学習書●[情報処理]



ウィンドー
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http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/Literacies/shell.html


シェル ヒューマンインタフェース カーソル ウィンドー ビュア/エディタ アイコン マーク 切り貼り 引き卸し メニューバー プルダウン キーボード IM



インタフェース


 現代のほとんどのコンピュータは、モニタスクリーンに見立て、そこにウィンドーアイコンメニューバーを並べ、これをマウスタッチパッドと連動するカーソルで動かしながら操作するようになっている(▽図)。




3枚のウィンドー+(その内外を合わせて)6個のアイコン+メニューバーが見える

 ウィンドーアイコンは、形代としてファイルディスクなどの実体と対応している。つまり、ウィンドーアイコンを操作すれば、それに対応しているファイルの内容やディスクの方も変化するようになっている(単元[ファイル]で学習する)。

 本来のコンピュータは、電気や磁気の信号のやり取りを通じてしか操作できない。だから、コンピュータを使おうとしている人とコンピュータとの間には、ウィンドーやアイコンを表示したり、それを通じて操作を受け入れたりしてくれる仲立ちが必要だ。そのためのソフトウェアを(ヒューマン)インタフェース(<human interface。またはman-machine interface、user interface)という。インタフェースの機能は、シェル(shell)というソフトウェアを中心に、多くのソフトウェアの連携によって実現されている。
 コンピュータに限らず、どんな道具にも、それとそれを使う人との間でものエネルギ情報をやり取りするためのインタフェースの機能が備わっている。
 現在のように、ウィンドーやアイコンを実際の情報やファイルに見立てて操作できるように作られているインタフェースは、特にグラフィカルインタフェース(<graphical interface)と呼ばれている。グラフィカルインタフェースが広く使われるようになってきたのは84年にMacOS(当時はSystemと呼ばれていた)が発表されてからで、それまで、ほとんどのパーソナルコンピュータはキャラクタ(<character≒文字)の読み書きを通じてコンピュータを操作するキャラクタインタフェース(<character-base interface。またはtext-base interface)だけしか装備していなかった。


カーソル


 グラフィカルインタフェースでは、文字や音符やファイルなどを操作するために、使っている人の手が動くとおりにスクリーンの中で動く形代が必要になる。これをカーソル(<cursor=指示器)という。
 カーソルは、ふつうは小さい矢印の形をしているが、場合によってキャレット、小さい十字などに形が変わり、その時々にどんな作業ができるのか見て分かるようになっている(▽図)。



カーソルの形 (左から順に)矢印 キャレット 十字

 カーソルを動かすのには、おもにマウス(mouse。▽図)が使われる。マウスを前後左右に動かすと、それにつれてカーソルも上下左右に動くようになっている。スクリーンの中で何かを押さえたり叩いたりしたい場合は、マウスについているボタンを代わりに押さえたり叩いたりすればいい。



マウス

 マウスを使うには机が必要になるので、ノート機では代わりにタッチパッド(<touchpad)やトラックボール(<tracker ball。資料[トラックボール])が使われる。



トラックボール
(文献[大谷]より引用)

 絵を描く場合にはタブレット(<tablet)を使うことがある。


ウィンドー


 モニタの前面の、表示ができる面をスクリーン(screen。資料[スクリーン])という。グラフィカルインタフェースは、スクリーンにいくつものウィンドーを並べて使う(資料[ウィンドー])。ウィンドーが開いていない部分にも、アイコンなどが並んでいる。この部分をという。
 ウィンドーは、ガラスに当たる部分とからできている。ウィンドーの種類によっては、ガラスがさらにいくつかに分かれている場合もある。その一つずつをペーンという。
 ウィンドーには紙のウィンドーと箱のウィンドーがある。紙のウィンドーの向こうには、ガラスの向こうには、読み書きしようとしている文章や楽譜などの内容が見える。箱のウィンドーからは、作業に必要な道具が並んでいたり、絵筆の太さなど、道具の機能を調節するつまみが置いてあるのが見える。



紙のウィンドー(左) + 箱のウィンドー

 紙のウィンドーには、情報を見るためのビュア(<viewer。またはブラウザ<browser)というウィンドーと、情報を新しく書き下ろしたり書き直したりするためのエディタ(<viewer。またはビルダ<builder)というウィンドーとがある。ビュアで見ている情報は書き変えることができない。

 ウィンドーの枠にはいろんな表示とボタンが取りつけてある。上枠には、何が見えるウィンドーなのか区別できるように、表題が書いてある。紙のウィンドーで、見ているのが何かのファイルの内容なら、ここにはファイルの名前が表示されている。
 ウィンドーは、ほかのウィンドーと見比べやすくするため、ずらしたり、大きさを変えたりすることができる。細かい操作はシェルの種類によって違うが、枠を引っぱったり叩いたり、枠についている特別なボタンを叩いたりして操作するようになっている。
 内容が多いのにウィンドーが大きくできない場合、内容が一部しか見えなくなってしまうので、ウィンドーの向こうの紙(または紙を撮しているカメラ)を上下左右にずらすことができる。この操作をスクロール(scroll)という。


アイコン


 ファイルディスク(シェルの種類によってはドライブ)、コネクタなどを形代として表示したものをアイコン(icon。イコンと同じ語句)という。
 アイコンを2回続けて叩くと、そのアイテムを読み書きするのに最もふさわしいとOSが判断したアプリが起動して、そのアイテムの内容を表示するウィンドーが開く。

 アイテムの内容を表示するたびに、コンピュータの上で走るアプリが増えていき、コンピュータの負担が増えていく。これが限界を超えると、コンピュータは機能できなくなってしまう。それを防ぐためには、いらなくなったアプリは必ず終了させておくようにしなければいけない。

 また、アイコンをほかのアイコンに重ねると、上のアイコンの実体を下のアイコンの実体の中に入れたことになる。たとえば、ファイルアイコンをごみ箱のアイコンに乗せると、そのアイコンが表わすファイルを捨てたことになる。ディスクアイコンに重ねると、ファイルが複写されてそのディスクに書き込まれる。



アイコン
(左から順に)ファイル フォルダ ディスク ごみ箱 アプリ


メニュー


 メニュー(menu)はメニューバーといくつかのプルダウンとからできている。
 スクリーンの上の端(シェルの種類によってはウィンドーの上枠の下)の部分には、すぐにできる処理を分類した見出しが並んでいる。これをメニューバー(menu bar)という。
 メニューバーの見出しの一つを選んで押さえたり叩いたりすると、その下に、そこに分類されている処理の見出しが並んだものがあらわれる。これをプルダウン(pulldown menu)という。プルダウンの中から見出しを選んで放すと(または叩くと)、その処理が実行されるようになっている。



メニューバープルダウン

 メニューバープルダウンの見出しは、壁やウィンドーの中に表示されているもののうちのどれにマークがついているかによって、必要なものだけが表示されるように変化する。
 プルダウンの見出しの中には、そこにカーソルを乗せるとさらに左右に細かい見出しが並ぶものもある。こんな場合は、さらにその中から一つを選ぶ必要がある。


マーク


 ウィンドーの内容の途中にカーソルを当ててそのまま押さえて引っぱると、引っぱった範囲の色が変わって見える。これをマーク(mark)という。マークをつけると、そこに対していろんな処理を施すことができる。







マーク
(順に)アイテム テキスト 写真

 マークをつける機能については、対象の種類に応じて、ほかにもいろんな操作や効果が準備されている。

 複雑な形にマークをつけたい場合は、一度にはできないので、少しずつ増やしたり、減らしたりしながらマークをつけることができるようになっている場合もある。


切り貼り 引き卸し


 メニューバーには必ず[編集]という分類があり、その下のプルダウンには[切り取り](Cut)、[写し取り](Copy)、[貼り込み](Paste)の項目がある。
 どこかにマークをつけてから、メニューバープルダウンを使って切り取りをさせると、その部分を剥がし取ることができる。ただし、取り除いたものはクリップボード(clipboard)という見えないウィンドーのようなものに書き写されてしばらくは残っている。この状態で、どこかにまたマークをつけて貼り込みをさせると、そこに切り取った内容が貼り込まれる。
 写し取りは、剥がし取らないでただクリップボードに書き写させる。貼り込みは何回でも繰り返してできるから、切り取り/写し取りと組み合わせて、似たパタンを何回も繰り返すためのもとを作りたい場合に役に立つ。
 このような、切り取り、写し取り、貼り込みを組み合わせた操作を切り貼り(copy and paste)という。

 マークがついている部分の一部にカーソルを当ててそのまま引っぱって、少し動かしてから手を放すと、マークをつけた部分をそこまでずらすことができる。さらに、キーボードの特別なキー(マックなら[option]、ウィンなら[ctrl])を押さえながら同じ操作をすると、複写を新しく作らせてそれだけをずらすことができる。これらの操作を引き卸し(drag and drop)という。


キーボード


 キーボード(keyboard)は、作文をするために文字を打ち込むのに使う。計算をさせたい場合に数字として数を打ち込むのにも使う。
 キーボードにはキー(key)が並んでいる。その一つを打つと(押してはいけない)、作文していたりファイル名を指定しようとしたりしている場合なら、あらかじめマークしておいた場所に打った字が現われるようになっている。
 多くのキーボードは、三つの部分に分かれている。



キーボード

 数字、ABC、かなが並んだ一番個数が多い部分のグループをアルファキー(alpha-numeric key)という。ふつうはここを使う。大文字とその小文字、かなは、同じキーに最大で4重に割り当てられていて、特別なキーを押さえながら打つとか、特別なキーを打ってから打つとかして切り替えて使うようになっている。
 右端のグループをテンキーという(ノート機にはない)。テンキーは、数を打ち込むのに便利だが、計算のアプリ以外では、キーに書いてあるのとは違う特別な機能が振られていることがあるから、ほかのアプリでは使わない方がいいかもしれない。
 アルファキーの上には、[F1]〜[F12]の12個のキーが並んでいる(ない場合もある)。これを機能キーという。機能キーは、ふつうならウィンドーの操作ですることをもっと手早くできるように、処理を割り当てて使う。したがって、走っているアプリや持ち主によって、機能が違うことがある。
 このほか、訂正やカーソルの移動のためのキーがアルファキーから少し離れて固めて置いてあることもある。


漢字IM


 キーボードに並んでいるキーの個数では、漢字を打ち分けることができない。ふつうは、キーボードからは、漢字などが含まれる語句や文章の読みだけを打ち込んで、それをもとにどんな綴りを打ち込みたいのかコンピュータに判断させ、その中から使いたい綴りを選んで落とし込むようになっている。この処理は、OSの中の漢字IM(input method、打込み手段)という部分で共通に行なうようになっている。

 IMは、少し前まではFEP(front-end processor=前端処理系)とよばれていた。

 漢字IMが働いている時は、キーボードから打ち込んだ文字は、そのままマークの場所に入るのではなく、別の臨時のウィンドーの中に現われる。そして、綴りを推定させ、それがおかしかったら別の綴りを考えさせたり、読みの切り方がおかしかったらそれを直したりする。使いたい綴りが見つかったら、それを本来の位置に送り込ませる。キーボードと漢字IMを組み合わせると、いろんな文字を打ち込むことができる。

 

IMが働いていない(左)のと働いているのを区別する表示

 漢字に限らず、キーの個数ではすべての字の種類がカバーできない文字系(ハングルなど)を扱うためにはIMが必要になる。また、キーボードが打てない状況のために、キーボードからではなく、マイクから字の読みを話しかけて、その綴りを探させるIMも使われている。

 ABCと数字は、漢字IMを通さないで打った場合と漢字IMを通して打った場合とでは、見かけはよく似ていても、取り扱いの上では全く別の字になってしまう。
 漢字IMを通さないで打った文字でないと、国際的には通用しない場合がある(ウェブや電子メールのアドレスなど)ので、インタネットを使う場合には、ABCと数字についてはいつも漢字IMを通さないで打つようにした方がいい。





[演習]

演習の進め方をよく確認してからとりかかりなさい


宝貝

 宝貝の貝殻は、日本を含む古代の東アジアでは初期の貨幣として使われていたことが分かっている。なぜほかの貝殻やそのほかの自然物ではなく、宝貝が貨幣として選ばれたのだろうか。最も重要だと思われる理由を一つ見つけて、それを分かりやすく説明しなさい。

理由が見つかったと思ったら、その根拠にできる数値や記録を調べ出し、それに基づいて自分で考えなさい

報告例
穴見恭子 太田裕子 鈴木陽子 田中淳子


キャラクタインタフェース

 グラフィカルインタフェースよりもキャラクタインタフェースの方が勝れている点を一つ取り上げて、その違いがなぜ生まれるのかとか、その違いによってどんなことができたりできなかったりするのかなどについて説明しなさい。

自分で考えなさい

ヒント

報告例
大場悠司 持田興太


線描画

 コンピュータを使った描画システムでは、絵筆の代わりにマウスタブレットなどの装置が使われている。最近のタブレットは描線の太さや濃さの変化を受け入れる機能を備えるようになったが、マウスは原理的な制約からそうした機能をもつことができない。そのため、描画システムの操作インタフェースについては、マウスの代わりにタブレットを使うことが多い。
 ところで、絵を描く技法の中には、描線の太さや濃さの変化を必要としないものもある。
 その一つは、描線の集積によって、面の明暗や質感を表現する技法だ(▽図)。



[Two Doors]
(Winkenbach, 94より)

 また、ものの輪郭を表現するのにも同じような手法を用いることができる(▽図)。



 これらの技法では、ほかの絵の描き方の場合とは違って、描線の太さや色(濃さ)は一定でも、面の明暗、質感、線の強弱などの表情を自由に表現することができる。だから、マウスでも馴染むように思える。しかし、このような技法についてもやはり、タブレットに比べるとマウスは操作インタフェースとしてはあまり適していない。それはなぜか考えなさい。
 重さや形については、マウスよりはタブレットのスタイラスの方が鉛筆や木炭に似ている。でも、そんな違いはすぐに慣れてしまうので、実はそれほど問題ではない。それよりも、マウスは、台から浮き上がらせている間はカーソルが移動しないことに注目しなさい。

自分で考えなさい
初めに線描画の描き方をきちんと分析しておくといい

ヒント

報告例
青井睦 伊藤伸 大島萌美 吉田亮


ウィンドー

 いつも使っているソフトウェアの、標準的な紙のウィンドーについて、その枠には、どこにどんなボタンがついていて、それぞれどう操作すると何ができるようになっているのか調べなさい。

WindowsやWindows用のソフトウェアについて調べる場合は 少なくとも手引き3.3[ウィンドウとその操作]には目を通しておきなさい
その上で 資料を探して調べるか 実験して推定するかしなさい
(当然だけれど)必ず図を使って説明しなさい
ソフトウェアの名前を必ず書いておきなさい


ディスクアイコン

 ディスクアイコンでないと、代わりにドライブアイコンがあってもOSに指示できない処理がある。それは何か考えなさい。そして、ウィン機のように、ディスクアイコンが使えないOSで、それと同じ結果になる処理をするには、代わりにどんな処理をしたらいいか考えなさい。

自分で考えなさい

報告例
金子りえ




この単元の内容と関係がある手引きの記事

2.7 図形ユーザインタフェースとウィンドウシステム
2.9 日本語フロントエンドプロセッサ
3.1 マウスの使い方
3.2 Windows95の起動と終了
3.3 ウィンドウとその操作
8 unix(Solaris)の基本操作



引用させていただいた資料

大谷和利
トラックボール
MacPeople、Vol.7, N0.18 (01-09-15), pp.171

Georges Winkenbach, David H. Salesin
"Computer-Generated Pen-and-Ink Illustration"
SIGGRAPH 94, Orlando, Florida, July 24-29, 1994


ジャンクション

コンピュータ | インタフェース


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