戻る IP アドレス  (Internet Protocol Address)


IP アドレスは インターネットに接続されているコンピュータにつけられている番号です。
各家庭の電話機や携帯電話端末にそれぞれ 「電話番号」 がつけられているのと同じようなものです。

世の中に同じ番号の電話機がいくつもあると困りますが、 IP アドレスも世界中で同じ番号のコンピュータがないように管理されています。

電話番号は、 たとえば

072-805-2801

( これは関西外大の電話番号です。イタズラ電話はご遠慮下さい。)

ですが、 左から順に 市外局番 - 市内局番 - 加入電話番号 となっていて、 世の中に同じ番号の電話がないように、 電話会社によって管理されています。


IP アドレスは、 たとえば

11011011011110100011110110010011

で、 「電話番号のようなもの」 とはいっても、 コンピュータにつける番号ですから、 2進数で、 32桁の番号です。
IP アドレスが重複することのないように、 日本では JPNIC (Japan Network Information Center: http://www.nic.ad.jp/) が管理しています。



しかし、 2進数は 10 が目にチカチカするばかりで、人にこれをこのまま扱えというのは酷です。

そこでこれを、 8桁毎に区切ってやると、 少し見やすくなります。

11011011 .01111010 .00111101 .10010011

しかしこれでも、 読んだり書いたりするは大変ですから (ためしに、 上の 32桁の数字を書き写してみて下さい!) 、 8桁単位で 10進数に変えてやります。 最初の 11011011 は 10進数では 219 です。 同様にして、 全体では

  219 . 122 . 61 . 147  

となります。 これなら、 ストレスはありません

これが、人が取り扱うときの 「IP アドレス」 です。


扱いやすくはなっても、 IP アドレスで直接ウェブページを閲覧するのは、 やはり大変です。
219.122.61.147 は関西外大のウェブサーバの IP アドレスで、 http://219.122.61.147 で実際にホームページにアクセスできますが、 「219 . 122 . 61 . 147」 なんて、 とても覚えていられません。
それで、実際には IP アドレスの代わりに、 もっと覚えやすくて親しみやすい ドメイン が使われています。
関西外大のウェブサーバのドメインは www.kansaigaidai.ac.jp ですが、 これなら、 覚えるのも簡単です。




電話番号には 市外局番 - 市内局番 - 加入電話番号 といった階層構造がありますから、 各電話局では市内局番と電話番号さえ重複しないようにすれば、電話番号は日本全国で一意になります。

同じようなしくみが IP アドレスにもあります。


IP アドレスのクラス


これは IP アドレスの 「クラス」 という考え方です。

IP アドレスは ネットワークアドレス部 と ホストアドレス部 に分けられます。
(上図の "x" は 2進数の 0 または 1 ですが、 ネットワークアドレス部、 ホストアドレス部のそれぞれで、 0 ばかり、または 1 ばかりという設定は一般的には使用できません。 以下の説明で 27−2 = 126 など、 2 を引いているのはこのためです。)

ネットワークアドレスは JPNIC から各組織に割り当てられ、  ホストアドレスは各組織内で重複しないように設定します。

例えば クラス A の場合。
ネットワークアドレスは 8 ビットですが、 上位 1 ビットは "0" に固定されているので残り 7 ビット、 ということは、  27−2 = 126 の組織にネットワークアドレスを割り当てることができます。 24ビットのホストアドレス (224−2 = 16,777,214) は組織内で設定します。

クラス C の場合。
ネットワークアドレスは 24 ビットですが、上位 3 ビットは "110" に固定されているので、残り 21 ビット、 221−2 = 2,097,150 の組織にネットワークアドレスを割り当てることができます。 ホストアドレスは 8 ビットです。(28−2 = 254)




IP アドレスは 32 ビットですから、 4,294,967,296 (≒43億) 台のコンピュータを識別することができますが、 クラスの運用ではクラス A は 126、 クラス B は 1万6千、 クラス C は 209万余り の組織 (会社や大学、政府機関など) にしか IP アドレスを割り当てることができません。

インターネットができた当初、あるいはおそらく 10年前までなら、 「××大学は、少し余裕をみてクラス B にしておくか。」 くらいに、 鷹揚に IP アドレスを割り振っていてもよかったのでしょう。
( これで、 ××大学 では学内の 6万5千台 (!) ものコンピュータを インターネットに接続することができることになります。)

しかし、現在すでに 1億5千台ものホストコンピュータが インターネットに接続されています。

クラス C では組織内で 254台のコンピュータを接続できますが、 10台もつなげれば十分という組織も多いはずですから、一律 254台ではムダが多すぎます。
このままでは IP アドレスが足りなくなってしまいます。


そこで、 CIDR (サイダー: Classless Inter-Domain Routing) というしくみが考えられました。

CIDR


クラスはネットワークアドレス部とホストアドレス部を 8 ビット単位で区切りましたが、 CIDR は任意のブロック単位で区切って IP アドレスを割り当てます。

たとえばクラス C は 254台 のホストコンピュータを使えますが、 それでは足りない、 800台 は必要だという組織は、 かつてはクラス B にしていたわけです。 クラス B は 65,534台 ものホストコンピュータを接続できるのに、 これではほとんどの IP アドレスが実際には使用されず、 無駄になってしまいます。

こういう場合、 CIDR ではネットワークアドレス部の長さを 22 ビット、 ホストアドレス部の長さを 10 ビットにします。 1,022台 のホストコンピュータを接続できるので、 800/1022×100≒78% の IP アドレスが有効に使われます。 クラス C を4つ、 ひとつにまとめたことになります。 (クラス B を割り当ててしまうと 800/65534×100≒1.2% しか利用されません。)

10台も使えれば十分、 という小さい組織はネットワークアドレス部を 28 ビット、 ホストアドレス部を 4 ビットにします。 14台 のホストコンピュータを接続できるので、 10台なら 10/14×100≒71% が利用されます。 (クラス C だと 10/254×100≒3.9 %)


関西外大の IP アドレス


これは関西外大の IP アドレスです。
ネットワークアドレス部の長さ (プレフィックス長) が 28 ビットであることを、 219.122.61.144/28 というふうに、 アドレスの後にビット長をつけて表します。



32 ビットの IP アドレスは 約43億台のコンピュータを識別することができますが、 すでに 4億9千台のホストコンピュータがインターネットに接続されています。
クラス、 あるいは CIDR などによるアドレスの管理により、 実際には使われていないアドレスも多いことを考えれば、 43億は十分な数とはいえません。
現在、 IP アドレスを確保するために、 128ビットに拡張した新しい IP プロトコル (IPv6) が開発されています。



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*1 電話番号のそれぞれ、特に右端の4桁の数字を何というのか分からなかったので、 NTT に電話をかけて聞いてみました。 「左端は市外局番、まん中は市内局番でいいんですよね。 で、 右の4桁の数字は何というんですか」 と尋ねると、 最初電話に出た女性は急に黙ってしまって無言の行を続け、 2分ほどたってから、 「後ほどあらめてお知らせします」 といってこちらの名前と電話番号を聞いて電話を切り、 そのまま音信が途絶えてしまいました。 2度目の電話に出た男性はごくあっさり 「加入電話番号といいます」 と教えて下さり、 疑問が氷解しました。

*2 10進数表記にすると誰にも分かりやすいのですが、 2進数との関係が分かりにくくなって、 かえってストレスになる場合があります (*4 参照)。 どうして 16進数 にしなかったんでしょうか。

*3 ホストコンピュータ数の推移 をご参照ください。

*4 この場合、 IP アドレスの 10進数表記は最悪です。 10進数と 2進数が混在しています。 219.122.61.144/28 を見て、プレフィックス長と IP アドレスとの関係を即座に理解できる人は少ないのではないでしょうか。 16進数 (DB7A3D90/28) なら、分かる人が多いはずです。

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update: 2008.04.09  address