21-1. ルパン三世 バビロンの黄金伝説

監督 鈴木清順
出演 山田康雄小林清志井上真樹夫増山江威子納谷悟朗
1985年 (東宝) 100分

解説
バビロニア文明の頃に作られたという伝説の黄金を狙うルパンの姿を描く“ルパン三世”の映画化三作目。モンキー・パンチの原作を浦沢義雄と 「カポネ大いに泣く」 の大和屋竺が脚本化。監督も同作の鈴木清順と 「おはよう!スパンク」 の吉田しげつぐ、撮影は長谷川肇がそれぞれ担当。

ストーリー
バビロニア文明時代に、作られたという伝説の黄金のバベルの塔。この塔のありかを教えるヒントが、今世紀の初めごろニューヨークで発掘された、バビロニアのクサビ型文字が刻まれた粘土板に秘められているという情報を得たルパンは、次元、五右ェ門と共にニューヨークに来ていた。ある夜、ルパンの部屋にロゼッタ婆さんが現われ、バビロンの黄金についての謎のことばと古ぼけた燭台を残していった。ルパンは燭台を片手にバビロンへ向かう。マフィアの首領マルチアーノもルパンを追った。彼にとって、バビロンの黄金は父親の時代から狙っていたものだった。一方、銭形警部はICPO主催インターナショナル婦人警官コンテストで選ばれたアメリカ代表キャラメール、中国代表チンジャオ、ソビエト代表ザクスカヤ、アフリカ代表サランダ、イタリア代表のラザーニアを部下に伴い、ルパンを追ってオリエント急行に乗り込む。ウェイトレスと悩ましい乗客になってルパンに迫る美女警官たち。その時、NYマフィアのヘリコプターが、列車めがけて集中砲撃を始めた。次元のマグナム、五右ェ門の斬鉄剣が発射、一尖。ヘリコプターは大爆発、ルパンたちは列車を切断して逃走した。黄金を探すルパンは大昔のロゼッタの幻影を見、黄金の有翼獅子像を見つけた。マルチアーノたちが奪おうとするが、ルパンは凧に乗って運び出す。しかし、不二子によって像を盗られてしまう。像よりも黄金のバベルの塔がどこにあるか閃いたルパンは、ニューヨークに戻る。そして、コンピューターのキーボードを叩き、マディソン・スクエア・ガーデンにあると確信する。金塊をいくつも見つけ、次元や五右ェ門と運び出すルパンの前にロゼッタが現われ、不二子がNYマフィアに捕まったと言う。駆けつけるルパン。マルチアーノは片腕のコワルスキーに殺され、ルパンと不二子は逃げ出す。そして、76年ごとにやってくるハレー彗星が地球に近づき、バベルの塔を運び出す。ロゼツタは宇宙人で、バベルの塔を探しに地球に来、ハレー彗星と共に持って帰れるわけだった。ルパンは塔を追いかけ、粉々に爆破、金のかけらが空中を舞う。




21-2. あったまら銭湯

監督 大継康高
出演 笹野高史松原智恵子ささの堅太中尾萌那コザック前田
2016年 (株式会社海空) 70分

解説
本作品は、オール淡路島ロケで行われた映画です。 主演の佐々木正信役を演じたのは、淡路島出身の俳優・笹野高史。その50年前の役を演じたのは、笹野高史の息子で俳優のささの堅太。 佐々木正信の初恋の女性・慶子役には、日本を代表する女優・松原智恵子。その50年前の役を演じたのは、淡路島全域オーディションでヒロインに選ばれた現役高校生の中尾萌那。そして、本作品のキーマンである番台役として、神戸を代表するロックバンド・ガガガSPのコザック前田が務めます。 劇中に流れる曲もガガガSPが担当。主題歌「時代はまわる」は、本作品とリンクしている部分も多いので、エンディングでしっかり歌詞を聞いていただけるとよりこの映画を楽しんでもらえると思います。

ストーリー
淡路島にある小さな銭湯「扇湯」。 銭湯の番台・前田は4世代にも渡り、島の人々の様々な人間関係を見守ってきた。 常連客のひとり、佐々木正信(笹野高史)は、高校生の時、ある女の子がきっかけで銭湯に行くようになり、50年たった今も通い続けている・・・2代目番台の前田は、佐々木正信の高校時代を見つめ、 4代目番台の前田は、67歳になった佐々木正信を見つめる。これは、銭湯で繰り広げられる不器用な男の恋物語である。




21-3. 溺れるナイフ 

監督 山戸結希
出演 小松菜奈菅田将暉重岡大毅上白石萌音市川実和子
2016年 (ギャガ) 111分

解説
青春漫画の傑作と言われるジョージ朝倉による同名作を、小松菜奈&菅田将暉主演で映画化した青春ラブストーリー。田舎町へ引っ越してきた人気モデルと、容姿端麗な青年との出会いと運命の恋の行方がつづられる。 「5つ数えれば君の夢」 や、乃木坂46のPVを担当し、映像派として注目を浴びる山戸結希が監督を務める。

ストーリー
雑誌モデルとして中高生から絶大な支持を受けていた夏芽は、ある日突然、父の故郷の浮雲町に引っ越す事に。東京から遠く離れた田舎町に刺激を感じず、落ち込んでいたが、土地一帯を仕切る神主一族の末裔で跡取りの航一朗と出会い、強烈にひかれていく。彼も夏芽の美しさにひかれ、2人は気持ちを通わせるが、彼らの運命を変える出来事が起きる。




21-4. 祈りの幕が下りる時 

監督 福澤克雄
出演 阿部寛松嶋菜々子溝端淳平田中麗奈キムラ緑子
2018年 (東宝) 90/119分

解説
東野圭吾のベストセラーを阿部寛主演で連続ドラマ化し、“泣けるミステリー”として話題を呼んだ人気シリーズの劇場版第2弾。刑事の加賀がある日、都内で起きた女性絞殺事件の捜査を進めるうちに、失踪した自身の母の謎に迫っていくさまがつづられる。 「半沢直樹」 や 「陸王」 を手がけた福澤克雄の劇場版監督第2作となる。

ストーリー
東京都葛飾区小菅にあるアパートで、絞殺された女性の遺体が発見された。被害者はハウスクリーニングの会社に勤める滋賀県在住の押谷道子。殺害現場であるアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっているが、押谷道子との接点が全く見つからず、松宮(溝端淳平)たち警視庁捜査一課の刑事たちによる捜査は難航する。やがて、押谷道子は学生時代の同級生である演出家・浅居博美(松嶋菜々子)を訪ねて東京に出てきたことが判明するも、浅居博美と越川睦夫との間にも接点はなかった。そんな中、近くで発見された焼死体との関連を疑う松宮。その遺品の中には、日本橋を囲む12の橋の名の書き込みがあった。それを知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺。それは、孤独死した加賀の母に繋がるものだった……。





j21-5. 眠狂四郎円月斬り

監督 安田公義
出演 市川雷蔵浜田ゆう子東京子丸井太郎成田純一郎
1964年 (大映) 85分

解説
柴田錬三郎の原作を 「眠狂四郎勝負」 の星川清司が脚色、 「座頭市喧嘩旅」 の安田公義が監督した大映狂四郎シリーズの一編。撮影は 「剣」 の牧浦地志。

ストーリー
将軍家斉の庶子片桐高之は、母松女の野望に駆り立てられ次期将軍の座を狙っていた。ある日高之は新刀の試斬りに川原で飢饉で地方から避難して来た百姓の老人を斬り殺した。ちょうどそこを通りかかった狂四郎は、それを目撃するが、老人の仲間からは誤解されて憎しみを受け、また高之からも狙われることになった。そんな狂四郎はある日、高之の使の腰元小波の迎えを受け川舟へ案内された。そこで狂四郎は仕官をすすめられ、さらに愛刀無想正宗を所望されたが、狂四郎はこれを拒絶し、高之側近の剣客戸田の右腕を斬り落して立去った。小波は豪商山崎屋伝右衛門の娘で、伝右衛門は小波に未来の将軍御台所の夢を托し、高之に経済的な援助を与えていた。そんな小波を高之も愛し、妻に迎える約束を交していた。一方狂四郎は高之の邸に忍び入り、小波を寝室に襲って犯した。憎悪に燃える小波は片桐家に恩義をこうむる剣客寄居勘兵衛を狂四郎の許へ送った。しかし狂四郎は勘兵衛の人物を惜しみながらもこれを斬り倒した。さらに高之は死刑囚むささびの伴蔵を釈放して狂四郎を倒そうとした。伴蔵の手裏剣と高之配下の剣士たちの殺陣をきり抜けた狂四郎は、そこで憎悪に燃えた小波を見た。一方高之のために試斬りにされた老人の忰太十は、復讐のために小波をさらったが、それを知った高之のために逆に捕われの身となってしまった。駆けつけた狂四郎は太十の命と引換えに無想正宗を高之に与え、自ら捕われの身となった。しかし狂四郎を憎みながらも女として愛すようになっていた小波に刀をもらった狂四郎は牢を脱出して向柳原の橋上で高之と対決した。狂四郎の剣が円を描き、その足下に高之はくずれ落ちた。




21-6. 映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

監督 高橋敦史
出演 水田わさび大原めぐみかかずゆみ木村昴関智一
2017年 (東宝) 101分

解説
子供からお年寄りまで幅広い層から支持される国民的人気アニメ 「ドラえもん」 の劇場版第37作。不思議な腕輪に導かれるように10万年前の世界を訪れたのび太たちが、地球凍結の危機に立ち向かう姿を描く。スタジオジブリ出身で 「千と千尋の神隠し」 で監督助手を務めた高橋敦史が、劇場版 「ドラえもん」 では初監督を手がける。

ストーリー
真夏の暑さに耐えかね、のび太たちは南太平洋に浮かぶ巨大な氷山に行き、ひみつ道具・氷細工ごてで遊園地を作ることに。そんな折にふと見つけた氷漬けの腕輪(リング)を調べたところ、10万年前の南極で埋まったものであることがわかる。人が住んでいるはずがない時代に埋まった不思議な腕輪の持ち主を探して南極に向かうと、のび太たちの前に氷の下に眠る巨大都市遺跡が姿を現した。落とし物を届けるため、ひみつ道具・タイムベルトで10万年前に飛ぶのび太たち。そこで出会ったのは、凍りついた自分たちの星を救うために宇宙を旅して腕輪の謎を追っている少女カーラとヒャッコイ博士だった。さらにドラえもんたちは地球が凍結する危機に直面。腕輪をめぐる冒険が始まる。





21-7. 聖の青春 

監督 森義隆
出演 松山ケンイチ東出昌大染谷将太
2016年 (KADOKAWA) 124分

解説
1998年に29歳の若さで亡くなった棋士、村山聖の生涯を描く、松山ケンイチ主演の人間ドラマ。病と戦いながら、将棋に全人生をかけ、全力で生きた村山の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルとの友情とともに描く。松山が体重を増やして村山を演じ、東出昌大も村山の最大のライバル、羽生善治を徹底した役作りで演じている。

ストーリー
将棋の七大タイトルの最高峰・名人を目指し、10年間師事していた森師匠の元を離れ、上京した聖。同世代の棋士・羽生が前人未到のタイトル七冠を達成し、聖は強烈に意識しながらも憧れの思いを抱くようになる。羽生を倒し、名人になるため、一層将棋に没頭する聖だったが、がんを発病。医者の忠告を無視してまでも、将棋を指そうとする。





21-8. 超高速!参勤交代リターンズ 

監督 本木克英
出演 佐々木蔵之介深田恭子伊原剛志
2016年 (松竹) 119分

解説
幕府から突如、参勤交代を命じられた弱小貧乏藩の面々が、知恵と工夫で無理難題に挑む姿を描いたユニークな時代劇の続編。参勤を終え、江戸から湯長谷藩へ戻ろうとする藩主の内藤政醇らが、再びトラブルに見舞われる姿がつづられる。政醇役の佐々木蔵之介、彼と恋に落ちるお咲役の深田恭子ら、前作のキャストが再結集。

ストーリー
通常なら10日かかる道のりをたった4日で進み、参勤を終えた藩主の政醇ら湯長谷藩の一行。ゆっくり帰る予定が、湯長谷で一揆が起こり、2日以内に戻らなければならなくなる。というのも、幕府から派遣された目付が到着する2日以内に戻らないと藩がお取り潰しになってしまうのだ。必死に戻ろうとする一行だが、数々の難題が降りかかる。




21-9. 月形半平太 花の巻 嵐の巻

監督 衣笠貞之助
出演 長谷川一夫市川雷蔵山本富士子京マチ子菅原謙二
1956年 (大映) 109分

解説
月さま雨が……お馴染の行友李風原作、月形半平太の大映カラーによる再映画化。脚本は衣笠貞之助と 「折鶴七変化 (前後編)」 の犬塚稔、 「火花」 に次いで衣笠貞之助が監督、 「銭形平次捕物控 人肌蜘蛛」 の杉山公平と 「怪猫五十三次」 の牧田行正が共同で撮影を担当。主な出演者としては 「逢いぞめ笠」 の長谷川一夫、三益愛子、 「日本橋」 の山本富士子、 「弥次喜多道中」 の市川雷蔵、久々の京マチ子、 「惚れるな弥ン八」 の菅原謙二、 「あこがれの練習船」 の川口浩、矢島ひろ子、 「不知火奉行」 の勝新太郎、林成年、三田登喜子、 「スタジオは大騒ぎ」 の川上康子、八潮悠子、高松英郎、 「恋すれど恋すれど物語」 の大河内傳次郎、 「女囚と共に」 の木暮実千代、 「銭形平次捕物控 人肌蜘蛛」 の黒川弥太郎、 「忘れえぬ慕情 Printemps_a_Nagasaki」 の山村聡、その他千田是也、山形勲、田崎潤、石黒達也など。

ストーリー
文久三年、祇園祭も間近い夏、維新前夜の京都は尊皇、佐幕両派の対立で殺気をはらむ。長州浪士月形半平太は、勤皇派ながら独り開国論を唱えていた。だが先覚者たる彼は同志からも異端視され、裏切者として絶えず命を狙われていた。そうした折、半平太を頼って京に来た青年武士、早瀬辰馬は、岡崎幸蔵、岡田新平ら同郷の長州浪士から月形は同志離反と聞き驚く。彼は半平太の宿で刺客に襲われ、蘭医玄斎の許で手当を受ける。月形は岡田が自分と間違え早瀬を刺したものとにらむ。玄斎の娘ゆかりは早瀬を慕うようになるが、この頃、見廻組組頭の奥平文之進は同志の仇と早瀬に暗殺され、その折、彼が月形の着物を着ていたことから文之進を恋する芸妓染八は月形を仇と思い込んでしまう。月形に早計を戒められた早瀬は奮然、岡崎の許に去る。月形が情けをかける祇園の芸妓梅松は一筋に彼を慕うひたむきな女性。ある晩、三条河原で薩摩浪士の闇討を受けた月形は知らずに染八の家へ辿りつく。染八は恋人の仇と短刀で刺すが失敗、だが彼の弁解を聞こうともしない。やがて国許で彼の不評を耳にした妹萩乃が心配の余り京に上ってくるが、兄の決意を知り、梅松の心遣いに感謝しつつ帰る。月形は尊攘派の公卿姉小路公知や桂小五郎に、将軍家茂公を説き伏せ大政奉還を図るよう力説。だが姉小路は岡崎らに暗殺され、早瀬から文之進殺害の事情を聞いた月形は暗然。桂ら開国派浪士は祇園祭の宵宮、扇屋安左衛門の二階で秘密会合。自らの誤解を知った染八から浪人狩があるとの知らせに、月形は引留める梅松の手を振り切って扇屋へ。だが彼は竹藪の道で岡崎ら旧同志に襲われ、彼の真意を知った早瀬の助勢も及ばず短筒の狙撃に倒れ急を知って駈けつけた桂や梅松に見守られつつ、静かに息を引取っていった。




21-10. さくらん 

監督 蜷川実花
出演 土屋アンナ椎名桔平成宮寛貴木村佳乃菅野美穂
2007年 (アスミック・エース) 111分

解説
原作は、 「働きマン」 の安野モヨコが江戸時代の花魁をヒロインにした同名コミック。国際的フォトグラファーの蜷川実花が、せつない恋愛物語をあでやかなビジュアルで描いた。

ストーリー
吉原の遊郭に売られた少女・きよ葉。美貌と気性の強さで一躍売れっ子となった彼女は、楼主と女将の希望に応え花魁となる。名を日暮と改め、吉原一の花魁となった彼女にある日、武士の倉之助から結婚が申し込まれる。




21-11. 劇場版K MISSING KINGS

監督 鈴木信吾
出演 浪川大輔小野大輔小松未可子津田健次郎杉田智和
2014年

解説
現実とは異なる歴史を歩んだ現代の日本を舞台に、国を治める7人の王とその仲間たちが繰り広げる戦いを描いたテレビアニメの劇場版。4人の王たちが雌雄を決した、テレビシリーズのクライマックスである“学園島事件”のその後の物語が、行方不明となった白銀の王、シロの仲間たちの目を通して描かれる。

ストーリー
4人の王が関与した学園島事件以降、白銀の王であるシロのクランズマンとなった夜刀神狗朗(声:小野大輔)とネコ(声:小松未可子)はシロの行方を追っているものの、手がかりをつかめずにいた。そんな中、赤の王率いる異能者集団・吠舞羅の一員である鎌本力夫(声:中村悠一)と櫛名アンナ(声:堀江由衣)が街中で何者かに追われているのを目にする……。





21-12. 3月のライオン 前編 

監督 大友啓史
出演 神木隆之介佐々木蔵之介伊藤英明加瀬亮倉科カナ
2017年 (東宝 アスミック・エース) 139分

解説
羽海野チカの人気コミックを、 「るろうに剣心」 シリーズの大友啓史監督が、神木隆之介主演で実写映画化した2部作の前編。孤独な青年棋士が三姉妹との出会いを通して成長していく姿を描く。主人公を癒す三姉妹を倉科カナ、清原果耶、新津ちせが演じ、ライバルの二海堂を特殊メイクによってまるで別人に変身した染谷将太が熱演する。

ストーリー
桐山零は幼い頃に交通事故で両親と妹を失い、父の友人である棋士・幸田に引き取られた。居場所を求めるように将棋を指し続け、中学生にしてプロ棋士になったものの、幸田家を出ざるをえない状況になる。東京の下町にひとりで暮らし、深い孤独を抱えたある日、川向こうに住む川本家の三姉妹と出会う。彼女たちのにぎやかな食卓に混ざった桐山は、そこに居場所を見出していった。様々な人との交流、そして様々な人生を背負った棋士との出会いと闘いが、桐山を変えていく。





21-13. ときめきに死す 

監督 森田芳光
出演 沢田研二樋口可南子日下武史矢崎滋岡本真
1984年 (ヘラルド・エース=にっかつ) 105分

解説
一人のテロリストが暗殺に失敗するまでを、男二人、女一人の共同生活を軸に描く。丸山健二の同名小説の映画化で脚本・監督は 「家族ゲーム」 の森田芳光、撮影は 「女猫」 の前田米造がそれぞれ担当。

ストーリー
自称、歌舞伎町の医者・大倉は、ある謎の組織から莫大な報酬で、別荘の管理と一人の男の身の回りの世話、心身のチェックを依頼された。それを引き受けた彼は、ある田舎町の駅で工藤という若い男を出迎える。大倉は工藤を別荘に案内し、組織の指示通りに調理した夕食で持てなすが、工藤は酒も煙草も拒否、食事もデザートから手をつけるという変わり者だった。大倉は工藤の正体も、ここに現われた目的も一切知らされず、また質問する事も禁じられていた。ただひたすら、組織からの一方的な電話による指示通りに彼の世話をするのだった。工藤は早朝、森林を駆け回り昼は海で水泳をし、別荘に帰っては室内トレーニングを続けるという日課を黙々とこなしていた。大倉はそんな彼のストイックな姿に魅せられていく。あるコンピューター室で少年がキーを叩いている。ブラウン管には工藤と大倉の行動がグラフィック化され、二人の体格、性格に対照して「コヅエ・ヒロミ」という女が叩き出された。そして、梢が組織から工藤のために別荘に送り込まれてきた。男二人と女一人の奇妙な生活が始まる。工藤は梢に全く興味を示さず、その謎めいたペースをくずさない。一時、大倉にモーションをかけていた梢も、工藤に興味を持ちはじめ、愛を抱いていく。コンピューターが、遂に組織が排除すべき人物をあぶり出す。驚く幹部達。それは組織の会長・谷川の名だった。夏の終わり、売春宿に出かけた大倉は、そこのおかみ・たえから、この町に信者の多い新興宗教の谷川会長が訪れることを聞く。大倉は初めて工藤が負っている使命とそのターゲットを知った。工藤は谷川会長を刺そうとして失敗し、警察に捕まった。それを知った組織の新条は会長を暗殺する。パトカーの中で、工藤は手首を噛み切って自決した。




21-14. ぼくらの七日間戦争 (Kwaidan)  

監督 菅原比呂志
出演 宮沢りえ菊池健一郎工藤正貴大地康雄賀来千香子
1988年 (東宝) 94分

解説
管理教育に抑圧された中学生が、学校教師や大人に「戦争」を挑む。原作にはない61式戦車なども登場する一方、原作で焦点となっている「全共闘関連の説明」・「柿沼直樹の誘拐事件」・「外部との通信・外出による各種工作」・「学校教師に対する社会的攻撃」等が削除され、立てこもる生徒が「クラスの男子ほぼ全員」から「クラスの一部生徒」に変更される等廃工場での攻防に重点が置かれている。宮沢りえ主演第1作としても注目された。

ストーリー
ある日、校則に反発した青葉中学の一年・菊地ら男子生徒8人が失跡した。彼は自衛隊の廃工場に立てこもっていたが、学校側は体面を取りつくろうばかり。そのうち、ひとみら女生徒3人も加わり、11人での自炊生活か始まった。しかし、居場所がバレて教師や親が説得にやってきた。その場はなんとか追い返したが、子供たちはバリケードをつくり武装を始めた。体育教師の酒井らはエンジン・カッターで工場のシャッターを壊して侵入。ひとみらは地下からついに戦車まで持ち出した。学校側も機動隊の出動を要請したが、どさくさに紛れ、ひとみらはマンホールから外に脱出するのだった。