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ハードディスク (hard disk) |

ハードディスクは最も代表的な
補助記憶装置 です。
左の写真はカバー を取り外したハードディスク

です。
上部の円盤が磁気ディスク
(プラッタ) で、
3.5インチ型と呼ばれるものの直径は約 95mm です。
鏡のように仕上げられた金属製円盤の表面に磁性体が塗布されています。
ちょっと見にくいのですが、この装置にはディスクが 2 枚取りつけられています。
(写真をクリックすると、大きい写真が表示されます。)
左下から右上に伸びている鋏のような形のものがアームで、
この先端に磁気ヘッドがあります。
磁気ヘッドはデータを読み書きする、最も重要な部品のひとつです。
磁気ディスクが 2 枚あるので、それぞれの両面にデータが記録できるように、
4 本のアームが積み重ねられています。
アームは左端の軸を中心に回転し、磁気ヘッドはディスク面を円弧状に、
素早く移動することができます。

アーム先端部のクローズアップです。
鏡のような磁気ディスクに、アームが映っています。
アームの先端に、さらに小さい金具
(ジンバル) がつけられていて、
その金具の先端にスライダという部品があります。
(左の写真ではジンバルに隠れていて見えません。)

アーム先端部を横から見たものです。
アームに取り付けられたジンバル、スライダの様子がよく分かります。
(写真をクリックすると、スライダ側面を更に拡大した写真が表示されます。)

アームをひっくり返して、更に拡大しました。
いちばん外側のグレーの金具がジンバル、
内側の黒い部品は配線用の薄い基板で、
中心の濃いグレーの部品がスライダです。
この写真のスライダは、長さ約 1.2mm、幅約 1.0mm、厚さ約 0.3mm です。
なんと、こんなに小さいスライダの中に、磁気ヘッドが組み込まれています。

スライダは磁気ディスク円盤が停止しているときは軽くディスクに接していますが、
回転中はディスクの回転に伴って生じる空気の流れにより、
0.01μm 程度

浮上するように作られています。
このため、磁気ヘッドや磁気ディスクが摩耗

することはありません。
ハードディスクは、このようなデリケートな機構を持っているので、振動や衝撃は大敵です。
特にディスク回転中は細心の注意が必要です。
ゴミやホコリも禁物です。直径 5μm 程度の煙の粒子でさえ、巨大な障害物であることが分かります。

データは、プラッタの表面を同心円状にトラック、回転方向にセクタと呼ばれる微小領域に分割して記録されます。
プラッタが複数枚あると、トラックは全体として仮想的な円筒状になるので、シリンダともいいます。
上の写真のハードディスクは 54,982 トラック、
外周部は 950 セクタ、内周部は 486 セクタでデータが記録されています。
またトラック密度は56,170 tpi
(tracks per inch) ですから、
トラック一本の幅は 25.4 ÷ 56,170 ≒ 0.45μm になります。
セクタの長さは約 0.3 mm にすぎません。
0.45μm × 0.3 mm のディスクの表面に、512 バイトのデータが記録されています。
ハードディスク全体では 80GB、漢字にして約400億字分の情報を記録することができます。
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内部が観察できるハードディスク (2.5 インチ) の動画を用意しました。
アームが動く様子などがよく分かります。
ご興味がありましたら、左の写真をクリックしてご覧ください。
320×240ピクセルの MPG 形式で 15 秒です。
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update: 2012.09.18