戻る   OR 回路 (OR circuit)



OR 回路 (論理和回路) は最も基本的な論理回路のひとつで、 AND 回路NOT 回路 とともに、 「基本論理回路」 と呼ばれています。

OR 回路には複数の入力と1個の出力があり、 少なくとも1つの入力端子に1が入力されたときに1が出力 されます。

入力信号の組み合わせによって、 出力信号がどのように変わるかをすべての条件について表したものを 「真理値表」 といいます。
下図の場合入力信号は 2 個なので、 入力信号 A, B の組み合わせは 0, 0、 0, 1、 1, 0、 1, 1 の 4 種類です。

OR 回路の動作は、 下図の電池と電球、そして並列に接続された 2 個のスイッチの回路に似ています。
スイッチAB と電球の点滅 X の関係を 「電球回路」 の表にまとめてあります。
スイッチの OFF と電球の消灯は 0、 スイッチの ON と電球の点灯は 1 と考えれば、 OR 回路と電球の回路はまったく同じように動作します。






上の図の OR 回路入力部の数字 "0"、"1" や回路図のスイッチの付近、 あるいは真理値表などをマウスでクリックすれば、 状態を変えることができます。




バスの押しボタンスイッチ 身近な例では、 バスの 「次降ります」 スイッチが、 上図と同じように並列に接続されています。

乗客は降りたいバス停が近づくと、 手近の押しボタンスイッチを押します。
どのスイッチを押しても 「次止まります」 というランプがつきます。
たくさんあるスイッチのどれでも、 少なくとも一つが ON になると (もちろん 2 つ 3 つのスイッチが同時に押されても)、 運転席ではブザーが鳴って、 降りたい人がいることを運転手さんに知らせます。




真理値表 AND 回路 のページにも同じようなことを書きましたが、 左は OR 回路の真理値表です。
"0" を赤い文字にしてあります。
OR 回路は 「少なくとも1つの入力端子に1が入力されたときに1を出力」 しますが、 こうして "0" に注目すると、 「すべての入力端子に 0 が入力されたときのみ 0 が出力される」 と読んでもよい、 ということが分かります。
そうすると、 これは AND 回路の性質です。
つまり OR 回路と AND 回路は本質的に同じで、 同じものを 0 と 1 の考え方を変えて見ているわけです。

真理値表 したがって、 OR 回路を AND 回路のように使うこともできます。
ならばそうした使い方をする場合、 回路図の記号を上図の OR 回路記号のままにしておくよりも、 左のように記して AND 回路的に使っていることを明示した方が分かりやすくなります (入出力の小さい円は負論理を表しています)
これも OR 回路で、 回路記号の書き方だけを変えるわけです (もちろん本来の OR 回路の記号のままでも構わない)
面白いので紹介しましたが、 ややこしいのも事実です。 分からなくても差し支えありませんが、 これは論理回路を理解する近道です。
「何だか 面白そう」 と思った方には、 負論理のページの一読をお勧めします。



関連事項: AND 回路  NOT 回路  NOR 回路

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update: 2014.05.26  address