼らの元に、杉本が自衛隊を総動員させてうっちーを連れ戻しにやってくる。しかも謎の軍団も加わり、4人には次々とありえない展開が襲いかかる。果たして、空からの声はぶっさんなのか。そして4人は、ぶっさんに“ばいばい”を言うことができるのか。
20-5. DESTINY 鎌倉ものがたり
監督 山崎貴
出演 堺雅人,
高畑充希,
堤真一,
安藤サクラ,
田中泯
2017年 (東宝) 129分
解説
山崎貴監督が 「ALWAYS 三丁目の夕日」 シリーズに引き続き、西岸良平の人気コミックを実写映画化したファンタジー。愛する妻の命を取り戻すため、たったひとりで黄泉の国へ向かったミステリー作家の冒険がVFXを駆使して描かれる。堺雅人が多趣味でユニークなミステリー作家を、その妻を高畑充希がキュートに演じる。
ストーリー
鎌倉。ここには、人間ばかりでなく、幽霊や物の怪、魔物に妖怪、神様、仏様、死神、貧乏神までが住んでいた。魔界や黄泉の国の間で、生者と死者の思いが交錯する都。この地に暮らすミステリー作家、一色正和(堺雅人)の元に、若い女性、亜紀子(高畑充希)が嫁いでくる。しかし、亜紀子は、あちこちに人ならざる者がいるような、おかしな気配を感じていた。正和と亜紀子が道を歩いていると、その前を何かが通り過ぎる。それは、ムジナか河童か……? 驚く亜紀子に正和は、“鎌倉は何千年も昔から妖気が溜りに溜まっていろいろな怪奇現象が起こるけれどもここでは普通のこと、すぐに慣れる”と言うのだが……。その一方で、犯罪研究の腕を買われた一色は、迷宮入りしそうな事件が起きると、警察の捜査にも協力していた。それらの事件には魔物や幽霊までが関わってきて、一筋縄ではいかなかったが、心霊捜査にも精通する一色は、名探偵でもあった。そんなある日、大金持ちが殺害される事件が発生。一色はその捜査を依頼される。どうやらその犯行は、人間の仕業ではないらしかった。同じ頃、亜紀子の嫁入りで静かだった正和の生活も大きく変わっていくが……。
20-6. おとうと(2010)
監督 山田洋次
出演 吉永小百合,
笑福亭鶴瓶,
蒼井優,
加瀬亮,
小林稔侍
2010年 (松竹) 126分
解説
名匠、山田洋次監督が 「十五才 学校IV」 以来10年ぶりに手がけた現代劇。吉永小百合と笑福亭鶴瓶が姉弟に扮し、切っても切れない彼らの深い絆を、姉の娘の視点から描き出す。
ストーリー
東京の私鉄沿線、商店街の一角にある高野薬局。夫を早くに亡くした高野吟子(吉永小百合)は、女手ひとつで一人娘の小春(蒼井優)を育てながら、義母の絹代(加藤治子)との三人で暮らしている。小春とエリート医師との結婚が決まり、一家は幸せの頂点にあった。結婚式の前日、吟子は宛先不明で戻ってきた招待状を受け取る。大阪で役者をしているはずの弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)に宛てたもので、酒を飲んで大暴れした吟子の夫の十三回忌を最後に音信不通になっていた。式の当日。和やかに始まった披露宴の途中、羽織袴の鉄郎が汗だくになって現れる。吟子の兄、庄平(小林稔侍)に酒を飲むなと強く釘を刺されるが、我慢できたのは最初の数十分だけ。若者に交じって酒を一気飲み、マイクを独占し会場を練り歩いて浪曲を披露、あげくはテーブルをひっくり返す始末。新郎の両親にさんざん文句を言われた庄平は、鉄郎と縁を切ると宣言する。翌朝、吟子は鉄郎に、大阪に帰る電車賃をそっと渡し見送った……。小春の結婚生活は長くは続かなかった。育った環境の違い、夫の多忙、そしておそらくは鉄郎の件も。やがて離婚が成立、再び高野家で三人暮らしが始まる。ある夏の日、鉄郎の恋人だという女性が高野薬局にやってきた。鉄郎直筆の借用書を見せ、鉄郎と連絡が取れず困惑する彼女を哀れに思い、吟子はなけなしの預金を引き出すと全額を手渡す。ほどなく、鉄郎が東京に現れた。吟子の様子から全てを察した鉄郎は言い訳をするが、その不誠実な言動に、吟子は鉄郎との絶縁を言い渡す。それ以来、鉄郎の消息はぷっつりと途絶えてしまった。穏やかな日々が過ぎ、高野家では鉄郎のことが話題に上がることもなくなっていたが、吟子は密かに大阪の警察に捜索願を出していた。そんな中、鉄郎が救急車で病院に運ばれたという連絡が入る。吟子は急遽大阪に向かうが、鉄郎の身体中にガンが転移、余命数ヶ月との報告を受ける……。
20-7. ルパン三世 カリオストロの城
監督 宮崎駿
出演 山田康雄,
増山江威子,
小林清志,
井上真樹夫,
納谷悟朗
1979年 (東宝) 100分
解説
ヨーロッパの小国カリオストロ公国の秘密を暴くルパン三世の活躍を描く劇場用シリーズ第二作目。脚本は宮崎駿と山崎晴哉の共同執筆、監督は宮崎駿、作画監督は大塚康生が担当。2014年5月9日より音声を5.1ch化したデジタルリマスター版をリバイバル公開。
ストーリー
人口三千五百人、世界一小さなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。ルパンに助けられたクラリスは再び捕えられてしまう。ルパンは、召使いとして城内に忍び込んでいた不二子の手引きで、彼女の閉じこめられている塔に潜入、彼女を連れて逃げ出そうとすると、床が開いて地下室へ落下。不二子が裏切ったのだ。排水口から脱走するが、辿りついたところは、地下の造幣工場。金を必要としている世界の権力者のためのニセ札の製造だ。これが四百年もの間、カリオストロ公国が大国から侵略も受けずに存続していた秘密だった。ルパンは火を放ち、城は火の海となった。しかし、一旦は奪還したクラリスがまたして、捕まってしまい、カリオストロと彼女の結婚式が行なわれようとしていた。伯爵の企みは成功するかに見えたが、大司教になりすましたルパンが登場、伯爵の謀略は失敗に終るのだった。
20-8. 海よりもまだ深く
監督 是枝裕和
出演 阿部寛,
真木よう子,
小林聡美,
リリー・フランキー,
池松壮亮
2016年 (ギャガ) 117分
解説
是枝裕和監督が、ダメな中年男とその元妻と息子という不器用な家族の姿を描く家族ドラマ。台風でひさびさに一夜を一緒に過ごす事になった家族の思いを映しだす。叶わぬ夢を追い続ける主人公を阿部寛、その元妻を真木よう子が演じるほか、母親役の樹木希林や小林聡美、リリー・フランキーなど実力派たちが物語を彩る。
ストーリー
母・淑子(樹木希林)は苦労させられた夫を突然の病で亡くしてからは、団地で気楽な独り暮らしをしている。15年前に文学賞を一度獲った売れない作家の長男・良多(阿部寛)は、“小説のための取材”だと周囲にも自分にも言い訳しながら、今は探偵事務所に勤めている。元嫁・響子(真木よう子)はそんな良多に愛想を尽かして離婚した。良多は11歳の息子・真悟(吉澤太陽)の養育費も満足に払えないくせに未練たらたらで、探偵の技術で響子を張り込みし、彼女に新しい恋人ができたことを知ってショックを受ける。ある日、たまたま良多と響子と真悟が母・淑子の家に集まる。すると台風のため翌朝まで帰れなくなり、4人は一つ屋根の下で一晩過ごすことになるが……。
20-9. キセキ −あの日のソビト−
監督 兼重淳
出演 松坂桃李,
菅田将暉,
忽那汐里,
平祐奈,
横浜流星
2017年 (東映) 85/111分
解説
メンバー全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立を考えて顔を伏せて活動する覆面ボーカルグループ、GReeeeN。その結成秘話と名曲 「キセキ」 の誕生に迫る青春ストーリー。物語のキーマンとなる兄弟を松坂桃李と菅田将暉が、グループの他のメンバーを横浜流星、成田凌、杉野遥亮が演じ、歌声を披露する。
ストーリー
厳しい父の反対を押し切って家を飛び出したミュージシャンの兄ジン(松坂桃李)。父の想いを受けて歯医者を目指す弟ヒデ(菅田将暉)も、仲間と共に音楽の魅力に引き寄せられていた。やがて、音楽に挫折していたジンは、弟たちの才能を知り、彼らに自分の夢を託すことを決意する。歯医者はやりたい、歌もやりたい。でも恐ろしい父には絶対に言えない……。そこで彼らが取ったありえない作戦。それは、前代未聞の顔出しなしのCDデビューだった……。
20-10. 柳生武芸帳 夜ざくら秘剣
監督 井沢雅彦
出演 近衛十四郎,
花園ひろみ,
北竜二,
和崎隆太郎,
永井三津子
1961年 (ニュー東映) 80分
解説
“柳生武芸帳”シリーズの第二作。脚色・結束信二、監督・井沢雅彦、撮影・杉田正二と 「柳生武芸帳(1961)」 の顔ぶれ。
ストーリー
大和の国、柳生本陣の奥深く秘められた柳生武芸帳浮月の巻が嵐の一夜盗み去られた。将軍家指南役の柳生新陰流の地位をねらう疋田陰流一派の霞の多三郎の仕業だ。一派の隠れ家は根岸にあり、千四郎、多三郎を頭に秋葉信助、原田菊二郎、しぐれのお銀らいずれも大老土井大炊守と結び、幕閣の利け者、永井信濃守、松平伊豆守の失脚をもねらっている。土井大老は将軍家光に働きかけ、柳生宗矩に水月の巻を差し出させるようしむけた。返答に困った宗矩は苦肉の策として長男十兵衛が乱心し水月の巻を手に出奔、浮月の巻は柳生の庄にあり江戸に取り寄せるまで五日の猶予を、と返答した。お家の大事ばかりか天下の大事を双肩に担った十兵衛は江戸の巷にまぎれこみ、土井大老の出方を待った。大老は腹臣弓削三太夫に十兵衛の名をかたらせ、辻斬りをさせた。そのため十兵衛は捕手にねらわれ、大久保彦左衛門の屋敷にかくまわれるが、そこで忍び込んできた霞の千四郎を斬り、三太夫との対決を申し入れた。夜の寛永寺境内で十兵衛は、後をつけてきた多三郎と十兵衛を案じて若衆姿で現われた信濃守の妹清姫の前で三太夫と渡り合ったが勝負は一時預けることになった。翌日、宗矩のもとへ、次弟又十郎と妹於きの命を引きかえに水月の巻を渡せという手紙。二人は兄を助けようとして深入りしすぎ土井大老の手に落ちたのだ。しかし宗矩はこれを拒否した。十兵衛は片目の浪人根来角兵衛と名乗り土井大老に近づくが、正体を見破られ、さらに清姫が捕えられてくるのも目にしながらどうすることもできない。家光に武芸帳を差し出す日が来た。十兵衛は殿中の法度を犯し朝駆けで家光に目通り、武芸帳の秘める天下騒乱の因を説き明かし土井大老の陰謀を告げた。真相を知った家光は、信濃守に土井大老邸で夜桜の宴を張ることを命じ十兵衛に正義の剣を下すことを許した。
20-11. 斉木楠雄のΨ難
監督 福田雄一
出演 山崎賢人,
橋本環奈,
新井浩文,
吉沢亮,
笠原秀幸
2017年 (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=アスミック・エース) 91/97分
解説
超能力を持つ主人公・斉木楠雄と、彼の周りに集まる個性的な人々が繰り広げる騒動を描く、週刊少年ジャンプ連載の学園コメディを山崎賢人主演で実写映画化。ピンクの髪の毛に緑色のサングラスという奇抜な設定そのままに山崎が主人公を、ヒロインの心美を橋本環奈が演じる。監督は 「銀魂」 の福田雄一。
ストーリー
テレパシーやサイコキネシス、透視、テレポートなど多彩な超能力を持つ斉木楠雄(山崎賢人)は、普通に生きることを望み、天賦の才を隠して高校生活を送っている。しかし彼の周りは、斉木へ思いを寄せる妄想美少女や斉木の力でも思考を読めないほどのバカなど変人ばかり。毎年恒例の一大イベント、文化祭を迎え恋と友情の嵐に巻き込まれた楠雄に災難が次々にふりかかり、地球滅亡の危機に見舞われる。
20-12. 野獣死すべし
監督 村川透
出演 松田優作,
小林麻美,
室田日出男,
根岸季衣,
風間杜夫
1980年 (東映) 119分
解説
戦地を渡り歩いた通信社の元カメラマンが、翻訳の仕事に身を隠しながら、一匹の野獣となって、管理社会の安穏とした生活に犯罪で挑む姿を描く。原作は大藪春彦の同名の小説で、昭和三十四年に白坂依志夫脚本、須川栄三監督、仲代達矢主演で一度映画化されている。脚本は「翔んだカップル」の丸山昇一、監督は「薔薇の標的(1980)」の村川透、撮影も同作の仙元誠三がそれぞれ担当。
ストーリー
ある夜、警視庁捜査一課の岡田警部補が殺害され、拳銃が奪われた。数日後、秘密賭博場が襲われ、暴力団三人が射殺され、テラ銭三千万円が奪われた。使われた拳銃は奪われたものだった。伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして、アンゴラ、レバノン、ウガンダなど血と硝煙の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。戦場でめざめた野獣の血、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主だ。岡田警部補の部下だった柏木は、執念深く事件を追い、長身、ガッチリとし体の男という容疑者像を割り出した。そして、伊達の尾行を始める。柏木の尾行をよそに、伊達はコンサート会場で華田令子に接近したり、優雅な日々を送っている。暫くして、伊達は次の行動に移った。高級宝石店の店員を支払いをするからと銀行に呼び出した。店員が預金カウンターに近づくと、伊達は係の男に、前にいる男に金を渡せと電話をした。係員の防犯の合言葉で、何も知らない宝石店の男は、組み伏せられ、一分三十秒後にパトカーが到着した。これは銀行の防犯体勢を調べる伊達の実験だ。大学の同窓会に出席した伊達は、そこで、自分と同じ野獣の血を感じた真田と出会い、彼を仲間に入れる。伊豆山中での拳銃の練習。真田はアッという間に腕を上げた。同行した恋人、雪絵が邪魔になった真田は、伊達に促され動く標的として、彼女に銃口を向けた。銀行襲撃は決行された。巧妙に逃走する伊達と真田。追う柏木。銀行に居合わせた令子も射殺して、伊達は野獣のみちを突き進んでいく……。
20-13. 銀魂
監督 福田雄一
出演 小栗旬,
菅田将暉,
橋本環奈,
柳楽優弥,
新井浩文
2017年 (ワーナー・ブラザース映画) 130分
解説
週刊少年ジャンプで人気の空知英秋の同名コミックを小栗旬主演で実写映画化したSF時代劇。パラレルワールドの江戸を舞台に、万事屋(よろずや)を営む“銀さん”こと坂田銀時と仲間たちの身に起きる奇想天外な騒動を描く。 「勇者ヨシヒコ」 シリーズなど脱力系の作品を得意とする福田雄一が監督・脚本を務める。
ストーリー
街には高層ビルが立ち並び、空には無数の宇宙船が飛び交う江戸時代末期。宇宙からやってきた“天人(あまんと)”の台頭と廃刀令により、かつて隆盛を極めた侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代に侍魂を堅持する少々変わった男・坂田銀時(小栗旬)は、ひょんなことから志村新八(菅田将暉)と神楽(橋本環奈)に出会い、万事屋を営むことに。そんななか、新八の姉・妙(長澤まさみ)や攘夷志士の生き残り・桂小太郎(岡田将生)、真選組の近藤勲(中村勘九郎)、土方十四郎(柳楽優弥)、沖田総悟(吉沢亮)らを巻き込みながら、様々な事件や騒動が起こり始め……。
j20-14. 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)
監督 大杉宜弘
出演 水田わさび,
大原めぐみ,
かかずゆみ,
木村昂,
関智一
2015年 (東宝) 100分
解説
子供からお年寄りまで幅広い層から支持される国民的人気アニメ 「ドラえもん」 の劇場版第35作。ヒーロー映画の撮影をしていたのび太たちがスーパーヒーローに間違われ、突然現れた宇宙人のために遥か彼方の宇宙へ旅立ち、スーパーヒーローさながらの活躍を繰り広げる。1980年からスタートした映画作品の35周年記念作となる。
ストーリー
ヒーロー番組に憧れたのび太(声:大原めぐみ)は映画を作りたいと言い出し、ドラえもん(声:水田わさび)は本格的な撮影ができるひみつ道具『バーガー監督』を取り出す。しずかちゃん(声:かかずゆみ)、ジャイアン(声:木村昴)、スネ夫(関智一)とともに銀河防衛隊という宇宙を守るヒーローの作品を作っていたところ、地球に不時着していたポックル星人のアロンが彼らを本物のヒーローだと思い、宇宙海賊に乗っ取られた星を救うために力を貸してほしいと頼む。のび太たちは戸惑いつつも、恐ろしい計画を進める宇宙海賊に立ち向かっていく……。
j20-15. 私をスキーに連れてって
監督 馬場康夫
出演 原田知世,
三上博史,
原田貴和子,
沖田浩之,
高橋ひとみ
1987年 (東宝) 98分
解説
スキーはプロ級だが都会では冴えないサラリーマンの青年が恋に仕事に目覚め、自立していく姿を描く。ホイチョイ・プロダクションの原作をもとに 「恐怖のヤッチャン」 の一色伸幸が脚本執筆。馬場和夫の第一回監督作品で、撮影は 「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」 の長谷川元吉が担当。
ストーリー
矢野文男はある商社に勤める26歳のサラリーマン。仕事ぶりも恋もいまひとつパッとしない都会人だが、大学時代からスキー選手として鳴らしてそちらのほうはプロ級の腕前、ゲレンデではいつもスターなのだ。会社ではスキーの名門ブランド“サロット”の販売を、元ワールドカッブ選手・田山のプロジェクトで行なっていたが、矢野も部外者ながら手伝っていた。クリスマス、奥志賀のスキーツアーで矢野はOLの池上優と知り合い、一目ぼれ。矢野の高校時代からのスキー仲間、正明、真理子、和彦、ヒロコの四人もなんとか二人をくっつけようとするが、オクテな矢野はなかなかアプローチすることができない。ようやく電話番号を教えてもらったが、それはデタラメの番号だった。東京へ戻ったが優と連絡が取れずに落ち込んでいた。ある日、彼は仕事のミスで常務に呼び出され、なんと社内で優とバッタリ。彼女は同じ会社の常務秘書だったのだ。田山が企画したサロットの新しいウエアの発表会が、バレンタインデーに万座のスキー場で行われることになった。矢野もその準備に忙しく、せっかくの優とのデートにも遅れたり、行けなかったり。矢野は優のためにバレンタインの日は、スキーツアーに参加することにした。当日、矢野は優や仲間たちと志賀でスキーを楽しむ。ところが、万座では田山に反発する所崎らの陰謀により発表用のウエアが一着も届いていなかった。頼みは矢野たちの身に着けている6着のみ。矢野がつかまらないので、真理子とヒロコが車で万座へ向かった。しかし、それでは間に合わないと思い、優はウエアを着込みスキーで万座を目指したが、志賀・万座間は難所が多くスキー歴の浅い彼女には自殺行為だった。トラブルに気づき、矢野は優の後を追った。一方、真理子らの車は途中で横転。夜になり矢野と優もスキーでは走れなくなったが、運よく正明と和彦がライトを背負い応援に来た。4人は万座へ急ぐが、発表会場はすでにガランとしていた。間に合わなかったかに見えたが先に着いた真理子とヒロコがモデルとなり野外では撮影会が始まっていた。サロットのペアルックの文男と優も舞台に上がり写真撮影に応じる。その場で優は文男にバレンタインのチョコレートを渡した。
20-16. 先生と迷い猫
監督 深川栄洋
出演 イッセー尾形,
染谷将太,
北乃きい,
ピエール瀧,
嶋田久作
2015年 (クロックワークス) 107分
解説
とある商店街に住みつくも、ある日行方不明になった三毛猫ミーちゃんと街の人々の姿を描いたノンフィクション 「迷子のミーちゃん〜地域猫と商店街再生のものがたり」 。同作を原案に、イッセー尾形演じる妻を亡くした元校長と地域猫ミイとの交流がつづられるヒューマンドラマ。監督は 「神様のカルテ」 シリーズなど人物描写に定評のある深川栄洋。
ストーリー
妻に先立たれて独り暮らしを送る森衣恭一(イッセー尾形)は、学校を定年退職した元校長先生。そのカタブツで偏屈な人柄のため、近所では浮いた存在だ。訪ねてくるのは、亡き妻が餌を与えて可愛がっていた三毛猫のミイくらい。猫が嫌いな校長先生は、なんとか追い払おうとするが、ミイはどんなに追っ払っても毎日やってきて、妻の仏壇の前に座り続けていた。ところがある日突然、その姿が見えなくなる。そうなるとなぜか心配になり、探し始めたところ、自分の他にもミイを探している人たちがいたことが判明。みんな、ミイに餌をやって語りかけることで、どこか救われていた人たちだった。彼らと関わってゆくうちに、頑なだった先生の心も変わってゆく……。ミイの存在が思い出させる妻のこと。忘れてしまわねばならないと思っていたこと。失くしてからでは伝えられないこと……。やがて、必死でミイを探していた校長先生に、小さな奇跡が起きる……。
20-17. カメラを止めるな!
監督 上田慎一郎
出演 濱津隆之,
真魚,
しゅはまはるみ,
長屋和彰,
細井学
2017年 (ENBUゼミナール・シネマプロジェクト) 96分
解説
監督&俳優養成スクール、ENBUゼミナールのワークショップから生まれた異色ホラー。37分間にわたるワンカットのゾンビ・サバイバル映画の撮影に挑む俳優やスタッフの前に本物のゾンビが出現し、事態が混迷していくさまが描かれる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で観客賞を受賞するなど、国内外の映画祭で話題となった。
ストーリー
ゾンビ映画撮影のため、山奥にある廃墟にやってきた自主映画のクルーたち。監督は本物を求めてなかなかOKを出さず、ついに42テイクに至る。と、本物のゾンビが現れ撮影隊に襲いかかった。次々とクルーの面々はゾンビ化していくが、監督は撮影を中止するどころか嬉々として撮影を続行。37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイブムービーを撮った彼らとは……。
20-18. 殿、利息でござる!
監督 中村義洋
出演 阿部サダヲ,
瑛太,
妻夫木聡,
竹内結子,
寺脇康文
2016年 (松竹) 129分
解説
千両もの大金を藩に貸し付け、その利子を配分し、寂れた宿場町の復活を成功させたという、江戸時代の実話を映画化した時代ドラマ。阿部サダヲが町の復興のために仲間とともに奇策に挑む、造り酒屋の十三郎を演じ、 「予告犯」 の中村義洋が監督を務める。仙台藩主役でフィギュアスケートの羽生結弦が映画初出演を果たしている。
ストーリー
江戸中期。仙台藩は財政が厳しく、重税にあえぐ百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった。小さな宿場町・吉岡藩もすっかり寂れてしまい、造り酒屋の主・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は町の行く末を案じていた。そんな中、知恵者の菅原屋篤平治(瑛太)がある秘策を打ち出す。それは、大金を藩に貸し付け、藩から利息を得るというものだった。目標額は、千両。しかしこれが明るみになれば打ち首必至。十三郎とその弟・浅野屋甚内(妻夫木聡)、さらに宿場町の仲間たちは、水面下で大金を掻き集めようと知恵を絞り、奔走する。