戻る トランジスタ (transistor)

トランジスタの増幅作用について調べてみます。

「増幅 (amplification) 」 とは、 弱い電気信号を強くすることです。

n型半導体 では、電子が電荷を運びます。 電子はマイナスの電気を持っているので、プラスの電圧の方向に移動します。 下図ではブルーの小さい円で電子を表しています。

p型半導体 では、正孔が電荷を運びます。 正孔は電子が存在しない空席ですが、あたかもプラスの電気を持った電子のようにふるまいます。 *1
正孔はマイナスの電圧の方向に移動します。下図では赤い小さな円で正孔を表しています。

下図の npn型トランジスタでは、左の n型半導体の部分を エミッタ (emitter)、 中央の p型半導体の部分を ベース (base)、 右の n型半導体の部分を コレクタ (collector) といいます。

エミッタ・ベースコレクタ間に電池3個と電球、 エミッタ・ベース間に電池1個と電球と、電流を調整する装置をつないであります。

最初はコレクタ・ベース間のスイッチは OFF、 エミッタ・ベース間の電流値は 0 になっています。トランジスタは動いていません。


スイッチをマウスでクリックして下さい。ON になります。
電子はプラス極(右)に、正孔はマイナス極(左)に向かって動きますが、 電子も正孔もエミッタ・ベース間の接合部を越えることができないので、 トランジスタに電流は流れません。

スイッチをクリックして OFF にして下さい。

エミッタとベースは、p型半導体にプラス、n型半導体にマイナスの電圧がかかるように 電池が接続されています。 これはダイオード の順方向接続と同じ方向です。
ボタン ▲ボタン (これを押してもだめ) を押して下さい。電流が流れます。



この状態で、コレクタのスイッチをもう一度 ON にすると、 先ほどはエミッタ・ベースの接合部でにらみっこしていた電子と正孔が動いているので、 状況が一変します。
エミッタからベースに入ってきた電子は、コレクタの強い電圧に引かれて 大部分がベース領域を通り抜けてしまい、 コレクタ・エミッタ間に電流が流れるようになります。
電子がエミッタからコレクタに向かって動いていますから、 電流は電池のプラス極からスイッチ、電球、トランジスタを経て、電池のマイナス極へと流れます。

▲ ボタン▼ ボタン を押して、ベースの電流を変えてやると、それに応じてコレクタの電流が変化します。 ベース電流の変化は少しですが、コレクタ電流の変化は大きく拡大されます。

このようにして、トランジスタの増幅作用がおこなわれます。



上図は、停止ボタン ボタンを押すか、 ベース電流が 0 の時にコレクタのスイッチを OFF にすると、画面が初期化されます。
一時停止ボタン ボタンを押すと、 動きを一時的に止めることができます。


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*1 講義資料/半導体 を参考にして下さい。

このページでは、トランジスタの動きを模式的に表しています。 実際のトランジスタでは、ベース電流の変化に対して、コレクタ電流は 数10〜1000倍程度に増幅されます。 一般的にはベースに流す電流はごく僅かですので、電球を点灯させることはできません。

1999.03.26   ueyama@infonet.co.jp