戻る STICK SHOT (デジカメ)

STICK SHOT 「あそ◆デジカメラ STICK SHOT」 というそうです。

おもちゃやさんで見かけて、つい、買ってしまいました。

\3,000 と、ずいぶん安かったからですが、メーカー希望小売価格は \7,980 だそうです。
メモリ容量が4倍の新機種、 「スティックショット MX」 というのが発売されているようですから、 旧機種は安くなったのかもしれません。
昨年 (2001年) は、メモリ価格大暴落の年でしたが、その影響がこんなところにも及んでいるのでしょうか。




STICK SHOT
  STICK SHOT 背面。液晶には残り撮影枚数が表示される。
パッケージに書かれている仕様と機能を下の表にまとめてみました。

仕様を見るとなかなかのものですが、やはり普通のデジカメと比べると大胆な割り切りが随所に見られます。
メモリもそのひとつで、内部には 16M ビットの DRAM が実装されていますが、正真正銘、メモリはそれだけです。 撮った写真はそのまま DRAM に記憶されています。 DRAM は揮発性メモリですから、電池がなくならないうちにパソコンに取り込まなければなりません。

画像データは BMP 形式で保存されるので、CIF サイズの写真は約 300キロバイトになります。 20枚撮影すると 6MB ですから、うっかりしているとハードディスクには無圧縮の画像データがあふれてしまいます。

カメラには、シャッターボタンとモード切替ボタン以外は何もありません。 フォーカスは固定、露出は自動です。
電源スイッチもないので、使わないときは電池を外しておかなくてはなりません。 無精していると DRAM がせっせと消費して、約1週間で電池がダメになってしまいます。
小さくて軽くて、いつも気軽に持って歩くのにいい (電池込みで約 58g) のですが、 「おっ、撮ろう」 と思ったときに電池を入れなければなりません。 電源スイッチだけは、なんとかして、つけてほしかったです。

●画像素子:10万画素 CMOSセンサー
●出力解像度高解像度:352×288ピクセル (20枚)
低解像度:176×144ピクセル (80枚)
●動画撮影:高解像度 約2秒・低解像度 約8秒
●接続:USBポート
●転送速度:約 0.3秒/枚
●ピント合わせ:固定焦点
●露出合わせ:自動
●液晶表示:7セグメントでモード、残枚数表示
●バッテリーライフ:連続使用2時間 (アルカリ)
スタンバイモードで約 1 週間画像保存
●商品サイズ:125×30×25mm
●添付ソフト:Photo Express 3.0 SE
インターネットの写真屋さん
●その他:セルフタイマー、オートスイッチOFF

◆ 撮影例
撮影例1: 関西外大図書館棟 撮影例2: 関西外大中庭通路

写真をクリックすると、原寸で表示されます。



例によって、分解してみました。

小さいネジを2本、精密ドライバで外すと、簡単にカバーが開きます。

左の写真はそうして開いて、レンズを外したところです。
CMOS センサや DRAM が見えます。
写真をクリックすると、大きい写真が表示されます (以下、 マークのあるものは同様)。

カメラの主要部クローズアップです。

電子ブザーが両面テープで DRAM の上に貼り付けられています。

メモリの単価は暴落したとはいえ、コンピュータの重要な部品に変わりはありませんが、 ここではブザーの保持台との二役です。

基板の裏面では、データ処理用 LSI と液晶が目立ちます。

液晶の右上にある小さいスイッチは、モード切替用です。 シャッター用のスイッチは、これの反対側にあります。
基板は両面とも DRAM、LSI、CMOS センサ、液晶などでほぼ埋めつくされていて、表面実装技術の粋を見る感があります。

これがおもちゃか…、と思ってしまいます。


写真の左下にある金属片は、電池ホルダのプラス極の接点です。

マイナス極用のスプリング接点同様、基板に半田付けされていたものですが、この分解のごく初期、 いちばん上の写真を撮ったときにはもう外れていました。

外れた箇所をよく見ると、半田のヌレが悪かった形跡があります。 こういう手半田は品質の管理が難しいものですが、 電池ホルダーの接点のような応力のかかる部品を半田で固定するという設計は、品質以前の問題です。 半田は電気的接続の手段であって、機械的接続の手段ではありません。

このカメラには電源スイッチがありませんから、電池の出し入れは他の機器以上に頻繁に行われると考えるべきでしょう。 その接点が半田付けでは、たとえ製造品質が良くても、いずれはこわれる可能性が高くなります。

これがおもちゃか…、と思いました。



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2002.02.10  address