この3色をどれぐらいずつ混ぜ合せればいいかを表わす数量の組合せによって
色を整理する方式を
CMY方式(cyan-magenta-yellow system)という。
すべての
色を
CMY表現と対応するように整理して並べると、全体としては立方体のように見える。これを
色立方体(▽図。color cube)という。
シアン+
マゼンタ+黄の3色を混ぜ合せる度合い(ふつうはそれぞれ0〜1)の組み合せを決めてしまえば必ず一つの色が絞り込めるし、逆にある一つの色に対していろんな組み合せができてしまうこともない(例外はあるけど)。このことに基づいて
色を表現するやり方を
CMY表現という。
HSV表現は(一般に顕色表色系は)、わたしたちの
色に対する感覚を自然に表現できるが、その情報を使ってじかに
色を印刷したり表示したりすることはできない。CMY表現はこの短所が補えるという特徴がある。
現在のカラー印刷や版画では、インクを重ね合せることによって
混色の効果を起こし、いろんな
色を表示する手法を使っている。特に、一般的なカラー印刷では、シアン(cyan)+
マゼンタ(magenta)+黄(yellow)に黒(black)を追加した4種類の
色の刷り重ねによって起こる
重ね混色によって、いろんな
色を再現している(▽図)。
このため、印刷やグラフィックデザインの分野では、色の違いを正確に言い表わしたい場合には、これらの4色の混ぜ合せ方で
色を表現している。この方式を
CMYK方式(cyan-magenta-yellow-black system)という。CMYK方式はCMY方式の変型に当たる。
シアン+
マゼンタ+黄の3色だけでなく黒も使うのは、暗い
色、特によく使う黒を、あまりインクを刷り重ねなくても印刷できるようにするためだ。もしシアン+
マゼンタ+黄の3色のインクだけを使って黒のような暗い色を作り出そうとすると、重なり合うインクの量が増えてしまって、紙にインクが定着しにくくなるだろう。また、黒はよく使われる色なので、専用のインクを使えば、正確な色が印刷できるようにもなる。