資料シート●各科目
MPEG-1
http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/M/MPEG1.html
MPEG-1はムービのコーデック(群)として88〜91年に確立した。もともとビデオCDのためのコーデックとして検討が始められたが、現在ではBSやビデオカラオケでも使われている。
MPEG-1はビデオのためのコーデックとオーディオのためのコーデックとに分かれている。これらを必要に応じて組み合せることによって、いろいろな用途に対応した最適のコーデックが利用できるようになっている。
MPEG-1
ビデオコーデック
MPEG-1では、高振動数成分省略などのいろんな手法を組み合わせることによって、転送なら最高で1.2Mビット/秒の流率で、(地上局)TVやVHSに相当する画質(▽図)が得られる。この流率でなら、CD、DAT、ハードディスクのような、ふつうの生活で使われている装置の性能でも、途中で途切れない録画/再生が可能になる。
△
信号 NTSC PAL 左右 上下 時間 左右 上下 時間 Y 360 240 約30
(=29.97)
360 288 25 Cr
Cb180 120 約30
(=29.97)
180 144 25 cell/ras ras/fr fr/sec cell/ras ras/fr fr/sec
MPEG-1で扱うビデオの品質
MPEG-1は、上下の精度が低く、インタレーシングには対応していないので、これを必要とする(地上局)TVの放送やVHSでの録画には向いていない。TVやVHSのために作られたムービを扱わなければならない場合は、奇数番目のラスタ(トップフィールド)だけを残し、偶数番目のラスタ(ボトムフィールド)は捨ててしまっていることが多い。
MPEG-1はコンピュータで録画/転送することもできる。初めは専用の機器が必要だったが、現在では、ふつうのコンピュータならほかの処理と同じように本体だけでも十分に録画/転送を行なうことができる。MPEG-1に対応したビデオカメラも作られている。
MPEG-1
オーディオコーデック
オーディオに関しては、MPEG-1には層(layer)1/2/3の三つのコーデックが含まれている。(線形)PCM、AC3、MP3などのコーデックもここに含まれている。これらはビデオCD、DVDビデオ、映画、デジタルTV、コンピュータでの音の記録などの用途に使われている。
名称 標本化 量子化 チャネル 要求される流率 用途 (線形)PCM 48.96kHz 16ビット
20ビット
24ビット6144Mbps〜 DVDビデオ AC3
=ドルビーデジタル
48.96kHz 5.1ほか 448Mbps〜 映画
DVDビデオMPEGオーディオ
48.96kHz 912Mbps〜 DVDビデオ MPEG-1層2
44.1kHz ステレオ
ジョイントステレオ
デュアル224kbps〜 ビデオCD
最近、音楽の記録に適した新しいコーデックとしてMP3が話題になっている。MP3は、正式にはMPEG-1オーディオ層3(MPEG-1 audio layer:3)として定められている。
MP3を使うと、音質は落ちる(音色がふらつく)が媒体への負担をかなり減らすことができる。たとえば、3分の曲をふつうのPCMで記録すると10MB近くにもなるが、MP3なら1MBぐらいになってしまうので、FDに記録することもできる。
Q Premiere6.0を使ってビデオの編集をしています。完成した作品はMPEG-1ファイルに書き出したいと思っているんですがうまくいきません。(02-12 あ...さん)
Premiereの ファイル:Save for Web を実行させると、Cleaner 5 EZというアプリが自動的に起動して書き出しが始まります。3時間ぐらい待たされて完了して、ちゃんとMPEG-1ファイルもできています。ところが、このファイルをRealPlayerで再生させると、最初のうちは順調なんですが、3分ぐらいすると絵の方は止まってしまって、音だけが進んでいく感じになってしまいます。
また、途中から再生してみると、絵と音がずれている所があるみたいです。
何が原因なんでしょうか?
A かなり専門的でピンポイントな質問が来ちゃった。
残念ですがわたしもPremierとCleanerの組合せで同じ目に会っていて、いろいろ追求してみたんですが、原因は分かりませんでした。わたしの場合はもっと悲惨で、ビデオCDを作るためにB'sRecorderを使っていたんですが、Cleanerが書き出したMPEG-1ファイルは、B'sRecorderに落としてもMPEG-1としては認知してもらえないみたいでした。
AfterEffects(4、5)でもうまくいきませんでした。項目は現れますが、実行させようとすると警告ダイ アログが表示されてすぐ止まってしまいます(アプリはそのまま続けて使えます)。
とりあえず対策ですが、Toastを使ってみるのがいいと思います。Toastは(少なくとも6以後なら)、QuickTimeファイルからビデオCDが作れます。だから、まずQuickTimeファイルに書き出して、それをToastに渡すという手順になります。
Toastの操作はここには書ききれませんが、簡単に言うと、[ビデオ] ウィンドーにQuickTimeファイルを落してからCDに書き出させるだけです。困ることは、QuickTimeとMPEG-1と、二つのムービファイルを作らせることになるので、時間とディスクの容量がすごく必要になることでしょうか。
Toast6(MacOS9でしか使えませんが)の時はもっとしゃれていて、おまけとして Toast Video CD Support.qtx という機能拡張がついてきました。これはToastと同時にインストールされるようになっていて、QuickTimePlayer(またはMoviePlayer)、 FinalCutPro、Toastなどのアプリの ファイル:書き出し に ToastVideo という項目を追加してくれます。これを実行させると、いきなりMPEG-1ファイルを作ってくれます。しかもちゃんとしたファイルです。
Toast Video CD Support.qtx には、画質/音質を指定する機能はありません。すべておマカセです。でも、ビデオCDを作るんじゃないけどともかく MPEG-1ファイルが作りたいという場合はこれを使うのもいいでしょう。
iMovie用には、代わりに Toast Video CD Export という専用のプラグがついてきます。これも同じようにして使います。
PremiereやAfterEffectsに対応している同じような機能のプラグは、Toastにもそのほかにもないみたいです。
なお、まだきちんと確認していないのですが、QuickTimePlayerで書き出させたの よりも、FinalCutProで書き出させた方が音質がいいような気がします。ここらへんはかえって親アプリに依存するのかもしれませんが。
それから、組み込んだままの設定だと、変換をやりたいだけなのに、変換が完了すると"さあCDに焼こうよ"とばかりに自動的にToastが起動してしまうようになっています。これは直せますから、Toastが起動しないように変えておいた方がいいでしょう。
参考にした資料
嵩比呂志
MPEG、JPEGとは何ですか?
情報処理、36巻、10、pp.968-969(95-10)
広瀬なるみ
国際規格JPEG、MPEG-1、MPEG-1がエミー賞を受賞
情報処理、37巻、12、pp.1152(96-12)
藤原洋
MPEG
(連載/今月のキーワード)
ASCII、Vol.21、No.1、pp.326(97-01)
藤原洋
画像情報圧縮の国際標準MPEG
(連載/マルチメディアの基礎技術)
bit、Vol.29、No.5、pp.80-89(97-05)
吉田孝之
MPEG 見るだけでなく、使えるデジタル映像
(特集/今、そこにある15の新技術)
MACPOWER、Vol.8、No.6(97-06)、pp.138-167
[日経MAC]編集部
MPEGって何?
(連載/マックが分かるQ&A)
日経MAC、No.53(97-09)、pp.207
もっとしっかり調べるための資料
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