戻る ROM (read only memory)



コンピュータの記憶装置 (メモリ) の一種ですが、 "Read Only" の名の通り、 データの 「読み出し専用」 のメモリです。

ROM には次のような種類があります。

略称読み方フルネームデータ書込データ消去
ROM ロム Read Only Memoryメーカー 不可
PROM ピーロム Programmable Read Only Memoryユーザー 不可
EPROM イーピーロム Erasable Programmable Read Only Memoryユーザー 紫外線消去
 EEPROM イーイーピーロム Electrically Erasable Programmable Read Only Memoryユーザー 電気的消去

"Read Only" とはいえ、 データを書いたり (Programmable) 消したり (Erasable) できるものもあるわけです。
しかし、 "ROM" と称されるこれらのメモリは、 データの書き込み・消去が遅かったり、 データを一部分だけ書き換えることができなかったり、 データの書き換え回数に制限があったりします。
このような性質を持つ "ROM" は、 コンピュータの記憶装置の主役にはなれません。

しかし、 ROM の最大の特徴は不揮発性です。 コンピュータの電源が切れても ROM に書き込まれているデータは消えません。
ROM はコンピュータのスイッチが ON にされたとき、 最初に実行されるプログラムを格納するためにも使用されています。





PROM、EPROM、EEPROM はユーザーがデータを書き込んで使用しますが、 なかでも面白いのは EPROM で、 これは書き込んだデータを消去するのに紫外線を使用します。
そのため、 メモリのチップに紫外線を照射できるように、 IC のパッケージに石英ガラスの窓が設けられています。
IC の内部をこの窓から簡単に観察できるという、 画期的 (?) な特徴を持っています。

EPROM
EPROM の外観
EPROM Close UP
メモリチップ部拡大
EPROM Close UP
チップの一部を更に拡大

左の写真は EPROM の外観です。 IC の中央に窓があります。
中央の写真は窓の部分のクローズアップで、 やや縦長の長方形 のメモリチップ (約4mm×5mm) が見えます。 濃い灰色の縦長の長方形のエリアが 2 つ並んでいますが、 これがメモリセルのアレイです。 このメモリの場合、 この中に 524,288 個のメモリセルが並んでいます。
メモリチップの上下には放射状の細い線が見えますが、 これはチップと IC のリードを接続しています。 ボンディングワイヤーといいます。
右の写真はチップの右下の部分をさらに拡大したものです。 チップにボンディングワイヤーが接続されている様子がよく分かります。 (写真をクリックすると更に拡大表示されます。)





EEPROM は、 紫外線照射という 「外科的」 手段によらず、 電気的にデータを消去することができます。 特にフラッシュメモリは部分的に書込・消去ができるので、 最近ではデジタルカメラや USB メモリに利用されています。

EEPROM
スマートメディア
SD Memory
SD メモリ
Memory stick
メモリースティック
Compact Flash
コンパクトフラッシュ
USB Memory
USB メモリ

デジカメのフラッシュメモリは、 画像データを書いたり消したりできるにもかかわらず ROM (read only memory) の仲間です。
たしかに書いたり消したりできますが、 最初に書いたように、 すばやくありません。
撮影データを記憶するのにかかる "秒" のオーダーの時間は、 人は待ててもコンピュータは待ってくれません。 1 秒といえば、 最近のパソコンだと 1000 億回くらい計算をしてしまう時間です。
コンピュータのメモリ (主記憶装置)
DRAM のように、 読み・書きともに速い必要があり、 書いたり消したりはできても遅いフラッシュメモリなどは、 "read only memory" という位置づけになります。




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update: 2013.02.12  address