戻る 顕微鏡 QX3 (Computer Microscope QX3)


顕微鏡 QX3 「こんなん、知ってる?」

といって、息子が見せてくれたパソコン雑誌に紹介されていたのが、これです。

おもちゃの顕微鏡ですが、USB でパソコンに接続して拡大画像が見られるそうな。
なぜかメーカーは "Intel Inside" の、あのインテル。 限定輸入品だそうです。

それだけのことが分かると、ただちにインターネットで注文していました。
我ながら、これだけ見事な衝動買いは他に例がありません。

購入してしばらく後に、パソコンショップやおもちゃ屋さんなどでも見かけるようになりました。
おそらく、正式(?) に輸入されるようになったのでしょう、価格も私が買った時のほぼ半額、1万円程度でした。
複雑な気分ですが、これで後悔しているようでは、衝動買いはできません…。




QX3 は、通常の顕微鏡のように透過光で観測することも、上部のランプ照明によって反射光で使用することもできます。 スタンドから取り外して、何でも自由に見ることもできます。

透過・反射の照明の切り替えや画面の明るさの調整はパソコンで行います。
下の画面の写真では、右側にそのためのボタンやスライドバーがあります。 上部にある反射用のランプを使って、画面をやや暗くしている状態ですが、 写真の周辺部、顕微鏡画像でない部分をクリックすると、全画面が原寸大 (800×600ピクセル) で表示されます。

静止画像の他に、動画やコマ落とし動画の撮影ができるのも、たのしい機能の1つです。



QX3 のパソコン画面です。
(画面内の顕微鏡写真は、500円硬貨の 「百」 の文字の下部。60倍。 画面をクリックすると原画像 (512×384ピクセル) が表示されます。 以下、 マークのあるものは同様。)

画面はおおむねこのような雰囲気でまとめられていて、 マウスカーソルをボタンに合わせると、さまざまの音が出ます。
楽しいといえば楽しいし、喧しいといえば喧しいのですが、おもちゃですから、これでいいのだろうと思います。

パソコンとは USB ケーブル1本でつなぐだけ。
光源(豆電球)の電源も USB 経由で供給されますから、顕微鏡の画像がやや赤っぽくなるのは、そのせいのようです。

倍率は 10、60、200倍 の3種類ありますが、200倍は倍率が高くて、 フレーミングやフォーカスの調整が難しくなるようです。 きれいな画像が見えるようになるまで、かなりの時間がかかります。


撮影画像例
絹のスカーフ 塩の結晶
絹のスカーフ (×60) 砂糖 (×200)

これで撮った写真をいくつか、このホームページでも使用しています。

液晶ディスプレイ (×60)
(講義資料/ディスプレイ)
CD-ROM ドライブ 光センサ (×60)
(講義資料/CD-ROM ドライブ)



では、内部は一体どうなっているのでしょうか?

QX3 本体 主要部をベースから取り外してカバーを開いたところです。
8本のネジを外すと、この状態になります。

10倍、60倍、200倍の3本のレンズからなる顕微鏡ユニットに、円形の基板がつけられています。 CCD を含む電子回路は、全てこの基板に納められています。

基板には USB ケーブルと、照明用の電球につながるコネクタがあります。
これらを外すと本体はカバーと分かれてフリーになります。
シンプルです。
本体の顕微鏡ユニットです。

3本のレンズが組み合わされて一体になっています。

プリント基板を取って上部中心で接着剤で固定されている C-リングを外し、 上下にある小さな孔の奥の6本のビスをゆるめると、バラバラになります。
クリックすると大きい画像が表示されます バラバラになった、顕微鏡ユニットの主要部品です。

おもちゃにしておくのは勿体ないくらい、よくできていると思います。
レンズは手前から 200倍、60倍、10倍。
クリックすると大きい画像が表示されます

プリント基板。

両面表面実装の基板ですが、水晶、ダイオード、LED、電解コンデンサ、コネクタなどに リード線挿入部品も使用されています。

上の写真の面には、表面実装部品としてはチップ抵抗やチップコンデンサ、 トランジスタや小規模な IC だけが実装されています。

裏面には2個の LSI と CCD などが実装されていますが、大部分はシールド板で覆われていて、 CCD 以外は見ることができません。

QX3 は、FCC Part 15 Class B の EMI (electro-magnetic interference: 電磁波妨害) 基準を守っているため、随所にその対策と思われる処置が施されています。

このシールド板も、そのひとつと思われます。
基板に直接半田付けされているため、残念ですが、これは外さないことにします。

照明用電球 小さいことですが、このあたりもよくできているのではないでしょうか。

左の写真1は顕微鏡本体の背面下部ですが、ここに反射照明用のランプと、 透過光源ランプへの電源供給用の接点があります。

左端のネジを1本ゆるめると、ランプのホルダ部が取り外せます。
ランプはこうして交換します。

このホルダのランプへの電源も、本体に取り付けられると、写真2下部の接点によって接続されます。

顕微鏡本体は、写真3のベースに、ごく無造作に差し込むだけで透過光源ランプに接続されます。

この顕微鏡では、電線やケーブルの類を意識するのは USB ケーブルだけです。 電池の心配や電源スイッチの ON、OFF といった煩わしさもなく、 これさえパソコンに接続してしまえばおしまいです。

いまどき、そんなの当たり前、と言われてしまえばそれまてですが。


情報処理概論 に戻る  情報余話 に戻る  戻る

*1 Intel と、おもちゃメーカーの Mattel による共同開発のようです。

update: 2005.03.16  address