
左はいつの間にか姿を消してしまった 「マウス」 です。
現在どこにでもいるのは、 中央にボールがないマウスです。
ボディとケーブルの形が似ているので 「マウス」 と呼ばれていますが、 最近は尻尾のないマウスも増えました。
マウスの底面の穴からボールの一部が覗いていて、 マウスが動くとボールが回転するようになっています。
ボールには直角に配置された 2 個のローラーが接していて、
マウスが動いてボールが回転すると、 ローターに付いた円板も回転します。

マウスが前後に動くと図の右側の円板が、
左右に動くと左側
(奥) の円板が回転します。
斜めに動くと両方の円板が回転し、 マウスの動く角度によって回転数の比率が変わります。
円板には細かいスリット上の穴があって
(写真をクリックして拡大すると見えます)、
その両側で LED と光センサが向かい合っています。
円板が回転するとこの光を遮断したり通したりすることになるので、
その回数を数えれば円板の回転角度、 すなわちボールの回転角度、 イコールマウスの移動量を知ることができます。

マウスはダグラス・エンゲルバートによって、 1961 年に作られました。
しかしこの初代マウスは縦横 2 枚の円板
(縦方向の円板は見にくいですが写真では奥、 手元の方にあります)
を直接動かす構造のため、 マウスカーソルを斜めに移動させる場合、
そのまま斜めに動かしたのではどちらにも横車、 スムーズに動きません。
縦・横・縦・横・縦・横横… と、 マウスの操作にかなりのテクニックが必要です。
それにしても、 これが 1961 年にすでに考えられていたのには、 驚きます。
1961 年といえばガガーリンが人類初の宇宙飛行をし、 ケネディがアポロ計画演説をした年です。
コンピュータは真空管からトランジスタに変わったばかりで、 IC 化はまだ。
もちろんパソコンなど、 影も形もありません。
そんな時代にまあなんと、 です。
ディスプレイの画面で位置を指示する装置として、 当時ライトペンなどが使われていました。
格好はいいんですが、 恐ろしく使い勝手の悪い代物でした。
マウス万歳!