戻る 新イソップ童話 「兎と亀」 (情報伝達)


百足の旗指物  速度に2種類がある。 −−などと云うと 「エッ!」 「ソンナバカナ!」 と云われそうである。 速度は 「距離/時間」(m/s) に決まっているではないか。 他に何があるんだ。 と云われるだろう。 ところが不思議なことに、 コンピューターの世界では、 情報伝達速度、 あるいは通信速度というと、 bit/sec (ビット/秒)、 1秒間に何ビット送ることが出来るかと云う問題にすり変わる。 すなわち 「荷物量/時間」 である。

 パソコンの7不思議の一つかも知れない。 つまり、 兎と亀の問題ではなくて、 トラックの荷台の大きさの問題に置き変ってしまっている。

 かくて、 コンピューター世界では、 広帯域 (ブロードバンド) をもって高速とする。 広帯域はつまり、 荷台の大きさが広いと云う意味に他ならない。

帆掛けたる舟  それと云うのも、 コンピューターの場合、 通信回線として、 電線を用いようと、 光を用いようと、 電波を用いようと、 そのなかでのデータ移動速度 (m/s) は、 つまりトラックの走る速さは光の速度 (C=約3×10の10乗cm/秒)、 あるいはそれに近いものであり、 決まっているので計測する必要もないからに他なるまい。

 それにしても、 かくて行き着く先は、 もし亀が山ほどの荷物を背負っていると、 兎よりも速いことがあると云う誠に珍奇なパラドックスに陥るのである。 

 コットンコットンと走るチンチン電車も、 十数人のお客を乗せていると、 高速道路をビュンビュン飛ばすスポーツカーより速いと云うパラドックスである。 イソップもびっくり!。



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(写真は滋賀県豊郷小学校旧校舎階段)