[月虹舎]


(イメージ)

いちばん悪い魔法
第05場
森島永年


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http://www.infonet.co.jp/apt/March/Aki/WorstMagic/05.html




全員寝たかと思ったら、いきなり朝だ。
みんなで慌ただしく身仕度して、さあ出発だ。

おかあさん  さあ、朝ですよ。お父さんには、おかあさんから、説明しておくからね、しっかり青木裕子ちゃんを助けてくるのよ。
おばあちゃん 私も行けたら、お手伝いするからね。
友里     こうして私たちは、青木裕子さんを助けにいく旅に出かけたのです。一番後から、荷物を持ってついて来ているのが、お姉ちゃんのボーイフレンドの孝くんです。孝くんの家は、ごく普通の人間の家だから、いくら人助けのためとはいえ、学校休んで危ない所にいくなんてことは、おかあさんが猛反対したのです。でも、孝くんは、人がいいから・・ついてきてくれることになりました。お姉ちゃんは絶対にないと思うけど、もしも、将来、孝くんと結婚することになったとしても、あの糞ばばあと同居する気にだけはなれないといっていました。でも、本当に孝くんってかっこいい。双葉     ほら、なにくっちゃべっているの。時刻表確認してきてよ。
恵美     最初にいったときには、踊っている間に着いたのに、どうして今回は、バスに乗ったり、てくてく歩いていかなくちゃならないのよ。
双葉     友里、魔法が間違っているんじゃないの。
孝友里ちゃんを虐めたら可哀相だよ。まだ小さいんだから。(いきなり友里にけとばされる。)いてっ。
友里     友里は子供じゃないんだからね。

バスのなか。すっかりピクニック気分だ。
山道を上っている。

恵美     ねえ、自動販売機見えない。冷たいものが飲みたくなっちゃった。
孝みんな、つらいのを我慢しているんだから、もう少し我慢して。自動販売機があったら、買ってあげるから。
双葉・友里  やっさしいんだ。
友里     あっ、あたし足が痛くなっちゃった。
双葉     ミエミエなんだってば。

雨も降ってくるかもしれない。風も、雷も、そして雨上りの虹の向こうに、鏡の国はあった。




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