![]() |
SRAM (Static Random Access Memory) |
SRAM は、一度データを記憶すると、電源が切れない限り記憶し続けるメモリです。
DRAM のように、記憶を保持するためのリフレッシュは必要ありません。
下図は、ラッチ (latch) と呼ばれる記憶回路の原型です。
2個の NAND 回路 (ゲート) が図のように接続されています。
NAND 回路は、2つの入力がどちらも1になったときに0を出力する
論理回路です。
NAND 回路の真理値表が右にあります。
この真理値表は、上のゲートの状態を 青 で、
下のゲートの状態を 赤 で表しています。
この記憶回路には、S と R という2つの入力端子と、
Q という出力端子があります。
通常、S と R は 1 に保たれていていますが、
この記憶回路に 1 を記憶させる場合は S を、
0 を記憶させる場合は R を一時的に 0 にします。
S と R がどちらも 0 にはならないようにして使用します。
入力 S の付近をマウスでゆっくりクリックしてみて下さい。
入力 S が 0 になって、出力 Q が 1 に変わります。
マウスのスイッチを離すと入力 S は 1 に戻りますが、
出力 Q は 1 のままです。
入力 R の付近をクリックすると、入力 R が 0 になって、
出力 Q が 0 に変わります。
マウスを OFF にすると入力 R は 1 に戻りますが、
出力 Q は 0 のままです。
入力 S と R がどちらも 1 であるのに、出力 Q は
0 にも 1 にもなります。
過去の S と R の状態を記憶する事ができるのです。
このような記憶回路(メモリセル)を多数集積したものが SRAM です。
DRAM のように、リフレッシュは必要ありませんが、電源が切れると記憶は失われます。
DRAM に比べて高速動作、低消費電力などの点で優れていますが、
必要なトランジスタ数が多いため、集積度を高くできません。
パソコンなどでは、高速動作が必要なキャッシュメモリなどに使用されています。
関連項目: 講義資料/DRAM *J