科目学習書●[メディアテクノロジー論]/[マルチメディア活用論]

(通論)
色
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http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/MedTech/color.html
色の違いを生み出す [色合い 鮮やかさ 明るさ] ...これらの三つの属性を組合せるだけで無限の色が生まれる。
しかも、 [色合い 鮮やかさ 明るさ] を決めるだけでその中のたった一つの色が決まってしまう。これってほんとうに驚きだ!!!
(05-06-13 花ちゃん)
スチルやビデオについて学習する前に、これらのメディアを組み立てている要素(element)である色(color)について理解しておこう。
色の違いを生み出すもの
どんな色も、色合い(hue)、鮮やかさ(saturation)、明るさ(value)の三つの、それぞれ数量を値とする属性(attribute)をもっている。これらの属性の違いによって、いろんな色の違いが生まれる。逆に、これらの属性の組合せによってたった一つの色が決まる。つまり、どんな色でも、これらの三つの属性を組み合せれば言い表わすことができるし、違う色を取り違えることもない。

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色相(左)と彩度(右、左右方向)、明度(右、上下方向)
このことを、色合い、鮮やかさ、明るさによって色は決定されるという。
このように、あるものがいろんな種類に分かれている場合に、いくつかの要素の組み合わせによって、どんな種類のものでも作り出せて、しかもその組み合わせ方が一つしかない(多少の重複はあってもいい)状況を、要素(色合い、鮮やかさ、明るさ)が種類(色)を決定するという。
種類が無数に分かれているように見えても、実際はいくつかの要素(特に何かの程度として数量で表せるような)がそれを決定していることが分かれば、そうした要素の組み合わせで種類を区別できるし、種類が似ているかとか違っているとかがはっきり分るようにもなって便利なので、種類を決定する要素が見つけることはとても大切だ。
三つの属性を変化させることによって色の見え方がどのように変化するか試して見せるので、よく見て確かめなさい。
できれば、トークタイムに自分でもじかに試してみなさい。
色相、彩度、明度の違いは、目に入って来るいろんな種類の
光子の混ざり具合の違いによって生まれる。
HSV表現
色相、彩度、明度の三つの属性の値の組み合せを記録しておけば(または通信すれば)、色の違いを正確に再現できる(伝達できる)。このようにして色を表現する手法を
HSV表現(hue-saturation-value representation)という。
HSV方式による表現に合せて色を空間に並べると、色の円柱ができる。この円柱によって色に割り振られる座標をシステムを
HSV系(hue-saturation-value system。▽図)という。

HSV系のように、色の違いが表現できるようにいくつかの要素の組み合せによって色を整理する方式を
表色系(COS= color-order system)という
混色
混色
並べ混色 (=加法混色)
重ね混色 (=減法混色)
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わたしたちは、いくつかの違う色を一度に見ると、それらのどの色とも違う全く別の色に見えてしまう。この現象を
混色(mixture)という。
混色には原理の違う
並べ混色(mixture by paneまたは加法混色)と
重ね混色(mixture by pileまたは減法混色)の二つがある。この二つは、互いに全く反対の効果を起す。

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並べ混色(左) 重ね混色
並べ混色と重ね混色の効果を実際に起して見せるので、よく見て確かめておこう。
スチル/ビデオにおける色の印刷/映写
記録/通信されてきたスチルを印刷/映写する場合には、特定のものではない(=あらかじめ決めておけない)無限の種類の色を区別して再現しなければならない。それを可能にするために、混色が活用されている。
カラー印刷されたトマトの写真(▽図)を細かく見て、色の違いがどのようにして再現されているか、観察してみよう。

カラー印画紙に焼きつけられた喫茶店の写真(▽図)を細かく見て、色の違いがどのようにして再現されているか、観察してみよう。

RGB系 CMY系 YCrCb系
混色型色表現
RGB表現
CMY表現
CMYK表現
YCC表現
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3種類以上の色をうまく選んで混ぜると、そのそれぞれの量の組合せの違いによってどんな色でも感じさせることができる。そこで、実際には、この組み合せ方によって色を表現することが広く行なわれている。特によく使われている組み合せ方には、
RGB系、
CMY系(とその変形の
CMYK系)、
YCrCb系(▽図)などがある。




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もとの色(上端)とそのRGB系(以下順に) CMYK系 YCrCb系による色の組み立て(イメージ)
混色によって色を表現すれば、
HSV系で考えるのよりも単純なしくみを使って、スチルやビデオを取り扱うことができるようになる。
真鍋博とわたせせいぞうは、色指定原稿(=色の使い方の説明が書き添えてあって実際には色を使って描かれてはいない原稿)を使って、イラストレーションやまんがで多くの独特な作品を発表している。
実際に印刷された状態での二人の作品と、その原稿とを見比べて、色の使い方がどのように指定されているか確かめてみよう。
気になったら学習してみよう
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女の子に大人気 [わたせせいぞう] がつくった新ジャンル
Newtype、(90-04)、p.162-163
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見つけられなかったら先生に相談しなさい
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焦点学習としてこの単元を学習する人のための教科書
●
金子良二
コンピュータで知る
色彩と画像表現
(九天社) 05-04-05
Q&A
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