学習書●情報処理
スケッチ
演習報告
●
青井睦
(99年度履修生)
http://www.infonet.co.apt/March/syllabus
/Literacies/shell/gallery/Aoi.html
実際にスケッチをする時に用意するものといえば、濃さの違う鉛筆を4,5本と消しゴムであろう。多少絵をかじったことのある人間なら、普通の消しゴムではなく練り消しゴムを使用するかもしれない。これらはすべて、スケッチの生命とも言えるタッチを十分に表現するための道具である。硬い木肌は力強く、力を込めて描き、軽い羽根は薄く細く、影を付ける際もぼかすように描くものである。
描画システムを使って絵を描く時には、濃淡はマウスであろうとタブレットであろうとあまり関係ない。色指定を行なう際に#000000
で現わされる黒から、#555555の灰色、#ffffffの白まで、好きな色を選択すればよい。鉛筆よりもその彩りは豊かである。また、消しゴムをかけたければ消しゴムが、美しいグラデーションが作りたければエアブラシが使える。
Adobe Photoshopのように、焼き込みなどのような、さらに高度な表現をするための機能を備えたシステムもある。また、ぼかしなどの処理にしても、それ相応のアプリケーションを使って、フィルターをかけるなどすれば、可能であるし、マウスでもタブレットでも、作画時間の差はあれ問題なく作画できる。私の知人は、タブレットを持っていないためマウスだけで絵を描いているが、なかなかの出来栄えである。
では、なぜ、タブレットが好まれるのであろうか。マウスで美しいラインを描くのは相当慣れていても難しい。修正のために近寄る/遠ざかるを繰り返す人もいるが、このような鉄付は面倒といえば面倒である。しかしそれは、程度の差こそあれタブレットにしても同じことであり、致命的要因にはならない。ということはつまりタブレットにはマウスでは越えられない何かが在ると考えた方がよさそうである。
パソコンショップでタブレットのパンフレットをもらってくると、まずその性能を現わす指標として筆圧検知レベルと傾き検知レベルが強調されている。タブレットの有名メーカーWACOMのものを見てみよう。
まず、プロ御用達として高機能を誇るintuosでは、筆圧検知1024レベル、傾き検知±64レベル。iMacにあわせて見た目を重視したと思われるFAVOでさえ、筆圧検知512レベルもある。マウスとの差はこれなのである。
これに対して、マウスは持ち上げてしまえば動かないし、動くすれすれで動かそうとすると、太さは変わらずにふらふらとした線が引けてしまう。まして、傾きを表わすことなどは不可能である。マウスでは、前述したような力強いタッチや、軟らかなタッチの表現が乏しく、平坦な絵になってしまうのである。アニメーションのセル画調の絵なら問題はないのであるが、鉛筆のような線は書くことができない。これが、マウスよりもタブレットが好まれる理由である。
ただ、タブレットは高価であり、2万円はまず割らない。また、200枚ぐらいごとにペン先の芯を替える必要もある。こうした負担についていけずに泣く泣くマウスを使用している人が多いのも事実である。
また、ノートパソコンなどに搭載されているタッチマウスは、一見細かい作業や表現に向いているように見えるが、画面上のポインタの位置と指の動きが体感しにくいこともあって、大きさを拡大したとしても、使いづらく、また、作画中に描いてる部分以外の点に圧力をかけられないなどといった点から、タブレットほどの使い勝手は得られないと思われる。
これが、スケッチの手法で作画をする際にマウスが使えない理由である。
このページの記事は、科目[情報処理]を履修した学生が課題[スケッチ]の学習の一環として作成した著作物です
情報処理
シェル
Copyleft(C) 2000, by Studio-ID(ISIHARA WATARU). All rights reserved.
最新更新
00-01-20