資料シート/[三月劇場]

PCM

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/PCM.html



展開形
pulse-code
modulation
パルス符号による波形化

 時間や空間によって変動する量(オーディオなど)を、記録/通信するための表現の方式の一つ。
 振れの寄せ引きの大きさを測ったものを並べて波の形を表現しようとするのはAMFMと同じだが、それを表現するのに、振動の強さや細かさではなく、波で作った符号で記録する。
 現在ではコンピュータでサウンドを取り扱うための表現としても使われている。CD(compact disk)やMD(Minidisk)の記録にも使われている。




パルス符号


 山(または谷)が一つだけのごく短い波をパルス(=pulse)という。パルスを置いたり置かなかったりしながら一定の個数だけ並べると、数や文字を表現するのに使える符号の組みが作れる。これをパルス符号という。
 たとえば、長さ2のパルス符号には(本質的に)以下の4種類があり、数ならたとえば0〜3の4種類の区別が表現できる。


量の大きさ
符号
0
__
1
_□
2
□_
3
□□


PCM


 PCMでは、パルス符号を順に並べることによって、変動する量(たとえば音を構成する圧力の大きさ)を記録/通信する。


(a)


(b)

もとの変化(a)と、それから作った(b、上から順に)AM波、FM波、PCM
([星野71]より)

 PCMは、オーディオCDや(一部の)DVDビデオ(のオーディオトラック)のコーデックとして使われている。


PCMの短所


 PCMは、符号を並べて量の変動を表現するので、一つずつの符号と符号との間での値は取り込むことができない。このことによる情報の切り捨てを標本化(=sampling)という。オーディオCDの場合は、44.1kHzの頻度で標本化することが決められている。
 また、あらかじめ準備しておいた符号の種類では足りなくなるような細かい値の違いも取り込めない。このことによる情報の切り捨てを量子化(=quantizing)という。オーディオCDでは、216(=6万5536)種類の符号があらかじめ決められていて、その中の強弱も決まっている。この強弱と圧力の大きさの大小がちょうど対応するように符号が使われる。

 これらは、AMFMには見られないPCMの欠点だ。


オーディオCDで使われているPCM


 オーディオCDには、曲(または楽章など)ごとにファイルが収納されている(▽図)。これらのファイルの内容は、PCMに基づいてコーデックされたオーディオだ。
 オーディオCDでは、特に▽表の規格に基づいてコーデックを行なうことが決められている。

標本化の細かさ
(標本化周波数)
44.1kHz
量子化の細かさ
(階数)
216(=約6700万)
チャネルの個数 1(モノラル)
2(ステレオ)

 オーディオでただPCMといえば、この規格のPCMを意味する。



参考にした資料

Digi-Ana Valley
ASCII、Vol.16、No.7、pp.309-316 (92-07)

星野芳郎
技術の体系 II (岩波講座基礎工学9-II)
(岩波書店、71-11-26)



ジャンクション



メディアテクノロジー論


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06-04-26