学習書●[情報処理]



ファイル
file


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http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/Literacies/file.html


ファイル 書式識別子 フォルダ ディレクトリ ホーム ディスク ドライブ FD
MO CD DVD アイテム 窓口 ftp

きょうの迷信

"記憶装置"
???



ファイル


 コンピュータはもちろん、ビデオデッキやテープレコーダなどの機器では、いろんな情報を記録しておくためにテープやディスクなどの媒体を使っている。
 一つのディスク(テープその他でも同じ、以後略)には、情報のまとまりが隣合せにいくつも記録できる。そのそれぞれの単位をファイル(file)という。ふつうは、一連の文章、1枚の写真、1曲分の楽譜などがファイルの単位になる。

 ファイルの考え方は、合衆国でふつうに行われている書類の管理の手法がそのままコンピュータの中に引き写されるように設計されている。
 映画などを見て、実物の書類の取り扱われ方をあらかじめ見ておいた方が、ファイルの考え方は理解しやすいかもしれない。

 新しくファイルを作ったら、必ず名前をつけなければならない。ファイルを取り扱う場合は、その名前によって区別する。

 Windowsでは、ファイルの名前の末尾で書式の違いを表わすことになっていて、書式識別子という形式が決められている。したがって、ファイルの名前は、内容を表わす部分と、書式識別子の部分とに分けることができる。

 Windowsの場合は、特に指定しない限り、壁やウィンドーの中に表示されているファイルの名前については、識別子は省略されていることがある。

 MacOSやunixでは、識別子は定められてはいるが、じゃまならファイルの名前の中に含めなくてもいいことになっている。
 MacOSでは、ファイルの書式はファイルの表紙に当たる特別な場所に記録されるようになっている。そのため、使う人の側が特に困らない限り識別子はつけなくてもいい。
 unixでは、ファイルの書式の区別は使う人の側でした方がいいという考え方から、自動的に区別をさせたい場合にだけ識別子をつける。

 ファイルは、保存や複写などの処理によって新しく作られる。また、この時に名前がつけられる。
 ファイルの内容や名前はあとでいつでも見ることができ、書き変えることもできる。コンピュータでは(特別な場合を除いて)、書き変えのたびにファイルは新しい場所に同じ名前で作り直されるので、もとの場所が狭くて書き変えられなくなることはない。また、ディスクの中に、空いている場所が細切れにしか残っていない場合でも、内容を分けて、ばらばらに記録することができる。
 ファイルがいらなくなった場合は、ごみ箱捨てて目につかないようにすることができる。また、ディスクの中に場所を空けるため、それをさらに燃してしまうこともできる。
 ファイルは、壁やウィンドーの中では、書類を思わせるアイコン(▽図)で表現されることが多い。



ファイルのアイコン(例)


フォルダ


 ディスクの中にはいくつもファイルを記録できけれど、それがあまり多くなってくると、ちゃんと区別できように名前をつけていくのが難しいとか、ファイルの一覧を表示させた時に使いたいファイルを見つけ出すことができないとか、不便になってくる。そこで、ディスクの中にはファイルを分類してしまっておく袋のようなものを作ることができるようになっている。この袋をフォルダ(folder)という。
 フォルダは、壁の上やウィンドーの中では、書類挟み(folder)を思わせるアイコン(▽図)で表現される。

 フォルダはディレクトリ(directory)という特別なファイル(フォルダウィンドーなどには表示されない)を使って実現されている。多くのOSではフォルダごとにディレクトリが作られるので、この二つは区別されないこともある。



フォルダのアイコン

 フォルダはファイルに似ているが、その内容は情報ではなくてファイルだ。ファイルは、フォルダに入れたり出したりすることができる。また、フォルダの中にまた小分類のためのフォルダを作って入れておくこともできる。
 フォルダは、中に入っているファイルごと、移動させたり複写したりすることができる。
 フォルダもファイルと同じように、いつでも新しく作り、いらなくなったら捨てたり燃したりできる。フォルダを捨てれば、中のファイルなどもいっしょに消える。

 フォルダのアイコンを開くと、そのフォルダの内容を表わすウィンドーが現われる(▽図右)。この中のファイルなどのアイコンに対して操作をすれば、その操作に応じてファイルを移動したり複写したりすることができる。



フォルダウィンドー

 何人かが交替で同じコンピュータを使っていると、ほかの人のファイルがじゃまになったり、逆にほかの人にファイルを見られたり消されたりされそうで嫌な感じがしたりすることがある。それを防ぐため、このような場合は、それぞれが並列する別々のフォルダを作って、その中でしかファイルの読み書きをしないようにすることが多い。このようにして自分に割り当てられたフォルダをホーム(home)という。


ディスク


 コンピュータを使うためには、作業の素材や成果を記録するために、ディスクなどの媒体を使う。現在では、FD(floppy disk)、MO(magneto-optical disk)、CD(Compact Disc)、DVDハードディスク(hard disk)など、いろんな種類のディスクが使われている(資料[ディスク])。



ディスク
(左から)FD、MO、zip

 使えなくなったFDを先生から分けてもらって、それを分解して観察してみなさい。

 商品の中には、ディスクを"disc"と綴る名前をもつものがあるが、一般のディスクを指す場合はふつうに書いた方がいい。

 ハードディスクは、ディスクを抜き差しするところが見られないので目立たないが、人だけではなくコンピュータも使うとても重要なディスクだ。
 ハードディスクは、OSやアプリを記録しておくための場所として使われている。ハードディスクからなら、起動したい時には確実にまた高速にそこからメモリに複写できるからだ。ソフトウェアを買ったり作ったりしたら、最初にそれをインストールするが、その核心は、ソフトウェアの内容を記録したファイルをハードディスクに複写して、起動に備えることだ。

 Windowsは(MacOSでも特に設定しておけば)、メモリが足りなくなると、ハードディスクに巨大な臨時のファイルを作って、それをメモリの代わりに使う。この、代用のメモリを仮想メモリ(virtual memory=実質でのメモリ)という。ハードディスクはメモリに比べると読み書きに時間がかかるが、ともかくアプリが機能できるようにするためには仕方ない。

 マック機では、ディスクはそれぞれ壁にかかったアイコンで表示されている。一度でも差すと、抜いたあとでもアイコンは(捨てない限り)残っている。ディスクは、フォルダと同じように、ウィンドーを開いて中に作られているファイルやフォルダを操作することができる。



ディスクのアイコン(例)

 ディスクを差す装置をドライブ(drive)という。ディスクにはいろいろな方式のものがあるから、それらを読み書きするには、原則として、それぞれに対応したドライブが必要だ。
 OSにディスクを使うことを知らせるのを、マウント(mounting)という。また、ディスクを使わなくなったことを知らせるのを、デマウント(demounting)という。現在のコンピュータは、ディスクをドライブに差す/抜くことによってマウント/デマウントが行われるようになっている。
 ウィン機では、ドライブが[マイコンピュータ]のウィンドーの中にアイコンとして表示されている。もしドライブにディスクが差してあれば、ドライブのウィンドーを開いて、中に作られているファイルやフォルダを操作することができる。

 ディスクの中にじかに置かれていて、ほかのフォルダの中には入れられていないファイルの名前や場所は、ルートディレクトリ(root directory)という特別なディレクトリに記録されている。


アイテム


 ファイル、フォルダ、ディスクなどは、ウィン機やマック機ではアイコンとして表示されていて、アイコンを通じて、共通の手順で操作することができる。また、内容を確認したり操作したりするために、さらにその内容のウィンドーを開くこともできる。これらを、(シェル-)アイテム(item) またはオブジェクト(object)という。
 アイテムには、ほかに、ごみ箱(▽図)、ネットワークにつながっているほかのノード、それらへの窓口などがある。



ごみ箱


開く/保存


 ファイルの内容を見たい場合や、書きかけたままになっているファイルの内容をまた書き直したい場合は、新しくウィンドーを開くか、使っているウィンドーの内容を消すかして、そこにファイルの内容を表示させる必要がある。この処理をすることを、ファイル開くという。ファイルを開くと、そのファイルの名前がウィンドーの上枠に表示される。
 また、内容の一部としてほかのファイルの内容を取り込ませることもある。この処理を、ファイル読み込みという。
 特別な場合(フォルダに対応するウィンドーなど)を除いて、ウィンドーの中に表示されている内容は、ファイルの内容の複写でしかない。だから、ファイルを開いた直後は、二つの内容は一致しているが、書き直しを重ねていくと、ウィンドーの内容の方はどんどん変わっていくが、ファイルの内容の方はもとのまま全く変化しない。
 ファイルを開いて内容を書き直した場合、直した結果のほうは残しておきたいが、もとの内容はいらなくなっているのがふつうだ。したがって、書き直しがうまくできたなら、もとと同じ名前のファイルを作ってそこに新しい内容を書き込み、古い内容のファイルの方は捨ててしまうという一連の処理が必要になる。これを(上書き-)保存(▽図左)という。保存をしないで書き直しをしたままウィンドーを閉じてしまうと、作文したり作曲したりした結果はそのまま消えてしまう(同右)。



保存をした場合(左)としなかった場合

左では、ファイルを開いて加工したあと、保存してから閉じている。ファイルの内容は保存の時点でウィンドーの内容と同じになる。これに対して、右では保存しないまま閉じている。ファイルの内容はもとのままで、加工した結果はどこにも残らない

 白紙のウィンドーから書き始めた場合は、保存といっても捨てる古いファイルがないから、新しいファイルがただ作られる。
 もとの内容と書き直した方の内容と、両方とも記録しておきたい場合は、新しいファイルを作って、新しい内容の方はそっちに保存させることもできる。これを別紙への保存という。
 作業の途中で、ウィンドーの内容の一部だけを指定して記録させたり、内容をもとにして作り出されるもの(たとえば楽譜からできる演奏の録音)を記録したりすることもある。このような処理を、ファイルへの書き出しという。
 ウィンドーの内容を読んだり書いたりしている途中で、ファイルを開いたり保存したりするには、ファイルの場所、名前、種類を指定する操作が必要になる。この操作はファイルダイアログという特別なウィンドーを使って行なう。



保存のファイルダイアログ


窓口


 アイテムに対して、その代理として使うための窓口(エーリアス<alias=別名、ショートカット<shortcut=近道)を作ることができる。このしかけを使えば、本来のフォルダの中ではアイテムそのものを、壁ではその代わりに窓口を使うなどのことができるようになる。
 窓口は、使うだけなら本体と変わらないが、捨てるなどの変更をしても本体には影響がない。


ftp


 ウェブのページや電子メールよりもずっと大きい情報を受け渡すためのネットワークの機能として、ファイルをノードからノードに高速に複写する機能がある。この機能をファイル転送という。



ファイル転送ウィンドー([Netscape])

 インタネットでは、ファイル転送のプロトコルとしてftp(file translation protocol)を使う。このため、ファイル転送そのものをftpということもある。
 ファイル転送のふつうの手順では、あらかじめ送りたい情報をファイルとしてftpサーバに置いておき、そのURLを送りたい相手に教える。相手はftpでファイルを受け取るクライアント(最近ではウェブブラウザにもこの機能がついている)を使って、URLを指定してファイルを受け取らせる。
 望まれない相手にファイルを読まれたり書き変えられたりしないようにするため、本来は、ftpでファイルをやり取りするには、初めに自分が誰か名乗って認証してもらうことになっている。しかし、ftpサーバに置いてあるファイルは、見るだけなら誰でも自由に見てもいいということにしている所も多い。このようなネットとの間でftpをすることを、匿名(anonymus)ftpという。匿名ftpをする場合でも、パスワードの代わりに自分の電子メールのアドレスをサーバに書き残していくべきだとされている。これは、ふつうはftpクライアントがしてくれるようになっている。





[演習]

演習の進め方をよく確認してからとりかかりなさい


書式識別子

 この1年間に自分が作った(自動的に作られるバックアップファイルのように副産物として作られたものも含めて)ファイルについて、どんな書式識別子(MacOSを使っている場合はタイプ識別子)がつけられているか調べなさい。
 そして、そのそれぞれは何というアプリが読み書きするためのものか、内容はどういう種類の情報か(またはどんな目的に使われるのか)調べて説明しなさい。

報告例
小谷和也鳥居淳


動かさないファイル

 書き変えてもなるべく動かさない特別なファイルとしては、データベースファイル(あとの単元で学習するが、ここでは巨大索引が作ってあるファイルと考えておけばいい)や、メモリが足りないのを補うためにOSが使うファイルがある。
 なぜこれらのファイルは動かさないようになっているのか考えなさい。

自分で考えなさい
図を使って具体的に説明しなさい

ヒント

報告例
市原昌治


ディスクの特性

 FD、MO、CD、DVDの4種類の媒体(記録装置の方ではなく)のうちの一つを選んで、それはさらにどのようなバリエーションに分れているか調べ、そのしくみと性能(たとえば容量 速度 費用など)を比べなさい。

 資料を集めて、その記事を整理しなさい。それから、それをもとにして本質を自分で読み取りなさい。

ヒント

報告例
菊池卓




この単元の内容と関係がある手引きの記事

2.10 ファイルの概念
2.11 ディスク装置
3.05 ファイル操作
3.06 フロッピーディスクの初期化
3.07 サーバとパソコンの間でのファイル転送


参考にさせていただいた資料

村瀬康治
応用MS-DOS
(アスキー出版局、86-07-31)


コンピュータ


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01-09-14