Q:
色あいが1(回転数で)というのは0と同じだと思っていいですか(▽図)?
(05-06-13、中島さん)
A:
そうです。
1回転したらもとの場所に戻って来ますから、色あいが1(360゜法では360、弧度法では2π)っていうのは0と同じことになります。
ついでに言っておくと、-1も0と同じことになります。
同じ色に対して色合いが何通りもの表し方で表せてしまうのはよくないという考え方もあって、その場合は色あいを表す数を [0..1) の範囲に限定しています。
Q:
明るさが1以上っていうのはないのですか?
(05-06-13、森谷さん)
A:
あります。
明るさが1というのは、その情報を使っているシステム(例えばTV)で表示できるようにあらかじめ決めてある色のうちで最も明るい色だということを意味しているだけです。だから、それよりもっと明るいということもあっていいわけです。
それは別として、小数は分かりにくいっていう人もいるんで、[0..1) の代わりに [0%..100%) で明るさ(鮮やかさも)を測る場合もあります(▽図)。
もっとすごいのになると、256(=2
8)倍して [0..256) で測ったりすることもあります(こうなるとどっちが分かりやすいんだか)。この場合は明るさが255まであることになりますが、同じ1でも意味が違ってるってことに気をつけてね。
Q:
マゼンタって炭素と水素だけで作れてしまうんですか?
(05-06-13、中島さん)
A:
ちょっとつけ足しが必要だけど、だいたいそうです。
マゼンタは1859年に発明されたフクシンという染料を使って染めることができます。炭素がいくつも繋がり合っていて、枝のいくつか(ほとんどは水素がくっついている)にいろんな原子や原子群をくっつけた物質を有機化合物といいます。フクシンはその一つです。
フクシンは、炭素と水素の骨格に塩素と窒素がくっついてできています(▽図)。
Q:
色が見えていてもほんとうは別の色なのかもしれないってことなんですか?
(05-06-20、中島さん)
A:
そうです。
黄色を例にして説明すると、何かの花の色が黄色に見えている場合、それは黄色に感じさせる光子(紫以外のほとんどの原色にはそういう固有の光子があります)が目に届いているのかもしれないし(▽図左)、赤に感じさせる光子と緑に感じさせる光子が半々ぐらいに混ざって目に届いているのかもしれません(同右。ほかの組合せもありえます)。
Q:
たとえば、ここにペンケースがあって青く見えるんですが、これは色がつけてなくっても、青い光を出しているので青く見えているんですか?
(05-06-20、北島さん)
A:
前半は×、後半は○です。
つまり、青い光を出しているから青く見えているっていうのは合ってます。でも、なぜ青い光が出るのかな? 赤いペンケースだってあるのにね。
それは、太陽や電球の光が当たった時に、青以外の光子をみんな吸収してしまうような特別な物質(=絵の具)が、北島さんのペンケースには塗られて(または練り込まれて)いるからなんです。このため、太陽から飛んで来てペンケースに当たった光子のうち、青い光子以外はみんな吸収されてしまって、残った青い光子だけ(ほかのも少しは残ってると思うけど)が出て来るんです。
絵の具で色をつけるっていうのは、その色以外を吸収してしまうような物質を表面に塗るってことなんです。
Q:
並べ混色の3原色と
ポケモン(赤緑青)は何か関係があるんですか?
(05-07-04、三田村さん)
A:
二つ(並べ混色の場合+重ね混色の場合)の3原色はデザインの基礎の基礎ですから、
ポケモンでなくても、三つの色を使使い分けたいっていうと、誰でもほとんど瞬間に {赤 緑 青} の組み合せを思いつくと思います。去年は [流星戦隊ムスメット] なんてシリーズがあったんだって? 見たことなかったけど。
ポケモンについてはほかにも理由があるとは思いますが、いつか任天堂の人に聞いてみたいですね。
意味がよく分からない人たちのためにちょっと補足すると、
[ポケットモンスター] という名前でリリースされているゲームにはいろんなパッケージがあります。最初にリリースされた二つは
赤と緑とよばれていて、そのあとで青やピカチュウ(/黄)がリリースされました。最初の三つは並べ混色の3原色とぴったり同んなじになっているのが分りますか?
三田村さんはよく思いついたね。偉いっ!!!
Q:
RGB方式の{赤 緑 青} の強さを表すのに、[0...1) の代わりに "0から256まで" の整数を使う場合もあるっていうことですが、それだと257通り(最初の0と最後の256も数えるから)なんで、8桁のビット列(2
8=256種類)では足りなくなってしまいます。
0から255までっていうのが正しいと思います。
(05-06-27、hisukiくん)
A:
しまったっ!!! hisukiくんのいうとおりです。
"0から256まで" じゃなくて
0以上256未満って言わないといけませんでした。
Q:
CMYよりYMCの方がいいのでは?
(05-06-27、hisukiくん)
A:
この科目ではCMY(とCMYK)ですが、YMCと呼んでいる人もいるし、どっちでもかまいません。
どっちかというとCMY(またはK=黒を追加してCMYK)の方がよく使われているようです。たとえば、PhotoshopやIllustratorの表示ではCMY(実際にはCMYK)の方を採用しています(▽図)。
CMYの方が好まれるのにはわけがあります。
RGBを混ぜ合せたところ(▽図)を思い出してみてください。Rのちょうど反対(=G+B)の色はシアンですね。Gの反対は
マゼンタ、Bの反対は黄です。これを順に読むとCMYになります。
数式の書き方(▽図)と同じです。
- a2(b-c) - b2(c-a) - c2(a-b) = (b-c)(c-a)(a-b)
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あと、HSVとかHLSみたいに、ちょうどABC順になってるっていうのもいい感じですね。
Q:
TVやDVDのソフトを見ている時にスクリーンで光っている色の点の大きさって、きっととっても小さいと思うんですが、どれぐらいなんですか?
(05-06-27、古谷さん)
A:
うちのCRT方式のモニタを見てみたら、{赤 青 緑} の長方形が横縦にびっしり並んでいました。一つの長方形の大きさは、ものさしを当てて測ってみたら1/3mm×1/2mmぐらいってとこでした。
モニタの方式によって点の形や大きさは違います。古谷さんもいつも見ているモニタで調べてみてください。
これは、スクリーンのガラスのすぐ裏に塗られている蛍光体のパタンです。電子がここに当たると、電子の流れの多少に対応して、いろんな明るさで光って見えるようになっています。
ところで、これはスチルをデジタル化したためにできるセルとは別のものです。セルは、(これまでのふつうの)DVDの場合だと、フレームを横に1/720、縦に1/480等分してできるものなので、決まった大きさというものがありません。
Q:
HLS方式のLは何の略ですか?
(05-06-27、小又さん)
A:
LはlightnessのLです。
ふつうはbrightnessもlightnessも同じような意味で使われているようですが、そういう単語に(術語として使う場合だけとはいえ)学問の勝手で区別をつけるっていうのはちょっとヤですね。
Q:
マゼンタという色の名前が、Magentaの戦いのせいでそう決まってしまったというのはおもしろいと思いました。ほかの色の名前にはどんな由来があるんですか?
(06-05-01、ピンキー)
A:
大切な色でちょっと変わった名前がついているものというと、
マゼンタのほかには
シアン(cyan)があります。
cyanのもとの形は、ギリシャ語で青を意味するkuanosだったといいます。この単語は古くはホメロス(目が見えなかったのに)の[イリアッド]や[オデッセア]にも使われています。でも、kuanosは今のシアンとは違ってもっと暗い色で、それどころか青くなくても暗い色ならkuanosと呼ばれることもあったそうです[
Hukuda]。だけどホメロスって目が見えなかったんだよね。