戻る 5進数

2進数の話を始める前に、少しウォーミングアップをしておきましょう。


数はふつう、10進法で数えます。

身長 174cm、体重 62.3kg、スーパーの特価のサラダ油 198円、本日の出席者数 37人 …、 みんな、10進法です。


しかし、10進法を使わないものもあります。

鉛筆 12本は 1ダースで、12ダースは 1グロスです。 あるいは、1分は 60秒で、1時間は 60分です。

他にも色々あって、最初は少しややこしいですが、特に難しいというほどのものではありません。




ここで、「5進数」 というものを考えてみます。

5 は日常よく使う数字で、指で数えるときにも 5 がひと区切りになります。

「正」 の字を使って 5 ごとに数える、というのもお馴染みです。
学級委員の投票で、黒板に 「正」 の字を書き並べていった光景などが思い出されます。


正、正、正…



両手の指を使えば 10 まで数えられますが、ここでは両手を使って 24 (30) まで数える方法について考えます。

下図の UP ボタン (または右手) をクリックすると、指折りながら数値を数えていきます。

4 まで数えて、つぎに 5 になると、右手は開いて左手の親指が折れます *1 。 これが、5です。

こうして、どんどん数えていくことができます。 右手の小指は使っていないことに注意して下さい。 4 や 9 の次に、小指を折って 5 や 10 を数える代わりに、桁上げして左手の指を折っています。

24 まで数えると、両手の小指をのぞいて、指は全部折れた状態になります。

本当はこれでお終いなのですが、手には指が5本あるので、そのまま 30 まで数えることができます。




右手の指は 1 数えるごとにひとつ折れます。 つまり、右手の指 1本は、1 を表しています。

左手の指は 5 数えるごとに折れますから、左手の指 1本は、5 を表します。

こうして、左右の手の指を使って、1 から 24 までの数を数えることができます。


もう少したくさん数えなければならないときは、友達の右手を借りてきます。 左手がいっぱいになった時は、友達の右手の指をひとつ折ってもらっておいて、両手を開きます。 25 です。 友達の右手の指 1 本は 25 を表すことになります。

もっと大きい数を数えるときは、友達の左手も借ります。この指 1 本は 125 を表します。

もっともっと大きい数を数えるときは、友達の友達の手も借りて…。


これが、5進数です。

0、1、2、3、4 の、5種類の数字を使って、どんな数でも表すことができます。





5進数 は、指で数えるのには向いていますが、メジャーではありません。

6進数 や 7進数、 13進数 など、何進数でも数を数えられることに変わりはありませんが、 コンピュータの世界では 16進数 がよく使われています。 マイクロコンピュータでは、8進数 が重宝された *2 こともありました。

しかし、いちばんよく使われているのは、何といっても 2進数 です。

2進数 は、 だけを使って数を表します。


人間の手に指が1本だけあって、腕が8本ほどあれば、 私たちは 10進数ではなく、2進数で数を数えるようになっていたかもしれません…。




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このページの Java Applet は、 DOWN をクリックするとカウント値が減少し、 Clear をクリックするとクリアされます。

左右の手をクリックすると、それぞれ 5 または 1 だけカウント値が変わりますが、 UP/DOWN をクリックすることによって増・減を切り替えることができます。



*1 小指を折っても 5 を数えられますから、5 については2種類の表し方があることになります。 →← ボタンをクリックすると、表現を変更することができます。

*2 Intel の i-8008 系の CPU は、命令コードが 3・3・2 ビットの構成で作られていましたので、 機械語でプログラムを作る場合には8進数で表した方が分かりやすかったようです。 Motorola の MC6800 系 CPU は、16進数で分かりやすい整然としたコード体系となっていました。



2002.02.05  address