戻る ダイオード (diode)



ダイオードは P 型半導体N 型半導体 を接合したもので、 電流を一方向のみに流す弁のような 「整流作用」 を持っています。
下図左下の矢印と線の記号で表され、 電流は矢印の方向、 アノードからカソードに向かって流れます。

コンピュータなどには大量のダイオードが IC の中に集積されていますが、 単体の小型ダイオードというのは下の写真のようなものです。 写真左はリード線がついているタイプ、 右は携帯機器などに使用されるリード線がないタイプです。
いずれもずいぶん小さく、 写真左の黒いダイオードは長さ約 5mm、 下のガラスで封止されているダイオードは約 4mm、 右の表面実装型のものは幅約 3mm です。

ダイオードの記号 ダイオード 表面実装用ダイオード


下図は家庭のコンセントに電球をつないで点灯させているときの回路図です。 AC Power は交流電源の記号で コンセントのようなもの、 これに電球をつないでいます。 家庭のコンセントは交流ですから、 下のオシロスコープの電圧波形のように電圧は常にプラス、マイナスに変化しています。 電球は明るく点灯します。
しかし中央の図のようにダイオードを挿入すると、 電流は右向きにしか流れなくなります。 電圧波形にはマイナス側がなくなって、 電流は半分しか流れないので電球は暗くなります。
右の図の方向にダイオードを挿入すると今度は電流は左向きにしか流れなくなって、 電圧波形もプラス側がなくなり、 電球はやはり暗くなります。
ダイオードを挿入すると、 いずれの向きにしても電流は片側にしか流れないので直流には違いありませんが、 かといって電池の直流のように電圧が一定ではありません。 これを脈流といいます。
実際の電子機器ではダイオードで整流したあと (脈流になる)、 電圧を一定にするための平滑回路や安定化回路を加えます。





交流ではなく、 直流の回路にダイオードを挿入すると、 状況は少し変わります (起こっていることは同じですが…)

下図左はプラスからマイナスに向かって流れる電流の方向に添うようにダイオードが挿入されています。 これを 「順方向」 の接続といい、 電流は流れ、 電球は点灯します。
電流に逆らう方向に、 下図右のようにダイオードが挿入するのを 「逆方向」 の接続といい、 電流は流れなくなって電球は点灯しません。
ダイオードはその方向によって電流を流したり流さなかったり、 やはり一種の 「スイッチ」 です。

直流回路のダイオード



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