戻る 数の接頭語と単位



● 数の接頭語

コンピュータは大量のデータを扱い、 短時間で高速に処理しますから、 コンピュータの周辺で使われる数字はずいぶん大きく、あるいは小さくなります。
そうした大きい数、小さい数は、 次のような接頭語を使って表されます。 どちらも 1,000 倍きざみで接頭語が定められています。
ただ、 メモリの記憶容量の値はアドレスを指定する信号線が 1 本増える度に倍になるので、 2n の値になっています。 そこで 1k = 103 ≒ 210 = 1,024、 1M = 106 ≒ 220 = 1,048,576 (1,024×1,024) などとしています。 詳細は バイト をご覧下さい。

大きい数の接頭語 小さい数の接頭語
接頭語意味
kキロ (kilo)103 = 1,000
Mメガ (mega)106 = 1,000,000
Gギガ (giga)109 = 1,000,000,000
Tテラ (tera)1012 = 1,000,000,000,000
Pペタ (peta)1015 = 1,000,000,000,000,000
接頭語意味
mミリ (milli)10-3 = 1/1,000
μマイクロ (micro)10-6 = 1/1,000,000
nナノ (nano)10-9 = 1/1,000,000,000
pピコ (pico)10-12 = 1/1,000,000,000,000
fフェムト (femto)10-15 = 1/1,000,000,000,000,000



● 単位

bps (bits per second)
bps は、 1 秒間に何ビットのデータを送受信できるかを表す通信速度の単位です。 ADSL の通信速度は 24Mbps、などという風に使われます。

dpi (dots per inch)
dpi は 1 インチ (=25.4mm) 当たりのドット数の意味で、 プリンタやイメージスキャナの精細度などをあらわすのに使われます。
ここでの 「ドット」 は、 文字や画像を小さい点の集合で表現するためのもので、 画素、 あるいは ピクセル ともいいます。
下の写真は (ディスプレイによって異なりますが)、 概ね一辺が 30mm 程度の正方形として表示されるでしょう。 これがもし、 一辺が 25.4mm の正方形として表示されたとすると、 左から順にそれぞれ 128dpi、 64dpi、 32dpi、 16dpi の画像ということになります。 1インチ当たりの画素数が多ければ多いほど鮮明に表示できます。

dpi

FLOPS (フロップス: floating point operations per second)
FLOPS は 1 秒間に浮動小数点演算命令が実行できる回数を表しています。
浮動小数点演算とは小数点がある実数の計算のことで、 コンピュータは整数の演算は得意ですが、 実数は苦手です。
そこでコンピュータの演算性能を表すのに、 1 秒間に実数の演算が何回できるかを指標として使います。
パーソナルコンピュータは 5 GFLOPS (ギガフロップス) 程度、 海洋研究開発機構のスーパーコンピュータ、 地球シミュレータは 40 TFLOPS (テラフロップス)、 理化学研究所のスーパーコンピュータ 「京」 は 10 PFLOPS (ペタフロップス) です。 それぞれ、 1 秒間に 50 億回、 40 兆回、 1 京回の浮動小数点演算ができる、 という意味です。

Hz(ヘルツ: hertz)
ヘルツは周波数の単位です。 かつては 「サイクル (cycle/second)」 という単位名も使われていましたが、 1 秒間に繰り返される回数をいいます。 1 秒間に 440 回弦や膜が振動すると 440Hz の音になります。 ラジオの電波は例えば 666kHz (キロヘルツ)、 FM 放送なら 88.1MHz (メガヘルツ) という具合です。
コンピュータでは CPUクロック信号の周波数などに使用されます。 最近のパソコンの CPU は クロック周波数 3GHz にも達しています。 CPU が 1 秒間に 30 億回も何らかの仕事をしている、 ということです。

rpm (アールピーエム: revolution per minute)
rpm は 1 分当たりの回転数を表す単位です。 昔の LP レコードの回転数は 33.33… rpm、 ハードディスクのプラッタの回転数は 7,200 rpm、 などといいます。

バイト (byte)
通常、 8 ビットを 1 バイトといい、 記憶容量などの単位として使われています。
ハードディスクの記憶容量は 640GB (ギガバイト)フロッピーディスクの記憶容量は 1.44MB(メガバイト)、 などといいます。

ビット (bit)
ビットは情報の最小単位で、 binary digit (2進数の一桁) を略して作られた言葉です。
コンピュータ内部ではデータは 2 進数、 例えば "10101100" というふうに表されていますが、 この 0 と 1 だけのデータのそれぞれの一桁です 情報量参照)

(second)
秒は言うまでもなく、 時間の単位です。
人間にとって 1 秒はほんの一瞬ですが、 コンピュータにとってはどうでしょうか。
上記の 3GHz のクロック信号は、 1 秒間に 30 億回振動します。 このとき CPU は、 30 億分の 1 秒 (0.33ns) という一瞬に、 何らかのひと仕事をします。
0.33ns (ナノ秒) という時間では、 光はわずかに 10cm しか進むことができません (光は 1 秒間に約 30 万km 進みます)
光でさえ 10cm しか進めない時間、 0.33ns。
このような 「一瞬」 を 想像できますか。




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update; 2012.12.07   address