戻る   コンピュータの構成



コンピュータの働きは、 料理に似ています。

コンピュータが処理する情報 (データ) は、 料理では肉や魚、野菜などの素材に、 プログラムはレシピに当たります。 コンピュータのプログラムはメモリに読み込まれており、 料理のレシピはシェフの頭というメモリの中に。 これもそっくりです。
メモリは下の図にある 「主記憶装置」 です。 CPU (中央処理装置) に直接つながっていて、 CPU の求めに応じてデータやプログラムを CPU に伝える働きをします。
コンピュータのデータやプログラムがどちらもメモリの中にあるのに対して、 料理の素材はまな板の上、 レシピはシェフの頭の中。 このへんはコンピュータと料理では少し違いますが、 料理の材料はシェフの頭の中に詰めこめないのに対して、 コンピュータのデータとプログラムはどちらも 2進数 の数値なので、 同じメモリに入るのです。 これがコンピュータの最大の、 と言っていい特徴です。
料理の材料はまな板の上ですが、 まな板にのりきらない食材は冷蔵庫やキッチンストッカーなどに収められています。 コンピュータではハードディスクや DVD-ROM、 USB メモリということになります。 これらは 「補助記憶装置」 です。
生ものは冷蔵庫で乾物やレトルト食品などはキッチンストッカー、 保管場所が食材の性質に応じて使い分けられていますが、 これはコンピュータも同じで、 普段使うプログラム (ソフトウェア)ハードディスク にインストールされていて、 データも同じハードディスクに保存されています。 万一のためのバックアップには DVD-ROM や USB メモリが使われます。
コンピュータは膨大なデータの中から必要なものを取りだして分かりやすく見せてくれ、 料理はそのままでは食べづらい野菜やお肉を美味しくしてくれます。 やはり、 よく似ています。

コンピュータの構成の図 実際のコンピュータは @中央処理装置、 A主記憶装置、 B補助記憶装置、 C入力装置、 D出力装置 の5つの装置で構成されています。
左の図はコンピュータの構成を模式的に表したもので、 中央処理装置 (CPU) と主記憶装置 (メモリ) をコンピュータ本体、 それ以外のものを周辺装置 (peripheral equipment) といいます。 コンピュータが大型であった時代の名残です。
現在のパーソナルコンピュータ本体にはハードディスクなどの補助記憶装置も内蔵されおり、 ノート型パソコンだとキーボードやディスプレイなど、 入・出力装置も一体化されています。

パーソナルコンピュータ 左の写真は (少し古い型の) パーソナルコンピュータの例です。
コンピュータ本体には CD ドライブやフロッピーディスクドライブがあり、 写真では見えませんが内部には CPU やメモリ、 ハードディスクなどの補助記憶装置が組み込まれています。
フロッピーディスクは記憶容量が 1.44MB と少ないため最近は見かけませんが、 それに変わって USB メモリなどが重宝されています。
キーボードやマウスは入力装置、 ディスプレイや、写真にはありませんがプリンタなどが出力装置の代表です。

リモコン 左はリモコンです。
シーリングライト用なので、 照明を ON-OFF したり明るさを変えるだけ、 ボタンの数も少ないシンプルリモコンです。 しかし、これも歴としたコンピュータです。
右下に添えてあるのはリモコン内部の基板の写真です (小さくて見にくいですが、クリックすれば拡大されます)
基板の中央やや左寄りにある IC がマイクロコンピュータです。 ここに CPU やメモリその他の電子回路が集積されています。
このコンピュータの入力装置は 6 個のボタンです。
出力装置は頭部にある赤外線 LED で、 これで光の信号を送ってシーリングライトをコントロールします。
このリモコンの仕事は、 ボタンが押されたら、 それに応じて赤外線 LED を点滅させることだけです。 簡単なプログラムが、 同じ IC に集積されている ROM に書き込まれています。
ハードディスクなどの補助記憶装置はありませんが、 これもやはり、 立派なコンピュータです。




情報処理概論 に戻る  目次 に戻る  戻る 


自由利用マーク
update: 2014.02.19  address