20-1. 相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 

監督 橋本一
出演 水谷豊反町隆史鈴木杏樹川原和久山中崇史
2017年 (東映) 120分

解説
水谷豊主演の人気刑事ドラマの劇場版第4作。国際犯罪組織 「バーズ」 のメンバーと彼らを追う国連犯罪情報事務局の元理事らを巻き込んだ事件の行方が描かれる。水谷演じる右京の4代目相棒をSeason14から務める反町隆史が劇場版で初出演。そのほか、鹿賀丈史、北村一輝らが出演する。監督は 「相棒シリーズ X DAY」 の橋本一。

ストーリー
7年前、イギリスで起きた日本領事館関係者集団毒殺事件。当時、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織によって誘拐されたが、駐英大使と日本政府は高度な政治的判断によって、その誘拐事件を闇に葬っていた……。それから7年。国際犯罪組織バーズのリーダー=レイブンを長年追ってきた国連犯罪情報事務局元理事のマーク・リュウ(鹿賀丈史)が、日本にレイブンが潜伏しているという情報を得て香港から来日。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、社美彌子(仲間由紀恵)からの指示で、案内役としてリュウに同行する。その矢先、リュウの部下が「天谷克則という男を調べてくれ」というメッセージを残し、首に黒い羽のタトゥーを入れた“黒衣の男”(北村一輝)に殺害される。外務省のホームページをハッキングした犯行グループは、7年前に誘拐した少女・鷺沢瑛里佳(山口まゆ)の現在の姿を動画で公開。「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で日本人の誇りが砕け散るだろう」というメッセージと共に約9億円の身代金を要求する。誘拐事件の全貌が明らかになり、騒然とするマスコミ。特命係の二人は捜査一課の面々、元鑑識の米沢守(六角精児)、警察庁の神戸尊(及川光博)らを巻き込みながら、事件解決へと独自に動き出す。そんななか、東京では世界の要人を招いて国際平和会議が開かれようとしていた。国際社会に向けて“テロに屈しない国家”であることを示さなければいけない日本政府。今回の要求も無視されることになれば、国から二度棄てられることになる少女。様々な思惑が交錯しながら、杉下右京は犯人グループの真の標的に近づきつつあった。しかし、異物混入事件の物証から、犯行グループが50万人分の致死量の毒物を所有していることが判明。あの犯行声明は、東京・銀座に50万人以上の見物客が集まる世界スポーツ競技大会の日本選手団凱旋パレードへの無差別大量テロであった。日本中が歓喜に包まれる凱旋パレードの真っ只中、遂に杉下右京は真犯人を追い詰める。だがその先には誰も想像してなかった真相と未来が待ち受けていた……。




20-2. 蠢動 

監督 三上康雄
出演 三上康雄西田良汐路章玉生司郎古川京子
1982年 (その他) 102分

解説
“時代劇を追求し続ける自主映画作家”として注目を集める三上康雄監督が、プロの協力を得て完成した。封建制度の中での義を主題に、雪中を走る、斬るの時代劇。雪に覆われた鳥取砂丘での殺陣もある。出演は西田良、汐路章、玉生司朗、古川京子といったプロの役者の他、映画評論家の松田政男、監督の三上康雄など。撮影はTVドキュメンタリーを撮り続ける岩井銀二、編集は 「蔵の中」 の木村幸雄、録音は 「水戸黄門」 の中川清が担当している。

ストーリー
享保17年。飢餓の状態におかれていた山陰の因幡藩の財政は破綻寸前であった。それにつけ込み幕府は無理難題を押しつけ改易を目論む。そして幕府の使者が視察に来る前夜、幕府から遣わされていた剣術師範・松宮が弟子の香川廣樹に殺害される。翌朝城代家老は討伐隊を結成し、香川を討ち取るように命じる。討伐隊隊長に選ばれた原田をはじめ隊の面々は香川とは知己の仲であった。香川、討伐隊、城代家老が、それぞれに正義を主張しながらの壮絶な戦いがはじまる…。




20-3. HANA−BI

監督 北野武
出演 北野武岸本加世子大杉漣寺島進白竜
1997年 (オフィス北野=日本ヘラルド映画) 103分

解説
妻や同僚の生と死を目の当たりにした、孤独な刑事の生き様を描いたドラマ。監督・脚本は 「キッズ・リターン」 の北野武。撮影を 「岸和田少年愚連隊血煙り純情篇」 の山本英夫が担当している。主演は 「GONIN2」 のビートたけし。97年ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、サンパウロ映画祭バンデイラ・パウリスタ賞、ヨーロピアン・アカデミー賞スクリーン・インターナショナル賞受賞。

ストーリー
凶悪犯の張り込みの最中に親友で同僚の堀部の好意に甘え、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻・美幸を病院に見舞った西は、そこで妻が不治の病で助からないことを聞かされる。ショックを受ける西。だがそんな彼に、更に堀部が犯人の凶弾に倒れたとの連絡が入った。その後、犯人は別の場所で発見されるも、逮捕へのあせりから西は失態を演じ、後輩の田中が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ、職を辞す西。彼は、下半身不随となり車椅子の生活を送る堀部に画材道具を贈る為、また田中の妻や余命幾ばくもない美幸との生活資金を工面する為、ヤクザから借金を重ねるようになる。しかし、その返済に首が回らなくなり、思い余って銀行強盗を決行。盗んだ金を堀部や田中の妻に送り、ヤクザに借金を返済すると、残った金を持って美幸と共に旅に出るのだった。だが、そんな西をヤクザたちは利子が足りないと言って執拗に追いかけてきた。妻との残り少ない時間を誰にも邪魔されたくない。西は、追ってきたヤクザたちを次々に殺害していく。やがて、後輩の刑事の中村が西の身を案じて駆けつけてきた。しかし、西は彼にもう少し時間をくれと頼む。静かな砂浜、妻をそっと抱き寄せた西は、自ら自分たちの人生に幕を引く。




20-4. 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ

監督 金子文紀
出演 岡田准一櫻井翔酒井若菜岡田義徳佐藤隆太
2006年 (アスミック・エース)

解説
テレビ・ドラマで人気を博した、コメディタッチの青春ドラマ。劇場版・完結編の今回も岡田准一ら“キャッツ”メンバー5人が顔を揃えるほか、栗山千明が新キャラを演じている。

ストーリー
ぶっさん(岡田准一)の死から3年後。遺された木更津キャッツの4人は、別々の道を歩き始め、木更津から離れていった。バンビ(櫻井翔)だけは木更津にとどまり、市役所に就職した。木更津は激しい市長選挙中で、バンビも現市長の選挙カーで走り回っている。ある日、バンビは空から「If you build it, he will come(それを作れば彼がやって来る)」という声を聞く。一方、アニ(塚本高史)とマスター(佐藤隆太)は、つまらないことでケンカ別れしていた。2人は責任をなすりつけ合ったまま、マスターは大阪に“野球狂の詩2号店”を開店する。アニは秋葉原をぶらついていた。2人の下を訪れたバンビは、ぶっさんと話したことを告げるが、真剣に取り合わない彼らに「ぶっさんにちゃんと“ばいばい”言ってねえじゃん」と、強く言う。そして3人は、木更津に舞い戻る。その頃、うっちー(岡田義徳)は美人教官・杉本文子に一目惚れして自衛隊に入隊していたが、鬼教官の彼女から、殴る蹴るの強烈なしごきに耐えかね、駐屯地を脱走する。その時、自分の荷物と間違え、とんでもないモノを持ち出してしまうのだった。ぶっさんが言う「それを作れば彼らがやって来る」の“それ”とは何かを、バンビ、アニ、マスターの3人は必死に考える。偶然にもうっちーと再会できた彼らの元に、杉本が自衛隊を総動員させてうっちーを連れ戻しにやってくる。しかも謎の軍団も加わり、4人には次々とありえない展開が襲いかかる。果たして、空からの声はぶっさんなのか。そして4人は、ぶっさんに“ばいばい”を言うことができるのか。




20-5. DESTINY 鎌倉ものがたり 

監督 山崎貴
出演 堺雅人高畑充希堤真一安藤サクラ田中泯
2017年 (東宝) 129分

解説
山崎貴監督が 「ALWAYS 三丁目の夕日」 シリーズに引き続き、西岸良平の人気コミックを実写映画化したファンタジー。愛する妻の命を取り戻すため、たったひとりで黄泉の国へ向かったミステリー作家の冒険がVFXを駆使して描かれる。堺雅人が多趣味でユニークなミステリー作家を、その妻を高畑充希がキュートに演じる。

ストーリー
鎌倉。ここには、人間ばかりでなく、幽霊や物の怪、魔物に妖怪、神様、仏様、死神、貧乏神までが住んでいた。魔界や黄泉の国の間で、生者と死者の思いが交錯する都。この地に暮らすミステリー作家、一色正和(堺雅人)の元に、若い女性、亜紀子(高畑充希)が嫁いでくる。しかし、亜紀子は、あちこちに人ならざる者がいるような、おかしな気配を感じていた。正和と亜紀子が道を歩いていると、その前を何かが通り過ぎる。それは、ムジナか河童か……? 驚く亜紀子に正和は、“鎌倉は何千年も昔から妖気が溜りに溜まっていろいろな怪奇現象が起こるけれどもここでは普通のこと、すぐに慣れる”と言うのだが……。その一方で、犯罪研究の腕を買われた一色は、迷宮入りしそうな事件が起きると、警察の捜査にも協力していた。それらの事件には魔物や幽霊までが関わってきて、一筋縄ではいかなかったが、心霊捜査にも精通する一色は、名探偵でもあった。そんなある日、大金持ちが殺害される事件が発生。一色はその捜査を依頼される。どうやらその犯行は、人間の仕業ではないらしかった。同じ頃、亜紀子の嫁入りで静かだった正和の生活も大きく変わっていくが……。




20-6. おとうと(2010) 

監督 山田洋次
出演 吉永小百合笑福亭鶴瓶蒼井優加瀬亮小林稔侍
2010年 (松竹) 126分

解説
名匠、山田洋次監督が 「十五才 学校IV」 以来10年ぶりに手がけた現代劇。吉永小百合と笑福亭鶴瓶が姉弟に扮し、切っても切れない彼らの深い絆を、姉の娘の視点から描き出す。

ストーリー
東京の私鉄沿線、商店街の一角にある高野薬局。夫を早くに亡くした高野吟子(吉永小百合)は、女手ひとつで一人娘の小春(蒼井優)を育てながら、義母の絹代(加藤治子)との三人で暮らしている。小春とエリート医師との結婚が決まり、一家は幸せの頂点にあった。結婚式の前日、吟子は宛先不明で戻ってきた招待状を受け取る。大阪で役者をしているはずの弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)に宛てたもので、酒を飲んで大暴れした吟子の夫の十三回忌を最後に音信不通になっていた。式の当日。和やかに始まった披露宴の途中、羽織袴の鉄郎が汗だくになって現れる。吟子の兄、庄平(小林稔侍)に酒を飲むなと強く釘を刺されるが、我慢できたのは最初の数十分だけ。若者に交じって酒を一気飲み、マイクを独占し会場を練り歩いて浪曲を披露、あげくはテーブルをひっくり返す始末。新郎の両親にさんざん文句を言われた庄平は、鉄郎と縁を切ると宣言する。翌朝、吟子は鉄郎に、大阪に帰る電車賃をそっと渡し見送った……。小春の結婚生活は長くは続かなかった。育った環境の違い、夫の多忙、そしておそらくは鉄郎の件も。やがて離婚が成立、再び高野家で三人暮らしが始まる。ある夏の日、鉄郎の恋人だという女性が高野薬局にやってきた。鉄郎直筆の借用書を見せ、鉄郎と連絡が取れず困惑する彼女を哀れに思い、吟子はなけなしの預金を引き出すと全額を手渡す。ほどなく、鉄郎が東京に現れた。吟子の様子から全てを察した鉄郎は言い訳をするが、その不誠実な言動に、吟子は鉄郎との絶縁を言い渡す。それ以来、鉄郎の消息はぷっつりと途絶えてしまった。穏やかな日々が過ぎ、高野家では鉄郎のことが話題に上がることもなくなっていたが、吟子は密かに大阪の警察に捜索願を出していた。そんな中、鉄郎が救急車で病院に運ばれたという連絡が入る。吟子は急遽大阪に向かうが、鉄郎の身体中にガンが転移、余命数ヶ月との報告を受ける……。





20-7. ルパン三世 カリオストロの城

監督 宮崎駿
出演 山田康雄増山江威子小林清志井上真樹夫納谷悟朗
1979年 (東宝) 100分

解説
ヨーロッパの小国カリオストロ公国の秘密を暴くルパン三世の活躍を描く劇場用シリーズ第二作目。脚本は宮崎駿と山崎晴哉の共同執筆、監督は宮崎駿、作画監督は大塚康生が担当。2014年5月9日より音声を5.1ch化したデジタルリマスター版をリバイバル公開。

ストーリー
人口三千五百人、世界一小さなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。ルパンに助けられたクラリスは再び捕えられてしまう。ルパンは、召使いとして城内に忍び込んでいた不二子の手引きで、彼女の閉じこめられている塔に潜入、彼女を連れて逃げ出そうとすると、床が開いて地下室へ落下。不二子が裏切ったのだ。排水口から脱走するが、辿りついたところは、地下の造幣工場。金を必要としている世界の権力者のためのニセ札の製造だ。これが四百年もの間、カリオストロ公国が大国から侵略も受けずに存続していた秘密だった。ルパンは火を放ち、城は火の海となった。しかし、一旦は奪還したクラリスがまたして、捕まってしまい、カリオストロと彼女の結婚式が行なわれようとしていた。伯爵の企みは成功するかに見えたが、大司教になりすましたルパンが登場、伯爵の謀略は失敗に終るのだった。





20-8. 海よりもまだ深く 

監督 是枝裕和
出演 阿部寛真木よう子小林聡美リリー・フランキー池松壮亮
2016年 (ギャガ) 117分

解説
是枝裕和監督が、ダメな中年男とその元妻と息子という不器用な家族の姿を描く家族ドラマ。台風でひさびさに一夜を一緒に過ごす事になった家族の思いを映しだす。叶わぬ夢を追い続ける主人公を阿部寛、その元妻を真木よう子が演じるほか、母親役の樹木希林や小林聡美、リリー・フランキーなど実力派たちが物語を彩る。

ストーリー
母・淑子(樹木希林)は苦労させられた夫を突然の病で亡くしてからは、団地で気楽な独り暮らしをしている。15年前に文学賞を一度獲った売れない作家の長男・良多(阿部寛)は、“小説のための取材”だと周囲にも自分にも言い訳しながら、今は探偵事務所に勤めている。元嫁・響子(真木よう子)はそんな良多に愛想を尽かして離婚した。良多は11歳の息子・真悟(吉澤太陽)の養育費も満足に払えないくせに未練たらたらで、探偵の技術で響子を張り込みし、彼女に新しい恋人ができたことを知ってショックを受ける。ある日、たまたま良多と響子と真悟が母・淑子の家に集まる。すると台風のため翌朝まで帰れなくなり、4人は一つ屋根の下で一晩過ごすことになるが……。




20-9. キセキ −あの日のソビト−

監督 兼重淳
出演 松坂桃李菅田将暉忽那汐里平祐奈横浜流星
2017年 (東映) 85/111分

解説
メンバー全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立を考えて顔を伏せて活動する覆面ボーカルグループ、GReeeeN。その結成秘話と名曲 「キセキ」 の誕生に迫る青春ストーリー。物語のキーマンとなる兄弟を松坂桃李と菅田将暉が、グループの他のメンバーを横浜流星、成田凌、杉野遥亮が演じ、歌声を披露する。

ストーリー
厳しい父の反対を押し切って家を飛び出したミュージシャンの兄ジン(松坂桃李)。父の想いを受けて歯医者を目指す弟ヒデ(菅田将暉)も、仲間と共に音楽の魅力に引き寄せられていた。やがて、音楽に挫折していたジンは、弟たちの才能を知り、彼らに自分の夢を託すことを決意する。歯医者はやりたい、歌もやりたい。でも恐ろしい父には絶対に言えない……。そこで彼らが取ったありえない作戦。それは、前代未聞の顔出しなしのCDデビューだった……。




20-10. 柳生武芸帳 夜ざくら秘剣

監督 井沢雅彦
出演 近衛十四郎花園ひろみ北竜二和崎隆太郎永井三津子
1961年 (ニュー東映) 80分

解説
“柳生武芸帳”シリーズの第二作。脚色・結束信二、監督・井沢雅彦、撮影・杉田正二と 「柳生武芸帳(1961)」 の顔ぶれ。

ストーリー
大和の国、柳生本陣の奥深く秘められた柳生武芸帳浮月の巻が嵐の一夜盗み去られた。将軍家指南役の柳生新陰流の地位をねらう疋田陰流一派の霞の多三郎の仕業だ。一派の隠れ家は根岸にあり、千四郎、多三郎を頭に秋葉信助、原田菊二郎、しぐれのお銀らいずれも大老土井大炊守と結び、幕閣の利け者、永井信濃守、松平伊豆守の失脚をもねらっている。土井大老は将軍家光に働きかけ、柳生宗矩に水月の巻を差し出させるようしむけた。返答に困った宗矩は苦肉の策として長男十兵衛が乱心し水月の巻を手に出奔、浮月の巻は柳生の庄にあり江戸に取り寄せるまで五日の猶予を、と返答した。お家の大事ばかりか天下の大事を双肩に担った十兵衛は江戸の巷にまぎれこみ、土井大老の出方を待った。大老は腹臣弓削三太夫に十兵衛の名をかたらせ、辻斬りをさせた。そのため十兵衛は捕手にねらわれ、大久保彦左衛門の屋敷にかくまわれるが、そこで忍び込んできた霞の千四郎を斬り、三太夫との対決を申し入れた。夜の寛永寺境内で十兵衛は、後をつけてきた多三郎と十兵衛を案じて若衆姿で現われた信濃守の妹清姫の前で三太夫と渡り合ったが勝負は一時預けることになった。翌日、宗矩のもとへ、次弟又十郎と妹於きの命を引きかえに水月の巻を渡せという手紙。二人は兄を助けようとして深入りしすぎ土井大老の手に落ちたのだ。しかし宗矩はこれを拒否した。十兵衛は片目の浪人根来角兵衛と名乗り土井大老に近づくが、正体を見破られ、さらに清姫が捕えられてくるのも目にしながらどうすることもできない。家光に武芸帳を差し出す日が来た。十兵衛は殿中の法度を犯し朝駆けで家光に目通り、武芸帳の秘める天下騒乱の因を説き明かし土井大老の陰謀を告げた。真相を知った家光は、信濃守に土井大老邸で夜桜の宴を張ることを命じ十兵衛に正義の剣を下すことを許した。




20-11. 斉木楠雄のΨサイ

監督 福田雄一
出演 山崎賢人橋本環奈新井浩文吉沢亮笠原秀幸
2017年 (ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=アスミック・エース) 91/97分

解説
超能力を持つ主人公・斉木楠雄と、彼の周りに集まる個性的な人々が繰り広げる騒動を描く、週刊少年ジャンプ連載の学園コメディを山崎賢人主演で実写映画化。ピンクの髪の毛に緑色のサングラスという奇抜な設定そのままに山崎が主人公を、ヒロインの心美を橋本環奈が演じる。監督は 「銀魂」 の福田雄一。

ストーリー
テレパシーやサイコキネシス、透視、テレポートなど多彩な超能力を持つ斉木楠雄(山崎賢人)は、普通に生きることを望み、天賦の才を隠して高校生活を送っている。しかし彼の周りは、斉木へ思いを寄せる妄想美少女や斉木の力でも思考を読めないほどのバカなど変人ばかり。毎年恒例の一大イベント、文化祭を迎え恋と友情の嵐に巻き込まれた楠雄に災難が次々にふりかかり、地球滅亡の危機に見舞われる。





20-12. 野獣死すべし

監督 村川透
出演 松田優作小林麻美室田日出男根岸季衣風間杜夫
1980年 (東映) 119分

解説
戦地を渡り歩いた通信社の元カメラマンが、翻訳の仕事に身を隠しながら、一匹の野獣となって、管理社会の安穏とした生活に犯罪で挑む姿を描く。原作は大藪春彦の同名の小説で、昭和三十四年に白坂依志夫脚本、須川栄三監督、仲代達矢主演で一度映画化されている。脚本は「翔んだカップル」の丸山昇一、監督は「薔薇の標的(1980)」の村川透、撮影も同作の仙元誠三がそれぞれ担当。

ストーリー
ある夜、警視庁捜査一課の岡田警部補が殺害され、拳銃が奪われた。数日後、秘密賭博場が襲われ、暴力団三人が射殺され、テラ銭三千万円が奪われた。使われた拳銃は奪われたものだった。伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして、アンゴラ、レバノン、ウガンダなど血と硝煙の戦場を渡り歩き、帰国して退社した今、翻訳の仕事をしている。戦場でめざめた野獣の血、巧みな射撃術、冷徹無比な頭脳の持ち主だ。岡田警部補の部下だった柏木は、執念深く事件を追い、長身、ガッチリとし体の男という容疑者像を割り出した。そして、伊達の尾行を始める。柏木の尾行をよそに、伊達はコンサート会場で華田令子に接近したり、優雅な日々を送っている。暫くして、伊達は次の行動に移った。高級宝石店の店員を支払いをするからと銀行に呼び出した。店員が預金カウンターに近づくと、伊達は係の男に、前にいる男に金を渡せと電話をした。係員の防犯の合言葉で、何も知らない宝石店の男は、組み伏せられ、一分三十秒後にパトカーが到着した。これは銀行の防犯体勢を調べる伊達の実験だ。大学の同窓会に出席した伊達は、そこで、自分と同じ野獣の血を感じた真田と出会い、彼を仲間に入れる。伊豆山中での拳銃の練習。真田はアッという間に腕を上げた。同行した恋人、雪絵が邪魔になった真田は、伊達に促され動く標的として、彼女に銃口を向けた。銀行襲撃は決行された。巧妙に逃走する伊達と真田。追う柏木。銀行に居合わせた令子も射殺して、伊達は野獣のみちを突き進んでいく……。




20-13. 銀魂 

監督 福田雄一
出演 小栗旬菅田将暉橋本環奈柳楽優弥新井浩文
2017年 (ワーナー・ブラザース映画) 130分

解説
週刊少年ジャンプで人気の空知英秋の同名コミックを小栗旬主演で実写映画化したSF時代劇。パラレルワールドの江戸を舞台に、万事屋(よろずや)を営む“銀さん”こと坂田銀時と仲間たちの身に起きる奇想天外な騒動を描く。 「勇者ヨシヒコ」 シリーズなど脱力系の作品を得意とする福田雄一が監督・脚本を務める。

ストーリー
街には高層ビルが立ち並び、空には無数の宇宙船が飛び交う江戸時代末期。宇宙からやってきた“天人(あまんと)”の台頭と廃刀令により、かつて隆盛を極めた侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代に侍魂を堅持する少々変わった男・坂田銀時(小栗旬)は、ひょんなことから志村新八(菅田将暉)と神楽(橋本環奈)に出会い、万事屋を営むことに。そんななか、新八の姉・妙(長澤まさみ)や攘夷志士の生き残り・桂小太郎(岡田将生)、真選組の近藤勲(中村勘九郎)、土方十四郎(柳楽優弥)、沖田総悟(吉沢亮)らを巻き込みながら、様々な事件や騒動が起こり始め……。




j20-14. 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)

監督 大杉宜弘
出演 水田わさび大原めぐみかかずゆみ木村昂関智一
2015年 (東宝) 100分

解説
子供からお年寄りまで幅広い層から支持される国民的人気アニメ 「ドラえもん」 の劇場版第35作。ヒーロー映画の撮影をしていたのび太たちがスーパーヒーローに間違われ、突然現れた宇宙人のために遥か彼方の宇宙へ旅立ち、スーパーヒーローさながらの活躍を繰り広げる。1980年からスタートした映画作品の35周年記念作となる。

ストーリー
ヒーロー番組に憧れたのび太(声:大原めぐみ)は映画を作りたいと言い出し、ドラえもん(声:水田わさび)は本格的な撮影ができるひみつ道具『バーガー監督』を取り出す。しずかちゃん(声:かかずゆみ)、ジャイアン(声:木村昴)、スネ夫(関智一)とともに銀河防衛隊という宇宙を守るヒーローの作品を作っていたところ、地球に不時着していたポックル星人のアロンが彼らを本物のヒーローだと思い、宇宙海賊に乗っ取られた星を救うために力を貸してほしいと頼む。のび太たちは戸惑いつつも、恐ろしい計画を進める宇宙海賊に立ち向かっていく……。





j20-15. 私をスキーに連れてって

監督 馬場康夫
出演 原田知世三上博史原田貴和子沖田浩之高橋ひとみ
1987年 (東宝) 98分

解説
スキーはプロ級だが都会では冴えないサラリーマンの青年が恋に仕事に目覚め、自立していく姿を描く。ホイチョイ・プロダクションの原作をもとに 「恐怖のヤッチャン」 の一色伸幸が脚本執筆。馬場和夫の第一回監督作品で、撮影は 「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」 の長谷川元吉が担当。

ストーリー
矢野文男はある商社に勤める26歳のサラリーマン。仕事ぶりも恋もいまひとつパッとしない都会人だが、大学時代からスキー選手として鳴らしてそちらのほうはプロ級の腕前、ゲレンデではいつもスターなのだ。会社ではスキーの名門ブランド“サロット”の販売を、元ワールドカッブ選手・田山のプロジェクトで行なっていたが、矢野も部外者ながら手伝っていた。クリスマス、奥志賀のスキーツアーで矢野はOLの池上優と知り合い、一目ぼれ。矢野の高校時代からのスキー仲間、正明、真理子、和彦、ヒロコの四人もなんとか二人をくっつけようとするが、オクテな矢野はなかなかアプローチすることができない。ようやく電話番号を教えてもらったが、それはデタラメの番号だった。東京へ戻ったが優と連絡が取れずに落ち込んでいた。ある日、彼は仕事のミスで常務に呼び出され、なんと社内で優とバッタリ。彼女は同じ会社の常務秘書だったのだ。田山が企画したサロットの新しいウエアの発表会が、バレンタインデーに万座のスキー場で行われることになった。矢野もその準備に忙しく、せっかくの優とのデートにも遅れたり、行けなかったり。矢野は優のためにバレンタインの日は、スキーツアーに参加することにした。当日、矢野は優や仲間たちと志賀でスキーを楽しむ。ところが、万座では田山に反発する所崎らの陰謀により発表用のウエアが一着も届いていなかった。頼みは矢野たちの身に着けている6着のみ。矢野がつかまらないので、真理子とヒロコが車で万座へ向かった。しかし、それでは間に合わないと思い、優はウエアを着込みスキーで万座を目指したが、志賀・万座間は難所が多くスキー歴の浅い彼女には自殺行為だった。トラブルに気づき、矢野は優の後を追った。一方、真理子らの車は途中で横転。夜になり矢野と優もスキーでは走れなくなったが、運よく正明と和彦がライトを背負い応援に来た。4人は万座へ急ぐが、発表会場はすでにガランとしていた。間に合わなかったかに見えたが先に着いた真理子とヒロコがモデルとなり野外では撮影会が始まっていた。サロットのペアルックの文男と優も舞台に上がり写真撮影に応じる。その場で優は文男にバレンタインのチョコレートを渡した。




20-16. 先生と迷い猫

監督 深川栄洋
出演 イッセー尾形染谷将太北乃きいピエール瀧嶋田久作
2015年 (クロックワークス) 107分

解説
とある商店街に住みつくも、ある日行方不明になった三毛猫ミーちゃんと街の人々の姿を描いたノンフィクション 「迷子のミーちゃん〜地域猫と商店街再生のものがたり」 。同作を原案に、イッセー尾形演じる妻を亡くした元校長と地域猫ミイとの交流がつづられるヒューマンドラマ。監督は 「神様のカルテ」 シリーズなど人物描写に定評のある深川栄洋。

ストーリー
妻に先立たれて独り暮らしを送る森衣恭一(イッセー尾形)は、学校を定年退職した元校長先生。そのカタブツで偏屈な人柄のため、近所では浮いた存在だ。訪ねてくるのは、亡き妻が餌を与えて可愛がっていた三毛猫のミイくらい。猫が嫌いな校長先生は、なんとか追い払おうとするが、ミイはどんなに追っ払っても毎日やってきて、妻の仏壇の前に座り続けていた。ところがある日突然、その姿が見えなくなる。そうなるとなぜか心配になり、探し始めたところ、自分の他にもミイを探している人たちがいたことが判明。みんな、ミイに餌をやって語りかけることで、どこか救われていた人たちだった。彼らと関わってゆくうちに、頑なだった先生の心も変わってゆく……。ミイの存在が思い出させる妻のこと。忘れてしまわねばならないと思っていたこと。失くしてからでは伝えられないこと……。やがて、必死でミイを探していた校長先生に、小さな奇跡が起きる……。




20-17. カメラを止めるな!  

監督 上田慎一郎
出演 濱津隆之真魚しゅはまはるみ長屋和彰細井学
2017年 (ENBUゼミナール・シネマプロジェクト) 96分

解説
監督&俳優養成スクール、ENBUゼミナールのワークショップから生まれた異色ホラー。37分間にわたるワンカットのゾンビ・サバイバル映画の撮影に挑む俳優やスタッフの前に本物のゾンビが出現し、事態が混迷していくさまが描かれる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018で観客賞を受賞するなど、国内外の映画祭で話題となった。

ストーリー
ゾンビ映画撮影のため、山奥にある廃墟にやってきた自主映画のクルーたち。監督は本物を求めてなかなかOKを出さず、ついに42テイクに至る。と、本物のゾンビが現れ撮影隊に襲いかかった。次々とクルーの面々はゾンビ化していくが、監督は撮影を中止するどころか嬉々として撮影を続行。37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイブムービーを撮った彼らとは……。




20-18. 殿、利息でござる! 

監督 中村義洋
出演 阿部サダヲ瑛太妻夫木聡竹内結子寺脇康文
2016年 (松竹) 129分

解説
千両もの大金を藩に貸し付け、その利子を配分し、寂れた宿場町の復活を成功させたという、江戸時代の実話を映画化した時代ドラマ。阿部サダヲが町の復興のために仲間とともに奇策に挑む、造り酒屋の十三郎を演じ、 「予告犯」 の中村義洋が監督を務める。仙台藩主役でフィギュアスケートの羽生結弦が映画初出演を果たしている。

ストーリー
江戸中期。仙台藩は財政が厳しく、重税にあえぐ百姓や町人たちの破産と夜逃げが後を絶たなかった。小さな宿場町・吉岡藩もすっかり寂れてしまい、造り酒屋の主・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は町の行く末を案じていた。そんな中、知恵者の菅原屋篤平治(瑛太)がある秘策を打ち出す。それは、大金を藩に貸し付け、藩から利息を得るというものだった。目標額は、千両。しかしこれが明るみになれば打ち首必至。十三郎とその弟・浅野屋甚内(妻夫木聡)、さらに宿場町の仲間たちは、水面下で大金を掻き集めようと知恵を絞り、奔走する。




20-19. 鍵泥棒のメソッド 

監督 内田けんじ
出演 堺雅人香川照之広末涼子荒川良々森口瑤子
2012年 (クロックワークス) 128分

解説
頭を打って記憶を失った男と、彼になりすまそうとした売れない役者。記憶を失った男にひかれる女性編集者という3人の奇妙な運命を描く、 「アフタースクール」 の内田けんじ監督による喜劇。堺雅人、香川照之、広末涼子の3人が複雑に絡み合った事態に翻弄されていく人々をコミカルに演じる。

ストーリー
銭湯に入ってきた金持ちそうな男(香川照之)が転倒。その場に居合わせた貧乏役者の桜井が様子を見ていると、男は頭を強打した影響で記憶を失っていた。桜井はちょっとした出来心を起こし、男のロッカーの鍵と自分の鍵をすり替える。案の定、自分を桜井だと思い込む男。しかし男の正体は誰も顔を見たことのない伝説の殺し屋・コンドウで、コンドウに成り代わった桜井のもとに大金が絡む危険な仕事の依頼が舞い込み、桜井はやむなく引き受けてしまう。一方、自分は桜井だと思い込んでいるコンドウは一流の役者となることを目指して真面目に努力する。そんなひたむきな姿に胸を打たれた女性編集長の香苗(広末涼子)は彼に求婚。三者三様の事情が複雑に絡み合う……。




20-20. 日本侠客伝

監督 マキノ雅弘
出演 萬屋錦之介高倉健大木実松方弘樹田村高廣
1964年 (東映) 98分

解説
「人生劇場 新・飛車角」 の笠原和夫と 「御金蔵破り」 の野上龍雄 「博徒」 の村尾昭が共同でシナリオを執筆 「次郎長三国志」 のマキノ雅弘が監督した侠客もの。撮影もコンビの三木滋人。

ストーリー
深川木場の材木を運び出す運送業者の木場政組と沖山運送は事毎にいがみあっていた。新興の沖山は侠気一本の木場政をあらゆる手段を使って妨害した。折も折争いを好まぬ木場政が病死した。沖山兄弟はここぞとばかりその勢力をのばしはじめた。木場政の子分の弘法常、鉄砲虎、鶴松、赤電車の鉄はいきり立ったが、木場政の女房お柳姐さんにきつく止められた。そんな時に小頭の辰巳の長吉が除隊して帰ってきた。木場政組の一同は喜んで迎え入れたが長吉は組が段々と小さくなっていくのに淋しさを憶えた。恋中の「いろは亭」の一人娘おふみと久久に逢ったのだが組の事が長吉の頭にこびりついて離れなかった。辰巳芸者粂次に、鉄は惚れていた。横恋慕する仁三郎に不当な借金を負わされ困惑する粂次を鉄は組の旗印である印半纏を公入れしてまで救ってやったが、鉄は仁三郎の子分に殺されてしまった。沖山は警察署長や、代議士まで抱え、木場政を潰すべく悪辣な策暴を巡らし問屋を勧誘して廻った。条件のいい沖山に依頼は多く、木場政は苦しかった。頃あいを見て沖山は運賃を倍に上げた。そのやり方に怒った時はもうすでに手遅れだった。一気に木場政に依頼が殺到し子分衆は夜を徹して運送にとりかかった。しかし沖山の妨害も又激しく子分の大部分が痛めつけられた。今は亡き木場政に恩義のある客分の清治は長吉に迷惑をかけまいと女房のお咲に別れの挨拶をすると一人沖山組に殴り込んだ。悽惨な死闘の甲斐なく清治は息絶えた。清治の死体を見た長吉の心は決った。『男の喧嘩は一生に一度しかない』という親分の言葉を思いつつ。子分を連れた長吉は祭りの騒ぎにまぎれ沖山組に殴り込み決死の戦いを挑んだ。悲惨な戦いであった。沖山兄弟を倒し、この殴り込みに一人生き残った長吉も今は獄中で静かに判決を待っている。木場は元通りに活況を呈し、深川は平穏を取戻した。





20-21. 東京流れ者 (The Tokyo Wanderer)

監督 鈴木清順
出演 渡哲也松原智恵子吉田毅二谷英明北龍二
1966年 (日活) 82分

解説
川内康範が原作とシナリオを執筆、 「河内カルメン」 の鈴木清順が監督したアクションもの。撮影もコンビの峰重義。

ストーリー
流れ者の歌をくちづさむ本堂哲也を、数名の男がとり囲んだ。彼らは、哲也の属する倉田組が、やくざ稼業から不動産業にかわったのを根にもち、ことごとく倉田組に喧嘩をうろうとする大塚組のものであった。だが哲也は倉田の無抵抗主義を守りぬいた。哲也は恋仲の歌手千春と結婚して、やくざをやめる決心をしていた。倉田は経営が苦しく金融業の吉井からビルを担保に金を貸りていた。哲也はそれを知ると単身吉井に会い手形延期を申し込んだ。これを大塚のスパイで、事務員の睦子から聞いた大塚は、部下を使い吉井に担保のビルの権利書一切を渡せと脅した。電話で権利書をとられ、吉井が殺されたことを知った哲也は、怒りに身をふるわせた。大塚は邪魔者の哲也を殺すため殺し屋辰造を雇った。だが辰造は哲也の敵ではなかった。その頃大塚は倉田に哲也とひきかえにビルの問題から手をひくともちかけた。かけでこれを聞いた哲也は単身大阪に発った。だが辰造はしつこく哲也を追った。一方東東では大塚が、権利書を戻すかわりに、ビルの地下で千春にクラブ商売をさせて欲しいと申し出た。倉田は自分の利益のために哲也を見殺しにしようとしていた。東京に帰った哲也は、千春を捜した。しかし千春は、哲也が殺されたと聞かされ大塚のクラブに出ていた。哲也と千春を慕う敬一は、千春に哲也の健在を知らせ哲也に千春のいる場所を知らせた。怒った哲也は、倉田、大塚に銃弾をむけた。悽惨な死闘の末、哲也はやくざのみにくさを思い知らされた。夢をなくした哲也は、千春に書置きを残すとどこへともなく去っていった。





20-22. 赤いハンカチ

監督 舛田利雄
出演 石原裕次郎二谷英明浅丘ルリ子芦田伸介杉江弘
1964年 (日活)

解説
「遊侠無頼」の小川英、山崎巌と「狼の王子」を監督した舛田利雄が共同でオリジナル・シナリオを執筆、舛田利雄が監督した歌謡ドラマ。撮影もコンビの間宮義雄。

ストーリー
三上、石塚の両刑事は、兇悪な麻薬ルートを追っていた。容疑者一味の内、唯一人の生存者である屋台の親爺、平岡が現場で犯人に接したことから、平岡は警察にひかれた。が三上らの峻烈な調べに対しても口を開こうとしなかった。護送中ににげようとした平岡と激突した三上らは、誤って拳銃を平岡の胸に発射した。過失とはいえ世論は三上らにきびしかった。それから三年、三上は北海道のダム工場で働いていた。一方神奈川県警の土屋警部補の訪問を受けた三上は、石塚が平岡の遺児玲子と結婚し、今は大実業家になっていると知らされた。そしてその裏には三年前のあの事件がからまっているというのだ。決心した三上はその謎を解くため、再び横浜に帰って来た。ハマでからまれた三上は、傷を負って病院に入った。一方玲子は、三年前見た三上の面影が忘れられず、石塚の愛をうけながらも、父の死の原因は石塚にあると思いつづけていた。ある施設で三上と再会した石塚は、仕事を手伝ってくれと約したが、三上の拒絶にあうと、翌日から三上の上に危険が襲って来た。“赤いハンカチ”の歌を歌いながら流していた三上は、三上の命を狙う殺し屋に瀕死の重傷を負わせた。警察は三上を指名手配した。石塚の残酷さに恐怖を感じる玲子を追うように石塚は三上を必ず殺すよう命じたが、その後に、今こそ全てを知った三上の姿があった。しかし平岡謀殺の証拠はない。が、みぬいた三上は「麻薬ルートと結託し完全犯罪を企てたんだ、だが証拠がない以上法では裁けない。そのかわりこの拳銃で裁いてやる」と石塚に銃をむけた。とその時三上を愛する玲子がいちはやく石塚に発砲した。「玲子を幸せにしてくれ」と三上に頼みながら息をひきとる石塚に、かつての同僚は温かった。




20-23. マジック・ツリーハウス (Magic Tree House)  

監督 錦織博
出演 北川景子芦田愛菜山寺宏一水樹奈々真矢みき
2011年 (ギャガ) 105分

解説
世界各国で人気の児童書 「マジック・ツリーハウス」 シリーズを映画化したアドベンチャー・アニメ。森の木の上のたくさん本がある不思議な小屋に足を踏み入れてしまったことから、様々な時空へと旅をする兄妹の冒険を描く。兄のジャック役で北川景子が声優初挑戦。妹のアニーを演じるのは天才子役の芦田愛菜。

ストーリー
本と勉強が大好きでちょっぴり弱気なジャック(声:北川景子)。どんな動物とも仲良くなれる冒険好きなアニー(声:芦田愛菜)。仲良し兄妹の2人はある日、ねずみのピーナッツを追って入り込んだ森で、大きな樫の木の上に小屋を見つける。中に入ってみると本が一杯。恐竜図鑑を開いたジャックが思わず“行ってみたい”と呟いたところ、たちまち小屋が光に包まれ、ぐるぐると回転を始めた。気がつくと、なんとそこは恐竜の王国。早速、外に飛び出したアニーは恐竜のヘンリーと友だちになる。最初は怖がっていたジャックも恐竜の生態に興味津々で、草むらを探検するうちに金のメダルを拾う。ところが、ティラノサウルスに追いかけられて大ピンチに。間一髪で危機を逃れ、ようやく元の世界に戻ってきた2人は、この不思議な木の家を“マジック・ツリーハウス”と名付けるのだった。翌日、再びマジック・ツリーハウスへ行くと、ピーナッツが大きな本を眺めている。その本には“4つのメダルが奇跡を起こす”と書かれており、表紙には4つのくぼみが。そのくぼみに恐竜の王国で拾ったメダルを合わせると、吸い込まれるようにピタリとはまった。好奇心に駆られた2人は、第2のメダルの場所を示す謎の言葉を頼りに、中世のお城の世界に飛び込む。メダルは手に入れたものの、今度は騎士たちに追われることに。アニーの機転によって何とか逃げ出したところ、月明かりの中で美しい魔法使いモーガン(声:真矢みき)に出会う。魔法をかけられた彼女は、自分の魔法が使えなくなってしまったのだと語る。メダルの奇跡がモーガンを救うと考えた2人は、第3、第4のメダルを探して本の世界に旅立つことを決意する……。




20-24. 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 

監督 武内宣之
出演 広瀬すず菅田将暉宮野真守浅沼晋太郎豊永利行
2017年 (東宝) 90分

解説
岩井俊二による人気テレビドラマを、 「魔法少女まどか☆マギカ」 の新房昭之が総監督を、 「モテキ」 の大根仁が脚本を担当し、新たにアニメ映画化した青春ファンタジー。転校してしまう同級生を助けようと、何度も夏の一日を繰り返す少年の物語がつづられる。少年の声を菅田将暉、ヒロインの声を広瀬すずが演じる。

ストーリー
夏休み、とある海辺の町。花火大会を前に「打ち上げ花火は横からみたら丸いのか?平べったいのか?」で盛り上がる少年たちは、その答えを求め、町の灯台から花火を見ようと計画していた。そんななか、島田典道(声:菅田将暉)が想いを寄せるクラスのアイドル的存在・及川なずな(声:広瀬すず)は母親の再婚が決まり、転校することになった。なずなは典道を誘い、「かけおち」して町から逃げ出そうとするが、典道の目の前で、抵抗しながらも母親に連れ戻されてしまう。それを見ているだけで助けられない典道。「もしも、あのとき俺が……」そんなもどかしさからなずなが海で拾った不思議な玉を投げつけると、いつのまにか、なずなが連れ戻される前まで時間が巻き戻っていた。何度も繰り返される一日の果てになずなと典道がたどり着く運命は……。




20-25. 夜は短し歩けよ乙女 

監督 湯浅政明
出演 星野源花澤香菜神谷浩史秋山竜次中井和哉
2017年 (東宝映像事業部) 93分

解説
京都を舞台に、後輩に思いを寄せる先輩の姿を描く、森見登美彦のベストセラー青春恋愛小説をアニメ映画化。俳優や歌手など多彩な顔を持つ星野源が“先輩”役でアニメ声優としては単独初主演を務める。湯浅政明監督、主題歌のASIAN KUNG-FU GENERATIONなど、同じく森見の小説をテレビアニメ化した 「四畳半神話大系」 のスタッフが集結。

ストーリー
クラブの後輩である“黒髪の乙女”に思いを寄せる“先輩”(声:星野源)は、“なるべく”“彼女の”“目にとまる”の頭文字を取った“ナカメ作戦”で彼女の気を引こうとする。春の先斗町、夏の古本市、秋の学園祭、そして冬……。京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれる“先輩”。季節ばかりが過ぎていき、外堀を埋めることしかできない“先輩”の思いの行方は……?




20-26. ちはやふる -結び- 

監督 小泉徳宏
出演 広瀬すず野村周平真剣佑上白石萌音矢本悠馬
2018年 (東宝) 93/128分

解説
競技かるたに青春をかける高校生たちを描いた人気少女漫画を広瀬すずら若手の共演で映画化し、2016年に大ヒットを記録した青春ストーリーの完結編。高校生活最後の全国大会に挑む幼なじみ3人の複雑な思いがつづられる。前2作同様、人気の3人組テクノポップユニット、Perfumeが主題歌を担当する。

ストーリー
綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が、全国大会で壮絶な戦いを繰り広げてから2年。千早、太一(野村周平)、新(新田真剣佑)は、名人・クイーン戦の会場にいた。クイーンの詩暢と戦うことが出来ない自分に悔しがる千早。一方、千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)は、史上最強の名人・周防久志(賀来賢人)と対戦していた。だが、原田は周防に手も足も出ず敗れる。その瞬間、“名人を倒すのは俺や!”と、周防に挑戦状を叩き付ける新。そんな新をキラキラした目で見つめる千早。2人の姿を茫然と眺めるだけの太一。そして、3年生に進級した千早たちは、高校生活最後の全国大会に向けて瑞沢高校競技かるた部を始動させる。だが、恋愛体質の菫(優希美青)、慇懃無礼な筑波(佐野勇斗)という個性的な新入生に四苦八苦を強いられることに。その頃、新は全国大会で千早たちと戦うため、かるた部創部に奔走していた。そして、新が通う藤岡東高校には、準クイーンの我妻伊織(清原果耶)がいた。やがて、瑞沢かるた部に思いもよらないトラブルが巻き起こり……。





20-27. 七人の侍 (Seven Samurai)  

監督 黒澤明
出演 志村喬稲葉義男宮口精二千秋実加東大介
1954年 (東宝) 207分

解説
生きる」 に次ぐ黒澤明監督作品。本木莊二郎の製作になり、 「生きる」 のトリオ橋本忍( 「花と龍 第一部」 )、小国英雄( 「美しき鷹」 )、黒澤明( 「吹けよ春風」 )が協力してシナリオを書き、 「プーサン」 の中井朝一が撮影を担当している。音楽は 「広場の孤独」 の早坂文雄である。出演者は 「太平洋の鷲」 の三船敏郎、志村喬、 「美しき鷹」 の津島恵子、田崎潤 「日の果て」 の木村功、 「求婚三人娘」 の多々良純、 「花と竜 第一部」 「花と竜 第二部」 の島崎雪子、千石規子、 「秩父水滸伝」 の高堂国典などのほか、俳優座の東野栄治郎、土屋嘉男など新劇人が出演している。前半107分・(休憩5分)・後半95分。後に海外向けに短縮版も黒澤監督本人により作られた。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞、1954年度キネマ旬報ベスト・テン3位。

ストーリー
麦の刈入れが終る頃、野伏せりがやって来る。去年襲われた村人は恐怖におののいた。闘っても勝目はないし、負ければ村中皆殺しだ。村を守るには侍を傭うことだ、長老儀作の決断によって茂助、利吉等は侍探しに出発した。智勇を備えた歴戦の古豪勘兵衛の協力で五郎兵衛、久蔵、平八、七郎次、勝四郎が選ばれた。菊千代は家族を野武士に皆殺しにされた百姓の孤児で野性そのままの男である。村人は特に不安を感じていたが、菊千代の行動によってだんだん理解が生れていった。村の防衛体勢は整えられ戦闘訓練が始った。刈入れが終ると野武士の襲撃が始り、物見の三人を久蔵、菊千代が倒した。利吉の案内で久蔵、菊千代、平八が夜討を決行し火をかけた。山塞には野武士に奪われた利吉の恋女房が居た。彼女は利吉の顔を見ると泣声をあげて燃える火の中に身を投じた。この夜敵十人を斬ったが、平八は種カ島に倒れた。夜が明けると野武士は村を襲って来た。侍を中心に百姓も鍬や丸太を持って村を死守した。美しい村の娘志乃は男装をさせられていたが、勝四郎にその秘密を知られ二人の間には恋が芽生えた。決戦の前夜、志乃は勝四郎を納屋に誘い二人の体はもつれ合って藁の中へ倒れた。翌朝、十三騎に減った野武士の一団が雨の中を村になだれこんだ。斬り込んだ侍達と百姓達は死物狂いで闘い、久蔵、五郎兵衛が倒れた。怒りに燃えた菊千代は最後の一人を屋根に追いつめたが、敵の弾をうけ、差しちがえて討死した。野武士は全滅した。しかし百姓も数人倒れ、七人の侍の中四人が死んだ。新しい土鰻頭の前に立った勘兵衛、七郎次、勝四郎は、六月の爽やかな風の中で働いている百姓達を静かに眺めた。志乃も何かを振り捨てるように大声で田植唄をうたっていた。「勝ったのはあの百姓達だ。わし達ではない。」田の面をみながら勘兵衛がつぶやいた。




20-28. 阿弥陀堂だより 

監督 小泉堯史
出演 寺尾聰樋口可南子北林谷栄田村高廣香川京子
2002年 (東宝=アスミック・エース) 128分

解説
雨あがる」で世界的に高い評価を得た小泉堯史監督の最新作。奥信濃の自然美を背景に、都会から来た中年夫婦と田舎の人々の温かい交流をしみじみとつづる感動作だ。

ストーリー
春、売れない小説家の孝夫は、パニック障害なる原因不明の心の病にかかった妻で女医の美智子の療養の為、ふたりで東京から彼の故郷である信州に移り住む。無医村であったその村で、週3回の診療を始める美智子。やがて彼女は、自然に囲まれたシンプルな暮らしの中、阿弥陀堂という村の死者が祀られたお堂に暮らす96歳のおうめ婆さんや、村の広報誌に彼女が日々思ったことをまとめたコラム「阿弥陀堂だより」を連載している、喉の病で喋ることの出来ない娘・小百合、孝夫の恩師で癌に体を蝕まれながらも死期を潔く迎えようとしている幸田とその妻・ヨネらとの触れ合いを通し、次第に心癒されていくのであった。夏、小百合の病状が悪化していることが判明した。彼女の手術担当医として再びメスを握ることを決意した美智子は、町の総合病院の若き医師・中村と協力して、見事、手術に成功する。秋、幸田が静かに息を引き取った。冬が過ぎ、再び春がやって来る。今やすっかり病を克服した美智子のお腹の中では、孝夫との間に出来た新しい命が息づいていた。




20-29. ゲノムハザード ある天才科学者の5日間 

監督 キム・ソンス
出演 西島秀俊キム・ヒョジン真木よう子伊武雅刀中村ゆり
2013年 (アスミック・エース(提供 ハピネット)) 120分

解説
第15回サントリー・ミステリー大賞読者賞に輝いた司城志朗の同名小説を、西島秀俊主演で映画化したサスペンス・アクション。何者かによって記憶を上書きされ、日本人として暮らしていた韓国人の天才科学者が、自らに降りかかった出来事の真相に迫っていく姿を描く。監督は 「美しき野獣」 の韓国の俊英、キム・ソンス。

ストーリー
ごく普通の会社員、石神武人(西島秀俊)はある日、自宅で殺害されている妻(中村ゆり)を発見する。呆然としているところに突然鳴り響いた電話に出ると、受話器の向こうから聞こえてきたのは、傍らで冷たくなっている妻の声だった……。この日を境に、彼には別の記憶が混在するようになる。そして辿り着いたのは、本当の彼が日本人の会社員ではなく、韓国人科学者オ・ジヌだという真実だった。彼の記憶は“上書き”されていたのだ。そしてなぜか、警察を騙る男たちが彼を捕えようと追ってくる。その追跡をかわしながら、正体不明の女性記者カン・ジウォン(キム・ヒョジン)とともに真実を追ううちに、妻を装う女(真木よう子)と出会う。誰が何のために記憶を奪ったのか?なぜ追われているのか?すべての記憶が消えるまであと5日。最後に待ち受けるのは、衝撃の真実……。




20-30. 女子ーズ 

監督 福田雄一
出演 桐谷美玲藤井美菜高畑充希有村架純山本美月
2014年 (キングレコード(協力 アーク・フィルムズ)) 97分

解説
突然、女性ばかりの戦隊のリーダーにされてしまったOLが、恋や美容や仕事に忙しいメンバーをまとめながら地球の平和を守ろうと奮闘する姿を描く異色ヒーローもの。監督は 「俺はまだ本気出してないだけ」 の福田雄一。出演は 「100回泣くこと」 の桐谷美玲、 「武士の家計簿」 の藤井美菜、 「Lost Harmony」 の高畑充希、 「JUDGE ジャッジ」 の有村架純、 「黒執事」 の山本美月。

ストーリー
建設会社で自身の夢である美術館建設に張り切る赤木直子(桐谷美玲)、いつも強気なアパレルショップ店員・青田美佳(藤井美菜)、いくつもアルバイトを掛け持ちしている黄川田ゆり(高畑充希)、日夜稽古に励む劇団員・緑川かのこ(有村架純)、誰もが羨む超お金持ちお嬢様・紺野すみれ(山本美月)。そんな5人の女子たちは、世界征服を企む邪悪な怪人を倒すため“名字に色が入っている”という理由だけで司令官チャールズのもとに集められ、女子5人のヒーロー戦隊“女子―ズ”に任命される。いきなりの展開に疑問を感じながらも、直子はレッドと名付けられ、持ち前の生真面目な性格からリーダーとして5人を率いることに。レッド、ブルー、イエロー、グリーン、ネイビー全員が揃ったときに繰り出す無敵の必殺技“女子トルネード”を武器に怪人との戦いに挑むことになった5人だが、恋に仕事に美容にヤボ用、なにかと多忙な女子たちはなかなか揃うことがない。果たして“女子―ズ”は次々と現れる怪人たちを倒し、世界の平和を守ることができるのか……。




20-31. 母と暮せば 

監督 山田洋次
出演 吉永小百合二宮和也黒木華浅野忠信加藤健一
2015年 (松竹) 130分

解説
長崎で暮らす女性と原爆で亡くなったはずの息子が繰り広げるエピソードをつづる、山田洋次監督によるファンタジー。吉永小百合と二宮和也が不思議な体験をする親子役で初共演するほか、山田監督作の 「小さいおうち」 で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた実力派・黒木華が浩二の恋人・町子を演じる。

ストーリー
1945年8月9日、長崎に原子爆弾が投下された。それからちょうど3年後。助産師として働く伸子(吉永小百合)のもとに、原爆により死んだはずの息子・浩二(二宮和也)がひょっこりと現れる。それからというもの浩二は度々姿を現し、伸子と思い出話や浩二の恋人・町子(黒木華)についてなどいろんな話をしていくが……。





20-32. 夜明け告げるルーのうた 

監督 湯浅政明
出演 谷花音下田翔大篠原信一柄本明斉藤壮馬
2017年 (東宝映像事業部) 107分

解説
「マインド・ゲーム」 で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞に輝くなど、独特の世界観で国内外で高い評価を受ける湯浅政明監督によるファンタジーアニメ。とある漁港の町を舞台に、中学生の少年と人魚の少女が巻き起こす騒動が描かれる。人魚の少女ルーの声を人気子役の谷花音が演じ、歌声を披露する。

ストーリー
漁港の町・日無町。中学生のカイ(声:下田翔大)はもともと東京に住んでいたが、両親が離婚したため父と母の故郷であるこの寂れた町に移り、今は父親と日傘職人の祖父ととともに暮らしている。両親への複雑な胸中を口に出せず鬱屈した気持ちを抱えるカイにとって、作曲した音楽をネット上にアップすることが唯一の心のよりどころだった。クラスメイトの国男(声:斉藤壮馬)と遊歩(声:寿美菜子)に彼らのバンド・セイレーンに勧誘され、彼らが練習場所にしている人魚島にしぶしぶ向かったところ、人魚の少女・ルー(声:谷花音)が姿を現す。楽しそうに歌い踊るルーと一緒に過ごすうちに、カイは少しずつ自分の気持ちを話せるようになっていった。しかし古来より日無町では人魚は災いをもたらす存在とされており、ふとしたことからルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生じてしまう。





20-33. 湯を沸かすほどの熱い愛 

監督 中野量太
出演 宮沢りえ杉咲花篠原ゆき子駿河太郎伊東蒼
2016年 (クロックワークス) 114/125分

解説
がんで余命2か月を宣告されたヒロインが、残された時間で家族を成長させようと奮闘し、より強い絆で結ばれていくさまを描く家族ドラマ。宮沢りえが家族を大きな愛で包み込む母親を、オダギリジョーがその夫を、杉咲花が娘を演じる。監督は自主製作で撮った 「チチを撮りに」 で国内外の映画祭で注目を浴びた中野量太。

ストーリー
銭湯・幸の湯を営む幸野家だったが、1年前、父・一浩(オダギリ ジョー)がふらっと出奔してから休業していた。母・双葉(宮沢りえ)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てている。ある日、双葉は余命わずかという宣告を受ける。それから双葉は、“絶対にやっておくべきこと”を決め、実行していく。それは、家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる、というものだった。双葉の行動によって、家族の秘密はなくなり、彼らはぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく。そして家族は、究極の愛を込めて母・双葉を送ることを決意する。




20-34. 柘榴坂の仇討 

監督 若松節朗
出演 中井貴一阿部寛広末涼子高嶋政宏真飛聖
2014年 (松竹) 119分

解説
歴史小説から現代劇まで幅広いジャンルを手掛ける浅田次郎の短編小説を、 「沈まぬ太陽」 の若松節朗監督が、中井貴一&阿部寛主演で映画化した人間ドラマ。主君を失い、切腹することを許されずにただ仇討を続ける男と、その最後のひとりの男との運命的な出会いが、江戸から明治へと移り変わる激動の時代を背景に描かれる。

ストーリー
安政七年三月三日、江戸城桜田門外で大老の井伊直弼(中村吉右衛門)が襲撃され殺害される。主君を守り切れなかったことを悔やんでも悔やみきれない彦根藩士・志村金吾(中井貴一)のもとに、仇を討てとの藩命が下る。明治の世になり時代が大きく変わっても武士としての矜持を持ち敵を探し続ける金吾。一方水戸浪士・佐橋十兵衛(阿部寛)は井伊直弼殺害後、俥引きに身をやつし孤独の中に生きていた。そして明治六年二月七日、仇討禁止令が布告される……。





20-35. ルパン三世 DEAD OR ALIVE 

監督 モンキー・パンチ
出演 栗田貫一小林清志井上真樹夫増山江威子納谷悟朗
1996年 (東宝) 97分

解説
息もつかせぬスリルとアクションで人気の大ヒットシリーズ・アニメーション 「ルパン三世」 の最新劇場版第6作。謎の秘宝が眠る絶海の巨大要塞に挑むルパンとその仲間の活躍が描かれる。今回は原作者でもあるモンキー・パンチがシリーズ史上初めて監督にも挑戦し、原作の持っているハードボイルドなエッセンスを全面に押し出した、クールなルパン像を造形している。脚本は前作 「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」 に続いて柏原寛司がつとめた。前作から故・山田康雄に代わってルパンの声をつとめている栗田貫一のほか、小林清志、納谷悟朗らレギュラー声優陣が勢揃いしている。

ストーリー
ズフ共和国の沖合に浮かぶ巨大な漂流島に財宝が眠っていることをつかんだルパンは、次元と五ェ門とともにズフに潜入し、独裁者・首狩り将軍の娘で漂流島の事情を知るエメラを奪うと予告する。ズフを訪れていた銭形は、エメラの身代わりをたててルパンの居所をつきとめたが、ルパンのアジトを急襲した軍隊は、銭形を無視してルパンに総攻撃をかけた。エメラの身代わりとなっていた国家警察の秘密工作員・オーリは、死んだ前の国王の息子・パニシュのかつての恋人だった。パニシュの写真を見たルパンは、町で彼を見かけたとオーリに告げる。しかし、パニシュは国王に背いた罪で2年前に殺されており、オーリは全く信じなかった。攻撃をかわしたルパンたちは、オーリを置いて逃げていく。ルパンの言葉が気になったオーリは、パニシュの情報を求めて町をさまよい歩き、死んだはずの彼の姿を見つけた。パニシュは首狩り将軍を倒すためのレジスタンスを組織していた。パニシュが国王に背いたというのは国を乗っ取るための口実で、実際は将軍が国王とパニシュを殺したのだ。パニシュが生きのびていたことを知った将軍は、財宝の秘密を握るただひとりの人間であるパニシュを、生きて捕らえるよう側近・クライシスに命じる。一方ルパンは、将軍に取り入って情報を盗み出してきた不二子と合流し、漂流島の防御システムの秘密を解析していた。オーリを人質にパニシュをおびき寄せた将軍は防御システムの内側に入り込むが、パニシュは実は変装したルパンだった。将軍を倒して漂流島の財宝を手に入れたルパンたちは、銭形の追跡を振り切ってズフを後にした。





20-36. 鉄コン筋クリート 

監督 マイケル・アリアス
出演 二宮和也蒼井優伊勢谷友介宮藤官九郎田中泯
2006年 (アスミック・エース) 111分

解説
ピンポン」 の大人気漫画家・松本大洋の原作を、 「アニマトリックス」 のプロデューサー、マイケル・アリアスが映像化。性格の異なる少年2人の友情を絡めた冒険アニメ。

ストーリー
取り残された様に周囲から孤絶した街“宝町”。二人組のストリートギャング、クロ(二宮和也)とシロ(蒼井優)は、盗みやカツアゲを生業にこの街で自由を謳歌していた。クロとシロ、昔気質のヤクザ、そして地元警察がそれぞれに衝突を繰り返しつつこの街に安定をもたらしていたが、新興の開発業者“蛇”がレジャー施設の開発計画に着工した事でこの均衡は崩れ始める。“蛇”は開発の邪魔になるクロとシロを排除する為に、三人組の殺し屋を送り込む。クロはその内の一人を返り討ちにするが、シロは瀕死の重症を負わされてしまった。弟分のシロを守れなかった事で自分を責めるクロは、一命を取り留めたシロを安全の為に警察に引き渡す。クロに捨てられたと思い込み次第に正気を失って行くシロは、いつかこの街を出てクロと一緒に海辺に移住する未来を夢見始める。クロは殺し屋の追跡をかわしつつ開発計画に攻撃をしかけるが、いよいよ殺し屋に追いつめられてしまう。クロが殺されようとするその刹那、悪鬼“イタチ”が現れて殺し屋を抹殺した。クロは、仲間になれと言うイタチに取り込まれそうになる。イタチは幼くして世界に絶望していたクロの心が生み出した分身だった。クロが戻ってくるのを待ちわびるシロ。二人は再び一緒になれるのだろうか……。





20-37. 踊る大捜査線 THE MOVIE 

監督 本広克行
出演 織田裕二柳葉敏郎深津絵里いかりや長介水野美紀
1998年 (東宝) 119分

解説
織田裕二主演で人気を博した刑事ドラマの劇場版。監督はドラマの演出を務めた本広克行。猟奇殺人、警視庁副総監誘拐、署内窃盗という3つの事件が同時に発生。織田裕二が扮する青島俊作刑事、深津絵里扮する恩田すみれ刑事など湾岸署捜査陣の活躍を描く。

ストーリー
お腹に熊のぬいぐるみを詰められ川に委棄された男の殺人事件と、刑事課のデスクから領収書や小銭入れなどが盗まれる窃盗事件の捜査で慌ただしい湾岸署に、その日、警察庁参事官の室井を筆頭とした本庁の面々が物々しい装備でやって来る。彼らは湾岸署に特別捜査本部を設置。実は、湾岸署管轄内に住む警視庁の吉田副総監が身代金目的の誘拐にあっていたのだ。本庁の連中は秘密裡に捜査を進めるばかりで、一切湾岸署には協力を求めようとはしない。そんな彼らのやり方に腹を立てながらも、青島たち湾岸署の刑事は殺人事件の捜査に躍起になっていた。真下刑事と捜査講習を終えたばかりの桂木刑事によって、被害者がインターネットで仮想殺人のホームページに頻繁にアクセスしていたことを知った青島は、そのホームページの開発者・テディとの接触を図る。同じ頃、室井たちは誘拐犯との身代金の受け渡しを実行に移そうとしていた。ところが、指定された遊園地に刑事たちを配備していたことが犯人グループに知られてしまい、計画は失敗。指揮を執っていた室井は、辛い立場に追い込まれる。一方、青島たちも実はテディと名乗る人物が女であることを突き止めながら、彼女を取り逃がしてしまうのであった。湾岸署内に重い空気が垂れ込める。そんな中、吉田副総監と懇意であった和久は、独自の聞き込みを開始していた。誘拐犯グループから、副総監殺害を予告する電話が入った。室井たち本庁捜査陣は、仕方なく公開捜査に切り替え、青島たち湾岸署の刑事たちにも検問などの出動命令を下す。その時、湾岸署に拳銃を持ったテディこと殺人マニアの日向真奈美が姿を現した。不適な笑みを浮かべる彼女は、殺人を犯した自分を早く逮捕し、死刑台へ連れて行けと言う。ひとりの警官の活躍で彼女を逮捕することに成功する青島。だが、その警官は制服を巧みに使用して、所内で領収書以外の小銭入れなどの窃盗を働いていた犯人でもあったのだ。こうして湾岸署の事件は一件落着する。しかし、誘拐犯の方は未だなんの手がかりも得られていない。その時、青島は日向に事件を解くヒントを貰うことを思いつく。犯罪に詳しい彼女なら、犯人像のヒントをくれるはずだ。果たして青島の予想通り、日向は脅迫電話の録音テープから犯人グループは実は計画性のない幼稚な者たちの仕業であると教えてくれた。同じ頃、副総監の家の周りの聞き込みをしていた和久が、怪しい少年の存在に目を光らせていた。ところが、その少年の後をつけた和久は少年とその仲間に襲われ、ゴミ焼却場に拉致されてしまう。日向のヒントを頼りに、殺人マニアのチャット仲間から未成年者を探っていた青島たちは、やがてその中に坂下始という少年の名前を見つける。そして、その少年の住む団地のゴミ焼却場で和久を助けると、恩田と共に少年の家に乗り込んだ。果たして、そこにはゲーム感覚で誘拐を企てた少年たちが集まっていた。彼らを逮捕しようとする青島。ところが、少年を溺愛する母親が青島を包丁で刺してしまった。後から駆けつけた室井と恩田は、青島を病院に運ぼうと必死に車を走らせる。恩田の膝の上で虫の息の青島。やがて、静かになった青島は…、ふたりの心配をよそにそれまでの寝不足から深い眠りについていたのであった。こうして、副総監誘拐事件は解決。領収書窃盗の犯人も、実は経費削減を訴える神田署長の仕業であることが判明して、湾岸署には平和が戻る。一方その頃、怪我で入院していた青島は、一日も早く現場へ復帰すべくリハビリに余念がなかった。




20-38. 早春 (Early Spring)  

監督 小津安二郎
出演 池部良淡島千景浦辺粂子田浦正巳宮口精二
1956年 (松竹) 144分

解説
東京物語」 のコンビ、野田高梧と小津安二郎が脚本を書き、同じく小津安二郎が監督、 「水郷哀話 娘船頭さん」 の厚田雄春が撮影を担当した。主なる出演者は 「乱菊物語」 の池部良、 「チャッカリ夫人とウッカリ夫人 (夫婦御円満の巻)」 の淡島千景、 「君美しく」 の高橋貞二、 「白い橋」 の岸恵子、 「若き潮」 の笠智衆、田浦正巳、 「彼奴を逃すな」 の宮口精二(文学座)、随筆家の菅原通済など。

ストーリー
杉山正二は蒲田から丸ビルの会杜に通勤しているサラリーマンである。結婚後八年、細君昌子との仲は倦怠期である。毎朝同じ電車に乗り合わせることから、いつとはなく親しくなった通勤仲間の青木、辻、田村、野村、それに女ではキンギョという綽名の金子千代など。退社後は麻雀やパチンコにふけるのがこのごろでは日課のようになっていた。細君の昌子は毎日の単調をまぎらすため、荏原中延の実家に帰り、小さなおでん屋をやっている母のしげを相手に、愚痴の一つもこぼしたくなる。さて、通勤グループとある日曜日江ノ島へハイキングに出かけたその日から、杉山と千代の仲が急速に親しさを増した。そして杉山は千代の誘惑に克てず、ある夜、初めて家をあけた。それが仲間に知れて、千代は吊し上げを食った。その模様を千代は杉山の胸に縋って訴えるが、杉山はもてあますだけであった。良人と千代の秘密を、見破った昌子は、家を出た。その日、杉山は会社で、同僚三浦の死を聞かされた。サラリーマンの生活に心から希望をかけている男だっただけに、彼の死は杉山に暗い後味を残さずにはいなかった。仕事の面でも家庭生活の上でも、杉山はこの機会に立ち直りたいと思った。丁度、地方工場への転勤の話も出ていることだし、千代との関係も清算して田舎へ行くのも、一つの方法かも知れない。一方、昌子は家を出て以来、旧友の婦人記者富永栄のアパートに同居して、杉山からの電話にさえ出ようとしなかった。杉山の赴任先は岡山県の三石だった。途中大津でおりて、仲人の小野寺を訪ねると、小野寺は「いざとなると、会社なんて冷たいもんだし、やっぱり女房が一番アテになるんじやないかい」といった。山に囲まれたわびしい三石に着任して幾日目かの夕方、工場から下宿に帰った杉山は、そこに昌子の姿を見た。二人は夫婦らしい言葉で、夫婦らしく語り合うのだった。





20-39. ナミヤ雑貨店の奇蹟 

監督 廣木隆一
出演 山田涼介村上虹郎寛一郎林遣都成海璃子
2017年 (KADOKAWA=松竹) 129分

解説
東野圭吾原作のベストセラー小説をHey!Say!JUMPの山田涼介主演で映画化したファンタジー。ある日、かつて悩み相談を受ける事で知られた雑貨店に忍び込んだ少年たちが、突然投函された悩み相談の手紙に返事を書く事で、雑貨店の秘密、相談者と自分たちの共通点に気付いていく姿が描かれる。雑貨店の元店主を西田敏行が演じる。

ストーリー
2012年のある夜、敦也、翔太、幸平の幼馴染同士3人は、以前ナミヤ雑貨店があった廃屋に忍び込む。かつてナミヤ雑貨店は悩み相談を受けることで知られていたが、もう廃業してしまった。中には3人のほか誰もいないはずだが、突如シャッターの郵便口から手紙が落ちてくる。その手紙は32年前に書かれた悩み相談で、3人は戸惑いつつ、当時の店主・浪矢雄治に代わり返事を書くことに。手紙のやり取りをするうちに、雑貨店の秘密や、相談者たちと敦也たちの共通点が浮かび上がり、思わぬ奇蹟が起きる。




j20-40. 居酒屋ゆうれい

監督 渡邊孝好
出演 萩原健一山口智子室井滋三宅裕司西島秀俊
1994年 (東宝) 110分

解説
街のはずれにある小さな居酒屋を舞台に、主人と新妻、ユーレイとなった前の妻が繰り広げる恋を描くコメディ。山本昌代の同名小説(河出書房新社・刊)をもとに、 「エンジェル 僕の歌は君の歌」 の渡邊孝好が監督。脚本は 「夏の庭 The Friends」 の田中陽三、撮影は藤沢順一が担当。94年度キネマ旬報日本映画ベストテン第3位、同読者選出日本映画ベストテン第3位。

ストーリー
居酒屋「かづさ屋」の主人・壮太郎は妻・しず子が息を引き取る前に、決して再婚はしないと約束したのに、それを破ってしまった。兄の豊造夫婦の強引な勧めで見合いをした相手の里子にクラッときて、一緒になったのだ。ところが、しず子はそれを恨んでこの世に戻って来た。あなた、やっぱり嘘をついたのね、と壮太郎を問い詰める幽霊・しず子。オレはおまえも確かに愛していたけど、里子も愛しているんだ、という壮太郎の胸のつぶやきも、しず子には通じない。彼をめぐって、この世の女とあの世の女が壮絶な戦いを繰り広げることとなり、「かづさ屋」は壊滅状態に。とはいっても、他人の眼にはしず子は見えず、「かづさ屋」は若い美人のおかみさん目当ての客が増えて毎晩大にぎわいとなる。幼ななじみのバクチ打ちの辰夫、三河屋酒店の幸一、魚春のオヤジ、家族を捨て蒸発した佐久間、父を探し歩く娘…そんな人間たちが束の間の寂しさを忘れるために集まる、溜まり場となっていった。一方、ユーレイ騒動に疲れた壮太郎と里子は、寺へ相談に行く。和尚は幽霊画の掛け軸を2人に渡しながら、あの世とこの世との出入り口になっている掛け軸の絵の中に幽霊を入れてしまえばもう悩まされることはないと言うのだが、計画は失敗し、壮太郎は掛け軸をうっかり電車の中で盗まれてしまう。しず子の復讐が始まった。彼女は里子の体に乗り移り、壮太郎を誘惑する。ところが、さらに事態は急転し、辰夫が別れた妻子とヨリを戻す心機一転のためと、借金をして野球のナイター戦の賭けをしてしまう。また里子は昔の恋人でヤクザの杉本から呼び出しを受け、行方をくらましてしまった。壮太郎は辰夫のために、しず子に懇願してナイター戦の結果を前もって教えてもらう。それを教えることはしず子にとってはこの世にいられなくなることだったが、彼女は壮太郎にナイター結果を教え、また里子を杉本の手から救う。どこかでしず子が見守る中、壮太郎のもとに里子も帰って来た。





20-41. 関ヶ原 

監督 原田真人
出演 岡田准一有村架純平岳大東出昌大役所広司
2017年 (東宝=アスミック・エース) 131/149分

解説
戦国史上最大の合戦である関ヶ原の戦いを描いた司馬遼太郎のベストセラー小説を岡田准一、役所広司ら実力派俳優の共演で映画化した時代劇。正義で世の中を変えようとする石田三成や、天下取りの野望を抱く徳川家康ら、武将たちそれぞれの思惑がつづられる。監督は人間ドラマの描写に定評のある原田眞人。

ストーリー
1600年10月21日、長く混迷を極めた戦国時代を終わらせ、その後の日本の支配者を決定づけた戦国史上最大の天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”は、たった6時間で決着した。石田三成(岡田准一)は豊臣家への忠義から立ち上がり、圧倒的に有利と言われた西軍を率いて合戦に挑んだ。しかし、権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康(役所広司)に敗北を喫する。そして、命懸けで三成を守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない淡い恋の行方は……。





20-42. 世界の中心で、愛をさけぶ 

監督 行定勲
出演 大沢たかお柴咲コウ長澤まさみ森山未來山崎努
2004年 (東宝) 138分

解説
片山恭一のベストセラー小説を、大沢たかお、柴咲コウ主演で映画化。原作で描かれた恋人の死に対峙する高校生時代に、成長した主人公の現在の恋を織り交ぜてつづる。

ストーリー
婚約者である律子が、引っ越しの荷物の中から偶然見つけた1の古いカセットテープを持って、突然失踪した。彼女の行き先が自分の故郷・四国の木庭子町であることを知った朔太郎は、彼女の後を追って故郷へと向かうが、そこで彼は高校時代のある記憶を辿り始める。それは、初恋の人・亜紀と育んだ淡い恋の想い出。しかし、その亜紀はやがて白血病で倒れ、辛い闘病生活を強いられてしまう。そして、次第に弱っていく彼女を見て、自分の無力さを嘆くしかない朔太郎は、彼女の憧れの地であるオーストラリアへの旅行を決行するのだが、折からの台風に足止めをくらいふたりの願いは叶わず、空港で倒れた亜紀は、その後、還らぬ人となるのだった……。そんなふたりの関係に、実は律子が関わっていた。入院中、朔太郎と亜紀はカセットテープによる交換日記のやり取りをしていたのだが、その受け渡しを手伝っていたのが、亜紀と同じ病院に母親が入院していたまだ小学生の律子で、彼女の失踪もそれを自身で確かめる為だったのである。果たして、亜紀の死やテープを届けていた相手が現在の恋人である朔太郎であったことを知った律子は、自らも事故に遭ったせいで渡せなかった“最後のテープ”を迎えに来た朔太郎に渡す。それから数日後、約束の地・オーストラリアへと向かった朔太郎と律子は、最後のテープに録音されていた亜紀の遺志を叶えるべく、彼女の遺灰を風に飛ばした。





20-43. 踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! 

監督 本広克行
出演 織田裕二柳葉敏郎深津絵里水野美紀ユースケ・サンタマリア
2003年 (東宝) 138分

解説
テレビの人気ドラマを映画化し、日本映画史上に残る大ヒットを記録した前作から5年、待望の続編が登場。観光客でにぎわうお台場を舞台に、現場で闘い続ける刑事たちの姿を涙と笑いでつづる痛快作だ。

ストーリー
あれから5年、空き地だらけだったお台場はいくつものビルが建ち並び、おしゃれなスポットで埋め尽くされた一大観光地へと変貌した。湾岸署では、道案内や迷子、交通整理などあふれる観光客相手の地味な業務に忙殺されていた。そんな時、久々に青島らを奮い立たせる凶悪事件が立て続けに発生、さらには猟奇的な殺人事件まで起き、ついに湾岸署に特別捜査本部が設置された。特捜本部長には初の女性キャリア沖田が任命され、室井がそのサポートに就くことに。しかし、青島らの必死の捜査もむなしく、第2の殺人事件が発生してしまう……。






20-44. 未来のミライ 

監督 細田守
出演 上白石萌歌黒木華星野源麻生久美子吉原光夫
2018年 (東宝) 98分

解説
甘えん坊の4歳の男の子、くんちゃんと未来からやってきた妹のミライちゃんが繰り広げる奇想天外な冒険を描く、細田守監督によるSFファンタジー・アニメーション。くんちゃん役の上白石萌歌、ミライちゃん役の黒木華ら、実力派俳優たちが声優を務める。福山雅治が主題歌だけでなく、くんちゃんに大きな影響を与える青年役で声優にも挑戦する。

ストーリー
とある都会の片隅にある、小さな庭に小さな木が生えた小さな家。ある日、4歳の甘えん坊、くんちゃん(声:上白石萌歌)の前に、生まれたばかりの妹がやって来る。両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うくんちゃん。そんな時、くんちゃんは庭で自分のことを“お兄ちゃん”と呼ぶセーラー服の少女と出会う。それは、未来からやってきた妹のミライちゃん(声:黒木華)だった。ミライちゃんに導かれ、時を越えた家族の物語へと旅立つくんちゃん。それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりだった。行く手に待ち受けていたのは、見たこともない世界。昔、王子だったと名乗る謎の男や幼い頃の母、そして青年時代の曽祖父との不思議な出会い。そこで初めて知る様々な“家族の愛”の形。果たして、くんちゃんが最後に辿り着いた場所とは?ミライちゃんがやってきた本当の理由とは……?




20-45. ひばり捕物帖 かんざし小判

監督 沢島正継
出演 美空ひばり堺駿二松風利栄子星十郎尾上鯉之助
1958年 () 85分

解説
小説の泉に連載された瀬戸口寅雄の原作から、彼自身と中田竜雄が脚色し、 「江戸の名物男 一心太助」 の沢島忠が監督した。撮影は 「緋ざくら大名」 の松井鴻。主演は 「丹下左膳(1958)」 の美空ひばりに東千代之介、それに里見浩太郎。色彩はイーストマン東映カラー。

ストーリー
老中阿部伊予守の妹妙姫は姫様暮しをきらって、十手をあずかり阿部川町のお七と名乗った。彼女が選ばれた江戸美人番附の行列の最中、その一人が殺され、かんざしが盗まれた。お七は手下の五郎八を連れて、方々を調べ、それが桜とほられた古渡りの品と知った。その途中、兵馬という酔っぱらいの喧嘩屋の浪人と知合った。新橋の芸者清葉が殺されこれもかんざしを盗られた。梅のかんざし。彼の兄は源次といい、大泥棒稲葉小僧の一味だった。彼らが松永藩邸から盗みだしたのが例のかんざしだ。三本一組。それで、松永藩の財宝のありかが判る。もう一本は源次の妹お菊が所在を知っている。お七は釈放された源次が連れさられた那須刑部の町道場へ忍びこみ、これだけ知った。那須は松永藩家老志垣の手下だ。志垣の娘澄江の好きな田宮は、お家のためと志垣に協力している。その実、志垣は私服を肥すためにやっている。宝が手に入る目鼻がつくと、田宮は志垣の手下に斬られかけたが、兵馬が救った。お七は兄の助けを借り、将軍家御内室の使いになり澄し、捕えられていたお菊を助け出した。もう一本のかんざしは女歌舞伎の小春太夫が−−。志垣一味が襲ってきたとき、お七が小春の身代りに舞っていた。乱闘。兵馬も駈けつけた。捕手もかけつけ、遂に伊予守も乗り込んできた。志垣一味は縛につき、事は決着した。松永家の財宝は貧民に分け与えることになった。兵馬は公儀の隠密だったのだ−−。また昔の町娘姿に返ったお七と兵馬が寄りそいながら、初めて逢った土手を遠くなって行った。−−唄いながら、笑いながら。




20-46. 万引き家族  

監督 是枝裕和
出演 リリー・フランキー安藤サクラ松岡茉優樹木希林城桧吏
2018年 (ギャガ) 120分  (PG12)

解説
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いた、是枝裕和監督による人間ドラマ。祖母の年金を頼りに、足りないものを万引きで賄っている一家が、ひとりの少女を迎え入れたのを機にバラバラになっていくさまがつづられる。一家の主をリリー・フランキー、その妻を安藤サクラが演じるなど、個性派たちの熱演が物語をより一層味わい深いものにしている。

ストーリー
再開発が進む東京の下町のなか、ポツンと残された古い住宅街に暮らす一家。日雇い労働者の父・治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、生活のために“親子”ならではの連係プレーで万引きに励んでいた。その帰り、団地の廊下で凍えている幼い女の子を見つける。思わず家に連れて帰ってきた治に、妻・信代(安藤サクラ)は腹を立てるが、ゆり(佐々木みゆ)の体が傷だらけなことから境遇を察し、面倒を見ることにする。祖母・初枝(樹木希林)の年金を頼りに暮らす一家は、JK見学店でバイトをしている信代の妹・亜紀(松岡茉優)、新しい家族のゆりも加わり、貧しいながらも幸せに暮らしていたが……。





20-47. 竜馬を斬った男 (The Man Who Assassinated Ryoma)

監督 山下耕作
出演 萩原健一藤谷美和子根津甚八坂東八十助中村れい子
1987年 (松竹富士) 98/109分

解説
幕末、幕府に任え坂本竜馬を斬った幕士・佐々木只三郎の半生を描く。早乙女貢原作 「竜馬を斬った男」 の映画化で脚本は 「夜叉」 の中村努、監督は 「夜汽車」 の山下耕作、撮影は 「吉原炎上」 の森田富士郎がそれぞれ担当。

ストーリー
攘夷の動きが活発になっていた文久三年、幕士・佐々木只三郎は老中・板倉伊賀守の命により、攘夷浪士二十数名を処刑した。只三郎は八重と祝言をあげて間もなく、京都見廻組組頭に着任。新撰組が池田屋を襲った夜、只三郎が追った浪士はかつて故郷の会津で共に学んだ亀谷喜肋だった。そのときは無理に追うことはせず刀を納めた。翌日、只三郎は坂本竜馬と再会。初めて会ったときはどういう人物かよく知らなかったが彼は竜馬に不思議な魅力を感じた。しかし、只三郎は板倉から薩長連合を企てる首謀者の竜馬を斬るよう命じられる。複雑な思いで盃をかたむけていた只三郎は、芸奴・小栄と出会い、そこに江戸に残した妻・八重の面影を見た。久しぶりに気持よく酔った只三郎は、帰り道で喜助に襲われたが、彼が喜助を追いつめて見たものは、かつて自分の許嫁だったぬいの夜鷹となった姿だった。その場を逃がれた喜助はぬいに京を出ようとすすめられるが頑として受けつけなかった。彼はなんとしても勤王の志士となり、只三郎を見返してやりたかったのである。仕事には忠実ながら日に日に冷徹な人斬りとなっていく只三郎。彼は上様御用人・原市之進が斬られたのを機に薩長の息の根を止めようとはやるが、実兄の会津藩士・手代木直右衛門から幕府の大政奉還の意向を聞かされ憤然とする。幕府はこれ以上の混乱を避けようとしているのだ。挫折感に打ちひしがれる只三郎は次第に薩長連合を成立させた時代の窮児ともいうべき竜馬に対し、嫉妬と憎悪の念を燃やしていく。狂ったように竜馬を追い求める只三郎は慶応三年十一月十五日、中岡慎太郎と共に河原町の近江家に逗留している竜馬を斬った。しかし、その直後彼自身かねてから自分をつけ狙っていた喜助に襲われて差し違えてしまう。




20-48. 踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 

監督 本広克行
出演 織田裕二深津絵里ユースケ・サンタマリア伊藤淳史内田有紀
2010年 (東宝) 141分

解説
「踊る大捜査線」 シリーズの劇場版3作目。係長になった青島刑事が、新湾岸署への引越し中に起きた難事件に巻き込まれる姿を描く。小栗旬、伊藤淳史らニューフェイスの活躍にも期待。

ストーリー
湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。お台場は外国からの要人が降り立つ空港が近く、高速道路や変電所などのライフラインもあるため、テロリストの格好の標的となっていた。その対策として、湾岸署は高度なセキュリティシステムが導入された新湾岸署への引越しを決定。その業務を一任されたのは、強行犯係係長に昇進した青島俊作(織田裕二)であった。新湾岸署の開署式まであと3日と迫る中、青島は部下の篠原夏美(内田有紀)や和久伸次郎(伊藤淳史)らとともに大張り切りで引越し作業に取り組んでいた。だが、その引越しの真っ最中に、湾岸署内で次々と事件が発生。金庫破りやバスジャック、さらには、青島や恩田すみれ(深津絵里)らの拳銃が3丁盗まれ、連続殺人事件へと発展していく。湾岸署には特別捜査本部が設置され、管理補佐官の鳥飼誠一(小栗旬)とともに青島は捜査を開始。しかし、必死の捜査もむなしく遂には湾岸署が占拠されてしまう。開署式を翌日に控え、青島ら湾岸署員は被疑者を確保することができるのか……。