作品/[三月劇場]

[映画の食卓-僕の食卓]
(3)



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 僕は昔からロリコンではないかと疑われたり、決め付けられることが多かった。正直言って、僕は自分ではロリコンではないと思っている。なぜなら、小学生もかわいいと思うが、中学生も高校生も大学生もOLも人妻も、みんなかわいいからである。ただし、どの小学生もかわいいわけではなく、中学生も高校生も大学生もOLも人妻にも僕なりの好みがあることはもちろんである。つまり、僕は単なるスケベなのだ。
 このロリコンという言葉の語源となったのはウラジミ−ル-ナボコフの小説「ロリータ」である。映画化したのが鬼才スタンリー-キューブリック監督。
 原作の小説は高校時代に読んでいたのだが、つい先日、貸しビデオ屋に置いてあるのを見付けたので、借りてきて観た。発表当事はその内容からずいぶんスキャンダルな取り扱いをされた作品だが、まさかスタンリー-キューブリックである、つまらないはずがないと信じていたのだが、つまらないのだこれが。途中で観ていられなくなって、全部を観るのに3日かかってしまった。
 今の感覚からすれば、主人公の女の子がどう見ても成熟した女性にしか見えないところでまずつまずいている。「ロリータコンプレクス」という言葉が市民権を得てきていることからも分かるように、話の素材自体も風化しているのだろう。なによりもキューブリック監督が原作に振り回されているように見えた映画だった。
 高校時代に原作を読んだときには、よく分からないが文学の香りがするなと思ったものである。
 そういえば、当時は名作といわれたり、実験映画と呼ばれる映画を好んで観ていたような気がする。最近は年をとったせいか肩のこらない他愛のない話の映画が好きだ。
 ロリコンついでで少女がメインとなる映画といえば、フランス映画「世界で一番好きな人」などは大好きな作品である。乱れた生活をしている青年医師が夜更けにアパートへ帰ってくると、階段にスニーカーが置いてあり、少女が待っている。この階段にスニーカー、というのがこの映画のキーワードなのだが、これ以上は観てのお楽しみ。
 映画の中で少女が朝食を作るシーンがあるのだが、例によってクロワッサンを食べていたのかシリアルを食べていたのか記憶がない。ただフランス映画によく出てくるあのどんぶり鉢みたいなカップでショコラを飲むシーンが印象的だった。昔からフランス映画を観ているとしばしばあのどんぶり鉢みたいなカップが出てくるのだが、一体何を飲んでいるのかが謎だったのだ。
 フランスであるからカフェオレだろうと思っていたのだが、まさかココアとは。しかしショコラとココアとは一致するものだろうか。ドイツの児童文学である「エミールと探偵たち」などではホットチョコレートを飲む所が出てくる。僕の持っているソフトドリンクの本ではココアとチョコレートは別物である。チョコレートは塊を湯せんして牛乳で薄めるとなっている。もっともこのソフトドリンクの本で「アメリカンコーヒー」はアイスコーヒーにレモンの皮とアイスクリームを浮かべたものとなっている。
 「ジャーマンココア」というココアの作り方をご存知だろうか。この「ソフトドリンク」の本に載っていたココアの作り方のひとつだと思うが、ふつうのミルクココアにバターを浮かべたものである。話だけ聞くとえぐい飲み物だがこれはこれで結構美味い。まあ、高血圧の人や中性脂肪の高い方糖尿病の人にはすすめられない飲み物である。
 このほかここ数年で観た映画(とはいってもビデオですが)でお奨めなのはフランス映画では「僕はパリに恋してる」、イタリア映画では「私の愛した少女」の2本。「僕はパリに恋してる」はストーリーが漫画的ながらよく出来ている。「私の愛した少女」はストーリーは暗くてテンポもいまいちだが、なんたって出てる女の子が僕好み。セミヌードも見られる。ただ、この映画でヌードが必要だとは思えなかった。
 スケベな僕であるからビデオ屋でHなビデオを借りるのにはあまり抵抗はない。ただあまり借りたことがないのは、観ていると飽きるのだ。下手をすると1本を観るのに3日も4日もかかってしまう。最後には全部見るのが苦痛になってくる。そんな思いまでして観たくないというのでついついおっくうになってしまう。ストーリーのないただそれだけというのは観ていてやはりつまらない。スケベ系で面白かったのは韓国映画の「桑の葉」シリーズと、日本映画の「尻を撫で回し続けた男」シリーズである。「尻を撫で回し続けた男」シリーズはヌードのあまり出てこないスケベ映画としてはなかなかのものである。
 まあ、スケベそのものよりも映画の中に出てくる中年男の悲哀に共感を感じる部分のほうが多いのかもしれない。
森島永年




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