資料シート●各科目

(ビデオの)
フレーム

http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/bookshelf/frame.video.html




 ビデオは、何枚ものスチルが一列に並んでできていると考えることができる(▽図)。このそれぞれのスチルフレーム(frame)とよぶ。



 理論的には、どんな短いビデオにも無限に多くのフレームが含まれていることになるが、実際に映画として上映されたり放送されたりしているビデオには、それを標本化して得られたほんの一部しかが含まれていない(▽図)。

; ...;

ビデオ= フレーム;フレーム;...;フレーム

 ビデオを記録/通信する場合の時間標本化頻度(/標本化周波数=1秒に実際に記録/通信されるフレームの枚数)は、記録/通信のフォーマットによって異なっている(▽図)。

フォーマット 1秒あたりに
記録/通信される
フレームの枚数
TV/ビデオテープ
(NTSC方式)
29.97
劇場用映画
24
8mm/16mm
18/24
フォーマット (Hz)

 初期のNTSCでは切り替えは(正確に)30フレーム/秒だった。現在の規格は、カラー化した時からのもので、新しく重ね合せることになった色の信号とフレームの区切りを表わす信号とが似ていて区別できなくなるのを避けるために変更された。
 このような歴史もあるので、正確に29.97フレーム/秒と言う代わりに概数で30フレーム/秒と言ってしまってもかまわない。

 8mmなどのフィルムを使った形式では、一連のフレームとしてビデオが記録されているのをじかに目で見ることができる(▽図)。



8mmフイルムによるビデオ(音も含まれているので正確にはムービ)の記録

約1/2秒分
左から右に向かって順に記録/再生される

 フレームの列という考え方によって、ビデオは初めて自由に読み書きのできるメディアになることができた。この構造は、ビデオがメディアとして利用できるようになった何百年も前から現在に至るまで、ビデオを扱うすべての技術の基本になっている。

 最近では、ビデオはコンピュータのファイルとしてで記録されることが多い。この場合も、ビデオは一連のフレームの列として記録されるようになっている(▽図)。



QuickTime形式によるビデオの記録

同じく約1/2秒分
Premiereの時間帯ウィンドーを使って内容を表示させたもの
中央の段がビデオでやはり左から右に向かって順に記録/再生される

 ビデオを再生する場合は、一連のフレームを順に切り替えながら表示していく。しかし、記録/通信されているフレームは無数にあるうちの一部だけなので、一つのフレームが表示されてから次のフレームが表示されるまでの間は、(省略された無数のフレームの代わりに)そのフレームが表示されたままになっている(または何も表示されない)。
 このような制約にもかかわらず、表示のしかけを工夫して▽図のような条件が成り立つようにすると、省略された動きが見えるような気がしてしまう。

切り替わる時間の間隔が一定
切り替わる時間の間隔が十分に短い
内容にもよるが、長くても1/8秒ぐらいで切り替えられないと運動を感じにくくなる。
切り替えている途中のようすが見えない
たとえば、フィルムから再生する場合は、切り替えるためにフレームが流れている間は、それがスクリーンに映らないように隠しておく必要がある。しかし、そのためにスクリーンが明滅しているように見えてはいけない。
十分な時間にわたって継続

 標本化された一部のフレームしか表示されていなくてもビデオの運動が見えてしまうのは、仮現運動と関係があるらしいと考えられている。

 "映画の原理は目の残像のはたらきに基づいている"と書いてある本をよく見かけるが、これは正しくない(資料[残像は映画の原理ではない])。



フレーム(ウェブの)

映像


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05-07-04