作品記録/[三月劇場]
(イメージ)
[距離]
脚本
秋想一
http://www.infonet.co.jp/apt/March/Aki/Distance/script.html
6
ボク:([階段]の物語を話す)
1
ボク:お話しをしませんか?
あなた:お話し?
ボク:恐い夢を見たら、朝一番に、ボクがそれを聞いたげる。でも、ボクが楽しい夢を見た時は、そん時だけ、僕はあなたにお話しをする。あなたが、恐い想いをした時、ボクは、あなたにコーヒーを入れてあげることができる。
あなた:それがお話し?
ボク:お話しのお話し。誰もが知ってるお話し。
4
ボク:目が見えなくなったらどうします?
あなた:[ ]
ボク:いい気分になるんじゃないかと思うよ。夢だらけの世界、夢ばかりの世界、ちがう?
あなた:[ ]
8
あなた:([アダムとイブ]の物語を話す)
3
あなた:([雲]の物語を話す)
10
きみ:白鳥通り12丁目1番地の僕の家で、僕が読書にふけっていると、誰かドアをノックする音がします。おや、誰だろう、そう思って僕はドアを開けました。外は星の降る夜空でした。そうして、ドアの外には、一人の少女と1匹の犬がいました。少女は盲で、犬が少女の手を引いているようです。つうっと犬が中へ入ってきました。少女も引かれて入ってきます。僕はしょうがなく彼らを入れてドアを閉めました。すると犬が言いました。
犬:コーヒーを1杯もらえないかねえ。できたらタバコも1本。コップはここにある。
きみ:なるほど、犬の首には、コーヒーカップが二つ、ぶら下がっています。僕は彼らのためにコーヒーを入れ、外国タバコを勧めました。
犬:ところで、あんた、俺たちに、ちいーとばかし、小銭をめぐんじゃくれないか。いいや、只、くれとは言わないよ。何故、俺たちが、こんな旅をしているのか、その訳を話してあげる。え、どうだい?
きみ:そう言って、犬は首から下げた袋を指して見せました。僕はその中に少しのお金を入れてやりました。
犬:へへへ、そうこなくちゃ。では話そう。([手無し犬]の物語を話す)
きみ:物語を話し終えると犬はまた身づくろいをし、彼女に愛撫を加え、慇懃に礼をして、ドアを開けました。外は空一面の星です。二人は、現われた時とまた同じように、静かに出て行きました。そして星が降りだしました。
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[三月劇場]
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