学習書●[情報処理]

演習
電子メールとほかの通信
電子メールと郵便
報告

野田麻梨子
(02年度履修生)
02-10

http://www.infonet.co.apt/March/syllabus/Literacies/network/gallery/Noda.html




 電子メールとよく似た目的で利用されている通信メディアに郵便がある。この二つの通信の利点/欠点を比較し、それに基づいて電子メールに適した用途/適さない用途を考えていく。

 野田さんの説明ではあまり困らないけれど、電子メールということばの範囲ははっきりさせておいた方がいい。野田さんは携帯メールも含めたものを電子メールと呼んでいるけれど、人によっては狭い意味での電子メールと携帯メールとを区別することもあるからだ。

 まず一般的に言われるのが電子メールと郵便の利便性の違いである。
 郵便の場合、宛名を書いたり手紙をポストへ投函しに行ったり、といった手間がかかる。その点電子メールはややこしいメールアドレスも一度アドレス帳に登録してしまえば、何度も打ち込む手間はなくなるし、机上のPC、または携帯電話から簡単な操作で送信することができる。

 相手に届くスピードも電子メールの方が郵便に比べて断然速いのも魅力である。特に携帯電話の電子メールでは、(携帯電話は大抵電源が入ったまま、持ち歩いているため)、相手から即座に返事をもらうことができる(PCの電子メールの場合はPCを立ち上げない限りメールが届いているかどうか確認できないという弱点はある)。これに対して、郵便は相手に送るのにも、そして相手から返事をもらうのにも日数を要してしまう。

 さらに電子メールは場所も選ばない。電子メールはノート型パソコンや携帯電話を常に持ち歩けばどこでも送受信可能であるが、郵便だと例えば勤務中に自宅に手紙が届いた場合、家に帰るまで中身を読めないのだ。

 また、メーリングリストの機能を利用すれば、同じ内容を複数の人に一度に送信できるというのも、電子メールの利点の一つだ。郵便によって複数の人に同じ内容を送ろうとすれば、手書きの場合相当な手間がかかることは想像に難くない。

 以上のように、利便性を考えると、電子メール方が郵便より優れていると言えるだろう。しかし、その他の面では、必ずしも電子メールの方が優れているとも言えないのである。

 その理由としてまず挙げられるのが電子メールにおける情報漏洩の問題である。郵便の場合、封筒に入った内容は相手に届くまで誰かが開封しない限り見られることはないのでその点は安心だと言える。

 この論理は少しおかしい。
 電子メールは開封されると情報が漏れて、郵便の方は開封されなければ情報が漏れないというのでは、違う条件で比較しているのだから比較になっていない。
 実際は、はがきをひっくり返して見る方が、電子メールを途中でつかまえて開封して見るのよりもずっとやさしいだろう。封筒でさえ、電子メールに比べれば家族など他人の手には渡りやすいはずだ。

 世の中への普及の度合いにも注目したい。
 電子メールは確かに近年のIT化で世の中に急速に普及した。私も一日に何通もの電子メールを諸連絡や、友人とのコミュニケーションに利用し、大いにその恩恵を受けている一人である。しかし、いまだにコンピュータ関連に苦手意識を持っている人もいるし、特にお年寄りや子供には(最近の小学生は携帯電話を持ち歩く姿をよく見かけるが)自由に利用できる電子メール機能を備えた機器を持っていない人も多いだろう。
 例えば私の経験から言えば、コンピュータに関する知識をあまり持たない人が電子メールを送信してきたとき、そのメールがどうやらHTML形式で送信されたらしく、文字化けをして読めないということがあった。そのため本来は利便性を考慮して利用されたはずの電子メールであったのに、逆に再度メールを送信しなおしてもらったりといった手間がかかってしまったのだ。
 このような人たちと連絡をとりたいと思ったとき、活躍するのはやはり郵便であると思う。郵便には前述の通り利便性において電子メールに劣る点が多数あるが、子供からお年寄りまでより多くの人が気軽に利用できるという大きな利点があるのだ。

 さらに、よく言われていることであるが、電子メールの無機質な活字に比べ、郵便で送られてきた手書きの文章は、どこか送り主の温かみを感じさせるものである。ついつい手軽な電子メールで友人と連絡を取り合ってしまう私も、年に一度手書きの文章を郵便で受け取る。年賀状である。そこに印刷された絵や形式的な新年の挨拶がコンピュータでプリントされた物であっても、最後に一言二言自分に向けて短い手書きのメッセージが加えてあるだけで、嬉しくなるし、その人のことを思い浮かべやすくなるのだ。この喜びはいくら電子メールの機能が進化し、より便利になっても、人々を郵便につなぎとめてくれるのではないかと思われる。

 この論点についての論理は感覚だけが先走っていて弱い。
 電子メールの字とはがきや便箋の字とがどう違い、それが何を起こすのかを、きちんと考えなくてはいけない。たとえば、野田さんは電子メールの字は手書きではないと思い込んでいるが、コンピュータや携帯のスクリーンに表示されている字はデザイナがまごころを込めてデザインしたものであって、一つ一つの形は決して無機質なものではない。

 電子メールにおけるウィルスの問題もある。しかし、昨年アメリカで起きた炭疽菌騒動から分かるように、郵便だからといって決してウィルスのような有害危険な物質が送られてこないという保障はなくなった。私はこの点においてはどちらが優れているかということは言えないだろうと思う。

 以上の比較から、電子メール/郵便に適する用途は▽表のように分けることができる。

電子メールに適する用途
郵便に適する用途
早く相手に連絡を取りたいとき
相手からの返事を届いてすぐに知りたいとき
複数の人に一度に同じ内容を伝えたいとき
他人に絶対に知られてはいけない内容を伝えるとき
全く電子メールを利用しない相手(コンピュータを持っていないなど)と連絡を取りたいとき(当たり前のことではあるが)
相手に大切な気持ちを伝えたいとき



このページの記事は、科目[情報処理]を履修した学生が課題の学習の一環として作成した著作物(一部加筆)です

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