戻る   リレーによる半加算器  (half adder)



スイッチを組み合わせると、 AND 回路OR 回路 などと同じ働きをさせることができます。

AND 回路
 A   B   X 
000
010
100
111
OR 回路
 A   B   X 
000
011
101
111
(スイッチをクリックすると動きますから、確かめてください。)



さて、 スイッチに基本論理回路と同じ働きができるのなら、 半加算器 もスイッチで作れるはず、 ですよね。
ただし、 たくさんのスイッチを同時に動かさなくてはならないので、 こうした場合に向いている、 リレー (relay: 継電器) というやや特殊なスイッチを使うことにします。

リレーは、 電磁石とスイッチを組み合わせたものです。
何組かのスイッチの接点を鉄片に取り付け (左図では 4 組)、 電磁石のコイルの電流を ON-OFF すると接点が同時に動くようになっています。
左の写真コイルとスイッチの接点がよく見えるようにリレーのカバーを取り外し、 コイルの電流を ON-OFF させたときの様子を表しています。 4 組の接点 c が同時に動いている様子が見えます。


コイルに電流が流れていないとき、 中央の可動接点 c は右の接点 b に接触していますが、 電流が流れると鉄片は電磁石に吸い付けられて、 接点 c は左の接点 a に接触します。

コイルの電流の ON-OFF と接点の ON, OFF の関係は次の表のようになります。
電流の ON-OFF と接点 c - a とはまったく同じですが、 接点 c - b は逆ですから、 これは NOT 回路 として使うことができます。
したがって、 基本論理回路の AND 回路、 OR 回路、 NOT 回路の機能がリレーですべて揃います。

 コイルの電流  c - a  c - b 
ONONOFF
OFFOFFON



下図はリレーで作った半加算器です。
図中、 A はリレー A のコイルを表しています。 スイッチ A を ON にすると、 電磁石の働きでリレー A の 3 つの接点 A が同時に動きます。 は接点 c - b を使っていますから、 スイッチ A を ON にするとこの接点は OFF になります。
リレー B についても同様です。
下図の、 コイルにつながっているスイッチの付近 や 真理値表 をクリックするとスイッチが動きますから、 半加算器として動作することをお確かめ下さい。








下図左はリレーによる半加算器、 右は AND 回路OR 回路NOT回路 を使った半加算器です。

半加算回路2種


上図左、 リレーの半加算器のピンクの部分は、 接点 A と接点 Not_B が直列に接続されていますから、 右の論理回路の加算器のピンクの部分の AND 回路と等価です。
同様に、 左のブルーの部分は右のブルーに対応しています。
そしてこれら全体は、 ベージュで示しているように並列に接続されていますから、 OR 回路 として働きます。
緑の部分は単純な AND 回路 です。 右の図の C を出力する AND 回路 に対応します。

上図のふたつの回路は別物に見えますが、 まったく同じ働きをすることがお分かりでしょうか。



関連事項:  半加算器   リレーによる 4bit 加算回路  

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update: 2014.06.26  address