戻る 電子透かし (Digital Watermark)


私は、「透かし」 というと、すぐに紙幣の 「透かし」 を連想します。

紙幣は簡単に偽造されないように、高度な印刷技術や特殊なインク・用紙の他に、「透かし」 も使われています。
透かしのある用紙を入手するのは困難ですから、偽造を防ぐのに効果があります。


透かし


紙幣と違って、デジタルデータは容易にコピーが出来ます。しかも、何度コピーを繰り返しても品質が落ちません。 デジタルデータの大きな特徴ですが、これがかえって困る場合もあります。

画像や音楽などの著作権を守ることが難しくなるからです。



そこで、デジタルデータにも 「透かし」 を入れることが考えられました。

下の写真は、一見ふつうの写真に見えますが、 「透かし*1」 が入っています。 "0" のボタンをクリックすると、オリジナルの写真が表示されますが、 ほとんど違いは分からないでしょう。 "2"、"4"、"8" のボタンをクリックすると、 数字に応じて透かしの表示が強調されます。

透かしのデータそのものを見るには "W" ボタンをクリックしてください。 写真は消えて、グレーの背景に変わりますから、透かしのデータが分かりやすくなります。

透かしのデーターには著作者や個々の画像の ID が含まれていて、 このように画面全体に2次元バーコードのように埋められていますから、 これを無効にするために部分的に改竄しても、透かしデータは消えません。 オリジナル画像の品質を落とさない限り、透かしデータは残りますから、著作権を守ることが出来ます。




電子透かしは、紙幣の透かしのように目に見えるものではなく、 画面全体に目では見えないように画像データに透かしデータを重ね合わせています。

もちろん、画像に透かしデータをつけ加えたり、透かしデータを読み取るためにはソフトウェアが必要ですが、 現在一般的によく使われているペイントソフトには、この機能が組み込まれているものもありますから、 誰でも気軽に 「電子透かし」 を使うことが出来ます。



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*1 「透かしデータ」 は、本来1ピクセル単位で処理されていますが、 それでは細かすぎて見にくいので、ここでは見やすくするために、4ピクセル×4ピクセルに拡大してあります。

2001.07.30 address