戻る   RAM (Random Access Memory)



RAM は、 「ラム」 と読んで、 一般的には 「随時書き込み読み出しメモリ」 と訳されています。 JIS の用語 (JIS X 0012   12.02.14) でも、 「読取り書込み記憶装置」 となっています。
いずれも、 「読み書きができる記憶装置」 という点では同じです が、 本来 RAM は "Random Access Memory" の略語ですから、 「ランダム (なアドレスに任意) にアクセスできる記憶装置」 です。

「ランダム」 ではないメモリのアクセス方式として、 "SAM" (Sequential Access Memory) があります。
身近な例では、 ビデオテープやカセットテープはシーケンシャルアクセス、 これに対してレコードや CD、MD などはランダムアクセスといえます。 なお、 レコードや CD は、 一般的には 「読み出し専用 (
ROM)」 でもあります。


カセットテープは曲の頭出しや早送り、巻き戻しがやっかいで時間もかかりますが、 レコードや CD なら簡単、 最後の曲でもすぐに再生できます。
「シーケンシャルアクセス」 だと必要なデータがやってくるまで待たなくてはなりませんが、 「ランダムアクセス」 ならどこに記録されているデータを読み出すにも、 またどこに書き込むにも、 必要な時間に本質的な差はありません。
コンピュータのメモリには、 もちろん、 ランダムアクセスが適しています





しかし RAM という用語は、 本来の "Random Accsess Memory" ではなく、 RWM、 すなわち "Read Wright Memory" (読み出し書き込みメモリ) の意味で使われています。

RWM (読み出し書き込みメモリ) に対して、 「読み出し専用メモリ」 を ROM (Read Only Memory) といいます。
ところが、 今日の ROM はみんなランダムにアクセスできますから、 実は ROM も "RAM" (ランダムアクセスメモリ) です。
書き込みできない、 あるいは書き込みに時間や手数がかかる、 などの意味で ROM (リードオンリーメモリ) と呼んで、 "RWM" と区別されています。

なんだか、 書けば書くほど、 話がややこしくなりそうで…。

DRAM
メモリボード


現在の RAM と ROM には、 もうひとつ大きな違いがあります。

一般的に使われている RAM DRAM や SRAM) は、 電源を OFF にするとメモリのデータが消えてしまいます。
半日かかって打ち込んだワープロのデータも、 停電があったり、 パソコンがフリーズして再起動したりすると、 苦労して入力したデータが消えてしまいます。 この性質を 「揮発性」 といいます。

ROM は 「不揮発性」 で、 電源を切ってもデータは消えません。
コンピュータを起動させるためのプログラムなどが ROM に書き込まれていて、 電源投入直後はそれによってハードディスクに記憶されている OS のプログラムなどが主記憶装置 (DRAM) に読み込まれ、 コンピュータは目を覚まします。

しかし、 起動の度に膨大なプログラムを読み込まなければなりませんから、 コンピュータの起動にはかなりの時間がかかります。
テレビのようにスイッチを入れるとすぐに動けば、 パソコンはもっと扱いやすくなります。
RAM が不揮発性であればそれも可能で、 そして、 それはもう、 単なる夢ではありません。 MRAM などの不揮発性 RAM が、 数年後には現れてきそうです。



関連事項:  ROM  DRAM  MRAM


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*1 JIS では 「備考」 として、「RAM は、 語源的には"Random Access Memory" の省略形であるが、 直接アクセス記憶装置 の意味でこの用語を用いてはいけない」 と記されています。 "Random" は 「直接」 と訳されています。
*2 「随時」 という言葉があるかないかの違いはあります。
*3 シーケンシャルアクセスのメモリが使われたコンピュータもあります。 古い話ですが、 ABCEDSAC などがそうです。

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update; 2013.02.07  address