資料シート●[メディアテクノロジー論]
演習
HSV方式の多形性
ヒント
http://www.infonet.co.jp/apt/March/syllabus/MedThech/still/hint/HSV.html
かん違いはしていないかな
???
・HSV方式と同じように、色相、彩度、明度(value)の組合せで色を表現する方式がもう一つある。それはHLS方式というもので、明度(lightness)の定義がHSV方式とは全く違っている。ほかの参考書ではHSV方式がなくて、HLS方式だけしか書いてないかもしれない。HLS方式にも多形性があるけれど、それならそれで、HLS方式の多形性について説明するって断っておかないと、話しが食い違ってしまう。
書き落としはないかな
???
・HSV方式はただの考え方であって規約ではないから、実際に色を表現するための標準的な表記が決まっているわけではない。特に、それぞれの属性をどんな範囲の数で表現するか(0〜1、0〜255、0%〜100%など。色相の場合だと0゜〜360゜なんていうのも)、属性の値を並べる順番をどうするか(ふつうは色相、彩度、明度の順)なんかは場合によってさまざまだ。ここではそこのところをどうしているのか説明してあるだろうか?
Q
基本の基本なんだけど、多形性ってどういう意味なんですか?
(02-05-12)
A
たとえば分数とその表し方のことを考えてみよう。1の半分だったら、最もふつうの表し方は1/2だ。でも、それだけじゃない。2/4だって3/6だって1の半分を表すってことではみんな同じだ。
このように、何かのものやことがらを表すための表現法の中には、同じものなのに複数の(しかもどれもが正しい)名前(とは言わないで表現と言った方がいいんだけど)が許されてしまうようなものがいくつかある。このような性質を多形性という。
多形性っていうのは、ものやことがらの方の性質じゃなくて、表現法の方の性質だってことには注意しておこう。たとえば、複素数には実部と虚部との組の形式(たとえば1-2i)と、半径と方向との組の形式(たとえば2e2π/3。これは1+31/2iのこと)との二つの表現法がある。この二つのうち、[実部 虚部] の形式の方には(それぞれの成分の表現法が多形性をもっていたとしてもそれは無視して)多形性はないけれど、(半径 方向) の形式の方には多形性がある(どんな場合に現れるかは課題と関係あるから言えない)。
もう一つ、多形性は声にしたり字にしたりする時の問題とは違うってことも注意しておこう。つまり、1を"一"と書くか"1"と書くかって違いは、多形性のうちには数えないってことだ。表現法っていうのは考え方だからね。
Q
分かった!
純粋な赤は、HSV方式だと(色相:0, 彩度:255, 明度:255) と、それを色相方向に1周させた (色相:255, 彩度:255, 明度:255)と2種類の方式で表せるっていうのが正解でしょ?
(02-05-12 そ...さん)
A
いいえ。違います。(色相:255, 彩度:255, 明度:255) は純粋な赤じゃなくて、微かに紫っぽい赤になります。これがもし (色相:256, 彩度:255, 明度:255) だったら確かに純粋な赤になるんだけど。255は0じゃなくて、その少し前なんだ。359度ではまだ1周にならないだろ?それと同じだね。
コンピュータの世界では、いろんなことがらの程度を(色相、彩度、明度みたいなもの)0〜255の256段階で表すことが多いけど、255は最高の段階よりも一つ下の段階を表すんだ。その方が、いろいろつごうがいいんだ。
もしも、256だけじゃなくて、257や-1みたいな、0〜255 の範囲の外の数も使えるってことにすれば、(色相:0, 彩度:255, 明度:255) 以外にも純粋な赤の表現があり得るってことになるし、実際に、使っている人には見えない所ではそういうしかけになっている情報システムもあるんだけどね。でも、ここではそういうことは考えないってことにしておこう。そうそう、もし、そこまで許すんだったら、実はHSV方式では、どんな色についても複数(しかも無限)の表現があるっていうことになるんだけど、何が起るのか、分るかな?
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演習●HSVの多形性
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02-05-12