戻る p型半導体 (p-type semiconductor)

シリコンと硼素 p型半導体は、高純度の半導体(主としてシリコン (珪素、silicon)) に、 硼素などの3価元素を不純物としてごく微量加えることによって作られます。

シリコンは価電子(電気伝導に寄与できる電子)を4個、硼素は3個持っています。

シリコンの結晶では、隣り合ったシリコン原子が互いの電子を共有しあって、 それぞれの原子が8個の電子を持っているような状態で結合しています。
p型半導体 この状態の電子は、強く原子に束縛され、殆ど電気伝導に寄与することができなくなります。 従って、純粋なシリコン結晶の結晶には電流が流れにくく、 抵抗率は 約 103Ωcm という値です。 導体でも絶縁体でもない 「半導体」 です。

しかし、これに微量の硼素が加わると、性質は ガラリ と変わります。

硼素は3個しか電子を持っていないので、左図赤色の電子の空席 (孔) ができます。
電圧がかかると、孔の近くの電子がプラス極に引かれて孔に移り、 もと電子のいたところが新たに孔になります。結果的に孔はマイナス極に近づいていきます。
このような 「椅子取りゲーム」 が続くと、孔はあたかもプラスの電気を持った電子のようにふるまいます。 これを 正孔 (hole)」 といいます。
半導体に硼素原子を不純物として加えることにより、電流が流れやすくなります。 添加量に応じて抵抗率も 1/1,000 〜 1/10,000 に下がって、導体に近くなります。

半導体の中で電流を運ぶものをキャリア (carrier) といい、p型半導体のキャリアは正孔です。
正孔はプラス (positive) の電気を持っているようにふるまうので、「p型半導体」 といいます。

しかし、ダイオードトランジスタ などの半導体素子の働きは、 n型半導体 と p型半導体 を組み合わせることによって生まれます。


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1999.03.10   ueyama@infonet.co.jp