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最初のコンピュータ |
講義資料の 「コンピュータの歴史」 のページでは、
ABC、 Colossus、 ENIAC、
The Baby、 EDSAC など、
黎明期のコンピュータをいくつか紹介してきました。
一般的には ENIAC が 「最初のコンピュータ」 とされていますが、ENIAC に限らず、
どのコンピュータも、何らかの意味で 「最初のコンピュータ」 と考えることができる要素を持っています。
では、最初のコンピュータは、どれなのか?
それぞれの "コンピュータ" の特徴を、簡単にまとめると次の表のようになります。
(現在のコンピュータと比べて、本質的にちょっと違うな、と思われる項目は
赤色 で示しています。
「真空管」 は、今日の LSI と比べれば "ちょっと" どころではない違いがありますが、
真空管もトランジスタも LSI も、「電子素子」 という点では同じ、と考えることにします。
メモリについても、コンデンサドラムや蓄積記憶管、水銀遅延線など、
現在では博物館にしかないようなものばかりですが、
記憶容量やアクセス時間を問わなければ基本的には記憶装置として機能しているので、問題ないことにします。)。
| 名称 | ABC | Colossus | ENIAC | The Baby | EDSAC |
|---|---|---|---|---|---|
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| 完成年 | 1942 | 1943 | 1946 | 1948 | 1949 |
| 演算素子 | 真空管 | 真空管 | 真空管 | 真空管 | 真空管 |
| メモリ | コンデンサドラム | 真空管 | 真空管 | 蓄積記憶管 | 水銀遅延線 |
| 演算方式 | 2進数 | 2進数 | 10進数 | 2進数 | 2進数 |
| プログラム | ハードウェア | ハードウェア | ハードウェア | メモリに内蔵 | メモリに内蔵 |
「最初のコンピュータはどれか」 という問題に答えるには、
「コンピュータとは何か」 ということがはっきりしていなければなりません。
「コンピュータとは、電子素子 (真空管や、トランジスタ、IC など)
を使って演算処理できるもの」と考えれば、
最初のコンピュータは明らかに ABC です。
また、いわゆる 「ノイマン方式」 のものがコンピュータであると考えれば、最初のコンピュータは
EDSAC ということになります。
しかし、蓄積記憶管 (ウィリアムス管) の機能を検証するために開発された The Baby は、
機能的には実験機のレベルですが、今日のコンピュータと比べて本質的な違いはありません。
最初のコンピュータは The Baby だと考えるのが妥当なように思えます。
ではなぜ、一般的には ENIAC が最初のコンピュータとされているのでしょう。
ABC は部分的に未完成であったため、
Colossus や ENIAC は第二次世界大戦中軍事目的で開発が進められたため機密下にあり、
一般的に知られることはありませんでした。
ENIAC は弾道計算という軍事目的で開発されましたが、
完成したときには戦争が終わっていたため、 1946年に機密解除されました。
このような事情から、ENIAC が 「最初のコンピュータ」 ということになったのではないのでしょうか。
update: 2004.08.02 ueyama@infonet.co.jp