戻る ハードディスク (hard disk)



Hard Disk Drive ハードディスクは補助記憶装置の代表選手です。

補助記憶装置にはプログラムやさまざまなデータ (文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル…) が保存されます。 膨大な量のファイルを保存することになるので、 補助記憶装置には十分な記憶容量がなくてはなりませんが、 同時にまた読み書きの速さや、 小型軽量で低価格であること、 スイッチを切ってもデータが消えない性質 (不揮発性) などが求められます。
ハードディスクはそうした諸点をバランス良く満たしているため、 補助記憶装置の代表選手として重宝されています。

ハードディスクの機構部は厳重に密封されていますが、 左の写真はカバーを取り外してあります。
鏡のように仕上げられた磁気ディスク円盤 (プラッタといいます)、 データを読み書きするためのアームなどが見えます。 この写真では分かりませんが、 アームの先端には磁気ヘッドが取り付けられています。
ハードディスクはプラッタの表面に磁気で情報を記録しますが、 そのしくみはカセットテープやビデオテープと、 基本的には同じです。
カセットテープやビデオテープは、 テープの端から順にデータ (音声や画像) を記録するのに対して、 ハードディスクはプラッタ上のどこへでも、 アームが素早く移動できます。
カセットテープは曲の頭出しに時間がかかりますが CD なら瞬時に可能なように、 ハードディスクもデータの読み書きに要する時間は、 データが記録されているプラッタ上の位置には本質的に関係がありません。 このような性質をランダムアクセス (random access) といいます。





ざっと 30 年前、 私が初めて使ったハードディスクは 20 メガバイトでした。
現在は 2 テラバイトほどのハードディスクが簡単に手に入りますから、 記憶容量は実に 10 万倍になったわけです。
しかし、 プラッタの面積は、 昔から基本的には変わっていません。
磁気ディスクの面積は同じなのに、 記憶容量が 10 万倍になったのです。

CD にも似たような話があります。
CD は 650 メガバイトの記憶媒体としてコンピュータでも使われています。
DVD は直径 12cm、 CD と同じサイズですが 4.7 ギガバイト、 ブルーレイディスクも同じサイズで 25 ギガバイトの記憶容量があります。
同じ面積のディスクに手っ取り早くたくさん情報を書き込むには、 書き込む文字のサイズ、 光ディスクの場合は 「ピット」 を小さくすることです。 このため、 CD は赤外線レーザを使って 1.6μm のピッチでピットを形成しているのに対して、 DVD は赤色レーザで 0.74μm、 ブルーレイ・ディスクは青色レーザを使って 0.32μm のピッチでピット列を描いています。

ハードディスクの場合はこれを面記録密度という指標で表します。
面積 1 平方インチ (2.54cm × 2.54cm) の磁気ディスクに書き込めるビット数のことで、 やはり約 30 年前、 面記録密度は 20 Mbit/inch2 程度でした (bit/inch2 は面記録密度の単位で、 1 平方インチ当たりのビット数、 の意味です)
これが現在は 1.5 Tbit/inch2 に達しています
Tbit (テラビット) にご注意ください。 20 メガ bit だったのが、 30 年後に 1.5 テラ bit になったのです。
ということは、 面記録密度がざっと 10 万倍、 同じ面積のディスクに記憶できる容量が 10 万倍になったわけで、 上の方に書いた 「記憶容量は実に 10 万倍」 とも話が合います。



関連事項:  補助記憶装置  ハードディスク  ハードディスク技術の進歩


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*1 ざっと 30 年前、 私が初めて使ったハードディスクは 20 メガバイト、 価格は約 20 万円でした。 現在は 2 テラバイトのハードディスクが 1 万円程度で買えますから、 メガバイト当たりの価格は 1 万円から 5 円、 なんと 1/2000 になったことになります。
*2 ハードディスク技術の進歩 参照。
*3 TDK manages to cram 1.5TB per square inch, will allow for 6TB drives 参照。

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update: 2013.01.31  address